JP2001060822A - マイクロストリップアンテナ - Google Patents

マイクロストリップアンテナ

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JP2001060822A
JP2001060822A JP11233949A JP23394999A JP2001060822A JP 2001060822 A JP2001060822 A JP 2001060822A JP 11233949 A JP11233949 A JP 11233949A JP 23394999 A JP23394999 A JP 23394999A JP 2001060822 A JP2001060822 A JP 2001060822A
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microstrip antenna
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JP11233949A
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Tokumasa Ishitobi
徳昌 石飛
Hideaki Shimoda
秀昭 下田
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TDK Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q9/00Electrically-short antennas having dimensions not more than twice the operating wavelength and consisting of conductive active radiating elements
    • H01Q9/04Resonant antennas
    • H01Q9/0407Substantially flat resonant element parallel to ground plane, e.g. patch antenna
    • H01Q9/0442Substantially flat resonant element parallel to ground plane, e.g. patch antenna with particular tuning means
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/36Structural form of radiating elements, e.g. cone, spiral, umbrella; Particular materials used therewith
    • H01Q1/38Structural form of radiating elements, e.g. cone, spiral, umbrella; Particular materials used therewith formed by a conductive layer on an insulating support

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  • Waveguide Aerials (AREA)
  • Details Of Aerials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストでかつ小型化を図ることのできるマ
イクロストリップアンテナを提供する。 【解決手段】 誘電体層を介して互いに対向するように
支持された接地電極とパッチ電極とを備えており、パッ
チ電極は、電流の流れる方向に沿った始端部及び終端部
の幅が大きく、中央部の幅がこれより小さいリアクタン
ス装荷パターンを有しており、リアクタンス装荷パター
ンの各内角縁部が連続する滑らかな曲線で構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、携帯電話
機や移動端末等の内蔵アンテナとして用いられるマイク
ロストリップアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話機やGPS等の移動端末に内蔵
されるマイクロストリップアンテナとして、代表的なも
のがλ/2パッチアンテナである。ただし、λは使用周
波数における波長を表している。
【0003】このアンテナは、一辺の長さが約λ/2の
矩形又は円形の導体パターン(パッチパターン)を一方
の面に有し、他方の面に接地導体が設けられた誘電体基
板から主として構成されている。
【0004】このようなパッチアンテナの帯域幅BW
は、 BW=(1/Q)+(1/Q)+(1/Q)=1
/Q で与えられ、効率ηは、 η=Q/Q=1/(BWQ) で与えられる。ただし、Qは導体損失に起因するQ、
は誘電体損失に起因するQ、Qは放射損失に起因
するQ、Qはアンテナ全体の損失に起因するQであ
る。
【0005】上式から明らかのように、アンテナの帯域
幅BWを大きくするためには、Qを小さくすることが
必要であり、アンテナの効率ηを高くするためには、Q
をQ及びQに比べて小さくすることが必要であ
る。
【0006】図1は、これらパラメータの一般的な性質
を示す図であり、縦軸はQ、横軸は矩形形状のパッチパ
ターンの幅b、円形状のパッチパターンの直径D、基板
厚さh、基板の誘電体による短縮率1/√ε等のアン
テナの大きさを表すパラメータの対数を表している。
【0007】同図から分かるように、この種のパッチア
ンテナでは、誘電体損失に起因するQは、他の損失に
起因するQよりも十分大きい。従って、このQがアン
テナの効率を向上させるために寄与することはほとんど
ない。導体損失に起因するQ はアンテナの大きさに応
じて大きくなり、逆に、放射損失に起因するQはアン
テナの大きさに応じて小さくなる。
【0008】図1の中央部分のQ=Qとなる点で
は、Q≫Q、Qとすれば、アンテナ効率η=50
%となる。この点からアンテナの小型化を進めていく
と、即ち図1において横軸を左方向に進めていくと、ア
ンテナ全体のQはQに近付いていく。即ち、 BW≒1/Q η≒Q/Q となる。
【0009】従って、アンテナの大きさを小さくした場
合、アンテナの帯域幅BW及び効率ηは、導体損失に起
因するQによって決まってしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、導体損
失を低減してこれに起因するQを向上させることは、
図1から明らかのように、アンテナの小型化と相反する
こととなってしまう。
【0011】従って本発明の目的は、小型化を図りなが
らアンテナの効率η及び帯域幅BWの向上を行うことの
できるマイクロストリップアンテナを提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、誘電体
層を介して互いに対向するように支持された接地電極と
パッチ電極とを備えており、パッチ電極は、電流の流れ
る方向に沿った始端部及び終端部の幅が大きく、中央部
の幅がこれより小さいリアクタンス装荷パターンを有し
ており、リアクタンス装荷パターンの各内角縁部が連続
する滑らかな曲線で構成されているマイクロストリップ
アンテナが提供される。
【0013】パッチパターンとして、電流の流れる方向
に沿った始端部及び終端部が大きな幅を有しており、中
央部が小さな幅を有するように構成している。端部で
は、幅を広くすることにより、磁界集中が減るのでその
部分のインダクタンスが低下し、また、面積が大きくな
るのでその部分のキャパシタンスが増大する。逆に、中
央部では、幅を狭くすることにより、磁界が集中してそ
の部分のインダクタンスが増大し、また、面積が小さく
なるのでその部分のキャパシタンスが低下する。このよ
うに、電位の高い端部をよりキャパシティブとし、電位
の低い中央部をよりインダクティブとすることにより、
共振周波数が低下する。その結果、マイクロストリップ
アンテナの寸法がより小型化される。このような小型化
を図ると、幅の狭い中央部と幅の広い両端部との接合部
で電流の集中が生じて導体損失が大きくなるが、本発明
のごとく、パターンの各内角縁部を連続する滑らかな曲
線で構成することにより、その部分における電流の流れ
がスムーズとなり、パターンの大型化を招くことなく、
導体損失を低減できるからこれに起因するQを高める
ことができる。その結果、小型化を図りながらアンテナ
の効率η及び帯域幅BWの向上を図ることができる。
【0014】誘電体層に空気層を用いれば、誘電体材料
が全く不要であるため、製造コストを大幅に低減するこ
とができる。また、誘電体基板を用いる場合は、接地電
極が誘電体基板の裏面に形成され、パッチ電極が誘電体
基板の表面に形成される。この場合も、誘電体基板に高
価な誘電体材料を用いる必要がなく低コストの一般的な
誘電体材料を使用するのみでよいので、製造コストを低
く抑えられる。
【0015】リアクタンス装荷パターンが、電流の流れ
る方向に沿った軸線について線対称形状を有しているこ
とが好ましい。
【0016】この場合、リアクタンス装荷パターンの始
端部及び終端部が、それぞれ矩形形状であるか又は円形
若しくは長円形状であるかもしれない。
【0017】リアクタンス装荷パターンが、パッチ電極
の中心点について点対称形状を有していることも好まし
い。
【0018】この場合、リアクタンス装荷パターンが、
単一の略S字形状であるか、互いに直交する2つの略S
字形状から構成されるか、又は直交する略十字形状で構
成されているかもしれない。
【0019】リアクタンス装荷パターンの各外角縁部も
連続する滑らかな曲線で構成されていることも好まし
い。
【0020】
【発明の実施の形態】図2は本発明のマイクロストリッ
プアンテナの一実施形態における構成を概略的に示す斜
視図であり、図3はそのパッチパターンを示す平面図で
ある。
【0021】これらの図において、20は誘電体基板、
21は誘電体基板20の裏面の全面形成された接地電
極、22は誘電体基板20の表面に形成されたパッチ電
極、23は給電端子をそれぞれ示している。
【0022】誘電体基板20は、一般的な誘電体材料、
例えば比誘電率がε=38程度の高周波用セラミック
誘電体材料で形成されている。
【0023】接地電極21及びパッチ電極22は、誘電
体基板20の裏面及び表面に、銅、銀等の金属導体層を
パターニングしてそれぞれ形成されている。具体的に
は、例えば銀等の金属ペーストをパターン印刷して焼き
付けるか、金属パターン層をめっきで形成するか、又は
薄い金属膜をエッチングによりパターニングする等の方
法が適用される。
【0024】給電端子23は、電流の流れる方向24に
沿った軸線上の任意の位置(中心点を除く)でパッチ電
極22に接続されている。
【0025】パッチ電極22のパッチパターンは、本実
施形態では、電流の流れる方向24に沿った軸線25に
対して線対称の形状を有している。電流の流れる方向2
4に沿った始端部22a及び終端部22bは大きな幅
(電流の流れる方向と直交する方向の長さ)を有する矩
形形状に形成されており、中央部22cはこれより小さ
な幅を有する形状に形成されている。本実施形態では、
特に、この中央部22cと端部22a及び22bとの接
合部における各内角縁部26a〜26dが連続する滑ら
かな曲線で構成されている。即ち、その部分の内角パタ
ーンが丸められている。
【0026】始端部22a及び終端部22bの幅は、λ
/2未満としている。中央部22cの幅は、製造上許さ
れる範囲でできるだけ小さくすることがより小型化を図
る点で好ましい。また、本実施形態では、始端部22a
及び終端部22bの長さをそれぞれ約λ/8とし、中央
部22cの長さを約λ/4としているが、これに限定さ
れるものではない。
【0027】なお、始端部22a及び終端部22bの形
状は、矩形形状に限定されるものではなく、三角形状、
多角形状又は台形形状であってもよいし、その他の形状
であってもよい。
【0028】始端部22a及び終端部22bで幅を広く
することにより、磁界集中が減るのでその部分のインダ
クタンスが低下し、また、面積が大きくなるのでその部
分のキャパシタンスが増大する。逆に、中央部22cで
幅を狭くすることにより、磁界が集中してその部分のイ
ンダクタンスが増大し、また、面積が小さくなるのでそ
の部分のキャパシタンスが低下する。このように、電位
の高い両端部22a及び22bをよりキャパシティブと
し、電位の低い中央部22cをよりインダクティブとす
ることにより、共振周波数が低下させ、マイクロストリ
ップアンテナ全体の寸法をより小型化させている。しか
も、誘電体基板20として、高価な誘電体材料を用いる
必要がなく、低コストの一般的な誘電体材料を使用する
のみでよいため、全体の製造コストも低く抑えられる。
特に、本実施形態では、パッチパターンにおける各内角
縁部26a〜26dが連続する滑らかな曲線で構成され
ているので、この部分での電流集中による損失増加がか
なり抑えられ、パターンの大型化を招くことなく導体損
失を低減できこれに起因するQを高めることができ
る。その結果、小型化を図りながらアンテナの効率η及
び帯域幅BWの向上を期待することができる。
【0029】図4は本発明のマイクロストリップアンテ
ナの他の実施形態におけるパッチパターンを示す平面図
である。
【0030】同図に示すように、本実施形態において
は、パッチ電極42のパッチパターンは、電流の流れる
方向44に沿った軸線45に対して線対称の形状を有し
ており、始端部42a及び終端部42bは大きな幅(電
流の流れる方向と直交する方向の長さ)を有する矩形形
状に形成されており、中央部42cはこれより小さな幅
を有する形状に形成されている。本実施形態では、特
に、この中央部42cと端部42a及び42bとの接合
部における各内角縁部46a〜46dのみならず、端部
42a及び42bの各外角縁部46e〜46lも連続す
る滑らかな曲線で構成されている。即ち、その部分の内
角パターン及び外角パターンが丸められている。
【0031】給電端子43は、電流の流れる方向44に
沿った軸線上の任意の位置でパッチ電極42に接続され
ている。
【0032】本実施形態におけるその他の構成、変更態
様及び作用効果は、図2の実施形態の場合と全く同様で
ある。
【0033】なお、始端部42a及び終端部42bの形
状は、矩形形状に限定されるものではなく、三角形状、
多角形状又は台形形状であってもよいし、その他の形状
であってもよい。
【0034】図5は本発明のマイクロストリップアンテ
ナのさらに他の実施形態におけるパッチパターンを示す
平面図である。
【0035】同図に示すように、本実施形態において
は、パッチ電極52のパッチパターンは、電流の流れる
方向54に沿った軸線55に対して線対称の形状を有し
ており、始端部52a及び終端部52bは大きな幅(電
流の流れる方向と直交する方向の長さ)を有する長円形
状に形成されており、中央部52cはこれより小さな幅
を有する形状に形成されている。本実施形態では、特
に、この中央部52cと端部52a及び52bとの接合
部における各内角縁部56a〜56dが連続する滑らか
な曲線で構成されている。即ち、その部分の内角パター
ンが丸められている。
【0036】給電端子53は、電流の流れる方向54に
沿った軸線上の任意の位置でパッチ電極52に接続され
ている。
【0037】本実施形態におけるその他の構成、変更態
様及び作用効果は、図2の実施形態の場合と全く同様で
ある。
【0038】なお、始端部52a及び終端部52bの形
状は、長円形状に限定されるものではなく、円形形状で
あってもよいし、その他の形状であってもよい。
【0039】図6は本発明のマイクロストリップアンテ
ナのまたさらに他の実施形態におけるパッチパターンを
示す平面図である。
【0040】同図に示すように、本実施形態において、
パッチ電極62のパッチパターンは、中心線65に対し
て非線対称であるが、中心点67に対して点対称のS字
形状を有している。電流の流れる方向に沿った始端部6
2a及び終端部62bは大きな幅(電流の流れる方向と
直交する方向の長さ)を有する矩形形状に形成されてお
り、中央部62cはこれより小さな幅を有するストリッ
プ形状に形成されている。本実施形態では、特に、この
中央部62cと端部62a及び62bとの接合部におけ
る各内角縁部66a及び66bが連続する滑らかな曲線
で構成されている。即ち、その部分の内角パターンが丸
められている。
【0041】λ/2アンテナの場合、電極パターンが非
線対称形状であると、直交共振モードが励起されること
から交差偏波成分が出力されてしまう可能性がある。し
かしながら、本発明のマイクロストリップアンテナのご
とき小型のアンテナでは、交差偏波特性はさほど要求さ
れず、むしろ、本実施形態のように点対称のS字形状の
パッチパターンとすることにより、同じ面積内で、小さ
な幅を有する中央部62cの長さをより大きく取れ、さ
らに、始端部62a及び終端部62bの面積をより大き
く取ることができる。その結果、電位の低い中央部62
cのインダクタンスをさらに大きくし、電位の高い両端
部62a及び62bのキャパシタンスをさらに大きくす
ることにより、共振周波数をより低下させ、さらなる小
型化を図ることが可能である。特に、本実施形態では、
パッチパターンにおける各内角縁部66a及び66bが
連続する滑らかな曲線で構成されているので、この部分
での電流集中による抵抗増加がかなり抑えられ、パター
ンの大型化を招くことなく導体損失を低減できこれに起
因するQを高めることができる。その結果、小型化を
図りながらアンテナの効率η及び帯域幅BWの向上を期
待することができる。
【0042】本実施形態におけるその他の構成、変更態
様及び作用効果は、図2の実施形態の場合と全く同様で
ある。
【0043】図7は本発明のマイクロストリップアンテ
ナのさらに他の実施形態におけるパッチパターンを示す
平面図である。
【0044】同図に示すように、本実施形態において、
パッチ電極72のパッチパターンは、中心線75に対し
て非線対称であるが、中心点77に対して点対称のS字
形状を有している。電流の流れる方向に沿った始端部7
2a及び終端部72bは大きな幅(電流の流れる方向と
直交する方向の長さ)を有する矩形形状に形成されてお
り、中央部72cはこれより小さな幅を有するストリッ
プ形状に形成されている。本実施形態では、特に、この
中央部72cと端部72a及び72bとの接合部におけ
る各内角縁部76a及び76bのみならず、端部72a
及び72bの各外角縁部76c〜76jも連続する滑ら
かな曲線で構成されている。即ち、その部分の内角パタ
ーン及び外角パターンが丸められている。
【0045】λ/2アンテナの場合、電極パターンが非
線対称形状であると、直交共振モードが励起されること
から交差偏波成分が出力されてしまう可能性がある。し
かしながら、本発明のマイクロストリップアンテナのご
とき小型のアンテナでは、パッチパターンの軸対称性は
さほど要求されず、むしろ、本実施形態のように点対称
のS字形状のパッチパターンとすることにより、同じ面
積内で、小さな幅を有する中央部72cの長さをより大
きく取れ、さらに、始端部72a及び終端部72bの面
積をより大きく取ることができる。その結果、電位の低
い中央部72cのインダクタンスをさらに大きくし、電
位の高い両端部72a及び72bのキャパシタンスをさ
らに大きくすることにより、共振周波数をより低下さ
せ、さらなる小型化を図ることが可能である。特に、本
実施形態では、パッチパターンにおける各内角縁部76
a及び76b並びに各外角縁部76c〜76jが連続す
る滑らかな曲線で構成されているので、この部分での電
流集中による抵抗増加がかなり抑えられ、パターンの大
型化を招くことなく導体損失を低減できこれに起因する
を高めることができる。その結果、小型化を図りな
がらアンテナの効率η及び帯域幅BWの向上を期待する
ことができる。
【0046】本実施形態におけるその他の構成、変更態
様及び作用効果は、図2の実施形態の場合と全く同様で
ある。
【0047】図8は本発明のマイクロストリップアンテ
ナのまたさらに他の実施形態におけるパッチパターンを
示す平面図である。
【0048】同図に示すように、本実施形態において、
パッチ電極82のパッチパターンは、電流の流れる方向
84に沿った第1の中心線85a及びこの中心線85a
に直交する第2の中心線85bの方向にそれぞれ伸びる
略十字形状を有している。第1の共振モードの電流の流
れる方向84に沿った始端部82a及び終端部82bは
大きな幅(電流の流れる方向と直交する方向の長さ)を
有する台形形状に形成されており、中央部82cはこれ
より小さな幅を有するストリップ形状に形成されてい
る。また、第1の共振モードと直交する第2の共振モー
ドの電流の流れる方向に沿った始端部82d及び終端部
82eは大きな幅を有する台形形状に形成されており、
中央部82fはこれより小さな幅を有するストリップ形
状に形成されている。本実施形態では、特に、中央部8
2c及び82fと端部82a及び82b並びに端部82
d及び82eとの接合部における各内角縁部86a〜8
6dが連続する滑らかな曲線で構成されている。即ち、
その部分の内角パターンが丸められている。
【0049】本実施形態のパッチパターンは、2つのパ
ターンを互いに交差させて配置しているが、その際、直
交する2つの同じ周波数の共振モードを結合すべく、上
下左右の対称形状をわずかに崩した形状となっている。
具体的には、中央部82c及び82fにおける内角縁部
86a〜86dの形状が第1及び第2の中心線85a及
び85bに対して左右及び上下対称とならないように構
成している。これにより、直交する2つの共振モードを
結合させ、帯域を大幅に拡大させている。さらに、本実
施形態では、パッチパターンにおける各内角縁部86a
〜86dが連続する滑らかな曲線で構成されているの
で、この部分での電流集中による抵抗増加がかなり抑え
られ、パターンの大型化を招くことなく導体損失を低減
できこれに起因するQを高めることができる。その結
果、小型化を図りながらアンテナの効率η及び帯域幅B
Wの向上を期待することができる。
【0050】本実施形態では、対角線方向の内角縁部8
6a及び86dの曲線と、これと交差する対角線方向の
内角縁部86b及び86cの曲線とが互いに異なる曲率
半径を有するように構成して対称性を崩しているが、1
個所の内角縁部の曲線のみを他の内角縁部の曲線と異な
る形状としてもよい。また、曲線の曲率半径、即ち丸め
方を相違させる他に、切り込み又はスリットを入れるこ
とによって形状を相違させ対称性を崩すように構成して
もよいことは明らかである。
【0051】なお、始端部82a及び82d並びに終端
部82b及び82eの形状は、台形形状に限定されるも
のではなく、三角形状、矩形形状又は多角形状であって
もよいし、その他の形状であってもよい。
【0052】本実施形態におけるその他の構成、変更態
様及び作用効果は、図2の実施形態の場合と全く同様で
ある。
【0053】図9は本発明のマイクロストリップアンテ
ナのさらに他の実施形態におけるパッチパターンを示す
平面図である。
【0054】同図に示すように、本実施形態において、
パッチ電極92のパッチパターンは、第1の中心線95
a及びこの中心線95aに直交する第2の中心線95b
の方向にそれぞれ伸びる2つの略S字形状のパターンを
交差させた形状を有している。第1の中心線95aに沿
った始端部92a及び終端部92bは大きな幅(電流の
流れる方向と直交する方向の長さ)を有する矩形形状に
形成されており、これらをはるかに小さな幅を有するス
トリップ部92cで接続するように形成されている。ま
た、この中心線95aに直交する第2の中心線95bの
方向に沿った始端部92d及び終端部92eは大きな幅
を有する矩形形状に形成されており、これらをはるかに
小さな幅を有するストリップ部92fで接続するように
形成されている。本実施形態では、特に、ストリップ部
92c及び92fと端部92a及び92b並びに端部9
2d及び92eとの接合部における各内角縁部96a〜
96d、並びにストリップ部92c及び92fの交差す
る部分の各内角縁部96e〜96hが連続する滑らかな
曲線で構成されている。即ち、その部分の内角パターン
が丸められている。
【0055】本実施形態においても、2つのパターンを
互いに交差させて配置しているが、その際、直交する2
つの同じ周波数の共振モードを結合すべく、上下左右の
対称形状をわずかに崩した形状となっている。具体的に
は、ストリップ部92c及び92fの交差する部分の各
内角縁部96e〜96hの形状が第1及び第2の中心線
95a及び95bに対して左右及び上下対称とならない
ように構成している。これにより、直交する2つの共振
モードを結合させ、帯域を大幅に拡大させている。さら
に、本実施形態では、パッチパターンにおける各内角縁
部96a〜96hが連続する滑らかな曲線で構成されて
いるので、この部分での電流集中による抵抗増加がかな
り抑えられ、パターンの大型化を招くことなく導体損失
を低減できこれに起因するQを高めることができる。
その結果、小型化を図りながらアンテナの効率η及び帯
域幅BWの向上を期待することができる。
【0056】本実施形態では、対角線方向の内角縁部9
6e及び96fの曲線と、これと交差する対角線方向の
内角縁部96g及び96hの曲線とが互いに異なる曲率
半径を有するように構成して対称性を崩しているが、1
個所の内角縁部の曲線のみを他の内角縁部の曲線と異な
る形状としてもよい。また、曲線の曲率半径、即ち丸め
方を相違させる他に、切り込み又はスリットを入れるこ
とによって形状を相違させ対称性を崩すように構成して
もよいことは明らかである。
【0057】なお、始端部92a及び92d並びに終端
部92b及び92eの形状は、矩形形状に限定されるも
のではなく、三角形状、多角形状、台形形状、円形状又
は長円形状であってもよいし、その他の形状であっても
よい。
【0058】本実施形態におけるその他の構成、変更態
様及び作用効果は、図2の実施形態の場合と全く同様で
ある。
【0059】以上述べた実施形態におけるマイクロスト
リップアンテナは、誘電体基板の裏面に設置電極を、表
面にパッチ電極をそれぞれ形成した構造を有している
が、誘電体基板を設けることなく空気を介して設置電極
とパッチ電極とが対向するようにこれらを支持固定する
ような構造のマイクロストリップアンテナに対しても本
発明は適用可能である。このように誘電体層に空気層を
用いれば、誘電体材料が全く不要であるため、製造コス
トを大幅に低減することができる。
【0060】以上述べた実施形態は全て本発明を例示的
に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明
は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することがで
きる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均
等範囲によってのみ規定されるものである。
【0061】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明では、
パッチパターンとして、電流の流れる方向に沿った始端
部及び終端部が大きな幅を有しており、中央部が小さな
幅を有するように構成している。端部では、幅を広くす
ることにより、磁界集中が減るのでその部分のインダク
タンスが低下し、また、面積が大きくなるのでその部分
のキャパシタンスが増大する。逆に、中央部では、幅を
狭くすることにより、磁界が集中してその部分のインダ
クタンスが増大し、また、面積が小さくなるのでその部
分のキャパシタンスが低下する。このように、電位の高
い端部をよりキャパシティブとし、電位の低い中央部を
よりインダクティブとすることにより、共振周波数が低
下する。その結果、マイクロストリップアンテナの寸法
がより小型化される。このような小型化を図ると、幅の
狭い中央部と幅の広い両端部との接合部で電流の集中が
生じて導体損失が大きくなるが、本発明のごとく、パタ
ーンの各内角縁部を連続する滑らかな曲線で構成するこ
とにより、パターンの大型化を招くことなく導体損失を
低減できこれに起因するQを高めることができる。そ
の結果、小型化を図りながらアンテナの効率η及び帯域
幅BWの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アンテナの大きさを表すパラメータに対するア
ンテナのQの一般的な性質を表す特性図である。
【図2】本発明のマイクロストリップアンテナの一実施
形態における構成を概略的に示す斜視図である。
【図3】図2のパッチパターンを示す平面図である。
【図4】本発明のマイクロストリップアンテナの他の実
施形態におけるパッチパターンを示す平面図である。
【図5】本発明のマイクロストリップアンテナのさらに
他の実施形態におけるパッチパターンを示す平面図であ
る。
【図6】本発明のマイクロストリップアンテナのまたさ
らに他の実施形態におけるパッチパターンを示す平面図
である。
【図7】本発明のマイクロストリップアンテナのさらに
他の実施形態におけるパッチパターンを示す平面図であ
る。
【図8】本発明のマイクロストリップアンテナのまたさ
らに他の実施形態におけるパッチパターンを示す平面図
である。
【図9】本発明のマイクロストリップアンテナのさらに
他の実施形態におけるパッチパターンを示す平面図であ
る。
【符号の説明】
20 誘電体基板 21 接地電極 22、42、52、62、72、82、92 パッチ電
極 22a、42a、52a、62a、72a、82a、8
2d、92a、92d始端部 22b、42b、52b、62b、72b、82b、8
2e、92b、92e終端部 22c、42c、52c、62c、72c、82c、8
2f 中央部 23、43、53、63、73、83、93 給電端子 24、44、54、64、84 電流の流れる方向 25、45、55 軸線 65、75、85a、85b、95a、95b 中心線 26a〜26d、46a〜46d、56a〜56d、6
6a、66b、76a、76b、86a〜86d、96
a〜96h 内角縁部 46e〜46l、76c〜76j 外角縁部 67、77 中心点 92c、92f ストリップ部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体層を介して互いに対向するように
    支持された接地電極とパッチ電極とを備えており、該パ
    ッチ電極は、電流の流れる方向に沿った始端部及び終端
    部の幅が大きく、中央部の幅がこれより小さいリアクタ
    ンス装荷パターンを有しており、該リアクタンス装荷パ
    ターンの各内角縁部が連続する滑らかな曲線で構成され
    ていることを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  2. 【請求項2】 前記誘電体層が、空気層であることを特
    徴とする請求項1に記載のマイクロストリップアンテ
    ナ。
  3. 【請求項3】 前記誘電体層が誘電体材料によって形成
    された誘電体基板であり、前記接地電極が該誘電体基板
    の裏面に形成されており、前記パッチ電極が該誘電体基
    板の表面に形成されていることを特徴とする請求項1に
    記載のマイクロストリップアンテナ。
  4. 【請求項4】 前記リアクタンス装荷パターンが、電流
    の流れる方向に沿った軸線について線対称形状を有して
    いることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に
    記載のマイクロストリップアンテナ。
  5. 【請求項5】 前記リアクタンス装荷パターンの前記始
    端部及び前記終端部が、それぞれ矩形形状であることを
    特徴とする請求項4に記載のマイクロストリップアンテ
    ナ。
  6. 【請求項6】 前記リアクタンス装荷パターンの前記始
    端部及び前記終端部が、それぞれ円形又は長円形状であ
    ることを特徴とする請求項4に記載のマイクロストリッ
    プアンテナ。
  7. 【請求項7】 前記リアクタンス装荷パターンが、該パ
    ッチ電極の中心点について点対称形状を有していること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマ
    イクロストリップアンテナ。
  8. 【請求項8】 前記リアクタンス装荷パターンが、単一
    の略S字形状であることを特徴とする請求項7に記載の
    マイクロストリップアンテナ。
  9. 【請求項9】 前記リアクタンス装荷パターンが、互い
    に直交する2つの略S字形状から構成されていることを
    特徴とする請求項7に記載のマイクロストリップアンテ
    ナ。
  10. 【請求項10】 前記リアクタンス装荷パターンが、直
    交する略十字形状から構成されていることを特徴とする
    請求項7に記載のマイクロストリップアンテナ。
  11. 【請求項11】 前記リアクタンス装荷パターンの各外
    角縁部も連続する滑らかな曲線で構成されていることを
    特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のマ
    イクロストリップアンテナ。
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