JP2002325469A - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP2002325469A
JP2002325469A JP2001132042A JP2001132042A JP2002325469A JP 2002325469 A JP2002325469 A JP 2002325469A JP 2001132042 A JP2001132042 A JP 2001132042A JP 2001132042 A JP2001132042 A JP 2001132042A JP 2002325469 A JP2002325469 A JP 2002325469A
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JP
Japan
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vibration
fixed
rotor
ultrasonic motor
thin
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Application number
JP2001132042A
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English (en)
Inventor
Akira Sugiura
彰 杉浦
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動減衰効果の向上、特に低次振動の抑止効
果の向上と、振動を減衰させる弾性体の小型化との両立
を図った超音波モータを提供する。 【解決手段】 超音波モータのロータ12は、回転軸側
にある出力部14aと、ステータの振動部に圧接される
接触部14cと、接触部と出力部を連結する円環状の薄
肉部14bとを備える。薄肉部14bの上面に、弾性変
形により振動を吸収可能な防振ゴム15が固定されてい
る。防振ゴム15は、非固定部22が薄肉部14bから
離間して隙間20を形成するように、固定部21を薄肉
部14bに固定してある。固定部21は、薄肉部14b
に伝わる振動を薄肉部と共に弾性変形して吸収し減衰さ
せる。非固定部22は、その振動を、薄肉部14bによ
り拘束されずに弾性変形により吸収して減衰させる。薄
肉部14bにより拘束されずに振動を減衰させる非固定
部22を設けたので、振動減衰効果が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波モータに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波モータとして、例えば、本
願出願人による特願2000−028202に開示され
た技術がある。この超音波モータは、圧電素子と、同素
子が駆動されると振動波(進行波或いは定在波)を発生
するステータと、同ステータに圧接される円環状の接触
部(外周部)を有し、同接触部で振動波を受けて回転す
る円環状のロータとを備える。このロータには、前記接
触部と、回転軸に一体回転可能に取り付けられた出力部
(基部)とを連結する円環状の薄肉部が設けられてい
る。この薄肉部の上面に、ゴム系材料よりなる円環状の
弾性樹脂が配置されている。
【0003】この弾性樹脂は、ロータの出力部側から接
触部側へ、さらにはステータ側へ伝播される不要振動を
減衰させ、同振動がステータで発生する振動波に悪影響
を与えるのを防止するために設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術では、円環状の弾性樹脂は、その一方の面全体がロー
タの円環状の薄肉部に接着等により固定されている。こ
の場合、弾性樹脂全体が薄肉部と共に伸縮或いは弾性変
形することにより、ロータの出力部側からその接触部側
へ或いはその逆方向へ伝播する振動を吸収して減衰させ
る。このため、弾性樹脂の伸縮或いは弾性変形がその薄
肉部により制限されてしまい、前記振動を充分に減衰さ
せることができない。すなわち、上記従来技術では、振
動減衰効果が小さく、低次振動の抑止効果が低く、振動
波に与える悪影響を充分に防止することができない虞が
ある。
【0005】また、減衰効果を高くするには弾性体自体
を大きくする必要があるが、この場合、コストが増大し
てしまう。本発明は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、その目的は、振動減衰効果の向上、
特に低次振動の抑止効果の向上と、振動を減衰させる弾
性体の小型化との両立を図った超音波モータを提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、圧電素子と、同素子が駆
動されると振動波を発生する円環状の振動体と、同振動
体に圧接される接触部を有し、同接触部で前記振動波を
受けて回転する円環状のロータとを備え、同ロータは、
前記接触部と、回転軸に一体回転可能に取り付けられた
出力部とを連結する円環状の薄肉部を有する超音波モー
タにおいて、前記円環状の薄肉部に、同薄肉部の表面全
体を覆う円環形状を有し、弾性変形により振動を吸収す
る弾性体を、その一部が前記薄肉部との間に隙間を形成
するように固定したことを要旨とする。
【0007】この構成によれば、ロータの円環状の薄肉
部には、その表面全体をほぼ覆う円環形状を有し、弾性
変形により振動を吸収する弾性体を、その一部が薄肉部
との間に隙間を形成するように固定してある。つまり、
弾性体は、その一部(非固定部)が薄肉部から離間して
前記隙間を形成するように、その一部を除く残りの部分
(固定部)をロータの薄肉部に固定できる形状、例えば
段差のある形状を有している。
【0008】このため、弾性体の一部(固定部)は、ロ
ータの薄肉部に伝わる振動を、薄肉部と共に伸縮或いは
弾性変形して吸収し減衰させる。また、弾性体の残りの
部分(非固定部)は、その振動を、薄肉部により拘束さ
れずに弾性変形して吸収し減衰させる。こうして、弾性
体に、薄肉部により拘束されずに振動を減衰させること
のできる前記非固定部を設けた分だけ、上記従来技術よ
りも振動減衰効果及び低次振動の抑止効果が共に向上す
る。
【0009】この結果、ロータの出力部側すなわち回転
軸側から接触部側へ、さらには振動体側へ伝播する振動
が充分に減衰され、振動体側で発生する振動波へ与える
悪影響が小さくなる。これとともに、ロータの接触部側
すなわち振動体側から出力部側へ、さらには回転軸側へ
伝播する振動についても十分に減衰され、回転軸側での
異音等の発生が防止される。
【0010】また、同じ程度の振動減衰効果を得るの
に、上記従来技術と比べて、弾性体がより小さくなる。
この結果、弾性体の材料が少なくてすみ、これによりコ
ストが低減される。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
超音波モータにおいて、前記弾性体は、前記薄肉部の周
方向全域で固定される厚肉の固定部と、同固定部とは前
記ロータの径方向にずれた位置で、前記薄肉部の周方向
の一部或いは全域で前記隙間を形成するように同薄肉部
から離間した薄肉の非固定部とを有することを要旨とす
る。
【0012】この構成によれば、弾性体の厚肉の固定部
がロータの薄肉部の周方向全域で固定されるので、ロー
タの接触部に伝わる振動は固定部のいずれかの部分に必
ず伝わる。このため、その振動は、その固定部が薄肉部
と共に伸縮或いは弾性変形することにより確実に吸収さ
れ減衰される。これとともに、弾性体の非固定部は、固
定部とはロータの径方向にずれた位置で、薄肉部の周方
向の一部或いは全域で前記隙間を形成するように同薄肉
部から離間している。このため、固定部で減衰しきれず
に残った振動(低次振動)が、非固定部の振動或いは弾
性変形により減衰されて吸収される。こうして、ロータ
の薄肉部に伝わる振動が、同ロータの径方向にずれた位
置にある弾性体の固定部と非固定部の両方により減衰さ
れるので、振動減衰効果がより一層向上する。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項2に記載の
超音波モータにおいて、前記弾性体は、前記固定部が前
記非固定部より、前記径方向の内側に位置する形状を有
していることを要旨とする。
【0014】この構成によれば、弾性体の内周側をロー
タの薄肉部に固定することになるので、その固定に接着
剤を使う場合、接着剤の使用量が少なくなり、その分コ
ストが低減される。
【0015】請求項4に係る発明は、請求項1に記載の
超音波モータにおいて、前記弾性体は、円環状の板と、
同板の一方の面上に、周方向にほぼ等間隔に形成された
円柱状をなす複数の突起部とを有し、これら各突起部の
端面を前記ロータの薄肉部に固定したことを要旨とす
る。
【0016】この構成によれば、弾性体は、円環状の板
と、その一方の面上に、周方向にほぼ等間隔に形成され
た円柱状をなす複数の突起部とを有し、各突起部の端面
をロータの薄肉部に固定してある。このため、ロータの
薄肉部に伝わる振動は、複数の突起部が薄肉部と共に伸
縮或いは弾性変形することにより確実に吸収され減衰さ
れる。
【0017】これとともに、円環状の板の、各突起部間
の部分(非固定部)は、ロータの薄肉部から離間してい
る。このため、複数の突起部で減衰しきれずに残った振
動(低次振動)が、板の非固定部の伸縮或いは弾性変形
により減衰されて吸収される。こうして、ロータの薄肉
部に伝わる振動が、弾性体の複数の突起部と板の前記非
固定部との両方により減衰されるので、振動減衰効果が
より一層向上する。
【0018】請求項5に係る発明は、請求項4に記載の
超音波モータにおいて、前記突起部の数は、前記ロータ
1回転で前記振動体が発生する前記振動波の数の約数と
一致しない値に設定されていることを要旨とする。
【0019】この構成によれば、突起部の数を、ロータ
1回転で振動体が発生する振動波の数の約数と一致しな
い値に設定する。例えば、ロータ1回転での振動波(進
行波或いは定在波)の数を「9」とすると、ロータが4
0°回転する毎に1つの振動波が発生する。この場合、
弾性体の板に「9」の約数と一致する数(例えば3個)
の突起部を120°間隔で設けると、これら3個の突起
部は、120°,240°及び360°の各角度位置
で、振動波の節にそれぞれ一致することになる。このた
め、3個の突起部の各々による振動減衰効果、及び各突
起部間にある前記板の非固定部による振動減衰効果は、
それぞれ得られない。
【0020】これに対して、振動波の数が「9」の場合
に、弾性体の板にその約数と一致しない数、例えば45
°間隔で8個の突起部を設けるようにする。この場合、
8個の突起部のいずれも、40°,80°,120°,
160°,200°,240°,280°,320°及
び360°の各角度位置になる振動波の節の部分からず
れる。このため、8個の突起部の各々による振動減衰効
果が得られるとともに、前記板の非固定部による振動減
衰効果も得られる。この結果、ロータの周方向に伝わる
振動についても、複数の突起部とその間にある前記非固
定部とにより十分に減衰される。
【0021】請求項6に係る発明は、請求項2に記載の
超音波モータにおいて、前記弾性体は、前記径方向の外
側と内側の両方に前記固定部を有するともに、これら両
固定部の間に前記非固定部を有していることを要旨とす
る。
【0022】この構成によれば、弾性体は、ロータの薄
肉部に伝わる振動を、2つの固定部とその間にある非固
定部の3箇所で減衰させるので、同振動をより一層効果
的に減衰させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る超音波モータ
を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】[第1の実施形態]第1の実施形態に係る超
音波モータを、図1〜図4に基づいて説明する。本例に
係る超音波モータは、進行波型の超音波モータであり、
図4に示すようにハウジング2を備えている。このハウ
ジング2は基台3とカバー4とで構成され、ハウジング
2内に嵌挿された回転軸5は軸受6,7により回転可能
に支持されている。基台3の上方には振動体としての円
盤状(円環状)のステータ8が配置されており、同ステ
ータ8はネジ9により基台3に固定されている。ステー
タ8の外周側には振動部8aが形成されている。この振
動部8aの下面と基台3の上面との間には、ベースリン
グ10とその下面に固定された圧電素子11とが挟持さ
れている。
【0025】ステータ8の上方には、円盤状(円環状)
のロータ12が配設されている。ロータ12は、樹脂カ
ラー13と円盤14とで構成される。樹脂カラー13
は、回転軸5の連結部5aに軸方向に移動可能にかつ一
体回転可能に連結されている。一方、円盤14は、その
樹脂カラー13に一体回転可能に連結されている。これ
により、ロータ12は、回転軸5の連結部5aに対して
軸方向に移動可能にかつ一体回転可能に連結されてい
る。
【0026】ロータ12の円盤14は、回転軸5側にあ
る出力部14aと、ステータ8の振動部8aに圧接され
る接触部14cと、同接触部14cと出力部14aとを
連結する円環状の薄肉部14bとを備えている。
【0027】薄肉部14bは、円環状の溝の底部であ
る。この薄肉部14bの上面には、弾性変形により振動
を吸収可能な弾性体としての防振ゴム15が固定されて
いる。接触部14cの下面にはライニング材16が固定
されている。この接触部14cは、後述する皿バネ17
の付勢力により、ライニング材16を介してステータ8
の振動部8aの上面に圧接されるようになっている。
【0028】ロータ12(樹脂カラー13)の上面には
皿バネ17が配設され、その皿バネ17上に加圧プレー
ト18が配設されている。そして、加圧プレート18
は、皿バネ17が加圧プレート18とロータ12により
圧縮された状態で、回転軸5(連結部5a)に対して回
転不能に、かつサークリップ19によりそれ以上上動不
能に連結されている。従って、皿バネ17は、その復元
力によってロータ12の樹脂カラー13の上面を押圧し
て、同ロータ12の接触部14cをライニング材16を
介してステータ8の振動部8aに圧接させている。
【0029】また、超音波モータ1では、図1及び図4
に示すように、ロータ12の薄肉部14bの上面には、
その上面全体をほぼ覆う円環形状を有する上記防振ゴム
15が配置されている。この防振ゴム15は、その一部
が薄肉部14bとの間に隙間20を形成するように、同
薄肉部14b上に固定されている。
【0030】すなわち、防振ゴム15は、図1〜図3に
示すように、外周側が厚肉の固定部21となり、内周側
が薄肉の非固定部22となる段差のある断面形状を有す
る円環形状のものである。また、この防振ゴム15は、
固定部21が非固定部22より、ロータ12の径方向外
側に位置する形状を有している。このような形状を有す
る防振ゴム15は、損失係数(損失係数=k×減衰係
数、kは所定の係数)が「0.45」と高く、振動減衰
効果に優れた高減衰シリコーンで作られている。高減衰
シリコーンの比重は「1.45」である。そして、防振
ゴム15の外周側下面が、薄肉部14bを有する円環状
の溝の外周側上面に接着剤23により接合されている。
【0031】このように構成された超音波モータ1で
は、圧電素子11に所定の高周波駆動電圧が印加される
と該圧電素子11が振動し、この振動がステータ8の振
動部8aにおいて進行波になる。そして、ロータ12
は、その進行波振動を振動部8aで受けて回転軸5と共
に回転し、この回転力が負荷に伝達されるようになって
いる。
【0032】以上のように構成された第1の実施形態に
よれば、以下の作用効果を奏する。 (イ)ロータ12の薄肉部14bには、その表面全体を
ほぼ覆う円環形状を有する防振ゴム15を、薄肉の非固
定部22が薄肉部14bとの間に隙間20を形成するよ
うに固定してある。つまり、防振ゴム15は、非固定部
22が薄肉部14bから離間して隙間20を形成するよ
うに、固定部21を薄肉部14bに固定できる段差のあ
る形状を有している。
【0033】このため、防振ゴム15の固定部21は、
薄肉部14bに伝わる振動を、薄肉部14bと共に伸縮
或いは弾性変形して吸収し減衰させる。また、防振ゴム
15の非固定部22は、その振動を、薄肉部14bによ
り拘束されずに振動或いは弾性変形して吸収し減衰させ
る。こうして、防振ゴム15に、薄肉部14bにより拘
束されずに振動を減衰させることのできる非固定部22
を設けた分だけ、上記従来技術よりも振動減衰効果及び
低次振動の抑止効果が共に向上する。
【0034】したがって、ロータ12の出力部14a側
すなわち回転軸5側から接触部14c側へ、さらにはス
テータ8側へ伝播する振動が充分に減衰され、ステータ
8側で発生する進行波振動へ与える悪影響を小さくする
ことができる。これとともに、ロータ12の接触部14
c側すなわちステータ8側から出力部14a側へ、さら
には回転軸5側へ伝播する振動についても十分に減衰さ
れ、回転軸5側での異音等の発生を防止することができ
る。
【0035】(ロ)同じ程度の振動減衰効果を得るの
に、上記従来技術と比べて、防振ゴム15がより小さく
なる。この結果、防振ゴム15の材料が少なくてすみ、
これによりコストを低減することができる。
【0036】(ハ)防振ゴム15の固定部21が薄肉部
14bの周方向全域で固定されるので、ロータ12の接
触部14cに伝わる振動は固定部21のいずれかの部分
に必ず伝わる。このため、その振動は、その固定部21
が薄肉部14bと共に伸縮或いは弾性変形することによ
り確実に吸収され減衰される。これとともに、防振ゴム
15の非固定部22は、固定部21とはロータ12の径
方向にずれた位置で、薄肉部14bの周方向全域で隙間
20を形成するように同薄肉部14bから離間してい
る。このため、固定部21で減衰しきれずに残った振動
(低次振動)が、非固定部22の振動或いは弾性変形に
より減衰されて吸収される。こうして、ロータ12の薄
肉部14bに伝わる振動が、その径方向にずれた位置に
ある防振ゴム15の固定部21と非固定部22の両方に
より減衰されるので、振動減衰効果がより一層向上す
る。
【0037】[第2の実施形態]次に、第2の実施形態に
係る超音波モータを図5及び図6に基づいて説明する。
【0038】本例の超音波モータ1では、上記防振ゴム
15に対応する防振ゴム15Aは、厚肉の固定部21A
が薄肉の非固定部22Aより、ロータ12の径方向の内
側に位置する形状を有している。そして、防振ゴム15
Aの内周側下面が、薄肉部14bを有する円環状の溝の
内周側上面に接着剤23により接合されている。その他
の構成は、上記第1の実施形態と同様である。
【0039】以上のように構成された第2の実施形態に
よれば、上記作用効果(イ)〜(ハ)に加えて以下の作
用効果を奏する。 (ニ)防振ゴム15Aの内周側下面(内周側)が、薄肉
部14bを有する円環状の溝の内周側上面に接着剤23
により接合されている。このため、上記第1の実施形態
の場合よりも接着剤23の使用量が少なくなり、その分
コストを低減することができる。
【0040】[第3の実施形態]次に、第3の実施形態に
係る超音波モータを図7及び図8に基づいて説明する。
【0041】本例の超音波モータ1では、上記防振ゴム
15に対応する防振ゴム15Bは、円環状の板24と、
同板24の一方の面上に、周方向にほぼ等間隔に形成さ
れた円柱状をなす複数(8個)の突起部25とを有して
いる。これらの突起部25の各端面が、ロータ12の薄
肉部14bに接着等により固定されている。
【0042】また、突起部25の数は、ロータ1回転で
ステータ8が発生する進行波(振動波)の数の約数と一
致しない値に設定されている。本例では、ロータ1回転
での進行波の数を「9」とする場合を前提として、突起
部25は、45°間隔で8個設けられている。
【0043】こうして本例の防振ゴム15Bでは、上記
固定部としての8個の突起部25が45°間隔で設けら
れているとともに、板24の、各突起部25間の部分が
非固定部24aとなっている。これら8個(8箇所)の
非固定部24aは、ロータ12の薄肉部14bから離間
して、同薄肉部14bとの間に上記隙間20を形成して
いる。
【0044】以上のように構成された第3の実施形態に
よれば、以下の作用効果を奏する。 (ホ)ロータ12の薄肉部14bに伝わる振動は、防振
ゴム15Bの8個の突起部25がそれぞれ薄肉部14b
と共に伸縮或いは弾性変形することにより確実に吸収さ
れ減衰される。これとともに、防振ゴム15Bの8個の
非固定部24aは、ロータ12の薄肉部14bからそれ
ぞれ離間している。このため、8個の突起部25で減衰
しきれずに残った振動(低次振動)が、8個の非固定部
24aの伸縮或いは弾性変形により減衰されて吸収され
る。こうして、ロータ12の薄肉部14bに伝わる振動
が、防振ゴム15Bの各突起部(固定部)25と各非固
定部24aとの両方により減衰されるので、振動減衰効
果がより一層向上する。
【0045】(ヘ)突起部25の数を、ロータ1回転で
ステータ8が発生する進行波の数の約数と一致しない値
に設定してある。本例では、ロータ1回転での進行波の
数を「9」とする場合を前提とし、防振ゴム15Bの板
板24には、「9」の約数と一致しない数、例えば8個
の突起部25を45°間隔で設けてある。
【0046】この場合、8個の突起部25のいずれも、
40°,80°,120°,160°,200°,24
0°,280°,320°及び360°の各角度位置に
なる進行波の節の部分からずれる。このため、8個の突
起部25の各々による振動減衰効果が得られるととも
に、板24の8個の非固定部24aによる振動減衰効果
も得られる。この結果、ロータ12の周方向に伝わる振
動を、複数の突起部25とその間にある複数の非固定部
24aとにより十分に減衰することができる。
【0047】[第4の実施形態]次に、第4の実施形態に
係る超音波モータを図9及び図10に基づいて説明す
る。
【0048】本例の超音波モータ1では、上記防振ゴム
15に対応する防振ゴム15Cは、前記径方向の外側と
内側の両方に、上記固定部21に対応する厚肉の固定部
26,27を有するともに、両固定部26,27の間に
上記非固定部22に対応する薄肉の非固定部28を有し
ている。そして、本例では、両固定部26,27のう
ち、内周側にある固定部26の下面が、薄肉部14bを
有する円環状の溝の内周側上面に接着剤23により接合
されている。
【0049】以上のように構成された第4の実施形態に
よれば、以下の作用効果を奏する。 (ト)防振ゴム15Cは、ロータ12に薄肉部14bに
伝わる振動を、2つの固定部26,27とその間にある
非固定部28の3箇所で減衰させるので、同振動をより
一層効果的に減衰させることができる。
【0050】(チ)両固定部26,27のうち、内周側
にある固定部26の下面のみが、薄肉部14bの内周側
上面に接合されており、外周側にある固定部27の下面
は薄肉部14bの外周側上面に接合されていない。これ
により、両固定部26,27の下面を薄肉部14bの上
面に接合した場合よりも、防振ゴム15Cによる振動減
衰効果がより一層向上する。
【0051】[変形例]なお、この発明は以下のように変
更して具体化することもできる。 ・本発明は、上記各実施形態で説明した防振ゴム15,
15A,15B,15Cの形状に限定されない。すなわ
ち、本発明は、円環状の薄肉部14bに、同薄肉部の表
面全体をほぼ覆う円環形状を有し、弾性変形により振動
を吸収する弾性体を、その一部が薄肉部との間に隙間を
形成するように固定される形状を有する弾性体全てに適
用可能である。
【0052】・上記各実施形態では、防振ゴム15,1
5A,15B,15Cは、損失係数が「0.45」と高
く、振動減衰効果に優れた高減衰シリコーンで作られて
いるが本発明はこれに限定されない。防振ゴムは、弾性
変形により振動を吸収可能な弾性体であればよい。例え
ば、防振ゴムを、EPDM(エチレンプロピレンジエン
モノマー:損失係数「0.58」)や、一般のシリコー
ン(損失係数「0.075」)等で作ってもよい。
【0053】・上記各実施形態では、進行波型の超音波
モータについて説明したが、本発明は定在波型の超音波
モータにも適用できる。 ・本発明は、上記第1の実施形態で示した構成を有する
超音波モータに限定されない。すなわち、本発明は、圧
電素子と、同素子が駆動されると振動波を発生する円環
状の振動体(ステータ)と、同振動体に圧接される接触
部を有し、同接触部で振動波を受けて回転する円環状の
ロータとを備え、同ロータは、接触部と、回転軸に一体
回転可能に取り付けられた出力部とを連結する円環状の
薄肉部を有する超音波モータ全てに適用可能である。
【0054】・上記第3の実施形態では、上記突起部2
5の数を8個にしてあるが、同突起部の数は、ロータ1
回転でステータ8が発生する進行波の数に応じて適宜設
定可能である。
【0055】・上記第3の実施形態を定在波型の超音波
モータに適用する場合にも、上記突起部25の数を、ロ
ータ1回転でステータ8が発生する定在波の数の約数と
一致しない値に設定することにより、同実施形態と同様
の作用効果が得られる。
【0056】・上記第1,第2及び第4実施形態では、
防振ゴム15,15A,15Cの非固定部22,22
A,28はいずれも円環形状を有しているが、本発明は
これに限定されない。例えば、防振ゴムは、前記隙間2
0をそれぞれ形成する複数の非固定部がロータ12の薄
肉部14bの周方向に沿って非連続的に配置される形状
を有するものであってもよい。すなわち、防振ゴムの非
固定部は、薄肉部14bの周方向の一部で前記隙間20
を形成するものであってもよい。
【0057】・上記第4の実施形態では、両固定部2
6,27のうち、内周側にある固定部26の下面のみ
を、薄肉部14bの内周側上面に接合してあるが、外周
側にある固定部27の下面も薄肉部14bの外周側上面
に接合してもよい。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
振動減衰効果の向上、特に低次振動の抑止効果の向上
と、振動を減衰させる弾性体の小型化との両立を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態に係る超音波モータのロータ
の一部を示す断面図。
【図2】 図1に示す防振ゴムの一部を示す斜視図。
【図3】 図1に示す超音波モータのロータと防振ゴム
を示す分解斜視図。
【図4】 第1の実施形態に係る超音波モータを示す縦
断面図。
【図5】 第2の実施形態に係る超音波モータのロータ
の一部を示す断面図。
【図6】 図5に示す防振ゴムの一部を示す斜視図。
【図7】 第3の実施形態に係る超音波モータで用いる
防振ゴムの一部を示す斜視図。
【図8】 同防振ゴムの取付状態を示す平面図。
【図9】 第4の実施形態に係る超音波モータで用いる
防振ゴムの一部を示す斜視図。
【図10】 同実施形態に係る超音波モータのロータの
一部を示す断面図。
【符号の説明】
1…超音波モータ、5…回転軸、8…振動体としてのス
テータ、11…圧電素子、12…ロータ、14a…出力
部、14b…薄肉部、14c…接触部、15,15A,
15B,15C…弾性体としての防振ゴム、21,21
A,26,27…固定部、25…固定部としての突起
部、22,22A,28…非固定部、24…板、24a
…非固定部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子と、同素子が駆動されると振動
    波を発生する円環状の振動体と、同振動体に圧接される
    接触部を有し、同接触部で前記振動波を受けて回転する
    円環状のロータとを備え、同ロータは、前記接触部と、
    回転軸に一体回転可能に取り付けられた出力部とを連結
    する円環状の薄肉部を有する超音波モータにおいて、 前記円環状の薄肉部に、同薄肉部の表面全体をほぼ覆う
    円環形状を有し、弾性変形により振動を吸収する弾性体
    を、その一部が前記薄肉部との間に隙間を形成するよう
    に固定したことを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 前記弾性体は、前記薄肉部の周方向全域
    で固定される厚肉の固定部と、同固定部とは前記ロータ
    の径方向にずれた位置で、前記薄肉部の周方向の一部或
    いは全域で前記隙間を形成するように同薄肉部から離間
    した薄肉の非固定部とを有することを特徴とする請求項
    1に記載の超音波モータ。
  3. 【請求項3】 前記弾性体は、前記固定部が前記非固定
    部より、前記径方向の内側に位置する形状を有している
    ことを特徴とする請求項2に記載の超音波モータ。
  4. 【請求項4】 前記弾性体は、円環状の板と、同板の一
    方の面上に、周方向にほぼ等間隔に形成された円柱状を
    なす複数の突起部とを有し、これら各突起部の端面を前
    記ロータの薄肉部に固定したことを特徴とする請求項1
    に記載の超音波モータ。
  5. 【請求項5】 前記突起部の数は、前記ロータ1回転で
    前記振動体が発生する前記振動波の数の約数と一致しな
    い値に設定されていることを請求項4に記載の超音波モ
    ータ。
  6. 【請求項6】 前記弾性体は、前記径方向の外側と内側
    の両方に前記固定部を有するともに、これら両固定部の
    間に前記非固定部を有していることを特徴とする請求項
    2に記載の超音波モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006333679A (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Nikon Corp 振動波モータ
JP2020182382A (ja) * 2018-08-10 2020-11-05 株式会社Piezo Sonic 圧電モータ及び注入機器

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