JP5045996B2 - 一方向クラッチ - Google Patents
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Description
内周側に円筒状軌道面が形成された外輪と、その外輪の内側に同心的に配置されるとともに、自身の外周面に回転半径が周方向に沿って変化する外周カム面が形成された内輪と、円筒状軌道面と外周カム面との間に形成されるラジアル方向空隙に配置されるロック転動体とを備え、ラジアル方向空隙が、外周カム面の周方向中間位置に定められたクラッチアンロック位置にてロック転動体の外径よりも大となり、周方向における外周カム面の第一端側に定められたクラッチロック位置に向けてロック転動体の外径より小となるよう連続的に縮小するくさび状空間とされるとともに、外周カム面の第二端側において基端側が内輪に形成されたばね固定部に固定され、先端側がロック転動体と接してこれをクラッチロック位置に向けて周方向に弾性付勢するばね部材を備えた一方向クラッチにおいて、ばね部材は、ロック転動体とばね固定部との間で弾性圧縮されるに伴い、先端側でラジアル方向において円筒状軌道面から遠ざかる向きの傾斜変位を生じるものとされてなることを特徴とする。
なお、このような一方向クラッチは、例えば、ベルトが巻掛けられるプーリと、そのプーリと同心状に配置され一体回転可能な回転軸とのうち一方を原動体、他方を従動体とするプーリユニットにおいて、原動体から従動体に至る伝動径路に介装され、原動体と従動体との間の動力伝達を接続状態と遮断状態との間で切り替える。
ばね部材を形成するばね線材の周回単位が、ラジアル方向におけるばね外周面を形成する外側直線部と、外側直線部の末端に接続するとともにラジアル方向内側へ回り込む第一回込部と、第一回込部の末端に接続しラジアル方向におけるばね内周面を形成する内側直線部と、内側直線部の末端に接続するとともにラジアル方向外側へ回り込む第二回込部とを備え、
ばね部材は、基端側の開始周回単位と先端側の終了周回単位とがいずれも、中間の周回単位よりも巻線傾斜角度が小さくなるように調整され、かつ開始周回単位の巻線始端位置と終了周回単位の巻線終端位置とが、いずれも外側直線部の途中位置となるように巻線されたものが使用されるとともに、終了周回単位とこれに隣接する中間の周回単位とのばねスラスト方向における間隔が、巻線終端位置をなすラジアル方向外側において、これと反対側をなすラジアル方向内側よりも小さくされている。この構造によると、ばね部材の圧縮初期状態において、終了周回単位とこれに隣接する中間の周回単位との間で、ラジアル方向外側の部分が線間接触し、ラジアル方向内側の部分が非接触状態になる。これにより、ラジアル方向外側の部分のばね剛性がラジアル方向内側の部分のばね剛性よりも高くなる。そのため、ばね部材が円筒状軌道面から遠ざかる向きに傾斜変位する。
図1は本発明に係る一方向クラッチを備えたプーリユニットの一例を示す正面半断面図、図2はそのプーリユニットに用いられる一方向クラッチのA−A断面図、図3はその要部拡大図である。図1はオルタネータ(図示せず)に付設されるプーリユニット100を示し、ベルトBが巻掛けられてエンジンのクランクシャフトプーリ(図示せず)から動力伝動されるオルタネータプーリ(以下単にプーリともいう)1(原動体)と、プーリ1と同心状に配置されて一体回転可能な筒状の回転軸2(従動体)とを備えている。
2 回転軸(従動体)
3 一方向クラッチ
31 外輪
31a 円筒状軌道面
32 内輪
32a 外周カム面
33 ロック転動体(円筒ころ)
34 保持器(ばね固定部)
34b 座面
35 ばね部材
35a(ばね部材の)基端側
35b(ばね部材の)先端側
50 巻き線始端位置
51 巻き線終端位置
100 プーリユニット
B ベルト
K くさび状空間
R1 第一回込部
R2 第二回込部
S1 外側直線部
S2 内側直線部
W1 開始周回単位
W2〜W4 中間周回単位
W5 終了周回単位
Claims (3)
- 内周側に円筒状軌道面が形成された外輪と、その外輪の内側に同心的に配置されるとともに、自身の外周面に回転半径が周方向に沿って変化する外周カム面が形成された内輪と、前記円筒状軌道面と前記外周カム面との間に形成されるラジアル方向空隙に配置されるロック転動体とを備え、前記ラジアル方向空隙が、前記外周カム面の周方向中間位置に定められたクラッチアンロック位置にて前記ロック転動体の外径よりも大となり、当該周方向における前記外周カム面の第一端側に定められたクラッチロック位置に向けて前記ロック転動体の外径より小となるよう連続的に縮小するくさび状空間とされるとともに、前記外周カム面の第二端側において基端側が前記内輪に形成されたばね固定部に固定され、先端側が前記ロック転動体と接してこれを前記クラッチロック位置に向けて周方向に弾性付勢するばね部材を備えた一方向クラッチにおいて、
前記ばね部材は、前記ロック転動体と前記ばね固定部との間で弾性圧縮されるに伴い、前記先端側が前記ラジアル方向において前記円筒状軌道面から遠ざかる向きの傾斜変位を生じるものとされてなり、
前記ばね部材を形成するばね線材の周回単位が、前記ラジアル方向におけるばね外周面を形成する外側直線部と、該外側直線部の末端に接続するとともにラジアル方向内側へ回り込む第一回込部と、該第一回込部の末端に接続し前記ラジアル方向におけるばね内周面を形成する内側直線部と、該内側直線部の末端に接続するとともにラジアル方向外側へ回り込む第二回込部とを備え、
前記ばね部材は、基端側の開始周回単位と先端側の終了周回単位とがいずれも、中間の周回単位よりも巻線傾斜角度が小さくなるように調整され、かつ前記開始周回単位の巻線始端位置と前記終了周回単位の巻線終端位置とが、いずれも前記外側直線部の途中位置となるように巻線されたものが使用されるとともに、前記終了周回単位とこれに隣接する前記中間の周回単位とのばねスラスト方向における間隔が、前記巻線終端位置をなすラジアル方向外側において、これと反対側をなすラジアル方向内側よりも小さくされてなることを特徴とする一方向クラッチ。 - 前記ばね部材は、ラジアル方向外側に位置する部分のばね剛性がラジアル方向内側に位置する部分のばね剛性よりも、少なくとも圧縮初期領域において高くなるように構成されている請求項1記載の一方向クラッチ。
- 前記ばね固定部の座面は前記ラジアル方向において外縁側が内縁側よりも前記クラッチロック位置に近くなる傾斜面とされている請求項1または請求項2に記載の一方向クラッチ。
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