JP2001058987A - N−(2−メルカプトエチル)−1,3−チアゾリジン類及び発臭剤及び食品香料としての使用 - Google Patents

N−(2−メルカプトエチル)−1,3−チアゾリジン類及び発臭剤及び食品香料としての使用

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JP2001058987A
JP2001058987A JP2000202132A JP2000202132A JP2001058987A JP 2001058987 A JP2001058987 A JP 2001058987A JP 2000202132 A JP2000202132 A JP 2000202132A JP 2000202132 A JP2000202132 A JP 2000202132A JP 2001058987 A JP2001058987 A JP 2001058987A
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Wolfgang Engel
ボルフガング・エンゲル
Peter Schieberle
ペーター・シーベルレ
Matthias Dr Guentert
マテイアス・ギユンタート
Stefan Dr Lambrecht
シユテフアン・ランブレヒト
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Haarmann and Reimer GmbH
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    • C11BPRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
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    • C11B9/0096Heterocyclic compounds containing at least two different heteroatoms, at least one being nitrogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D277/00Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings
    • C07D277/02Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings not condensed with other rings
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食物を熱処理した際に得られる芳香を飲食物
に与えることができる化合物が求められている。 【解決手段】 置換されたN−(2−メルカプトエチ
ル)−1,3−チアゾリジンは、発臭剤及び食品香料に
おいて使用できる新規化合物である。本化合物は、強い
ローストした食品の香調を示し、匂いしきい値が非常に
低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、N−(2−メルカプトエチル)−1,3−チ
アゾリジン類、それらの製造方法並びにそれらの、飲食
物中の芳香付与物質としての及び食品芳香剤の噴霧のた
めの及び室内空気の香気付けのための使用に関する。
【0002】発明の背景 香料工業においては、食物を煮たり、焼いたり、ロース
トする間の熱処理の結果のような臭覚的印象を飲食物に
与える物質に対して大きな需要が依然として存在する。
その結果生成する芳香付与性化合物は、特に、ロースト
した食品の香調を有する。しかしながら、これらの化合
物は、特に、これまで殆ど入手できなかった。実際上主
として鼻後方で(retronasally)匂いとして感知される芳
香に加えて、鼻前方で(orthonasally)感知される匂い
が、最近重要な役割を演じている。それ故に、それに対
応できるほど強いそして典型的な匂いを飲食物に付与す
る芳香性化合物もまた重要である。
【0003】食物の熱処理中に進行する最も重要な反応
は、還元糖とアミノ酸との間の反応であって、Mail
lard反応と呼ばれる。このMaillard反応中
に、複素環類の化学物質の食品香料が生成する。これら
の化合物は、1種以上のヘテロ原子及び種々の側鎖を含
んでおり、そして芳香族であるか又は部分的に水素化さ
れている(P.A. Finot, H.U. Aeschbacher, R.F. Hurre
ll, R. Liardon, The,Maillard Reaction in Food Proc
essing, Human Nutrition and Physiology, Birkhaeuse
r Verlag, Basle, 1990)。
【0004】発明の概要 発臭性及び及び香料性がある物質の新規な部類として、
【0005】
【化5】
【0006】(式中、R1、R2及びR3は同一であるか
又は異なっており、そして、R1は水素、メチル、エチ
ル、プロピル又はイソプロピルであり、R2は水素、ア
セチル、プロピオニル、イソブチリル、メチル、エチ
ル、プロピル又はイソプロピルであり、そしてR3は水
素又は
【0007】
【化6】
【0008】である)を有する、N−(2−メルカプト
エチル)−1,3−チアゾリジン類及びそれらのジスル
フィド類が見出された。置換されたN−メルカプトエチ
ル−1,3−チアゾリジン類及びそのジスルフィド類
は、発臭剤及び食品香料である。
【0009】発明の詳細な説明 驚いたことには、本発明の置換されたN−メルカプトエ
チル−1,3−チアゾリジン類及びそのジスルフィド
類、特に、N−(2−メルカプトエチル)−1,3−チ
アゾリジンは、非常に低いしきい値を持っている。例え
ば、本発明のN−(2−メルカプトエチル)−1,3−
チアゾリジンは、しきい値が驚く程低く、空気1リット
ル当たり0.005ngである。このために、非常に低
い濃度でそれを芳香付加成分として使用することができ
る。更に、N−(2−メルカプトエチル)−1,3−チ
アゾリジンは、特に強いそして典型的なローストした食
品の芳香(roasted flavor)を食物に付与する。
【0010】チアゾリン類、その中でも特に2−アセチ
ル−2−チアゾリンは公知の食品香料である(J. Kerle
r, J.G.M. van der Veen, H. Weenan, Food Rev. Int.,
1997, 13, 553-575)が、に比較して、チアゾリジン類
の物質は今日まで食品香料としては殆ど知られていな
い。科学的文献においてチアゾリジン類は砂糖とアミノ
酸との反応生成物としても記載されているけれども、し
かしながら、これらのチアゾリジン類はその芳香付与特
性に特徴があるとは記載されておらず、従って工業的に
使用される食品香料として記載されてもいない。
【0011】驚いたことには、N−(2−メルカプトエ
チル)−1,3−チアゾリジンは、水溶液中では鼻後方
の芳香活性を示さない、ということは即ち、嗅いだとき
には芳香性を持っていることは殆ど気が付かないという
ことである。一方、それは非常に強い鼻前方に対する作
用を持っており、強いトーストした食品の香調を示す。
従って、本発明の食品香料のN−(2−メルカプトエチ
ル)−1,3−チアゾリジンは、フルフリルチオールに
類似した感覚上の特性を持っているけれども、はるかに
より強力な芳香を有し、かなりより低い匂いしきい値を
持っている。これは、空気中で0.005ng/1リッ
トルと定量された。従って、この化合物は、芳香化学で
知られている最も芳香性の強い化合物の一つである。
【0012】N−(2−メルカプトエチル)−1,3−
チアゾリジンは、システアミンとフルクトースとの熱反
応生成物として確認された(実施例1)。しかしなが
ら、その構造の源泉は、簡単には説明できない。システ
アミンとホルムアルデヒドがそれの熱生成に関係してい
ると推定される。それはその反応混合物からの抽出物を
ガスクロマトグラフ法で分別し続いて質量分光分析を行
うことによって同定された。N−(2−メルカプトエチ
ル)−1,3−チアゾリジンは、基準試料の分析データ
と比較することによって一義的に同定された。
【0013】更に、ガスクロマトグラフ−臭覚計法(G
C−O)と名付けられているクロマトグラフ法を用いて
系統的な実験を行った。この方法においては、クロマト
グラフ工程で分離された化合物をキャピラリーカラムの
末端の鼻を用いて個々に嗅ぎ取る。これらの方法を用い
て、N−(2−メルカプトエチル)−1,3−チアゾリ
ジンの臭覚的及び味覚的特性を予備評価した。
【0014】構造は、合成したN−(2−メルカプトエ
チル)−1,3−チアゾリジンと比較することによって
明らかにした。N−(2−メルカプトエチル)−1,3
−チアゾリジンはチアゾリジンから出発して製造するこ
とができる。チアゾリジンをエチレンスルフィドと混合
し、そして不活性ガス雰囲気下で80℃で24時間加熱
する。精製後、N−(2−メルカプトエチル)−1,3
−チアゾリジンが得られる(実施例2)。
【0015】本発明の化合物、N−(2−メルカプトエ
チル)−1,3−チアゾリジンは、感覚器官を刺激する
特性が強いために、芳香組成物に使用するための食品香
料として特に好適である。N−(2−メルカプトエチ
ル)−1,3−チアゾリジンが、非常に低い濃度で、そ
れを含有する組成物に、非常に強いローストされた食品
の香調を付与することは特に驚くべきことである。この
場合、芳香は匂いによって(鼻前方で)感知される。
【0016】調合した食品香料においては、本発明の化
合物の量は、全組成物基準で、0.00005重量%と
1重量%の間、特に0.0001重量%と0.5重量%
の間であることが好ましい。この種類の食品香料組成物
は、全飲食物分野で使用することができる。それらは、
特に、スナック菓子、スープ、ソース、調理済みの肉料
理、脂肪組成物、ベーカリー製品、ヨーグルト、アイス
クリーム、砂糖菓子製品用に好適である。この種類の食
品香料組成物の使用量は、最終飲食物基準で0.005
重量%〜2重量%、特に0.01重量%と1重量%の間
であることが好ましい。
【0017】上記の調合した食品香料は、液体の形で
も、スプレー乾燥した形でも、またカプセルに入れた形
でも使用することができる。それらは、液体の形では、
エタノール、プロピレングリコール、植物油トリグリセ
リド又はトリアセチンのような実際に慣用されている溶
媒中で使用され、一方、乾性の食品香料は、芳香工業で
慣用されている方法に従って、スプレー乾燥又はカプセ
ル封入によって製造される。これらは押出し及びスプレ
ー粒状化法である。
【0018】強い匂い活性のために、本発明の化合物、
N−(2−メルカプトエチル)−1,3−チアゾリジン
は、特に及び飲食物の芳香性パッケージ用に、及びその
他の用途(例えば、食品芳香剤の噴霧及び室内空気の芳
香付け用)にも好適である。
【0019】以下の実施例によって本発明を更に具体的
に説明するが、これは本発明を限定することを意図した
ものではない。実施例においては、全ての部及び%は特
記しない限り重量基準である。
【0020】
【実施例】
実施例 1: システアミンとフルクトースの間の反応 システアミン3.3ミリモルとフルクトース10ミリモ
ルを、pH7のリン酸塩緩衝液中で20分間で145℃
に加熱する。エチルエーテルで抽出し、次いで濃縮する
ことによって食品香料が得られる。それらをGC/MS
によって同定した。 実施例 2: 2−置換N−(2−メルカプトエチル)
−1,3−チアゾリジン類の製造 a)2−置換チアゾリジン類の製造 カルボニル化合物又はジカルボニル化合物1.1ミリモ
ルを、塩酸システアミン1.1ミリモルと、脱酸素した
リン酸塩緩衝水溶液(pH=7)中で保護用ガスの雰囲
気下で反応させる。反応性化合物がホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド及びメチルグリオキザールの場合に
は、反応を0℃で行う。反応をガスクロマトグラフィー
で追跡する。反応が完了しそしてクロマトグラフ法で精
製した後、対応するチアゾリジン類を得る。 b)2−置換N−(2−メルカプトエチル)−1,3−
チアゾリジンの製造 2−置換チアゾリジン10ミリモルを、ガラスオートク
レーブ中でエチレンスルフィド10ミリモルと混合し、
そして、溶媒なしで保護用ガス下で24時間80℃で加
熱する。反応混合物を水酸化ナトリウム溶液に入れそし
てジクロロメタンを用いて洗浄する。水相を塩酸を用い
てpH8に調節し、ジクロロメタンで抽出する。N−
(2−メルカプトエチル)−チアゾリジンが、純度約9
0〜96%でそして収率75〜88%で得られる。 c)N−(2−メルカプトエチル)−チアゾリジンの質
量スペクトル 実施例 3: ローストした食品の芳香の調製 以下の成分を混合した(全ての量はg単位である): 3−メチルチオプロパノール(植物油トリグリセリド中1%) 1.0 2,3−ジエチル−5−メチルピラジン 1.0 カプリル酸イソアミル 1.0 ジアセチル(トリアセチン中10%) 2.0 2−メチル酪酸 5.0 イソアミルアルコール 10.0 デルタ−ドデカラクトン 10.0 2−フェニルエタノール 15.0 2−メチルブタノール 20.0 カプリル酸(トリアセチン中10%) 25.0 ジメチルオキシフロン(プロピレングリコール中1%) 100.0 2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン 500.0 (プロピレングリコール中15%)植物油トリグリセリド 9310.0 合計 10000.0 溶媒の植物油トリグルセリド0.1〜0.5gをN−
(2−メルカプトエチル)−チアゾリジン0.1〜0.
5g で置き替えると、香りが典型的なローストしたパ
ンの皮の香りに非常に近くなった。
【0021】上記では本発明を具体的説明の目的で詳細
に記載してきたけれども、そのような詳細な記載はその
目的だけのためになされたものであること、及び、当業
者は、本発明の精神と範囲から離れることなく「特許請
求の範囲」によって限定された範囲以外の変更を為し得
るものであることが理解さるべきである。
【0022】本発明の本質的な特徴及び好ましい態様を
以下に列挙する。
【0023】1. 式
【0024】
【化7】
【0025】(式中、R1、R2及びR3は同一であるか
又は異なっており、そして、R1は水素、メチル、エチ
ル、プロピル又はイソプロピルであり、R2は水素、ア
セチル、プロピオニル、イソブチリル、メチル、エチ
ル、プロピル又はイソプロピルであり、そしてR3は水
素又は
【0026】
【化8】
【0027】である)を有する化合物。
【0028】2. 該化合物がN−(2−メルカプトエ
チル)−1,3−チアゾリジンである上記1項に記載の
化合物。
【0029】3. 式
【0030】
【化9】
【0031】(式中、R1、R2及びR3は同一であるか
又は異なっており、そして、R1は水素、メチル、エチ
ル、プロピル又はイソプロピルであり、R2は水素、ア
セチル、プロピオニル、イソブチリル、メチル、エチ
ル、プロピル又はイソプロピルであり、そしてR3は水
素又は
【0032】
【化10】
【0033】である)を有する化合物を含んで成る発臭
及び芳香性組成物。
【0034】4. 該化合物がN−(2−メルカプトエ
チル)−1,3−チアゾリジンである上記3項に記載の
発臭及び芳香性組成物。
【0035】5. N−(2−メルカプトエチル)−
1,3−チアゾリジンを含んで成る、飲食物用の液体及
び乾性香料、及びパッケージ用の香料を用いる風味付
け。
【0036】6. N−(2−メルカプトエチル)−
1,3−チアゾリジンを含んで成る、飲食物のパッケー
ジ用及び食品芳香剤の噴霧用及び室内空気の芳香付け用
の液体及び乾性香料を用いる風味付け。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペーター・シーベルレ ドイツ85354フライジング・ゲーテシユト ラーセ10アー (72)発明者 マテイアス・ギユンタート アメリカ合衆国ニユージヤージイ州07608 テターボロ・ノースストリート300 (72)発明者 シユテフアン・ランブレヒト ドイツ37603ホルツミンデン・コルフアイ ブリツク46

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1. 式 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は同一であるか又は異なって
    おり、そして、R1は水素、メチル、エチル、プロピル
    又はイソプロピルであり、R2は水素、アセチル、プロ
    ピオニル、イソブチリル、メチル、エチル、プロピル又
    はイソプロピルであり、そしてR3は水素又は 【化2】 である)を有する化合物。
  2. 【請求項2】 式 【化3】 (式中、R1、R2及びR3は同一であるか又は異なって
    おり、そして、R1は水素、メチル、エチル、プロピル
    又はイソプロピルであり、R2は水素、アセチル、プロ
    ピオニル、イソブチリル、メチル、エチル、プロピル又
    はイソプロピルであり、そしてR3は水素又は 【化4】 である)を有する化合物を含んで成る発臭及び芳香性組
    成物。
JP2000202132A 1999-07-12 2000-07-04 N−(2−メルカプトエチル)−1,3−チアゾリジン類及び発臭剤及び食品香料としての使用 Pending JP2001058987A (ja)

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DE19932495.6 1999-07-12
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DE (2) DE19932495A1 (ja)
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ATE242225T1 (de) 2003-06-15
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US20010041800A1 (en) 2001-11-15
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