JP2001085056A - 非水電解液およびそれを用いた非水電解液二次電池 - Google Patents
非水電解液およびそれを用いた非水電解液二次電池Info
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Abstract
両者をバランス良く満足する非水電解液と、その非水電
解液を用いた非水電解液二次電池をを提供することを目
的とする。 【解決手段】電解質塩を有機溶媒に溶解した電池用非水
電解液において、前記有機溶媒は、環状カーボネート化
合物、化学式1(R1−OC(=O)0−R2−OC(=
O)O−R3)で表されるアルキレンビスカーボネート
化合物、化学式2(R4−0C(=O)O−R5)で表さ
れるアルキルモノカーボネート化合物、化学式3(R6
O−(R7O)n−R8)で表されるグリコールジエーテ
ル化合物およびリン含有有機化合物をそれぞれ少なくと
も1種以上含むことを特徴とする非水電解液。上記の非
水電解液を用いた非水電解質二次電池。
Description
電解質を溶解した有機溶媒からなる非水電解液およびこ
の非水電解液を用いた非水電解液二次電池に関する。
に、電力をより有効に活用する技術が必要とされてい
る。この目的のためには、優れた電気の貯蔵手段が有効
であり、この貯蔵手段としては大きな放電容量を持ち、
かつ繰り返し充放電が行える高性能な二次電池を用いる
ことが最適である。
蔵・放出可能な正極および負極と非水電解液等からなる
非水電解液二次電池は、小型で高電圧を有する電池とし
て電気自動車用あるいは小型携帯用電源としての需要が
増加する傾向にある。
機溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
トが使用されている。上記のエチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネート等の環状カーボネート化合物は誘
電率が高いという特徴をもつが、溶媒としては粘度が高
いため単独では電解液として使用が困難である。このた
め、低粘度の有機溶媒であるジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート等の鎖状カーボネート化合物を混合
し、電解液として使用しているが、これらの添加有機溶
媒は沸点が低いので、電解液としての高温特性の点で不
具合がある。
開平8−111238号公報などには、難燃性を示すリ
ン酸エステルを使用することにより電解液の安全性が向
上する旨の開示がある。しかし、リン酸エステルを主溶
媒として用いると、充電時に負極表面で副反応が起こ
り、リチウムイオンの吸蔵が効率良く行われなくなる。
そのため、サイクル特性が大幅に低下してしまう問題が
あった。逆に、環状カーボネート化合物、鎖状カーボネ
ート化合物などを溶媒に用い、リン酸エステルを少量添
加した電解液では、電池性能に影響が出ないものの、必
要な安全性の範囲内ではあるが、その安全性が低下して
しまうという問題があった。
む非水電解液を使用した二次電池においては、電池性能
と安全性を両立させることが非常に困難であった。
鑑みてなされたもので、二次電池の電池特性を保持し、
かつ高い安全性を有する非水電解液溶媒について、その
組成、配合比などを検討することで高い電池性能と安全
性との両者をバランス良く満足する非水電解液と、それ
を用いた非水電解液二次電池を提供することを課題とす
る。
平10−288065号で安全性と電池性能に優れた電
解液として環状カーボネート化合物とアルキルモノカー
ボネート化合物、アルキレンビスカーボネート化合物お
よびリン含有有機化合物を含む電解液について出願し
た。その後さらに電池の安定性と電池性能とのバランス
の向上を図るべく鋭意検討を重ねた結果、電解液溶媒と
して、環状カ−ボネ−ト化合物、アルキレンビスカ−ボ
ネ−ト化合物、アルキルモノカ−ボネ−ト化合物、グリ
コ−ルジエ−テル化合物およびリン含有有機化合物をそ
れぞれ適切な配合比で混合した非水電解液を検討したと
ころ、安全性を維持しかつ出力特性、サイクル特性など
の電池性能がより優れた二次電池が得られることを見い
だし本発明を完成した。
媒に溶解した電池用非水電解液において、前記有機溶媒
は、環状カーボネート化合物、化学式1で表されるアル
キレンビスカーボネート化合物、化学式2で表されるア
ルキルモノカーボネート化合物、化学式3で表されるグ
リコールジエーテル化合物およびリン含有有機化合物を
それぞれ少なくとも1種以上含むことを特徴とする。
ーボネート化合物、化学式3で表されるグリコールジエ
ーテル化合物、およびリン含有有機化合物は、前記有機
溶媒の全体量を100体積%とすると、各々、5〜35
体積%含有されていることが好ましい。
溶媒の全体量を100体積%とすると、20〜50体積
%含有されていることが好ましい。
ボネート化合物は、前記有機溶媒の全体量を100体積
%とすると、30〜50体積%含有されていることが好
ましい。
ル類、ホスホン酸エステル類またはホスフィン酸エステ
ル類からなる群から選ばれた有機化合物の1種以上を含
むことが好ましい。
F6、BF4、ClO4およびAsF4の中から選ばれたア
ニオンとから構成される無機塩ならびにリチウムイオン
とSO3CF3、N(CF3SO2)2、C(CF3SO2)3
およびこれらの誘導体の中から構成される有機塩からな
る群より選ばれる1種または2種以上の塩の組合せから
なることが好ましい。
液と正極と負極を有する非水電解液二次電池において、
前記非水電解液の有機溶媒に、環状カーボネート化合
物、化学式1で表されるアルキレンビスカーボネート化
合物、化学式2で表されるアルキルモノカーボネート化
合物、化学式3で表されるグリコールジエーテル化合物
およびリン含有有機化合物をそれぞれ少なくとも1種以
上含んでなる非水電解液を用いたことを特徴とする。
ついて詳述する。
媒に溶解した溶液であり有機溶媒には、環状カーボネー
ト化合物、化学式1で表されるアルキレンビスカーボネ
ート化合物、化学式2で表されるアルキルモノカーボネ
ート化合物、化学式3で表されるグリコールジエーテル
化合物およびリン含有有機化合物をそれぞれ少なくとも
1種以上含んで構成される。
合物は、比誘電率が高いために、電解液の導電率を上げ
る役割を果たしている。環状カ−ボネ−ト化合物は、有
機溶媒中に20〜50体積%含まれることで上記の特性
を電解液に付与できる。
ネ−ト化合物は、比較的高分子量であるので電解液への
混合により電解液全体の揮発性を低くすることができ
る。また、電解液の高温での保存性が付与できるので、
高温での電池特性を高いものにすることができる。化学
式1で表されるアルキレンビスカ−ボネ−ト化合物は、
有機溶媒中に5〜35体積%含まれることで上記の特性
を電解液に付与できる。
ート化合物は、比較的分子量の小さい化合物で、電解液
に混合することにより電解液の粘度を低くすることがで
きる。そのため電解液中での電解質イオンの移動性を高
くすることができ、出力密度などの電池特性を優れたも
のにすることができる。また、この化学式2で表される
アルキルモノカーボネート化合物は低粘度であるため
に、有機溶媒中に30〜50体積%含まれることで上記
の特性を電解液に付与できる。特に、この化合物を混合
してなる電解液は低温においてもの高い電池性能を保持
することができる。
化合物は、アルキル基の少なくと1つにはハロゲン原子
が導入されており、特に末端がフッ素原子で置換されて
いる。例えば、化学式3においてR6、R8にそれぞれト
リフルオロアルキル基(好ましくはトリフルオロメチル
基、トリフルオロエチル基等)を有する化合物を用いた
場合には、電極界面において、グリコールジエーテル化
合物が界面活性剤類似の作用を発揮して電解液と電極面
との接触面の濡れ性を高めることができる。その結果、
非水電解液の電極への親和性を高め、電池内部の抵抗の
低減やリチウムイオンの移動性を高め電池性能を向上さ
せることができる。化学式3で表されるグリコールジエ
ーテル化合物は、有機溶媒中に5〜35体積%含まれる
ことで上記の特性を電解液に付与できる。
る化合物であり電解液の一成分とすることで電解液の難
燃性を高いものにすることができる。そのため、非水電
解液二次電池の安全性能を高いものにすることができ
る。リン含有有機化合物は、有機溶媒中に20〜30体
積%含まれることで上記の特性を電解液に付与できる。
なお、上記の体積%は、有機溶媒の全量を100とした
ときの体積の百分率で表した量である。上記の配合割合
を逸脱すると所望の電解液特性が発揮できなくなり好ま
しくない。
は、特に限定されるものではないが、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネートなどが挙げられる。
ネート化合物の種類としても、特に限定されるものでは
ないが、1、2−ビス(メトキシカルボニルオキシ)エタ
ンや、1、2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エタ
ン、1、2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)プロパン
などを用いることができる。
ート化合物の種類としても、特に限定されるものではな
いが、エチル−n−ブチル−カーボネート、メチル−t−
ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t
−ブチル−i−プロピルカーボネートなどを用いること
ができる。
化合物の種類としても、特に限定されるものではない
が、エチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エ−
テル、i−プロピレングリコールビス(トリフルオロエチ
ル)エーテル、エチレングリコールビス(トリフルオロメ
チル)エーテル、ジエチレングリコールビス(トリフルオ
ロエチル)エーテルなどの化合物を用いることができ
る。
エステル、ホスホン酸エステルまたはホスフィン酸エス
テルからなる群から選ばれたリン含有有機化合物の1種
以上を用いることが望ましい。具体的には、トリメチル
ホスフェート、トリエチルホスフェートなどのリン酸エ
ステル類、ジエチルメタンホスホネート、ジ−(2,
2,2−トリフルオロエチル)メタンホスホネート等の
ホスホン酸エステル類、ホスフィン酸エステル類などを
用いることができ、また、これらの複数の混合物を使用
しても良い。
限定されるものではなく、通常使用される合成法のいず
れを用いて合成されたものでも良い。
iPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、CF
3SO3Li、N(CF3SO2)2Li、C(CF3S
O2)3Li、LiI、LiAlCl4、NaCIO4、N
aBF4、NaIなどが挙げられ、なかでもLiPF6、
LiBF4、LiClO4、LiAsF6、などの無機
塩、並びにCF3SO3Li、N(CF3SO2)2Li、
C(CF3SO2)3Liなどの有機塩からなる群より選
ばれる1種または2種以上の塩の組み合わせが電気特性
に優れるので好ましい。
0.1〜3.0モル/リットル、特に0.5〜2.0モ
ル/リットルとなるように前記有機溶媒に溶解すること
が好ましい。電解液での濃度が0.1モル/リットル未
満であると充分な電流密度が得られないことがあり、
3.0モル/リットルを超えると電解液の粘度が増加し
十分な出力特性が得られない。
状カーボネート化合物、化学式1で表されるアルキレン
ビスカーボネート化合物、化学式2で表されるアルキル
モノカーボネート化合物、化学式3で表されるグリコー
ルジエーテル化合物およびリン含有有機化合物をそれぞ
れ少なくとも1種以上含んでいる。このため各配合成分
の長所がそれぞれ発揮させることができる。その結果、
この非水電解液を使用した二次電池は、室温以外の温度
でも安定した電池性能を示すと共に安全性能(難燃性を
有するので)を満足し、一次または二次電池、特に後述
する非水電解液二次電池を構成する非水電解液として好
適に使用できる。
水電解液を用い、電解質以外の構成材料、正極、負極、
セパレータなどについては、特に制限を受けず、従来の
非水電解液二次電池に使用されている公知の材料をその
まま使用することができる。特に、正極活物質および負
極活物質をそれぞれ、導電材および結着材を混合して得
られた合剤が集電体に塗布されてなる電極を用いるのが
好ましい。
ては、例えば、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2、
Li(1-X)MnO2、Li(1-X)Mn2O4、Li(1-X)Co
O2、Li(1-X)NiO2、V2O5などが挙げられる。な
お、Xは0≦X≧1を満たす。
Mn2O4、Li(1-X)CoO2、Li( 1-X)NiO2などの
リチウムおよび遷移金属の複合酸化物は、電子およびリ
チウムイオンの拡散性能に優れるなど活物質としての性
能に優れる。そのため、このようなリチウムおよび遷移
金属の複合酸化物を正極活物質に用いれば、高い充放電
効率と良好なサイクル特性が得られる。
ては、その活物質の種類で限定されるものではなく、公
知の、リチウム、リチウム合金、スズ化合物などの無機
化合物、炭素質材料、導電性ポリマーなどが挙げられ
る。
鉛などの炭素材料は、リチウムイオンの吸蔵性能および
拡散性能に優れる。そのため、こんのような炭素材料を
負極活物質に用いれば、高い充放電効率と良好なサイク
ル特性とが得られる。上記構成からなる本発明の非水電
池は、その形状には特に制限を受けず、コイン型、円筒
型、角型等、種々の形状の電池として使用できる。図1
は、本発明の非水電解液二次電池の円筒型の例を、図2
は本発明の非水電解液二次電池のコイン型の例を示した
ものである。
明する。しかしながら、本発明は下記の実施例に限定さ
れるものではない。
体積%、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エ
タンを10体積%、エチル−n−ブチルカーボネートを
40体積%、エチレングリコールビス(トリフルオロエ
チル)エーテルを10体積%、トリエチルホスフェート
を10体積%の混合溶媒に、六フッ化リン酸リチウム
(LiPF6)1モル/リットルの濃度で溶解して実施例
1の電解液を作製した。
体積%、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エ
タンを10体積%、エチル−n−ブチルカーボネートを
40体積%、エチレングリコールビス(トリフルオロエ
チル)エーテルを10体積%、ジフルオロエチルメチル
ホスフェートを10体積%の混合溶媒に、六フッ化リン
酸リチウム(LiPF6)1モル/リットルの濃度で溶解
して実施例2の電解液を作製した。
体積%、1,2−ビス(メトキシカルボニルオキシ)プ
ロパンを10体積%、エチル−n−ブチルカーボネート
を40体積%、エチレングリコールビス(トリフルオロ
エチル)エーテルを10体積%、トリエチルホスフェー
トを10体積%の混合溶媒に、六フッ化リン酸リチウム
(LiPF 6)1モル/リットルの濃度で溶解して実施例
3の電解液を作製した。
体積%、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エ
タンを10体積%、ジイソプロピルカーボネートを40
体積%、エチレングリコールビス(トリフルオロエチ
ル)エーテルを10体積%、トリエチルホスフェートを
10体積%の混合溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(L
iPF6)1モル/リットルの濃度で溶解して実施例4の
電解液を作製した。
体積%、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エ
タンを10体積%、エチル−n−ブチルカーボネートを
30体積%、エチレングリコールビス(トリフルオロエ
チル)エーテルを20体積%、トリエチルホスフェート
を10体積%の混合溶媒に、六フッ化リン酸リチウム
(LiPF6)1モル/リットルの濃度で溶解して実施例
5の電解液を作製した。
体積%、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エ
タンを10体積%、エチル−n−ブチルカーボネートを
30体積%、エチレングリコールビス(トリフルオロエ
チル)エーテルを10体積%、トリエチルホスフェート
を20体積%の混合溶媒に、六フッ化リン酸リチウム
(LiPF6)1モル/リットルの濃度で溶解して実施例
6の電解液を作製した。
チルカーボネートの等体積混合溶媒に六フッ化リチウム
(LiPF6)を1モル/リットルの濃度で溶解して比較
例1の電解液を作製した。
エチルホスフェートの等体積混合溶媒に六フッ化リチウ
ム(LiPF6)を1モル/リットルの濃度で溶解して比
較例2の電解液を作製した。
ボニルオキシ)エタンを20体積%、エチル−n−ブチ
ルカーボネートを40体積%、エチレングリコールビス
(トリフルオロエチル)エーテルを20体積%、トリエ
チルホスフェートを20体積%の混合溶媒に、六フッ化
リチウム(LiPF6)を1モル/リットルの濃度で溶解
して比較例3の電解液を作製した。
体積%エチル−n−ブチルカーボネートを40体積%、
エチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテ
ルを10体積%、トリエチルホスフェ−トを10体積%
の混合溶媒に、六フッ化リチウム(LiPF6)を1モ
ル/リットルの濃度で溶解して比較例4の電解液を作製
した。
体積%、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エ
タンを20体積%、エチル−n−ブチルカーボネートを
10体積%、エチレングリコールビス(トリフルオロエ
チル)エーテルを20体積%、トリエチルホスフェート
を20体積%の混合溶媒に、六フッ化リチウム(LiP
F6)を1モル/リットルの濃度で溶解して比較例5の電
解液を作製した。 (比較例6)エチレンカーボネートを30体積%、1,
2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エタンを10体
積%、エチル−n−ブチルカーボネートを50体積%、
トリエチルホスフェートを10体積%の混合溶媒に、六フ
ッ化リチウム(LiPF6)を1モル/リットルの濃度で
溶解して比較例6の電解液を作製した。 (比較例7)エチレンカーボネートを30体積%、1,
2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エタンを10体
積%、エチル−n−ブチルカーボネートを50体積%、
エチレングリコールビス((トリフルオロエチル)エー
テルを10体積%の混合溶媒に、六フッ化リチウム(L
iPF6)を1モル/リットルの濃度で溶解して比較例7
の電解液を作製した。上記の各実施例および各比較例で
作製した各非水電解液の組成割合を表1に示した。
難燃性を確かめるために、燃焼速度試験を実施した。評
価方法を以下に述べる。上記の各組成からなる有機溶媒
にLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解した電解液
に、幅15mm,長さ320mmに裁断した厚さ0.04mm
のセパレータ用マニラ紙を浸漬し、その後、3分間垂直
に浸漬したマニラ紙をつり下げて余分な電解液を除い
た。このようにして電解液を含浸させたマニラ紙を25
mm間隔で支持針を有するサンプル台の支持針に刺して水
平に固定する。このサンプル台を250mm×250mm×
500mmの金属製の箱に入れ、そのマニラ紙の一端をラ
イターで着火し、マニラ紙の燃焼速度(mm/s)を測定し
て、電解液の難燃性を評価した。 (溶媒とリチウムの反応性評価方法)非水電解液となる
混合溶媒とリチウムとの反応性を評価するために、上記
の各電解液用溶媒に金属リチウムを浸漬させ、60℃の
恒温槽に50時間放置し、溶媒の液色の変化(変色の度
合)を観察した。 (試験用電池の作製方法および放電容量の測定方法)図
1に示した非水電解質二次電池は、リチウムイオンを放
出および吸蔵可能な正極1、並びに負極2と、正極1お
よび負極2の間にはポリプロピレン製のセパレータ6を
介した電解液3とを備える。正極1、負極2および電解
液3は、それぞれステンレスよりなる正極ケース4およ
び負極ケース5内にポリプロピレンよりなるガスケット
7を介して密封されている。
量部、グラファイト6重量部およびポリフッ化ビニリデ
ン4重量部を混合して、正極材料とした。この正極材料
をN−メチル−2−ピロリドンに分散させ、スラリー状
とした。このスラリーをアルミニウム製の正極集電体1
aに塗布し、乾燥し正極合剤1bを形成後、プレス成形
して正極1を作製した。
量部にポリフッ化ビニリデン10重量部を混合して負極
材料とした。この負極材料をN−メチル−2−ピロリド
ンに分散させてスラリー状とした。このスラリーを銅製
の負極集電体2aに塗布し、乾燥して負極合剤2bを形
成後、プレス成形して負極2を作製した。
極2を、それぞれ正極ケース4および負極ケース5に溶
接し、これらの溶接体の間に厚さ25μmの微孔ポリエ
チレン製フィルムセパレータ7を挟んで重ね合わせた。
続いて表1に示した各体積%の割合で混合した有機溶媒
に、さらにLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解
して作製した非水電解液電解液を、所定の場所に注入し
た後、ガスケット6、6で密封して図1に示すコイン型
の非水電解質二次電池を作製した。
コイン型のみに限定されるものでなく、例えば図2に示
す円筒型電池でも同様な結果が得られる。
筒型の概念図であり、図2aは電池の断面斜視模式図で
あり、図2bは電極部分を示す説明模式図を示す。
型で製造したのと同じ正極および負極を、シート形状と
して、両者をセパレータを介して積層し、渦巻き型に多
数回巻き回して巻回体として、所定の円筒状のケース内
に収納したものである。
うに負極集電体12に形成された負極合剤11と、正極
集電体14に形成された正極合剤13とが合剤面が相対
するように配置され、その間にセパレータ16と電解液
15が介在して巻き回して巻回体とし絶縁板を介して図
2aに示す電池缶の中に収納されて構成される。
リード12’が溶接され端部にニッケル製の負極端子1
8が電流遮断用薄板22を介してを介してケース21に
溶接される。一方、正極集電体14に溶接された正極リ
ード14’には端部にアルミニウム製の正極端子17が
取り付けられ、電流遮断用薄板22を介して電池蓋とし
て固定される。その結果、ケース21の底部が負極端子
部18となり、ケースの蓋部分が正極の端子部17とな
る。ケース21に収納された巻回体には、上記の非水電
解液15が注入されガスケット23で密封され安全蓋2
4を配備され、大きさが直径18mm、高さ65mmの円筒
型非水電解液二次電池が形成できる。
様の方法で、正極、負極、電解液を作製し、厚さ25μ
mの微孔ポリエチレン製フィルムをセパレータとし、前
述の正極および負極を順々積層してから渦巻き型に多数
回巻回すことにより巻回体を形成する。次に電池缶の底
部に絶縁体を挿入し、上記巻回体を収納した。そして、
負極、正極の端子を電池缶の底および蓋に接続させ上述
の非水電解液を、上述のようにして作製した電池缶に注
入し、密封することで円筒型非水電解液二次電池を作製
できる。
で評価を行った。
て、4.2V、1mA/cm2、4時間の定電流定電圧によ
る充電、および0.5mA/cm2の定電流で終止電圧を
3.0Vとする放電を行った。初期電池容量を20℃、
0℃で測定した。また、20℃で、この充放電を50サ
イクル繰り返し、電池容量および内部抵抗の変化を測定
した。
焼速度試験、電解液の粘度、電解液の高温保持試験、6
0℃、20℃および0℃の放電容量試験、初期の内部抵
抗および50サイクル充放電後の内部抵抗、20℃、6
0℃時の容量維持率測定を実施し結果を表2に示した。
速度が<0.1mm/sであり、電解液の安全性(難燃性)
が高い。さらに、高温保持試験での電解液の変色もな
く、放電容量、容量維持率共に高い値を示した。また、
電解液の粘度ほぼ一定の範囲を示し、温度変化による放
電容量の変化も少なく、50サイクルの充放電を繰り返
した後での電池内部抵抗の増加も少なく、電解液の容量
保持率も優れている。したがって、電池としての出力特
性の向上が期待できる。以上のことにより、実施例の非
水電解液を用いた二次電池では、電池性能と安全性能の
両者をバランス良く満足させることができる。
ネートとジエチルカーボネートの等体積混合溶媒の電解
液では、電池性能は高いものの、燃焼速度が6.9mm/s
と大きく、安全性に問題がある。逆に、比較例2のエチ
レンカーボネートとトリエチルホスフェートの等体積混
合溶媒では、安全性能は満足しているが、表2に示した
ように内部抵抗値が大きくなり電池性能が低下するとい
う問題がある。
ト化合物を含まないので、電解液の導電性が低下し、比
較例の中でも電池放電容量が著しく低下している。ま
た、高温での保存特性に優れるアルキレンビスカーボネ
ート化合物を含まない比較例4では、高温保持試験にお
いて、電解液が副反応して着色する。さらに、低粘度化
の役割を果たすアルキルモノカーボネート化合物を10
体積%しか含有しない比較例5は、電解液の粘度が増加
するために、電池内部抵抗が増加し、電池容量が低下し
てしまう。また、電池内部抵抗を低減する役割を果たす
グリコールジエーテルを含有しない比較例6では、電池
容量などには問題がないものの、電池内部抵抗が増加し
ており、出力特性が実施例よりも低下する。最後に、電
解液の安全性を向上させるリン含有有機化合物を含有し
ない比較例7では、燃焼速度が3.2mm/sであり、電解
液の安全性の確保が十分でない。
者を満足するためには、本実施例に示したように環状カ
ーボネート化合物、アルキレンビスカーボネート化合
物、アルキルモノカーボネート化合物、グリコールジエ
ーテル化合物、リン含有有機化合物の5種を混合した非
水電解液溶媒を用いることが重要であることが明らかで
ある。
エチレンカーボネート化合物は、電解液の誘電率から2
0〜50体積%配合、より望ましくは30体積%配合す
ることが望ましい。また、アルキレンビスカーボネート
化合物は無添加では、高温特性が低下してしまうので、
5〜35体積%配合した方が望ましい。より望ましくは
10〜20体積%配合することが望ましい。
カーボネート化合物は、より多く配合した方が性能は向
上するが、安全性を考慮して30〜50体積%配合する
ことが望ましい。電池内部抵抗を低減することができる
グリコールジエーテル化合物は、5〜35体積%配合す
ることが望ましい。最後に、リン含有有機化合物も、安
全性を向上させるために、より多く配合することが望ま
しいが、性能が低下することが懸念されるので、5〜3
5体積%配合することが望ましい。
いし有機化合物を混合してなる非水電解質を用いること
で、得られる非水電解質二次電池は、電池性能と安全性
のバランスのとれたものとなり種々の用途に広く利用す
ることができる。
イン型電池の断面図である。
筒型電池の説明図であり、2aは筒型電池の断面斜視図
であり、2bは電極部分を説明する説明模式図である。
極、2a.負極集電体、2b.負極合剤、3.電解液、
6.セパレータ、10.円筒型電池、11.負極合剤、
12.負極集電体、12’.負極リード、13.正極合
剤、14.正極集電体、14’.正極リード、15.電
解液、16.セパレータ、17.正極端子、18.正極
端子
Claims (7)
- 【請求項1】電解質塩を有機溶媒に溶解した電池用非水
電解液において、前記有機溶媒は、環状カーボネート化
合物、化学式1で表されるアルキレンビスカーボネート
化合物、化学式2で表されるアルキルモノカーボネート
化合物、化学式3で表されるグリコールジエーテル化合
物およびリン含有有機化合物をそれぞれ少なくとも1種
以上含むことを特徴とする非水電解液。 【化1】 R1−OC(=O)0−R2−OC(=O)O−R3 置換基R1、R3は同じまたは、異なるアルキル基を表
し、各炭素数が1〜4である。R2は直鎖状あるいは分
岐状のアルキレン基を表し、炭素数が1〜3である。 【化2】R4−0C(=O)O−R5 置換基R4、R5は同じまたは、異なるアルキル基を表
し、少なくとも一方の炭素数が3以上である。 【化3】R6O−(R7O)n−R8 置換基R6、R8はハロゲン原子で置換されていても良い
炭素数1〜8のアルキル基、置換基R7はハロゲン原子
で置換されていても良い炭素数2〜4のアルキレン基、
nは1≦n≦4である。ただし、置換基R6、R7、R8
のうち少なくとも1つはハロゲン原子で置換されていな
くてはならない。 - 【請求項2】前記アルキレンビスカーボネート化合物、
前記グリコールジエーテル化合物、および前記リン含有
有機化合物は、前記有機溶媒の全体量を100体積%と
すると、各々、5〜35体積%含有されている請求項1
に記載の非水電解液。 - 【請求項3】前記環状カーボネート化合物は、前記有機
溶媒の全体量を100体積%とすると、20〜50体積
%含有されている請求項1に記載の非水電解液。 - 【請求項4】前記アルキルモノカーボネート化合物は、
前記有機溶媒の全体量を100体積%とすると、30〜
50体積%含有されている請求項1に記載の非水電解
液。 - 【請求項5】前記リン含有有機化合物は、リン酸エステ
ル類、ホスホン酸エステル類またはホスフィン酸エステ
ル類からなる群から選ばれる有機化合物の1種以上を含
む請求項1に記載の非水電解液。 - 【請求項6】前記電解質塩は、リチウムイオンとP
F6、BF4、ClO4およびAsF4の中から選ばれたア
ニオンで構成される無機塩ならびにリチウムイオンとS
O3CF3、N(CF3SO2)2、C(CF3SO2)3およ
びこれらの誘導体の中から構成される有機塩からなる群
より選ばれる1種または2種以上の塩の組合せからなる
請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解液。 - 【請求項7】非水電解液と正極と負極を有する非水電解
液二次電池において、前記非水電解液の有機溶媒は、環
状カーボネート化合物、化学式1で表されるアルキレン
ビスカーボネート化合物、化学式2で表されるアルキル
モノカーボネート化合物、化学式3で表されるグリコー
ルジエーテル化合物およびリン含有有機化合物をそれぞ
れ少なくとも1種以上含んでなる非水電解液を用いたこ
とを特徴とする非水電解液二次電池。
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