JP3229983B2 - 超音波モータ - Google Patents
超音波モータInfo
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- JP3229983B2 JP3229983B2 JP23873693A JP23873693A JP3229983B2 JP 3229983 B2 JP3229983 B2 JP 3229983B2 JP 23873693 A JP23873693 A JP 23873693A JP 23873693 A JP23873693 A JP 23873693A JP 3229983 B2 JP3229983 B2 JP 3229983B2
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- JP
- Japan
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- elastic body
- adhesive
- ultrasonic motor
- adhesive layer
- elastic
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性体と電気−機械変
換素子との接合構造を改良した超音波モータに関するも
のである。
換素子との接合構造を改良した超音波モータに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の進行波型超音波モータ
は、特公平1−17354等で公知のように、圧電体を
一例とした電気的エネルギーを機械的運動に変換する電
気−機械変換素子(以下、圧電体と称する場合がある)
の伸縮を利用して、弾性体の駆動面に進行波を発生さ
せ、この進行波によって、駆動面に加圧接触した移動体
を駆動させている。
は、特公平1−17354等で公知のように、圧電体を
一例とした電気的エネルギーを機械的運動に変換する電
気−機械変換素子(以下、圧電体と称する場合がある)
の伸縮を利用して、弾性体の駆動面に進行波を発生さ
せ、この進行波によって、駆動面に加圧接触した移動体
を駆動させている。
【0003】弾性体は、圧電体に接合することにより一
体化され、これにより、弾性体は圧電体の振動により励
振される。この弾性体と圧電体との接合の方法には、溶
着や接着等の方法がある。しかし、圧電体はキュリー点
が一般的に350°C以下の場合が多く、高温の状態に
さらすことがほとんど不可能であるためと、作業の簡易
さとから、弾性体と圧電体との接合には、一般的に接着
剤を使用する場合が多い。
体化され、これにより、弾性体は圧電体の振動により励
振される。この弾性体と圧電体との接合の方法には、溶
着や接着等の方法がある。しかし、圧電体はキュリー点
が一般的に350°C以下の場合が多く、高温の状態に
さらすことがほとんど不可能であるためと、作業の簡易
さとから、弾性体と圧電体との接合には、一般的に接着
剤を使用する場合が多い。
【0004】また、圧電体と弾性体,接着剤の接着層
は、薄くすることにより、弾性体の振動の減衰が防止で
きることが開示されている(日経メカニカル’90年1
2月号別冊「モータ全活用術」)。
は、薄くすることにより、弾性体の振動の減衰が防止で
きることが開示されている(日経メカニカル’90年1
2月号別冊「モータ全活用術」)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、弾性体と圧電
体とを接合する接着層は、単に構造的な接合という面以
外にも、振動を伝搬するという機能的な接合という面も
ある。つまり、接着層をかなり薄くしたときに、接着層
の物性によっては、その接着層により圧電体の振動が減
衰してしまい、超音波モータの起動トルクが十分に得ら
れなかったり、消費電力が多くなったり、駆動効率が減
少したりするような超音波モータの性能が低下する、と
いう問題が発生していた。
体とを接合する接着層は、単に構造的な接合という面以
外にも、振動を伝搬するという機能的な接合という面も
ある。つまり、接着層をかなり薄くしたときに、接着層
の物性によっては、その接着層により圧電体の振動が減
衰してしまい、超音波モータの起動トルクが十分に得ら
れなかったり、消費電力が多くなったり、駆動効率が減
少したりするような超音波モータの性能が低下する、と
いう問題が発生していた。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するために、
圧電体と弾性体との接合に用いる接着剤を適切に選定す
ることにより、起動トルクが十分に得られ、消費電力が
減少し、駆動効率を向上させることを可能とする超音波
モータを提供することを目的とする。
圧電体と弾性体との接合に用いる接着剤を適切に選定す
ることにより、起動トルクが十分に得られ、消費電力が
減少し、駆動効率を向上させることを可能とする超音波
モータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の解決手
段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にす
るために、実施例に対応する符号を付して説明するが、
これに限定されるものではない。すなわち、本発明によ
る超音波モータの第1の解決手段は、駆動信号により励
振される電気−機械変換素子12と,前記電気−機械変
換素子に接合され前記励振により駆動面11aに振動波
を生ずる弾性体11と,前記弾性体の駆動面11aに加
圧接触する接触部材2と,から構成され、前記振動波に
より前記接触部材2又は前記弾性体22が駆動される超
音波モータにおいて、前記電気−機械変換素子と前記弾
性体とを接合する、硬度の高い接着剤を用いた接着層1
3を設けたことを特徴とする。第2の解決手段では、前
記接着層13は、前記接着剤のビッカース硬度をHv=
8.0以上としたことを特徴とすることができる。
段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にす
るために、実施例に対応する符号を付して説明するが、
これに限定されるものではない。すなわち、本発明によ
る超音波モータの第1の解決手段は、駆動信号により励
振される電気−機械変換素子12と,前記電気−機械変
換素子に接合され前記励振により駆動面11aに振動波
を生ずる弾性体11と,前記弾性体の駆動面11aに加
圧接触する接触部材2と,から構成され、前記振動波に
より前記接触部材2又は前記弾性体22が駆動される超
音波モータにおいて、前記電気−機械変換素子と前記弾
性体とを接合する、硬度の高い接着剤を用いた接着層1
3を設けたことを特徴とする。第2の解決手段では、前
記接着層13は、前記接着剤のビッカース硬度をHv=
8.0以上としたことを特徴とすることができる。
【0008】また、第3の解決手段は、駆動信号により
励振される電気−機械変換素子12と,前記電気−機械
変換素子に接合され前記励振により駆動面11aに振動
波を生ずる弾性体11と,前記弾性体の駆動面に加圧接
触する接触部材2と,から構成され、前記振動波により
前記接触部材2又は前記弾性体11が駆動される超音波
モータにおいて、前記電気−機械変換素子12と前記弾
性体11とを接合する、縦弾性率の高い接着剤を用いた
接着層13を設けたことを特徴とする。第4の解決手段
では、前記接着層13は、前記接着剤の縦弾性率をE=
180kgf/mm2 以上としたことを特徴とすること
ができる。
励振される電気−機械変換素子12と,前記電気−機械
変換素子に接合され前記励振により駆動面11aに振動
波を生ずる弾性体11と,前記弾性体の駆動面に加圧接
触する接触部材2と,から構成され、前記振動波により
前記接触部材2又は前記弾性体11が駆動される超音波
モータにおいて、前記電気−機械変換素子12と前記弾
性体11とを接合する、縦弾性率の高い接着剤を用いた
接着層13を設けたことを特徴とする。第4の解決手段
では、前記接着層13は、前記接着剤の縦弾性率をE=
180kgf/mm2 以上としたことを特徴とすること
ができる。
【0009】さらに、第5の解決手段は、駆動信号によ
り励振される電気−機械変換素子12と,前記電気−機
械変換素子に接合され前記励振により駆動面11aに振
動波を生ずる弾性体11と,前記弾性体の駆動面に加圧
接触する接触部材2と,から構成され、前記振動波によ
り前記接触部材2又は前記弾性体11が駆動される超音
波モータにおいて、前記電気−機械変換素子12と前記
弾性体11とを接合する、硬度が高くかつ縦弾性率が高
い接着剤を用いた接着層を設けたことを特徴とする。第
6の解決手段では、前記接着層13は、前記接着剤のビ
ッカース硬度をHv=8.0以上とし、かつ、縦弾性率
をE=180kgf/mm2 以上としたことを特徴とす
ることができる。
り励振される電気−機械変換素子12と,前記電気−機
械変換素子に接合され前記励振により駆動面11aに振
動波を生ずる弾性体11と,前記弾性体の駆動面に加圧
接触する接触部材2と,から構成され、前記振動波によ
り前記接触部材2又は前記弾性体11が駆動される超音
波モータにおいて、前記電気−機械変換素子12と前記
弾性体11とを接合する、硬度が高くかつ縦弾性率が高
い接着剤を用いた接着層を設けたことを特徴とする。第
6の解決手段では、前記接着層13は、前記接着剤のビ
ッカース硬度をHv=8.0以上とし、かつ、縦弾性率
をE=180kgf/mm2 以上としたことを特徴とす
ることができる。
【0010】第7の解決手段では、前記第2,第4,第
6の解決手段において、前記接着層13は、前記接着剤
が二液タイプエポキシ系であって、主剤をエポキシ系と
して、硬化剤をポリアミン系としたことを特徴とするこ
とができる。
6の解決手段において、前記接着層13は、前記接着剤
が二液タイプエポキシ系であって、主剤をエポキシ系と
して、硬化剤をポリアミン系としたことを特徴とするこ
とができる。
【0011】
【作用】上記第1,第2の解決手段によると、電気−機
械変換素子12と弾性体11との接合に用いる接着剤
は、硬度が高いために、電気−機械変換素子12から弾
性体11に伝達される振動エネルギーの減衰が低減され
る。また、上記第3,第4の解決手段によると、電気−
機械変換素子12と弾性体11との接合に用いる接着剤
の縦弾性率を高くしても、電気−機械変換素子12から
弾性体11に伝達される振動エネルギーの減衰が低減さ
れる。さらに、上記第5,第6の解決手段によると、電
気−機械変換素子12と弾性体11との接合に用いる接
着剤の硬度及び縦弾性率を高くしたので、電気−機械変
換素子12から弾性体11に伝達される振動エネルギー
の減衰がより低減される。
械変換素子12と弾性体11との接合に用いる接着剤
は、硬度が高いために、電気−機械変換素子12から弾
性体11に伝達される振動エネルギーの減衰が低減され
る。また、上記第3,第4の解決手段によると、電気−
機械変換素子12と弾性体11との接合に用いる接着剤
の縦弾性率を高くしても、電気−機械変換素子12から
弾性体11に伝達される振動エネルギーの減衰が低減さ
れる。さらに、上記第5,第6の解決手段によると、電
気−機械変換素子12と弾性体11との接合に用いる接
着剤の硬度及び縦弾性率を高くしたので、電気−機械変
換素子12から弾性体11に伝達される振動エネルギー
の減衰がより低減される。
【0012】
【実施例】(第1実施例)以下、図面などを参照しなが
ら、実施例をあげて、さらに詳しく説明する。図1は、
本発明による超音波モータの第1実施例を示した図であ
る。固定子1は、駆動信号により励振する圧電体12
と、圧電体12に接合され前記励振により駆動面11a
に進行性振動波を生ずる弾性体11と、から構成されて
いる。固定子1は、不図示の支持体により支持されてい
る。
ら、実施例をあげて、さらに詳しく説明する。図1は、
本発明による超音波モータの第1実施例を示した図であ
る。固定子1は、駆動信号により励振する圧電体12
と、圧電体12に接合され前記励振により駆動面11a
に進行性振動波を生ずる弾性体11と、から構成されて
いる。固定子1は、不図示の支持体により支持されてい
る。
【0013】移動子2は、不図示の移動目的物体に接続
される移動子母材21と、移動子母材21に接合され、
摺動面22aによって弾性体11の駆動面11aに加圧
接触されている摺動材22とから構成されている。圧電
体12と弾性体11とは、ビッカース硬度がHv=8.
0以上の接着剤を用いた接着層13により接合されてい
る。
される移動子母材21と、移動子母材21に接合され、
摺動面22aによって弾性体11の駆動面11aに加圧
接触されている摺動材22とから構成されている。圧電
体12と弾性体11とは、ビッカース硬度がHv=8.
0以上の接着剤を用いた接着層13により接合されてい
る。
【0014】図2は、接着剤の接着層の硬度と、弾性体
に発生する進行波の振幅を一定にしたときの消費電力と
の関係を示す線図である。横軸の硬度は、二液タイプエ
ポキシ系接着剤の主剤に対して硬化剤の成分または含有
量を変えることによって得た。主剤は、主成分をエポキ
シ樹脂中間体とした。硬度が最も低い点が硬化剤に主成
分として、ポリサルファイドを用いた場合であり、硬度
が二番目に低い点からは硬化剤に主成分として、脂肪族
ポリアミンを用いた場合である。さらに、主成分である
脂肪族ポリアミンの含有量を様々に変えることによっ
て、様々の硬度を得ることができた。縦軸の消費電力
は、上記した実験によって得られた硬度になる硬化条件
により固定子1を作製し、弾性体11に発生する進行波
の振幅がある一定値に達したときの消費電力値である。
に発生する進行波の振幅を一定にしたときの消費電力と
の関係を示す線図である。横軸の硬度は、二液タイプエ
ポキシ系接着剤の主剤に対して硬化剤の成分または含有
量を変えることによって得た。主剤は、主成分をエポキ
シ樹脂中間体とした。硬度が最も低い点が硬化剤に主成
分として、ポリサルファイドを用いた場合であり、硬度
が二番目に低い点からは硬化剤に主成分として、脂肪族
ポリアミンを用いた場合である。さらに、主成分である
脂肪族ポリアミンの含有量を様々に変えることによっ
て、様々の硬度を得ることができた。縦軸の消費電力
は、上記した実験によって得られた硬度になる硬化条件
により固定子1を作製し、弾性体11に発生する進行波
の振幅がある一定値に達したときの消費電力値である。
【0015】図2によると、硬度がHv=8.0以下の
接着層13では、消費電力が大きくなっていることがわ
かる。消費電力が大きいということは、圧電体12から
弾性体11に伝達される振動エネルギーが途中で減少し
ていることを意味し、硬度が小さくてたわみ性の大きな
性質を持つ接着層13では、圧電体12から弾性体11
に伝達される振動エネルギーを大きく減衰させているこ
とが理解できる。
接着層13では、消費電力が大きくなっていることがわ
かる。消費電力が大きいということは、圧電体12から
弾性体11に伝達される振動エネルギーが途中で減少し
ていることを意味し、硬度が小さくてたわみ性の大きな
性質を持つ接着層13では、圧電体12から弾性体11
に伝達される振動エネルギーを大きく減衰させているこ
とが理解できる。
【0016】以上のように、圧電体12と弾性体11と
の接合に用いる接着剤の硬度をHv=8.0以上とする
と、圧電体12から弾性体11に伝達される振動エネル
ギーの減衰が低減される。硬化時にビッカース硬度がH
v=8.0以上の性質になる接着剤としては、表1に示
した接着剤があり、本実施例の消費電力を小さくすると
いうことにおいて好適な結果が得られる。
の接合に用いる接着剤の硬度をHv=8.0以上とする
と、圧電体12から弾性体11に伝達される振動エネル
ギーの減衰が低減される。硬化時にビッカース硬度がH
v=8.0以上の性質になる接着剤としては、表1に示
した接着剤があり、本実施例の消費電力を小さくすると
いうことにおいて好適な結果が得られる。
【0017】
【表1】
【0018】また、接着層13のビッカース硬度がHv
=8〜15付近では、ビッカース硬度がそれよりも高い
箇所よりも消費電力が小さくなっている。これは、接着
剤の硬化時の収縮等が固定子1の残留応力による変形を
生じさせ、これが進行波発生に悪影響を及ぼすのである
が、その変形が若干柔らかめな接着層13により緩和さ
れているためである。しかし、それより柔らかくなる
と、固定子1の変形は緩和されるが、固定子1の振動を
減衰してしまうために、逆に、消費電流が増加してしま
う。
=8〜15付近では、ビッカース硬度がそれよりも高い
箇所よりも消費電力が小さくなっている。これは、接着
剤の硬化時の収縮等が固定子1の残留応力による変形を
生じさせ、これが進行波発生に悪影響を及ぼすのである
が、その変形が若干柔らかめな接着層13により緩和さ
れているためである。しかし、それより柔らかくなる
と、固定子1の変形は緩和されるが、固定子1の振動を
減衰してしまうために、逆に、消費電流が増加してしま
う。
【0019】(第2実施例)第1実施例では、ビッカー
ス硬度がHv=8.0以上の接着剤を用いた接着層13
により、圧電体12と弾性体11とを接合したが、第2
実施例では、縦弾性率E=180kgf/mm2 以上の
接着剤を用いた接着層13により、圧電体12と弾性体
11とを接合した。構成は、第1実施例と同じであるた
めに、説明や図示は省略する。
ス硬度がHv=8.0以上の接着剤を用いた接着層13
により、圧電体12と弾性体11とを接合したが、第2
実施例では、縦弾性率E=180kgf/mm2 以上の
接着剤を用いた接着層13により、圧電体12と弾性体
11とを接合した。構成は、第1実施例と同じであるた
めに、説明や図示は省略する。
【0020】図3は、接着剤の接着層の縦弾性率と、弾
性体に発生する進行波の振幅を一定にしたときの消費電
力との関係を示す線図である。横軸の縦弾性率は、二液
タイプエポキシ系接着剤の主剤に対して硬化剤の成分ま
たは含有量を変えることで得た。主剤は、主成分として
エポキシ樹脂中間体を用いた。縦弾性率が最も低い点が
硬化剤に主成分として、ポリサルファイドを用いた場合
であり、縦弾性率が二番目に低い点からは硬化剤に主成
分として、脂肪族ポリアミンを用いた場合である。さら
に、主成分である脂肪族ポリアミンの含有量を様々に変
えることにより様々の縦弾性率を得ることができた。縦
弾性率の測定は、JIS K7106に規定してある試
験片の曲げモーメントを測定する方法により行った。試
験片は、厚さが一様に薄くなるような型に接着剤を流し
込んで硬化させ、その後に規定の寸法に切り出すことに
より得た。縦軸の消費電力は、上記した実験で得られた
縦弾性率になる硬化条件により固定子1を作製し、弾性
体11に発生する進行波の振幅がある一定値に達したと
きの消費電力値である。
性体に発生する進行波の振幅を一定にしたときの消費電
力との関係を示す線図である。横軸の縦弾性率は、二液
タイプエポキシ系接着剤の主剤に対して硬化剤の成分ま
たは含有量を変えることで得た。主剤は、主成分として
エポキシ樹脂中間体を用いた。縦弾性率が最も低い点が
硬化剤に主成分として、ポリサルファイドを用いた場合
であり、縦弾性率が二番目に低い点からは硬化剤に主成
分として、脂肪族ポリアミンを用いた場合である。さら
に、主成分である脂肪族ポリアミンの含有量を様々に変
えることにより様々の縦弾性率を得ることができた。縦
弾性率の測定は、JIS K7106に規定してある試
験片の曲げモーメントを測定する方法により行った。試
験片は、厚さが一様に薄くなるような型に接着剤を流し
込んで硬化させ、その後に規定の寸法に切り出すことに
より得た。縦軸の消費電力は、上記した実験で得られた
縦弾性率になる硬化条件により固定子1を作製し、弾性
体11に発生する進行波の振幅がある一定値に達したと
きの消費電力値である。
【0021】図3によると、縦弾性率がE=180kg
f/mm2 以下の接着層13では消費電力が大きくなっ
ていることがわかる。消費電力が大きいということは、
圧電体12から弾性体11に伝達される振動エネルギー
が途中で減少していることを意味し、縦弾性率が小さい
性質を持つ接着層13では、接着層13自体が伸縮振動
してしまい振動エネルギーを消費してしまうので、圧電
体12から弾性体11に伝達される振動エネルギーを大
きく減衰していることが理解できる。
f/mm2 以下の接着層13では消費電力が大きくなっ
ていることがわかる。消費電力が大きいということは、
圧電体12から弾性体11に伝達される振動エネルギー
が途中で減少していることを意味し、縦弾性率が小さい
性質を持つ接着層13では、接着層13自体が伸縮振動
してしまい振動エネルギーを消費してしまうので、圧電
体12から弾性体11に伝達される振動エネルギーを大
きく減衰していることが理解できる。
【0022】以上のように、圧電体12と弾性体11と
の接合に用いる接着剤を縦弾性率がE=180kgf/
mm2 とすると、圧電体12から弾性体11に伝達され
る振動エネルギーの減衰が低減される。硬化時に縦弾性
率がE=180kgf/mm2 以上の性質を持つ接着剤
としては、表2に示した接着剤があり、本実施例の消費
電力を小さくするということにおいて好適な結果が得ら
れる。
の接合に用いる接着剤を縦弾性率がE=180kgf/
mm2 とすると、圧電体12から弾性体11に伝達され
る振動エネルギーの減衰が低減される。硬化時に縦弾性
率がE=180kgf/mm2 以上の性質を持つ接着剤
としては、表2に示した接着剤があり、本実施例の消費
電力を小さくするということにおいて好適な結果が得ら
れる。
【0023】
【表2】
【0024】また、接着層13の縦弾性率がE=180
〜220kgf/mm2 付近では、縦弾性率がそれより
も高い箇所よりも消費電力が小さくなっている。これ
は、接着剤の硬化時の収縮等が固定子1の残留応力によ
る変形を生じさせ、これが進行波発生に悪影響を及ぼす
のであるが、若干縦弾性率の小さな接着層13が周りの
残留応力の状態により静的に伸張又は収縮し、それによ
り変形が緩和されているためである。しかし、それより
縦弾性率が小さくなると固定子1の変形は緩和される
が、固定子1の振動を減衰してしまうために、逆に、消
費電流が増加してしまう。
〜220kgf/mm2 付近では、縦弾性率がそれより
も高い箇所よりも消費電力が小さくなっている。これ
は、接着剤の硬化時の収縮等が固定子1の残留応力によ
る変形を生じさせ、これが進行波発生に悪影響を及ぼす
のであるが、若干縦弾性率の小さな接着層13が周りの
残留応力の状態により静的に伸張又は収縮し、それによ
り変形が緩和されているためである。しかし、それより
縦弾性率が小さくなると固定子1の変形は緩和される
が、固定子1の振動を減衰してしまうために、逆に、消
費電流が増加してしまう。
【0025】(第3実施例)第1実施例では、圧電体1
2と弾性体11との接合に用いる接着剤をビッカース硬
度Hv=8.0以上とし、第2実施例では、圧電体12
と弾性体11との接合に用いる接着剤を縦弾性率E=1
80kgf/mm2 以上としたが、第3実施例では、圧
電体12と弾性体11との接合に用いる接着剤をビッカ
ース硬度Hv=8.0以上かつ縦弾性率E=180kg
f/mm2 以上とした。構成は、第1実施例と同じであ
るために、説明や図示は省略する。
2と弾性体11との接合に用いる接着剤をビッカース硬
度Hv=8.0以上とし、第2実施例では、圧電体12
と弾性体11との接合に用いる接着剤を縦弾性率E=1
80kgf/mm2 以上としたが、第3実施例では、圧
電体12と弾性体11との接合に用いる接着剤をビッカ
ース硬度Hv=8.0以上かつ縦弾性率E=180kg
f/mm2 以上とした。構成は、第1実施例と同じであ
るために、説明や図示は省略する。
【0026】本実施例のようにすると、接着層13内で
の振動の減衰が低減された上に、接着層13自体が伸縮
振動することによる振動エネルギーの消費も低減され、
圧電体12から弾性体11に伝達される振動エネルギー
効率の向上を図れるという点においては、さらに大きな
効果が生じる。
の振動の減衰が低減された上に、接着層13自体が伸縮
振動することによる振動エネルギーの消費も低減され、
圧電体12から弾性体11に伝達される振動エネルギー
効率の向上を図れるという点においては、さらに大きな
効果が生じる。
【0027】(第4実施例)第2実施例では、圧電体1
2と弾性体11との接合のために、縦弾性率E=180
kgf/mm2 以上の性質をもつ接着剤を用いたが、第
4の実施例では、同様な性質をもつ接着剤として、表3
に示したものを使用したものであり、本実施例の消費電
力を小さくすることにおいて好適な結果が得られる。縦
弾性率の測定方法は、第2実施例と同様に、JIS K
7106に規定してある方法に基づいて行った。試験片
も第2実施例と同様に、厚さが一様に薄くなるような型
に接着剤を流し込んで硬化させ、その後に規定の寸法に
切り出すことにより得た。
2と弾性体11との接合のために、縦弾性率E=180
kgf/mm2 以上の性質をもつ接着剤を用いたが、第
4の実施例では、同様な性質をもつ接着剤として、表3
に示したものを使用したものであり、本実施例の消費電
力を小さくすることにおいて好適な結果が得られる。縦
弾性率の測定方法は、第2実施例と同様に、JIS K
7106に規定してある方法に基づいて行った。試験片
も第2実施例と同様に、厚さが一様に薄くなるような型
に接着剤を流し込んで硬化させ、その後に規定の寸法に
切り出すことにより得た。
【0028】
【表3】
【0029】(第5実施例)図4は、本発明による超音
波モータの第4実施例を示した図である。なお、図1に
示した実施例と同様な機能を果たす部分には、同一の符
号を付して説明する。固定子1は、駆動信号により励振
する圧電体12と、その圧電体12に接合され前記励振
により駆動面11aに振動波を生ずる弾性体11とから
構成されている。この弾性体11の外周面には、フラン
ジ13が形成されている。このフランジ13は、弾性体
11と連接される薄肉部13aと、この薄肉部13aの
外縁に連接される肉厚部13bとからなる。肉厚部13
bは、固定子支持体3に接合されている。
波モータの第4実施例を示した図である。なお、図1に
示した実施例と同様な機能を果たす部分には、同一の符
号を付して説明する。固定子1は、駆動信号により励振
する圧電体12と、その圧電体12に接合され前記励振
により駆動面11aに振動波を生ずる弾性体11とから
構成されている。この弾性体11の外周面には、フラン
ジ13が形成されている。このフランジ13は、弾性体
11と連接される薄肉部13aと、この薄肉部13aの
外縁に連接される肉厚部13bとからなる。肉厚部13
bは、固定子支持体3に接合されている。
【0030】移動子2は、移動子母材21と、その移動
子母材21に接合され、摺動面22aにより弾性体11
の駆動面11aに加圧接触されている摺動材22とから
構成されている。移動子母材21の外周面には、フラン
ジ部21aが形成され、その外縁部に肉厚部21bが連
接されている。この肉厚部21bには、不図示の加圧部
材による加圧力が加えられており、これにより、摺動面
22aと駆動面11aとが加圧接触される。このような
構成によると、弾性体11の駆動力は、移動子2に摩擦
的に伝達され、移動子2は駆動される。
子母材21に接合され、摺動面22aにより弾性体11
の駆動面11aに加圧接触されている摺動材22とから
構成されている。移動子母材21の外周面には、フラン
ジ部21aが形成され、その外縁部に肉厚部21bが連
接されている。この肉厚部21bには、不図示の加圧部
材による加圧力が加えられており、これにより、摺動面
22aと駆動面11aとが加圧接触される。このような
構成によると、弾性体11の駆動力は、移動子2に摩擦
的に伝達され、移動子2は駆動される。
【0031】第5実施例では、圧電体12と弾性体11
とは、ビッカース硬度がHv=8.0以上の接着剤を用
いた接着層、縦弾性率E=180kgf/mm2 以上の
接着剤を用いた接着層、ビッカース硬度がHv=8.0
以上かつ縦弾性率E=180kgf/mm2 以上の接着
剤を用いた接着層により、それぞれ接合した。
とは、ビッカース硬度がHv=8.0以上の接着剤を用
いた接着層、縦弾性率E=180kgf/mm2 以上の
接着剤を用いた接着層、ビッカース硬度がHv=8.0
以上かつ縦弾性率E=180kgf/mm2 以上の接着
剤を用いた接着層により、それぞれ接合した。
【0032】表4は、第5実施例によるビッカース硬度
がHv=8.0以上かつ縦弾性率E=180kgf/m
m2 以上の接着剤を用いた接着層の特性を示す表であ
る。消費電力は、定格駆動時(ある負荷をかけて、ある
回転速度を発生させたとき)に必要な電力を示してお
り、値が小さいほど駆動効率が向上していることを表し
ている。この測定では、接着剤の特性以外に対する影響
をなくすために、同一工程、同一ロットで製造された同
一寸法の弾性体11と、同一材質で同一寸法の圧電体1
2とを用い、接着は、同一日のほぼ同一時間で同一作業
者により行った。また、性能を測定するために用いた移
動子は、どの測定においても同一とした。表4に示した
接着剤を超音波モータに用いると、共振抵抗を小さくす
ることができ、消費電力も小さくできることがわかる。
がHv=8.0以上かつ縦弾性率E=180kgf/m
m2 以上の接着剤を用いた接着層の特性を示す表であ
る。消費電力は、定格駆動時(ある負荷をかけて、ある
回転速度を発生させたとき)に必要な電力を示してお
り、値が小さいほど駆動効率が向上していることを表し
ている。この測定では、接着剤の特性以外に対する影響
をなくすために、同一工程、同一ロットで製造された同
一寸法の弾性体11と、同一材質で同一寸法の圧電体1
2とを用い、接着は、同一日のほぼ同一時間で同一作業
者により行った。また、性能を測定するために用いた移
動子は、どの測定においても同一とした。表4に示した
接着剤を超音波モータに用いると、共振抵抗を小さくす
ることができ、消費電力も小さくできることがわかる。
【0033】
【表4】
【0034】(第6実施例)図5は、本発明による超音
波モータの第6実施例を示した図である。第1〜第5実
施例では、円環状の進行波型超音波モータについて説明
したが、第6実施例では、進行波を用いない超音波モー
タ(リニア型の超音波アクチュエータ)の振動子に適用
したものである。このような超音波モータの駆動原理
は、特開平1−315282等により開示されているの
で、ここでは概略的に説明する。
波モータの第6実施例を示した図である。第1〜第5実
施例では、円環状の進行波型超音波モータについて説明
したが、第6実施例では、進行波を用いない超音波モー
タ(リニア型の超音波アクチュエータ)の振動子に適用
したものである。このような超音波モータの駆動原理
は、特開平1−315282等により開示されているの
で、ここでは概略的に説明する。
【0035】移動子102は、弾性体121と、圧電体
122とから構成されている。弾性体121は、端面が
駆動面121aaとなる互いに平行な2つの駆動部12
1aと、各駆動部121aを連結する連結部121bと
からなり、駆動部121aと連結部121bとの結合部
には、面取りされた面取り部121cが形成され、圧電
体122の励振により駆動面121aaに振動波を発生
する。圧電体122は、面取り部121cに設けられ、
駆動信号により励振する。このような構成によると、圧
電体122の駆動信号により弾性体121の駆動面12
1aaに振動波が発生し、固定子101からの反力によ
り移動子102が駆動される。
122とから構成されている。弾性体121は、端面が
駆動面121aaとなる互いに平行な2つの駆動部12
1aと、各駆動部121aを連結する連結部121bと
からなり、駆動部121aと連結部121bとの結合部
には、面取りされた面取り部121cが形成され、圧電
体122の励振により駆動面121aaに振動波を発生
する。圧電体122は、面取り部121cに設けられ、
駆動信号により励振する。このような構成によると、圧
電体122の駆動信号により弾性体121の駆動面12
1aaに振動波が発生し、固定子101からの反力によ
り移動子102が駆動される。
【0036】弾性体121と圧電体122とは、ビッカ
ース硬度がHv=8.0以上の接着剤を用いた接着層、
縦弾性率E=180kgf/mm2 以上の接着剤を用い
た接着層、ビッカース硬度がHv=8.0以上かつ縦弾
性率E=180kgf/mm2以上の接着剤を用いた接
着層により、それぞれ接合した。これにより、圧電体1
22から弾性体121に伝達される振動エネルギーの減
衰を低減することができ、超音波モータの駆動効率を大
きく向上することができる。
ース硬度がHv=8.0以上の接着剤を用いた接着層、
縦弾性率E=180kgf/mm2 以上の接着剤を用い
た接着層、ビッカース硬度がHv=8.0以上かつ縦弾
性率E=180kgf/mm2以上の接着剤を用いた接
着層により、それぞれ接合した。これにより、圧電体1
22から弾性体121に伝達される振動エネルギーの減
衰を低減することができ、超音波モータの駆動効率を大
きく向上することができる。
【0037】以上説明した各実施例に限定されることな
く、種々の変形や変更ができ、それらも本発明の範囲内
である。例えば、上記実施例では、円環状の進行波型超
音波モータやリニア型超音波モータを用いたが、定在波
型超音波モータ等でも圧電体と弾性体の接合を接着剤に
より行っているもの全てに超音波モータにおいて、前記
実施例のようにビッカース硬度Hv=8.0以上の接着
剤か、縦弾性率E=180kgf/mm2 以上の接着剤
か、または、双方の性質を満たした接着剤を用いること
によって、圧電体12から弾性体11に伝達される振動
エネルギーの減衰の低減することができるという効果が
生じる。また、上記実施例では、電気−機械変換素子を
圧電素子として説明したが、電歪素子としてもよい。
く、種々の変形や変更ができ、それらも本発明の範囲内
である。例えば、上記実施例では、円環状の進行波型超
音波モータやリニア型超音波モータを用いたが、定在波
型超音波モータ等でも圧電体と弾性体の接合を接着剤に
より行っているもの全てに超音波モータにおいて、前記
実施例のようにビッカース硬度Hv=8.0以上の接着
剤か、縦弾性率E=180kgf/mm2 以上の接着剤
か、または、双方の性質を満たした接着剤を用いること
によって、圧電体12から弾性体11に伝達される振動
エネルギーの減衰の低減することができるという効果が
生じる。また、上記実施例では、電気−機械変換素子を
圧電素子として説明したが、電歪素子としてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上詳しく説明したように本発明によれ
ば、電気−機械変換素子と弾性体との接合に用いる接着
剤の硬度を高く(例えば、Hv=8.0以上)したため
に、電気−機械変換素子から弾性体に伝達される振動エ
ネルギーの減衰が低減された。これにより、超音波モー
タの起動トルクや消費電力,駆動効率を改善することが
できた。
ば、電気−機械変換素子と弾性体との接合に用いる接着
剤の硬度を高く(例えば、Hv=8.0以上)したため
に、電気−機械変換素子から弾性体に伝達される振動エ
ネルギーの減衰が低減された。これにより、超音波モー
タの起動トルクや消費電力,駆動効率を改善することが
できた。
【0039】また、電気−機械変換素子と弾性体との接
合に用いる接着剤の縦弾性率を高く(例えば、E=18
0kgf/mm2 以上)したために、電気−機械変換素
子から弾性体に伝達される振動エネルギーの減衰が低減
された。これにより、超音波モータの起動トルクや消費
電力,駆動効率を改善することができた。
合に用いる接着剤の縦弾性率を高く(例えば、E=18
0kgf/mm2 以上)したために、電気−機械変換素
子から弾性体に伝達される振動エネルギーの減衰が低減
された。これにより、超音波モータの起動トルクや消費
電力,駆動効率を改善することができた。
【0040】さらに、電気−機械変換素子と弾性体との
接合に用いる接着剤の硬度および縦弾性係数を共に高く
した(例えば、Hv=8.0以上かつE=180kgf
/mm2 以上)したために、電気−機械変換素子から弾
性体に伝達される振動エネルギーの減衰が、さらに、低
減された。これにより、超音波モータの起動トルクや消
費電力,駆動効率を大きく改善することができた。
接合に用いる接着剤の硬度および縦弾性係数を共に高く
した(例えば、Hv=8.0以上かつE=180kgf
/mm2 以上)したために、電気−機械変換素子から弾
性体に伝達される振動エネルギーの減衰が、さらに、低
減された。これにより、超音波モータの起動トルクや消
費電力,駆動効率を大きく改善することができた。
【図1】本発明による超音波モータの第1実施例を説明
する概略図である。
する概略図である。
【図2】接着層の硬度と消費電力の関係を示した図であ
る。
る。
【図3】接着層の縦弾性率と消費電力の関係を示した図
である。
である。
【図4】本発明による超音波モータの第5実施例を説明
する概略図である。
する概略図である。
【図5】本発明による超音波モータの第6実施例を説明
する概略図である。
する概略図である。
1 固定子 2 移動子 11 弾性体 11a 駆動面 12 圧電体 21 移動子母材 22 摺動材 22a 摺動面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横尾 知彦 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株式会社ニコン内 (56)参考文献 特開 平4−248380(JP,A) 特開 平5−95687(JP,A) 特開 昭62−23380(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00
Claims (7)
- 【請求項1】 駆動信号により励振される電気−機械変
換素子と;前記電気−機械変換素子に接合され前記励振
により駆動面に振動波を生ずる弾性体と;前記弾性体の
駆動面に加圧接触する接触部材と;から構成され、前記
振動波により前記接触部材又は前記弾性体が駆動される
超音波モータにおいて、 前記電気−機械変換素子と前記弾性体とを接合する、硬
度の高い接着剤を用いた接着層を設けたことを特徴とす
る超音波モータ。 - 【請求項2】 前記接着層は、前記接着剤のビッカース
硬度をHv=8.0以上としたことを特徴とする請求項
1に記載の超音波モータ。 - 【請求項3】 駆動信号により励振される電気−機械変
換素子と;前記電気−機械変換素子に接合され前記励振
により駆動面に振動波を生ずる弾性体と;前記弾性体の
駆動面に加圧接触する接触部材と;から構成され、前記
振動波により前記接触部材又は前記弾性体が駆動される
超音波モータにおいて、 前記電気−機械変換素子と前記弾性体とを接合する、縦
弾性率の高い接着剤を用いた接着層を設けたことを特徴
とする超音波モータ。 - 【請求項4】 前記接着層は、前記接着剤の縦弾性率を
E=180kgf/mm2 以上としたことを特徴とする
請求項3に記載の超音波モータ。 - 【請求項5】 駆動信号により励振される電気−機械変
換素子と;前記電気−機械変換素子に接合され前記励振
により駆動面に振動波を生ずる弾性体と;前記弾性体の
駆動面に加圧接触する接触部材と;から構成され、前記
振動波により前記接触部材又は前記弾性体が駆動される
超音波モータにおいて、 前記電気−機械変換素子と前記弾性体とを接合する、硬
度が高くかつ縦弾性率が高い接着剤を用いた接着層を設
けたことを特徴とする超音波モータ。 - 【請求項6】 前記接着層は、前記接着剤のビッカース
硬度をHv=8.0以上とし、かつ、縦弾性率をE=1
80kgf/mm2 以上としたことを特徴とする請求項
5に記載の超音波モータ。 - 【請求項7】 前記接着層は、前記接着剤が二液タイプ
エポキシ系であって、主剤をエポキシ系として、硬化剤
をポリアミン系としたことを特徴とする請求項2又は請
求項4又は請求項6に記載の超音波モータ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23873693A JP3229983B2 (ja) | 1993-02-02 | 1993-08-31 | 超音波モータ |
US08/614,908 US5654604A (en) | 1993-02-02 | 1996-03-13 | Vibration motor having improved adhesive layer between electromechanical conversion element and elastic body |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-39365 | 1993-02-02 | ||
JP3936593 | 1993-02-02 | ||
JP23873693A JP3229983B2 (ja) | 1993-02-02 | 1993-08-31 | 超音波モータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06292373A JPH06292373A (ja) | 1994-10-18 |
JP3229983B2 true JP3229983B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=26378728
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23873693A Expired - Lifetime JP3229983B2 (ja) | 1993-02-02 | 1993-08-31 | 超音波モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3229983B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5028905B2 (ja) * | 2006-08-11 | 2012-09-19 | コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 | 駆動装置 |
JP6658716B2 (ja) * | 2017-11-14 | 2020-03-04 | Tdk株式会社 | 圧電アクチュエータ |
-
1993
- 1993-08-31 JP JP23873693A patent/JP3229983B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06292373A (ja) | 1994-10-18 |
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---|---|---|---|
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