JP5057209B2 - 一方向クラッチユニット - Google Patents

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Description

本発明は一方向クラッチユニットに関し、特にトルクリミッタ機能付きの一方向クラッチサポート軸受を一体に備える一方向クラッチユニットに関する。
一方向クラッチは、例えば自動車エンジンなどのクランクシャフトからベルトを介して駆動されるエンジン補機のプーリユニットに装備される。エンジン補機としては、例えばエアコンディショナ用の圧縮機,オルタネータ,ウォーターポンプ,冷却ファンなどが挙げられる。
例えば、自動車のエアコンディショナ用の圧縮機には、いろいろなタイプのものがあるが、いずれも、自動車エンジンのクランクシャフトの回転動力を駆動源としている。クランクシャフトから圧縮機の回転軸までの動力伝達は、ベルトを介して行われる。
クランクシャフトは、エンジンの燃焼サイクルに応じて回転変動しているため、クランクシャフトから圧縮機の回転軸に対して回転変動が伝達される。この回転変動が大きくなると、ベルトの張力変動が大きくなり、ベルトの張力変動を吸収することができずにプーリとベルトの接触部とで滑りが生じてベルトが摩耗し、あるいは破損するおそれがある。
また、圧縮機の焼付き等によって回転軸がロックすると、ベルトの張力が異常に上昇してベルトが破損したり、ベルトによって駆動される他のエンジン補機が運転不能になったりするという不都合が生じる。
そのような不都合を解消するため、特許文献1には、過負荷を受けたときに、くさび部材が駆動環体および従動環体を相対回転させたうえで切り換え動作が不可能な状態に拘束されるトルクリミッタとして動作する動力伝達装置が開示されている。
また、特許文献2には、トルクリミッタ機能として、ローラ式の一方向クラッチのカム面にころ脱落溝を設けたものが開示されている。このトルクリミッタでは、過大トルク発生時に、係合ころが転動し、ころ脱落溝に入り込むことでトルクを遮断する。
図5(a),(b)は、従来の一方向クラッチユニット200の側面断面図および正面断面図を示す。この一方向クラッチユニット200は、アキシャル方向に隣接した一列の一方向クラッチ108と、一列の玉軸受からなるサポート軸受109とを備える。一方向クラッチユニット200は、一体外輪181と、一体内輪172とを備え、一体外輪181は、一方向クラッチ108のクラッチ用外輪部181aと、サポート軸受109の軸受用外輪部181bとが一体になったものである。また、一体内輪172は、一方向クラッチ108のクラッチ用内輪部172aと、サポート軸受109の軸受用内輪部172bとが一体になったものである。一方向クラッチ108は、くさび部材として係合ころ183を有し、一体外輪181のクラッチ用外輪部181aは、円筒形状の内周面を有し、一体内輪172のクラッチ用内輪部172aは八角柱形状のカム面176を有している。カム面176には、ころ脱落溝177が穿設されている。一方向クラッチ108とサポート軸受109とは、一体外輪181と一体内輪172との間に封入された同一のグリースで潤滑され、一体外輪181と一体内輪172との間のアキシャル方向両端部に、グリースを密封するシール部材111,112が配置されている。また、一方向クラッチ108は、係合ころ183をコイルバネでなる付勢バネ184によって一方向に付勢しながら保持する保持器182を有している。保持器182は、そのポケット182aに係合ころ183を嵌合させている。サポート軸受109は、転動体としての玉116を保持する冠型保持器117を有している。一方向クラッチ108は、過大トルク発生時に、係合ころ183が転動し、一体内輪172,一体外輪181および係合ころ183の弾性変形を利用して、ころ脱落溝177に入り込むことでトルクを遮断するようになっている。以下、このような一方向クラッチを、トルクリミッタ機能付きの一方向クラッチという。
特開2002−106608号公報 特開2003−028201号公報
従来のトルクリミッタ機能付きの一方向クラッチは、過大トルク発生時に、係合ころが転動し、内輪,外輪および係合ころの弾性変形を利用して、ころ脱落溝に入り込むことでトルクを遮断するようになっているが、弾性変形量に対して内輪,外輪および係合ころ等の寸法ばらつき割合が大きいと(寸法精度が悪いと)、トルクリミッタ作動トルクのばらつきが大きくなり、必要なときにトルクリミッタ機能を利かせられないという問題があった。
本発明の目的は、上述の点に鑑み、トルクリミッタ作動トルクの精度が上がり、トルクリミッタ機能を利かせたいところで利かせることが可能な一方向クラッチ、および一方向クラッチにサポート軸受を一体に備える一方向クラッチユニットを提供することにある。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明の一方向クラッチユニットは、内輪,外輪,係合ころ,カム面およびころ脱落溝を含むトルクリミッタ機能付きの一方向クラッチを備え、サポート軸受が一体で、前記係合ころの前記ころ脱落溝への移行位置での断面において前記サポート軸受の外輪の厚さより前記一方向クラッチの外輪の厚さが小さく形成されるとともに、前記サポート軸受と前記一方向クラッチとのつなぎ位置に対応する前記外輪の内外部位のそれぞれに、低剛性部としてラジアル方向外方への曲げ変形を誘導するノッチ部を設けたことを特徴とする。らに、本発明の一方向クラッチユニットは、前記断面の位置で、前記一方向クラッチの外輪の厚さが前記一方向クラッチの内輪の厚さよりも小さいように構成することもできる。内輪,外輪,係合ころ,カム面およびころ脱落溝を含むトルクリミッタ機能付きの一方向クラッチにおいて、前記係合ころの前記ころ脱落溝への移行位置での断面において前記外輪の厚さが前記内輪の厚さよりも小さいように構成すると、係合ころがころ脱落溝に入り込むときに主に外輪が弾性変形することになり、外輪の厚さを制御することによってトルクリミッタ作動トルクの精度を向上させることができる。このため、トルクリミッタ機能を利かせたいところで利かせることが可能となり、過大トルクによるエンジン補機の損傷を未然に防止することができる。
この場合、前記外輪の厚さが、前記内輪の厚さの90%以下、好ましくは70%以下であることが望ましい。このような一方向クラッチによれば、外輪の厚さを内輪の厚さの90%以下、好ましくは70%以下に設定したので、外輪が内輪より弾性変形しやすくなり、外輪の厚さを制御することによってトルクリミッタ作動トルクの精度を容易に向上させることができる。
方向クラッチユニットには、内輪および外輪の位置決め(芯出し)するためのサポート軸受も必要であり、サポート軸受がなければ、一方向クラッチのくさび角が変化し、一方向クラッチのトルクリミッタ作動トルクがばらつくことになる。このため、一方向クラッチユニットには、サポート軸受を一方向クラッチと一体として備えるものがあるが、このような一方向クラッチユニットの場合には、一方向クラッチの剛性がサポート軸受の剛性の影響も受けるので、サポート軸受の剛性の影響が一方向クラッチにできるだけ及ばないように、サポート軸受をできるだけ一方向クラッチから離れるように設置するか、あるいは、一方向クラッチとサポート軸受との間に剛性の影響が及ばないように低剛性部を設けるようにしてやればよい。ポート軸受と一方向クラッチとのつなぎ位置の内輪または外輪の少なくとも一方に低剛性部を設けることにより、一方向クラッチとサポート軸受との間の剛性の影響を遮断することができる。ただし、低剛性部であっても、すくなくとも一方向クラッチとサポート軸受との間のトルク伝達分の強度,剛性(厚さ)を必要とする。
前記低剛性部は、前記外輪に設けられていることが望ましい。トルクリミッタ機能付きの一方向クラッチでは、一般的に、内輪の外周面にカム面を、外輪の内周面に円周面を設けるようにしたものが使用される。カム面よりも円周面のほうが厚さの精度を制御しやすいので、このような場合には、トルクリミッタ作動トルクの精度を向上させるためには、円周面を内周面に有する外輪に低剛性部を設けるようにすればよい。このような一方向クラッチユニットによれば、外輪に低剛性部を設けるようにしたので、トルクリミッタ作動トルクの精度を制御するための外輪の厚さに対するサポート軸受の影響を容易に遮断することができる。
また、前記低剛性部は、薄肉部であることが望ましい。このような一方向クラッチユニットによれば、低剛性部を薄肉部としたので、必要なトルク伝達が行われる一方、過負荷時にはサポート軸受の剛性の影響を容易に遮断できる。なお、低剛性部としては、薄肉部ばかりでなく、溝,連続孔,低剛性溶接部等の等の他の形態であってもよい。
そして、前記低剛性部が、ラジアル方向外方への曲げ変形を誘導するノッチ部であるように構成すると、必要なトルク伝達が行われる一方、過負荷時にはサポート軸受の剛性の影響を容易に遮断できる。
また、前記断面の位置で、前記サポート軸受の外輪の厚さより前記一方向クラッチの外輪の厚さが小さいように構成すると、サポート軸受に内輪および外輪を位置決め(芯出し)のための十分な剛性が得られる一方、一方向クラッチの外輪の厚みに応じてトルクリミッタ作動トルクの精度を向上させることができる。
一方向クラッチの内輪または外輪の弾性変形量に対して寸法ばらつき割合が大きいと、トルクリミッタ作動トルクがばらつくという問題を、係合ころのころ脱落溝への移行位置での断面において外輪の厚さを内輪の厚さよりも小さくすることによって解決した。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る一方向クラッチユニットを配設するプーリユニットの側面断面図、図2(a),(b)は、一方向クラッチの側面断面図および正面断面図、図3は、一方向クラッチのポケット内を示す平面展開図、図4は、一方向クラッチにおける要部を示す断面図である。図中、1はエンジン補機としてのエアコンディショナ用の圧縮機、2はプーリユニット、3はベルト、100は一方向クラッチユニットである。
圧縮機1は、その詳細な構成の図示を省略しているが、一般的に周知の連続可変容量タイプと呼ばれるもので、例えば斜板型,ワッフル型のように往復動ピストンのストロークをピストン駆動機構の斜板の傾斜角度を変化させて、圧縮機吐出容量を0〜100%の間で連続的に可変にするものである。なお、圧縮機1では、斜板を中立姿勢にすることで圧縮動作をしないオフ状態となるものであって、一般的なオン・オフ制御される圧縮機の電磁クラッチを装備していない構成になっている。このようなタイプの圧縮機1において、万一の焼き付き故障が発生することに伴い回転軸4がロックすると、以下で説明する一方向クラッチユニット2のトルクリミッタ機能が働いて、圧縮機1への動力伝達を遮断することにより、圧縮機1が保護されるようになっている。
プーリユニット2は、圧縮機1の回転軸4に対して取り付けられて、図示しない自動車エンジンのクランクシャフトからベルト3を介して回転させられるもので、プーリ5,中空軸6,複列転がり軸受7,および一方向クラッチユニット100を有している。
一方向クラッチユニット100は、一方向クラッチ8およびサポート軸受9を用いることにより、ベルト3の張力変動に伴うプーリ5の回転変動を吸収する機能と、過負荷の作用時においてベルト3から圧縮機1の回転軸4に対する動力伝達を遮断するトルクリミッタ機能とを発揮するように構成されている。
プーリ5の外周には、ベルト3が巻き掛けられる波状溝が形成されている。
中空軸6は、プーリ5の内周に挿通されて、圧縮機1の回転軸4に対して固定されている。
複列転がり軸受7は、プーリ5と中空軸6との間に介装されており、単一の内輪および外輪(後述する一体内輪72と同一部材)と、複数の玉などの転動体と、転動体を2列に配設する2つの保持器とを有する複列アンギュラ玉軸受とされている。複列転がり軸受7には、内部のグリースなどの潤滑剤が漏洩することを防止するシール部材が装着されている。
図2(a),(b)は、一方向クラッチユニット100の側面断面図および正面断面図を示す。一方向クラッチユニット100は、アキシャル方向に隣接した一列の一方向クラッチ8と、一列の玉軸受でなるサポート軸受9とを備える。一方向クラッチユニット100は、一体外輪81と、一体内輪72とを備え、一体外輪81は、一方向クラッチ8のクラッチ用外輪部81aと、サポート軸受9の軸受用外輪部81bとが一体になったものである。また、一体内輪72は、一方向クラッチ8のクラッチ用内輪部721aと、サポート軸受9の軸受用内輪部72bとが一体になったものである。
一方向クラッチ8は、プーリ5から圧縮機1の回転軸4までの動力伝達経路に配設されるもので、クラッチ用内輪部72aと、クラッチ用外輪部81aと、合成樹脂製の円環状の保持器82と、複数の係合ころ83と、断面楕円形のコイルバネでなる付勢バネ84とを備えている。
一体内輪72は、プーリ5が一体的に外嵌固定される複列転がり軸受7の外輪が兼用されており、クラッチ用内輪部72aの外周面には平坦なカム面76が八角柱形状に形成されている。このカム面76と、クラッチ用外輪部81aの円筒形内周面の対向部分とが周方向一方に向けて狭くなるくさび状空間を形成している。そして、各カム面76には、過負荷の作用時に係合ころ83を嵌入保持する断面ほぼ半円形のころ脱落溝77が穿設されている。
一体外輪81は、中空軸6が固定される圧縮機1の回転軸4の軸端に袋ナット4aにより固定される環状板10の円筒部10aの内周に嵌合固定されている。一体外輪81のクラッチ用外輪部81aは、円筒形状の内周面を有している。
保持器82は、八角柱形状の内周面部を有し、この八角柱形状の内周面部が、クラッチ用内輪部72aの八角柱形状のカム面76に嵌合するようになっている。保持器82は、クラッチ用内輪部72aに対して周方向ならびにアキシャル方向に位置決めされた状態で外装されており、8つのカム面76に対応する領域には、径方向内外に貫通形成されるポケット82aが設けられている。保持器82は、図3および図4に示すように、そのポケット82aにくさび部材としての係合ころ83を付勢バネ84により付勢しながら転動自在に収納している。
係合ころ83は、鋼鉄製の円柱体でなり、保持器82の各ポケット82aに1つずつ周方向に転動可能に収納されている。なお、くさび部材を係合ころ83としたが、くさび部材を玉とすることもできる。
付勢バネ84は、保持器82の各ポケット82aの内壁面に突設される突起82bに装着されて、係合ころ83をカム面76とクラッチ用外輪部81aの内周面とで形成するくさび状空間の狭い側(ロック側)へ押圧するものである。なお、付勢バネ84をコイルバネとしたが、付勢バネ84を板バネや皿バネとすることもできる。
ところで、一方向クラッチ8では、係合ころ83のころ脱落溝77への移行位置での断面において、クラッチ用外輪部81aの厚さがクラッチ用内輪部72aの厚さよりも小さく設定されている。例えば、クラッチ用外輪部81aの厚さは、クラッチ用内輪部72aの厚さの90%以下、好ましくは70%以下に設定されている。これにより、係合ころ83がころ脱落溝77に入り込むときに主にクラッチ用外輪部81aが弾性変形することになり、クラッチ用外輪部81aの厚さを制御することによって一方向クラッチ8のトルクリミッタ機能によるトルクリミッタ作動トルクの精度を向上させることができる。詳しくは、一方向クラッチ8のトルクリミッタ機能におけるトルクリミッタ作動トルクは、係合ころ83のころ脱落溝77への移行位置での断面におけるクラッチ用外輪部81aの厚さと、係合ころ83の長さとで決まることになり、係合ころ83の長さが一定であるとすると、トルクリミッタ作動トルクの精度は、係合ころ83のころ脱落溝77への移行位置での断面におけるクラッチ用外輪部81aの厚さが薄ければ薄いほど精度が上がることになる。特に、クラッチ用内輪部721aの外周面がカム面76で、クラッチ用外輪部81aの内周面が円周面であるので、クラッチ用外輪部81aの厚みの制御のほうが容易であり、トルクリミッタ作動トルクの精度を上げやすい。ただし、クラッチ用外輪部81aの厚さを、トルクリミッタ作動トルクの必要最小限の強度を確保することを条件に、クラッチ用内輪部721aの厚さに比べて薄くする必要がある。
サポート軸受9は、一体外輪81の軸受用外輪部81bと、一体内輪72の軸受用内輪部72bとの間に、冠型保持器92により転動体としての複数の玉91を転動自在に保持することにより構成されている。
トルクリミッタ機能付きの一方向クラッチ8には、クラッチ用内輪部72aおよびクラッチ用外輪部81aの位置決め(芯出し)のためのサポート軸受9が必要である。サポート軸受9がなければ、一方向クラッチ8のくさび角が変化し、一方向クラッチ8のトルクリミッタ機能のトルクリミッタ作動トルクがばらつくことになる。しかし、一方向クラッチ8は、サポート軸受9の剛性の影響も受けるので、サポート軸受9の剛性の影響が一方向クラッチ8にできるだけ及ばないように、一方向クラッチ8のクラッチ用外輪部81aとサポート軸受9の軸受用外輪部81bとのつなぎ位置に、薄肉部としての低剛性部81cが設けられている。なお、低剛性部81cは、ラジアル方向外方への曲げ変形を誘導するノッチ部,溝,連続孔,低剛性溶接部等の他の形態であってもよい。また、低剛性部81cは、一方向クラッチ8とサポート軸受9とのつなぎ位置の一体内輪72側に設けられてもよい。
係合ころ83のころ脱落溝77への移行位置での断面の位置で、一方向クラッチ8のクラッチ用外輪部81aの厚さがサポート軸受9の軸受用外輪部81bの厚さより小さく設定されている。軸受用外輪部81bの厚さが相対的に厚いので、サポート軸受9に軸受用内輪部72bおよび軸受用外輪部81bを位置決め(芯出し)するための十分な剛性が得られる一方、クラッチ用外輪部81aの厚さが相対的に薄いので、クラッチ用外輪部81aの厚みの制御が容易であり、一方向クラッチ8のトルクリミッタ機能のトルクリミッタ作動トルクの精度を向上させることができる。
一方向クラッチ8とサポート軸受9とは、一体外輪81と一体内輪72との間に封入された同一のグリースで潤滑され、一体外輪81と一体内輪72との間のアキシャル方向両端部に、グリースを密封するシール部材11,12が配置されている。シール部材11は、その芯金を有する基部が一体外輪81のアキシャル方向一端の内周に形成された環状段部に固定され、そのリップ部が一体内輪72のアキシャル方向一端の外周面に摺接するようになっている。一方、シール部材12は、その芯金を有する基部が一体外輪81のアキシャル方向他端の内周に形成された環状段部に固定され、そのリップ部が一体内輪72のアキシャル方向他端の外周面に形成された段部に摺接するようになっている。
次に、このように構成された実施例1に係る一方向クラッチユニット100の動作について、プーリユニット2の動作とともに説明する。
プーリユニット2は、ベルト3によりプーリ5が回転駆動されて、プーリ5から一方向クラッチ8および環状板10を介して圧縮機1の回転軸4に対して動力伝達される形態になっている。
ここで、プーリ5の回転速度が圧縮機1の回転軸4よりも相対的に速くなると、一方向クラッチ8の係合ころ83がくさび状空間の狭い側へ転動させられてロック状態となるので、プーリ5,環状板10,および圧縮機1の回転軸4の三者が一体化して同期回転する。
一方、プーリ5の回転速度が圧縮機1の回転軸4よりも相対的に遅くなると、一方向クラッチ8の係合ころ83がくさび状空間の広い側へ転動させられてフリー状態となるので、プーリ5から圧縮機1の回転軸4に対する回転動力の伝達が遮断されることになって、回転軸4が回転慣性力のみで回転を継続するようになる。これにより、図示しないクランクシャフトからプーリ5に伝達される回転変動が吸収されて、回転軸4の回転がほぼ一定に保たれるようになる。
そして、例えば圧縮機1の焼き付き故障に伴い、回転軸4および環状板10がロックすることによって負荷トルクが所要の規定値(例えば、60Nm)に到達すると、係合ころ83がくさび状空間におけるロック位置のさらに狭い側へロールオーバーさせられることになって、カム面76のころ脱落溝77に入り込むことになる。これに伴い、係合ころ83がプーリ5に対して非接触あるいは空転する状態になるので、プーリ5のみが回転することになって、プーリ5から圧縮機1の回転軸4に対する動力伝達が遮断されるトルクリミッタ機能を果たす。このように、過負荷を受けたときでもプーリ5の回転を継続させるので、プーリ5上でベルト3が滑らずに済んでベルト3の寿命向上に貢献できるとともに、圧縮機1やベルト3を通じて連結されるその他のエンジン補機に悪影響を及ぼさずに済むなど、フェイルセーフとして役だつことになる。
ただし、係合ころ83がころ脱落溝77に一旦入り込むと、係合ころ83はころ脱落溝77から離脱してロック位置に戻ることはできない。つまり、このような状態になると、一方向クラッチ8を分解して係合ころ83の位置を元に戻すか、あるいは一方向クラッチユニット100そのものを交換するしかない。
実施例1によれば、係合ころ83のころ脱落溝77への移行位置での断面においてクラッチ用外輪部81aの厚さがクラッチ用内輪部72aの厚さよりも小さいので、係合ころ83がころ脱落溝77に入り込むときに主にクラッチ用外輪部81aが弾性変形することになり、クラッチ用外輪部81aの厚さを制御することによってトルクリミッタ作動トルクの精度を向上させることができる。このため、トルクリミッタ機能を利かせたいところで利かせることが可能となり、過大トルクによるエンジン補機の損傷を未然に防止することができる。
また、実施例1によれば、一体外輪81のサポート軸受9と一方向クラッチ8とのつなぎ位置に低剛性部81cを設けたので、一方向クラッチ8とサポート軸受9との間の剛性の影響を遮断することができる。
さらに、実施例1によれば、一方向クラッチ8のクラッチ用外輪部81aの厚さがサポート軸受9の軸受用外輪部81bの厚さより小さいので、サポート軸受8に一体内輪72および一体外輪81を位置決め(芯出し)のための十分な剛性が得られる一方、一方向クラッチ9のクラッチ用外輪部81aの厚みに応じてトルクリミッタ作動トルクの精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施例1について説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
例えば、実施例1では、カム面76をクラッチ用内輪部72aに形成したが、クラッチ用外輪部81aにカム面を設けるようにしてもよい。
また、実施例1では、一方向クラッチ8の一側方にサポート軸受9を配設するようにしたが、一方向クラッチ8の両側方にサポート軸受9を配設するようにしてもよい。
本発明の実施例1に係る一方向クラッチユニットを配設するプーリユニットを示す縦断面図。 (a)および(b)は、一方向クラッチユニットの側面断面図および正面断面図。 実施例1の一方向クラッチのポケット内を示す平面展開図。 実施例1の一方向クラッチにおける要部を示す断面図。 (a)および(b)は、従来の一方向クラッチユニットの側面断面図および正面断面図。
符号の説明
1 圧縮機
2 プーリユニット
3 ベルト
4 回転軸
5 プーリ
6 中空軸
7 複列転がり軸受
8 一方向クラッチ
9 サポート軸受
72 内輪
72a クラッチ用内輪部(内輪)
72b 軸受用内輪部
76 カム面
77 ころ脱落溝
81 外輪
81a クラッチ用外輪部(外輪)
81b 軸受用外輪部
82 保持器
82a ポケット
83 係合ころ
84 付勢バネ
100 一方向クラッチユニット

Claims (2)

  1. 内輪,外輪,係合ころ,カム面およびころ脱落溝を含むトルクリミッタ機能付きの一方向クラッチを備え、
    サポート軸受が一体で、前記係合ころの前記ころ脱落溝への移行位置での断面において前記サポート軸受の外輪の厚さより前記一方向クラッチの外輪の厚さが小さく形成されるとともに、
    前記サポート軸受と前記一方向クラッチとのつなぎ位置に対応する前記外輪の内外部位のそれぞれに、低剛性部としてラジアル方向外方への曲げ変形を誘導するノッチ部を設けたことを特徴とする一方向クラッチユニット。
  2. 前記断面の位置で、前記一方向クラッチの外輪の厚さが前記一方向クラッチの内輪の厚さよりも小さい請求項1に記載の一方向クラッチユニット。
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