JP2001082963A - 運動センサ振動体および振動ジャイロスコープ - Google Patents

運動センサ振動体および振動ジャイロスコープ

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JP2001082963A JP29719199A JP29719199A JP2001082963A JP 2001082963 A JP2001082963 A JP 2001082963A JP 29719199 A JP29719199 A JP 29719199A JP 29719199 A JP29719199 A JP 29719199A JP 2001082963 A JP2001082963 A JP 2001082963A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型・薄型でQ値が高く加工・調整が容易で
あり、コリオリ力の検出感度が高く、面内回転の検出、
あるいは多方向の直線加速度センサを提供すること、ま
た新しい原理による測定法を採用したジャイロセンサを
提供すること。 【解決手段】 一つの平面内で折れ線や半渦巻き状等の
大きく屈曲した形状を与えて各部の表面に励振用・検出
用電極を設けしかも振動の慣性力が全体として相殺され
た質量分布を有する振動脚を複数備え、更には脚の各部
を同種の結晶軸と所定の方向をなさしめ、あるいは脚の
4面に検出電極を設けた構造としてセンサ用振動体の高
度な特性を得た。また3〜6個の振動脚を放射状に配し
て直線加速度の多軸検出を可能とした。またコリオリ力
による振動脚の変形を利用し振動周期の変化を計測し角
速度を検知するセンサを構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は振動体に作用するコ
リオリ力を利用して角速度を検出するジャイロスコープ
用の運動センサ振動体の構造、振動体に作用する直線加
速度を検出する加速度計用の運動センサ振動体の構造、
またジャイロスコープ用の運動センサ振動体と検出回路
を組合わせた振動ジャイロスコープの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来種々の振動モードを有する各種の振
動体が振動ジャイロスコープ用の運動センサ振動体(以
下ジャイロセンサ振動体、あるいは単に振動体と略称す
る)として提案されている。図6は第1の従来例である
音叉型のジャイロセンサ振動体の一例を示す。(a)は
平面図、(b)、(c)は振動脚の電極部分の断面図で
あって電極配置と接続を示している。音叉型振動体は真
直な2本の同形の片持ち棒である振動脚1R、1Lを平
行に並べて各一端を基部9に連結した形状で、その対称
軸SA(立体的には対称面と言うべきだが音叉を平面的
とみなして軸としておく)に対称な基本振動(コリオリ
力を惹起させるための定常的な振動)を行わせる。材質
は水晶材とし、全体は図示しない真空容器内に封入され
る。(以下基本的に本発明を含む他の例も同様であると
する。)
【0003】UR、ULは振動中の各脚の自由端4R、
4L付近に必要に応じて設けた付加質量5R、5L(例
えば厚メッキした金や接着した錘物体等。省略されるこ
ともあるがその場合は脚自身の先端付近の質量とする)
の重心GR、GLのある瞬間の最大速度ベクトルであ
る。音叉がその対称軸SAと平行な回転軸の回りに回転
を行うとき、その角速度Ωに比例したコリオリ力FR、
FLが各振動脚に音叉平面(紙面)に垂直な方向に互い
に逆向きに発生する(コリオリ力は速度ベクトルと角速
度ベクトルに垂直である)。励振、検出は圧電的に行わ
れる。
【0004】図6(c)6Rは基本振動を持続させる交
流電圧を与えるための膜状の励振電極で脚のバネ部3R
の4側面に設けられ、導電膜より成るリードパターン1
0(平面図には図示せず)で結線され基部9上の励振端
子8Vに導かれる。また(b)7Lは膜状の検出電極で
脚のバネ部3Lの表裏面に設けられ、コリオリ力に基づ
くバネ部の歪みを検出し、基部9上の検出端子8Dに導
かれる。励振電極と検出電極は本来各振動脚毎に設けた
いが、圧電効果の高い位置はいずれも振動脚の固定端2
R、2Lに近い部位であって重なってしまうため各脚に
振り分けている。なお検出電極7Lはバネ部3Lの両側
面に設けられる場合もあるし、共通の脚の上の異なる場
所に励振電極と検出電極を設ける例もある。
【0005】図7は第2の従来例であるジャイロセンサ
振動体を示し、(a)は平面図、(b)は振動脚の断面
図である。この振動体は音叉を変形したL字形状の振動
脚を持ち、やはり線対称な平面形状と振動モードを持
つ。各部の記号は第1従来例と共通する。振動脚1R、
1Lは音叉同様に固定端2R、2Lが基部9と連結す
る。平行に並べられた2本の長い真直棒状であるバネ部
3R、3L、それらの自由端4R、4Lには外向きの張
り出し部分を有し、この場所にバネ軸線から偏心した付
加質量5R、5Lを有する。付加質量の目的は、コリオ
リ力を検出するためと、固有振動数を適当な低周波に調
節するためである。振動体は励振電極6R、6Lによっ
て励振され、振動体平面に平行な回転運動(面内回転)
の角速度を検出するに適する。
【0006】基部9と共に振動体全体がその面に垂直な
回転軸の回りに角速度Ωで回転すると、付加質量5R、
5Lの重心の速度UR、ULに応じて平面内でコリオリ
力FR,FLが逆向きに発生する。両コリオリ力によっ
て振動脚のバネ部3R,3L内に生ずるモーメントはそ
の一方は励振による撓みを増すように、他方は減ずるよ
うに作用し、それらの圧電効果による検出電圧は励振電
極6R、6Lの励振電圧に重畳される。故に各脚の励振
端子、2つの8Vを差動増幅器(図示せず)の入力と
し、励振電圧は相殺してコリオリ力の検出電圧を加算さ
せ、また同期検波を行って励振電圧とコリオリ力の検出
電圧を分離し、角速度が測定できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】第1従来例の音叉は、
励振される基本振動については優れた特性を示す。また
各振動脚の固有振動数を等しく加工調整する必要がある
が、振動脚は2個しかないので作業は容易である長所が
ある。しかし音叉面内の回転を検出することができな
い。従って水平面内の運動検出のためには音叉を立てて
配置せねばならず、多くの用途において薄型のジャイロ
センサを得る支障となりやすい。また励振電極と検出電
極の高効率な位置は既述のように重なるので、2種の電
極を同じ振動脚上に分離配置することが困難である。ま
た振動脚の面外振動を検出する検出電極7Lの(b)図
の構造は振動脚の4面を利用する構成に比して高い感度
が得られない。
【0008】第2従来例の振動体は、その面内の回転を
検出できる長所がある。しかし励振される基本振動は慣
性力のバランスが取れていない。振動脚の先端部分はバ
ネ部3R、3Lのバネ軸線上の途中にできる回転中心C
R、CL(付加質量を無視すると固定端から自由端まで
の長さの約27%の位置、またバネ部の質量を無視する
と固定端から全長の1/3の位置と計算される。即ち一
般的には約30%付近の位置)を中心として回転運動を
行う。従って偏心した重心GR、GLの位置での付加質
量5R、5Lの慣性力は対称軸SA方向の成分が打ち消
されずに残り、基部9を揺すり、振動漏れを起こし、振
動体のQ値が低下する。コリオリ力の検出感度を上げよ
うとして付加質量の偏心量を大きくする(モーメントの
腕長を長くする)ほどこの欠点は甚だしくなり、十分な
振幅も得られないことになる。
【0009】なお複数の振動脚が一平面内でほぼ対称に
開閉屈曲振動している振動体の振動慣性力のバランス条
件を一般的に表現しておく。各脚の振動質量の重心(付
加質量が大ならば付加質量の重心に近い場所に来る)の
振動軌跡(上述のように回転運動であるから短い円弧を
なす)に共通接線が引けること(これにより各脚の慣性
力は同一作用線に乗り、向きは反対となる)であり、ま
た換言すれば重心位置が対称軸に沿って同じ高さにあり
かつ重心の動径が対称軸に平行となることである。この
条件があれば、振動脚の形状自体は非対称的でも差し支
えない。
【0010】また励振のモーメントとコリオリ力FR、
FLが各バネ部に作るモーメントは同じ方向なので、両
者による圧電効果は重なり、既述のように励振用と検出
用の電極の分離が困難である。回路的な信号の分離は原
理的には可能だが、コリオリ力の検出電圧は小さいの
で、相殺されずに残った励振信号や基本振動の圧電効果
で発生する電圧が大きなノイズとなって検出精度に悪影
響を与える可能性が高い。また動径rR、rL方向を向
くコリオリ力FR、FLがバネ部3R、3Lの断面に作
るモーメントを考えると、回転中心CR、CL付近では
モーメントの腕長がゼロとなり、またその前後で腕長の
符号が反転さえする。従ってコリオリ力は圧電効果の元
になる有効なバネ部の歪みを電極の領域内の一部(腕長
の大きい自由端に比較的近い部分)でしか発生できず、
この構成のままでは本来的に低い感度しか得られないと
考えられる。
【0011】また振動体の材質の問題がある。従来、各
種の振動体の材料は圧電性の単結晶または成形後適宜分
極処理された磁器である。金属の恒弾性材料を用いる場
合は圧電素子を表面に接着する。これらは圧電性が強い
ので真空封入を必要とはしないが、製品精度が不安定で
ある。製品の特性を安定させ検出精度を向上させるには
単結晶材料の使用が好ましい。特に人工水晶材は(腕時
計用音叉振動子への応用が成功しているように)Q値や
基本振動の温度特性に優れ廉価で、エッチングによる加
工も可能であり極めで望ましいが、水晶材は圧電性が比
較的弱く、また良好な特性が得られるカット角度(結晶
軸に対する)に制限があると考えられており、まだ特殊
なセンサ振動体にしか適用されていない。水晶以外の単
結晶材料は十分使いこなされてはおらず、また高価であ
る。
【0012】更に運動検出における他の問題を取り上げ
る。その1は加速度計用の運動センサ振動体である。従
来例に挙げた音叉を励振なしで用いるとき、右脚1Rの
電極6Rからは音叉面内で振動脚軸に垂直な方向の加速
度に比例する電圧が検出でき(この方向の慣性力が基本
振動と同じ歪みを生ずるため)、左脚1Lの電極7Lか
らは音叉面に垂直な(コリオリ力と同方向の)加速度に
比例する電圧が検出できる。しかし振動体の平面内で2
軸(直交2方向)の加速度検出の可能な単純な構成の振
動体はまだ提案されていない。なお加速度計では励振を
しないで用いるが、加速度を感じる要部が自由振動可能
な形状である場合は振動体と称する。
【0013】他の問題のその2は振動ジャイロスコープ
の検出原理に関する。従来はコリオリ力による振動歪み
に比例した電圧を圧電気現象を用いてアナログ的に検出
しており、角速度を例えばデジタル的に検出する如き多
様な試みはなされなかった。これは一般的に言って測定
技術の発展上好ましいことではないと考えられる。
【0014】本発明の主たる目的は、小型・薄型化、製
造容易、高度な振動体品質、振動体面内回転が検出可
能、高感度検出が可能であり、更には圧電性単結晶の利
用にも適した振動ジャイロスコープ用運動センサ振動体
を提供することである。また他の目的は任意の方向の加
速度が検出可能な加速度計用運動センサ振動体を提供す
ることである。また更に他の目的は新規な検出原理によ
る振動ジャイロスコープを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記主たる目的の達成の
ため本発明の振動ジャイロスコープ用の運動センサ振動
体は次の特徴を備える。 (1)実質的に一つの平面内に複数の片持ち振動脚を有
し、該各振動脚の少なくとも1つは固定端から自由端へ
と辿るとき90°を越えて互に向きが異なる部分を有
し、かつ当該振動脚の振動質量の重心を180°以上の
角度で包囲するような屈曲した形状を備えると共に、前
記複数の振動脚が前記平面内で自由振動するときそれら
の振動質量の重心の振動軌跡がほぼ同一直線上にあるよ
うにして励振される振動の慣性力が全体としてほぼ相殺
されるように設定され、前記屈曲した形状の表面に少な
くとも励振用の電極を設けたこと。
【0016】本発明の運動センサ振動体は更に以下の特
徴の少なくとも一つを備えることがある。 (2)前記励振用の電極を前記振動脚の固定端に近い部
分の4側面に設け、またコリオリ力検出用の電極を前記
励振用の電極よりも前記自由端に近くかつ前記振動質量
の重心を包囲している部分の少なくとも一部に設けたこ
と。 (3)各振動脚の材質は単結晶材より成り、折れ線状に
屈曲しており、前記折れ線状の屈曲部の内の少なくとも
2つの方向は、前記単結晶材の有する複数の同種の結晶
軸のうちの少なくとも2つとほぼ等しい角度をなしてい
ること。
【0017】上記他の目的を達成するため本発明の加速
度計用の運動センサ振動体は次の特徴を備える。 (4)一つの平面内に等角度に配置され、固定端が連結
された3個以上の片持ち振動脚を備え、該片持ち振動脚
の主要なバネ部の方向は材料である圧電単結晶の同種の
結晶軸に対してほぼ等しい角度をなすようにし、前記バ
ネ部の歪みを検出する電極を該バネ部に設けたこと。
【0018】上記更に他の目的を達成するため本発明の
振動ジャイロスコープは次の特徴を備える。 (5)実質的に一つの平面内に振動部を有し、該振動部
は励振用およびコリオリ力の検出用の電極が表面に設け
られたジャイロセンサ用振動体を使用し、前記振動部の
振動質量はコリオリ力によって振動運動の動径が変化す
る構造を有していて、振動の方向転換ごとに方向が反転
するコリオリ力の効果によって振動の半周期が長短交互
に変化するようにし、引き続く振動の半周期の変化ある
いは該変化に相当する時間を計測することによって前記
コリオリ力を生じさせた回転角速度を検知すること。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態
である振動ジャイロスコープ用の運動センサ振動体を示
し、(a)は平面図、(b)および(c)は電極の配置
と接続をも示す振動脚の断面図、(d)は基本振動とコ
リオリ力による振動脚の撓み変形を示す線図である。本
例において、既述の第1・第2従来例と類似の機能を有
する部分には同じ記号を付し、説明の重複を避けた。ま
た振動体の材質は水晶材を用いることを前提としている
(以下他の実施の形態についても同様とする)。振動体
は水晶のZ板(またはこれをX軸回りに数度回転させた
Z’板)から打ち抜かれ、全体形状も基本振動姿態も各
脚の長手方向である対称軸SAに関して対称な面内振動
である。各脚の固有振動数は等しい。また対称軸SAの
方向は結晶軸の一つY軸(またはY’軸)に向いてい
る。これは主要なバネ部に圧電効果を発揮させ、同時に
振動数の安定化のため弾性率の温度変化を小さくできる
方向である。振動体は空気抵抗をなくすために真空容器
(図示せず)内に封入される。
【0020】振動脚1R、1Lは軸が大きく屈曲した形
状を呈し対称軸SAに関して対称に配置されている。各
脚のバネ部は屈曲部毎に区切られ、固定端2R、2Lか
ら自由端4R、4Lに向けて、31R、31L、33
R、33Lより成る。バネ部31R、31Lの周囲4面
には(b)のように励振電極6R、6Lを設け、バネ部
33R、33Lの周囲4面には(c)のように検出電極
7R、7Lを設ける。また振動脚の部分32R、32L
は短く撓み難いのでバネ性がなく、部分34R、34L
は断面(脚の巾)を太くし剛体的にしてバネ性を利用せ
ず(この部分はX軸方向であり屈曲歪みの圧電効果が出
せず弾性率の温度特性も悪いため)、また自由端に近い
部分35R、35Lは付加質量5R、5Lの固着部とな
っている。各振動脚の全振動質量の重心GGR、GGL
は回転中心CR、CLの真上にある。なお固定端2R、
2Lから自由端3R、3Lへ辿ると例えばバネ部32
R、32Lと部分35R、35Lは向きを180°転じ
(部分32R、32Lとは270°)た折り返し屈曲形
状をしている。また振動質量の重心GGR、GGLはそ
れぞれの振動脚の各部によって270°以上の角度で包
囲されている。
【0021】次に励振される基本振動の慣性力をバラン
スさせる構成について述べる。第1近似的には、バネ部
31R、31Lの中央位置を回転中心CR、CLとみな
し、各振動脚の回転中心CR、CLより上の部分の質量
分布より振動質量の重心GGR、GGLを求め、それが
回転中心CR、CLのそれぞれの真上(対称軸SAを垂
直にして)でかつ等しい高さとなるようにする。より正
確には各振動脚の形状と質量分布を細部に分けて設定
し、振動体に仮想の自由振動をさせて有限要素法を適用
し、計算された各細部の慣性力(大きさは振幅に比例)
の合計が対称軸SAに垂直・逆向きで大きさが等しく相
殺されるように、かつ各固定端2R、2Lに関する各細
部の慣性力のモーメントの総計が打消しあうように形状
と質量分布を決定するのが良い。質量分布の修正は実験
的にも行うことができる。
【0022】次に回転の検出機構を説明する。振動体が
その面内で回転するとき、コリオリ力FR、FLは第2
従来例の場合と同様に、各振動脚の付加質量5R、5L
の重心GR、GLに振動体面内で作用する。その作用線
は動径rR、rLであるが、検出電極を設けたバネ部3
3R、33Lの軸線は回転中心からずらしてあるため
(ずらし量は原理的には任意である)動径rR、rLと
の距離が大きく、バネ部33R、33Lにはその全長に
わたって十分大きなコリオリ力のモーメントを作用させ
ることができ、高感度の検出が行える。なおコリオリ力
は振動体面内にモーメントを作るため、基本振動の励振
と同様脚周囲の4面電極で感度のよい検出ができる。ま
た検出部位32R、32Lを励振部位31R、31Lと
異ならせたためそれぞれ専用の電極を設けることができ
た。
【0023】次に図1(d)の線図を参照して励振部位
と検出部位の最適性について吟味する。線図は簡略化の
ため対称な片側(右脚)のみ示してある。細線は静止状
態の原形、太線は励振あるいはコリオリの慣性力が作用
したときの撓み形状が誇張して描かれている。励振電極
を設けるバネ部31R、31Lは全振動質量の重心から
最も遠い位置にあるので基本振動の慣性力のモーメント
による圧電効果が最も高く、励振電極を設ける部位とし
て最適である。
【0024】また検出を行うバネ部33R、33Lの部
位では既述のように4面電極が可能で、またコリオリ力
のモーメントが大きく作用するので検出に適するが、更
に別の理由もある。付加質量5R、5L(各振動脚の部
分34R、34L、35R、35L自体の質量も加算し
て考えておく)の重心GR、GLの高さを適宜に設定す
ると、(d)の左図のように付加質量の慣性力の作用線
(重心GRの基本振動の速度ベクトルURとほぼ一致す
ると考えられる)はバネ部33Rの(電極部の)長さの
中央を切る。故に付加質量5Rの慣性力がバネ部33R
内に作るモーメントはバネ部の上半分と下半分とで正反
対となり(線図の撓みが逆)、圧電効果は相殺され検出
電極7Rには基本振動の影響は表れず、ノイズのない
(あるいは極めて小さい)純粋な検出出力が得られるこ
とになる。これは弱いコリオリ力を高精度で検出するた
めの本振動体の優れた特性の一つであり、残留ノイズを
回路的に分離するにしても従来例より格段に有利とな
る。
【0025】次に第1の実施の形態の振動体の細部の説
明をしておく。主に電極の結線パターンに関する。10
は振動体表面に設けた膜状の接続パターンであり、電極
膜同志、また電極膜と接続パッド29、92群を接続す
る。振動体の裏面と表面の接続はスルーホール28、9
3を利用する。基部9上の接続パッド92群は必要なら
更に相互接続(図示しない外部回路側で接続してもよ
い)されて適宜に駆動端子8V、検出端子8Dとなる。
また検出電極7R、7Lからの端子を振動脚表面経由で
引出すと励振電極6R、6Lの面積が削られる。これは
励振の効率を落とす他、接近した検出電極の引出線に励
振信号をノイズとして誘導させかねない。そこで本実施
の形態では振動脚の屈曲部に設けた接続パッド29と、
補助基部91側に設けた接続パッド92とをワイヤボン
ディングで接続している。30はボンディングワイヤで
ある。接続パッド29のある部位の基本振動の振幅は比
較的小さいのでこの構造でも障害になり難い。但しこれ
は必須構造ではない。
【0026】図2は本発明のジャイロセンサ用振動体の
第2の実施の形態を示し、(a)は平面図、(b)、
(c)は振動脚の断面図、(d)は振動脚の撓み変形を
示す線図である。本実施の形態の形状や作用は既述の第
1の実施の形態の振動体と共通点が多い。即ち折返して
屈曲し振動質量の重心を包囲した概形、対称な形状、各
脚の固有振動数が等しい、水晶Z板(またはZ’板)で
あること、基本振動の慣性力はバランスしている、励振
電極と検出電極の分離、検出電極部位でコリオリ力のモ
ーメントが大きいこと、平面内回転の検出、検出電極に
おける基本振動の不感性、真空封入、接続方法(一部図
示を省略した)等である。
【0027】本実施の形態の特徴は振動脚1R、1Lの
各部の軸線の方向が略60°の倍数をなしていることで
ある。水晶はZ軸回りに3回回転対称性があり、全く同
性質のX軸、Y軸が120°毎にある。そこで振動脚の
各部を3本のY1、Y2、Y3軸のいずれかと略平行と
した。従って振動脚のどの部分でも屈曲撓みを圧電的に
検出でき、かつ屈曲の弾性の温度変化が比較的少ないカ
ット方位を持つバネ部として全長を無駄なく利用でき
る。(既述の如く第1の実施の形態では振動脚の部分3
4R、34Lは故意に剛性を高めてバネ部としての使用
を回避したが。)本例ではバネ部31R、31Lを励振
用に、32R、32L、33R、33L、34R、34
Lを検出用に用いている。(バネ部32R、32Lは励
振用に振り替えてもよい。)各部の電極は検出すべきコ
リオリ力のモーメントの方向と当該部分のY軸の向きを
考慮して各部の検出電圧が直列加算されるように接続パ
ターン10で接続する。本例の形状構造によって検出感
度が一段と高められる。
【0028】本実施の形態においては検出電極から検出
端子へのリードパターン10は第1の実施の形態とは異
なり、ワイヤボンディングを経由せず励振電極6R、6
Lの上面電極を分割して生じた隙間を通している。隙間
の位置はバネ部31R、31Lの巾の中心部(撓みの中
立面の側面)であり、この部分は基本振動による歪みが
ほとんどなく、両側は同じ極性の励振電極に挟まれて等
電位であり、励振作用からのノイズを拾う恐れが少な
い。もう一つ同じ効果の得られる引出し方は、励振電極
6R、6Lの下面電極の巾中央にも隙間を設け、検出電
極7R、7L用の2本のリードパターン10を一本づつ
上下の隙間に通す構造である。
【0029】図3は本発明のジャイロセンサ振動体のそ
の他の実施の形態を示し、いずれも水晶Z板から形成さ
れ3方向のY軸を活用した形態で、(a)、(b)、
(c)、(d)はそれらの各例の平面図である。(a)
は図2の振動体に似るがその振動脚途中の長手方向のバ
ネ部をほとんどなくして振動体の全長を短くした例で、
検出電極は22R、22L 23R、23Lに設けるこ
とができる。(b)は同じ向きに屈曲する2本の振動脚
を左右方向に重ね配置し、固定端2R、2Lを接近させ
て各振動脚間の振動歪みの伝達性の向上を図った形状で
ある。(c)は基部9を囲んで振動脚1R、1Lを配置
し、大型の脚を用いて低周波、電極面積大を狙いながら
コンパクトな形状とした。(d)は(a)より更にバネ
部要素を減らし簡素化・小型化を狙った。いずれも振動
脚重心GGR、GGLを深く包囲し大きく屈曲した脚形
状を持ち((b)例の包囲角度はやや小さい方だがそれ
でも180°を越えている)、また基本振動の慣性力の
バランスのため、振動脚重心の動径GrR、GrLを平
行に配置しかつ重心GGR、GGLの動径方向の高さを
等しくしてある。
【0030】これら本発明のジャイロセンサ振動体は振
動質量の重心を囲む形状を与えるので、振動脚はいわば
頭でっかちであり、特に面外方向から衝撃を受けた場
合、単純な音叉に比べれば固定端付近で脚が折れ易いの
は止むを得ない。この傾向を防止し破損し難いジャイロ
スコープを得るための振動体容器の工夫について述べ
る。以下図示しないが、容器内側に設けた台座には振動
体の基部9が固着される。また容器内には振動体面に平
行に適宜な間隔をおいて柔軟なシリコンゴムを塗布した
板等を振動体を挟んで設置する。この構造により振動体
は通常時はゴム面に触れず、衝撃時には過大に変形しな
い範囲でゴム板が振動体を緩衝的に受け止め、折損を防
止する。これは後述の加速度計用振動体についても同じ
である。
【0031】図4は本発明の振動ジャイロスコープの実
施の形態の一例を示し、(a)は振動体の平面図、
(b)は励振および検出回路のブロック図、(c)は回
路の一部の変形部分のブロック図、(d)は角速度の検
出原理を説明する波形図である。(a)の振動体は概ね
「コ」字型の振動脚1R、1Lを水晶Z(Z’)板面上
に対称配置し基部9と共に一体化されている。板内の方
位はほぼ図示の通りであり、板面の回転を検出する。各
振動脚のバネ部は31R、31L、33R、33L(Y
1軸に平行)、32R(Y2軸に平行)、32L(Y3
軸に平行)であり、圧電特性と温度特性のよい方向であ
る。バネ部31R、31Lは基本振動の最も主要なバネ
部であって励振電極6R、6Lが設けられ、また回転中
心CR、CLはその中央付近に生じる。付加質量5R、
5Lを含めた振動脚全体の重心GGR、GGLは各回転
中心の真上かつ同じ高さにあり、基本振動の慣性力はバ
ランスしている。
【0032】バネ部32R、32Lや33R、33Lに
は第1、第2の実施の形態のように検出電極を設けてコ
リオリ力を検出する使い方もできるが、本例では異なる
検出原理を適用するのでこの部分には検出電極を設けな
い。(この部分を励振電極で覆って基本振動の振幅を稼
ぐようにしてもよい。)本例における検出原理は、面内
回転によるコリオリ力FR、FLが動径方向に働き、脚
の屈曲形状のためコリオリ力の向きによって振動質量の
動径GrR、GrLが伸縮変化する(「コ」字が僅かに
撓み、開閉しながら振動する)ことを利用する。一般に
同じ質量〜バネ系で振動質量の動径が増せば固有振動周
期が長くなり、動径が減少すれば振動周期が短くなる。
また発振回路11R、11L((b)に図示)は振動体
に自由に振動を行わせる。コリオリ力は振動の半周期毎
に方向を反転するので、各振動脚は振幅の端から端ま
で、長い半周期と短い半周期を交互に繰り返しながら振
動していることになる。またコリオリ力FR、FLは逆
方向なので、片側の脚の振動の半周期が伸びていると
き、他方の脚の半周期は短くなっている。
【0033】図4(d)において、縦軸は励振電極から
検出される振動電圧(上は1R側,下は1L側)、横軸
は時間である。振動半周期の時間差は誇張してある。発
振回路の出力波形は脚の振動変位と通常数十度の位相差
があるので、これを略90゜とみなせば電圧の半周期は
振動質量速度の半周期(重心の速度が同じ向きである期
間)即ち重心の振動変位の端から端までの半周期とほぼ
一致することになる。各脚の電圧波形のゼロ点をTR
1、TR2、……、TL1、TL2、……とする。既述
の理論により(1)TR1〜TR2、(2)TR2〜T
R3、あるいは(3)TL1〜TL2等の時間間隔をそ
れぞれ測定して(1)と(2)、あるいは(1)と
(3)等との時間差を出せばそれはコリオリ力の関数と
なる。本実施の形態ではTR1とTL1、TL2とTR
2、TR3とTL3……等の差時間を速いクロックパル
スCを用いて直接数える。
【0034】図4(b)の測定回路図において、各脚の
励振電極は各脚と相互作用をしている発振回路11R、
11Lに供給され、その出力波形は必要があれば波形整
形回路12R、12Lによって安定な検出ができるよ
う、振幅や波形や位相が修正される。更にレベル検出回
路13R、13Lによって波形のゼロ点TR1、TL
1、TL2、TR2、……等の時点でのパルス信号が出
力され、それらの間隔を時間差測定回路14によって測
定する。即ち安定な高周波クロック源15の出す信号C
をカウントする。補正回路16は測定結果の非線形性な
どを補正する。測定結果は表示装置17で表示される。
【0035】(c)は本実施の形態を一部変更した変形
例の回路ブロック図である。この場合は振動体側にもバ
ネ部32R、32L、33R、33L等に検出電極を設
ける(図示せず)。各振動脚の検出電極出力はコリオリ
力による電圧も僅か含まれるが、大部分は振動変位に比
例する電圧である。これはそのまま増幅器18R、18
Lにて増幅され、レベル検出回路13R、13Lに印加
され、以下は本実施の形態の原形(b)と同様となる。
ただしレベル検出回路13R、13Lは電圧波形のゼロ
点ではなくピーク又は底の時点を検出するように構成す
る。
【0036】図5は本発明の更に他の実施の形態である
直線加速度センサ用の振動体を示し、(a)、(b)は
それらの平面図である。いずれも水晶Z板から形成さ
れ、バネ部がY1、Y2、Y3軸と平行な3個または6
個の振動脚を有する。本センサ体は振動体と称してはい
るが、直線加速度のみを計測する場合には励振させる必
要はない。しかしセンサの要部は音叉の脚のような質量
と曲げ弾性を有する片持ち部材(質量−バネ系)であっ
て励振電極がなくても刺激による自由振動は可能な形状
であるし、目的によっては振動させてジャイロスコープ
用センサ等と兼用する場合もあり得るので敢えて振動体
と呼ぶことにする。また励振しない場合は振動体を真空
中でなく単に気密容器に封止してもよい。
【0037】(a)の加速度センサ振動体は3本脚より
成る。基部9が振動体面に平行な直線加速度運動をし、
各振動脚1A、1B、1Cにその慣性力が作用して振動
体面内で撓むとき、その歪みを図1(c)7Rまたは7
Lの如き4面の検出電極(図示せず)を設けて検出す
る。各脚と検出電極の構造が全く同じならば各脚の撓み
即ち検出電圧の正負と比率は脚の軸と加速度の向きとの
なす角度の正弦に比例するので、3個の検出電圧から加
速度の大きさと面内の方向・向きが演算できる。
【0038】なお参考迄に、この振動体は他の使い方も
できる。各振動脚を励振し各重心の振動軌跡(矢印で図
示)が中心の1点に向くように設計すると慣性力のバラ
ンスが略取れる。そして振動体面に平行な軸の回りの回
転に対して面に垂直な方向にコリオリ力が生じる。故に
各脚を励振すると共に図6(b)7Lのような構造の検
出電極を設けておくと3個の検出電圧から角速度ベクト
ルの大きさ・方向が演算できるので、平面内2軸のジャ
イロスコープ用センサともなり得る。
【0039】(b)の加速度センサ振動体は6本脚で、
脚1A、1DはY1軸に、脚1B、1EはY3軸に、脚
1C、1FはY2軸に平行である。検出端子8D群は外
側に配置した基部9上に設けて外部回路との接続を容易
化した。上記同方向の2脚を組にした3組の脚を用いて
(a)の3脚振動体に準じて2軸の加速度センサを構成
することもできるが、本例では脚1A、1B、1Cを用
いて振動体面内の加速度を検出し、脚1D、1E、1F
を用いて面外(面に垂直)加速度を検出する構成とする
ことができる。脚1A、1B、1Cには図1(c)7L
の構造の、脚1D、1E、1Fには図6(b)7Lのよ
うな構造の検出電極を設けておけばよい。垂直方向の加
速度は脚3本分の検出電圧を加算できるので、この方向
の検出感度の低さを補うことができる。
【0040】再び参考迄にこの(b)の振動体はジャイ
ロセンサとしても利用できる。バランスの取れる基本振
動のモードは2つある。その1は各脚が1つおきに逆方
向に振動体面外へ振動するモードで、これは面外撓みの
検出と同構造の電極を各脚に設けて励振する。検出でき
る回転の軸は振動体面に平行で、そのコリオリ力による
各脚の撓みも面内である。その2は隣接する脚の間隔が
振動体面内で変化するモードで、ある瞬間の脚間隔は矢
印のように1つおきに大、小、大、小、大、小となる。
そして振動体面に平行な回転軸によるコリオリ力を各脚
の面外振動として検出する。面内回転を検出することも
不可能ではなく、そのためには(c)のように各脚の同
じ側に偏心質量を設け(偏心量は大でもバランスする。
偏心腕も各Y軸に平行とする)、第2従来例と同様にコ
リオリ力による面内撓みを誘発させて検出する。
【0041】以上本発明の種々の実施の形態について述
べたが、本発明の適用例は既述のものに限定されない。
例えば振動体の材質は水晶に限らず、他の圧電性単結晶
でもよい(カット角や結晶の対称性に応じてバネ部の屈
折角度を決める)。また圧電性磁器を用いたり、金属に
圧電素子を貼ったものでも許される場合があり得る。こ
れらの場合も振動体上の電極膜の位置は既述の場合に準
ずる。振動脚の形状(例えば磁器や金属製振動体でなだ
らかな折り返しや渦巻き形状とする、また脚の自由端を
外向きにする、形状の異なる脚を一対とする等)、振動
脚数を任意の数設ける、付加質量の位置や形状(場合に
よっては錘部材はなしとする)、基部の形状、励振電極
や検出電極の位置、それらの接続パターンや端子の配置
等々は図示形態例以外にも種々あり得る。振動ジャイロ
スコープにおける振動体や検出回路構成についても同様
である。
【0042】
【発明の効果】本発明の運動センサ振動体は請求項1〜
2の構成により次の効果が得られる。 (1)小型・薄型化が可能(主要部が一平面内にあるこ
とによる)。 (2)製造容易(平面的形状であること、調整を要する
する振動脚が最低2本でよいことによる)。 (3)高振動体品質(基本振動の慣性力が全体でバラン
スしているため)。 (4)面内回転検出可能(全体構成による。薄型化にも
関連する)。 (5)検出の高感度化が可能(励振・検出にそれぞれ適
した部位を設け、それぞれの電極を設けることができる
こと、検出電極の有効長の増大や脚の4面利用が可能な
こと、屈曲形状によりコリオリ力検出用の質量と検出部
位でのモーメントの増大が図れること、検出部位での励
振振動によるノイズ的圧電効果を減少させ得る場合もあ
ること、による)。
【0043】また請求項3の構成を追加し、振動脚が屈
曲した形状であるにも拘らず、脚の各部に同じ圧電的、
は弾性的性質を与えることができ、次の諸効果が得られ
る。 (6)脚の各部を検出(および励振)のために圧電的に
有効に利用できる。 (7)脚の弾性的性質(例えば弾性率の温度特性)を比
較的に良好に保てる。 (8)従ってセンサ用振動体の材料として圧電性単結晶
を効果的に用いて、高精度の検出を可能とする。 (9)殊に圧電効果が弱いが弾性的性質の優れている水
晶材を用い得る。
【0044】請求項4の構成により、次の効果がある。 (10)薄型・小型かつ加工容易な形状でありながら平
面内の異なる方向の直線加速度が検出可能な加速度セン
サが得られる。 (11)水晶等の圧電性単結晶材料を用いて高精度の加
速度検出が可能となる。
【0045】請求項5の構成により、次の効果がある。 (12)検出出力のデジタル化も容易な、新規な検出原
理による振動ジャイロスコープを提供することができ
た。 (13)検出電極を不要として振動体の構成を簡素化で
きる場合もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動ジャイロスコープ用の運動センサ
振動体の第1の実施の形態を示し、(a)は平面図、
(b)および(c)は電極の配置と接続をも示す振動脚
の断面図、(d)は基本振動とコリオリ力による振動脚
の撓み変形を示す線図である。
【図2】本発明の振動ジャイロスコープ用の運動センサ
振動体の第2の実施の形態を示し、(a)は平面図、
(b)は振動脚の撓み変形を示す線図、(c)および
(d)は振動脚の断面図である。
【図3】本発明の振動ジャイロスコープ用の運動センサ
振動体のその他の実施の形態を示し、(a)、(b)、
(c)、(d)はそれらの各例の平面図である。
【図4】本発明の振動ジャイロスコープの実施の形態を
示し、(a)は振動体の平面図、(b)は励振および検
出回路のブロック図、(c)は回路の一部の変形部分の
ブロック図、(d)は角速度の検出原理を説明する波形
図である。
【図5】本発明の多方向の直線加速度の検出が可能な加
速度計用の運動センサ振動体の実施の形態を示し、
(a)、(b)はそれらの各例の平面図である。
【図6】第1の従来例の振動ジャイロスコープ用の運動
センサ振動体を示し、(a)は平面図、(b)は振動脚
の断面図である。
【図7】第2の従来例の振動ジャイロスコープ用の運動
センサ振動体を示し、(a)は平面図、(b)は振動脚
の断面図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1R,1L 振
動脚(または脚) 2R、2L 固定端 3R、3L、31R、31L、32R、32L、33
R、33L バネ部 34R、34L、35R、35L (振動脚の)部分 4R、4L 自由端 5R、5L 付加質量 6R、6L 励振電極 7R、7L 検出電極 8D 検出端子 8V 励振端子 9 基部 91 補助基部 10 リードパターン 29、92 接続パッド 28、93 スルーホール 30 ボンディングワイヤ 11R、11L 発振器 12R、12L 波形フィルタ 13R、13L ゼロレベル検出回路 14 時間差測定回路 15 高周波クロック源 16 補正回路 17 表示装置 C クロックパルス CR、CL 回転中心 GR、GL 付加質量の重心 GGR、GGL 振動質量の重心 FR、FL コリオリ力 rR、rL 付加質量の動径 GrR、GrL 振動質量の動径 UR、UL 速度ベクトル SA 対称軸 Ω 角速度

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に一つの平面内に複数の片持ち振
    動脚を有し、該各振動脚の少なくとも1つは固定端から
    自由端へと辿るとき90°を越えて互に向きが異なる部
    分を有し、かつ当該振動脚の振動質量の重心を180°
    以上の角度で包囲するような屈曲した形状を備えると共
    に、前記複数の振動脚が前記平面内で自由振動するとき
    それらの振動質量の重心の振動軌跡がほぼ同一直線上に
    あるようにして励振される振動の慣性力が全体としてほ
    ぼ相殺されるように設定され、前記屈曲した形状の表面
    に少なくとも励振用の電極を設けたことを特徴とする振
    動ジャイロスコープ用の運動センサ振動体。
  2. 【請求項2】 前記励振用の電極を前記振動脚の固定端
    に近い部分の4側面に設け、またコリオリ力検出用の電
    極を前記励振用の電極よりも前記自由端に近くかつ前記
    振動質量の重心を包囲している部分の少なくとも一部に
    設けたことを特徴とする請求項1の運動センサ振動体。
  3. 【請求項3】 各振動脚の材質は単結晶材より成り、折
    れ線状に屈曲しており、前記折れ線状の屈曲部の内の少
    なくとも2つの方向は、前記単結晶材の有する複数の同
    種の結晶軸のうちの少なくとも2つとほぼ等しい角度を
    なしていることを特徴とする請求項1あるいは2の運動
    センサ振動体。
  4. 【請求項4】 一つの平面内に等角度に配置され、固定
    端が連結された3個以上の片持ち振動脚を備え、該片持
    ち振動脚の主要なバネ部の方向は材料である圧電単結晶
    の同種の結晶軸に対してほぼ等しい角度をなすように
    し、前記バネ部の歪みを検出する電極を該バネ部に設け
    たことを特徴とする加速度計測用の運動センサ振動体。
  5. 【請求項5】 実質的に一つの平面内に振動部を有し、
    該振動部は励振用およびコリオリ力の検出用の電極が表
    面に設けられたジャイロセンサ用振動体を使用し、前記
    振動部の振動質量はコリオリ力によって振動運動の動径
    が変化する構造を有していて、振動の方向転換ごとに方
    向が反転するコリオリ力の効果によって振動の半周期が
    長短交互に変化するようにし、引き続く振動の半周期の
    変化あるいは該変化に相当する時間を計測することによ
    って前記コリオリ力を生じさせた回転角速度を検知する
    ことを特徴とする振動ジャイロスコープ。
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