JP2712776B2 - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP2712776B2 JP2185996A JP18599690A JP2712776B2 JP 2712776 B2 JP2712776 B2 JP 2712776B2 JP 2185996 A JP2185996 A JP 2185996A JP 18599690 A JP18599690 A JP 18599690A JP 2712776 B2 JP2712776 B2 JP 2712776B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この発明は進行波型の超音波モータに関し、特にモー
タ駆動時における不快音の発生防止に改良の加えられた
超音波モータに関する。
《従来の技術》 進行波型超音波モータは、圧電素子に高周波電圧を印
加し、ステータ表面に超音波楕円振動を発生させ、加圧
接触するロータに回転運動を与えるものであり、従来の
電磁モータに比べて巻線がなく、構造が簡単で、しかも
超音波振動エネルギーを用いるため小型かつ低速回転
で、高トルクが得られ、また摩擦力駆動のため、高応
答、制御性に優れるという利点があり注目されている。
ところで、従来の進行波型超音波モータとしては、例
えば特開昭63−73887号公報に記載のものが知られてい
る。
今これを第4図を参照しながら説明すると、1はモー
タ装置本体のケースであり、2はカバーである。
弾性体3には圧電素子4を固着してあり、弾性体3及
び圧電素子4によりステータ5を構成している。
また、リング6にはスライダ7を固着してあり、ロー
タ8を構成している。
このロータ8はゴム体9をはさんで皿バネ10の加圧力
によってステータ5に押し付けられ、シャフト11と一体
で回転するようになっている。
なお、加圧力はシム12の厚みを適当に選んで調整して
からスナップリング13によって保持するため、極めて容
易に調整できる。
また、上記ゴム体9はロータ8に発生している弾性振
動がシャフト11に伝わることを防止する振動吸収効果を
もたせている。なお、14,15はベアリングである。
一方、この例ではロータ8は図示してある断面形状か
ら判るように、ステータ5が加圧接触する厚肉フランジ
部分8aに隣接して薄肉部分8bが設けられ、この薄肉部分
8bに皿バネ10の圧接力が加えられて、ステータ5の共振
周波数による圧電素子4の励振時に、ロータ8の振動の
減衰を最少限に押さえるよう構成されている。
《発明が解決しようとする課題》 しかしながら、上記の如き従来の超音波モータにあっ
ては、振動を利用して駆動するため、ロータの皿バネが
加圧接触する部分は薄肉とされ、ステータ側で発生させ
た振動をロータ側に効率よく伝播させるように構成され
ているので、例えば慣性力の大きな負荷を急激に起動す
る場合や停止させる場合、あるいは過負荷が加えられた
ときにおいては、ロータでキーキーという不快音が発生
するという不具合があった。
これは、過負荷等が加えられたとき、ロータとステー
タの接触面からロータ方向に摩擦力変動による加振力が
生じ、ロータに可聴域の不要振動を発生されることに起
因するものである。
一方、上記の如き不快音を発生させないためには、ロ
ータの皿バネが加圧接触する薄肉部分を厚くして、振動
減衰率を高くするという手法も考えられるが、これでは
必要な振動も減衰され、モータ性能の低下を招く。
この発明は、上記の如き従来の課題に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、過負荷等が加えられ
たときにも、不快音の発生しない超音波モータを提供す
ることにある。
《課題を解決するための手段》 この発明は、上記目的を達成するために、圧電素子に
高周波電圧を印加することによってステータ表面に超音
波楕円振動を発生させ、該ステータと皿バネの圧接力に
よって加圧接触するロータに回転運動を与える超音波モ
ータにおいて、 上記ロータは上記皿バネの加圧力を受ける部分が厚肉
円板部とされるとともに、該厚肉円板部と上記ステータ
から回転運動を与えられる部分との間には複数の細い連
結部が設けられていることを特徴とする。
《作用》 この発明では、厚肉円板部とステータから回転運動を
与えられる部分との間に複数の細い連結部を設けたロー
タとしたので、ステータから回転運動を与えられる部分
(ロータ本体)で発生した振動はほとんど連結部に伝達
されない。このため、従来連結部に相当するロータの薄
肉部分で放射されていた不快音の発生も大幅に減少され
る。
また、ロータの皿バネからの加圧力を受ける部分は厚
肉円板部としたので、この厚肉円板部から皿バネに伝達
される振動成分は減衰され、この部分における不快音の
発生も減少される。
《実施例の説明》 以下、この発明を図面に基づいて説明する。
なお、この発明が第3図に示した従来例と異なるのは
ロータ部分だけである。従って、以下本発明の要旨であ
るロータ部分を中心に説明する。また、上記従来例に用
いたものと同一構成部分には同一符号を付して説明す
る。
第1図はこの発明が適用された第1の実施例を示すも
のであり、同図(a)はロータ部分の平面図、同図
(b)は同図(a)のI−I線断面図である。
同図において、20は中心にシャフト11が挿通されるロ
ータ支持部で、円板状の厚肉円板部20aと、この厚肉円
板部20aの外周側に放射状に張り出し形成された薄肉の
9個の突起部(連結部)20bより形成されている。な
お、突起部20bは、長さ5〜10mm、幅1〜4mm程度とさ
れ、可聴音の波長20mm〜400mm(周波数20KHz〜1KHZ)よ
り充分小さなサイズとなっている。
また、21は防振ゴム22を介して上記突起部20bの下部
位置にリング状に配設されたロータ本体で、ロータ本体
21は皿バネ10の加圧力によってステータ5(図示せず)
に加圧接触されている。
そして、上記ロータ支持部20,防振ゴム22およびロー
タ本体21より本実施例に係るロータ23が構成されてい
る。
一方、24はロータ支持部20上に配設されたゴムシート
で、シリコンゴム等の低温特性に優れたゴム体より構成
され、ロータ23はロータ支持部20の厚肉円板部20a部分
でゴムシート24をはさんで皿バネ10に押し付けられてい
る。
なお、ロータ支持部20とロータ本体21間に配設された
防振ゴム22も、ロータ本体21の振動をロータ支持部20側
に伝達しないようシリコンゴム等で構成されている。
以上が本実施例に係る超音波モータの特徴的部分の構
成であるが、次にその作用を説明する。
ここでまず、従来例においてモータ作動時に発生して
いるキーキーという不快音の周波数分析結果を第3図
(a)に示す。同図からわかる様に5つの大きな振動ス
ペクトルを持っている。同図(b)と(c)には、それ
ぞれ例として周波数7.581KHzと13.475KHzでの振動モー
ド図を示す。モータをロータ側から見た図である。波線
に示したものが等変位線である。これにより同図(b)
ではロータ8の周辺部に形成された厚肉フランジ部分8a
における面外たわみ振動が励振されており、同図(c)
では、皿バネ10の圧接力を受けている薄肉部分8bにおけ
る垂直方向の振動(膜振動)が励振されていることがわ
かる。他の振動スペクトルの部分でも、同様の振動モー
ドが励振されている。
そして、これらの振動が、ロータ8の薄肉部分8bの表
面を音の放射面として、スピーカの様に音を発してい
る。。
一方、本実施例では、上記の如く、ロータ23はロータ
支持部20,防振ゴム22およびロータ本体21より構成さ
れ、従来例における薄肉部分8bに相当するのは防振ゴム
22を介してロータ本体21と接しているロータ支持部20の
突起部20bである。
ところで、突起部20bは厚肉円板部20aから放射状に張
り出し形成され、複数個(9個)設けられているだけ
で、しかも長さ5〜10mm、幅1〜4mmと可聴音の波長に
対して十分小さい。このため、従来の如く突起部20bは
スピーカの役割をせず、わずかな音が放射されるだけで
ある。このため、不快音はほとんど発生しない。
また、ロータ23を加圧する皿バネ10の接触部位がロー
タの中央部である厚肉円板部20aなので、ロータ23の振
動は僅かしか皿バネ10側に伝達されない。このため、皿
バネ部分からの音の放射を大幅に減少でき、この部分で
の不快音の発生を大幅に防止している。
また、ロータ23をロータ支持部20とリング状のロータ
本体21に分離し、両者の間にシリコンゴム等よりなる低
温特性に優れた防振ゴム22を介在させたので、ロータ本
体21で発生した振動がロータ支持部20側に伝達される量
が減衰され、この面でも不快音の発生が防止されてい
る。
なお、本実施例においても従来例同様のモータ特性が
得られ、無負荷時100rpm、ロックトルク8kgf・cmのモー
タ特性が得られた。
次に、本発明の第2の実施例を第2図に基づいて説明
する。
同図(a)はロータ部分の平面図、同図(b)は同図
(a)のII−II線断面図である。
ところで、この第2の実施例は第1の実施例における
ロータ支持部20とロータ本体21を一体にしてロータ33と
したもので、防振ゴム22は不要とされている。
すなわち、ロータ33は、厚肉円板部31とロータ本体部
32と、両者の中間に放射状に形成された9本の連結部34
より構成されている。
従って、第2の実施例では部品点数を少なくでき、低
コストにこの種超音波モータを得ることができるという
効果を有する。
なお、この実施例では、厚肉円板部31とロータ本体部
32間に放射状に形成された連結部34は、厚肉円板部31や
ロータ本体部32と同一厚みで構成したが、連結部34の厚
さを厚肉円板部31やロータ本体部32より薄くすると、ロ
ータ本体部32で発生した振動が厚肉円板部31側に伝えら
れにくくなり、より不快音の発生を防止することができ
る。
《発明の効果》 本発明に係る超音波モータは、上記の如く、ロータを
構成する皿バネの加圧力を受ける部分が厚肉円板部とさ
れるとともに、該厚肉円板部とステータから回転運動を
与えられる部分との間には複数の細い連結部を設けたの
で、過負荷等が加えられた時にも不快音の発生を大幅に
防止できることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明が適用された第1の実施例のロータ部分
の説明図、第2図は本発明が適用された第2の実施例の
ロータ部分の説明図、第3図は従来例における超音波モ
ータの作用説明図、第4図は従来例における超音波モー
タの断面図である。 3……弾性体 4……圧電素子 5……ステータ 10……皿バネ 11……シャフト 20……ロータ支持部 20a……厚肉円板部 20b……突起部(連結部) 21……ロータ本体 22……防振ゴム 23……ロータ 24……ゴムシート 31……厚肉円板部 32……ロータ本体部 33……ロータ 34……連結部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電素子に高周波電圧を印加することによ
    ってステータ表面に超音波楕円振動を発生させ、該ステ
    ータと皿バネの圧接力によって加圧接触するロータに回
    転運動を与える超音波モータにおいて、 上記ロータは上記皿バネの加圧力を受ける部分が厚肉円
    板部とされるとともに、該厚肉円板部と上記ステータか
    ら回転運動を与えられる部分との間には複数の細い連結
    部が設けられていることを特徴とする超音波モータ。
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