JP2008185050A - 一方向クラッチ - Google Patents

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英樹 藤原
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Abstract

【課題】荷重の過大時に調心性がなくなって偏心し、くさび部材の空転位置でもロックしてしまい、くさび部材の付勢部材や保持器を破損するという問題を解消する。
【解決手段】プーリ4が中空軸3に対してロック方向に相対回転すると、係合ころ13が、プーリ4の内周面12と中空軸3のロック位置のカム面区間11aとの間のくさび状空間の狭い側に噛み込まれ、プーリ4と中空軸3とが一体となってロック状態となる。このとき、過大なプーリ荷重が負荷されたとしても、係合ころ13は、ロック位置のカム面区間11aから傾斜面区間11cを経由してアンロック位置のカム面区間11bに至り、大きなクリアランスを得て、噛み込みが解除される。したがって、くさび状空間で係合ころ13が詰まり、空転機能の低下、さらにひどい場合には、逆方向ロックで係合ころ13が移動してコイルバネ14や保持器15を破損するという事態が未然に回避される。
【選択図】 図3

Description

本発明は一方向クラッチに関し、特にくさび部材を用いる一方向クラッチに関する。
一方向クラッチは、例えば自動車などのエンジンのクランクシャフトからベルトを介して駆動されるエンジン補機に装備するプーリユニットなどに内蔵される。エンジン補機としては、例えば、自動車のエアコンディショナ用圧縮機,ウォーターポンプ,オルタネータ,冷却ファン,クランクプーリなどがある。このようなプーリユニットには、回転変動を吸収する目的で一方向クラッチを内蔵したものがある(例えば、特許文献1参照)。例えば、オルタネータでは、プーリが、エンジンのクランクシャフトによりベルトを介して回転駆動されるため、クランクシャフトの回転数が低下するとオルタネータの発電効率が低下していたが、一方向クラッチを内蔵していれば、プーリの回転数が低下するときにオルタネータのロータ軸を自身の慣性力によって回転数を高域に維持させるように一方向クラッチを機能させることができるので、発電効率の向上に貢献できるようになる。また、クランクシャフトからの回転変動とオルタネータのロータ軸の慣性力とにより、ベルトにストレスがかかってベルト寿命が低下したり、スリップによる騒音が発生したりすることを防止できる。
従来の一方向クラッチでは、図5に示すように、内輪103の外周面に平坦面(ただし、偏心アールカム面は、広義に「平坦面」であるとみなす)であるカム面111が複数形成されていた。カム面111は、くさび部材である係合ころ113のロック位置のカム面区間の厚さa(回転中心軸線Oを通る平行面からカム面区間までの距離)と、係合ころ113のアンロック位置のカム面区間の厚さbとが等しくなっていた。
ここで、図6を参照して、一方向クラッチで噛み込みが生じる条件を検討すると、摩擦係数μと法線荷重Nとの積である摩擦力μNが接線荷重Fより大きくなることが必要である。接線荷重Fは、法線荷重Nとくさび角θの1/2の正接tan(θ/2)との積で表されるので、結局、摩擦係数μに対して、正接tan(θ/2)が小さくなければならない。近年、エンジンの回転変動の増大により、摩擦係数μが低下する傾向があり、このため、くさび角θを次第に小さく設計せざるをえなくなってきている。
一方向クラッチのくさび角θは、噛み込み性を考えると小さいほうが望ましいが、くさび角θが小さくなるとトルクが同じでも法線荷重Nの比率が増大して面圧が高くなり、この結果、疲労寿命が短くなる。このため、噛み込み性と疲労寿命とは相反することになり、両者を考慮してくさび角θは、4度以上8度以下、好ましくは5度以上7度以下の範囲が適している。詳しくは、くさび角θを最小くさび角θminである4度未満に設定すると、くさび状空間における狭い側と広い側との寸法偏差が小さくなり過ぎるために、ロック状態からアンロック状態へ切り替えるときに係合ころ113がロックしたままの状態になりやすくなる。一方、くさび角θを最大くさび角θmaxである8度を越えて設定すると、くさび状空間における狭い側と広い側との寸法偏差が大きくなり過ぎるために、アンロック状態からロック状態へ切り替えるときに係合ころ113が空転して遅れやすくなる。すなわち、噛み込み性を良くするには(滑りにくくするには)、くさび角θが小さいほうが有利であるため、くさび角θは8度以下の条件となる一方、カム面111の疲労寿命を長くするには、くさび角θが大きいほうが有利であるため、くさび角θは4度以上の条件となる。
特開2000−283187号(図1,段落0010〜0011)
ところで、近年は、エンジンの回転変動が次第に大きくなる傾向があり、エンジンの回転変動が大きくなると慣性トルクが大きくなって、プーリに装架されるベルトの張力が大きくなり、プーリ荷重が大きくなる。このため、過大なプーリ荷重が負荷されることがあり、サポート軸受等の弾性変形により内輪103のカム面111に対してプーリ104の内周面112が偏心し、くさび状空間で係合ころ113が詰まり、空転機能が低下するばかりか、さらにひどい場合には、逆方向ロックの状態で係合ころ113が移動し、付勢部材114や保持器115を破損する場合がある。詳しくは、一方向クラッチは、空転するときには係合ころ113のクリアランスのために、外部から荷重がかかったならば、偏心してしまう。そのため、サポート軸受を設けて、空転時にも調心性を持たせている。それでも、外輪104への荷重が大きくなると、係合ころ113のクリアランスが詰まり、外輪104への荷重によって係合ころ113とサポート軸受とが弾性変形して偏心する。すると、図7に示すように、係合ころ113が移動して、空転時には偏心し、偏心すると空転位置でも逆方向にロックしてしまい、両方向ロックで一方向クラッチの機能を果たせなくなるという問題があった。さらに、逆方向ロックの状態で係合ころ113が移動すると、付勢部材114や保持器115を破損するという問題があった。
このような事態を解消するために、係合ころ113と外輪104の内周面112とのクリアランスを大きくすると、通常、平坦面であるカム面111では、くさび角θが大きくなってしまう。ただし、平坦面の確保に必要なカム面111は、最小くさび角θminである4度以上のところであり、それ以下は制約されない。制約されないカム面111の形状を変え、クリアランスを大きくする一方、くさび角θが小さくなることを抑えるために、外輪104の内半径Rが小さく設計される傾向が顕著となる反面、係合ころ113の直径dが大きく設計されるとともにカム面111間の距離(二面幅)が増大するように設計がされる傾向がある。このため、係合ころ113の空転時のクリアランスがますます小さくなり、空転時に係合ころ113が逆方向ロックして付勢部材114や保持器115を破損する可能性が増大していた。
本発明の目的は、このような事情に鑑み、荷重過大時の空転機能の低下およびくさび部材による付勢部材や保持器の破損を回避できるようにした一方向クラッチを提供することにある。
課題を解決するための手段および発明の効果
請求項1記載の一方向クラッチは、同心状に配設される内輪および外輪をくさび部材を介して同期回転させるロック状態と相対回転させるアンロック状態とに切り替える一方向クラッチにおいて、前記くさび部材が係合するカム面における前記くさび部材のアンロック位置のカム面区間の厚さを、前記くさび部材のロック位置のカム面区間の厚さよりも小さくしたことを特徴とする。請求項1記載の一方向クラッチによれば、くさび部材が係合するカム面におけるくさび部材のアンロック位置のカム面区間の厚さを、くさび部材のロック位置のカム面区間の厚さよりも小さくしたことにより、くさび状空間でのくさび部材のラジアル方向のクリアランスを確保することができるので、空転時に過大なプーリ荷重が負荷され偏心しても、空転位置で逆方向にロックされてしまうという事態を未然に回避することができる。このため、逆方向ロックの状態でくさび部材が移動して、くさび部材により付勢部材や保持器が破損されることがなくなる。
請求項2記載の一方向クラッチは、請求項1記載の一方向クラッチにおいて、前記ロック位置のカム面区間が平坦面(ただし、偏心アールカム面は、広義に「平坦面」であるとみなす)であることを特徴とする。請求項2記載の一方向クラッチによれば、ロック位置のカム面区間が平坦面であるので、くさび部材の確実な噛み込みが期待できる。
請求項3記載の一方向クラッチは、請求項1または2記載の一方向クラッチにおいて、前記アンロック位置のカム面区間と前記ロック位置のカム面区間との間が傾斜面区間により繋がっていることを特徴とする。請求項3記載の一方向クラッチによれば、アンロック位置のカム面区間とロック位置のカム面区間との間が傾斜面区間により繋がっているので、くさび部材は、アンロック位置のカム面区間とロック位置のカム面区間との間で支障なく移動することができる。
請求項4記載の一方向クラッチは、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の一方向クラッチにおいて、前記アンロック位置のカム面区間でのクリアランスは、外輪とくさび部材とのラジアル方向の隙間と、想定される過大プーリ荷重での弾性変形量とを加算した距離以上であることを特徴とする。請求項4記載の一方向クラッチによれば、アンロック位置のカム面区間でのクリアランスが外輪とくさび部材とのラジアル方向の隙間と、想定される過大プーリ荷重での弾性変形量とを加算した距離以上であるので、くさび部材の両方向ロックという事態を確実に回避することができる。
なお、本発明の一方向クラッチは、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の一方向クラッチにおいて、前記傾き角が3度以上4度以下であることが望ましい。このような一方向クラッチによれば、傾き角が3度以上4度以下であるので、くさび角が4度以上8度以下のいずれにあっても、くさび部材のロックを確実に行うことができる。
荷重過大時に偏心し、くさび部材の空転位置でもロックしてしまい、くさび部材が付勢部材や保持器を破損するという問題を、くさび部材のアンロック位置のカム面区間の厚さを、ロック位置のカム面区間の厚さよりも小さくすることによって解決した。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る一方向クラッチ5を備えるプーリユニット1の側面断面図を示す。具体的には、一方向クラッチ5をエンジン補機としてのオルタネータ(図示せず)のプーリユニット1に組み込んだ例を示しており、プーリ4と中空軸3との間に、一方向クラッチ5を介装し、さらに一方向クラッチ5のアキシャル方向両側にサポート軸受としてころ軸受6および玉軸受7を配設している。この場合、プーリ4と中空軸3との回転差に応じて、一方向クラッチ5がアンロック状態とロック状態とに切り替わり、プーリ4から中空軸3へトルクを伝達させたり遮断させたりすることができる。
中空軸3は、オルタネータのロータ軸2に嵌められており、中空軸3と同心に配置されたプーリ4の外周に形成されたベルト掛け渡し部4aには、エンジンのエンジンプーリに一端を装架されたベルトの他端が架け渡されている。
一方向クラッチ5は、くさび部材として係合ころ13を用いる、いわゆるローラタイプのものであり、中空軸3とプーリ4のアキシャル方向中間部との間に配設されている。また、中空軸3とプーリ4の各端部寄り部分との間には、サポート軸受であるころ軸受6および玉軸受7が一方向クラッチ5を挟んで配設されている。そして、一方向クラッチ5の外輪,ころ軸受6の外輪および玉軸受7の外輪がプーリ4に一体化されているとともに、一方向クラッチ5の内輪,ころ軸受6の内輪および玉軸受7の内輪が中空軸3に一体化されている。
ころ軸受6および玉軸受7のさらにアキシャル方向外側には、シール部材8,9がそれぞれ配置されており、プーリユニット1の自由端側(図1で見て左側)には、プーリユニット1内部に泥水等の侵入を防止するために、さらに別のシール部材10が配置されている。
一方向クラッチ5は、図2に示すように、くさび部材としての複数の係合ころ13と、係合ころ13をロック方向(くさび状空間の狭い側)に付勢する付勢部材としての楕円筒状のコイルバネ14と、係合ころ13をくさび状空間内に保持する保持器15とを備えている。
中空軸3の外周面には、回転中心軸線Oを挟んで一対ずつ対向するように、4組合計8つのカム面11が形成されている。中空軸3の外周面にカム面11が設けられることにより、中空軸3には、一方向クラッチ5の内輪としての機能が付与され、中空軸3と一方向クラッチ5の内輪との一体化が果たされている。
図3に拡大して示すように、各カム面11は、ロック位置のカム面区間11aと、アンロック位置のカム面区間11bと、カム面区間11a,11b間を繋ぐ傾斜面区間11cとから形成さている。ロック位置のカム面区間11aとアンロック位置のカム面区間11bとは、平坦面で形成されているが、ロック位置のカム面区間11aの厚さa(回転中心軸線Oを通る平行面からカム面区間11aまでの距離)と、アンロック位置のカム面区間11bの厚さb(回転中心軸線Oを通る平行面からカム面区間11bまでの距離)とが異なっている。正確には、アンロック位置のカム面区間11bの厚さbがロック位置のカム面区間11aの厚さaより小さくなるように設定されている。また、ロック位置のカム面区間11aは、回転中心軸線Oを通りアンロック位置のカム面区間11bに対して垂直な面から回転中心軸線Oを通り最小くさび角θmin(=4度)より小さい鋭角の傾き角ωだけ傾いた面によって規定される移行線11dから確保されている。このように、ロック位置のカム面区間11aが確保されているので、係合ころ13のロックを確実に行うことができる。なお、図3中、Rはプーリ4の円周面12の半径を示し、dは係合ころ13の直径を示す。
保持器15は、合成樹脂で、プーリ4の内周面12にほぼ沿った外周形状と中空軸3のカム面11に沿った内周形状とを有するように円環状に形成されており、係合ころ13を収納するための8つのポケット16が穿設されている。保持器15のポケット16には、コイルバネ14を位置決めするバネ受け突起15a(図2参照)が周方向に突設されている。バネ受け突起15aは、コイルバネ14の基端部を嵌着し、コイルバネ14の中心軸方向を一定に保っている。保持器15は、プーリ4と中空軸3との間に配置されており、配置された状態で、保持器15とプーリ4の内周面12との間には若干の間隙が設けられている。
コイルバネ14は、ばね鋼線材を楕円筒形に巻回することにより形成されている。ただし、コイルバネ14としては円筒形や角筒形としたものを用いることもできる。コイルバネ14は、その基端部を保持器15のバネ受け突起15aに嵌着されて保持器15のポケット16内に収められることによって、そのラジアル方向内方への移動に対する位置決めがなされ、プーリ4の内周面12によって、そのラジアル方向外方への移動に対する位置決めがなされている。これらの位置決めによって、コイルバネ14の中心軸は、図3に示すように、係合ころ13の中心軸と略直交し、ロック位置のカム面区間11aおよびアンロック位置のカム面区間11bと略平行に保たれている。
係合ころ13は、保持器15のポケット16内にコイルバネ14によってロック方向に付勢されて収納されている。この収納状態で、係合ころ13は、中空軸3のカム面11とプーリ4の内周面12とによって形成されたくさび状空間内に配置されていることになる。プーリ4が中空軸3に対してロック方向に相対回転することにより、係合ころ13が中空軸3とプーリ4との間に噛み込んでロック状態となり、アンロック方向に相対回転することにより、中空軸3とプーリ4との間での噛み込みを解除してアンロック状態となる。
プーリユニット1を組み立てる際には、玉軸受7の玉および保持器,一方向クラッチ5のコイルバネ14および係合ころ13,ころ軸受6のころおよび保持器の順に、プーリ4と中空軸3との間に挿入すればよい。各挿入作業時においてラジアル方向外側に作業用のスペースが確保され、組立て作業を容易に行うことができる。
なお、図3では、ロック位置のカム面区間11aが平坦面であるとしたが、図4に示すように、平坦面という概念には広義の偏心アールカム面が含まれるものとする。ロック位置のカム面区間11aが偏心アールカム面で形成され、平坦面から最大で距離δだけ離れていたとしても、移行線11dから傾斜面区間11cによって一段と低いアンロック位置のカム面区間11bに繋がってさえいれば、平坦面であるロック位置のカム面区間11aと全く同様の作用効果を奏するからである。
次に、このように構成された実施例1に係る一方向クラッチ5の動作について、プーリユニット1の動作とともに説明する。
まず、プーリ4が中空軸3に対してロック方向に相対回転すると、係合ころ13が、コイルバネ14を伸長させる方向に移動して、プーリ4の内周面12と中空軸3のロック位置のカム面区間11aとの間のくさび状空間の狭い側に噛み込まれる。これにより、係合ころ13を介してプーリ4と中空軸3との間でトルクの伝達が行われて、プーリ4と中空軸3とが一体となって回転する。すなわち、一方向クラッチ5がロック状態になる。
他方、プーリ4が中空軸3に対してアンロック方向に相対回転すると、例えば、中空軸3が高速回転となり、プーリ4の回転が停止されると、係合ころ13は、コイルバネ14を圧縮しながら、ロック位置のカム面区間11aから外れて傾斜面区間11bを経由してアンロック位置のカム面区間11bに至り、プーリ4の内周面12と中空軸3のアンロック位置のカム面区間11bとの間で遊嵌状態となる。これにより、係合ころ13を介するプーリ4と中空軸3との間でのトルクの伝達が遮断されて、一方向クラッチ5がアンロック状態になる。このとき、玉軸受7ところ軸受6とが、一方向クラッチ5の両側でラジアル荷重を支持するので、一方向クラッチ5では噛み合い性能と耐久性とを良好に維持することができる。
実施例1によれば、ロック位置のカム面区間11aの厚さaよりもアンロック位置のカム面区間11bの厚さbを小さくしたことにより、くさび状空間での係合ころ13のラジアル方向のクリアランスを確保することができるので、空転時には過大なプーリ荷重が負荷され偏心しても、空転位置で逆方向にロックされてしまうという事態を未然に回避することができる。このため、逆方向ロック状態で係合ころ13が移動して、コイルバネ14や保持器15が破損されるおそれもなくなる。
また、実施例1によれば、アンロック位置のカム面区間11bとロック位置のカム面区間11aとの間が傾斜面区間11cにより繋がれているので、アンロック位置のカム面区間11bとロック位置のカム面区間11aとの間を係合ころ13が支障なく移動することができる。
さらに、実施例1によれば、アンロック位置のカム面区間11bでのクリアランスが、プーリ4と係合ころ13とのラジアル方向の隙間と、想定される過大プーリ荷重での弾性変形量とを加算した距離以上であるので、係合ころ13の両方向ロックという事態を確実に回避することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
例えば、実施例では、カム面11を内輪(中空軸3)の外周面に形成した例を挙げたが、外輪(プーリ4)の内周面にカム面を設けたものにも本発明を適用できる。
また、実施例では、付勢部材をコイルバネ14としたが、コイルバネ14の代わりに、板バネや皿バネなどの他の付勢部材を用いることも可能である。
さらに、実施例では、くさび部材が係合ころ13である場合を示したが、くさび部材は玉等の他のくさび部材を使用することもできる。
本発明の実施例1に係る一方向クラッチを備えるプーリユニットを示す側面断面図。 一方向クラッチの正面断面図。 実施例1においてアンロック位置のカム面の厚さをロック位置のカム面の厚さよりも小さくしたことを説明する模式図。 平坦面という概念に広義の偏心アールカム面が含まれることを説明する図。 従来のロック位置のカム面の厚さとアンロック位置のカム面の厚さとの関係を説明する模式図。 摩擦係数とくさび角との関係を説明する図。 従来の一方向クラッチで生じる不具合を説明する模式図。
符号の説明
1 プーリユニット
3 中空軸(内輪)
4 プーリ(外輪)
5,50 一方向クラッチ
6 ころ軸受
7 玉軸受
11 カム面
11a ロック位置のカム面区間
11b アンロック位置のカム面区間
11c 傾斜面区間
11d 移行線
12 内周面
13 係合ころ(くさび部材)
14 コイルバネ(付勢部材)
15 保持器

Claims (4)

  1. 同心状に配設される内輪および外輪をくさび部材を介して同期回転させるロック状態と相対回転させるアンロック状態とに切り替える一方向クラッチにおいて、
    前記くさび部材が係合するカム面における前記くさび部材のアンロック位置のカム面区間の厚さを、前記くさび部材のロック位置のカム面区間の厚さよりも小さくしたことを特徴とする一方向クラッチ。
  2. 前記ロック位置のカム面区間が平坦面(ただし、偏心アールカム面は、広義に「平坦面」であるとみなす)である請求項1記載の一方向クラッチ。
  3. 前記アンロック位置のカム面区間と前記ロック位置のカム面区間との間が傾斜面区間により繋がっている請求項1または2記載の一方向クラッチ。
  4. 前記アンロック位置のカム面区間でのクリアランスは、前記外輪と前記くさび部材とのラジアル方向の隙間と、想定される過大プーリ荷重での弾性変形量とを加算した距離以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の一方向クラッチ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2457167C1 (ru) * 2010-11-25 2012-07-27 Государственное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Санкт-Петербургский государственный горный институт имени Г.В. Плеханова (технический университет)" Роликовый останов
JP2014102166A (ja) * 2012-11-20 2014-06-05 Hihon Doki Co Ltd 巻尺
JP2014173691A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Jtekt Corp 風力発電装置用の一方向クラッチ及び風力発電装置

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