JP2002069318A - 樹脂組成物、エッチング捺染剤及びそれを用いた捺染方法 - Google Patents

樹脂組成物、エッチング捺染剤及びそれを用いた捺染方法

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JP2002069318A
JP2002069318A JP2000265291A JP2000265291A JP2002069318A JP 2002069318 A JP2002069318 A JP 2002069318A JP 2000265291 A JP2000265291 A JP 2000265291A JP 2000265291 A JP2000265291 A JP 2000265291A JP 2002069318 A JP2002069318 A JP 2002069318A
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Keiko Honda
景子 本田
Teruo Ogami
照男 大上
Makoto Matsui
誠 松井
Tetsuzo Tatsuma
徹蔵 辰馬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起毛素材に対して、凹凸加工と同時に凹陥部
を着色することができ、しかも、加工された凹陥部の着
色部の耐光堅牢度に優れ、さらに、繊維素材としての風
合いを維持することができるエッチング捺染剤及びエッ
チング捺染方法を提供すること。 【解決手段】 分散染料、カルボキシル基を有する樹脂
及びアルカリ性物質を含有する樹脂組成物であって、組
成物中の分散染料、樹脂及びアルカリ性物質の合計量に
対するアルカリ性物質の割合が5〜20重量%の範囲に
ある樹脂組成物。当該樹脂組成物を主成分とするエッチ
ング捺染剤を用いて、耐アルカリ性に劣る繊維からなる
布帛上に印捺し、所定工程経過後、該布帛を還元洗浄
し、アルカリ分解された印捺部分の繊維を除去すること
によって布帛に凹凸模様を形成すると同時に凹陥部へ着
色を行う捺染方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エッチング捺染剤
として有用な樹脂組成物、該組成物から成るエッチング
捺染剤及び該エッチング捺染方法に関し、更に詳しく
は、起毛合成繊維に対し、凹凸加工と同時に凹陥部を着
色することができる樹脂組成物、エッチング捺染剤及び
エッチング捺染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維の如き疎水性繊維素材
の凹凸加工方法として、強アルカリ剤から成る捺染糊を
繊維上に塗布し、捺染部分の繊維を高温蒸気下で、局部
的に繊維分子を破壊した後、溶解除去して凹部を形成す
る方法が知られている。
【0003】しかしながら、この方法では、起毛素材に
凹部を形成する際に、強アルカリ剤を用いるので、着色
剤として用いた分散染料が強アルカリ剤によって分解も
しくは可溶化されるので、凹凸加工と同時に凹陥部を着
色することができなかった。
【0004】起毛素材に対して、凹凸加工と同時に凹陥
部を着色することができる方法として、特開平11−1
24780号公報には、少なくとも一部が合成繊維から
なる起毛部を表面の全部又は部分に有する起毛製品の起
毛部における1又は2以上の箇所に、フェノール性水酸
基を有する化合物および/または芳香族アマイド化合物
を付着させる第1ステップと、少なくともそのフェノー
ル性水酸基を有する化合物および/または芳香族アマイ
ド化合物の付着箇所を、その化合物の融点又は軟化温度
以上の温度において処理することにより、その化合物付
着箇所の起毛部を構成する合成繊維同士又は合成繊維と
多種の繊維を溶着させ、前記付着箇所を、その見掛けの
体積を減少させて凹模様部に形成させる第2ステップか
らなる凹凸模様を有する起毛製品の製法が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、当該公
報に記載の方法によれば、凹陥部を着色した凹凸加工を
施すことができるが、用いたキャリアー成分をポリエス
テル繊維から完全に除去することが困難で、残存したキ
ャリアー成分が凹陥部の着色部の耐光堅牢度を著しく低
下させるという問題と共に、凹陥部が固くなり、繊維素
材の風合いを損なうという問題点があった。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、起毛素
材に対して、凹凸加工と同時に凹陥部を着色することが
でき、しかも、加工された凹陥部の着色部の耐光堅牢度
に優れ、さらに、繊維素材としての風合いを維持するこ
とができるエッチング捺染剤及びエッチング捺染方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、(I)分散染料、樹脂及びアルカリ性物質
を含有する樹脂組成物であって、組成物中の分散染料、
樹脂及びアルカリ性物質の合計量に対するアルカリ性物
質の割合が5〜20重量%の範囲にある樹脂組成物を提
供する。
【0008】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(II)耐アルカリ性に劣る繊維からなる布帛に印捺
し、所定工程経過後、該布帛を水洗し、アルカリで分解
された印捺部分の繊維を除去することによって布帛に凹
凸模様を形成すると同時に凹陥部を着色することに用い
るエッチング捺染剤であって、上記(I)項に記載の樹
脂組成物を主成分とするエッチング捺染剤を提供する。
【0009】さらに、本発明は上記課題を解決するため
に、(III)上記(II)項に記載のエッチング捺染剤を
用いて、耐アルカリ性に劣る繊維からなる布帛上に印捺
し、所定工程経過後、該布帛を水洗し、アルカリ分解さ
れた印捺部分の繊維を除去することによって布帛に凹凸
模様を形成すると同時に凹陥部へ着色を行う捺染方法を
提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物に用いる分散
染料としては、超耐光堅牢度を有するアンスラキノン系
の染料を使用することが望ましい。アンスラキノン系の
染料としては、例えば、C.I.ディスパース イエロ
ー(DISPERSE YELLOW)51、C.I.ディスパース
レッド(DISPERSE RED)91、C.I.ディスパース
ブルー(DISPERSE BLUE)60、C.I.ディスパース
ブルー(DISPERSE BLUE)158などが挙げられる。
【0011】本発明の樹脂組成物に用いる樹脂は、カル
ボキシル基を有し、かつ、捺染剤において固着剤として
用いられる樹脂であれば、特に制限なく用いることがで
きる。そのような樹脂としては、アクリル樹脂の如き、
アルカリ性物質に膨潤性、溶解性を有し、かつ、水分散
性あるいは親水性を有する樹脂が好ましい。そのような
カルボキシル基を有する樹脂としては、平均分子量が1
000〜50万の範囲のものが好ましく、1万〜20万
の範囲のものが特に好ましく、5万〜10万の範囲にあ
るものが最も好ましい、又、酸価は5〜500の範囲の
ものが好ましい。
【0012】本発明の樹脂組成物中における分散染料及
び樹脂の割合は、分散染料100重量部に対して、樹脂
300〜500重量部の範囲が好ましい。分散染料10
0重量部に対する樹脂の割合が300重量部よりも少な
い場合、発色不良が生じる傾向にあるので、好ましくな
く、また、樹脂の割合が500重量部を越える場合、エ
ッチング捺染剤の状態が不安定となる傾向にあるので、
好ましくない。
【0013】本発明の樹脂組成物に用いるアルカリ性物
質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
の如き無機塩基;アンモニア水、有機アミンの如き有機
塩基、等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性の面か
ら、無機塩基が好ましく、これらの中でも水酸化ナトリ
ウムが特に好ましい。
【0014】本発明の樹脂組成物中における分散染料、
樹脂及びアルカリ性物質の合計量に対するアルカリ性物
質の割合は、5〜20重量%の範囲に調整する必要があ
る。この値が、5重量%よりも少ない場合、繊維に対す
るエッチング性能が劣る傾向にあるので、好ましくな
く、20重量%よりも多い場合、樹脂が共存していても
分散染料がアルカリ性物質によって分解もしくは可溶化
され易くなる傾向にあるので好ましくない。
【0015】本発明の樹脂組成物は、分散染料、樹脂及
びアルカリ性物質を水系媒体に分散させた形態であるこ
とが好ましい。
【0016】水系媒体としては、水;メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノールの如き低級アルコー
ルと水との混合物;エチレングリコール(以下、EGと
省略する。)、ポリエチレングリコール(以下、PEG
と省略する。)等が挙げられる。これらの中でも、PE
Gが好ましい。
【0017】分散染料、樹脂及びアルカリ性物質を水系
媒体中に分散させる方法としては、例えば、以下の方法
が挙げられる。 (1)分散染料を水に分散させ、樹脂とアルカリ性物質
に分散させる方法 (2)分散染料を樹脂に分散させ、水とアルカリ性物質
に分散させる方法 (3)分散染料を樹脂に内包させ、水とアルカリ性物質
に分散させる方法
【0018】分散染料、樹脂及びアルカリ性物質を水系
媒体中に分散させる際に用いる分散剤としては、例え
ば、PEG、EG、ノニオン系活性剤、アニオン系活性
剤等が挙げられる。これらの分散剤を用いる場合、単独
で用いることも、2種類以上を併用して用いることもで
きる。
【0019】分散剤を用いる場合の使用量は、捺染剤1
00重量部に対して、5〜20重量部の範囲が好まし
い。捺染剤100重量部に対する分散剤の割合が5重量
部よりも少ない場合、発色不足が生じる傾向にあるの
で、好ましくなく、また、分散剤の割合が20重量部を
越える場合、生地への浸透が生じる傾向にあるので、好
ましくない。
【0020】分散染料、樹脂及びアルカリ性物質を水系
媒体中に分散させる際に用いる分散機としては、例え
ば、分散撹拌機、ホモミキサー、等が挙げられる。
【0021】本発明の樹脂組成物は、分散染料が樹脂中
に内包されたものが好ましい。
【0022】樹脂中に内包された分散染料を調整する方
法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。 (1)エマルジョン樹脂及び染料を混合して内包する。 (2)染料分散液中でエマルジョン樹脂を合成し、内包
する。 (3)溶剤、染料及び樹脂を混合練肉し、その後、水中
に強制乳化し、その後、脱溶剤させて内包する。
【0023】本発明のエッチング捺染剤は、以上に説明
した本発明の樹脂組成物を主成分とするものである。本
発明のエッチング捺染剤には、アルカリ性物質が5〜2
0重量%の範囲で、かつ、樹脂固形分が10〜20重量
%の範囲で含まれるように、本発明の樹脂組成物を配合
することが好ましい。
【0024】本発明のエッチング捺染剤には、必要に応
じて、浸透防止剤、発色向上剤、耐光向上剤等を添加す
ることもできる。
【0025】エッチング捺染剤に必要に応じて添加する
ことができる浸透防止剤としては、例えば、ベントナイ
ト系の体質顔料、多糖類系の糊剤、などが挙げられる。
【0026】エッチング捺染剤に必要に応じて添加する
ことができる発色向上剤としては、例えば、PEG,E
Gなどが挙げられる。
【0027】エッチング捺染剤に必要に応じて添加する
ことができる耐光向上剤としては、例えば、紫外線吸収
剤、などが挙げられる。
【0028】また、本発明のエッチング捺染方法は、本
発明のエッチング捺染剤を耐アルカリ性に劣る繊維から
なる布帛上に印捺し、所定工程経過後、該布帛を水洗
し、アルカリ分解された印捺部分の繊維を除去すること
によって布帛に凹凸模様を形成すると同時に凹陥部へ着
色を行う方法である。
【0029】本発明のエッチング捺染剤を印捺する布帛
を構成する耐アルカリ性に劣る繊維としては、例えば、
ポリエステル繊維、カチオンダイアブルポリエステル繊
維等が挙げられる。
【0030】本発明のエッチング捺染剤は、上記した耐
アルカリ性に劣る繊維から成る布帛が起毛繊維である場
合に特に効果を発揮する。
【0031】本発明のエッチング捺染剤を耐アルカリ性
に劣る繊維からなる布帛上に印捺する方法としては、例
えば、ローラー捺染、オート捺染、手捺染、などの方法
が挙げられる。
【0032】本発明のエッチング捺染剤を布帛上に印捺
した後は、放置せずに乾燥させることが好ましい。
【0033】乾燥は、100℃〜130℃の温度範囲
で、2〜3分間に保つ方法が好ましい。
【0034】PET繊維に、染料を発色させる時には、
HTスチーマ(昭和機械工業(株)製「HTS−7
1」)を用い、160℃〜180℃で、蒸気量50〜1
00%、5〜10分間蒸し発色させる。
【0035】本発明のエッチング捺染剤を布帛上に印捺
し、所定工程を経過した後、布帛を還元洗浄する。この
方法は、複数回繰り返すこともできる。
【0036】還元洗浄の方法としては、水1リットルに
対してハイドロサルファイトナトリウム2g、活性剤2
g、水酸化ナトリウム2gを加えた溶液を80〜90℃
に保ちながら所定行程を終えた布帛を洗浄する方法が挙
げられる。
【0037】還元洗浄後の布帛は、乾燥させる必要があ
るが、乾燥方法としては、室温で風乾させる方法、布帛
を構成する繊維が溶解しない程度の温度で加熱乾燥させ
る方法、そのような温度の熱風を吹き込む熱風乾燥、等
が挙げられる。
【0038】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明する。以下の例において、「部」は、特に
断りがない限り、「重量部」を表す。
【0039】<実施例1>「ファインガムDP−70
F」(第一工業製薬(株)製のカルボキシメチルセルロ
ースナトリウム系複合化合物)7部及び水37部を混合
してなる元糊44部に、「ベンクレイMK−101」
(水澤化学(株)製のベントナイト)3部、水酸化ナト
リウム13部、「DICNAL K−1761」(大日
本インキ化学工業(株)製のアクリル系のアルカリ可溶
性の水性樹脂)15部、「PEG300」(日本油脂
(株)製のポリエチレングリコール)10部、「C.
I.ディスパース・ブルー60」(青色系の分散染料)
5部及び水10部を添加し、混合して青色のエッチング
捺染剤を得た。
【0040】<実施例2>「ファインガムDP−70
F」(第一工業製薬(株)製のカルボキシメチルセルロ
ースナトリウム系複合化合物)7部及び水37部を混合
してなる元糊44部に、「ベンクレイMK−101」
(水澤化学(株)製のベントナイト)3部、水酸化ナト
リウム13部、「DICNAL PA−3」(大日本イ
ンキ化学工業(株)製のアクリル系の水性樹脂)15
部、「PEG300」(日本油脂(株)製のポリエチレ
ングリコール)10部、「C.I.ディスパース・ブル
ー60」(青色系の分散染料)5部及び水10部を添加
し、混合して青色のエッチング捺染剤を得た。
【0041】<実施例3>「ファインガムSA−2L」
(第一工業製薬(株)製のカルボキシメチルセルロー
ス)7部及び水37部を混合してなる元糊44部に、
「ベンクレイMK−101」(水澤化学(株)製のベン
トナイト)3部、水酸化ナトリウム13部、「DICN
AL PA−3」(大日本インキ化学工業(株)製のア
クリル系のアルカリ可溶性の水性樹脂)15部、「PE
G300」(日本油脂(株)製のポリエチレングリコー
ル)10部、「C.I.ディスパース・ブルー60」
(青色系の分散染料)5部及び水10部を添加し、混合
して青色のエッチング捺染剤を得た。
【0042】<実施例4>「ファインガムSA−H」
(第一工業製薬(株)製のカルボキシメチルセルロー
ス)3部及び水41部を混合してなる元糊44部に、
「ベンクレイMK−101」(水澤化学(株)製のベン
トナイト)3部、水酸化ナトリウム13部、「DICN
AL PA−3」(大日本インキ化学工業(株)製のア
クリル系のアルカリ可溶性の水性樹脂)15部、「PE
G300」(日本油脂(株)製のポリエチレングリコー
ル)10部、「C.I.ディスパース・ブルー60」
(青色系の分散染料)5部及び水10部を添加し、混合
して青色のエッチング捺染剤を得た。
【0043】<捺染剤の評価>地染めされたポリエステ
ル繊維からなる起毛布に、上記実施例で得た各エッチン
グ捺染剤を柄状に印捺し、乾燥させた後、130℃で2
分間熱処理を施した。次いで、これに、HTスチーマー
(昭和機械工業(株)製の「HTS−71」)を用いて
170℃で8分間の熱蒸気処理を施した後、還元洗浄
し、乾燥させて、エッチング捺染加工したポリエステル
繊維からなる起毛布を得た。
【0044】このようにして得た起毛布は、印捺部分が
強アルカリによって加水分解されて抜蝕され、凹柄とな
り、しかも、凹陥部が青色に染色されていた。
【0045】<比較例1>水酸化ナトリウム13部、カ
ルボキシメチルセルロース5部及び体質顔料(シリカ粉
末)10部、分散染料「C.I.ディスパース・ブルー
60」5部、水10部を混合して、従来のタイプの捺
染剤である比較例1の捺染剤を得た。
【0046】実施例1〜4と同様にして、捺染剤の評価
を行った結果、比較例1の捺染剤は、実施例1のエッチ
ング捺染剤と比較して、発色性、エッチング性が悪かっ
た。
【0047】<比較例2>実施例1において、水酸化ナ
トリウムの使用量を3部とし、水の使用量を計57部と
した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の捺染剤
を得た。
【0048】実施例1〜4と同様にして、捺染剤の評価
を行った結果、比較例2の捺染剤は、発色性は良いが、
実施例1のエッチング捺染剤と比較してエッチング性が
悪かった。
【0049】<比較例3>実施例1において、水酸化ナ
トリウムの使用量を25部とし、水の使用量を計35部
とした以外は、実施例1と同様にして、比較例3の捺染
剤を得た。
【0050】実施例1〜4と同様にして、捺染剤の評価
を行った結果、比較例3の捺染剤は、エッチング剤が良
好であったが、実施例1のエッチング捺染剤と比較して
発色性が悪かった。
【0051】<比較例4>カルボキシメチル繊維素ソー
ダの10重量%水溶液50部、p−ヒドロキシ安息香酸
メチル30部、非イオン性分散剤としてエマルゲン91
1(花王(株)製のポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル、HLB13.6)2部及び尿素3部からなる
特開平11−124780号の実施例1に記載のエッチ
ング糊85部及び分散染料「C.I.ディスパース・ブル
ー 60」5部水10部を混合して比較例4の捺染剤を
得た。
【0052】実施例1〜4と同様にして、捺染剤の評価
を行った結果、比較例1の捺染剤は、実施例1のエッチ
ング捺染剤と比較して、耐光性及び風合いの面で劣って
いた。
【0053】<実施例5>実施例1において、分散染料
「C.I.ディスパース・ブルー 60」とアルカリ可
溶性の水性樹脂「DICNAL K−1761」を混合
し、樹脂で内包された染料を得た。その染料を用いて、
元糊、「ベンクレイMK−101」、水酸化ナトリウム
及び「PEG300」と混合した以外は、実施例1と同
様にして、実施例5のエッチング捺染剤を得た。
【0054】実施例1〜4と同様にして、実施例5のエ
ッチング捺染剤の評価を行った結果、実施例5のエッチ
ング捺染剤は、実施例1のエッチング捺染剤と比較し
て、発色性の面で優れていた。
【0055】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物を主成分とするエッ
チング捺染剤によれば、耐アルカリ性に劣る繊維からな
る起毛布帛に印捺することによって、凹凸模様を形成す
ると同時に、凹陥部に鮮明に着色することができ、しか
も、加工された凹陥部の着色部の耐光堅牢度に優れ、さ
らに、繊維素材としての風合いを維持することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 67/40 C09B 67/40 67/46 67/46 Z D06B 1/10 D06B 1/10 11/00 11/00 B D06M 11/38 D06P 1/16 Z D06P 1/16 1/673 1/673 3/00 M 3/00 3/54 A 3/54 5/00 117E 5/00 117 120D 120 122 122 D06M 101:32 // D06M 101:32 5/02 J Fターム(参考) 3B154 AA07 BA07 BA14 BA25 BB31 BD04 BD18 BD20 4H057 AA01 AA02 BA08 CA36 CA90 CB08 CB34 CB48 CC02 DA01 DA17 DA43 EA11 GA05 GA21 HA06 4J002 AA061 BG001 DE057 DE067 DE227 DF007 EN007 FD096 FD207 GK02 4L031 AA18 BA11 BA33 CA10 DA00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散染料、カルボキシル基を有する樹脂
    及びアルカリ性物質を含有する樹脂組成物であって、組
    成物中の分散染料、樹脂及びアルカリ性物質の合計量に
    対するアルカリ性物質の割合が5〜20重量%の範囲に
    あることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 樹脂がアルカリに対し膨潤性及び/又は
    溶解性を有し、かつ、水分散性あるいは親水性を有する
    樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 分散染料、樹脂及びアルカリ性物質を水
    系媒体中に分散させた請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 分散染料が樹脂中に内包されたものであ
    る請求項2又は3記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 アルカリ性物質が水酸化ナトリウムであ
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 耐アルカリ性に劣る繊維からなる布帛に
    印捺し、所定工程経過後、該布帛を還元洗浄し、アルカ
    リで分解された印捺部分の繊維を除去することによって
    布帛に凹凸模様を形成すると同時に凹陥部を着色するこ
    とに用いるエッチング捺染剤であって、請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の樹脂組成物を主成分とすることを
    特徴とするエッチング捺染剤。
  7. 【請求項7】 耐アルカリ性に劣る繊維がポリエステル
    繊維である請求項6記載のエッチング捺染剤。
  8. 【請求項8】 布帛が起毛繊維である請求項6又は7記
    載のエッチング捺染剤。
  9. 【請求項9】 請求項6記載のエッチング捺染剤を用い
    て、耐アルカリ性に劣る繊維からなる布帛上に印捺し、
    所定工程経過後、該布帛を還元洗浄し、アルカリ分解さ
    れた印捺部分の繊維を除去することによって布帛に凹凸
    模様を形成すると同時に凹陥部へ着色を行うことを特徴
    とする捺染方法。
  10. 【請求項10】 耐アルカリ性に劣る繊維がポリエステ
    ル繊維である請求項9記載の捺染方法。
  11. 【請求項11】 布帛が起毛繊維である請求項9又は1
    0記載の捺染方法。
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Cited By (9)

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