JP2001089971A - 合成系繊維材料の抜蝕剤、抜蝕加工方法及び抜蝕加工合成系繊維材料 - Google Patents

合成系繊維材料の抜蝕剤、抜蝕加工方法及び抜蝕加工合成系繊維材料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アミン、アルカリ金属水酸化物等の危険性の
あるものを抜蝕剤として用いることなく、抜蝕された合
成系繊維材料を得ることができ、型際の極めてシャープ
な透かし模様あるいは起毛品においては型際の極めてシ
ャープな凹凸模様を有し、印捺糊中の染料の変色がな
く、鮮明な色相を有する柄を形成し、意匠性に優れた抜
蝕加工合成系繊維材料を極めて安全に製造することので
きる抜蝕剤及び抜蝕方法を提供する。 【解決手段】 塩酸グアニジンと弱酸のアルカリ金属塩
とを含有するか又は酢酸グアニジンを含有する合成系繊
維材料の抜蝕剤、この抜蝕剤を用いる合成系繊維材料の
抜蝕加工方法及びこの抜蝕剤を用いて抜蝕加工された合
成系繊維材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成系繊維材料の
抜蝕剤、抜蝕加工方法及び抜蝕加工された合成系繊維材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステル繊維と綿、レー
ヨン、絹、アセテート等の異種繊維とを混紡、混繊、交
編織した複合繊維からなる布帛に抜蝕剤を用いて構成さ
れている繊維素材の1つを部分的に除去し、透かし模様
を形成させる加工はオパール加工として知られている
が、この加工では異種繊維間に同色の色彩が得られな
い、抜蝕剤により染料が変色する、印捺柄が抜蝕柄と一
致しない、コストが高い等の問題が挙げられている。
【0003】また、ポリエステル系繊維の抜蝕加工にお
いては、変性ポリエステル繊維と未変性ポリエステル繊
維からなる布帛に、アミン、アルカリ金属水酸化物を抜
蝕剤として印捺付着させた後、熱処理して変性ポリエス
テルを脆化、抜蝕することにより透かし模様を形成させ
る方法も知られている。しかしながら、アミンを用いる
方法は熱処理の際に悪臭、発煙等が生じて環境上問題と
なっており、アルカリ金属水酸化物を用いる方法は本来
残すべき未変性ポリエステル繊維までも脆化してしまう
危険性があり、布帛の強度低下等が問題となっている。
更に、印捺糊に染料を含有させ、印捺部のポリエステル
繊維を染色する際、従来のアミン、アルカリ金属水酸化
物等を抜蝕剤として用いた印捺糊に染料を含有させる
と、染料が変色し、満足すべき色相が得られないという
問題がある。
【0004】また、上記に述べられている従来の方法で
は、印捺する抜蝕色糊は危険なものが多く、特にアミン
やアルカリ金属水酸化物を抜蝕色糊に使用するにあたっ
ては作業の際に特段の注意を要する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アミン、ア
ルカリ金属水酸化物等の危険性のあるものを抜蝕剤とし
て用いることなく、抜蝕された合成系繊維材料を得るこ
とができ、型際の極めてシャープな透かし模様あるいは
起毛品においては型際の極めてシャープな凹凸模様を有
し、印捺糊中の染料の変色がなく、鮮明な色相を有する
柄を形成し、意匠性に優れた抜蝕加工合成系繊維材料を
極めて安全に製造することのできる抜蝕剤及び抜蝕方法
を提供することを目的になされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討を重ねた結果、抜蝕成分として塩
酸グアニジンと弱酸のアルカリ金属塩とを用いるか又は
酢酸グアニジンを用いることにより、従来の問題点を一
掃できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成
させた。
【0007】すなわち、本発明は塩酸グアニジンと弱酸
のアルカリ金属塩とを含有するか又は酢酸グアニジンを
含有する合成系繊維材料の抜蝕剤、塩酸グアニジンと弱
酸のアルカリ金属塩とを含有するか又は酢酸グアニジン
を含有する抜蝕剤を用いる合成系繊維材料の抜蝕加工方
法、及び塩酸グアニジンと弱酸のアルカリ金属塩とを含
有するか又は酢酸グアニジンを含有する抜蝕剤を用いて
抜蝕加工された合成系繊維材料を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の抜蝕剤は、抜蝕成分とし
て塩酸グアニジンと弱酸のアルカリ金属塩とを含有する
か又は酢酸グアニジンを含有するものである。弱酸のア
ルカリ金属塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、重炭
酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸
カリウム及び酢酸カリウムが好ましい。塩酸グアニジン
に対する弱酸のアルカリ金属塩の使用量は、モル比で
1.0:0.1〜1.0:2.0であるのが好ましく、
弱酸のアルカリ金属塩のモル比が1.0:0.1より少
ない場合には抜蝕効果が弱くなる傾向にあり、1.0:
2.0より多い場合には抜蝕効果は良いが、印捺糊の作
成が困難となる。抜蝕剤の形態としては、例えば、塩酸
グアニジンと弱酸のアルカリ金属塩との混合物又は酢酸
グアニジンそのもの、塩酸グアニジンと弱酸のアルカリ
金属塩との水溶液又は糊ペーストに溶解したもの、ある
いは酢酸グアニジンの水溶液又は糊ペーストに溶解した
もの等が挙げられ、この抜蝕剤を元糊に配合することに
よって印捺糊とすることができる。その配合量は、抜蝕
の対象となる合成系繊維材料の種類及び目標とする抜蝕
の程度によって適宜選択すればよく、特に限定されるも
のではないが、印捺糊中に含まれる塩酸グアニジンと弱
酸のアルカリ金属塩との合計量又は酢酸グアニジンの量
が0.5〜50重量%、好ましくは1〜40重量%であ
ればよく、かかる範囲で十分な抜蝕効果が得られる。
【0009】本発明の抜蝕剤は、通常、元糊に配合した
印捺糊の形に調製して使用される。印捺糊を調製するた
めの元糊としては特に限定されず、通常の各種印捺糊に
用いられる元糊を適宜選択して用いることができる。例
えば、デンプン、アラビアゴム、クリスタルゴム、タマ
リンド、アルギン酸ソーダ等の天然糊料、カルボキシメ
チル繊維素ソーダ、プロピオキシセルロース、アルギン
酸エステル、グアガムエチレンオキサイド付加物、エチ
ルセルロース、メチルセルロース、ブリティッシュガム
等の加工糊料、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸誘導
体、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸エステル−酢酸ビニル
共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラー
ル、ポリウレタン、ポリマレイン酸共重合体塩、非イオ
ン界面活性剤等の合成糊料や合成樹脂エマルジョン、珪
藻土、ケイ酸コロイド等の無機系糊料などの各種糊料
を、各々単独であるいは2種以上を混合して、糊料とし
て用い、これを水又は有機溶剤に加えて溶液又は分散液
としたもの、水と石油系溶剤との粘液エマルジョンとし
たもの、前記2者の混合物など、従来から用いられてい
る元糊を使用することができる。
【0010】上記元糊中には、本発明の抜蝕剤以外に
も、必要に応じて吸着剤、抜染剤、界面活性剤、顔料、
染料、還元防止剤、金属イオン封鎖剤、増量剤、吸湿
剤、浸透剤、電解質、油脂、蛍光増白剤、防腐剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤等の通常の染色用薬剤を適宜配合
することができる。配合できる染料としては、任意の染
料を用いることができが、特に好ましくはアルカリに耐
え得る染料で、キノン系、キノフタロン系の分散染料や
反応染料が用いられる。
【0011】布帛への印捺糊の印捺は、従来より行われ
ている任意の方法によって行うことができ、模様等の部
分印捺からほぼ全面の印捺まで任意に印捺することがで
きる。また、他の印捺部と一部を重ねて印捺してもよ
い。次に、必要に応じて予備乾燥した後、乾熱又は湿熱
処理を施す。これらの処理を行う方法は、特に限定され
ず、例えば、乾熱処理法としてはオーブンや乾燥機を用
いてベーキングを施す方法や熱プレス機を用いてベーキ
ングを施す方法等を採用することができ、湿熱処理法と
してはHTスチーマー等を用いてスチーミングを施す方
法などを採用できる。処理条件については、対象となる
合成系繊維材料の種類によっても異なり、一概には言え
ないが、いずれの方法においても90〜200℃程度の
温度で30秒〜30分程度の処理を行えば好ましい効果
を得ることができる。その後、必要に応じて、処理材料
に水洗、ソーピング等の後処理を施し、乾燥する。
【0012】本発明による抜蝕加工された合成系繊維材
料には、当然ながら、抜蝕加工後に通常の染色または捺
染加工を施すこともできる。抜蝕加工での柄、色相と更
なる染色または捺染加工での柄、色相との組み合わせに
よって多種多様の高度の意匠効果を付与することも可能
である。本発明に用いられる合成系繊維材料としては、
ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、及びこれらの繊維
と綿、レーヨン、絹、アセテート等との複合繊維を素材
とした、織物、編物、起毛布、不織布等が挙げられる。
【0013】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの例により何ら限定されるもので
はない。なお、実施例及び比較例中の「部」は「重量
部」を表す。 実施例1 ニッカガムAL(アルギン酸ソーダ、日華化学(株)
製)3部、水57部からなる元糊60部中に、水10部
に塩酸グアニジン(60%品)20部、炭酸ナトリウム
10部を溶解したものを加えて印捺糊を調製した。ポリ
エステル起毛布(白布)上にこの印捺糊を柄状に印捺
し、乾燥した。次いで、HTスチーマー(HT−3−5
50型:辻井染機工業(株)製)を用いて180℃で7
分間のスチーミング処理を施し、その後、水洗、ソーピ
ングを経て乾燥した。印捺糊のポリエステル起毛布に対
する付着率は、平均で120重量%であった。
【0014】かくして得られたポリエステル起毛布は、
印捺部が抜蝕されたことにより、立体柄を呈するもので
あった。 実施例2 ニッカガム3A(加工澱粉、日華化学(株)製)6部、
水54部からなる元糊60部中に、水10部に塩酸グア
ニジン(60%品)20部、炭酸ナトリウム10部を溶
解したものを加えて印捺糊を調製した。ポリエステル起
毛布(白布)上にこの印捺糊を柄状に印捺し、乾燥し
た。次いで、HTスチーマー(HT−3−550型:辻
井染機工業(株)製)を用いて180℃で7分間のスチ
ーミング処理を施し、その後、水洗、ソーピングを経て
乾燥した。印捺糊のポリエステル起毛布に対する付着率
は、平均で110重量%であった。
【0015】かくして得られたポリエステル起毛布は、
実施例1と同様に印捺部が抜蝕されたことにより、立体
柄を呈するものであった。 実施例3 実施例2の炭酸ナトリウム10部を、炭酸カリウム10
部に代えた以外は実施例2と同様に処理して、抜蝕され
たポリエステル起毛布を得た。
【0016】かくして得られたポリエステル起毛布は、
実施例1と同様に印捺部が抜蝕されたことにより、立体
柄を呈するものであった。 実施例4 ニッカガム3A(加工澱粉、日華化学(株)製)6部、
水54部からなる元糊60部中に、水5部に塩酸グアニ
ジン(60%品)20部、重炭酸ナトリウム15部を溶
解したものを加えて印捺糊を調製した。ポリエステル起
毛布(白布)上にこの印捺糊を柄状に印捺し、乾燥し
た。次いで、HTスチーマー(HT−3−550型:辻
井染機工業(株)製)を用いて180℃で7分間のスチ
ーミング処理を施し、その後、水洗、ソーピングを経て
乾燥した。印捺糊のポリエステル起毛布に対する付着率
は、平均で110重量%であった。
【0017】かくして得られたポリエステル起毛布は、
実施例1と同様に印捺部が抜蝕されたことにより、立体
柄を呈するものであった。 実施例5 実施例4の重炭酸ナトリウム15部を、酢酸ナトリウム
15部に代えた以外は実施例4と同様に処理して、抜蝕
されたポリエステル起毛布を得た。
【0018】かくして得られたポリエステル起毛布は、
実施例1と同様に印捺部が抜蝕されたことにより、立体
柄を呈するものであった。 実施例6 ニッカガム3A(加工澱粉、日華化学(株)製)6部、
水54部からなる元糊60部中に、水25部に酢酸グア
ニジン15部を溶解したものを加えて印捺糊を調製し
た。ポリエステル起毛布(白布)上にこの印捺糊を柄状
に印捺し、乾燥した。次いで、HTスチーマー(HT−
3−550型:辻井染機工業(株)製)を用いて180
℃で7分間のスチーミング処理を施し、その後、水洗、
ソーピングを経て乾燥した。印捺糊のポリエステル起毛
布に対する付着率は、平均で110重量%であった。
【0019】かくして得られたポリエステル起毛布は、
実施例1と同様に印捺部が抜蝕されたことにより、立体
柄を呈するものであった。 比較例1 実施例6において、酢酸グアニジン15部に代えて48
%水酸化ナトリウム水溶液15部を用いた以外は、実施
例6と同様にして抜蝕加工した。
【0020】この加工では抜蝕加工されたポリエステル
起毛布は得られたが、抜蝕部のエッジングが不十分であ
った。水酸化ナトリウムの添加量を増やすと、エッジン
グ効果は大きくなったものの、糊の粘度が保てなくなっ
た。 比較例2 実施例6において、酢酸グアニジン15部に代えてトリ
エタノールアミン15部を用いた以外は、実施例6と同
様にして抜蝕加工した。
【0021】この加工では抜蝕加工されたポリエステル
起毛布は得られたが、抜蝕部でのエッジングが不十分で
あった。また、熱処理の際に著しい悪臭、発煙等が発生
した。 実施例7 ニッカガムAL(アルギン酸ソーダ、日華化学(株)
製)3部、水57部からなる元糊60部中に、水8部に
塩酸グアニジン(60%品)20部、炭酸ナトリウム1
0部、分散染料(C.I. Disperse Red
92)2部を溶解したものを加えて赤色の印捺糊を調
製した。ポリエステル起毛布(白布)上にこの印捺糊を
柄状に印捺し、乾燥した。次いで、HTスチーマー(H
T−3−550型:辻井染機工業(株)製)を用いて1
80℃で7分間のスチーミング処理を施し、その後、水
洗、ソーピングを経て乾燥した。印捺糊のポリエステル
起毛布に対する付着率は、平均で120重量%であっ
た。
【0022】かくして得られたポリエステル起毛布は、
印捺部が抜蝕され、染色されたことにより、凹部が鮮明
な赤色に染色された立体柄を呈するものであった。 実施例8 ニッカガム3A(加工澱粉、日華化学(株)製)6部、
水54部からなる元糊60部中に、水8部に塩酸グアニ
ジン(60%品)20部、炭酸ナトリウム10部、分散
染料(C.I. Disperse Red 92)2
部を溶解したものを加えて赤色の印捺糊を調製した。ポ
リエステル起毛布(白布)上にこの印捺糊を柄状に印捺
し、乾燥した。次いで、HTスチーマー(HT−3−5
50型:辻井染機工業(株)製)を用いて180℃で7
分間のスチーミング処理を施し、その後、水洗、ソーピ
ングを経て乾燥した。印捺糊のポリエステル起毛布に対
する付着率は、平均で110重量%であった。
【0023】かくして得られたポリエステル起毛布は、
実施例7と同様に印捺部が抜蝕され、染色されたことに
より、凹部が鮮明な赤色に染色された立体柄を呈するも
のであった。 実施例9 ニッカガム3A(加工澱粉、日華化学(株)製)6部、
水54部からなる元糊60部中に、水23部に酢酸グア
ニジン15部、分散染料(C.I. Disperse
Red 92)2部を溶解したものを加えて赤色の印
捺糊を調製した。ポリエステル起毛布(白布)上にこの
印捺糊を柄状に印捺し、乾燥した。次いで、HTスチー
マー(HT−3−550型:辻井染機工業(株)製)を
用いて180℃で7分間のスチーミング処理を施し、そ
の後、水洗、ソーピングを経て乾燥した。印捺糊のポリ
エステル起毛布に対する付着率は、平均で110重量%
であった。
【0024】かくして得られたポリエステル起毛布は、
実施例7と同様に印捺部が抜蝕され、染色されたことに
より、凹部が鮮明な赤色に染色された立体柄を呈するも
のであった。 比較例3 実施例9において、酢酸グアニジン15部に代えて48
%水酸化ナトリウム水溶液15部を用いた以外は、実施
例9と同様にして抜蝕加工した。
【0025】この加工では抜蝕加工されたポリエステル
起毛布は得られたが、抜蝕部のエッジングが不十分で、
赤色の変色も大きいものであった。水酸化ナトリウムの
添加量を増やすと、エッジング効果は大きくなったもの
の、糊の粘度が保てなくなった。 比較例4 実施例9において、酢酸グアニジン15部に代えてトリ
エタノールアミン15部を用いた以外は、実施例9と同
様にして抜蝕加工した。
【0026】この加工では抜蝕加工されたポリエステル
起毛布は得られたが、抜蝕部でのエッジングが不十分
で、赤色の変色も大きいものであった。また、熱処理の
際に著しい悪臭、発煙等が発生した。 実施例10 ニッカガムAL(アルギン酸ソーダ、日華化学(株)
製)3部、水57部からなる元糊60部中に、水8部に
塩酸グアニジン(60%品)20部、炭酸ナトリウム1
0部、反応染料(C.I. Reactive Red
21)2部を溶解したものを加えて赤色の印捺糊を調
製した。綿/ポリエステル(65/35)の交織布上に
この印捺糊を柄状に印捺し、乾燥した。次いで、HTス
チーマー(HT−3−550型:辻井染機工業(株)
製)を用いて110℃で20分間のスチーミング処理を
施し、その後、水洗、ソーピングを経て乾燥した。印捺
糊の織物に対する付着率は、平均で130重量%であっ
た。
【0027】かくして得られた綿/ポリエステル繊維の
交織布は、従来のアミンやアルカリ金属水酸化物を用い
た抜蝕加工においては一工程では得られなかった、印捺
部のポリエステル部位が抜蝕され、綿部位が赤色に染色
された透かし模様を呈するものであった。 実施例11 ニッカガムAL(アルギン酸ソーダ、日華化学(株)
製)3部、水57部からなる元糊60部中に、水23部
に酢酸グアニジン15部、反応染料(C.I.Reac
tive Red 21)2部を溶解したものを加えて
赤色の印捺糊を調製した。綿/ポリエステル(65/3
5)の交織布上にこの印捺糊を柄状に印捺し、乾燥し
た。次いで、HTスチーマー(HT−3−550型:辻
井染機工業(株)製)を用いて110℃で20分間のス
チーミング処理を施し、その後、水洗、ソーピングを経
て乾燥した。印捺糊の織物に対する付着率は、平均13
0重量%であった。
【0028】かくして得られた綿/ポリエステル繊維の
交織布は、実施例10と同様に従来のアミンやアルカリ
金属水酸化物を用いた抜蝕加工においては一工程では得
られなかった、印捺部のポリエステル部位が抜蝕され、
綿部位が赤色に染色された透かし模様を呈するものであ
った。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、型際のシャープな透か
し模様及び凹凸模様を有し、また色糊中の染料変色がな
く、鮮明な色相を有する柄部が形成され、意匠性に優れ
た抜蝕加工合成系繊維材料を簡易に、かつ、安全に提供
できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩酸グアニジンと弱酸のアルカリ金属塩
    とを含有するか又は酢酸グアニジンを含有する合成系繊
    維材料の抜蝕剤。
  2. 【請求項2】 塩酸グアニジンと弱酸のアルカリ金属塩
    とを含有するか又は酢酸グアニジンを含有する抜蝕剤を
    用いる合成系繊維材料の抜蝕加工方法。
  3. 【請求項3】 塩酸グアニジンと弱酸のアルカリ金属塩
    とを含有するか又は酢酸グアニジンを含有する抜蝕剤を
    印捺糊中に混合して用いる、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 塩酸グアニジンと弱酸のアルカリ金属塩
    との含有量又は酢酸グアニジンの含有量が0.5〜5
    0.0重量%である印捺糊を用いる、請求項2又は3記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 印捺糊を印捺し、次いで乾熱処理又は湿
    熱処理を施す、請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 合成系繊維材料がポリエステル繊維、ポ
    リアミド繊維又はこれらの繊維と他の繊維との複合繊維
    からなる、請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 塩酸グアニジンと弱酸のアルカリ金属塩
    とを含有するか又は酢酸グアニジンを含有する抜蝕剤を
    用いて抜蝕加工された合成系繊維材料。
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CN115323781B (zh) * 2022-06-23 2023-12-29 广州大学 一种单根纱线温度传感器的制备方法

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