JP4562368B2 - 回転作動型ワンウェイクラッチ - Google Patents

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本発明は、自動二輪車、スノーモービル等に使用され、所定の回転数以上になるとワンウェイクラッチの機能を発揮する回転作動型ワンウェイクラッチに関する。
一般に、ワンウェイクラッチは、相対回転する外輪及び内輪を有し、外輪と内輪との間でトルクを伝達するスプラグやローラなどが外輪または内輪の軌道面に設けたカム面に噛み合うことで、一方向のみに回転トルクを伝達している。また、逆方向では空転する構成となっている。
このようなワンウェイクラッチの中で、内輪または外輪に設けたポケット(凹所)にローラを配置し、回転方向によって、ローラがポケットの楔部分に係合する楔作用により回転をロックする構成となっているものが知られている。
例えば、特許文献1は、外輪(アウターレース)に設けた凹所にローラを配置して、外輪が時計方向に回転した場合、ローラが楔作用により凹所でロックされ、内輪に対して外輪の回転をロックする構成を開示している。
また、特許文献2は、外輪(アウターレース)と入力カップリングとの間にローラ及び補助ローラを配置して、所定回転数以上になると、遠心力で補助ローラがローラを押圧する。この押圧力により、所定方向に回転すると楔作用でローラがロックすることが可能となり、ワンウェイクラッチの機能を発揮する構成を開示している。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
特公昭53−8019号公報(第1−2頁、第1図等) 特開昭52−100045号公報(第2−3頁、第3図等)
特許文献1に開示されているものは、ローラを用いた一般的なワンウェイクラッチであり、回転数に応じてロックする構成となっていない。
また、特許文献2は、回転数に応じてロックする構成を開示している。しかしながら、補助ローラの作動範囲を決定する長孔が外輪とは別体に設けられているため、装置の所望の寸法精度を得るのが困難であり、また部品点数も多くなる。また、補助ローラが長孔に引っかかる虞があり、ローラを押圧するプレートや抱持片といった部品が必要であり、スプリングの設置スペースが要求されるので装置の径を小さくするには限りがある。
さらに、ローラを付勢するスプリングにコイルスプリングが設けられているが、コイルスプリングでは限られたスペースでばね定数を小さく設定することが困難であり、アコーデオンスプリング等に比べて、価格的にも割高となる虞がある。
そこで、本発明は部品点数を削減するとともに、安価で、ばね定数を小さく設定でき、寸法精度が得やすく、錘体が引っかかる虞が無く、省スペースでも設計可能な構造の回転作動型ワンウェイクラッチを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の回転作動型ワンウェイクラッチは、
内周円筒面を有する外輪と、カム面が形成された内輪と、前記外内輪間のトルク伝達を行う転動体、前記転動体を付勢する付勢スプリング、及び遠心力を受けて前記付勢スプリングの付勢力に抗しつつ前記転動体を係合方向へ押圧する錘体を備えた回転作動型ワンウェイクラッチにおいて、前記錘体の作動範囲を制限する係止部が設けられていることを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、本発明の回転作動型ワンウェイクラッチは、
内周円筒面を有する外輪と、カム面が形成された内輪と、前記外内輪間のトルク伝達を行う転動体、前記転動体を付勢する付勢スプリング、及び遠心力を受けて前記付勢スプリングの付勢力に抗しつつ前記転動体を係合方向へ押圧する錘体を備えた回転作動型ワンウェイクラッチにおいて、前記転動体、錘体、付勢スプリングのうち少なくとも一つを保持する保持器が設けられており、前記保持器には前記外内輪間を支持する軸受部が設けられていることを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、本発明の回転作動型ワンウェイクラッチは、
内周円筒面を有する外輪と、カム面が形成された内輪と、前記外内輪間のトルク伝達を行う転動体、前記転動体を付勢する付勢スプリング、及び遠心力を受けて前記付勢スプリングの付勢力に抗しつつ前記転動体を係合方向へ押圧する錘体を備えた回転作動型ワンウェイクラッチにおいて、前記転動体、錘体、付勢スプリングのうち少なくとも一つを保持する保持器が設けられており、前記保持器と内輪との相対回動を防止する回り止め機構が設けられていることを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、本発明の回転作動型ワンウェイクラッチは、
内周円筒面を有する外輪と、カム面が形成された内輪と、前記外内輪間のトルク伝達を行う転動体、前記転動体を付勢する付勢スプリング、及び遠心力を受けて前記付勢スプリングの付勢力に抗しつつ前記転動体を係合方向へ押圧する錘体を備えた回転作動型ワンウェイクラッチにおいて、前記転動体、錘体、付勢スプリングのうち少なくとも一つを保持する樹脂製の保持器が設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
付勢スプリングが転動体をカム面との非係合方向へ付勢しており、ポケットには、遠心力を受けて付勢スプリングの付勢力に抗しつつ転動体をカム面との係合方向へ押圧する錘体が配置されているので、部品点数を削減するとともに、安価で、ばね定数を小さく設定でき、寸法精度が得やすく、錘体が引っかかる虞が無く、省スペースでも設計可能な構造の回転作動型ワンウェイクラッチを提供できる。
また、各請求項毎に得られる特有の効果は以下の通りである。
請求項1及び6の構成によれば、過大トルクを受けた直後、錘体がカム面側に飛び出してしまい、錘作動面側に戻らなくなるという誤動作を防止することができる。
請求項2、3、7及び8の構成によれば、別体の軸受部品などを用いなくても内外輪を同心に保つことができる。
請求項4、9及び12の構成によれば、保持器の位置決め、及び周方向の位置ずれを防止できる。
請求項5及び10の構成によれば、錘体との摩擦抵抗が比較的少ないので、作動がスムーズになる。また、装置全体を軽くすることができる。
請求項11の構成によれば、錘体の作動がスムーズになる。
請求項13の構成によれば、錘体の欠品確認を容易に行うことができる。
本明細書において、「回転作動型」とは、上記所定の回転数を越えた範囲での回転時において、ワンウェイクラッチとしての機能が確実に作動するという意味であるが、低速回転域から所定の回転数以下の回転でも、ワンウェイクラッチとして機能する場合がある。また、「所定の回転数」は、錘体の質量や錘体の内輪中心からの距離、錘作動面の傾斜角度によって、任意に決定されるものである。
また、本明細書において、「錘作動面」とは、遠心力を受けた錘体が、この面に沿って外径側へ転動または滑ることにより案内される面であり、ローラに接触押圧し、ローラを噛合い位置まで移動させるために設けられている。「錘作動面」は外径方向に向かってポケットの周方向幅が徐々に狭まるように傾斜していることが好ましい。
以下、本発明の各実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。図面中、同一部分は同一符号にて示してある。
本発明の第1実施例を説明する。図1は、第1実施例を示す回転作動型ワンウェイクラッチ30の正面図であり、図2は、第1実施例の外径側から見たポケット部の概略図である。回転作動型ワンウェイクラッチ30は、内周にスプライン2aが刻設され、駆動軸(不図示)に嵌合する中空の軸である内輪2と、内輪2の半径方向外側で同軸上に、かつ内輪2と相対回転自在に配置された外輪3とからなっている。
第1実施例では、ワンウェイクラッチ部を構成するローラ、錘体、アコーデオンスプリングなどを収容するポケットを内輪2の外周面と保持器32に設けた窓部43とで構成する。
外輪3と内輪2との間に配置されるほぼ環状の保持器32は、保持器本体であり、保持器32の軸方向端面にはほぼ環状の支持プレート34が設けられている。支持プレート34は、保持器結合部33により、保持器32に固定される。
図1、図2及び図4に示すように、保持器32の外輪3側には、外輪3の内周面3a(図9−図11参照)に摺擦可能な軸受部20が設けられている。軸受部20は、内輪2と外輪3とを同心に支持する機能を有する。また、周方向に所定の長さを有する軸受部20は、窓部43間に円周方向等分に設けられている。
保持器32に周方向等分に設けられた窓部43には、ほぼ接線方向からローラ37を付勢するアコーデオンスプリング35、外輪3と内輪2との間でトルクを伝達するローラ37、ローラ37に作用してローラ37を噛合方向へ押圧する錘体38が配置されている。錘体38が作用してないとき、錘体38の一部は内輪2の外周面に設けられた凹部31に収まっている。支持プレート34の内周縁は、この凹部31より外径側に位置していて、錘体38の一部が見えるように連通部6が形成されている。この連通部6によって、装置(回転作動型ワンウェイクラッチ)の組み立て後、錘体38の有無を視認により容易に確認することができ、欠品確認が容易になる。
保持器32には径方向断面がほぼコの字状の凹部36が設けられ、アコーデオンスプリング35のローラ37に付勢力を与える端部と反対の端部がこの凹部36(図4参照)に嵌合し、保持されている。
図2から分かるように、保持器32の窓部43は、保持器32を軸方向に刳り貫き、壁部を残して形成される。窓部43の軸方向の開放端は、前述の支持プレート34により閉じられている。従って、窓部43に収容されるアコーデオンスプリング35、ローラ37、錘体38は、保持器32の壁と支持プレート34とにより軸方向に保持され、また外輪3と内輪2とにより半径方向に保持され、窓部43から逸脱することはない。
図3は、回転作動型ワンウェイクラッチ30の軸方向断面図である。保持器32に対して支持プレート34が保持器結合部33により固定されていることが分かる。また、ローラ37が、保持器32の壁部と支持プレート34との間で微小なクリアランスを有し、軸方向に支持されていることも分かる。
次に、第1実施例の回転作動型ワンウェイクラッチ30の動作について、図4〜図6を用いて説明する。図4は、第1実施例において非回転〜低速回転時のローラと錘体の状態を示した図であり、図5は、第1実施例の作動時(噛合い時)のローラと錘体の状態を示した図であり、図6は、第1実施例の偏芯時(オーバートルクを受けたとき)のローラと錘体の状態を示した図である。
ここで、図4を参照して、第1実施例の構成をより詳細に説明する。保持器32は、内輪2の外周面に周方向等分に設けた複数の凹溝45に嵌合する複数の凸部44を備えている。凸部44が凹溝45に嵌合しているため、保持器32と内輪2とは相対回転をしない構成になっている。すなわち、凹溝45と凸部44とで、保持器32と内輪2との相対回動を防止する回り止め機構を構成している。
保持器32の窓部43の一方の側面には錘作動面40が形成されており、錘体38が遠心力を受けるとこの面に沿って外径側へ移動し、ローラ37に接触押圧し、ローラ37を噛合い位置まで移動させる。このとき、ローラ37自身が受ける遠心力に加えて錘体38が受ける遠心力もローラ37に加えられる。この錘作動面40の外径側には錘体38の作動範囲を制限する錘係止部41が設けられており、錘体38はそれ以上外径側へ移動できないようになっている。この錘係止部41は、保持器32と内輪2の外周面の間を幅狭にすることによって構成されている。更に、その外径側にはローラ37の錘体38方向への作動範囲を制限するローラ係止部42(転動体係止部)が設けられている。錘作動面40、錘係止部41、ローラ係止部42は、実施例では連続的に設けられているが、必ずしも連続的に形成する必要はない。
保持器32の錘作動面40、錘係止部41、ローラ係止部42が設けられた部分に対向した、内輪2の外周面には、錘体38の一部が嵌合する凹部31が設けられ、この凹部31に隣接して、ローラ37のトルク伝達面であるカム面47が形成され、カム面47の更に外径側であって、カム面47の凹部31の反対側部分には、カム面よりも大きく傾斜した非楔作用面46が形成されている。凹部31、カム面47、非楔作用面46は、実施例では連続的に設けられているが、必ずしも連続的に形成する必要はない。
図4に示すように、非回転〜低速回転時(域)では、錘体38は凹部31の内径側に位置してローラ37と接し、ローラ37はアコーデオンスプリング35によってローラ係止部42に押し当てられた状態となっている。その後、内輪2が回転し、その回転が所定回転数以上の高速で回転するようになると遠心力を受けた錘体38が外径側へ移動して、ローラ37をカム面47の噛合い位置へ移動させる。この状態で内輪2が外輪3に対して図中反時計方向に先行して回転するとトルク伝達が行われる仕組みになっている。この作動時の状態を図5に示している。
更に、ローラ37が過大トルクを受けた場合には、図6に示すように、ローラ37が非楔作用面46に移動しトルクを逃がすことができるようになっている。尚、このとき錘体38は錘係止部41によってカム面47側への移動が制限される。従って、ローラ37はアコーデオンスプリング35側に移動し、錘係止部41によって移動を制限された錘体38との接触が絶たれる。
本実施例の保持器32は主に樹脂製であり、ローラ37は主に金属製であるため、保持器32を金属で構成した場合と比べて、保持器32とローラ37との間の摩擦係数は低くなり、ローラ37の作動が滑らかになる。また、軽量化も可能となる。保持器32は鋳物、アルミニウムなどで構成することもできる。
次に、図7−15を参照して、本発明の第2実施例を説明する。第2実施例は、錘体38、ローラ37、アコーデオンスプリング35の位置関係及び動作については上述の第1実施例とほぼ同様である。第2実施例では、保持器の形態が第1及び第1実施例と大きく異なる。
本実施例で用いられる保持器について、図12及び図13により説明する。図12は、第2実施例の保持器50の第1プレート60の展開図であり、図13は、第2実施例の保持器50の第2プレート70の展開図である。
本実施例では、保持器50は板状の鋼板を打抜いて第1及び第2プレートとして形成する。図12は、第1プレート60の展開図であり、第1プレート60は、ほぼ環状の本体66から、外径方向に延在する複数の凸部から構成される。凸部は、第1柱部51及びアコーデオンスプリング35取り付け用の孔62とからなる。
本体66には、更に後述の第2プレート70との結合のための加締め用穴64が設けられている。また、本体66の内径方向には、保持器50を内輪2に固定するため2つの係合舌部65が設けられている。上述の加締め用穴64、係合舌部65は、それぞれ周方向等分に配置することが好ましい。係合舌部65は、内輪2の凹溝54に嵌合して、保持器全体内輪2に固定する。すなわち、凹溝54と係合舌部65とで、保持器50と内輪2との相対回動を防止する回り止め機構を構成している。
図13は、第1プレート70の展開図であり、第2プレート70は、ほぼ環状の本体75から、外径方向に延在する複数の凸部から構成される。凸部は、第2柱部72及び加締め用の突起71とからなり、第2柱部72と突起71との間には、後述の錘作動面52が形成されている。
本体75の内径方向には、保持器50を内輪2に固定するため2つの係合舌部74が設けられている。上述の凸部、係合舌部65は、それぞれ周方向等分に配置することが好ましい。以上説明した第1プレート60と第2プレート70とに曲げ加工を施して所定の形状を得た上で、両プレートを結合することで本実施例の保持器50(図7及び図8参照)を得る。
次に、図7−図11を参照して、第2実施例の回転作動型ワンウェイクラッチ80の詳細を説明する。図7は、第2実施例を示す回転作動型ワンウェイクラッチ80の正面図であり、図8は、第2実施例を示す回転作動型ワンウェイクラッチ80の軸方向断面図である。また、図9は、第2実施例において非回転〜低速回転時のローラと錘体の状態を示した図であり、図10は、第2実施例の作動時(噛合い時)のローラと錘体の状態を示した図であり、図11は、第2実施例の偏芯時(オーバートルクを受けたとき)ローラと錘体の状態を示した図である。
図7において、内輪2の外周面に設けられたカム面47、非楔作用面46(図9−図11)は前述の第1実施例とほぼ同じである。第2実施例と前記第1及び第1実施例との違いは、錘体38の作用面などが、保持器50を構成する第1または第2のプレートに設けられた凸部に形成されている点である。
第2プレート70の加締め用突起71が、第1プレート60の加締め用穴64に嵌合して加締められることで、結合部分53により保持器50が形成される。第2プレート70の凸部は、折り曲げられて、外輪3の内周に位置し、径方向に対して所定の傾斜を持った錘作動面52と、錘係止部55とが形成される。この錘係止部55は、保持器50と内輪2の外周面の間を幅狭にすることによって構成されている。
図8は、図7の軸方向断面図であり、保持器50が第1プレート60と第2プレート70からなることが分かる。
次に、図9−図11を参照して、第2実施例の回転作動型ワンウェイクラッチ80の作動を説明する。基本的な作動は、第1実施例と同じである。図9に示すように、非回転〜低速回転時(域)では、錘体38は凹部31の内径側に位置して、ローラ37はアコーデオンスプリング35によって、非係合方向に押圧されている。
その後、内輪2が回転し、その回転が所定回転数以上の高速で回転するようになると遠心力を受けた錘体38が錘作動面52に沿って外径側へ移動して、ローラ37をカム面47の噛合い位置へ移動させ、内輪2が外輪3に対して図中反時計方向に先行して回転するとトルク伝達が行われる仕組みになっている。この作動時の状態を図10に示している。
更に、ローラ37が過大トルクを受けた場合には、図11に示すように、ローラ37が非楔作用面46に移動しトルクを逃がすことができるようになっている。尚、このとき錘体38は錘係止部55に阻まれ、カム面47側への移動が制限される。従って、ローラ37はアコーデオンスプリング35側に移動し、錘係止部55によって移動を制限された錘体38との接触が絶たれる。尚、外輪3の内周面3aは、非偏芯時には3bの位置に変位している。
ここで、保持器50とアコーデオンスプリング35との関係は、以下の通りである。図14は、第2実施例の外径側から見たポケット部の概略図である。図15は、第2実施例におけるアコーデオンスプリング取付け部分の正面図である。
図14に示すように、アコーデオンスプリング35は先端部分がローラ37を押圧する接合部58となっており、根元部分が取付け部57となっている。この取付け部57で第1柱部51を挟持することによってアコーデオンスプリング35が保持器50に固定される。またこの取付け部を切欠いて形成された舌片56を孔62に係合させることでアコーデオンスプリング35がより強固に固定され、脱落が防止できる。
アコーデオンスプリング35の取付け部57の取り付け状態は図15に示されており、保持器の第1プレート60の孔62に取り付け部57の先端の舌片56が嵌合していることが分かる。第2実施例によれば、保持器50を鋼材、合成樹脂、アルミニウム等にすることができる。また、第1実施例の保持器よりも全体的に薄肉に成形できるので、ワンウェイクラッチを軽量化することができる。また、これに付随して加工コストを低減できる。
以上説明した各実施例では、錘体は、鋼材、銅、鋼合金、アルミニウム、合成樹脂等の材料から成形することが考えられるが、鋼等の比重の大きいものを用いると単位体積あたりに受ける遠心力が大きくなるので、装置のサイズが小さく且つ低速回転時においても噛合い可能な状態が得られ、また錘体38の径を小さくすることが可能となる。
尚、ポケットに配置される転動体としての円筒形のローラを示したが、これは球体であっても良い。また、錘体についても、円筒形のローラではなく球体であってもよい。更に、転動体と錘体との組み合わせについても、両者ともローラ、両者とも球体、いずれか一方がローラで、他方が球体であってもよい。
また、各実施例では、ポケットは円周方向に複数箇所設けられているが、この数は必要なトルク容量などに応じて任意に変更でき、8箇所以外でもよく、例えば、4箇所や6箇所でも良い。しかしながら、個数にかかわらずポケットは円周方向等配分に設けることが好ましい。
また、第1及び第2実施例では、ローラと錘体の直径がほぼ同じ大きさであるが、必ずしも同じ大きさにする必要はないが、使用条件(例えば、作動時の回転数の範囲)によって、任意に設定することができる。
本発明の回転作動型ワンウェイクラッチは、自動二輪車、スノーモービル等だけでなく、四輪自動車などにも適用することが可能である。
本発明の第1実施例を示す回転作動型ワンウェイクラッチの正面図である。 本発明の第1実施例の外径側から見たポケット部の概略図である。 本発明の第1実施例を示す回転作動型ワンウェイクラッチの軸方向断面図である。 本発明の第1実施例において非回転〜低速回転時のローラと錘体の状態を示した図である。 本発明の第1実施例の作動時(噛合い時)のローラと錘体の状態を示した図である。 本発明の第1実施例の偏芯時(オーバートルクを受けたとき)のローラと錘体の状態を示した図である。 本発明の第2実施例を示す回転作動型ワンウェイクラッチの正面図である。 本発明の第2実施例を示す回転作動型ワンウェイクラッチの軸方向断面図である。 本発明の第2実施例において非回転〜低速回転時のローラと錘体の状態を示した図である。 本発明の第2実施例の作動時(噛合い時)のローラと錘体の状態を示した図である。 本発明の第2実施例の偏芯時(オーバートルクを受けたとき)ローラと錘体の状態を示した図である。 本発明の第2実施例の保持器(第1プレート)の展開図である。 本発明の第2実施例の保持器(第2プレート)の展開図である。 本発明の第2実施例の外径側から見たポケット部の概略図である。 本発明の第2実施例におけるアコーデオンスプリング取付け部分の正面図である。
符号の説明
30,80 回転作動型ワンウェイクラッチ
2 内輪
3 外輪
35 アコーデオンスプリング
37 転動体(ローラ)
38 錘体
40 錘作動面
47 カム面

Claims (8)

  1. 内周円筒面を有する外輪と、カム面が形成された内輪と、前記外内輪間のトルク伝達を行う転動体、前記転動体を付勢する付勢スプリング、及び遠心力を受けて前記付勢スプリングの付勢力に抗しつつ前記転動体を係合方向へ押圧する錘体を備えた回転作動型ワンウェイクラッチにおいて、
    前記錘体を保持する保持器が設けられ、前記保持器には前記錘体を案内する錘作動面と、前記錘作動面の外径側に設けられ、前記錘体の外径方向への移動を制限する錘係止部とが設けられていることを特徴とする回転作動型ワンウェイクラッチ。
  2. 前記保持器は更に、前記転動体と前記付勢スプリングのいずれか一つを保持し、前記外内輪間を支持する軸受部を有することを特徴とする請求項1に記載の回転作動型ワンウェイクラッチ。
  3. 前記保持器には前記転動体、前記錘体、前記付勢スプリングのうち少なくとも一つを位置決めする複数の窓部が形成されており、前記各々の窓部と窓部の間に前記軸受部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の回転作動型ワンウェイクラッチ。
  4. 前記保持器と前記内輪との相対回動を防止する回り止め機構が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転作動型ワンウェイクラッチ。
  5. 前記保持器は樹脂製であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回転作動型ワンウェイクラッチ。
  6. 前記保持器の窓部と前記内輪の外周面とによって形成され、前記錘体、前記転動体または前記付勢スプリングの少なくとも一つが収容されたポケットが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の回転作動型ワンウェイクラッチ。
  7. 前記内輪の外周には軸方向に延びる凹溝が設けられており、一方前記保持器内周の前記凹溝に対応する位置には凸部が形成されていて、前記凹部に前記凸部を嵌め合わせることによって、前記保持器が前記内輪に取付けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回転作動型ワンウェイクラッチ。
  8. 非回転時に前記錘体を外部から視認可能な連通部を前記内輪に設けたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の回転作動型ワンウェイクラッチ。
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