JP2001085002A - 密閉型アルカリ蓄電池 - Google Patents

密閉型アルカリ蓄電池

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JP2001085002A JP25712499A JP25712499A JP2001085002A JP 2001085002 A JP2001085002 A JP 2001085002A JP 25712499 A JP25712499 A JP 25712499A JP 25712499 A JP25712499 A JP 25712499A JP 2001085002 A JP2001085002 A JP 2001085002A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】固溶元素として、マンガンを、ニッケルと
マンガンの総量に基づいて、15〜50重量%含有する
α型水酸化ニッケルを活物質とする非焼結式ニッケル正
極と、負極と、アルカリ電解液とを備え、前記α型水酸
化ニッケルの一部が、ニッケル原子の平均価数が2.1
〜2.3となるように、電池系外において予め酸化処理
されて、γ−NiOOH・XH2 O(0.3≦X≦0.
8)に置き換えられている。 【効果】充放電サイクルの長期にわたって正極の活物質
利用率が高いアルカリ蓄電池が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉型アルカリ蓄
電池に係わり、詳しくは、充放電サイクルの長期にわた
って高い活物質利用率を発現する非焼結式ニッケル正極
を備える密閉型アルカリ蓄電池を提供することを目的と
した、正極活物質の改良に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】密閉型
アルカリ蓄電池のニッケル正極には、焼結式と非焼結式
とがある。導電性芯体(集電体)に金属の焼結体を使用
した焼結式ニッケル正極には、焼結体の多孔度が低いた
めに、充填可能な活物質量が少ない、すなわちエネルギ
ー密度が低いという問題が有る。そこで、近年、導電性
芯体として発泡ニッケルなどの多孔度の大きい非焼結体
を使用し、活物質を多量に充填した非焼結式ニッケル正
極が、注目されている。
【0003】しかしながら、活物質の充填量を多くする
ために多孔度の大きい非焼結体を使用すると、非焼結体
の集電能力が低いために、活物質利用率が低下する。
【0004】非焼結式ニッケル正極の活物質利用率を高
めるための方法としては、3価のマンガンを固溶元素と
して含有する水酸化ニッケルを使用することが提案され
ている(特開平7−335214号公報)。しかし、こ
の方法では、活物質利用率を充分に高めることは困難で
ある。マンガンを固溶元素として含有する水酸化ニッケ
ルの一部が充電時に見掛け密度の小さいγ−NiOOH
に変化して電極が膨張し、その結果、セパレータが圧縮
されてセパレータ内の電解液が電極内に取り込まれ、セ
パレータに電解液不足(ドライアウト)が生じて、電池
の内部抵抗が上昇するからである。
【0005】本発明は、充電時にγ−NiOOHが生成
してもセパレータに電解液不足が生じにくいために、充
放電サイクルの長期にわたって高い活物質利用率を発現
する非焼結式ニッケル正極を備える密閉型アルカリ蓄電
池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る密閉型アル
カリ蓄電池(本発明電池)は、固溶元素として、マンガ
ンを、ニッケルとマンガンの総量に基づいて、15〜5
0重量%含有するα型水酸化ニッケルを活物質とする非
焼結式ニッケル正極と、負極と、アルカリ電解液とを備
え、前記α型水酸化ニッケルの一部が、全体のニッケル
原子の平均価数が2.1〜2.3となるように、電池系
外において予め酸化処理されて、γ−NiOOH・XH
2 O(0.3≦X≦0.8)に置き換えられている。
【0007】本発明電池では、固溶元素としてマンガン
を、ニッケルとマンガンの総量に基づいて、15〜50
重量%含有するマンガン含有α型水酸化ニッケル(α−
Ni(OH)2 )が正極活物質として使用される。マン
ガン含有量が15〜50重量%に限定されるのは、マン
ガン含有量がこの範囲を外れると、マンガン含有α型水
酸化ニッケルの酸素過電圧が小さくなり、正極の充電受
入れ性(充電効率)乃至活物質利用率を充分に高めるこ
とができなくなるからである。マンガン含有α型水酸化
ニッケルは、充電により酸化されてマンガン含有γ−N
iOOHに変化する。マンガン含有量が15〜50重量
%のマンガン含有γ−NiOOHの酸素過電圧(酸素発
生電位と酸化電位の差)は、β型水酸化ニッケルの充電
により生成するβ−NiOOHのそれに比べて大きい。
このため、本発明電池は、正極の充電受入れ性が良い。
【0008】本発明電池では、上記のマンガン含有α型
水酸化ニッケルの一部を、酸化処理後の全体のニッケル
原子の平均価数が2.1〜2.3となるように、電池系
外において予め酸化処理して、γ−NiOOH・XH2
O(0.3≦X≦0.8)に置き換えたものを正極活物
質として使用する。酸化処理後のニッケル原子の平均価
数(α−Ni(OH)2 とγ−NiOOHとからなる酸
化処理後の混成体中のニッケル原子の平均価数)は、酸
化レベルの指標であり、酸化処理後の全体(混成体)に
占めるγ−NiOOHの割合が多くなるにつれて、大き
くなる。酸化処理後のニッケル原子の平均価数が2.1
〜2.3に限定され、またX(結晶水の含有量)が0.
3〜0.8に限定される理由は次のとおりである。
【0009】すなわち、Xが0.8以下に限定されるの
は、γ−NiOOHが含有可能な結晶水の量、すなわち
Xの最大値が0.8だからである。このようにXは最大
で0.8であるから、酸化処理後の全体に占めるγ−N
iOOH・XH2 Oの割合、すなわちニッケル原子の平
均価数をある程度大きくしないと、非焼結式ニッケル正
極が予め保有する水の量が不足して、セパレータ内の電
解液の正極への流入を有効に抑制することはできない。
ニッケル原子の平均価数が2.1以上に限定されるのは
このためである。しかし、γ−NiOOH・XH2 Oの
割合が大きくなるにつれてα型水酸化ニッケル(活物
質)の割合が小さくなるとともに、γ−NiOOH・X
2 Oの割合が大きくなると、本来は正極の容量により
規制されるべき電池の容量が負極の容量により規制され
るようになるので、電池容量が減少する。ニッケル原子
の平均価数が2.3以下に限定されるのはこのためであ
る。このようにγ−NiOOH・XH2 Oの割合、すな
わちニッケル原子の平均価数は、最大で2.3であるか
ら、1モル当たりの含水量(X)がある程度大きいγ−
NiOOH・XH2 Oを使用しないと、非焼結式ニッケ
ル正極が予め保有する水の量が不足して、セパレータ内
の電解液の正極への流入を有効に抑制することはできな
い。Xが0.3以上に限定されるのはこのためである。
【0010】非焼結式ニッケル正極の具体例としては、
導電性芯体に、活物質を含有するペーストを塗布し、乾
燥してなるペースト式ニッケル極が挙げられる。導電性
芯体の具体例としては、ニッケルの発泡体、フェルト状
ニッケル繊維多孔体、パンチングメタル、及び、鉄等の
金属の表面にニッケルめっき等の被覆を施したものが挙
げられる。非焼結式ニッケル正極としては、ペースト式
ニッケル極の外、チューブ状の金属導電体の中に活物質
を充填するチューブ状ニッケル極、ポケット状の金属導
電体の中に活物質を充填するポケット状ニッケル極、活
物質を網目状の金属導電体とともに加圧成形するボタン
型電池用ニッケル極などが、例示される。
【0011】本発明電池の負極としては、水素吸蔵合金
電極、カドミウム電極及び亜鉛電極が例示される。
【0012】本発明電池は、固溶元素としてマンガンを
所定量含有するα型水酸化ニッケルを使用しているの
で、正極の酸素過電圧が大きく、それゆえ充電受入れ性
が良い。また、本発明電池は、α型水酸化ニッケルの所
定量を、電池系外において予め酸化処理して、γ−Ni
OOH・XH2 O(0.3≦X≦0.8)に置き換えた
含水正極活物質を使用しているので、セパレータにおけ
る電解液不足が抑制される。したがって、本発明電池は
充放電サイクルの長期にわたって高い活物質利用率を発
現する。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるも
のではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変
更して実施することが可能なものである。
【0014】(予備実験)α型水酸化ニッケル100g
を、20重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液62ミリリ
ットルと0.1、1、5、10又は20モル/リットル
水酸化ナトリウム水溶液500ミリリットルとの混液に
投入し、1時間攪拌混合した後、沈殿物をろ取し、水洗
し、60°Cで乾燥して、5種の粉末を得た。各粉末
を、粉末X線回折により分析した結果、γ−NiOOH
・XH2 Oが一部生成していることが分かった。また、
各粉末の熱分析により、各粉末が含むγ−NiOOH・
XH2Oの結晶水含有量(γ−NiOOH・XH2 O中
のX)を調べた結果、それぞれ、0.2、0.3、0.
65、0.8及び0.8であった。
【0015】(実験1)本発明電池及び比較電池を作製
し、1サイクル目及び50サイクル目の活物質利用率を
調べた。
【0016】(本発明電池Aの作製) ステップ1:硫酸マンガン(MnSO4 ・5H2 O)8
7.8g及び硫酸ニッケル(NiSO4 ・7H2 O)3
82.8gを水に溶かした水溶液5リットルに、pHメ
ータにて液のpHを監視しながら、アンモニア及び水酸
化ナトリウムを各10重量%水に溶かした水溶液を滴下
して、液のpHを9.5±0.3に調整した後、1時間
攪拌混合し、ろ過し、ろ物を水洗し、80°Cにて乾燥
して、固溶元素としてマンガンを、ニッケルとマンガン
の総量に基づいて、20重量%含有するα型水酸化ニッ
ケルを得た。マンガン含有率20重量%は、原子吸光に
より定量分析して求めた。
【0017】ステップ2:上記のα型水酸化ニッケル1
00gを、10モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液
500ミリリットルと20重量%次亜塩素酸ナトリウム
水溶液50ミリリットルとの混液に投入し、1時間攪拌
混合し、ろ過し、ろ物を水洗し、60°Cにて乾燥し
て、α型水酸化ニッケルの一部を酸化処理した。酸化処
理後のニッケル原子の価数(平均価数)を、鉄の2価・
3価酸化還元滴定法により求めたところ、2.2であっ
た。また、酸化処理後の粉末を粉末X線回折により分析
して、γ−NiOOH・XH2 Oが一部生成しているこ
とを確認した。このγ−NiOOH・XH2 Oは、先の
予備実験から、γ−NiOOH・0.8H 2 Oと推定さ
れる。
【0018】ステップ3:ステップ2で作製した、酸化
処理したα型水酸化ニッケル90重量部と、導電剤とし
ての水酸化コバルト10重量部と、結着剤としての1重
量%メチルセルロース水溶液20重量部とを混練してペ
ーストを調製し、このペーストを集電体としての発泡ニ
ッケル(多孔度:95%、平均孔径:200μm)の孔
内に充填し、乾燥し、加圧成形して、非焼結式ニッケル
正極(寸法:40mm×65mm×0.6mm)を作製
した。
【0019】ステップ4:ステップ3で作製した非焼結
式ニッケル正極、これに比べて電気化学的容量が充分に
大きい従来公知のペースト式カドミウム負極(寸法:4
2mm×100mm×0.5mm)、ポリアミド不織布
(セパレータ)、30重量%水酸化カリウム水溶液(ア
ルカリ電解液)、金属製の電池缶、金属製の電池蓋など
を使用して、AAサイズのアルカリ蓄電池A(容量:約
1000mAh)を作製した。
【0020】(比較電池Xの作製)ステップ2で作製し
た、酸化処理したα型水酸化ニッケルに代えて、ステッ
プ1で作製した、酸化処理していないα型水酸化ニッケ
ル(マンガンとニッケルの総量に基づくマンガン含有
率:20重量%)を正極活物質として使用したこと以外
は、ステップ3及び4の各操作を順に行って、アルカリ
蓄電池Xを作製した。酸化処理しなかったα型水酸化ニ
ッケル中のニッケル原子の価数は、2.0である。
【0021】(比較電池Yの作製)ステップ1において
硫酸マンガン及び硫酸ニッケルの使用量を、それぞれ0
g及び478.6gに変更し、ステップ2において20
重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液50ミリリットルに
代えて10重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液124ミ
リリットルを使用したこと以外は、ステップ1〜4の各
操作を順に行って、アルカリ蓄電池Yを作製した。ステ
ップ1において硫酸マンガンを使用しなかったので、α
型水酸化ニッケルのマンガンとニッケルの総量に基づく
マンガン含有率は0である。酸化処理後の粉末を粉末X
線回折により分析して、γ−NiOOH・XH2 Oが一
部生成していることを確認した。このγ−NiOOH・
XH2Oは、先の予備実験から、γ−NiOOH・0.
8H2 Oと推定される。また、酸化処理後のニッケル原
子の平均価数は、2.2であった。
【0022】〈各電池の1サイクル目及び50サイクル
目の活物質利用率〉25°Cにて0.1Cで16時間充
電した後、25°Cにて1Cで1.0Vまで放電する充
放電を50サイクル行い、各電池に使用した非焼結式ニ
ッケル正極の下式で定義される1サイクル目及び50サ
イクル目の活物質利用率を調べた。結果を表1に示す。
表1に示す活物質利用率の値は、アルカリ蓄電池Aの1
サイクル目の活物質利用率を100とする相対指数であ
る。
【0023】活物質利用率(%)={1サイクル目又は
50サイクル目の放電容量(mAh)/〔水酸化ニッケ
ルの充填量(g)×288(mAh/g)〕}×100
【0024】
【表1】
【0025】表1に示すように、本発明電池Aは、比較
電池X及びYに比べて、1サイクル目及び50サイクル
目の活物質利用率が高い。比較電池Xの50サイクル目
の活物質利用率が極めて低いのは、充電時に見掛け密度
の小さいγ−NiOOHが生成し、その結果、セパレー
タが圧縮されて電解液不足が生じ、電池の内部抵抗が上
昇したためである。また、比較電池Yの1サイクル目及
び50サイクル目の活物質利用率が低いのは、正極(正
極活物質)の酸素過電圧が小さいことに起因して、充電
受入れ性が良くなかったからである。
【0026】(実験2)α型水酸化ニッケルのマンガン
含有率と活物質利用率の関係を調べた。
【0027】(アルカリ蓄電池B1の作製)ステップ1
において硫酸マンガン及び硫酸ニッケルの使用量を、そ
れぞれ35.1g及び440.2gに変更し、ステップ
2において20重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を5
0ミリリットルに代えて60ミリリットル使用したこと
以外は、ステップ1〜4の操作を順に行って、アルカリ
蓄電池B1(比較電池)を作製した。α型水酸化ニッケ
ルのマンガンとニッケルの総量に基づくマンガン含有率
は8重量%であった。酸化処理後の粉末を粉末X線回折
により分析して、γ−NiOOH・XH2 Oが一部生成
していることを確認した。このγ−NiOOH・XH2
Oは、先の予備実験から、γ−NiOOH・0.8H2
Oと推定される。また、酸化処理後のニッケル原子の平
均価数は、2.2であった。
【0028】(アルカリ蓄電池B2の作製)ステップ1
において硫酸マンガン及び硫酸ニッケルの使用量を、そ
れぞれ65.9g及び406.8gに変更し、ステップ
2において20重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を5
0ミリリットルに代えて53ミリリットル使用したこと
以外は、ステップ1〜4の操作を順に行って、アルカリ
蓄電池B2(本発明電池)を作製した。α型水酸化ニッ
ケルのマンガンとニッケルの総量に基づくマンガン含有
率は15重量%であった。酸化処理後の粉末を粉末X線
回折により分析して、γ−NiOOH・XH2 Oが一部
生成していることを確認した。このγ−NiOOH・X
2 Oは、先の予備実験から、γ−NiOOH・0.8
2 Oと推定される。また、酸化処理後のニッケル原子
の平均価数は、2.2であった。
【0029】(アルカリ蓄電池B3の作製)ステップ1
において硫酸マンガン及び硫酸ニッケルの使用量を、そ
れぞれ219.4g及び239.3gに変更し、ステッ
プ2において20重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を
50ミリリットルに代えて31ミリリットル使用したこ
と以外は、ステップ1〜4の操作を順に行って、アルカ
リ蓄電池B3(本発明電池)を作製した。α型水酸化ニ
ッケルのマンガンとニッケルの総量に基づくマンガン含
有率は50重量%であった。酸化処理後の粉末を粉末X
線回折により分析して、γ−NiOOH・XH2 Oが一
部生成していることを確認した。このγ−NiOOH・
XH2 Oは、先の予備実験から、γ−NiOOH・0.
8H2 Oと推定される。また、酸化処理後のニッケル原
子の平均価数は、2.2であった。
【0030】(アルカリ蓄電池B4の作製)ステップ1
において硫酸マンガン及び硫酸ニッケルの使用量を、そ
れぞれ241.4g及び215.3gに変更し、ステッ
プ2において20重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を
50ミリリットルに代えて29ミリリットル使用したこ
と以外は、ステップ1〜4の操作を順に行って、アルカ
リ蓄電池B4(比較電池)を作製した。α型水酸化ニッ
ケルのマンガンとニッケルの総量に基づくマンガン含有
率は55重量%であった。酸化処理後の粉末を粉末X線
回折により分析して、γ−NiOOH・XH2 Oが生成
していることを確認した。このγ−NiOOH・XH2
Oは、先の予備実験から、γ−NiOOH・0.8H2
Oと推定される。また、酸化処理後のニッケル原子の平
均価数は、2.2であった。
【0031】〈各電池の1サイクル目及び50サイクル
目の活物質利用率〉各電池について、実験1で行ったも
のと同じ条件の充放電を50サイクル行い、各電池に使
用した非焼結式ニッケル正極の1サイクル目及び50サ
イクル目の活物質利用率を調べた。結果を表2に示す。
表2には、アルカリ蓄電池Aの1サイクル目及び50サ
イクル目の活物質利用率も示してあり、表2に示す活物
質利用率は、アルカリ蓄電池Aの1サイクル目の活物質
利用率を100として示した指数である。
【0032】
【表2】
【0033】表2に示すように、本発明電池A、B2及
びB3は、比較電池B1及びB4に比べて、1サイクル
目及び50サイクル目の活物質利用率が高い。比較電池
B1及びB4の1サイクル目及び50サイクル目の活物
質利用率が低いのは、正極の酸素過電圧が小さいことに
起因して、充電受入れ性が良くなかったからである。
【0034】(実験3)酸化処理後のα型水酸化ニッケ
ルの含水量と活物質利用率の関係を調べた。
【0035】(アルカリ蓄電池C1の作製)ステップ2
において、10モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液
500ミリリットルと20重量%次亜塩素酸ナトリウム
水溶液50ミリリットルとの混液に代えて、0.1モル
/リットル水酸化ナトリウム水溶液500ミリリットル
と20重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液50ミリリッ
トルとの混液を使用したこと以外は、ステップ2〜4の
操作を順に行って、アルカリ蓄電池C2(本発明電池)
を作製した。酸化処理後の粉末を粉末X線回折により分
析して、γ−NiOOH・XH2 Oが一部生成している
ことを確認した。このγ−NiOOH・XH2Oは、先
の予備実験から、γ−NiOOH・0.2H2 Oと推定
される。また、酸化処理後のニッケル原子の平均価数
は、2.2であった。
【0036】(アルカリ蓄電池C2の作製)ステップ2
において、10モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液
500ミリリットルと20重量%次亜塩素酸ナトリウム
水溶液50ミリリットルとの混液に代えて、1モル/リ
ットル水酸化ナトリウム水溶液500ミリリットルと2
0重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液25ミリリットル
との混液を使用したこと以外は、ステップ2〜4の操作
を順に行って、アルカリ蓄電池C2(本発明電池)を作
製した。酸化処理後の粉末を粉末X線回折により分析し
て、γ−NiOOH・XH2 Oが一部生成していること
を確認した。このγ−NiOOH・XH2 Oは、先の予
備実験から、γ−NiOOH・0.3H2 Oと推定され
る。また、酸化処理後のニッケル原子の平均価数は、
2.1であった。
【0037】(アルカリ蓄電池C3の作製)ステップ2
において、10モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液
500ミリリットルと20重量%次亜塩素酸ナトリウム
水溶液50ミリリットルとの混液に代えて、10モル/
リットル水酸化ナトリウム水溶液500ミリリットルと
20重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液75ミリリット
ルとの混液を使用したこと以外は、ステップ2〜4の操
作を順に行って、アルカリ蓄電池C3(本発明電池)を
作製した。酸化処理後の粉末を粉末X線回折により分析
して、γ−NiOOH・XH2 Oが一部生成しているこ
とを確認した。このγ−NiOOH・XH2 Oは、先の
予備実験から、γ−NiOOH・0.8H2 Oと推定さ
れる。また、酸化処理後のニッケル原子の平均価数は、
2.3であった。
【0038】(アルカリ蓄電池C4の作製)ステップ2
において、10モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液
500ミリリットルと20重量%次亜塩素酸ナトリウム
水溶液50ミリリットルとの混液に代えて、10モル/
リットル水酸化ナトリウム水溶液500ミリリットルと
20重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液100ミリリッ
トルとの混液を使用したこと以外は、ステップ2〜4の
操作を順に行って、アルカリ蓄電池C4(比較電池)を
作製した。酸化処理後の粉末を粉末X線回折により分析
して、γ−NiOOH・XH2 Oが一部生成しているこ
とを確認した。このγ−NiOOH・XH2 Oは、先の
予備実験から、γ−NiOOH・0.8H2 Oと推定さ
れる。また、酸化処理後のニッケル原子の平均価数は、
2.4であった。
【0039】〈各電池の1サイクル目及び50サイクル
目の放電容量及び活物質利用率〉各電池について、実験
1で行ったものと同じ条件の充放電を50サイクル行
い、各電池に使用した非焼結式ニッケル正極の1サイク
ル目及び50サイクル目の放電容量(mAh)並びに1
サイクル目及び50サイクル目の活物質利用率を調べ
た。結果を表3に示す。表3に示す放電容量及び活物質
利用率は、それぞれアルカリ蓄電池C2の1サイクル目
の放電容量及び活物質利用率を100として示した指数
である。
【0040】
【表3】
【0041】表3に示すように、本発明電池C2及びC
3は、1サイクル目及び50サイクル目の活物質利用率
がいずれも高い。比較電池C1の50サイクル目の活物
質利用率が低いのは、セパレータに電解液不足が生じ、
電池の内部抵抗が上昇したためである。比較電池C4の
1サイクル目及び50サイクル目の活物質利用率が低い
のは、本来は正極の容量により規制されるべき電池の容
量が負極の容量により規制されるようになったからであ
る。
【0042】
【発明の効果】充放電サイクルの長期にわたって正極の
活物質利用率が高いアルカリ蓄電池が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東山 信幸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 木本 衛 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 伊藤 靖彦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA02 AA04 BA07 BB02 BB04 BD00 BD04 5H016 AA02 BB11 EE01 EE05 HH00 HH01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固溶元素として、マンガンを、ニッケルと
    マンガンの総量に基づいて、15〜50重量%含有する
    α型水酸化ニッケルを活物質とする非焼結式ニッケル正
    極と、負極と、アルカリ電解液とを備えるアルカリ蓄電
    池であって、前記α型水酸化ニッケルの一部が、全体の
    ニッケル原子の平均価数が2.1〜2.3となるよう
    に、電池系外において予め酸化処理されて、γ−NiO
    OH・XH2 O(0.3≦X≦0.8)に置き換えられ
    ていることを特徴とする密閉型アルカリ蓄電池。
  2. 【請求項2】前記負極が、水素吸蔵合金電極、カドミウ
    ム電極又は亜鉛電極である請求項1記載の密閉型アルカ
    リ蓄電池。
  3. 【請求項3】固溶元素として、マンガンを、ニッケルと
    マンガンの総量に基づいて、15〜50重量%含有する
    α型水酸化ニッケルを活物質とする密閉型アルカリ蓄電
    池用の非焼結式ニッケル正極であって、前記α型水酸化
    ニッケルの一部が、全体のニッケル原子の平均価数が
    2.1〜2.3となるように、電池系外において予め酸
    化処理されて、γ−NiOOH・XH2 O(0.3≦X
    ≦0.8)に置き換えられていることを特徴とする密閉
    型アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル正極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010033909A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Gs Yuasa Corporation アルカリ蓄電池及びアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法

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