JP2001057787A - 振動アクチュエータ装置 - Google Patents
振動アクチュエータ装置Info
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Abstract
的に防止し、温度状態が変化しても騒音が発生しない振
動アクチュエータ装置を提供する。 【解決手段】 弾性部材3と、該弾性部材に設けられ該
弾性体を励振する電気機械変換素子4と、該弾性部材の
該電気機械変換素子の設けられる面と対向する面に配置
される相対運動部材1と、該相対運動部材と一体的に動
く被駆動部材8と、該相対運動部材と該被駆動部材とに
挟まれる振動を緩衝するゲル状部材6とを備える。
Description
タ装置に関する。より具体的には、駆動時に発生する可
聴域の振動を低減した振動アクチュエータ装置に関す
る。
成した振動体に弾性振動を励振し、これを駆動力とした
振動アクチュエータ、特に、超音波領域の振動を用いた
超音波モータは、低速駆動時の推力が大きいこと、駆動
が静かであることなどから注目されている。とりわけ、
カメラにおいては、静音性や低速時の高推進力といった
長所を生かし、超音波モータをオートフォーカス等に利
用している。以下、図を参照しながら超音波モータの従
来技術について説明を行う。図6は従来の円環型超音波
モータの主要部を示す断面図である。図面下方に接着さ
れた圧電素子4と弾性体3から成る振動体21は、外側
に延設されたフランジ部5によって振動体支持体9に固
設されている。振動体21の図面上方には、摺動材2と
振動体21と対向する面に摺動材2が接着された駆動力
伝達担体1とから成る駆動力伝達体11が設けられてい
る。なお、駆動力伝達体11は、不図示の加圧機構によ
って振動体21に加圧接触している。駆動力伝達担体1
は外形肉厚部1bと内径肉厚部1cと肉薄部1aを有し
ており、外形肉厚部1bの図面上部においてゴム材15
を介して被駆動体8を支持している。圧電素子4には、
図示しない2群の電極群が設けられ、その電極群に相互
にπ/2位相のずれた2つの交流電圧を印加することに
より圧電素子4が励振し、弾性体3を振動させている。
弾性体3が振動することにより、弾性体3の摺動材2と
接する面には楕円運動が発生し、この楕円運動により駆
動力伝達体11を駆動している。駆動力伝達体11に
は、駆動力と共に振動も伝えられる。この振動は、肉薄
部1aで減衰し、ゴム材15でさらに減衰し、被駆動体
8には伝わりにくい構造となっている。
に、駆動力伝達担体1に伝わった振動は、肉薄部1aお
よびゴム材15で減衰する。しかし、十分に減衰しない
場合もある。その場合、被駆動体8に振動が伝わり、そ
の振動によって被駆動体8が共振を起こしてしまうこと
があった。また、超音波モータを格納する筐体で被駆動
体8を支持する構造の場合、この筐体に振動が伝わり共
鳴を起こし騒音が発生する問題があった。振動を緩衝す
るために、肉薄部1aとゴム材15を設けているが、一
般に振動緩衝材として用いられるブチルゴムを用いた場
合、ブチルゴムは温度により振動緩衝具合が大きく変わ
るため、ある温度では騒音が発生しない構造でも、他の
温度領域では同じ回転数でも騒音が発生する場合があ
り、温度毎に騒音の発生を確認しなくてはならない、と
いった問題があった。本発明は、このような課題を解決
し、振動体の振動が被駆動体に伝わることを安定的に防
止し、温度状態が変化しても騒音が発生しない振動アク
チュエータ装置を提供することを目的としている。
明は、温度変化による振動緩衝効果の変動が小さいゲル
状部材を用いることにより、被駆動体に伝わる振動を低
減できるという新たな知見に基づいてなされたものであ
る。かかる知見に基づく請求項1の発明による振動アク
チュエータ装置は、弾性部材3と、該弾性部材に設けら
れ該弾性体を励振する電気機械変換素子4と、該弾性部
材の該電気機械変換素子の設けられる面と対向する面に
配置される相対運動部材1と、該相対運動部材と一体的
に動く被駆動部材8と、該相対運動部材と該被駆動部材
とに挟まれ振動を緩衝するゲル状部材6とを備えるもの
である。請求項2の発明は、請求項1に記載の振動アク
チュエータ装置において、前記ゲル状部材は、JIS-K253
0-1976-50gで規定する針入度が53〜160であるこ
とを特徴とする振動アクチュエータ装置である。請求項
3の発明は、請求項2に記載の振動アクチュエータにお
いて、前記ゲル状部材は充填材を含むことを特徴とする
振動アクチュエータである。
明の第1実施形態を説明する。なお、図6と同様な箇所
には同一の符号を付して適宜説明を省略する。図1は、
第1実施形態の円環型超音波モータの主要部を示す断面
図である。本実施形態では、振動体21の振動によっ
て、駆動力伝達体11は駆動される。駆動力伝達担体1
の肉薄部1aには、断面矩形状のゲル状部材6が外形肉
厚部1bの内壁に接するように設けられ、このゲル状部
材6を介して被駆動体8を支持しており、被駆動体8
は、ゲル状部材6を介して駆動力伝達担体1と一体的に
駆動する構造となっている。
0−1976−50gで規定される針入度(以降、針入
度はJIS K2530−1976−50gで規定され
ているものとする)が53〜160程度のゲル状部材が
好適であることが実験により確認されている。つまり、
針入度が53程度よりも硬いものを用いた場合は、駆動
力伝達体11の振動がゲル状部材6で十分に緩衝されず
被駆動体8に伝わってしまうことになり、著しい場合に
は、被駆動体8が跳ねるといった不具合が発生する場合
もある。
程度よりも軟らかいと、ゲル状部材6の振動吸収作用が
過剰となり、圧電素子4で発生した振動は弾性体21及
び駆動力伝達体11を介してゲル状部材5に吸収され、
振動の駆動力に変換される効率が著しく低下してしま
う。その結果、一定の駆動力を得るために、針入度が適
切なゲル状部材を用いる場合よりも多くの電気エネルギ
ーを要することとなる。図7は、駆動周波数fと時間当
たりの駆動回転数Nとの関係を示したものでありf−N
特性と呼ばれる。f−N特性は、本実施形態においても
従来の特性と変わらず消費電力も変わらなかった。ま
た、従来の超音波モータでは、周波数fa回転数Naで
騒音が発生していたが、本実施形態では、さらに周波数
を下げ回転数を上げても騒音は発生せず、周波数fb回
転数Nbに達した時点で騒音が発生した。
のがあるが、実験から有機ケイ素を主成分とするシリコ
ーン系ゲルが好ましいことが判った。さらに、ゲルの充
填材としてセラミックス系中空フィラーを用いると、フ
ィラーの振動緩衝効果とゲルの振動吸収遮断効果とが相
乗効果をなし、一層効果的であることが判った。本実施
形態では、このような事情からゲル状部材6として中空
フィラーを充填材として含有した針入度100程度のゲ
ル状部材を用いた。なお、このような条件を満たす市販
品として株式会社シーゲルのαゲルシリーズがあり、図
8に示すように様々なゲルが市販されている。
ところ、いずれのゲル部材も騒音防止効果があった。ま
た、繰り返しテストを行ったところλゲル(COH200
0)、γゲル、βゲルで比較的再現性よく騒音が防止で
き、とりわけ針入度104のγゲルが、最も再現よく駆
動効率を下げずに騒音を防止することができた。このよ
うに、ゲル状部材の針入度は53〜160が適当であ
り、中でも針入度100〜123が好適であり、とりわ
け針入度104程度が最適であることが判った。このよ
うなゲルは、一般に3次元の網状または蜂の巣状の構造
を持つことから硬度の温度依存性が低く、本実施形態で
も通常使用する温度範囲ではムラなく、効率的な騒音防
止効果が得られた。そのため、従来は温度ごとに調べて
いた騒音発生を、特に定めない1つの温度条件の下で調
べれば良くなった。
肉厚部1bの内壁に接するように設けることにより、外
径肉厚部1bおよび内径肉厚部1cが制限の役割を果た
すため、製品組立誤差によりゲル状部材6が被駆動体8
から外れてしまう不良がなく、製品のコストダウンがな
されている。なお、ゲル状部材6を肉薄部1a全体に設
置すると、針入度104程度のゲル状部材6を用いても
振動吸収効果が大きくなりすぎ、駆動効率が低下してし
まうことが実験上判っている。
実施形態を説明する。なお、図6および図1と同様な箇
所には同一の符号を付して適宜説明を省略する。図2
は、第2実施形態の円環型超音波モータの主要部を示す
断面図である。本実施形態の超音波モータが第1実施形
態の超音波モータと相違するのは、ゲル状部材6を駆動
力伝達担体1の外径肉厚部1bに設けた点である。これ
以外の構成は第1実施形態と同様である。本実施形態に
よれば、振動体21から伝わった振動は駆動力伝達担体
1の肉薄部1aで減衰しているため、ゲル状部材6は第
1実施形態に比べ少ない量で効果を得ることが出来る。
そのため、コストダウン効果があると共に、振動体21
の騒音になる振動エネルギーをゲル体6が吸収し駆動効
率を下げる心配が少ない。
実施形態を説明する。なお、図6、図1、図2と同様な
箇所には同一の符号を付して適宜説明を省略する。図3
は、第3実施形態の円環型超音波モータの主要部を示す
断面図である。本実施形態の超音波モータが第1実施形
態の超音波モータと相違するのは、ゲル状部材6を駆動
力伝達担体1に外径肉厚部1bおよび肉薄部1aを設け
ていない点である。そのため、本実施形態では第1実施
形態の内径肉厚部1cに該当する部分にゲル状部材6を
設けて被駆動体8を支持している。これ以外の構成は第
1実施形態と同様である。本実施形態によれば、駆動力
伝達担体1の構造が簡単となりコストダウンがなされ
る。
実施形態を説明する。なお、図6、図1、図2、図3と
同様な箇所には同一の符号を付して適宜説明を省略す
る。
の主要部を示す断面図である。本実施形態の超音波モー
タが第1実施形態の超音波モータと相違するのは、ゲル
状部材6の断面形状が駆動力伝達担体1と接する側を長
辺とする台形形状となっている点である。本実施形態に
よれば、ゲル状部材6が駆動力伝達担体1と接する部分
が増すため当たり損ないによる振動の残存の心配がな
く、ゲル状部材6全体としては振動緩衝を適正に行える
ため信頼性が増している。(第5実施形態)図5により
本発明の第5実施形態を説明する。なお、図6、図1、
図2、図3、図4と同様な箇所には同一の符号を付して
適宜説明を省略する。
タの主要部を示す断面図である。本実施形態の超音波モ
ータが第1実施形態の超音波モータと相違するのは、被
駆動体8がゲル状部材6を介して駆動力伝達担体1に支
持されると同時に、駆動力伝達担体1の外径肉厚部1b
によっても直接支持されている点である。本実施形態に
よれば、駆動力伝達担体1からの振動はゲル状部材6に
よって緩衝されるのと同時に、被駆動体8は外径肉厚部
1bに当たることにより正確に位置決めされるため、騒
音を防止しつつ被駆動体8の正確な位置出しができる。
エータが超音波領域を利用した超音波モータである場合
を例にとった。しかし、本発明は、超音波モータに限定
されるものではなく、超音波以外の振動域を利用した振
動アクチュエータについても同様に適用される。また、
ゲルの材質もシリコーン系ゲルに限ることなくシリカゲ
ルやチタン酸バリウムゲル、五酸化二バナジウム等の有
機金属化合物や酸化微粒子やオリゴエチレングリコール
とオリゴジメチルシロキサンとの重合により合成したポ
リサイラオキシエチレンなどの高分子ゲルや水を用いて
も良い。また、充填材も中空フィラーに限ることなく無
機物のセラミックや金属、炭素繊維や高分子材料を用い
ても良い。
3の発明によれば、相対運動部材と被駆動体の間に振動
を緩衝するゲル状部材を設けたので、温度変化に対して
安定的に騒音の発生が防止された。
タの主要部を示す断面図である。
タの主要部を示す断面図である。
タの主要部を示す断面図である。
タの主要部を示す断面図である。
タの主要部を示す断面図である。
断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】弾性部材と、該弾性部材に設けられ該弾性
体を励振する電気機械変換素子と、該弾性部材の該電気
機械変換素子の設けられる面と対向する面に配置される
相対運動部材と、該相対運動部材と一体的に動く被駆動
部材と、該相対運動部材と該被駆動部材とに挟まれ振動
を緩衝するゲル状部材とを備えることを特徴とする振動
アクチュエータ装置。 - 【請求項2】前記ゲル状部材は、JIS-K2530-1976-50g
で規定する針入度が53〜160であることを特徴とす
る請求項1記載の振動アクチュエータ装置。 - 【請求項3】前記ゲル状部材は、充填材を含むことを特
徴とする請求項2記載の振動アクチュエータ装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000172266A JP4736161B2 (ja) | 1999-06-11 | 2000-06-08 | 振動アクチュエータ装置 |
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---|---|---|---|
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JP11-165025 | 1999-06-11 | ||
JP1999165025 | 1999-06-11 | ||
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Publications (3)
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JP2001057787A5 JP2001057787A5 (ja) | 2007-07-05 |
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ID=26489913
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JP2000172266A Expired - Lifetime JP4736161B2 (ja) | 1999-06-11 | 2000-06-08 | 振動アクチュエータ装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP4736161B2 (ja) |
Cited By (2)
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KR101566651B1 (ko) | 2011-12-27 | 2015-11-05 | 캐논 가부시끼가이샤 | 자성 토너 |
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- 2000-06-08 JP JP2000172266A patent/JP4736161B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP4736161B2 (ja) | 2011-07-27 |
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