JP2001068205A - パネル取り付けコネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パッキンがフランジから脱落するがことない
パネル取り付けコネクタを提供する。 【解決手段】 両ハウジング構成体３０，３１を組み付
けると、各ハウジング構成体３０，３１に形成した両フ
ランジ３４，５２が重ね合わされ、それらの間に、パッ
キン６３から延設された係止片６４が挟まれる。これに
より、パッキン６３がアルミフランジ５２から脱落する
がことなくなり、コネクタをパネル（シールド壁６０）
に取り付ける作業が容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パネル取り付けコ
ネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、パネル取り付けコネクタは、コ
ネクタハウジングの側面から張り出させたフランジにパ
ッキンを敷設して備え、そのフランジとパネルに形成し
たコネクタ取付孔の開口縁との間でパッキンを挟むよう
にして取り付けられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したパ
ネル取り付けコネクタでは、パネルに取り付ける際にパ
ッキンがフランジから脱落してしまうことがあり、取り
付け作業が困難であった。

【０００４】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、パッキンがフランジから脱落することがないパネル
取り付けコネクタの提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明に係るパ
ネル取り付けコネクタは、相互に組み付けられてコネク
タハウジングを構成する一対のハウジング構成体と、両
ハウジング構成体を組み付け状態に保持するハウジング
係合手段と、一方のハウジング構成体から側方に張り出
された第１フランジと、他方のハウジング構成体から側
方に向けて、第１フランジより低く張り出され、第１フ
ランジに重ね合わされた第２フランジと、第２フランジ
の外側を囲むようにして第１フランジに敷設されたパッ
キンと、パッキンから内側に延設されて、第１フランジ
と第２フランジとの間に挟まれた係止片とを備え、第１
フランジは、パネルに形成したコネクタ取付孔の開口縁
に、パッキンを押し付けられて取り付けられるところに
特徴を有する。

【０００６】請求項２の発明は、請求項１記載のものに
おいて、両ハウジング構成体には、相互に当接して両フ
ランジの間に隙間が空くように、両ハウジング構成体を
位置決めする突き当て部が設けられ、隙間に係止片が収
められているところに特徴を有する。

【０００７】

【発明の作用及び効果】＜請求項１の発明＞請求項１の
構成によれば、両ハウジング構成体を組み付けると、第
１及び第２のフランジが重ね合わされて、それらの間
に、パッキンから延設された係止片が挟まれる。これに
より、パッキンがコネクタから脱落するがことなくな
り、コネクタをパネルに取り付ける作業が容易になる。

【０００８】＜請求項２の発明＞請求項２の構成によれ
ば、両フランジの間の隙間は、突き当て部同士の当接に
よって常に間隔が一定となるから、そこに収められた係
止片は、過度に押し潰されることがなくなる。これによ
り、パッキン本体が強く引っ張られて防水性が低下する
ような事態が防がれると共に、両ハウジング構成体は、
係止片の変形量の影響を受けずに、突き当て部同士の当
接によって正確に位置決めされる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図１〜図７を参照して説明する。この実施形態のパ
ネル取り付けコネクタ（以下、単に「コネクタ」とい
う）は、電気機器に備えたシールド壁６０（本発明のパ
ネルに相当する）に取り付けられて、端子金具をシール
ドするタイプのものであり、図１に示すように、第１ハ
ウジング構成体３０と第２ハウジング構成体３１とを組
み付けてなる。

【００１０】第１ハウジング構成体３０は、全体が図２
の左下側に示されており、絶縁樹脂製であって、断面が
長円形状でかつ軸方向に扁平となった基部３２の一端面
から一対の円筒部３３，３３を並行して延ばして備え
る。そして、各円筒部３３，３３と基部３２とにキャビ
ティ３５，３５が貫通形成され、そこに雄端子金具３６
がそれぞれ収容されている（図１参照）。

【００１１】一方、第２ハウジング構成体３１は、全体
が図２の右上側に示されており、アルミダイキャスト製
であって導電性を備え、構造は以下のようになってい
る。即ち、断面が長円形状をなして延びる主体部５１の
一端に、横長の長方形状をなすアルミフランジ５２を備
えると共に、アルミフランジ５２から主体部５１の軸方
向の途中部分まで陥没した凹所５２Ａを備える。そし
て、この凹所５２Ａ内に前記第１ハウジング構成体３０
の基部３２が嵌合されている（図１参照）。

【００１２】主体部５１には、各キャビティ３５，３５
に対応した一対の連通孔５３，５３が前後方向に貫通形
成され、その一端が前記凹所５２Ａの奥面に開放してい
る。そして、図１に示すように、雄端子金具３６に備え
たタブ３８が基部３２の前面から連通孔５３の内部に突
出し、もって、連通孔５３の周壁が相手コネクタ（図示
せず）を待ち受けるフード部５４を構成している。

【００１３】また、フード部５４の内周面の途中部分に
は、図１に示すように、突条５６が内側に突出形成さ
れ、この突条５６と第１ハウジング構成体３０との間
に、コンタクト５５が組み込まれている。このコンタク
ト５５は、円筒状の金属板の中間部分を複数の帯に分割
して内側に膨出させた構造をなしている。また、主体部
５１のうち図２の上方を向いた上面には、相手側コネク
タ（図示せず）に備えたロックアームに係合するロック
突部５８が設けられている。

【００１４】アルミフランジ５２には、図２に示すよう
に、その四隅に４つのボルト孔５９が貫通形成されてい
る。そして、アルミフランジ５２がシールド壁６０に形
成されたコネクタ取付孔６１の周縁に突き当てられた状
態とされて、前記ボルト孔５９にボルト（図示せず）が
通され、シールド壁６０にネジ止めされる。

【００１５】さて、アルミフランジ５２のうちシールド
壁６０との突き合わせ面５２Ｂには、その内縁側をシー
ルド壁６０から離れる側に陥没させて環状溝６２が形成
されている。そして、図１に示すように、この環状溝６
２の奥壁のうち内縁側に、前記第１ハウジング構成体３
０に備えた樹脂フランジ３４が突き合わされ、その樹脂
フランジ３４の外側にパッキン６３が敷設されている。
また、環状溝６２の奥壁のうち樹脂フランジ３４との対
向分部には、樹脂フランジ３４に向かって突き当て突条
７０が突出している。この突き当て突条７０は、部分的
に途切れており（図６参照）、その途切れた部分には、
両フランジ３４，５２に挟まれた隙間７１が形成され、
ここに次述の係止片６４が収容される。

【００１６】パッキン６３は、図７に詳細が示されてお
り、図７（Ａ）にけるパッキン６３の上部及び下部の内
周面には、互いに接近するよう係止片６４，６４が張り
出されている。これら係止片６４は、パッキン６３の内
周面のうちアルミフランジ５２側に偏在されて（図６、
図７（Ｂ）参照）、前記突き当て突条７０が途切れた部
分の隙間７１に収められている。

【００１７】両ハウジング構成体３０，３１は、図６に
示すように、第２ハウジング構成体３１から後方に向け
て突出させた一対のピン６５，６６を、第１ハウジング
構成体３０に形成した一対の圧入孔６７，６８に圧入す
ることで、位置決めされかつ抜け止めされている。

【００１８】次に、本実施形態の作用について説明す
る。本実施形態のコネクタを組み付けるには、例えば、
第２ハウジング構成体３１の凹所５２Ａを上方に向け、
凹所５２Ａの奥側で開放する各連通孔５３，５３内にコ
ンタクト５５，５５を収容すると共に、凹所５２Ａの周
縁の環状溝６２にパッキン６３を敷設する。ここで、パ
ッキン６３は、係止片６４を凹所５２Ａの奥面うち突き
当て突条７０が途切れた部分に敷設させる。

【００１９】次いで、凹所５２Ａに第１ハウジング構成
体３０の基部３２を宛い、両ピン６５，６６と両圧入孔
６７，６８とを対面させつつ、両ハウジング構成体３
０，３１同士を強く押しつける。これにより、各ピン６
５，６６が各圧入孔６７，６８に進入していき、やが
て、図５に示すように、突き当て突条７０と樹脂フラン
ジ３４とが相互に当接し、ハウジング構成体３０，３１
同士の組み付けが完了する。すると、図６に示すよう
に、係止片６４は、両フランジ３４，５２の間の隙間７
１に収まって両フランジ３４，５２に挟まれる。そし
て、各ピン６５，６６と各圧入孔６７，６８との圧入嵌
合によって、両ハウジング構成体３０，３１が組み付け
状態に保持される。

【００２０】コネクタを、シールド壁６０に取り付ける
には、シールド壁６０に形成したコネクタ取付孔６１内
に、コネクタの後端部分（円筒部３３）を差し込み、コ
ネクタ取付孔６１の周縁部にアルミフランジ５２を突き
当てる。このとき、パッキン６３は、その一部（係止片
６４）が両フランジ３４，５２の間に挟まれてコネクタ
から脱落することがないから、取り付け作業を容易に行
える。

【００２１】そして、アルミフランジ５２に形成したボ
ルト孔５９にボルトを通して、シールド壁６０に形成し
た図示しないネジ部に螺合させる。すると、アルミフラ
ンジ５２がシールド壁６０に押しつけられて、アルミフ
ランジ５２の外縁部がシールド壁６０に密着して導通接
続され、このハウジング構成体３１が、雄端子金具３６
の周りを包囲してシールドするシールドシェルの役割を
果たす。

【００２２】アルミフランジ５２がシールド壁６０に押
しつけられると、パッキン６３が所定量だけ押しつぶさ
れて、シールド壁６０とコネクタとの間の防水が図られ
る。ここで、アルミフランジ５２は、これを合成樹脂製
で形成したものに比べて、強度及び耐熱性が高いから、
熱や応力を受けた場合でもアルミフランジ５２の変形は
少ない。これにより、パッキン６３とシールド壁６０と
が安定して相互に押し付けられ、防水の信頼性が高くな
る。

【００２３】このように本実施形態のコネクタによれ
ば、両ハウジング構成体３０，３１に備えたフランジ３
４，５２の間に、パッキン６３から延設された係止片６
４が挟まれてパッキン６３の脱落が防がれ、コネクタを
シールド壁６０に取り付ける作業が容易になる。しか
も、係止片６４が収められた両フランジ３４，５２の間
の隙間７１は、突き当て突条７０と樹脂フランジ３４と
の当接によって常に間隔が一定となるから、そこに収め
られた係止片６４は、過度に押し潰されることがなくな
る。これにより、パッキン本体が強く引っ張られて防水
性が低下するような事態が防がれると共に、両ハウジン
グ構成体３０，３１は、係止片６４の変形量の影響を受
けずに、正確に位置決めされる。

【００２４】＜他の実施形態＞本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。 （１）本発明に係る係止片は、前記実施形態の形状に限
られるものではなく、例えば、図８に示すように、パッ
キン８１のうち両側の湾曲部分８２，８２から内側に向
けて係止片８０，８０を張り出させ、それら係止片８０
が全体として円弧状をなすものであってもよい。

【００２５】（２）また、図９に示すように、パッキン
８４の内周面の全周に亘って係止片８３を形成してもよ
い。

【００２６】（３）前記実施形態において、本発明の突
き当て部（突き当て突条７０）は、アルミフランジ５２
に設けられて、樹脂フランジ３４と相互に当接する構成
であったが、例えば、前記実施形態において、第１ハウ
ジング構成体３０の基部３２の前面と、凹所５２Ａの奥
面とを本発明に係る突き当て部とし、これらの相互の当
接によって両フランジ３４，５２間に隙間が空くように
両ハウジング構成体が位置決めされる構成としてもよ
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るコネクタの側断面図

【図２】同じくコネクタの分解斜視図

【図３】同じくコネクタの正面図

【図４】同じくコネクタの背面図

【図５】図３のＡ−Ａ切断面における側断面図

【図６】図３のＢ−Ｂ切断面における側断面図

【図７】（Ａ）パッキンの正面図 （Ｂ）そのＣ−Ｃ切断面における断面図

【図８】（Ａ）変形例１のパッキンの正面図 （Ｂ）そのＤ−Ｄ切断面における断面図

【図９】（Ａ）変形例２のパッキンの正面図 （Ｂ）そのＥ−Ｅ切断面における断面図

【符号の説明】

３０…第１ハウジング構成体 ３１…第２ハウジング構成体 ３４…樹脂フランジ（第２フランジ、突き当て部） ５２…アルミフランジ（第１フランジ） ６０…シールド壁（パネル） ６３，８０，８１，８４…パッキン ６４，８０，８３…係止片 ６５，６６…ピン（ハウジング係合手段） ６７，６８…圧入孔（ハウジング係合手段） ７０…突き当て突条（突き当て部） ７１…隙間

フロントページの続き (72)発明者 宮崎 正 愛知県名古屋市南区菊住一丁目７番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 Ｆターム(参考） 5E087 EE02 EE11 FF02 FF13 GG13 GG14 HH01 HH02 JJ05 LL04 LL13 MM08 MM09 PP09 RR12 RR25 RR36

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 相互に組み付けられてコネクタハウジン
   グを構成する一対のハウジング構成体と、 前記両ハウジング構成体を組み付け状態に保持するハウ
   ジング係合手段と、 一方の前記ハウジング構成体から側方に張り出された第
   １フランジと、 他方の前記ハウジング構成体から側方に向けて、前記第
   １フランジより低く張り出され、前記第１フランジに重
   ね合わされた第２フランジと、 前記第２フランジの外側を囲むようにして前記第１フラ
   ンジに敷設されたパッキンと、 前記パッキンから内側に延設されて、前記第１フランジ
   と前記第２フランジとの間に挟まれた係止片とを備え、 前記第１フランジは、パネルに形成したコネクタ取付孔
   の開口縁に、前記パッキンを押し付けて取り付けられる
   ことを特徴とするパネル取り付けコネクタ。
2. 【請求項２】 前記両ハウジング構成体には、相互に当
   接して前記両フランジの間に隙間が空くように前記両ハ
   ウジング構成体を位置決めする突き当て部が設けられ、
   前記隙間に前記係止片が収められていることを特徴とす
   る請求項１記載のパネル取り付けコネクタ。