JP2001079854A - 光学パネル用金型及びその製造方法 - Google Patents

光学パネル用金型及びその製造方法

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JP2001079854A
JP2001079854A JP35655199A JP35655199A JP2001079854A JP 2001079854 A JP2001079854 A JP 2001079854A JP 35655199 A JP35655199 A JP 35655199A JP 35655199 A JP35655199 A JP 35655199A JP 2001079854 A JP2001079854 A JP 2001079854A
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雅也 平田
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豊 衣笠
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型完成までの工程数を少なくして生産性を
高める。成形された光学パネルの略垂直面(溝壁)にお
いて十分な配光特性を得る。 【課題手段】 光学パネル用金型11に、拡散面3を形
成するための拡散面形成用金型部13と、鏡面2を形成
するための鏡面形成用金型部12とを形成するにあたっ
て、先ず拡散面形成用金型部13を形成するための第1
の面13aに、形成しようとする拡散面形成用金型部1
3の概略形状を形成し、鏡面形成用金型部12を形成す
るための第2の面12aに、形成しようとする鏡面形成
用金型部12の概略形状を形成し、その後、第1の面1
3aにブラスト加工を施して拡散面形成用金型部13を
形成し、その後、第2の面12aを鏡面加工して鏡面形
成用金型部12を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学パネル用金型
及びその製造方法に関し、詳しくは拡散面と鏡面とを有
するプリズム形状によって光方向を制御することができ
る光学パネルを成形するための光学パネル用金型及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、オーバーヘッドプロジェクター
(以下、OHPという)に用いられる光学パネルとし
て、少なくとも一つ以上の面にプリズムアレイ面(複数
個のプリズム形状)を有し、一個のプリズム形状におい
て、プリズムを構成する少なくとも一つ以上の面を拡散
面とし、残りの面のうち少なくとも一つ以上の面を鏡面
とすることにより、光方向を制御する機能を持ったフレ
ネルレンズが知られている。
【0003】このOHP32では、図39に示すよう
に、光源34の光を大口径のフレネルレンズ30で集光
し、透明原稿33を通った後に集光されて細くなった光
路を結像レンズ35、反射ミラー37を介してスクリー
ン36上に結ばせるようにしたものであるが、上記集光
用のフレネルレンズ30は、図40に示すように、パネ
ル面9に対して略傾斜した一つの鏡面2と略垂直な一つ
の溝壁31とで1個のプリズム形状Wが構成され、複数
個のプリズム形状Wが集まってプリズムアレイ面4が構
成されている。ところで、OHP32のフレネルレンズ
30の一つの欠点として、レンズの溝壁31から反射或
いは屈折される不必要な光(結像レンズ35に向かわな
い方向Dの光線)がOHP32の使用者にとって非常に
眩しく感じることである。そこで、従来では、図40に
示す溝壁31を粗面化することによって上記欠点を解決
している。
【0004】上記フレネルレンズ30を成形する金型の
製造方法として、例えば特公昭61−16605号公報
には、図41に示すように、最終的に拡散面形成用金型
部として残すべき略垂直面13aと、最終的に鏡面形成
用金型部として残すべき略傾斜面12aとを有するプリ
ズムアレイ形状面14を概略形状に切削加工した後で、
プリズムアレイ形状面14の全面にフォトレジスト40
を均一に塗布し、レンズ中心に面している略傾斜面12
aのみにレジスト40が残るように、フォトマスク70
を用いてレジスト40の露光、現像を行い(図41
(b))、その後、レンズ中心に面していない露出した
略垂直面13aをエッチングにより粗面化を行って拡散
面形成用金型部13を形成し、その後、残ったレジスト
40を除去して鏡面形成用金型部12を形成し、このよ
うにして得られた金型11(図41(d))によって熱
可塑性樹脂のプレス成形を行うことで、図40に示すフ
レネルレンズ30を製造するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の金型
11の製造方法にあっては、概略形状に切削加工した後
に、金型11の略垂直面を拡散形状とするために、レジ
スト塗布工程、露光・現像工程、エッチング工程、レジ
スト除去工程がそれぞれ必要となり、金型11の完成ま
でに工程数が多く、生産性が悪いという問題がある。ま
た、粗面加工にエッチングを適用しているために、製造
される光学パネル1の溝壁31において十分な配光特性
を得るための面粗度を確保することが難しくなるという
問題もある。
【0006】本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて
発明したものであって、その目的とするところは、金型
完成までの工程数を少なくして生産性を高めることがで
き、しかも成形された光学パネルの略垂直面(溝壁)に
おいて十分な配光特性を得るための面粗度を確保するこ
とが容易である光学パネル用金型及びその製造方法を提
供するにあり、別の目的とするところは、拡散面形成用
金型部の面粗度を確保できる一方で、鏡面形状の精度を
高めることができる光学パネル用金型及びその製造方法
を提供するにあり、更に別の目的とするところは、切削
工具の長寿命化と金型の長寿命化とを図ることができる
光学パネル用金型及びその製造方法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明にあっては、鏡面2と拡散面3とを有
するプリズム形状によって光方向を制御することができ
る光学パネル1を成形するための光学パネル用金型の製
造方法において、光学パネル用金型11に、拡散面3を
形成するための拡散面形成用金型部13と、鏡面2を形
成するための鏡面形成用金型部12とを形成するにあた
って、先ず拡散面形成用金型部13を形成するための第
1の面13aに、形成しようとする拡散面形成用金型部
13の概略形状を形成し、鏡面形成用金型部12を形成
するための第2の面12aに、形成しようとする鏡面形
成用金型部12の概略形状を形成し、その後、第1の面
13aにブラスト加工を施して拡散面形成用金型部13
を形成し、その後、第2の面12aを鏡面加工して鏡面
形成用金型部12を形成することを特徴としており、こ
のように構成することで、プリズムアレイ形状面14の
概略形状の切削加工と、ブラスト加工と、鏡面形成工程
とを行うだけでよいので、金型11の完成までの工程数
が少なくなると共に、ブラスト加工によって簡便に拡散
面形状の加工を行うことが可能となり、形状の再現性の
点できわめて優位であるうえに、拡散面形状の精度がき
わめて高くなり、従って、成形された光学パネル1の拡
散面3において十分な配光特性を得るための面粗度を確
保することが容易となる。
【0008】また請求項2記載の発明にあっては、鏡面
2と拡散面3とを有するプリズム形状によって光方向を
制御することができる光学パネル1を成形するための光
学パネル用金型の製造方法において、光学パネル用金型
11に、拡散面3を形成するための拡散面形成用金型部
13と、鏡面2を形成するための鏡面形成用金型部12
とを形成するにあたって、先ず拡散面形成用金型部13
を形成するための第1の面13aに、形成しようとする
拡散面形成用金型部13の概略形状を形成し、鏡面形成
用金型部12を形成するための第2の面12aに、形成
しようとする鏡面形成用金型部12の概略形状を形成
し、且つこの概略形状の第1の面13a及び第2の面1
2aを有するプリズムアレイ形状面14の全面に鏡面加
工を施した後に、最終的に鏡面形成用金型部12として
残すべき第2の面12aのみに高硬度コーティング5を
被覆し、その後、プリズムアレイ形状面14にブラスト
加工を施すことにより、高硬度コーティング5を被覆し
ていない第1の面13aのみに拡散面形成用金型部13
を形成することを特徴としており、このように構成する
ことで、最終的に鏡面形成用金型部12として残すべき
第2の面12aのみに高硬度コーティング5を予め被覆
することで、第2の面12aを保護しながら、最終的に
拡散面3が必要な第1の面13aにブラスト粒子がぶつ
かるようにブラスト加工を施すことができ、第1の面1
3aのみに拡散面形成用金型部13を簡単に形成するこ
とができる。
【0009】また請求項3記載の発明にあっては、鏡面
2と拡散面3とを有するプリズム形状によって光方向を
制御することができる光学パネル1を成形するための光
学パネル用金型の製造方法において、光学パネル用金型
11に、拡散面3を形成するための拡散面形成用金型部
13と、鏡面2を形成するための鏡面形成用金型部12
とを形成するにあたって、先ず切削工具6によって拡散
面形成用金型部13を形成するための第1の面13a
に、形成しようとする拡散面形成用金型部13の概略形
状を形成し、且つ鏡面形成用金型部12を形成するため
の第2の面12aに、形成しようとする鏡面形成用金型
部12の概略形状を形成した後、または、第1の面13
a及び第2の面12aを概略形状に切削加工する途中の
いずれかにおいて、刃物の切削面が拡散面形状となって
いる切削工具6により第1の面13aのみを切削加工し
て拡散面形成用金型部13を形成し、その後、第2の面
12aを鏡面加工して鏡面形成用金型部12を形成する
ことを特徴としており、このように構成することで、拡
散面3を加工形成するタイミングを、切削工具6により
プリズムアレイ形状面14を概略形状に形成した後、或
いは形成する途中のいずれかを選択できるので、目的と
する金型型部ブロック10のプリズム形状を簡単に得る
ことができる。
【0010】また請求項4記載の発明にあっては、請求
項3において、刃物7の切削面7aが拡散面形状となっ
ている切削工具6として超硬バイトを用いるのが好まし
く、この場合、超硬バイトによって1回の切削での切り
込み量が多くなり、簡便に且つ早く拡散面形状の加工を
行うことが可能である。
【0011】また請求項5記載の発明にあっては、請求
項3において、刃物7の切削面7aが拡散面形状となっ
ている切削工具6として焼結ダイヤモンドバイトを用い
るのが好ましく、この場合、焼結ダイヤモンドバイトは
超硬バイトと比較して、加工時間がかかるが、拡散面形
状の精度が高く、形状の再現性の点で優位となる。
【0012】また請求項6記載の発明にあっては、請求
項5において、第1の面13aの切削加工と第2の面1
2aの鏡面加工とを焼結ダイヤモンドバイトにて同時に
行うのが好ましく、この場合、製造工程数を一層削減す
ることができる。
【0013】また請求項7記載の発明にあっては、鏡面
2と拡散面3とを有するプリズム形状によって光方向を
制御することができる光学パネル1を成形するための光
学パネル用金型の製造方法において、光学パネル用金型
11に、拡散面3を形成するための拡散面形成用金型部
13と、鏡面2を形成するための鏡面形成用金型部12
とを形成するにあたって、先ず拡散面形成用金型部13
を形成するための第1の面13aに、形成しようとする
拡散面形成用金型部13の概略形状を形成し、鏡面形成
用金型部12を形成するための第2の面12aに、形成
しようとする鏡面形成用金型部12の概略形状を形成
し、且つこの概略形状の第1の面13a及び第2の面1
2aを有するプリズムアレイ形状面14の全面に鏡面加
工を施した後に、切削用ダイヤモンドバイトを微小ピッ
チずつ送り移動して第1の面13aを切削加工して拡散
面形成用金型部13を形成することを特徴としており、
このように構成することで、切削工具6を微小ピッチず
つ送り移動することによりプリズムアレイ形状面14の
第1の面13aに拡散面形状を切削加工により簡単に形
成することが可能であり、プリズムアレイ形状面14の
概略形状加工の簡易化及び拡散面形状の高精度化を図る
ことができる。
【0014】また請求項8記載の発明にあっては、鏡面
2と拡散面3とを有するプリズム形状によって光方向を
制御することができる光学パネル1を成形するための光
学パネル用金型の製造方法において、光学パネル用金型
11に、拡散面3を形成するための拡散面形成用金型部
13と、鏡面2を形成するための鏡面形成用金型部12
とを形成するにあたって、先ず放電加工によって拡散面
形成用金型部13を形成するための第1の面13aに、
形成しようとする拡散面形成用金型部13の概略形状を
形成し、鏡面形成用金型部12を形成するための第2の
面12aに、形成しようとする鏡面形成用金型部12の
概略形状を形成すると同時に、概略形状の第1の面13
a及び第2の面12aを有するプリズムアレイ形状面1
4を拡散形状に加工することにより、第1の面13aに
拡散面形成用金型部13を形成し、その後、第2の面1
2aを鏡面加工して鏡面形成用金型部12を形成するこ
とを特徴としており、このように構成することで、放電
加工によりプリズムアレイ形状面14の概略形状の加工
と同時に、プリズムアレイ形状面14全面において拡散
面形状を形成することが可能となり、さらに曲面形状等
の加工も可能となる。
【0015】また請求項9記載の発明にあっては、鏡面
2と拡散面3とを有するプリズム形状によって光方向を
制御することができる光学パネル1を成形するための光
学パネル用金型の製造方法において、光学パネル用金型
11に、拡散面3を形成するための拡散面形成用金型部
13と、鏡面2を形成するための鏡面形成用金型部12
とを形成するにあたって、先ず振動切削加工によって拡
散面形成用金型部13を形成するための第1の面13a
に、形成しようとする拡散面形成用金型部13の概略形
状を形成し、鏡面形成用金型部12を形成するための第
2の面12aに、形成しようとする鏡面形成用金型部1
2の概略形状を形成し、その後、概略形状の第2の面1
2aのみを鏡面加工して鏡面形成用金型部12を形成す
ることを特徴としており、このように構成することで、
切削時に切削工具6に微小振動を加えながら、概略形状
の第1の面13aを切削でき、目的とするプリズムアレ
イ形状面14の拡散面形成用金型部13を高精度で得る
ことができる。
【0016】また請求項10記載の発明にあっては、請
求項1〜請求項9において、鏡面形成用金型部12の形
成を単結晶ダイヤモンド工具による切削加工により行う
のが好ましく、この場合、目的とするプリズムアレイ形
状面14の第2の面12aを単結晶ダイヤモンド工具で
切削することで、鏡面形成用金型部12をより精度良く
形成することができる。
【0017】また請求項11記載の発明にあっては、請
求項1〜請求項9において、鏡面形成用金型部12の形
成を成形ダイヤモンド工具によるバニシング加工により
行うのが好ましく、この場合、予め形成されている光学
パネル用金型11のプリズムアレイ形状面14の第2の
面12aに成形ダイヤモンド工具を押しつけてバニシン
グを行うことで,鏡面形成用金型部12をより精度良く
形成することが可能となる。
【0018】また請求項12記載の発明にあっては、請
求項1又は請求項3又は請求項8又は請求項9におい
て、鏡面形成用金型部12となる第2の面12aを刃物
7で切削加工する際に、刃物7を拡散面形成用金型部1
3から10μm以上、30μm以下の範囲で間隔をあけ
て、切削を行うのが好ましく、この場合、第2の面12
aの切削時に発生する切削切り粉によって予め粗面化さ
せた拡散面形成用金型部13を擦ってしまうことがな
く、しかもこの金型11で成形された光学パネル1の鏡
面2の面積が狭くなるのを防止できる。
【0019】また請求項13記載の発明にあっては、請
求項1又は請求項3又は請求項8又は請求項9におい
て、鏡面形成用金型部12となる第2の面12aを刃物
7で切削加工する際に、刃物7による1回の切込量Nが
5μm以下となるように切削するのが好ましく、この場
合、1回の切削で発生する切削切り粉の量が微量とな
り、粗面化させた拡散面形成用金型部13を擦るのを防
止でき、拡散面形成用金型部13の面粗度を確保できる
一方で、鏡面形状の精度を高めることができ、形状の再
現性の点で優位となる。
【0020】また請求項14記載の発明にあっては、請
求項1又は請求項3又は請求項8又は請求項9におい
て、鏡面形成用金型部12となる第2の面12aを刃物
7で切削加工する際に、最終切込量Lの合計が10μm
以上、30μm以下の範囲となるように切削するのが好
ましく、この場合、一度粗面化させた凹凸を完全に除去
できると共に、この金型11で成形される光学パネル1
において、配光させたい方向と逆方向に光が反射する割
合が減少して、十分な配光特性を得ることが可能とな
る。
【0021】また請求項15記載の発明にあっては、請
求項1〜請求項15のいずれかに記載の製造方法を用い
て製造された光学パネル用金型11であるので、生産性
に優れ、しかも配光特性にも優れた光学パネル1が得ら
れる。
【0022】また請求項16記載の発明にあっては、請
求項15において金型型部ブロック10の被切削面の表
面の材質が銅メッキからなるのが好ましく、この場合、
切削工具6の長寿命化を図ることができると共に、成形
寿命に耐えることができる長寿命の金型11を得ること
ができる。
【0023】また請求項17記載の発明にあっては、請
求項15において、拡散面形成用金型部13の面粗度が
Ra0.66以上、1.5以下であるのが好ましく、こ
の場合、光学パネル1の配光割合として必要な所定値
(例えば60.2%)以上を確保することができる。
【0024】また、粗面化させた拡散面形成用金型部1
3の成形による磨耗を防止すると共に、金型11の寿命
を伸ばすために、請求項18記載の発明にあっては、拡
散面形成用金型部13の面形状の平均アスペクト比を、
光学パネル1の必要な配光割合を得ることができる所定
値以上に設定するのが好ましい。また請求項19記載の
発明にあっては、拡散面形成用金型部13の面粗形状に
おいて、面粗さ中心から任意幅の基準値範囲Zを設定
し、基準値範囲Zを越えるポイント数の割合を所定割合
以上とするのが好ましい。また請求項20記載の発明に
あっては、拡散面形成用金型部13の表面又は表層を耐
磨耗性を有する材料で構成するのが好ましい。
【0025】また請求項21記載の発明にあっては、請
求項20において、拡散面形成用金型部13の表面に、
0.1μm以上、0.5μm以下の厚みの保護コーティ
ングを被覆するのが好ましく、この場合、拡散面形成用
金型部13の粗面形状を保護コーティングで埋めてしま
うことなく、拡散面形成用金型部13の面粗度を確保で
きる。
【0026】また請求項22記載の発明にあっては、請
求項21において、保護コーティングがNiメッキであ
るのが好ましく、この場合、保護コーティングを簡易的
且つ均一に形成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態に基づいて説明する。
【0028】図1は本発明の光学パネル用金型11の一
例を示し、図2は上記光学パネル用金型11を用いて成
形した光学パネル1の一例を示したものであり、この光
学パネル1は、照明器具用パネル等に使用されて光方向
を制御する機能を有しており、少なくとも一つ以上の面
に複数個のプリズム形状からなるプリズムアレイ面4を
有し、各々のプリズム形状において、プリズムを構成す
る少なくとも一つ以上の面を拡散面3とし、残りの面の
うち少なくとも一つ以上の面を鏡面2として構成されて
いる。ここでは、個々のプリズム形状のピッチPが例え
ば0.05mm〜5mm程度の微小なプリズムアレイ面
4で構成されている。
【0029】図3は、図2におけるプリズムアレイ形状
面14の一部を拡大して示したものであるが、一個のプ
リズム形状は、複数個の面で構成されており、パネル面
9に対して略垂直な溝壁となる面を拡散面3(面粗度R
a=1.0〜5.0程度、好ましくはRa=1.0〜
3.0)とし、また、パネル面9に対して略斜面となる
面を鏡面2(面粗度Ra=0.1以下、好ましくはRa
=0.05以下)としている。このようにプリズムの面
方向に応じて面粗度状態を規定することにより、好まし
い光方向制御特性を得ることができる。
【0030】ここで、参考例として、図4に示すよう
に、パネル面9に対して略垂直面となる面も、略斜面と
なる面も、全ての面が鏡面2である場合には、光学パネ
ル1のプリズムアレイ面4側から入射した光線Aは、プ
リズムの略斜面で一度屈折し、パネル内を通過した後、
出射する際にも屈折し、狙いの方向へ光を向けることが
可能であるが、略垂直面に近い位置に入射した光線B
は、プリズムの略斜面で一度屈折した後、略垂直面で反
射され、狙いの方向とは逆の方向Dへ光を出射してしま
い、一方向へ光方向を制御するための光学パネル1とし
ては不適切である。
【0031】他の参考例として、図5に示すように、パ
ネル面9に対して略垂直面となる面も、略斜面となる面
も、全ての面が拡散面3である場合には、光学パネル1
のプリズムアレイ面4側から入射した光線は、プリズム
アレイ面4の全面で拡散してしまい、光方向を制御する
ことができず、これも一方向へ光方向を制御するための
光学パネル1としては不適切である。
【0032】更に他の参考例として、図8に示すよう
に、プリズム形状がパネル面9に対してすべて略斜面の
みで構成される場合には、光方向を制御する機能を得る
ためには、パネル面9に対して正の傾きを持った斜面を
鏡面2とし、負の傾きを持った斜面を拡散面3とする
か、あるいは、その逆(パネル面9に対して負の傾きを
持った斜面を鏡面2とし、正の傾きを持った斜面を拡散
面3とする)のように面の傾き方向と、面状態(拡散面
3か鏡面2か)を統一することが必要である。
【0033】一方、本発明の図3に示した面構成を持つ
光学パネル1にあっては、図6に示すように、光学パネ
ル1のプリズムアレイ面4側から入射した光線Aは、プ
リズムの略傾斜面(鏡面2)で一度屈折し、パネル内を
通過した後、出射する際にも屈折し、狙いの方向へ光を
向けることが可能であり、また、略垂直面(拡散面3)
に近い位置に入射した光線Bは、プリズムの略傾斜面
(鏡面2)で一度屈折した後、略垂直面(拡散面3)で
拡散されるため、狙いの方向とは逆の方向へ光を強く出
射することはなく、パネル全体としては、図7に示すよ
うに、一方向へ光方向を制御する効果に優れている。
【0034】図9は、図4〜図6で示したモデルに関す
る光方向制御特性の結果を示したものである。曲線が膨
らんでいる方向(配光強方向)eに対して出射している
光束が多いことを示しており、図9のイで示した図6の
モデル(略斜面が鏡面2、略垂直面が拡散面3、特に拡
散面3面粗度:Ra=1.5レベル)が光方向制御特性
に優れていることがわかる。図9のロは同じく図6のモ
デル(拡散面3面粗度:Ra=0.5レベル)を示して
いる。なお、図9のハは図4のモデル(プリズム形状が
全面鏡面2)、図9のニは図5のモデル(プリズム形状
が全面拡散面3(拡散面3面粗度:Ra=1.5レベ
ル)をそれぞれ示している。
【0035】ところで、図10(b)に示すように、プ
リズムアレイ面4の略傾斜した鏡面2が一直線上に形成
されている場合には、鏡面2で屈折した光線Aの一部A
1が略垂直な拡散面3にぶつかり拡散される。このた
め、拡散面3で拡散される光線が増加してしまい、より
多くの光線を一方向に配光制御することが困難となる。
そこで、本例では、図10(a)に示すように、略傾斜
した鏡面2における拡散面3に近い側の先端部分に屈折
した屈折斜面50を形成し、この屈折斜面50のパネル
面9に対する傾きを屈折斜面50以外の斜面部分よりも
小さくすることによって、この傾きの小さい屈折斜面5
0で屈折する角度が変り、その結果、拡散面3で拡散さ
れる光線A1の量が減少し、より多くの光線を一方向に
配光制御することが可能になる。また、鏡面2の屈折斜
面50を例えば三面以上の複数面に細かく分割してもよ
く、この場合、一方向に配光制御できる光線量を更に増
やすことができるものである。
【0036】図11〜図16は、上記構成の光学パネル
1を成形するための光学パネル用金型11の製造工程の
一例を示している。この光学パネル用金型11における
プリズムアレイ形状面14が形成される金型型部ブロッ
ク10には、拡散面3を形成するための拡散面形成用金
型部13と、鏡面2を形成するための鏡面形成用金型部
12とを備えている。ここでは、一つの拡散面形成用金
型部13が光学パネル1の一つの拡散面3(図6)に対
応し、一つの鏡面形成用金型部12が光学パネル1の一
つの鏡面2(図6)に対応しており、金型型部ブロック
10には、拡散面形成用金型部13と鏡面形成用金型部
12とが交互に複数個連続したプリズムアレイ形状面1
4が構成されている。この金型型部ブロック10の材質
としては、銅、真鍮、ニッケル、アルミニウム、亜鉛合
金またはS55C等の鋼材上に銅、ニッケルを0.5〜
10mm程度の厚みにメッキしたものが例として挙げら
れる。
【0037】次に、金型型部ブロック10(ワーク)に
プリズムアレイ形状面14を形成するにあたっては、先
ず図11に示すように、拡散面形成用金型部13を形成
するための第1の面13a(略垂直面)に、形成しよう
とする拡散面形成用金型部13の概略形状を形成し、鏡
面形成用金型部12を形成するための第2の面12a
(略傾斜面)に、形成しようとする鏡面形成用金型部1
2の概略形状を形成する。このようなプリズムアレイ形
状面14の概略形状を形成する例としては、図12に示
す往復切削用の切削工具6、或いは図13に示す回転切
削用の切削工具6′を用いる。これらの切削工具6,
6′は、いずれも、プリズムアレイ形状面14の断面形
状を反転させた断面略三角形状を有している。
【0038】ここで、図12の往復切削方法に使用する
切削工具6としては、超硬バイトや、単結晶ダイヤモン
ドバイト、或いは焼結ダイヤモンドバイト等が挙げられ
る。切削送り速度は6〜7m/分程度、1回の切削での
切り込み量は30〜50μm程度が望ましい。一方、図
13の回転切削方法に使用する切削工具6′としては、
回転砥石等が挙げられる。切削時の回転速度は、φ20
0程度の回転砥石の場合は2000〜2500rpm程
度、切削送り速度は15〜25m/分程度、1回の切削
での切り込み量は30〜50μm程度が望ましい。
【0039】そして、上記往復切削用の切削工具6を図
12(b)の矢印ホで示す方向に往復させることによ
り、或いは、上記回転切削用の切削工具6′を図13
(b)の矢印ヘで示す方向に回転させることにより、図
11に示すような概略形状の第1の面13aと第2の面
12aとを切削加工により形成することができる。
【0040】その後、上記概略形状のプリズムアレイ形
状面14に対してブラスト加工を施す。ブラスト粒子に
ついては、サンド、ビーズ等の例があるが、粒子の形状
としては、突起部分が多いサンドブラストを用い、粒子
径は500〜2000番程度のブラスト番手が望まし
い。また図14に示すように、最終的に拡散面3が必要
な第1の面13aのみにブラスト粒子がぶつかるように
斜め方向トからブラスト加工を行うことが望ましい。つ
まり第2の面12aと略平行な方向からブラスト粒子を
概略形状のプリズムアレイ形状面14の全面に亘って吹
きつけることによって、ブラスト粒子が主に第1の面1
3aに衝突し、第1の面13aには拡散形状を有する拡
散面形成用金型部13が形成される。
【0041】その後、金型型部ブロック10のプリズム
アレイ形状面14のうちの第2の面12a(最終的に鏡
面形成用金型部12となる略傾斜面)のみを鏡面とす
る。この方法の一例を図15、図16に示す。
【0042】図15では、切削工具6として単結晶ダイ
ヤモンドを用いている。この刃物7の断面形状は、金型
11の最終的なプリズムアレイ形状面14の断面形状に
おける略垂直面(最終的に拡散面形成用金型部13とな
る面)から距離S(約10〜20μm)だけオフセット
した形状となっている。また、プリズムアレイ形状面1
4の第2の面12aにおいて図10(a)に示す光学パ
ネル1の屈折した屈折斜面50に対応する屈曲面51が
得られるように、単結晶ダイヤモンドからなる切削工具
6には斜面52が形成されている。そしてこの切削工具
6による切削方法としては、全面が拡散面形状となって
いる金型型部ブロック10のプリズムアレイ形状面14
のうち、最終的に拡散面3が必要な拡散面形成用金型部
13(略垂直面)に接触しないように、10〜20μm
オフセットした位置に切削工具6を位置決めし、第2の
面12aのみを切断できるようにする。切削送り速度は
6〜7m/分程度、1回の切削での切り込み量は5〜1
0μm程度が望ましい。またこのとき、図16に示すよ
うに、刃物7の断面形状を光学パネル用金型11の略垂
直面から5°〜10°程度の勾配θを有する形状にして
もよい。
【0043】上記のように単結晶ダイヤモンドからなる
切削工具6を用いて第2の面12aを鏡面2に仕上げて
鏡面形成用金型部12が形成され、目的とする拡散面形
成用金型部13と鏡面形成用金型部12とが交互に複数
個連続して形成されたプリズムアレイ形状面14を有す
る光学パネル用金型11を製造することができる。
【0044】なお、上記第2の面12a(略傾斜面)を
鏡面加工する他の方法として、例えば、図1に示すよう
に、円錐形に成形された成形ダイヤモンド工具60を、
予め、形成されている金型11のプリズムアレイ形状面
14の第2の面12aに押しつけるバニシング加工を施
すことにより,第2の面12aを鏡面2に仕上げること
が可能である。このとき成形ダイヤモンド工具60の母
線を曲線とすれば、略傾斜面が曲面となる形状の加工が
可能となる。
【0045】しかして、プリズムアレイ形状面14を概
略形状に切削加工した後に、ブラスト加工による拡散面
形成用金型部13の形成工程と、鏡面仕上げによる鏡面
形成用金型部12の形成工程とを行うだけでよいので、
従来のようなレジスト塗布工程、露光・現像工程、エッ
チング工程、レジスト除去工程を行う場合と比較して、
本発明では金型11完成までの工程数が少なくなり、生
産性が大幅に向上することとなる。しかも、ブラスト加
工によって粗面形成を行うので、従来のエッチングと比
較して、簡便に拡散面形状の加工を行うことが可能とな
り、形状の再現性の点できわめて優位であるうえに、拡
散面形状の精度がきわめて高くなり、従って、成形され
た光学パネル1の拡散面3において十分な配光特性を得
るための面粗度を確保することが容易になるという利点
もある。
【0046】図17〜図19は、光学パネル用金型11
の製造方法の他例を示している。本方法では、最初に切
削加工によってプリズムアレイ形状面14の概略形状加
工を行うと同時に、この概略形状のプリズムアレイ形状
面14の全面に亘って鏡面加工を施す。プリズムアレイ
形状面14の概略形状加工方法としては、前記図11〜
図13と同様な超硬バイトや単結晶ダイヤモンドバイト
等による切削加工によって行う。また、プリズムアレイ
形状面14全面に鏡面仕上げを行う方法としては、前記
図14または図15のような単結晶ダイヤモンド工具や
成形ダイヤモンド工具等を用いて行う。
【0047】その後、最終的に鏡面形成用金型部12と
して残すべき第2の面12aのみに高硬度コーティング
5を被覆する。高硬度コーティング5を施す方法の一例
を図17に示す。コーティングの種類としては、Ti
N、TiAlN、Cr等があり、表面硬度としてはHv
2500〜3000である。コーティングの方法として
は、スパッタリング、イオンプレーティング、及び蒸着
法などがある。これらの方法は、形状のカゲになる部分
についてはコーティングがつきにくいため,図17のよ
うなセッティングにより、略傾斜面(鏡面形成用金型部
12となる鏡面仕上げされている面)のみにコーティン
グされ、略垂直面(第1の面13a)についてはコーテ
ィングされないか、されてもオングストロームレベルの
厚みとなる。なお図17中の矢印リはコーティングの方
向を示し、20はコーティングの蒸発源、21はワーク
載置台を示している。
【0048】そして図18に示すように、略傾斜面(鏡
面形成用金型部12となる鏡面仕上げされている面)の
みに高硬度コーティング5を被覆した後に、プリズムア
レイ形状面14の全面にブラスト加工を施す。このと
き、図18の矢印トで示すように、最終的に拡散面形成
用金型部13となる第1の面13aのみにブラスト粒子
がぶつかるように斜めからブラスト加工を行うことによ
り、高硬度コーティング5の表面は鏡面形状が残り、従
って、最終的には、図19に示すように、高硬度コーテ
ィング5を被覆していない第1の面13aのみに拡散面
形成用金型部13を形成することができると共に、高硬
度コーティング5の表面が鏡面形成用金型部12とな
る。
【0049】図20は光学パネル用金型11の製造方法
の更に他例として、切削工具6の両側の切削面6aが拡
散面形状になっている例を示している。図20に示すよ
うに、予め拡散面形状で構成された切削工具6で金型1
1のプリズムアレイ形状面14を概略形状に切削加工し
た後に、略傾斜した第2の面12aのみを鏡面仕上げす
ることによって、目的とする金型型部ブロック10のプ
リズム形状を得ることができる。ここで、切削工具6を
超硬バイトとした場合には、切削送り速度は6〜7m/
分程度、1回の切削での切り込み量は50〜100μm
程度が可能であり、簡便に早く形状の加工を行うことが
可能である。一方、切削工具6を焼結ダイヤモンドバイ
トとした場合は、切削送り速度は6〜7m/分程度、1
回の切削での切り込み量は30〜50μm程度が可能で
あり、超硬バイトと比較して、加工時間がかかるが、拡
散面形状の精度が高く、形状の再現性の点で優位であ
る。なお、第2の面12aを鏡面仕上げする方法として
は、前記図15または図16のような単結晶ダイヤモン
ド工具や成形ダイヤモンド工具等を用いて行うことがで
きる。
【0050】図21は図20の変形例を示している。こ
こでは、切削工具6として焼結ダイヤモンドバイトを用
い、その片側の切削面6bを平滑面とし、他側の切削面
6cを拡散面形状としたものを用いることによって、拡
散面加工と鏡面加工とを同時に行うことができ、これに
より金型型部ブロック10に拡散面形成用金型部13と
鏡面形成用金型部12とを同時に形成することができ、
製造工程数を一層削減できるものとなる。
【0051】図22は光学パネル用金型11の製造方法
の更に他例を示している。ここでは、プリズムアレイ形
状面14を概略形状に加工すると同時に、このプリズム
アレイ形状面14全面に鏡面仕上げを行った後に、切削
工具6を用いて第1の面13aを拡散面形状に加工す
る。なお鏡面加工方法としては、前記図15または図1
6のような単結晶ダイヤモンド工具や成形ダイヤモンド
工具等を用いて行うことができる。ここで、上記第1の
面13aを切削工具6を用いて拡散面形状に加工するに
あたっては、切削工具6の先端が、略垂直な第1の面1
3aに形成される拡散面形状の断面形状と同じであるも
のを使用し、微小ピッチずつ切削工具6を送ることによ
り(送りピッチは、1〜5μm程度が望ましい)、第1
の面13aを拡散面形状に切削して拡散面形成用金型部
13を形成することができる。なお切削工具6として
は、単結晶ダイヤモンドバイト、または、焼結ダイヤモ
ンドバイトが望ましい。またこのとき、切削工具6の刃
物7の刃先7aの下面をプリズムアレイ形状面14の略
傾斜面形状と一致させることにより、プリズムアレイ形
状面14の概略形状加工、略傾斜面形状の鏡面化、及び
略垂直面の拡散面形状加工が同時に可能となり、製造工
程数を一層削減できる。また、切削用ダイヤモンドバイ
トを微小ピッチずつ送り移動することで、拡散面形状の
精度がきわめて高くなるという利点もある。
【0052】図23は光学パネル用金型11の製造方法
の更に他例を示している。本例では、プリズムアレイ形
状面14の断面形状を反転させた断面形状を有する放電
電極90を用いて、プリズムアレイ形状面14を概略形
状に加工形成すると同時に、第1の面13a及び第2の
面12aを拡散面形状に加工し、その後、第2の面12
aのみに鏡面仕上げを行うものである。ここで概略形状
のプリズムアレイ形状面14に加工するために用いる放
電電極90の材質としては、例えばカーボン、または、
銅が望ましい。そして放電電極90に電流に流す電流
値、及び、電流のオン、オフのインターバルをパラメー
タとすることにより、プリズムアレイ形状面14の概略
形状の加工と同時に、図23に示すように、プリズムア
レイ形状面14全面において拡散面形状を形成すること
が可能である。また最後に第2の面12aを鏡面仕上げ
する方法としては、前記図15または図16のような単
結晶ダイヤモンド工具や成形ダイヤモンド工具等を用い
て行うことができる。
【0053】なお、図23の変形例として、図24に示
すように、放電ワイヤー23による放電加工にて、プリ
ズムアレイ形状面14の概略形状の加工と同時に、形状
全面について拡散面形状を形成することも可能である。
この方法によれば、曲面形状等の加工も可能となり、プ
リズムアレイ形状の自由度が増すという利点がある。
【0054】図25、図26は光学パネル用金型11の
製造方法の更に他例を示している。本例では、振動切削
加工方法により概略形状のプリズムアレイ形状面14を
形成した後に、第1の面13aを拡散面形状に加工して
拡散面形成用金型部13を形成し、その後、第2の面1
2aを鏡面仕上げして鏡面形成用金型部12を形成する
ものである。ここでは、振動切削加工に用いる切削工具
6のクランプ部25に超音波振動子26、またはピエゾ
素子等を設置し、切削時に微小振動を加えながら切削加
工を行うものである。そして、プリズムアレイ形状面1
4を概略形状に加工した後で、プリズムアレイ形状面1
4の第1の面13aを拡散面形状に切削する。このとき
図25の矢印Eで示す左右方向に微小振動を繰り返しな
がら切削を行うことで、第1の面13aにおいて目的と
する拡散面形状を得ることができる。ここで振動の条件
としては、例えば振幅5〜20μm、周波数15〜25
kHz程度のものが望ましい。またこの方法によると、
図26に示すように、切削方向Eに対して垂直方向に凹
凸形状を有する拡散面形状を形成することが可能であ
り、このとき前記図22に示す切削工具6の先端を微小
ピッチずつ移動させる方法と併用することによって、二
次元的な拡散面形成用金型部13を容易に形成すること
ができる。なお図26中のGは加工前の略垂直面、Hは
加工後の略垂直面をそれぞれ示している。
【0055】図27は、光学パネル用金型11の製造方
法の更に他例を示しており、一度粗面化させた第2の面
12a(最終的に鏡面形成用金型部12となる略斜面)
を切削工具6により鏡面加工する際に、切削工具6の刃
物7を、予め粗面化させた拡散面形成用金型部13から
10μm以上、30μm以下の範囲で間隔(以下、オフ
セット量Mという。)をあけて、切削を行うようにして
いる。切削工具6は、例えば単結晶ダイヤモンドからな
る刃物7が用いられる。また刃物7の断面形状は、プリ
ズムアレイ形状面14の拡散面形成用金型部13と接触
しないように上記所定のオフセット量Mをあけて、第2
の面12aのみを切削できるような略V字状をしてい
る。
【0056】しかして、予めプリズムアレイ形状面14
全体が拡散面形状となっているワーク(金型型部ブロッ
ク10)に対して、最終的に拡散面が必要な拡散面形成
用金型部13に接触しないように、切削工具6を拡散面
形成用金型部13から10μm以上、30μm以下の範
囲でオフセットした位置にくるように、切削工具6を位
置決めし、切削送り速度を6〜7m/分程度にして、第
2の面12aのみを切削する。ここで、オフセット量M
が10μmよりも小さいと、第2の面12aの切削時に
発生する切削切り粉によって予め粗面化させた拡散面形
成用金型部13を擦ってしまい、そのために面粗度が小
さくなってしまい、この金型11で成形された光学パネ
ル1は十分な光学特性が得られなくなる。逆に、図28
(b)に示すように、オフセット量M´が30μmより
も大きいと、この金型11で成形された光学パネル1
は、鏡面2の面積がオフセット量Mの分だけ小さくな
り、そのために片側に配光させる割合が減少し、十分な
光学特性を得ることができなくなる。
【0057】この方法によれば、拡散面形成用金型部1
3に対する切削工具6のオフセット量Mを10μm以
上、30μm以下の範囲、好ましくは20μm以上、2
5μm以下の範囲に設定して、切削することによって、
拡散面形成用金型部13の面粗度を確保できるようにな
り、この金型11で得られる光学パネル1は、図28
(a)に示すように、片側に配光させる割合が増加し、
より望ましい光学特性を得ることが可能となる。
【0058】なお、図27の例では、拡散面形成用金型
部13に沿って切削工具6をオフセットした場合を説明
したが、例えば図29に示すように、拡散面形成用金型
部13に対して5〜10°程度の勾配θを持たせてオフ
セットするようにしてもよい。この場合においても、拡
散面形成用金型部13に対する切削工具6のオフセット
量Mを10μm以上、30μm以下の範囲に設定して、
切削することによって、光学パネル1のより望ましい光
学特性を得ることができる。
【0059】図30は、光学パネル用金型11の製造方
法の更に他例を示しており、一度粗面化させた第2の面
12a(最終的に鏡面形成用金型部12となる略斜面)
を切削工具6で鏡面加工する際に、切削工具6の刃物7
による1回の切込量Nが5μm以下となるように切削す
るようにしている。切込量Nが5μmよりも大きくなる
と、切削切り粉の発生量が増えて、予め粗面化させた拡
散面形成用金型部13を擦ってしまうからである。なお
切削工具6は、例えば単結晶ダイヤモンドからなる刃物
7が用いられる。しかして、第2の面12aを切削する
あたっては、図27の実施形態と同様に、拡散面形成用
金型部13に対する切削工具6のオフセット量Mを10
μm以上、30μm以下の範囲に設定し、且つ、1回の
切込量Nを5μm以下、好ましくは、1μm以上、2.
5μm以下に設定し、切削送り速度を6〜7m/分程度
にして、第2の面12aのみを切削する。この方法によ
れば、1回の切削で発生する切削切り粉の量が微量であ
るために、切削時に切削切り粉によって、予め粗面化さ
せた拡散面形成用金型部13を擦るのを防止できる。従
って、拡散面形成用金型部13の面粗度を確保できると
共に、鏡面形成用金型部12の切削時における1回の切
込量Nを5μm以下に設定することで、鏡面形状の精度
を高めることができ、形状の再現性の点で優位となり、
このような金型11で得られる光学パネル1は、より望
ましい光学特性を得ることが可能となる。
【0060】図31は、光学パネル用金型11の製造方
法の更に他例を示しており、一度粗面化させた第2の面
12a(最終的に鏡面形成用金型部12となる略斜面)
を切削工具6により切削する際に、最終切込量Lの合計
が10μm以上、30μm以下の範囲となるように切削
するものである。10μmよりも小さいと、一度粗面化
させた凹凸が完全に除去されずに残り、また30μmよ
りも大きいと、この金型11で成形される光学パネル1
において、前記図32(b)に示すように、配光させた
い方向と逆方向に光が反射する割合が増えるために、十
分な配光特性を得ることができなくなるからである。な
お切削工具6は、例えば単結晶ダイヤモンドからなる刃
物7が用いられる。しかして、第2の面12aを切削す
るあたっては、図27の実施形態と同様に、拡散面形成
用金型部13に対する切削工具6のオフセット量Mを1
0μm以上、30μm以下の範囲に設定し、切削送り速
度を6〜7m/分程度とし、且つ、最終切込量Lの合計
が10μm以上、30μm以下の範囲となるように第2
の面12aのみを切削する。この方法によれば、一度粗
面化させた第2の面12aに形成された凹凸を完全に削
り取ることができる。特に、最終切込量Lの合計が10
μm以上、30μm以下の範囲、好ましくは20μm以
上、25μm以下に設定して切削することにより、鏡面
形成用金型部12の平滑性を確保でき、このような金型
11で得られる光学パネル1は、前記図32(a)に示
すように、拡散面3の面粗度を確保できると同時に、配
光させたい方向と逆方向に光が反射する割合が減少する
ことで、十分な配光特性を得ることが可能となる。
【0061】ここで、前記切削工程において、金型型部
ブロック10の被切削面の表面の材質を銅メッキとする
のが望ましい。好ましくは、例えばSUS304、42
0等の母材に純銅メッキを施すのが望ましい。このメッ
キ厚は例えば100〜3000μm程度とする。ただ
し、メッキに要する時間等を考慮すると、メッキ厚は1
00〜400μm程度が好ましい。また、硬度はHv2
00〜220程度とすることで、20000〜1000
00ショットの成形寿命に耐えることが可能となる。し
かして銅メッキをその総厚よりも薄い厚みで切削してプ
リズム形状を形成することによって、切削工具6の寿命
を長くできると共に、金型11の寿命を長くでき、殊に
純銅メッキとすることで、含有成分のばらつき等による
品質不良が発生する心配もなくなる。
【0062】また、前記各実施形態において、最終的な
金型プリズム形状の粗面化させた拡散面形成用金型部1
3(略垂直面)の面粗度はRa0.66以上、1.5以
下であるのが望ましい。図33に面粗度Raと光学パネ
ル1の配光割合(%)との関係を示す。ここで、拡散面
形成用金型部13の面粗度Raを0.66以上、1.5
0以下(好ましくは0.66以上、1.40以下)とす
ることにより、光学パネル1の配光割合として必要な6
0.2%を確保することができ、光学パネル1の十分な
光学特性を確保できる。さらに有効な配光特性を得るた
めには、面粗度Raを0.88以上、1.19以下の範
囲とするのが望ましい。なお配光割合(%)とは、配光
分布図(図9参照)において、0°方向を境界とした場
合の「片側光束(光束の覆い領域/全光束)」のことで
ある。
【0063】また、最終的な金型プリズム形状の粗面化
させた拡散面形成用金型部13(略垂直面)の面形状の
平均アスペクト比を、光学パネル1の必要な配光割合を
得ることができる所定値以上に設定するのが望ましい。
図34に粗面化させた拡散面形成用金型部13の面形状
の平均アスペクト比と、この金型11で成形された光学
パネル1の配光割合との関係を示す。ここでいう面形状
とは、表面粗さ測定機で計測した図35の面粗度データ
プロファイルに示される凹凸のことであり、これを部分
的に拡大したものを図36に示す。図36から平均アス
ペクト比(=1/n×(b1/a1+b2/a2+b3
/a3+……+bn/an)を算出することができる。
この平均アスペクト比を0.61以上とすることによ
り、図34に示すように、光学パネル1の配光割合とし
て必要な60.2%を確保することができるようにな
る。さらに有効な配光特性を得るためには、平均アスペ
クト比を0.73以上とするのが望ましい。
【0064】図37は、最終的な金型プリズム形状の粗
面化させた拡散面形成用金型部13における面粗度デー
タプロファイルを示したものである。ここでは、拡散面
形成用金型部13(略垂直面)の面粗さ中心に対して、
図37に示す任意の上限値Xと下限値Yとを設定し、そ
の間の範囲を基準値範囲Zとし、面粗度データプロファ
イルの各ポイント数の中で、基準値範囲Z内に納まるポ
イント数と、基準値範囲Zを越えてしまうポイント数と
に分類し、基準値範囲Z内のポイント数とこれを越える
ポイント数の割合で面粗度を評価する。図38は、面粗
さ中心に対して上限値X及び下限値Yをそれぞれ1.5
μmずつの幅で設定した場合において、その基準値範囲
Zを越えるポイント数の割合と配光割合との関係を示し
ている。ここで、基準値範囲Zを越えるポイント数の割
合を8%以上とすることにより、光学パネル1の配光割
合として必要な60.2%を確保できるようになる。さ
らに有効な配光特性を得るためには、基準値範囲Zを越
えるポイント数の割合を19%以上とすることが望まし
い。
【0065】また、前記各実施形態において、金型11
の粗面化させた拡散面形成用金型部13の表面又は表層
を、耐磨耗性を有する材料で構成するのが望ましい。拡
散面形成用金型部13の表面或いは表層に耐磨耗性を付
与する方法としては、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング、及び蒸着等によるTiN、TiAlN、Cr等
のコーティング、或いはCrメッキ、或いはNiメッキ
等の方法が挙げられる。また表面硬度としては、Hv1
000〜3000であり、粗面化させた拡散面形成用金
型部13(略垂直面)を保護できると共に、成形による
磨耗を防止できる。また、刃物7の寿命を確保できると
共に、光学パネル1の光学特性を確保できる。さらに、
耐磨耗のコーティングを施さない場合と比較して、金型
11の寿命を5倍〜20倍に伸ばすことが可能となる。
【0066】また、金型11の粗面化させた拡散面形成
用金型部13の表面に、0.1μm以上、0.5μm以
下の厚みの保護コーティングを被覆するのが望ましい。
つまり、拡散面形成用金型部13(略垂直面)の面粗度
がRa0.66〜1.41であるので、保護コーティン
グの厚みを0.1μm以上、0.5μm以下にすること
により、拡散面形成用金型部13の粗面形状を保護コー
ティングで埋めてしまうことがなく、面粗度を確保でき
る。また、拡散面形成用金型部13への耐磨耗性の付与
と光学パネル1の配光特性の確保とを図るためには、保
護コーティングの厚みを0.2μm以上、0.3μm以
下にすることが特に望ましい。さらに、保護コーティン
グはNiメッキであるのが望ましい。このNiメッキは
簡易的に行うことができると共に、均一な薄膜コーティ
ングが可能となり、コーティング工程の簡易化を図るこ
とができる。
【0067】
【発明の効果】上述のように請求項1記載の発明にあっ
ては、鏡面と拡散面とを有するプリズム形状によって光
方向を制御することができる光学パネルを成形するため
の光学パネル用金型の製造方法において、光学パネル用
金型に、拡散面を形成するための拡散面形成用金型部
と、鏡面を形成するための鏡面形成用金型部とを形成す
るにあたって、先ず拡散面形成用金型部を形成するため
の第1の面に、形成しようとする拡散面形成用金型部の
概略形状を形成し、鏡面形成用金型部を形成するための
第2の面に、形成しようとする鏡面形成用金型部の概略
形状を形成し、その後、第1の面にブラスト加工を施し
て拡散面形成用金型部を形成し、その後、第2の面を鏡
面加工して鏡面形成用金型部を形成するので、つまり、
プリズムアレイ形状面を概略形状に切削加工した後に、
ブラスト加工による拡散面形成用金型部の形成工程と、
鏡面仕上げによる鏡面形成用金型部の形成工程とを行う
だけでよいので、従来のようなレジスト塗布工程、露光
・現像工程、エッチング工程、レジスト除去工程を行う
場合と比較して、本発明では金型完成までの工程数が少
なくなり、生産性が大幅に向上することとなる。しか
も、ブラスト加工によって簡便に拡散面形状の加工を行
うことが可能となり、形状の再現性の点できわめて優位
であるうえに、拡散面形状の精度がきわめて高くなり、
従って、成形された光学パネルの拡散面において十分な
配光特性を得るための面粗度を確保することが容易にな
る。
【0068】また請求項2記載の発明は、鏡面と拡散面
とを有するプリズム形状によって光方向を制御すること
ができる光学パネルを成形するための光学パネル用金型
の製造方法において、光学パネル用金型に、拡散面を形
成するための拡散面形成用金型部と、鏡面を形成するた
めの鏡面形成用金型部とを形成するにあたって、先ず拡
散面形成用金型部を形成するための第1の面に、形成し
ようとする拡散面形成用金型部の概略形状を形成し、鏡
面形成用金型部を形成するための第2の面に、形成しよ
うとする鏡面形成用金型部の概略形状を形成し、且つこ
の概略形状の第1の面及び第2の面を有するプリズムア
レイ形状面の全面に鏡面加工を施した後に、最終的に鏡
面形成用金型部として残すべき第2の面のみに高硬度コ
ーティングを被覆し、その後、プリズムアレイ形状面に
ブラスト加工を施すことにより、高硬度コーティングを
被覆していない第1の面のみに拡散面形成用金型部を形
成するので、請求項1記載の効果と同様の効果が得られ
る上に、最終的に鏡面形成用金型部として残すべき第2
の面のみに高硬度コーティングを予め被覆することで、
第2の面を保護しながら、最終的に拡散面が必要な第1
の面にブラスト粒子がぶつかるようにブラスト加工を施
すことができ、第1の面のみに拡散面形成用金型部を簡
単に形成することができる。
【0069】また請求項3記載の発明は、鏡面と拡散面
とを有するプリズム形状によって光方向を制御すること
ができる光学パネルを成形するための光学パネル用金型
の製造方法において、光学パネル用金型に、拡散面を形
成するための拡散面形成用金型部と、鏡面を形成するた
めの鏡面形成用金型部とを形成するにあたって、先ず切
削工具によって拡散面形成用金型部を形成するための第
1の面に、形成しようとする拡散面形成用金型部の概略
形状を形成し、且つ鏡面形成用金型部を形成するための
第2の面に、形成しようとする鏡面形成用金型部の概略
形状を形成した後、または、第1の面及び第2の面を概
略形状に切削加工する途中のいずれかにおいて、刃物の
切削面が拡散面形状となっている切削工具により第1の
面のみを切削加工して拡散面形成用金型部を形成し、そ
の後、第2の面を鏡面加工して鏡面形成用金型部を形成
するので、拡散面を加工形成するタイミングを、切削工
具による概略形状のプリズムアレイ形状面の形成後、或
いは形成途中のいずれかを選択できるので、目的とする
金型型部ブロックのプリズム形状を簡単に得ることがで
き、特に拡散面加工と鏡面加工とを同時に行った場合に
は、製造工程数を一層削減することができる。
【0070】また請求項4記載の発明は、請求項3記載
の効果に加えて、刃物の切削面が拡散面形状となってい
る切削工具として超硬バイトを用いるので、この超硬バ
イトによって1回の切削での切り込み量が多くなり、簡
便に且つ早く拡散面形状の加工を行うことが可能であ
る。
【0071】また請求項5記載の発明は、請求項3記載
の効果に加えて、刃物の切削面が拡散面形状となってい
る切削工具として焼結ダイヤモンドバイトを用いること
により、焼結ダイヤモンドバイトは超硬バイトと比較し
て、加工時間がかかるが、拡散面形状の精度が高く、形
状の再現性の点で優位となる。
【0072】また請求項6記載の発明は、請求項5記載
の効果に加えて、第1の面の切削加工と第2の面の鏡面
加工とを焼結ダイヤモンドバイトにて同時に行うので、
製造工程数を一層削減することができる。
【0073】また請求項7記載の発明は、鏡面と拡散面
とを有するプリズム形状によって光方向を制御すること
ができる光学パネルを成形するための光学パネル用金型
の製造方法において、光学パネル用金型に、拡散面を形
成するための拡散面形成用金型部と、鏡面を形成するた
めの鏡面形成用金型部とを形成するにあたって、先ず拡
散面形成用金型部を形成するための第1の面に、形成し
ようとする拡散面形成用金型部の概略形状を形成し、鏡
面形成用金型部を形成するための第2の面に、形成しよ
うとする鏡面形成用金型部の概略形状を形成し、且つこ
の概略形状の第1の面及び第2の面を有するプリズムア
レイ形状面の全面に鏡面加工を施した後に、切削用ダイ
ヤモンドバイトを微小ピッチずつ送り移動して第1の面
を切削加工して拡散面形成用金型部を形成するものであ
るから、請求項1記載の効果と同様の効果が得られる上
に、切削工具を微小ピッチずつ送り移動することにより
プリズムアレイ形状面の第1の面に拡散面形状を切削加
工により簡単に形成することが可能であり、プリズムア
レイ形状面の概略形状加工の簡易化を図ることができる
と共に、拡散面形状の精度がきわめて高くなる。
【0074】また請求項8記載の発明は、鏡面と拡散面
とを有するプリズム形状によって光方向を制御すること
ができる光学パネルを成形するための光学パネル用金型
の製造方法において、光学パネル用金型に、拡散面を形
成するための拡散面形成用金型部と、鏡面を形成するた
めの鏡面形成用金型部とを形成するにあたって、先ず放
電加工によって拡散面形成用金型部を形成するための第
1の面に、形成しようとする拡散面形成用金型部の概略
形状を形成し、鏡面形成用金型部を形成するための第2
の面に、形成しようとする鏡面形成用金型部の概略形状
を形成すると同時に、概略形状の第1の面及び第2の面
を有するプリズムアレイ形状面を拡散形状に加工するこ
とにより、第1の面に拡散面形成用金型部を形成し、そ
の後、第2の面を鏡面加工して鏡面形成用金型部を形成
するものであるから、請求項1記載の効果と同様の効果
が得られる上に、放電加工によりプリズムアレイ形状面
の概略形状の加工と同時に、プリズムアレイ形状面全面
において拡散面形状を形成することが可能となり、さら
に曲面形状等の加工も可能となり、プリズムアレイ形状
の自由度が増す。
【0075】また請求項9記載の発明は、鏡面と拡散面
とを有するプリズム形状によって光方向を制御すること
ができる光学パネルを成形するための光学パネル用金型
の製造方法において、光学パネル用金型に、拡散面を形
成するための拡散面形成用金型部と、鏡面を形成するた
めの鏡面形成用金型部とを形成するにあたって、先ず振
動切削加工によって拡散面形成用金型部を形成するため
の第1の面に、形成しようとする拡散面形成用金型部の
概略形状を形成し、鏡面形成用金型部を形成するための
第2の面に、形成しようとする鏡面形成用金型部の概略
形状を形成し、その後、概略形状の第2の面のみを鏡面
加工して鏡面形成用金型部を形成するものであるから、
請求項1記載の効果と同様の効果が得られる上に、切削
時に切削工具に微小振動を加えながら、概略形状の第1
の面を切削することによって、目的とするプリズムアレ
イ形状面の拡散面形成用金型部を高精度で得ることが可
能である。またこの方法によると切削方向に対して垂直
方向に凹凸形状を有する拡散面を形成することが可能で
あり、このとき切削工具の先端を微小ピッチずつ移動さ
せる方法を採用すれば、二次元的な拡散面形成用金型部
を形成することが可能となる。
【0076】また請求項10記載の発明は、請求項1〜
請求項9記載の効果に加えて、鏡面形成用金型部の形成
を単結晶ダイヤモンド工具による切削加工により行うこ
とにより、目的とするプリズムアレイ形状面の第2の面
に鏡面形成用金型部をより精度良く形成することができ
る。
【0077】また請求項11記載の発明は、請求項1〜
請求項9記載の効果に加えて、鏡面形成用金型部の形成
を成形ダイヤモンド工具によるバニシング加工により行
うことにより、予め、形成されている金型のプリズムア
レイ形状面の第2の面に鏡面形成用金型部をより精度良
く形成することができ、しかも成形ダイヤモンド工具の
母線を例えば曲線とすることで、第2の面を曲面形状に
加工することが可能となる。
【0078】また請求項12記載の発明は、請求項1又
は請求項3又は請求項8又は請求項9記載の効果に加え
て、鏡面形成用金型部となる第2の面を刃物で切削加工
する際に、刃物を拡散面形成用金型部から10μm以
上、30μm以下の範囲で間隔をあけて、切削を行うの
ので、間隔を10μm以上とすることで、第2の面の切
削時に発生する切削切り粉によって予め粗面化させた拡
散面形成用金型部を擦ってしまうことがなく、また30
μm以下することで、金型で成形された光学パネルの鏡
面の面積が狭くなるのを防止でき、この結果、光学パネ
ルの片側に配光させる割合が増加して、十分な光学特性
を得ることが可能となる。
【0079】また請求項13記載の発明は、請求項1又
は請求項3又は請求項8又は請求項9記載の効果に加え
て、鏡面形成用金型部となる第2の面を刃物で切削加工
する際に、刃物による1回の切込量が5μm以下となる
ように切削するので、1回の切削で発生する切削切り粉
の量が微量であるために、鏡面形成用金型部の切削時
に、切削切り粉によって粗面化させた拡散面形成用金型
部を擦るのを防止でき、従って、拡散面形成用金型部の
面粗度を確保できると共に、1回の切込量を5μm以下
に設定することで鏡面形状の精度を高めることができ、
形状の再現性の点で優位となり、より望ましい光学特性
の光学パネルを得ることが可能となる。
【0080】また請求項14記載の発明は、請求項1又
は請求項3又は請求項8又は請求項9記載の効果に加え
て、鏡面形成用金型部となる第2の面を刃物で切削加工
する際に、最終切込量の合計が10μm以上、30μm
以下の範囲となるように切削するので、最終切込量を1
0μm以上とすることで、一度粗面化させた凹凸を完全
に除去でき、また30μm以下とすることで、この金型
で成形される光学パネルにおいて、配光させたい方向と
逆方向に光が反射する割合が減少して、十分な配光特性
を得ることが可能となる。
【0081】また請求項15記載の発明は、請求項1〜
請求項15のいずれかに記載の製造方法を用いて製造さ
れた光学パネル用金型であるので、生産性に優れ、しか
も配光特性にも優れた光学パネルを得ることができる。
【0082】また請求項16記載の発明は、請求項15
記載の効果に加えて、金型型部ブロックの被切削面の表
面の材質が銅メッキからなるので、切削工具の長寿命化
を図ることができると共に、成形寿命に耐えることがで
きる長寿命の金型を得ることが可能となる。
【0083】また請求項17記載の発明は、請求項15
記載の効果に加えて、拡散面形成用金型部の面粗度がR
a0.66以上、1.5以下であることを特徴とする。
【0084】また請求項18記載の発明は、請求項17
記載の効果に加えて、拡散面形成用金型部の面形状の平
均アスペクト比を、光学パネルの必要な配光割合を得る
ことができる所定値以上に設定することを特徴とする。
【0085】また請求項19記載の発明は、請求項17
記載の効果に加えて、拡散面形成用金型部の面粗形状に
おいて、面粗さ中心から任意幅の基準値範囲を設定し、
基準値範囲を越えるポイント数の割合を所定割合以上と
することを特徴とする。
【0086】このように請求項17〜請求項19の構成
を採用することで、光学パネルの配光割合として必要な
所定値(例えば60.2%以上)を確保できるようにな
り、光学パネルのより有効な配光特性を得ることが可能
となる。
【0087】また請求項20記載の発明は、請求項15
記載の効果に加えて、拡散面形成用金型部の表面又は表
層を耐磨耗性を有する材料で構成するので、粗面化させ
た拡散面形成用金型部の成形による磨耗を防止できると
共に、金型の寿命を5倍〜20倍に伸ばすことが可能と
なる。
【0088】また請求項21記載の発明は、請求項20
記載の効果に加えて、拡散面形成用金型部の表面に、
0.1μm以上、0.5μm以下の厚みの保護コーティ
ングを被覆するので、拡散面形成用金型部の粗面形状を
保護コーティングで埋めてしまうことなく、拡散面形成
用金型部の面粗度を確保できると共に、拡散面形成用金
型部への耐磨耗性の付与と光学パネルの配光特性の確保
とを図ることが容易となる。
【0089】また請求項22記載の発明は、請求項21
記載の効果に加えて、保護コーティングがNiメッキで
あるので、保護コーティングを簡易的且つ均一に形成す
ることができ、製造工程の簡易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例の光学パネル用金型の
斜視図である。
【図2】同上の金型で成形された光学パネルの断面図で
ある。
【図3】図2のa部の拡大断面図である。
【図4】同上のプリズムアレイ面が全面鏡面の場合の光
線制御の説明図である。
【図5】同上のプリズムアレイ面が全面拡散面の場合の
光線制御の説明図である。
【図6】図3のb部の拡大断面図であり、プリズムアレ
イ面の略垂直面を拡散面とし、略傾斜面を鏡面とした場
合の光線制御の説明図である。
【図7】図6の光線制御の説明図である。
【図8】他の実施形態の光学パネルの断面図である。
【図9】同上のプリズム面状態と配光分布の関係を説明
する図である。
【図10】(a)は図3のb部における光線の反射状態
の説明図、(b)は屈折斜面を設けない場合の光線の反
射状態の説明図である。
【図11】同上のプリズムアレイ形状面を概略形状に加
工した状態の斜視図である。
【図12】(a)は同上のプリズムアレイ形状面の概略
形状を往復切削工具により形成する場合を図11のc方
向から見た図、(b)は図11のd方向から見た図であ
る。
【図13】(a)は同上のプリズムアレイ形状面の概略
形状を回転切削工具により形成する場合を図11のc方
向から見た図、(b)は図11のd方向から見た図であ
る。
【図14】同上の金型型部ブロックのプリズムアレイ形
状面の第1の面にブラスト加工を施す場合の説明図であ
る。
【図15】同上の金型型部ブロックのプリズムアレイ形
状面の第2の面に鏡面加工を施す場合の一例の説明図で
ある。
【図16】同上の金型型部ブロックのプリズムアレイ形
状面の第2の面に鏡面加工を施す場合の他例の説明図で
ある。
【図17】他の実施形態の断面図である。
【図18】同上のブラスト加工における粒子の衝突方向
の説明図である。
【図19】同上のブラスト加工後の拡散面形状の説明図
である。
【図20】更に他の実施形態の断面図である。
【図21】更に他の実施形態の断面図である。
【図22】更に他の実施形態の断面図である。
【図23】更に他の実施形態の断面図である。
【図24】更に他の実施形態の断面図である。
【図25】更に他の実施形態の断面図である。
【図26】図25の矢印F方向から見た図である。
【図27】更に他の実施形態の断面図である。
【図28】(a)(b)は同上の刃物のオフセット量と
光学パネルの配光効率の関係を説明する概略側面図であ
る。
【図29】更に他の実施形態の断面図である。
【図30】更に他の実施形態の断面図である。
【図31】更に他の実施形態の断面図である。
【図32】(a)(b)は同上の刃物のオフセット量と
光学パネルの配光効率の関係を説明する概略側面図であ
る。
【図33】更に他の実施形態における配光割合と面粗度
との関係を示すグラフである。
【図34】更に他の実施形態における配光割合と平均ア
スペクト比との関係を示すグラフである。
【図35】更に他の実施形態におけるスキャン距離と面
高さとの関係を示すグラフである。
【図36】同上の平均アスペクト比の説明図である。
【図37】更に他の実施形態における面粗度のデータを
示すグラフである。
【図38】更に他の実施形態における配光割合と基準値
範囲を越えるポイント割合との関係を示すグラフであ
る。
【図39】従来のOHPの概略構成図である。
【図40】従来のフレネルレンズの断面図である。
【図41】(a)〜(d)は従来のフレネルレンズを成
形するための金型の製造工程図である。
【符号の説明】
1 光学パネル 2 鏡面 3 拡散面 4 プリズムアレイ面 5 高硬度コーティング 6 切削工具 7 刃物 7a 切削面 9 パネル面 11 光学パネル用金型 12 鏡面形成用金型部 12a 第2の面 13 拡散面形成用金型部 13a 第1の面 14 プリズムアレイ形状面 L 最終切込量 M 間隔(オフセット量) N 1回の切込量 X 上限値 Y 下限値 Z 基準値範囲

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡面と拡散面とを有するプリズム形状に
    よって光方向を制御することができる光学パネルを成形
    するための光学パネル用金型の製造方法において、光学
    パネル用金型に、拡散面を形成するための拡散面形成用
    金型部と、鏡面を形成するための鏡面形成用金型部とを
    形成するにあたって、先ず拡散面形成用金型部を形成す
    るための第1の面に、形成しようとする拡散面形成用金
    型部の概略形状を形成し、鏡面形成用金型部を形成する
    ための第2の面に、形成しようとする鏡面形成用金型部
    の概略形状を形成し、その後、第1の面にブラスト加工
    を施して拡散面形成用金型部を形成し、その後、第2の
    面を鏡面加工して鏡面形成用金型部を形成することを特
    徴とする光学パネル用金型の製造方法。
  2. 【請求項2】 鏡面と拡散面とを有するプリズム形状に
    よって光方向を制御することができる光学パネルを成形
    するための光学パネル用金型の製造方法において、光学
    パネル用金型に、拡散面を形成するための拡散面形成用
    金型部と、鏡面を形成するための鏡面形成用金型部とを
    形成するにあたって、先ず拡散面形成用金型部を形成す
    るための第1の面に、形成しようとする拡散面形成用金
    型部の概略形状を形成し、鏡面形成用金型部を形成する
    ための第2の面に、形成しようとする鏡面形成用金型部
    の概略形状を形成し、且つこの概略形状の第1の面及び
    第2の面を有するプリズムアレイ形状面の全面に鏡面加
    工を施した後に、最終的に鏡面形成用金型部として残す
    べき第2の面のみに高硬度コーティングを被覆し、その
    後、プリズムアレイ形状面にブラスト加工を施すことに
    より、高硬度コーティングを被覆していない第1の面の
    みに拡散面形成用金型部を形成することを特徴とする光
    学パネル用金型の製造方法。
  3. 【請求項3】 鏡面と拡散面とを有するプリズム形状に
    よって光方向を制御することができる光学パネルを成形
    するための光学パネル用金型の製造方法において、光学
    パネル用金型に、拡散面を形成するための拡散面形成用
    金型部と、鏡面を形成するための鏡面形成用金型部とを
    形成するにあたって、先ず切削工具によって拡散面形成
    用金型部を形成するための第1の面に、形成しようとす
    る拡散面形成用金型部の概略形状を形成し、且つ鏡面形
    成用金型部を形成するための第2の面に、形成しようと
    する鏡面形成用金型部の概略形状を形成した後、また
    は、第1の面及び第2の面を概略形状に切削加工する途
    中のいずれかにおいて、刃物の切削面が拡散面形状とな
    っている切削工具により第1の面を切削加工して拡散面
    形成用金型部を形成し、その後、第2の面を鏡面加工し
    て鏡面形成用金型部を形成することを特徴とする光学パ
    ネル用金型の製造方法。
  4. 【請求項4】 刃物の切削面が拡散面形状となっている
    切削工具として超硬バイトを用いることを特徴とする請
    求項3記載の光学パネル用金型の製造方法。
  5. 【請求項5】 刃物の切削面が拡散面形状となっている
    切削工具として焼結ダイヤモンドバイトを用いることを
    特徴とする請求項3記載の光学パネル用金型の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 第1の面の切削加工と第2の面の鏡面加
    工とを焼結ダイヤモンドバイトにて同時に行うことを特
    徴とする請求項5記載の光学パネル用金型の製造方法。
  7. 【請求項7】 鏡面と拡散面とを有するプリズム形状に
    よって光方向を制御することができる光学パネルを成形
    するための光学パネル用金型の製造方法において、光学
    パネル用金型に、拡散面を形成するための拡散面形成用
    金型部と、鏡面を形成するための鏡面形成用金型部とを
    形成するにあたって、先ず拡散面形成用金型部を形成す
    るための第1の面に、形成しようとする拡散面形成用金
    型部の概略形状を形成し、鏡面形成用金型部を形成する
    ための第2の面に、形成しようとする鏡面形成用金型部
    の概略形状を形成し、且つこの概略形状の第1の面及び
    第2の面を有するプリズムアレイ形状面の全面に鏡面加
    工を施した後に、切削用ダイヤモンドバイトを微小ピッ
    チずつ送り移動して第1の面を切削加工して拡散面形成
    用金型部を形成することを特徴とする光学パネル用金型
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 鏡面と拡散面とを有するプリズム形状に
    よって光方向を制御することができる光学パネルを成形
    するための光学パネル用金型の製造方法において、光学
    パネル用金型に、拡散面を形成するための拡散面形成用
    金型部と、鏡面を形成するための鏡面形成用金型部とを
    形成するにあたって、先ず放電加工によって拡散面形成
    用金型部を形成するための第1の面に、形成しようとす
    る拡散面形成用金型部の概略形状を形成し、鏡面形成用
    金型部を形成するための第2の面に、形成しようとする
    鏡面形成用金型部の概略形状を形成すると同時に、概略
    形状の第1の面及び第2の面を有するプリズムアレイ形
    状面を拡散形状に加工することにより、第1の面に拡散
    面形成用金型部を形成し、その後、第2の面を鏡面加工
    して鏡面形成用金型部を形成することを特徴とする光学
    パネル用金型の製造方法。
  9. 【請求項9】 鏡面と拡散面とを有するプリズム形状に
    よって光方向を制御することができる光学パネルを成形
    するための光学パネル用金型の製造方法において、光学
    パネル用金型に、拡散面を形成するための拡散面形成用
    金型部と、鏡面を形成するための鏡面形成用金型部とを
    形成するにあたって、先ず振動切削加工によって拡散面
    形成用金型部を形成するための第1の面に、形成しよう
    とする拡散面形成用金型部の概略形状を形成し、鏡面形
    成用金型部を形成するための第2の面に、形成しようと
    する鏡面形成用金型部の概略形状を形成し、その後、概
    略形状の第2の面のみを鏡面加工して鏡面形成用金型部
    を形成することを特徴とする光学パネル用金型の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 鏡面形成用金型部の形成を単結晶ダイ
    ヤモンド工具による切削加工により行うことを特徴とす
    る請求項1〜請求項9のいずれかに記載の光学パネル用
    金型の製造方法。
  11. 【請求項11】 鏡面形成用金型部の形成を成形ダイヤ
    モンド工具によるバニシング加工により行うことを特徴
    とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の光学パネ
    ル用金型の製造方法。
  12. 【請求項12】 鏡面形成用金型部となる第2の面を刃
    物で切削加工する際に、刃物を拡散面形成用金型部から
    10μm以上、30μm以下の範囲で間隔をあけて、切
    削を行うことを特徴とする請求項1又は請求項3又は請
    求項8又は請求項9記載の光学パネル用金型の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 鏡面形成用金型部となる第2の面を刃
    物で切削加工する際に、刃物による1回の切込量が5μ
    m以下となるように切削することを特徴とする請求項1
    又は請求項3又は請求項8又は請求項9記載の光学パネ
    ル用金型の製造方法。
  14. 【請求項14】 鏡面形成用金型部となる第2の面を刃
    物で切削加工する際に、最終切込量の合計が10μm以
    上、30μm以下の範囲となるように切削することを特
    徴とする請求項1又は請求項3又は請求項8又は請求項
    9記載の光学パネル用金型の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜請求項15のいずれかに記
    載の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする光学
    パネル用金型。
  16. 【請求項16】 金型型部ブロックの被切削面の表面の
    材質が銅メッキからなることを特徴とする請求項15記
    載の光学パネル用金型。
  17. 【請求項17】 拡散面形成用金型部の面粗度がRa
    0.66以上、1.5以下であることを特徴とする請求
    項15記載の光学パネル用金型。
  18. 【請求項18】 拡散面形成用金型部の面形状の平均ア
    スペクト比を、光学パネルの必要な配光割合を得ること
    ができる所定値以上に設定したことを特徴とする請求項
    17記載の光学パネル用金型。
  19. 【請求項19】 拡散面形成用金型部の面粗形状におい
    て、面粗さ中心から任意幅の基準値範囲を設定し、基準
    値範囲を越えるポイント数の割合を所定割合以上とした
    ことを特徴とする請求項17記載の光学パネル用金型。
  20. 【請求項20】 拡散面形成用金型部の表面又は表層を
    耐磨耗性を有する材料で構成したことを特徴とする請求
    項15記載の光学パネル用金型。
  21. 【請求項21】 拡散面形成用金型部の表面に、0.1
    μm以上、0.5μm以下の厚みの保護コーティングを
    被覆してなることを特徴とする請求項20記載の光学パ
    ネル用金型。
  22. 【請求項22】 保護コーティングがNiメッキである
    ことを特徴とする請求項21記載の光学パネル用金型。
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