JP2004201441A - 振動型駆動装置 - Google Patents

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JP2004201441A JP2002368548A JP2002368548A JP2004201441A JP 2004201441 A JP2004201441 A JP 2004201441A JP 2002368548 A JP2002368548 A JP 2002368548A JP 2002368548 A JP2002368548 A JP 2002368548A JP 2004201441 A JP2004201441 A JP 2004201441A
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Atsushi Kimura
篤史 木村
Hajime Kanazawa
元 金沢
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Abstract

【課題】電気−機械エネルギ変換素子の最大歪みを大きくすることなく、電気−機械エネルギ変換素子の歪みの総和(接触体への出力)を大きくする。
【解決手段】電気−機械エネルギ変換素子2への駆動信号の供給により、弾性体21a(21b)に振動を発生させる振動体と、弾性体21aに接触し、弾性体21aからの振動を受けて駆動される接触体とを有する振動型駆動装置において、振動体は、この振動によって生じる歪の最も集中する領域を、電気−機械エネルギ変換素子2および弾性体21aの接触面から離れた位置に発生させるように構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動型駆動装置に関するものであって、電気−機械エネルギ変換素子が固定される振動体の形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の振動波モータについて図21を用いて説明する(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。図21は、振動波モータの側断面図である。同図において、振動子は、円板状に形成された2つの弾性体1a、1bの間に圧電素子2を挟持、又は接着により接合して構成されている。この振動子の振動形態を図22に示す。
【0003】
圧電素子2は、図23に示すように1周8分割の電極パターン(+、−は分極方向)、すなわち空間的位相差が90°のA相(A+、A−)、B相(B+、B−)が設けられたものを多数積層されている。A相およびB相に同一周波数で時間的位相差が90°の交流信号が印加されると、圧電素子2は厚み方向に伸縮して弾性体1a、1bには面外曲げ(ここでは周方向2次)の進行波が生ずる。
【0004】
この結果、弾性体1a、1bの駆動部の表面粒子は同じ方向の円または楕円運動を行い、これに移動子としてのロータを圧接すれば、ロータは同方向に摩擦駆動される。なお、図23の電極パターンにおいて、内周の斜線部には電極が存在していないが、これはこの部分がほとんど歪まずロータの駆動に寄与しないためである。
【0005】
図21において、3a、3bはロータであり、各々ゴム7を介して加圧用の薄板バネ5により押圧され、弾性体1a、1bに圧接される。薄板バネ5は、中心部においてスラスト方向の位置決め用部品8とかしめ結合しており、ラジアル・スラスト両方向に固定されている。なお、11は位置決め用部品8をモータ軸9に固定するためのビスである。
【0006】
上記構成において、ロータ3a、3bは共通のモータ軸9と連結して回転することにより、モータ軸9を回転出力とすることができる。なお、弾性体1a、1bは、周方向に複数のスリットが形成され、振動変位を拡大するための櫛歯を有する。
【0007】
振動子の径方向に延出した振動子支持用薄円板4の外周部は、ケース部材としてのモータケース6に固定されている。これにより、振動子はモータケース6によって支持される。振動子支持用薄円板4には加圧力が作用しないため、これに抗する剛性は不要で、モータ負荷反力に抗するねじり剛性が確保できればよい。10はモータケース6に結合されたベアリングであり、このベアリング10に軸支されたモータ軸9がモータケース6から突出している。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−95777号公報
【特許文献2】
特開2001−16875号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した振動波モータは、薄型の割に高出力を得られるというメリットがあるが、以下に説明する問題点がある。上述した振動波モータの振動子は、ロータとの摩擦駆動部の直径を圧電素子2の直径よりも大きくし、摩擦駆動部と圧電素子2との間に位置する弾性体1a、1bの部位をフランジ形状とすることで、摩擦駆動部の振動変位を拡大するよう構成されている。図24は、振動子の固有振動モードにおける振動の腹部の厚さ方向の引張り応力σzの等高線図を示す。図中の値は応力σzを摩擦駆動部のZ振幅で正規化したものであり、単位はMPaである。図25は、圧電素子2のうち弾性体との接触面に近い領域において、摩擦駆動部のZ振幅で正規化された応力σz(縦軸)と、径(横軸)との関係を示したグラフである。
【0010】
図25に示すように、ある振動モードにおいて、圧電素子2の内径部付近ではほとんど応力(歪)が発生せず、外周部に近づくにつれて応力σzが大きくなっており、最も応力の集中する応力集中領域が圧電素子の外周付近となっている。これは振動子のフランジ部の根元部分に最も応力が集中しやすいためである。
【0011】
振動波モータにおいて、高い出力を発生させるためには、振動子の摩擦駆動部に所定の振幅を効率よく出す必要がある。このためには、摩擦駆動部における単位振幅あたりの圧電素子の平均歪(本件では圧電素子の厚み方向の歪を利用しているので、厚み方向の歪の平均値)を大きくしなければならない。この平均歪とは、圧電素子のうち電極が形成された領域における平均歪のことである。
【0012】
しかし、図25に示す応力分布の場合、平均歪を大きくしようとすると、圧電素子での最大応力(歪)が非常に大きくなり、圧電素子内部の誘電体損失が増大し、モータ効率が悪化する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電気−機械エネルギ変換素子への駆動信号の供給により、弾性体に振動を発生させる振動体と、弾性体に接触し、弾性体からの振動を受けて駆動される接触体とを有する振動型駆動装置において、振動体は、この振動によって生じる歪集中領域を、電気−機械エネルギ変換素子および弾性体の接触面から離れた位置に発生させるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図20を参照して本発明である振動型駆動装置の各実施形態について説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である振動波モータ(振動型駆動装置)における振動子の側断面図である。
【0016】
同図において、振動子の弾性体21a、21bは、圧電素子(電気−機械エネルギ変換素子)2に接触しており、この圧電素子2に位相の異なる交番信号を印加することで弾性体21a、21bに振動が励起される。弾性体21a、21bのうち図中上下方向に延びる突起部(摩擦駆動部)には、不図示の接触体が加圧接触しており、弾性体21a、21bに振動が励起されることで、接触体が所定方向に移動することになる。
【0017】
一方、振動子の弾性体21a、21bは、この一端面に円柱状の突部21cを有している。この突部21cの先端は、圧電素子(電気−機械エネルギ変換素子)2と接触しており、圧電素子2と略等しい径を有している。
【0018】
ここで、振動子の弾性体21a、21bに突部21cを設けると、振動子の厚さ方向(図中上下方向)における引張り応力σzの等高線は図2に示すようになり、応力集中領域が弾性体21a、21bの突部21cの根元部分近傍に位置する。これに対し、従来技術の振動子(図21に示す振動子)では図24に示すように、応力集中領域が圧電素子2の外周に位置する。このように応力集中領域の位置が変化したのは、突部21cを設けたために突部21cの根元が振動子のフランジ部の根元になり、この部位に応力が集中しやすくなったためである。この結果、本実施形態では、圧電素子2のうち弾性体21a(21b)との接触面に近い領域において、圧電素子2の内部に従来技術に示すものよりも大きな応力が発生する。例えば、図24及び図2より、引張り応力σzの等高線図のうち10MPaを示す等高線と5MPaを示す等高線とが従来技術のものよりも圧電素子の中心方向へ向かってシフトしていることがわかるであろう。
【0019】
図3は、圧電素子2のうち弾性体21a(21b)との接触面に近い領域において、摩擦駆動部のZ振幅(図2中上下方向の振幅)で正規化された応力σz(縦軸)と、径(横軸)との関係を示す。同図には、本実施形態における振動子と、従来技術における振動子とを比較して示している。
【0020】
同図に示すように、本実施形態における振動子では、圧電素子2の最外径となる部分において、従来技術の振動子と同様に応力が最も大きくなっている。
【0021】
ここで、摩擦駆動部の単位振幅あたりの最大応力の値を、図3に示すように、本実施形態の振動子および従来の振動子で等しい値にそろえると、最大応力が加わる位置よりも径方向内側において、本実施形態における応力値は従来に比べて大きくなる。これにより、圧電素子2における応力(歪)の平均値(又は総和)が、従来技術での圧電素子における応力の平均値(又は総和)よりも大きくなる。
【0022】
このように本実施形態の振動波モータによれば、圧電素子2の最大歪みを大きくすることなく、圧電素子2の歪の総和を大きくすることができるため、圧電素子2を破損することなく、振動子の歪み量を大きく(振動波モータの出力を大きく)することができる。
【0023】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態である振動波モータにおける振動子の側断面図である。
【0024】
同図において、振動子の弾性体31a、31bの一端面には、突部が形成されており、この突部の側面には弾性体31a、31bの径方向内側に延びる切り欠き部31cが形成されている。この切り欠き部31cは、ロータの回転軸に対して傾斜する傾斜面を有している。
【0025】
このように弾性体31a、31bに切り欠き部31cを設けることにより、剛性の小さい領域が形成される。
【0026】
ここで、弾性体31a、31bに切り欠き部31cを設けると、振動子の厚さ方向(図中上下方向)における引張り応力σzの等高線は図5に示すようになり、応力の集中する領域が切り欠き31c付近に形成されている。このような応力分布では、圧電素子2の応力集中領域が内径側にシフトする。
【0027】
図6は、圧電素子2のうち弾性体31a(31b)との接触面に近い領域において、摩擦駆動部のZ振幅で正規化された応力σz(縦軸)と、径(横軸)との関係を示す。同図には、本実施形態における振動子と、従来技術における振動子とを比較して示している。
【0028】
同図に示すように、本実施形態における振動子では、圧電素子2の最外径となる部分において従来技術の振動子と同様に応力が最も大きくなっている。
【0029】
ここで、摩擦駆動部の単位振幅あたりの最大応力の値を、図6に示すように、本実施形態の振動子および従来の振動子で等しい値にそろえると、圧電素子の最大応力が加わる位置よりも径方向内側において、本実施形態における応力値は従来に比べて大きくなる。これにより、圧電素子2における応力(歪)の平均値が、従来における応力の平均値よりも大きくなる。
【0030】
このように振動子のフランジ部の根元を圧電素子2の外周よりも径方向内側に設け、応力集中領域を圧電素子2の外周よりも径方向内側に位置させることは、圧電素子2の最大歪みを大きくすることなく、圧電素子2の歪の総和を大きくするために非常に有効な手段である。
【0031】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態である振動波モータにおける振動子の側断面図である。
【0032】
同図において、振動子の弾性体41a、41bのうち圧電素子2側の端面には突部が形成されており、この突部の側面には径方向内側に延びる周状の溝部41cが形成されている。このような振動子の構成においても、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0033】
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態である振動波モータにおける振動子の側断面図である。
【0034】
同図において、振動子の弾性体51a、51bのうち圧電素子2が配置される側の端面には突部51cが形成されており、この突部51cは圧電素子2の径よりも小さい径に形成されている。
【0035】
振動子を上述した構成にすると、振動子の厚さ方向における引張り応力σzの等高線は図9のようになり、応力の集中する領域が突部51cの外周付近に形成される。このような応力分布では、圧電素子2の最大応力の位置も内径側にシフトする。
【0036】
ここで、圧電素子2の外周近傍の領域は、弾性体51a、51bと接触しておらず、この領域では応力が著しく低下する。このため、突部51cの径をあまり小さくしすぎると、圧電素子2に生じる歪みの平均値(総和)を大きくさせる点で逆効果となってしまう。このため、突部51cの径は、従来技術よりも歪みの平均値が大きくなるような径に適宜設定する必要がある。
【0037】
図10は、圧電素子2のうち弾性体51a(51b)との接触面に近い領域において、摩擦駆動部のZ振幅で正規化された応力σz(縦軸)と、径(横軸)との関係を示す。同図には、本実施形態における振動子と、従来技術における振動子とを比較して示している。
【0038】
同図に示すように、本実施形態における振動子では、圧電素子2の最外径よりも内側の領域において、従来の振動子における応力に比べて大きくなっている。
【0039】
ここで、摩擦駆動部の単位振幅あたりの最大応力の値を、図10に示すように、本実施形態の振動子および従来の振動子で等しい値にそろえると、圧電素子2における応力(歪み)の平均値が、従来の振動子(圧電素子)における応力の平均値よりも大きくなり、第2、第3実施形態における応力の平均値に近いものとなる。
【0040】
本実施形態の振動子では、第2、第3実施形態のように切り欠き部を形成しておらず、突部51cの径が長手方向で等しくなっているため、弾性体51a、51bの加工が容易となる。
【0041】
(第5実施形態)
図11は、本発明の第5実施形態である振動波モータにおける振動子の側断面図である。
【0042】
同図において、振動子の弾性体61a、61bには、第4実施形態と同様に、圧電素子2の径よりも小さい径の突部61cが形成されている。また、本実施形態では、圧電素子22の外径エッジ部をR形状(曲面形状)にしている(C面取りでもよい)。
【0043】
第4実施形態で説明したように、突部61cの径が小さすぎると、圧電素子22の外径部、特に弾性体61a、61bに近い部分の応力がマイナスになり、圧電素子全体における歪みの平均値が減少してしまう。このため、本実施形態では、圧電素子2のエッジ部をR状に形成して、応力がマイナスとなる領域を除去することで、モータの駆動に使わないようしている。
【0044】
図12は、圧電素子のうち弾性体との接触面に近い領域において、摩擦駆動部のZ振幅で正規化された応力σz(縦軸)と、径(横軸)との関係を示す。同図には、外径エッジ部がR形状に形成されていない圧電素子を用いた振動子(第4実施形態)と、外径エッジ部がR形状に形成された圧電素子を用いた振動子(本実施形態)とを比較して示している。
【0045】
本実施形態では、上述したように図中の○に示す部分はモータの駆動に用いないので、圧電素子22の平均歪の値は第4実施形態と同等になる。すなわち、本実施形態においても、従来技術の振動子に比べて圧電素子における歪みの総和を大きくすることができる。
【0046】
(第6実施形態)
図13は、本発明の第6実施形態である振動波モータにおける振動子の側断面図である。
【0047】
同図において、振動子の弾性体71a、71bは、第5実施形態における弾性体61a、61bと同一形状となっている。また、圧電素子32は、第1実施形態から第4実施形態における圧電素子2と同一形状となっている。一方、本実施形態では、圧電素子32のうち図中○印で示す領域、すなわち応力がマイナスとなる領域には、モータ駆動用の電極が設けられていない。
【0048】
すなわち、圧電素子32のうち弾性体71a、71bとの接触面に近い部分では、図14に示すように、外周部が幅dだけ空いている電極パターンを積層している。そして、幅dは、図15に示すように、弾性体71a(71b)との接触面に近づくにつれて大きくなるようになっている。図15において、圧電素子32の内部に示した実線は、電極パターンを示している。
【0049】
本実施形態では、第5実施形態のように圧電素子の形状を変えずに内部電極の形状を変えることによって、第5実施形態と同じ効果を得るようにしている。
【0050】
(第7実施形態)
図16は、本発明の第7実施形態である振動波モータにおける振動子の側断面図である。
【0051】
同図において、振動子の弾性体81a、81bおよび圧電素子2はそれぞれ、第4実施形態における弾性体51a、51bおよび圧電素子2と同じ構成となっている。一方、本実施形態では、弾性体81a、81bと圧電素子2との間に形成されたスペースに、弾性体81a、81bのヤング率よりも小さい補助部材12(樹脂材料等)を設けて、この部分の剛性を小さくしている。
【0052】
第4実施形態では、上述したように補助部材12が配置される領域における剛性がゼロとなっているが、本実施形態では、補助部材12を設けることによって、剛性を高めている。これにより、本実施形態では、第4実施形態に比べて圧電素子2の外周における応力を高めることができ、圧電素子2全体における歪みの平均値を大きくすることができる。
【0053】
(第8実施形態)
図17は、本発明の第8実施形態である振動波モータにおける振動子の側断面図である。
【0054】
同図において、振動子の弾性体91a、91bおよび圧電素子2はそれぞれ、第4実施形態における弾性体51a、51bおよび圧電素子2と同じ構成となっている。一方、本実施形態では、弾性体91a、91bと圧電素子2との間に薄板状の円板13を設けている。このように弾性体91a(91b)および圧電素子2間に、円板13を配置することにより、圧電素子2の外周に相当する領域における剛性を高めることができる。これにより、本実施形態においても、第7実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0055】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、第1実施形態から第8実施形態における構成を適宜組み合わせることもできる。
【0056】
(第9実施形態)
図18は、本発明の第9実施形態である振動波モータの側断面図である。第1実施形態から第8実施形態における振動子は、円板状に形成された2つの弾性体の間に圧電素子2を挟持、又は接着により接合して構成したものであり、この振動子を用いた振動波モータは、2つの弾性体のそれぞれにロータを圧接させて、ロータを摩擦駆動している。
【0057】
本実施形態の振動子は、図18に示すように、1つの弾性体21aと、1つの支持部材14との間に圧電素子を挟持、又は接着により接合して構成されている。本実施形態では、第1実施形態で説明した弾性体21aおよび圧電素子2を用いた場合について説明する。なお、第2実施形態から第8実施形態で説明した弾性体および圧電素子を用いることもできる。
【0058】
図18において、ロータ3aは、ゴム7を介して加圧用の薄板バネ5からの付勢力を受けて弾性体21aに圧接する。薄板バネ5は、この中心部においてスラスト方向の位置決め用部品8とかしめ結合しており、もう1つの位置決め用部品8’をモータ軸9に固定し、加圧の反力をベアリング10’が受けるようにすることによって、ラジアル・スラスト両方向においてガタなく固定されている。
【0059】
なお、ビス11、11’はそれぞれ、位置決め用部品8、8’をモータ軸9に固定するための部材である。
【0060】
上述した構成において、ロータ3aは、モータ軸9と連結して回転することによりモータ軸9を回転出力とすることができる。支持部材14は、振動がほとんど発生しないように設計されており、モータケース26’にビスにより固定されている。これにより、振動子はモータケース26’に支持される。
【0061】
ベアリング10はモータケース26に結合され、ベアリング10’は支持部材14に結合されており、モータ軸9は、ベアリング10、10’に回転可能に支持されている。
【0062】
本実施形態における振動子の厚さ方向の引っ張り応力σzの等高線を図19に示す。本実施形態の振動子では、第1実施形態から第8実施形態のように2つの弾性体を用いた振動子と比べると、支持部材14付近の応力が小さく圧電素子2の応力(歪)の平均値は小さくなる。
【0063】
しかし、本実施形態では、2つの弾性体のうち1つの弾性体を省略しているため、振動波モータを薄型化することができる。また、支持部材14を用いることで振動子の支持構造がしっかりしており、支持部材14とモータケース26’との接触面積が大きくなっているため、放熱の面でも有利となる。
【0064】
(第10実施形態)
図20は、本発明の第10実施形態である振動波モータの側断面図である。
【0065】
上述した第9実施形態では、ロータ3aにバネ性を持たせた構成としているが、本実施形態では、破線で示すように弾性体101の外周に複数のスリットを形成することで弾性体101にバネ性を持たせている。そして、ロータ23にはバネ性を持たせておらず、ロータ23が厚みの薄い円盤状に形成されている。
【0066】
ロータ23は、SUS420J2などの磁性材料で構成されている。ここで、磁石15を弾性体101とロータ23との間に配置することで、磁石15の磁力によりロータ23を弾性体101側に引き寄せて、ロータ23を弾性体101に圧接させることができる。
【0067】
ロータ23は、モータ軸29に一体的に接合されており、ロータ23が回転することでモータ軸29を回転出力とすることができる。支持部材14は、第9実施形態と同様にモータケース36’に固定されており、これにより振動子はモータケース36’に支持される。
【0068】
ベアリング10、10’はそれぞれ、モータケース36および支持部材14に結合されており、モータ軸29がベアリング10、10’により回転可能に支持されている。
【0069】
本実施形態の振動波モータの構成によれば、第9実施形態で説明した振動波モータよりも更に薄型化を図ることができる。すなわち、本実施形態では、ロータ23ではなく弾性体101におけるスリットを大きくすることでバネ性を持たせているため、第9実施形態に比べてロータ23の回転軸方向における振動波モータの大きさを小さく(薄型化)することができる。
【0070】
以上説明した各実施形態は、以下に示す各発明を実施した場合の一例でもあり、下記の各発明は上記各実施形態に様々な変更や改良が加えられて実施されるものである。
【0071】
〔発明1〕 電気−機械エネルギ変換素子への駆動信号の供給により、弾性体に振動を発生させる振動体と、前記弾性体に接触し、前記弾性体からの振動を受けて駆動される接触体とを有する振動型駆動装置において、
前記振動体は、この振動によって生じる歪が最も集中する領域を、前記電気−機械エネルギ変換素子および前記弾性体の接触面から離れた位置に発生させるように構成されていることを特徴とする振動型駆動装置。
【0072】
本発明の振動型駆動装置は、振動体の振動によって生じる歪が最も集中する領域(歪集中領域)を接触面から離れた位置に発生させることにより、電気−機械エネルギ変換素子に生じる最大歪みを大きくすることなく、電気−機械エネルギ変換素子に生じる歪みの総和(平均値)を大きくさせるようにしている。これにより、電気−機械エネルギ変換素子を破損させることなく、装置の出力を大きくすることができ、低電圧でも効率の良い駆動を行うことができる。
【0073】
〔発明2〕 電気−機械エネルギ変換素子への駆動信号の供給により、弾性体に振動を発生させる振動体と、前記弾性体に接触し、前記弾性体からの振動を受けて駆動される接触体とを有する振動型駆動装置において、
前記振動体は、この振動によって生じる歪が最も集中する領域を、前記電気−機械エネルギ変換素子の外周よりも径方向内側に発生させるように構成されていることを特徴とする振動型駆動装置。
【0074】
本発明においても、上記発明1と同様の効果を得ることができる。
【0075】
〔発明3〕 電気−機械エネルギ変換素子への駆動信号の供給により、弾性体に振動を発生させる振動体と、前記弾性体に接触し、前記弾性体からの振動を受けて駆動される接触体とを有する振動型駆動装置において、
前記振動体は、この振動によって生じる歪が最も集中する領域を、前記電気−機械エネルギ変換素子および前記弾性体の接触面から離れた位置であって、前記電気−機械エネルギ変換素子の外周よりも径方向内側に発生させるように構成されていることを特徴とする振動型駆動装置。
【0076】
〔発明4〕 電気−機械エネルギ変換素子への駆動信号の供給により、弾性体に振動を発生させる振動体と、前記弾性体に接触し、前記弾性体からの振動を受けて駆動される接触体とを有する振動型駆動装置において、
前記弾性体のうち前記電気−機械エネルギ変換素子との接触面の外側に、前記弾性体よりも剛性の小さい領域が形成されていることを特徴とする振動型駆動装置。
【0077】
上述したように、電気−機械エネルギ変換素子に生じる歪みの総和を大きくするための具体的構成として、上記発明のように構成することができる。
【0078】
〔発明5〕 前記弾性体には先端が前記電気−機械エネルギ変換素子に接触する突部が形成され、前記突部の側面に、この突部の内側に延びる溝部が形成されていることを特徴とする前記発明1から4のいずれかに記載の振動型駆動装置。
【0079】
〔発明6〕 電気−機械エネルギ変換素子への駆動信号の供給により、弾性体に振動を発生させる振動体と、前記弾性体に接触し、前記弾性体からの振動を受けて駆動される接触体とを有する振動型駆動装置において、
前記弾性体には先端が前記電気−機械エネルギ変換素子に接触する突部が形成され、前記突部の径が、前記電気−機械エネルギ変換素子の径よりも小さいことを特徴とする振動型駆動装置。
【0080】
〔発明7〕 前記電気−機械エネルギ変換素子は、この端部が曲面を持つように形成されていることを特徴とする前記発明1から6のいずれかに記載の振動型駆動装置。
【0081】
〔発明8〕 前記電気−機械エネルギ変換素子は、複数の電極領域が積層されて構成されており、
前記複数の電極領域のうち、前記弾性体との接触面の近傍に位置する電極領域が、他の電極領域よりも小さく形成されていることを特徴とする前記発明1から6のいずれかに記載の振動型駆動装置。
【0082】
〔発明9〕 前記弾性体のうち前記電気−機械エネルギ変換素子との接触面の近傍に、前記弾性体よりも剛性の小さい部材が配置されていることを特徴とする前記発明4に記載の振動型駆動装置。
【0083】
〔発明10〕 前記弾性体および前記電気−機械エネルギ変換素子間に配置された板状部材を有することを特徴とする前記発明1から8のいずれかに記載の振動型駆動装置。
【0084】
〔発明11〕 前記板状部材が、前記電気−機械エネルギ変換素子と同じ大きさに形成されていることを特徴とする前記発明10に記載の振動型駆動装置。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、電気−機械エネルギ変換素子の最大歪を大きくすることなく、電気−機械エネルギ変換素子の歪を総和を大きくすることができ、低電圧でも装置の出力を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である振動波モータにおける振動子の側断面図。
【図2】本発明の第1実施形態の振動子において、振動時の厚み方向の引っ張り応力σzを示す等高線図。
【図3】第1実施形態の振動波モータにおいて、圧電素子のうち弾性体の接触面に近い領域における、応力σzと径との関係を示すグラフ。
【図4】本発明の第2実施形態である振動波モータにおける振動子の側断面図。
【図5】本発明の第2実施形態の振動子において、振動時の厚み方向の引っ張り応力σzを示す等高線図。
【図6】第2実施形態の振動波モータにおいて、圧電素子のうち弾性体の接触面に近い領域における、応力σzと径との関係を示すグラフ。
【図7】本発明の第3実施形態である振動波モータにおける振動子の側断面図。
【図8】本発明の第4実施形態である振動波モータにおける振動子の側断面図。
【図9】本発明の第4実施形態の振動子において、振動時の厚み方向の引っ張り応力σzを示す等高線図。
【図10】第4実施形態の振動波モータにおいて、圧電素子のうち弾性体との接触面に近い領域における、応力σzと径との関係を示すグラフ。
【図11】本発明の第5実施形態の振動波モータにおける振動子の側断面図。
【図12】第5実施形態の振動波モータにおいて、圧電素子のうち弾性体との接触面に近い領域における、応力σzと径との関係を示すグラフ。
【図13】本発明の第6実施形態である振動波モータにおける振動子の側断面図。
【図14】本発明の第6実施形態である振動波モータにおける圧電素子の電極パターンを示す図。
【図15】本発明の第6実施形態である振動波モータにおいて、圧電素子の内部電極を示す拡大側面図。
【図16】本発明の第7実施形態である振動波モータにおける振動子の側断面図。
【図17】本発明の第8実施形態である振動波モータにおける振動子の側断面図。
【図18】本発明の第9実施形態である振動波モータの側断面図。
【図19】第9実施形態の振動子において、振動時の厚み方向の引っ張り応力σzを示す等高線図。
【図20】本発明の第10実施形態である振動波モータの側断面図。
【図21】従来技術である振動波モータの側断面図。
【図22】従来技術である振動波モータにおける振動子の形状および振動姿態を示す図。
【図23】従来技術である振動波モータにおける圧電素子の電極パターン図。
【図24】従来技術の振動子において、振動時の厚み方向の引っ張り応力σzを示す等高線図。
【図25】従来技術である振動波モータにおいて、圧電素子のうち弾性体との接触面に近い領域における、応力σzと径との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1a、1b、21a、21b、31a、31b、41a、41b、
51a、51b、61a、61b、71a、71b、81a、81b、
91a、91b、101・・・弾性体
2、22、32・・・圧電素子
3a、3b、23・・・ロータ
4・・・振動子支持用薄板円板 14・・・振動子支持部材
5・・・加圧用バネ 15・・・加圧用磁石
6、26、26’、36、36’・・・モータケース
7・・・ゴム
8、8’・・・位置決め用部品
9、29・・・モータ軸
10、10’・・・ベアリング
11、11’・・・ビス
12・・・補助部材
13・・・薄板円板

Claims (1)

  1. 電気−機械エネルギ変換素子への駆動信号の供給により、弾性体に振動を発生させる振動体と、前記弾性体に接触し、前記弾性体からの振動を受けて駆動される接触体とを有する振動型駆動装置において、
    前記振動体は、この振動によって生じる歪が最も集中する領域を、前記電気−機械エネルギ変換素子および前記弾性体の接触面から離れた位置に発生させるように構成されていることを特徴とする振動型駆動装置。
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