JP2003214462A - 一方向クラッチ - Google Patents

一方向クラッチ

Info

Publication number
JP2003214462A
JP2003214462A JP2002011103A JP2002011103A JP2003214462A JP 2003214462 A JP2003214462 A JP 2003214462A JP 2002011103 A JP2002011103 A JP 2002011103A JP 2002011103 A JP2002011103 A JP 2002011103A JP 2003214462 A JP2003214462 A JP 2003214462A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
coil spring
way clutch
wedge
pocket
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002011103A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4320997B2 (ja
Inventor
Tadahiro Terada
忠弘 寺田
Mitsuru Ueda
満 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Seiko Co Ltd filed Critical Koyo Seiko Co Ltd
Priority to JP2002011103A priority Critical patent/JP4320997B2/ja
Publication of JP2003214462A publication Critical patent/JP2003214462A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4320997B2 publication Critical patent/JP4320997B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pulleys (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】一方向クラッチにおいて、ローラがスキューす
ることを抑制し、クラッチ動作の安定化と耐久性向上と
を図る。 【解決手段】ポケット7内におけるローラ4の転動許容
範囲を必要以上に大きくしないように規制したうえで、
ポケット7内においてコイルバネ5を保持器3に位置決
め係止させるようにしているから、ローラ4がくさび状
空間の広い側に転動する過程でローラ4が傾きかけたと
しても、ローラ4の軸心方向両端がポケット7内壁面に
対して当接して、ローラ4の傾きが大きく進展すること
を阻止するとともに、傾きを戻すように矯正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、径方向内外に同心
状に配設される内輪部材と外輪部材とを同期回転させる
ロック状態と相対回転させるフリー状態とに切り換えら
れる一方向クラッチに関する。この一方向クラッチは、
例えば自動車のエンジンのクランクシャフトからベルト
を回転駆動される補機のプーリに対して組み込まれる。
補機とは、自動車のエアコンディショナ用コンプレッ
サ、ウォーターポンプ、オルタネータ、冷却ファンなど
が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】上記一方向クラッチの基本構成は、実施
形態で引用している図1に示すように、ロータに固定さ
れる内輪とプーリに固定される外輪との一方の対向周面
の円周数ヶ所に設けられるカム面でもって内・外輪の対
向環状空間の円周数ヶ所に周方向一方へ向けて漸次広が
るくさび状空間を形成し、この各くさび状空間にローラ
と、このローラをくさび状空間の狭い側へ弾発付勢する
コイルバネとを1つずつ周方向隣り合わせに配置し、こ
れらくさび状空間に配置されるローラとコイルバネとを
保持器の円周数ヶ所のポケット内に配置した構成であ
る。
【0003】上記保持器は、くさび状空間と同一位相の
円周数ヶ所に径方向内外に貫通するポケットを設けた構
成であり、内・外輪のうちカム面を形成する側の部材に
嵌合固定された状態で内・外輪間に介装される。
【0004】動作は、内・外輪の回転数差により、ロー
ラが、くさび状空間の狭い側にかみ込むと、内・外輪を
一体化するロック状態になり、また、くさび状空間の広
い側に転動すると、空転して内・外輪を相対回転可能と
するフリー状態になる。
【0005】このような一方向クラッチの使用対象とし
て、本願出願人は、例えば上記補機のうち、特にオルタ
ネータのロータとプーリとの間に組み込むことによっ
て、クランクシャフトの回転数が低下するときでも、オ
ルタネータのロータの回転数を低下させずにほぼ維持さ
せてオルタネータの発電効率を向上させることを提案し
ている。
【0006】この場合、クランクシャフトの回転数が上
昇するときに、一方向クラッチがロックすることによ
り、プーリからロータへのトルク伝達が行われて、クラ
ンクシャフトと同期してロータが回転する。一方、クラ
ンクシャフトの回転数が低下するときには、一方向クラ
ッチがフリー状態になることにより、プーリからロータ
へのトルク伝達が遮断されて、ロータの回転がその慣性
力で継続される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例の一方向ク
ラッチは、一般的に、グリースが劣化すると、ローラの
姿勢が正規の自転軸心に対して傾く現象、つまりスキュ
ーが発生しやすくなる。ちなみに、スキューが発生する
と、くさび状空間を形成する内・外輪の2面が摩耗しや
すくなる。
【0008】これに対し、従来では、保持器のポケット
を平面視ほぼ矩形状に形成し、このポケットの周方向一
側にローラを、他側にコイルバネを配置して、ポケット
内においてコイルバネの軸心方向両側にグリース貯溜空
間を確保するようにしている。
【0009】しかし、上記のようなグリース貯溜空間を
確保していると、コイルバネが軸心方向両側にがたつく
余裕ができてしまうため、ローラがくさび状空間の広い
側に転動してコイルバネを圧縮する過程で、ローラに対
するコイルバネの当接位置がローラの軸心方向中間から
左右にずれやすくなり、上記スキューが発生しやすくな
る。
【0010】この他、上記一方向クラッチの組み込み対
象を自動車エンジンに付設されるオルタネータのプーリ
とする場合も、その使用環境が振動の多い場所である関
係より、上記スキューが発生しやすくなる。
【0011】このような事情に鑑み、本発明は、一方向
クラッチにおいて、ローラがスキューすることを抑制
し、クラッチ動作の安定化と耐久性向上とを図ることを
目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の一方向クラッチ
は、請求項1に示すように、径方向内外に同心状に配設
される内輪部材と外輪部材とを同期回転させるロック状
態と相対回転させるフリー状態とに切り替えるもので、
前記内輪部材と外輪部材との一方の対向周面の円周数ヶ
所に設けられるカム面でもって両部材の対向環状空間の
円周数ヶ所に周方向一方へ向けて漸次広がるくさび状空
間を形成し、この各くさび状空間にローラとこのローラ
をくさび状空間の狭い側へ弾発付勢するコイルバネとを
1つずつ周方向隣り合わせに配置し、これらくさび状空
間に配置されるローラとコイルバネとを保持器の円周数
ヶ所のポケット内に配置した構成であり、前記保持器の
ポケットが、平面視ほぼ矩形状のローラ収納部と、この
ローラ収納部において前記フリー位置寄りの内壁面の軸
心方向中間に、周方向に延びるコイルバネ収納用の凹部
とを有し、前記ローラ収納部の周方向長さが、前記くさ
び状空間においてローラがかみ込むロック位置から空転
するフリー位置までの距離より大きな寸法に設定されて
おり、また、前記凹部の奥壁面に、前記コイルバネの内
周に入り込んで当該コイルバネの一端を係止する凸部が
設けられている。
【0013】本発明の一方向クラッチは、請求項2に示
すように、上記請求項1において、前記凹部の軸心方向
幅が、軸心方向でのコイルバネの撓みを規制する寸法に
設定されている。
【0014】本発明の一方向クラッチは、請求項3に示
すように、上記請求項1または2において、前記凸部の
先端位置が、前記フリー位置寄りの内壁面に対して軸心
方向でほぼ面一に設定されている。
【0015】本発明の一方向クラッチは、請求項4に示
すように、上記請求項1から3のいずれかにおいて、前
記コイルバネが、ローラの軸心方向中間領域においてロ
ーラの軸心方向長さ寸法の1/2以上の長さ範囲に当接
させられる。
【0016】本発明の一方向クラッチは、請求項5に示
すように、径方向内外に同心状に配設される内輪部材と
外輪部材とを同期回転させるロック状態と相対回転させ
るフリー状態とに切り替えるもので、前記内輪部材と外
輪部材との一方の対向周面の円周数ヶ所に設けられるカ
ム面でもって両部材の対向環状空間の円周数ヶ所に周方
向一方へ向けて漸次広がるくさび状空間を形成し、この
各くさび状空間にローラとこのローラをくさび状空間の
狭い側へ弾発付勢するコイルバネとを1つずつ周方向隣
り合わせに配置し、これらくさび状空間に配置されるロ
ーラとコイルバネとを保持器の円周数ヶ所のポケット内
に配置した構成であり、前記保持器のポケットが、平面
視ほぼ矩形状に形成され、このポケットにおいてコイル
バネ配置側の内壁面の軸心方向中間に、前記コイルバネ
を外装して当該コイルバネの一端を係止する凸部が設け
られ、また、前記コイルバネ配置側の内壁面において軸
心方向両端側に、前記ポケット内方へ張り出す張り出し
部が設けられており、前記張り出し部が、その径方向厚
みを付け根側から先端側へ向けて漸次薄肉とすることに
より、くさび状空間の広い側へローラが転動する過程で
前記カム面側から乗り上げさせる傾斜面を有している。
【0017】本発明の一方向クラッチは、請求項6に示
すように、上記請求項1から5のいずれかにおいて、前
記内輪の外周面の円周数ヶ所に前記カム面としての平坦
面が設けられており、前記外輪の内周面が円形に形成さ
れている。
【0018】要するに、上記請求項1から3では、ポケ
ット内におけるローラの転動許容範囲を必要以上に大き
くしないように規制したうえで、ポケット内においてコ
イルバネを保持器に位置決め係止させるようにしてい
る。これにより、保持器のポケット内に位置決め保持さ
れたコイルバネとローラとの当接位置が変化しにくくな
るとともに、ローラが傾きにくくなる。しかも、仮にロ
ーラがくさび状空間の広い側に転動する過程でローラが
傾きかけたとしても、ローラの軸心方向両端がポケット
内壁面に対して当接するので、ローラの傾きが大きく進
展することを阻止するとともに、傾きを戻すように矯正
される。このようにポケット空間を可及的に小さく規制
しているから、グリース貯溜空間が従来例に比べて減る
ものの、上述したようにローラのスキューを抑制できる
から、支障ない。
【0019】特に、請求項2では、ポケットにおいてコ
イルバネを配置する凹部の軸心方向幅を可及的に狭く規
制しているから、ローラがくさび状空間の広い側へ転動
してコイルバネを圧縮する過程で、コイルバネが座屈し
て撓もうとしても凹部の対向する2つの内側面にコイル
バネの外周部分が当接して撓まないように押さえられる
ようになり、ローラに対するコイルバネの当接位置がほ
ぼ不変に保たれるようになる。しかも、フリー位置でロ
ーラが適正な姿勢になっているから、当然ながら、ロー
ラを適正な姿勢のままロック位置へ押圧できるようにな
る。
【0020】また、請求項3では、凸部の先端位置をポ
ケット内壁面とほぼ面一にしているから、ローラがくさ
び状空間の広い側へ転動したときに、凸部とポケット内
壁面とにローラの軸心方向3ヶ所の領域が受け止められ
ることになり、ローラの姿勢が適正に矯正されるように
なる。しかも、凸部がローラの動きを妨げずに済むし、
また、コイルバネが座屈して撓むことを防止できるよう
になる。
【0021】また、請求項4では、ポケット内において
コイルバネを保持器に位置決め係止させるようにしたう
えで、ローラがくさび状空間の広い側に転動する過程で
ローラをカム面から乗り上げさせるようにしているか
ら、フリー状態におけるローラの傾きが矯正されるとと
もに、ローラの径方向がたつきを小さく抑えることが可
能になる他、その位置からローラがくさび状空間の狭い
側へ転動しやすくなる。
【0022】また、請求項5では、ローラに対するコイ
ルバネの当接範囲を可及的に長く規定しているから、ロ
ーラを適正な姿勢でくさび状空間の狭い側へ押圧できる
ようになる。
【0023】また、請求項6では、カム面を内輪に設け
ることを特定したものであり、外輪にカム面を形成する
ときよりも簡単かつ高精度に加工できるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の詳細を図面に示す実施形
態に基づいて説明する。
【0025】図1から図5に本発明の実施形態1を示し
ている。図1は、一方向クラッチの上半分を断面にした
側面図、図2は、図1の(2)−(2)線断面の矢視
図、図3は、保持器のポケット部分の平面展開図、図4
は、図3の(4)−(4)線断面の矢視図、図5は図3
の(5)−(5)線断面の矢視図である。
【0026】図例の一方向クラッチは、内輪1、外輪
2、保持器3、ローラ4、コイルバネ5を備えており、
内輪1と外輪2との回転数差に応じて、ローラ4が転動
して内・外輪1,2を同期回転させて動力伝達を許容す
る状態や、相対回転させて動力伝達を遮断する状態に切
り替わるようになっている。
【0027】上記内輪1は、その外周面の円周数ヶ所に
例えば平坦なカム面6…が設けられており、それにより
内輪1の外周面が多角形になっている。
【0028】上記外輪2は、内外周面ともに円筒形に形
成されており、内輪1の外周に所定間隔を離して同心状
に配設される。この外輪2の内周面と上記内輪1の外周
面との間の対向環状空間の円周数ヶ所には、上記カム面
6の存在によって周方向一方に径方向間隔が広がるくさ
び状空間が形成されることになる。
【0029】上記保持器3は、ポリアミド66などの合
成樹脂材で円筒形に形成されており、その円周数ヶ所、
つまり内輪1のカム面6に対応する位置に径方向内外に
貫通するポケット7が設けられている。この保持器3
は、その内周面が内輪1の外周面と合致する形状とされ
ており、内輪1に対して外嵌することにより周方向に一
体的に固定される。
【0030】ローラ4は、保持器3のポケット7個々に
1つずつ周方向に転動可能に収納された状態で、上記く
さび状空間に配置されている。
【0031】コイルバネ5は、保持器3のポケット7個
々に1つずつローラ4と周方向隣り合わせに圧縮状態で
収納された状態で、上記くさび状空間に配置されてお
り、ローラ4をくさび状空間の狭い側へ弾発付勢する。
このコイルバネ5は、楕円筒形に巻回されており、保持
器3のポケット7内において伸縮方向がローラ4の中心
軸線に対して直交しかつ一端側がローラ4の軸方向中間
領域においてローラ4の軸方向長さ寸法の1/2以上、
例えば2/3の長さ範囲に対して当接される。
【0032】この実施形態1では、ポケット7の形状を
工夫することにより、ローラ4のスキューを抑制するよ
うに工夫している。
【0033】具体的に、ポケット7は、平面視ほぼ矩形
状のローラ収納部8と、このローラ収納部8において前
記フリー位置寄りの内壁面8aの軸心方向中間に、周方
向に延びるコイルバネ5収納用の凹部9とを有してい
る。つまり、ポケット7は、平面視でほぼ凸形状になっ
ている。
【0034】そして、ローラ収納部8の周方向長さは、
上記くさび状空間においてローラ4がかみ込むロック位
置(図4の実線)から空転し始めるフリー位置(図4の
二点鎖線)までの距離より余裕をもって若干大きな寸法
に設定されている。
【0035】また、凹部9の軸心方向幅Wは、軸心方向
でのコイルバネ5の撓みを規制する寸法に設定されてい
る。この凹部9の奥壁面には、コイルバネ5の内周に入
り込んで当該コイルバネ5の一端を係止する凸部10が
設けられている。この凸部10は、図5に示すように、
外径側肩部が丸い曲面形状とされているとともに、付け
根側の外径部分にはコイルバネ5の一端側が入り込む溝
10aが設けられており、その先端位置が、ローラ収納
部8においてフリー位置寄りの内壁面8aに対して軸心
方向でほぼ面一に設定されている。
【0036】上述した一方向クラッチでは、外輪2の回
転速度が内輪1のそれよりも相対的に速くなると、くさ
び状空間の狭い側に位置するローラ4が内・外輪1,2
間にかみ込んでロック状態となるので、外輪2と内輪1
が一体化して同期回転する。つまり、外輪2から内輪1
への動力伝達が行われる。
【0037】一方、外輪2の回転速度が内輪1のそれよ
りも相対的に遅くなると、ローラ4がくさび状空間の広
い側へ転動させられて、空転するフリー状態になるの
で、外輪2と内輪1が相対回転して外輪2から内輪1へ
の動力伝達が遮断されることになって、内輪1が回転慣
性力で回転を継続する。
【0038】そして、ローラ4が上記フリー状態へ転動
する過程で、ローラ4が傾いたとしても、このローラ4
の軸心方向一端側がポケット7のローラ収納部8におけ
る内壁面8aに対して当接することになって、ローラ4
の傾きが大きく進展することを阻止するとともに、傾き
を戻すように矯正される。このため、ローラ4のスキュ
ーが抑制されることになるので、内・外輪1,2の摩耗
を抑制できるようになるとともに、クラッチ動作の安定
化を図ることができるようになる。
【0039】しかも、ポケット7の凹部9の対向する2
つの内側面とコイルバネ5の周面との間の隙間が微小に
設定されているから、ローラ4がくさび状空間の広い側
へ転動してコイルバネ5を圧縮させる過程において、コ
イルバネ5が座屈して撓もうとしても凹部9の対向する
2つの内側面にコイルバネ5の外周部分が当接して撓ま
ないように押さえられるようになる。そのため、常にコ
イルバネ5がローラ4の軸方向中央領域に当接した状態
が保持され、左右にずれなくなるから、ローラ4に対し
てコイルバネ5の弾発付勢力をバランスよく付与できる
ようになり、ローラ4のスキュー抑制効果が向上する。
しかも、フリー位置でローラ4が適正な姿勢になってい
るから、当然ながら、ローラ4を適正な姿勢のままロッ
ク位置へ押圧できるようになるなど、全てのローラのロ
ックタイミングを同期させるうえで有利となる。
【0040】この他、コイルバネ5を楕円形にして、ロ
ーラ4の幅広い面積に当接させているので、コイルバネ
5の弾発付勢力を、ローラ4の軸方向ほぼ全域に対して
均等に分散して付与でき、ローラ4をバランスよく弾発
付勢できるようになる。
【0041】図6および図7に本発明の実施形態2を示
している。図6は、図3に対応する図、図7は図4に対
応する図である。
【0042】この実施形態2の一方向クラッチは、上記
実施形態1に示す一方向クラッチと基本的に同じ構成要
素を有しているが、ポケット7の形状が相違するので、
相違点のみを詳細に説明する。
【0043】具体的に、保持器3のポケット7は、平面
視ほぼ矩形状に形成されており、ローラ4とコイルバネ
5とが配置される。このポケット7においてコイルバネ
5が配置される側の内壁面7aの軸心方向中間に、コイ
ルバネ5を外装して当該コイルバネ5の一端を係止する
凸部10が設けられている。また、上記内壁面7aにお
いて軸心方向両端側には、ポケット7の内方へ張り出す
張り出し部11,12が設けられている。
【0044】この張り出し部11,12は、その径方向
厚みを付け根側から先端側へ向けて漸次薄肉とすること
により、くさび状空間の広い側へローラ4が転動する過
程でカム面6側から乗り上げさせる傾斜面11a,12
aを有している。
【0045】このような構成では、ローラ4がくさび状
空間の広い側へ転動する過程において、ローラ4をカム
面6から乗り上げさせるようにしているから、ローラ4
の傾きが矯正されるとともに、ローラ4の径方向がたつ
きを小さく抑えることが可能になる。しかも、フリー位
置でローラ4が適正な姿勢になっているから、当然なが
ら、ローラ4を適正な姿勢のままロック位置へ押圧でき
るようになるとともに、フリー位置からローラがくさび
状空間の狭い側へ転動しやすくなるなど、応答性の向上
に貢献できる。全てのローラのロックタイミングを同期
させるうえで有利となる。
【0046】ところで、上述した実施形態1,2の一方
向クラッチは、自動車などのエンジンに付設される各種
の補機の駆動プーリに組み込むことができる。例えば、
一方向クラッチの組み込み対象を、オルタネータとする
場合について、図8に示して説明する。
【0047】この例では、オルタネータのプーリ20と
ロータ21との間に、実施形態1に示した一方向クラッ
チを介装し、さらに一方向クラッチの軸方向両側に深溝
玉軸受22,22を配設している。この場合、プーリ2
0とロータ21との回転速度差に応じて、一方向クラッ
チがフリー状態とロック状態とに切り換わり、プーリ2
0からロータ21への回転動力を伝達させたり遮断させ
たりするようになる。
【0048】なお、オルタネータでは、プーリ20が、
エンジンのクランクシャフトによりベルト23を介して
回転駆動されるので、従来では、例えばクランクシャフ
トの回転数が低下すると、オルタネータの発電効率が低
下するが、一方向クラッチを内蔵していれば、プーリ2
0の回転数が低下するとき、ロータ21を自身の慣性力
によって回転数を高域に維持させるように一方向クラッ
チを維持させることができるので、発電効率の向上に貢
献できるようになる。
【0049】
【発明の効果】請求項1から3に係る発明では、保持器
のポケット内に位置決め保持されたコイルバネとローラ
との当接位置が変化しにくくなるとともに、ローラが傾
きにくくなるうえ、仮にローラがくさび状空間の広い側
に転動する過程でローラが傾きかけたとしても、ローラ
の傾きが大きく進展することを阻止するとともに、傾き
を戻すように矯正することにより、ローラをスキューさ
せにくくしているから、内・外輪部材の摩耗を抑制でき
るとともに、クラッチ動作の安定化を図ることができ、
信頼性向上に貢献できる。
【0050】特に、請求項2では、ポケットにおいてコ
イルバネを配置する凹部の軸心方向幅を可及的に狭く規
制しているから、ローラがくさび状空間の広い側へ転動
してコイルバネを圧縮する過程で、コイルバネが座屈し
て撓もうとしても凹部の対向する2つの内側面にコイル
バネの外周部分が当接して撓まないように押さえられる
ようになり、ローラに対するコイルバネの当接位置がほ
ぼ不変に保たれるようになり、ローラのスキュー抑制効
果が向上する。しかも、フリー位置でローラが適正な姿
勢になっているから、当然ながら、ローラを適正な姿勢
のままロック位置へ押圧できるようになるなど、全ての
ローラのロックタイミングを同期させるうえで有利とな
る。
【0051】また、請求項3に係る発明では、凸部の先
端位置をポケット内壁面とほぼ面一にしているから、ロ
ーラがくさび状空間の広い側へ転動したときに、凸部と
ポケット内壁面とにローラの軸心方向3ヶ所の領域が受
け止められることになって、ローラの姿勢が適正に矯正
されやすくなる。
【0052】また、請求項4に係る発明では、ポケット
内においてコイルバネを保持器に位置決め係止させるよ
うにしたうえで、ローラがくさび状空間の広い側に転動
する過程でローラをカム面から乗り上げさせるようにし
ているから、フリー状態におけるローラの傾きが矯正さ
れるとともに、ローラの径方向がたつきを小さく抑える
ことが可能になる他、その位置からローラがくさび状空
間の狭い側へ転動しやすくなるなど、応答性の向上に貢
献できる。
【0053】また、請求項5に係る発明では、ローラに
対するコイルバネの当接範囲を可及的に長く規定してい
るから、ローラを適正な姿勢でくさび状空間の狭い側へ
押圧できるようになり、ローラの噛み合い性が良好とな
る。
【0054】また、請求項6に係る発明では、カム面を
内輪に設けることを特定したものであり、外輪にカム面
を形成するときよりも簡単かつ高精度に加工できるよう
になり、生産性向上ならびにローコスト化に貢献でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る一方向クラッチの上
半分を断面にした側面図
【図2】図1の(2)−(2)線断面の矢視図
【図3】保持器のポケット部分の平面展開図
【図4】図3の(4)−(4)線断面の矢視図
【図5】図3の(5)−(5)線断面の矢視図
【図6】本発明の実施形態2で、図3に対応する図
【図7】図6の(7)−(7)線断面の矢視図
【符号の説明】
1 内輪 2 外輪 3 保持器 4 ローラ 5 コイルバネ 6 カム面 7 保持器のポケット 8 ポケットのローラ収納部 8a ローラ収納部の内壁面 9 ポケットの凹部 10 ポケットの凸部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】径方向内外に同心状に配設される内輪部材
    と外輪部材とを同期回転させるロック状態と相対回転さ
    せるフリー状態とに切り替える一方向クラッチであっ
    て、 前記内輪部材と外輪部材との一方の対向周面の円周数ヶ
    所に設けられるカム面でもって両部材の対向環状空間の
    円周数ヶ所に周方向一方へ向けて漸次広がるくさび状空
    間を形成し、この各くさび状空間にローラとこのローラ
    をくさび状空間の狭い側へ弾発付勢するコイルバネとを
    1つずつ周方向隣り合わせに配置し、これらくさび状空
    間に配置されるローラとコイルバネとを保持器の円周数
    ヶ所のポケット内に配置した構成であり、 前記保持器のポケットが、平面視ほぼ矩形状のローラ収
    納部と、このローラ収納部において前記フリー位置寄り
    の内壁面の軸心方向中間に、周方向に延びるコイルバネ
    収納用の凹部とを有し、 前記ローラ収納部の周方向長さが、前記くさび状空間に
    おいてローラがかみ込むロック位置から空転するフリー
    位置までの距離より大きな寸法に設定されており、ま
    た、前記凹部の奥壁面に、前記コイルバネの内周に入り
    込んで当該コイルバネの一端を係止する凸部が設けられ
    ていることを特徴とする一方向クラッチ。
  2. 【請求項2】請求項1の一方向クラッチにおいて、 前記凹部の軸心方向幅が、軸心方向でのコイルバネの撓
    みを規制する寸法に設定されていることを特徴とする一
    方向クラッチ。
  3. 【請求項3】請求項1または2の一方向クラッチにおい
    て、 前記凸部の先端位置が、前記フリー位置寄りの内壁面に
    対して軸心方向でほぼ面一に設定されていることを特徴
    とする一方向クラッチ。
  4. 【請求項4】径方向内外に同心状に配設される内輪部材
    と外輪部材とを同期回転させるロック状態と相対回転さ
    せるフリー状態とに切り替える一方向クラッチであっ
    て、 前記内輪部材と外輪部材との一方の対向周面の円周数ヶ
    所に設けられるカム面でもって両部材の対向環状空間の
    円周数ヶ所に周方向一方へ向けて漸次広がるくさび状空
    間を形成し、この各くさび状空間にローラとこのローラ
    をくさび状空間の狭い側へ弾発付勢するコイルバネとを
    1つずつ周方向隣り合わせに配置し、これらくさび状空
    間に配置されるローラとコイルバネとを保持器の円周数
    ヶ所のポケット内に配置した構成であり、 前記保持器のポケットが、平面視ほぼ矩形状に形成さ
    れ、このポケットにおいてコイルバネ配置側の内壁面の
    軸心方向中間に、前記コイルバネを外装して当該コイル
    バネの一端を係止する凸部が設けられ、また、前記コイ
    ルバネ配置側の内壁面において軸心方向両端側に、前記
    ポケット内方へ張り出す張り出し部が設けられており、 前記張り出し部が、その径方向厚みを付け根側から先端
    側へ向けて漸次薄肉とすることにより、くさび状空間の
    広い側へローラが転動する過程で前記カム面側から乗り
    上げさせる傾斜面を有していることを特徴とする一方向
    クラッチ。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれかの一方向クラッ
    チにおいて、 前記コイルバネが、ローラの軸心方向中間領域において
    ローラの軸心方向長さ寸法の1/2以上の長さ範囲に当
    接させられることを特徴とする一方向クラッチ。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれかの一方向クラッ
    チにおいて、 前記内輪の外周面の円周数ヶ所に、前記カム面としての
    平坦面が設けられており、前記外輪の内周面が円形に形
    成されていることを特徴とする一方向クラッチ。
JP2002011103A 2002-01-21 2002-01-21 一方向クラッチ Expired - Fee Related JP4320997B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002011103A JP4320997B2 (ja) 2002-01-21 2002-01-21 一方向クラッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002011103A JP4320997B2 (ja) 2002-01-21 2002-01-21 一方向クラッチ

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007011780A Division JP2007100965A (ja) 2007-01-22 2007-01-22 一方向クラッチ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003214462A true JP2003214462A (ja) 2003-07-30
JP4320997B2 JP4320997B2 (ja) 2009-08-26

Family

ID=27648659

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002011103A Expired - Fee Related JP4320997B2 (ja) 2002-01-21 2002-01-21 一方向クラッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4320997B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008208851A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Jtekt Corp 一方向クラッチ
WO2017208843A1 (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 Ntn株式会社 逆入力防止クラッチ

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102262906B (zh) * 2011-08-18 2014-04-02 国核自仪系统工程有限公司 压水堆核电站的棒位探测器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008208851A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Jtekt Corp 一方向クラッチ
WO2017208843A1 (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 Ntn株式会社 逆入力防止クラッチ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4320997B2 (ja) 2009-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2003067128A1 (ja) エンジン始動用ローラクラッチ内蔵型回転伝達装置
JP3996991B2 (ja) 一方向クラッチ
JPH1163025A (ja) 一方向クラッチ
JPH1194054A (ja) プーリユニット
JP2001090750A (ja) 一方向クラッチ
JP3903157B2 (ja) 一方向クラッチ
JP2003214462A (ja) 一方向クラッチ
JP2005163932A (ja) プーリユニット
JPH11287311A (ja) プーリユニット
JP4240169B2 (ja) 一方向クラッチおよび一方向クラッチ内蔵プーリ
JP2007064348A (ja) 一方向クラッチおよびクラッチ内蔵プーリ
JP2003074672A (ja) プーリユニット
JP4940994B2 (ja) 一方向クラッチ
JP3740253B2 (ja) 一方向クラッチ
JP2004028285A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2008185050A (ja) 一方向クラッチ
JP5045996B2 (ja) 一方向クラッチ
JP2007100965A (ja) 一方向クラッチ
JPH1122753A (ja) プーリユニット
JP2001349346A (ja) 一方向クラッチならびにそれを備えるプーリユニット
JPH11270594A (ja) 一方向クラッチ
JP4900162B2 (ja) トルクリミッター付き一方向クラッチ
JP2009079672A (ja) プーリユニット
JPH11223228A (ja) 一方向クラッチおよびプーリユニット
JP2007198608A (ja) 一方向クラッチおよび一方向クラッチ内蔵プーリ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040609

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071211

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081007

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090512

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090525

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130612

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees