JP2001050308A - 油圧式動力伝達継手 - Google Patents

油圧式動力伝達継手

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JP2001050308A
JP2001050308A JP11224018A JP22401899A JP2001050308A JP 2001050308 A JP2001050308 A JP 2001050308A JP 11224018 A JP11224018 A JP 11224018A JP 22401899 A JP22401899 A JP 22401899A JP 2001050308 A JP2001050308 A JP 2001050308A
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Japan
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rotary valve
plunger
input shaft
orifice
suction
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JP11224018A
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English (en)
Inventor
Shigeru Morioka
繁 森岡
Shuichi Kimura
秀一 木村
Masashi Ichihara
雅志 市原
Fumio Oshima
文男 大島
Kazuhiro Abe
和宏 安部
Atsushi Nakamura
淳 中村
Meiji Inoue
明治 井上
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Viscodrive Japan Ltd
Original Assignee
Viscodrive Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加速度感応型の差動制限力を得ることがで
き、これによりABS干渉防止及び高速時の燃費改善を
行うことができる油圧式動力伝達継手を提供すること。 【解決手段】 バネ部材60を介してカム部材40に連
結された状態で、入力軸及び出力軸に対して回転自在に
設けられた慣性体50が、入力軸の回転角速度によっ
て、カム部材40に対してバネ部材60を圧縮する側に
相対回転されることにより、ロータリーバルブ30のオ
リフィス34を閉鎖する。また慣性体50は、前記回転
角速度がなくなると、バネ部材60の付勢力によりカム
部材40に対して前記とは逆方向に相対回転されること
により、ロータリーバルブ30のオリフィス34を開放
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧によって発生
させたポンプ加圧抵抗力により、入力軸及び出力軸間で
トルクを伝達する油圧式動力伝達継手に関する。
【0002】
【従来の技術】図4を参照すると、従来、油圧式動力伝
達継手70として、所謂プランジャーポンプの油圧によ
って、プランジャー82とカム100の山型カム面10
1との間でポンプ加圧抵抗力を発生させ、入力軸71及
び出力軸72間でトルクを伝達するものがある。
【0003】すなわち油圧式動力伝達継手70は、ロー
タ80、複数のプランジャー室81、複数のプランジャ
ー82、ロータリーバルブ90及びカム100をハウジ
ング74内に有しており、各プランジャー室81内に作
動油を充填されることにより、プランジャーポンプを構
成する。
【0004】ロータ80は、入力軸71に連結されて入
力軸71と一体に回転する。プランジャー室81は、ロ
ータ80に回転方向に沿って所定の間隔をあけて複数設
けられ、内部に作動油を充填されるとともに、作動油の
吸入吐出孔83を有する。プランジャー82は、各プラ
ンジャー室81内に図4中左右方向に沿って往復動可能
にそれぞれ設けられる。
【0005】ロータリーバルブ90は、入力軸71に対
して相対回転可能に設けられており、各プランジャー室
81の吸入吐出孔83と適宜連通される複数の吸入ポー
ト91及び吐出ポート92を有する。ロータリーバルブ
90には、吸入路93が、放射方向に沿って設けられ
る。吸入路93は、各吸入ポート91をそれぞれロータ
リーバルブ90の放射方向外側の空間73(以下「外側
空間73」という。)に連通させる。また、ロータリー
バルブ90には、オリフィス94が、放射方向に沿って
設けられる。オリフィス94は、各吐出ポート92をそ
れぞれロータリーバルブ90の外側空間73に連通させ
る。
【0006】カム100は、各プランジャー82を当接
される山型カム面101を有し、出力軸72及びハウジ
ング74に連結されて出力軸72及びハウジング74と
一体に回転する。カム100は、入力軸71及び出力軸
72間で相対回転が生じた際、山型カム面101を各プ
ランジャー82に摺接させることによって各プランジャ
ー82を各プランジャー室81内で往復動させ、各プラ
ンジャー室81内への作動油の吸入及び吐出を行わせ
る。
【0007】このような油圧式動力伝達継手70におい
て、入力軸71及び出力軸72間で相対回転が生じない
状態では、カム100の山型カム面101と各プランジ
ャー82との摺接は生じず、各プランジャー82による
各プランジャー室81内への作動油の吸入及び吐出は行
われない。したがって、各プランジャー82はそれぞ
れ、カム100の山型カム面101に押し付けられず、
入力軸71及び出力軸72間のトルク伝達は行われな
い。
【0008】一方、入力軸71及び出力軸72間で相対
回転が生じ、例えばロータ80がカム100よりも高速
回転し始めると、カム100の山型カム面101と各プ
ランジャー82との摺接によって各プランジャー82が
駆動され、吐出過程にあるプランジャー室81内の作動
油が、吸入吐出孔83からロータリーバルブ90の吐出
ポート92及びオリフィス94を介して、ロータリーバ
ルブ90の外側空間73に流出する。流出した作動油
は、ロータリーバルブ90の吸入路93及び吸入ポート
91を介して、吸入吐出孔83から吸入過程にあるプラ
ンジャー室81内に流入する。
【0009】この状態では、吐出過程にあるプランジャ
ー室81内の作動油が、オリフィス94を通過すること
によって生じる流動抵抗により、当該プランジャー室8
1内の油圧が高くなる。これにより、当該プランジャー
室81のプランジャー82が、カム100の山型カム面
101に押し付けられる。この圧力に抗して、プランジ
ャー82を駆動することにより、入力軸71及び出力軸
72間のトルク伝達が行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の油圧式
動力伝達継手70では、各プランジャー82とカム10
0の山型カム面101との間のポンプ加圧抵抗力を、プ
ランジャーポンプの動作による油圧によって差動回転数
に応じて発生させる。しかしながら、このような構成で
あれば、ABS干渉の問題が起こるとともに高速時にお
ける差動回転によって無用なトルク伝達が行われてしま
い高速時の燃費向上を図ることができないという問題が
あった。
【0011】本発明はかかる事情に鑑み、比較的簡易な
構成でありながら、加速度感応型の差動制限力を得るこ
とで、ABS干渉防止及び高速時の燃費改善を行うこと
ができる油圧式動力伝達継手を提供することを目的とし
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成によって達成される。 (1) 油圧によって発生させたポンプ加圧抵抗力によ
り、入力軸及び出力軸間でトルクを伝達する油圧式動力
伝達継手において、吐出部を、入力軸の回転角加速度に
応じて閉鎖することが可能な慣性体を備えたことを特徴
とする油圧式動力伝達装置。 (2) 油圧によって発生させたポンプ加圧抵抗力によ
り、入力軸及び出力軸間でトルクを伝達する油圧式動力
伝達継手において、出力軸に連結されて出力軸と一体に
回転するロータと、ロータに回転方向に沿って所定の間
隔をあけて複数設けられ、内部に作動油を充填されると
ともに、作動油の吸入吐出孔を有するプランジャー室
と、各プランジャー室内に往復動可能にそれぞれ設けら
れたプランジャーと、出力軸に対して相対回転可能に設
けられ、各プランジャー室の吸入吐出孔と適宜連通され
る複数の吸入ポート及び吐出ポートを有するロータリー
バルブと、ロータリーバルブに設けられ、各吸入ポート
をそれぞれロータリーバルブの外側空間に連通させる吸
入路と、ロータリーバルブに設けられ、各吐出ポートを
それぞれロータリーバルブの外側空間に連通させるオリ
フィスと、前記各プランジャーを当接される凹凸カム面
を有し、入力軸に連結されて入力軸と一体に回転すると
ともに、ロータリーバルブを所定の範囲内で相対回転可
能に連動し、凹凸カム面を各プランジャーに摺接させる
ことによって各プランジャーを各プランジャー室内で往
復動させ、各プランジャー室内への作動油の吸入及び吐
出を、前記吸入吐出孔、吸入ポート、吐出ポート、吸入
路及びオリフィスを介して行わせるカム部材と、バネ部
材を介してカム部材に連結された状態で、入力軸及び出
力軸に対して相対回転可能に設けられ、入力軸の回転角
加速度に感応してカム部材に対してバネ部材を圧縮する
側に相対回転されることにより、ロータリーバルブのオ
リフィスを閉鎖するとともに、入力軸の回転角速度が一
定になるとバネ部材の付勢力によりカム部材に対して前
記とは逆方向に相対回転されることにより、ロータリー
バルブのオリフィスを開放する慣性体とを備えたことを
特徴とする油圧式動力伝達継手。
【0013】上記(1)の構成によれば、入力軸の回転
角加速度に感応する慣性体は、加速度が生じない状態で
は、吐出部を開放する位置にある。この状態では、入力
軸及び出力軸間のトルク伝達は行われない。一方、入力
軸に回転角加速度が生じると慣性体が吐出部を閉鎖する
位置に変位する。これにより、入力軸及び出力軸間でト
ルクが伝達可能になる。
【0014】上記(2)の構成によれば、入力軸の回転
角加速度に感応する慣性体は、加速度が生じない状態で
は、バネ部材の付勢力によって吐出部であるオリフィス
を開放する位置にあり、バネ部材を介してカム部材に連
動して回転する。この状態では、ロータリーバルブのオ
リフィスは開放されている。したがって、各プランジャ
ーはそれぞれ、カム部材の凹凸カム面に押し付けられ
ず、入力軸及び出力軸間のトルク伝達は行われない。
【0015】一方、入力軸に回転角加速度が生じると、
カム部材と慣性体との間で相対回転を生じる。このた
め、バネ部材を圧縮されつつカム部材に対して慣性体が
相対回転し、オリフィスを閉鎖する位置に変位する。
【0016】この状態では、ロータリーバルブのオリフ
ィスが、慣性体によって閉鎖される。したがって、吐出
過程にあるプランジャー室内の作動油は、オリフィスを
通過できず、当該プランジャー室内の油圧が急激に高ま
る。これにより、当該プランジャー室のプランジャー
が、カム部材の凹凸カム面に更に高圧で押し付けられて
ポンプ加圧抵抗力を生じ、入力軸及び出力軸間で伝達可
能なトルクが発生する。
【0017】その後、入力軸の回転角速度が一定になる
と、慣性体は、バネ部材の付勢力によってカム部材に対
して上記とは逆方向に相対回転し、オリフィスを開放す
る位置に戻る。
【0018】したがって、ロータリーバルブのオリフィ
スは開放される。これにより、各プランジャーは、カム
部材の凹凸カム面に押し付けられなくなり、入力軸及び
出力軸間のトルク伝達が停止する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図示実施形態により、本発
明を説明する。図1は、本発明の一実施形態である油圧
式動力伝達継手を示す断面図であり、図の上半分はプラ
ンジャーポンプの吸入過程の状態を、図の下半分はプラ
ンジャーポンプの吐出過程の状態をそれぞれ示してい
る。また、図2は、図1の油圧式動力伝達継手のA矢視
図であり、図3は、図1の油圧式動力伝達継手のB矢視
図である。
【0020】これらの図において、油圧式動力伝達継手
10は、プランジャーポンプの作用で発生させた油圧に
よって、プランジャー26とカム部材40の凹凸カム面
43との間にポンプ加圧抵抗力を生じさせ、出力軸嵌挿
孔11に嵌挿される出力軸(図示しない)、及び入力軸
嵌挿孔12に嵌挿される入力軸(図示しない)間でトル
ク伝達を行う所謂アキシャル・プランジャーポンプ・カ
ップリングである。
【0021】すなわち油圧式動力伝達継手10は、ロー
タ20、ロータ20に設けられた複数のプランジャー室
24並びにプランジャー26、ロータリーバルブ30及
びカム部材40を有しており、各プランジャー室24内
及びロータリーバルブ30の放射方向外側の空間13
(以下「外側空間13」という。)に作動油を充填され
る。油圧式動力伝達継手10は、各プランジャー26と
カム部材40の凹凸カム面43との摺接に伴う各プラン
ジャー26の往復動によって、各プランジャー室24内
への作動油の吸入及び吐出を、各プランジャー室24の
吸入吐出孔25、及びロータリーバルブ30の吸入ポー
ト31、吐出ポート32、吸入路33並びに吐出部を構
成するオリフィス34を介して行う。
【0022】油圧式動力伝達継手10は、各プランジャ
ー室24の吐出側(ロータリーバルブ30のオリフィス
34)を、プランジャーポンプの放射方向外側に設けら
れた慣性体50で閉塞させることによって、プランジャ
ーポンプによる油圧を大幅に高め、前記ポンプ加圧抵抗
力を増大させる。
【0023】ロータ20は、スプライン21等によりハ
ブ22を介して出力軸に固定される。ロータ20は、出
力軸に対して相対回転不能で出力軸と一体回転し、か
つ、ストップリング23により出力軸の軸方向の位置を
規制されている。
【0024】ロータ20には、複数のプランジャー室2
4が、回転方向に所定の間隔をあけて設けられる。各プ
ランジャー室24はそれぞれ、内部に作動油を充填され
るとともに、作動油の吸入吐出孔25を図1中左右方向
に沿って形成される。各プランジャー室24内にはそれ
ぞれ、プランジャー26が、図1中左右方向に沿って往
復動可能に設けられる。各プランジャー26はそれぞ
れ、各プランジャー室24の図1中右側内壁面との間に
設けられたコイルバネ27によって、常時図1中左方に
付勢されており、先端面(図1中左側面)をカム部材4
0の凹凸カム面43(図1中右側内面)に常時当接され
る。
【0025】ロータリーバルブ30は、出力軸に対して
相対回転可能に、かつ、カム部材40に対して所定の角
度だけ相対回転可能に設けられる。ロータリーバルブ3
0は、各プランジャー室24の吸入吐出孔25と適宜連
通される複数の吸入ポート31及び吐出ポート32を有
する。 すなわち、ロータリーバルブ30の吸入ポート
31及び吐出ポート32はそれぞれ、回転方向に所定の
間隔をあけて交互に複数(本実施形態では4個ずつ計8
個)設けられる。各吸入ポート31はそれぞれ、放射方
向に延びる吸入路33を介して、ロータリーバルブ30
の外側空間13に連通される。各吐出ポート32はそれ
ぞれ、放射方向に延びるオリフィス34を介して、ロー
タリーバルブ30の外側空間13に連通される。なお、
このオリフィス34は長孔からなり、従来のオリフィス
に比べて大きく設定されている。
【0026】ロータリーバルブ30は、オリフィス34
を設けられた凸状部35に、カム部材40のハウジング
41に設けられた突出部42を係合されることにより、
カム部材40に連動して回転する。ロータリーバルブ3
0は、凸状部35とカム部材40のハウジング41の突
出部42との係合位置を、入力軸の正回転時(図2中時
計方向)と逆回転時(図2中反時計方向)とで変更され
ることにより、ロータ20に対する相対回転位置を変更
される。これによりロータリーバルブ30は、各プラン
ジャー室24の吸入吐出孔25を吸入ポート31又は吐
出ポート32に適宜連通させ、各プランジャー室24の
状態を吸入過程(図1中上半分に示す状態)又は吐出過
程(図1中下半分に示す状態)に切り換える。
【0027】すなわちロータリーバルブ30は、入力軸
の正回転時、図2に示すように、凸状部35におけるロ
ータリーバルブ30の正回転方向(図2中時計方向)後
方側の面を、カム部材40のハウジング41の突出部4
2に係合され、カム部材40に連動される。これにより
ロータリーバルブ30は、カム部材40に連動して図2
中時計方向に回転する。またロータリーバルブ30は、
入力軸の逆回転時、カム部材40に対して所定の角度相
対回転し、凸状部35におけるロータリーバルブ30の
逆回転方向(図2中反時計方向)後方側の面を、カム部
材40のハウジング41の突出部42に係合され、カム
部材40に連動される。これによりロータリーバルブ3
0は、カム部材40に連動して図2中反時計方向に回転
する。
【0028】カム部材40は、円筒部を入力軸に連結さ
れて入力軸と一体に回転するとともに、外縁部に固定さ
れた略円筒状のハウジング41の突出部42を、ロータ
リーバルブ30の凸状部35に係合することにより、ロ
ータリーバルブ30を所定の範囲内で相対回転可能に連
動する。ハウジング41の突出部42は、ハウジング4
1における図1中右端部に、回転方向に所定の間隔をあ
けて複数(図2では4個)、図2中紙面に垂直な方向に
沿う手前側に向けて突設される。
【0029】カム部材40は、各プランジャー26先端
をそれぞれ当接される凹凸カム面43を有する。凹凸カ
ム面43は、カム部材40の周方向に沿って交互に形成
された複数の凹部43a及び凸部43bからなり、波形
の表面形状を呈する。
【0030】カム部材40は、入力軸及び出力軸間で相
対回転が生じた際、凹凸カム面43を各プランジャー2
6先端と摺接することにより、各プランジャー26を図
1中左右方向に沿って往復動させる。これによりカム部
材40は、吐出過程にある各プランジャー室24からの
作動油の吐出、及び吸入過程にある各プランジャー室2
4からの作動油の吸入を、吸入吐出孔25、吸入ポート
31、吐出ポート32、吸入路33及びオリフィス34
を介して行わせる。
【0031】慣性体50は、図1中右側のベアリング5
1を介してハブ22(入力軸側)に相対回転可能に支持
されるとともに、図1中左側のベアリング52を介して
カム部材40(出力軸側)に相対回転可能に支持されて
おり、入力軸及び出力軸に対して相対回転可能である。
【0032】慣性体50は、バネ部材60を介してカム
部材40に連結されており、カム部材40との回転差に
よって、カム部材40に対してバネ部材60を圧縮する
側に相対回転されることにより、ロータリーバルブ30
のオリフィス34を閉鎖する。また慣性体50は、カム
部材40との回転差がなくなった状態で、バネ部材60
の伸長に伴う付勢力によって前記とは逆方向に相対回転
されることにより、ロータリーバルブ30のオリフィス
34を開放する。
【0033】すなわち、慣性体50の内周面における図
1中右端部近傍には、第1及び第2の凸部53,54が
それぞれ、周方向に所定の間隔をあけて複数(図2では
4個ずつ計8個)突設される。第1の凸部53はそれぞ
れ、入力軸の正回転時においてロータリーバルブ30の
オリフィス34を開閉する。また第2の凸部54はそれ
ぞれ、入力軸の逆回転時においてロータリーバルブ30
のオリフィス34を開閉する。
【0034】第1及び第2の凸部53,54はそれぞ
れ、バネ部材60が伸長した状態における慣性体50の
カム部材40に対する所定の回転位置(以下「オリフィ
ス開放位置」という。)で、ロータリーバルブ30のオ
リフィス34の開口端を塞がない位置に位置する。また
第1及び第2の凸部53,54はそれぞれ、慣性体50
のオリフィス開放位置から所定の回転角度回転してバネ
部材60を圧縮した位置(以下「オリフィス閉鎖位置」
という。)で、ロータリーバルブ30のオリフィス34
の開口端を塞ぐ位置に位置する。
【0035】図1及び図3を参照すると、バネ部材60
は、慣性体50とカム部材40との間に介在される。す
なわちバネ部材60は、入力軸の正回転時におけるカム
部材40の正回転方向(図3中時計方向)前方側端部6
1を、慣性体50に連結されるとともに、カム部材40
の正回転方向後方側端部62を、カム部材40に連結さ
れる。
【0036】バネ部材60は、入力軸の回転角速度によ
って、カム部材40と慣性体50との間で相対回転が生
じると、慣性体50のオリフィス閉鎖位置への変位に伴
って圧縮される。またバネ部材60は、入力軸に回転角
速度がなくなると、慣性体50による圧縮から開放され
て元の状態に戻る。この際の付勢力によって、バネ部材
60は、慣性体50をカム部材40に対して上記とは逆
方向に相対回転させ、オリフィス開放位置まで戻す。
【0037】本実施形態の作用を説明する。慣性体50
は、車両に加速度が作用せず、入力軸に回転角速度が生
じない状態では、バネ部材60の付勢力によってオリフ
ィス開放位置にあり、バネ部材60を介してカム部材4
0に連動して回転する。
【0038】この状態では、ロータリーバルブ30のオ
リフィス34は開放されている。したがって、各プラン
ジャー26はそれぞれ、カム部材40の凹凸カム面43
に押し付けられず、入力軸及び出力軸間のトルク伝達は
行われない。
【0039】一方、車両に加速度が生じた状態では、カ
ム部材40と慣性体50との間で相対回転を生じる。す
なわち、慣性体50は、入力軸に回転角速度が生じるの
に伴って、バネ部材60を圧縮されつつカム部材40に
対して相対回転し、オリフィス閉鎖位置に変位する。
【0040】この状態では、ロータリーバルブ30のオ
リフィス34が、慣性体50の凸部によって閉鎖され
る。したがって、吐出過程にあるプランジャー室24内
の作動油は、オリフィス34を通過できず、当該プラン
ジャー室24内の油圧が急激に高まる。これにより、当
該プランジャー室24のプランジャー26が、カム部材
40の凹凸カム面43に高圧で押し付けられて高いポン
プ加圧抵抗力を生じ、入力軸及び出力軸間で伝達可能な
トルクが大幅に高まる。
【0041】入力軸及び出力軸間で高いトルクが伝達さ
れた後、入力軸の回転角速度が一定になると、慣性体5
0は、バネ部材60の付勢力によってカム部材40に対
して上記とは逆方向に相対回転し、オリフィス開放位置
に戻る。
【0042】したがって、ロータリーバルブ30のオリ
フィス34は開放される。これにより、各プランジャー
26は、カム部材40の凹凸カム面43に押し付けられ
ず、入力軸及び出力軸間のトルク伝達が停止する。
【0043】以上のように上記実施形態によれば、バネ
部材60を介してカム部材40に連結された状態で、入
力軸及び出力軸に対して回転自在に設けられた慣性体5
0が、入力軸の回転角加速度によって、カム部材40に
対してバネ部材60を圧縮する側に相対回転されること
により、ロータリーバルブ30のオリフィス34を閉鎖
する。また慣性体50は、前記回転角加速度がなくなり
回転角速度が一定になると、バネ部材60の付勢力によ
りカム部材40に対して前記とは逆方向に相対回転され
ることにより、ロータリーバルブ30のオリフィス34
を開放する。
【0044】つまり、ロータリーバルブ30のオリフィ
ス34を慣性体50で一時的に閉鎖することによって、
プランジャーポンプによる油圧を大幅に高め、ポンプ加
圧抵抗力を発生させる。したがって、比較的簡易な構成
でありながら、車体加速度に感応した伝達トルクを得る
ことができる。
【0045】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れることなく、適宜変更、改良等が可能である。例え
ば、上述した実施形態においては、アキシャル・プラン
ジャーポンプ・カップリングを一例として説明したが、
他の容積型ポンプからなる油圧式動力伝達継手にも適用
可能である。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、入力軸及
び出力軸に対して回転自在に設けられた慣性体が、入力
軸の回転角加速度に感応して相対回転されることによ
り、吐出部を閉鎖するとともに、前記加速度が作用しな
くなると前記とは逆方向に相対回転されることにより、
吐出部を開放する。したがって、加速度感応型の差動制
限力を得ることができ、これによりABS干渉防止及び
高速時の燃費改善を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である油圧式動力伝達継手
を示す断面図である。
【図2】図1の油圧式動力伝達継手のA矢視図である。
【図3】図1の油圧式動力伝達継手のB矢視図である。
【図4】従来の油圧式動力伝達継手を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 油圧式動力伝達継手 11 入力軸嵌挿孔 12 出力軸嵌挿孔 13 ロータリーバルブの外側空間(ロータリーバルブ
の放射方向外側の空間) 20 ロータ 21 スプライン等 22 ハブ 24 プランジャー室 25 吸入吐出孔 26 プランジャー 27 コイルバネ 30 ロータリーバルブ 31 吸入ポート 32 吐出ポート 33 吸入路 34 オリフィス 35 凸状部 40 カム部材 41 ハウジング 42 突出部 43 凹凸カム面 43a 凹部 43b 凸部 50 慣性体 53 第1の凸部 54 第2の凸部 60 バネ部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市原 雅志 栃木県栃木市大光寺町1150番地ビスコドラ イブジャパン株式会社内 (72)発明者 大島 文男 栃木県栃木市大光寺町1150番地ビスコドラ イブジャパン株式会社内 (72)発明者 安部 和宏 栃木県栃木市大光寺町1150番地ビスコドラ イブジャパン株式会社内 (72)発明者 中村 淳 栃木県栃木市大光寺町1150番地ビスコドラ イブジャパン株式会社内 (72)発明者 井上 明治 栃木県栃木市大光寺町1150番地ビスコドラ イブジャパン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧によって発生させたポンプ加圧抵抗
    力により、入力軸及び出力軸間でトルクを伝達する油圧
    式動力伝達継手において、 吐出部を、入力軸の回転角加速度に応じて閉鎖すること
    が可能な慣性体を備えたことを特徴とする油圧式動力伝
    達装置。
  2. 【請求項2】 油圧によって発生させたポンプ加圧抵抗
    力により、入力軸及び出力軸間でトルクを伝達する油圧
    式動力伝達継手(10)において、 出力軸に連結されて出力軸と一体に回転するロータ(2
    0)と、 ロータ(20)に回転方向に沿って所定の間隔をあけて
    複数設けられ、内部に作動油を充填されるとともに、作
    動油の吸入吐出孔(25)を有するプランジャー室(2
    4)と、 各プランジャー室(24)内に往復動可能にそれぞれ設
    けられたプランジャー(26)と、 出力軸に対して相対回転可能に設けられ、各プランジャ
    ー室(24)の吸入吐出孔(25)と適宜連通される複
    数の吸入ポート(31)及び吐出ポート(32)を有す
    るロータリーバルブ(30)と、 ロータリーバルブ(30)に設けられ、各吸入ポート
    (31)をそれぞれロータリーバルブ(30)の外側空
    間(13)に連通させる吸入路(33)と、 ロータリーバルブ(30)に設けられ、各吐出ポート
    (32)をそれぞれロータリーバルブ(30)の外側空
    間(13)に連通させるオリフィス(34)と、 前記各プランジャー(26)を当接される凹凸カム面
    (43)を有し、入力軸に連結されて入力軸と一体に回
    転するとともに、ロータリーバルブ(30)を所定の範
    囲内で相対回転可能に連動し、凹凸カム面(43)を各
    プランジャー(26)に摺接させることによって各プラ
    ンジャー(26)を各プランジャー室(24)内で往復
    動させ、各プランジャー室(24)内への作動油の吸入
    及び吐出を、前記吸入吐出孔(25)、吸入ポート(3
    1)、吐出ポート(32)、吸入路(33)及びオリフ
    ィス(34)を介して行わせるカム部材(40)と、 バネ部材(60)を介してカム部材(40)に連結され
    た状態で、入力軸及び出力軸に対して相対回転可能に設
    けられ、入力軸の回転角加速度に感応してカム部材(4
    0)に対してバネ部材(60)を圧縮する側に相対回転
    されることにより、ロータリーバルブ(30)のオリフ
    ィス(34)を閉鎖するとともに、入力軸の回転角速度
    が一定になるとバネ部材(60)の付勢力によりカム部
    材(40)に対して前記とは逆方向に相対回転されるこ
    とにより、ロータリーバルブ(30)のオリフィス(3
    4)を開放する慣性体(50)とを備えたことを特徴と
    する油圧式動力伝達継手(10)。
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