JPH03275994A - 可変容量型ベーンポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば自動車の自動変速機のオイル供給用ポ
ンプ等として使用される可変容量型ベーンポンプに関す
るものである。

〔従来の技術） 従来より、この種の可変容量型ベーンポンプとして、例
えば特開昭５５−１７６９６号公報等に示すものが知ら
れている。

この従来のポンプは、流体吸入路および流体吐出路を有
するポンプハウジングと、このポンプハウジング内に設
けられたカムリング（リング部材）と、このカムリング
内に設けられて回転駆動されるロータ（回転子）と、こ
のロータの外周部に半径方向に進退可能に設けられて半
径方向外端が前記カムリングの内周面に摺接する複数枚
のベーン〈羽根〉とを備えている。

カムリングの外周面とポンプハウジングの内周面とには
互いに対向する半円状の凹部がそれぞれ形成され、これ
ら両凹８ＩＩｍには円柱状の枢支ピンが嵌め込まれて、
カムリングは、その中心がロータの回転軸線に対して偏
心可能となるようにポンプハウジングに枢支ピンを介し
て揺動可能に支持されている。また、このカムリングは
、カムスプリングのばね力によって偏心量の増加方向に
付勢されている。

カムリング外周面とポンプハウジング内周面との間で枢
支ピンと略反対側の位置には板状のシール部材が設けら
れ、このシール部材とカムリング支持部とでカムリング
外周面とポンプハウジング内周面との間の空間部分が仕
切られて、その仕切られた空間部分にコントロール圧カ
室が形成されている。このコントロール圧カ室には、流
体吐出路から制御弁を介してその流体吐出路の流体の流
Ｉ（吐出Ｉ）に応じたｔｉＩＩＷＪ圧が導入されるよう
に構成され、カムリングはその制御圧によって偏心量の
減少方向に付勢されるように構成されている。

そして、この従来のポンプは、上記構成により、ロータ
を回転させることによって、流体を流体吸入路を通して
カムリングの内周面とロータの外周面との間に形成され
たポンプ室に吸入してそのポンプ室から流体吐出路を通
して吐出させることができるようになっている。また、
この従来のポンプは、コントロール圧力室に導入された
制卸圧に応じてカムリングの偏心量を変化させることが
でき、このカムリングの偏心量に応じて吐出量を変化さ
せることができるようになっている。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来のポンプは、カムリングを揺動可能とするため、上
記のようにカムリングをポンプハウジングに枢支ピンを
介して支持するようにしていた。

つまり、カムリングがポンプハウジングに対して固定さ
れていなかった。このため、例えば、吐出量が変動して
、コントロール圧力室に導入される制御圧が変動すると
、カムリングがその圧力変動を受けて振動し、カムリン
グの半円状凹部内局面が枢支ピンに当たり、騒音が発生
するという問題があった。

また、従来のポンプは、シール部材が板状（四角柱状）
あるいは実公昭６３−１９５９７号公報に示されるよう
にピン状（円柱状〉であったため、シール部材とカムリ
ング外周面との接触状態あるいはシール部材とポンプハ
ウジング内周面との接触状態がほぼ線接触に近い状態で
、シール長さが短く、シール部材のシール性が良くない
という問題があった。しかも、カムリング外周面および
ポンプハウジング内周面に対するシール部材の接触部分
が小さかったため、その小さな接触部分にカムリングが
揺動したときの摺動抵抗等が集中的に掛かって、その接
触部分が早く摩耗する等、シール部材の耐久性が低いと
いう問題があ□った。

以上の事情に鑑みて、本発明は、カムリングの振動およ
びその振動による騒音の発生を防止することができ、し
かも、シール部材のシール性および耐久性の高い可変容
量型ベーンポンプを提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明にかかる可変容量型ベーンポンプは、流体吸入路
および流体吐出路を有するポンプハウジングと、このポ
ンプハウジングの略円柱形の内腔内に設けられたカムリ
ングと、このカムリング内に設けられて回転駆動される
ロータと、このロータの外周部に半径方向に進退可能に
設けられて半径方向外端が前記カムリングの内周面に摺
接するＷ１数枚のベーンとを備え、前記カムリングの外
周面と前記ポンプハウジングの内周面とには互いに対向
する半円状の凹部がそれぞれ形成され、これら両凹部間
には円柱形の枢支ピンが嵌め込まれて、前記カムリング
は、その中心が前記ロータの回転軸線に対して偏心可能
となるように前記ポンプハウジングに前記枢支ピンを介
して揺動可能に支持されており、前記ロータを回転させ
ることによって流体が前記流体吸入路を通って前記カム
リングの内周面と〇−夕の外周面との間に形成されたポ
ンプ室に吸入されてそのポンプ室から前記流体吐出路を
通って吐出されるとともに、前記カムリングの偏心量に
応じて前記流体吐出路からの流体の吐出量が変化するよ
うに構成された可変容量型ベーンポンプにおいて、前記
カムリング外周面の前記枢支ピンと略反対側の部分が枢
支ピンの中心を中心とする円弧面に形成され、この円弧
面と前記ポンプハウジング内周面との闇に、内部に流体
が導入され、その導入された流体の圧力を前記円弧面に
掛ける押圧室が形成されたものである。

特に、カムリング外周面とポンプハウジング内周面との
間で枢支ピンと略反対側の位置に、カムリング外周面と
ポンプハウジング内周面との間の空間部分を仕切るシー
ル部材を設けるように構成したものにおいては、カムリ
ング外周面の枢支ピンと略反対側の部分を枢支ピンの中
心を中心とする円弧面に形成し、この円弧面とポンプハ
ウジング内周面との間に上記シール部材を介在させると
ともに上記押圧室を形成し、シール部材を全体として略
三日月形に形成し、かつそのカムリング外周面側の面お
よびポンプハウジング内周面側の面をそれぞれ各対応す
る面に沿った円弧面に形成することが好ましい。

この場合、押圧室を、カムリング外周面の円弧状部分と
シール部材のカムリング外周面側の面との間、シール部
材のポンプハウジング内周面側の面とポンプハウジング
内周面との間あるいはシール部材内に設けるようにする
。

〔作用〕

上記構成によれば、押圧室に導入された流体の圧力がカ
ムリング外周面の枢支ピンと略反対側の部分に掛かり、
この部分が枢支ピンの中心を中心とする円弧面に形成さ
れていることによって上記流体の圧力が枢支ピンの中心
に向けられ、その圧力によってカムリングが枢支ピン方
向に押圧されることとなる。

特に、カムリング外周面の枢支ピンと略反対側の部分と
ポンプハウジング内周面との間にシール部材を介在させ
、シール部材を全体として略三日月形に形成し、かつそ
のカムリング外周面側の面およびポンプハウジング内周
面側の面をそれぞれ各対応する面に沿った円弧面に形成
すれば、カムリング外周面、ポンプハウジング内周面お
よびポンプハウジング内側面に対してシール部材がそれ
ぞれ長い距離に亘って接触し、シール部材で仕切られた
２つの空間部分間がシール部材によって確実にシールさ
れることとなる。

そして、この場合において、カムリング外周面の円弧状
部分とシール部材のカムリング外周面側の面との間に押
圧室を設けるようにすれば、押圧室に導入された流体圧
によってシール部材をポンプハウジング内周面に押圧す
ることもできる。

また、シール部材のポンプハウジング内周面側の面とポ
ンプハウジング内周面との間に押圧室を設けるようにす
れば、押圧室に導入された流体圧によってシール部材を
カムリング外周面に押圧することもできる。

また、押圧室をシール部材内に設けるようにすれば、抑
圧室に導入された流体圧によってシール部材をカムリン
グ外周面とポンプハウジング内周面とに押圧することも
できる。

〔実施例〕

第１図ないし第３図は、本発明にかかる可変容量型ベー
ンポンプの一実施例を示している。

この可変容量型ベーンポンプは、ポンプハウジング１と
環状のカムリング２とロータ３とを備えている。

ポンプハウジング１は通路側ハウジング１ａとカバー倒
ハウジング１ｂとからなり、通路側ハウジング１ａの中
央部には円柱状の凹部が形成され、この凹部はその開口
部がカバー側ハウジング１ｂによって閉塞されてハウジ
ング内腔１Ｃを構成している。また、通路側ハウジング
１ａには流体吸入路１１および流体吐出路１２が貫通形
成され、これら流体吸入路１１および流体吐出路１２の
各一端はそれぞれ通路側ハウジング１ａの外周フランジ
部に開口して吸入口１１ａおよび吐出口１２ａを形成し
ている。一方、流体吸入路１１および流体吐出路１２の
各他端は、後述する容積増加過程のポンプ室６および第
２コントロール圧力室９２にそれぞれ開口している。

カムリング２は、円形の内周面２１を有し、上記ハウジ
ング内腔１Ｃ内に設けられている。このカムリング２の
各軸方向端面は、それぞれハウジング内腔ＩＣの各側面
（ポンプハウジング内側面）１３．１４に密接されてい
る。

ロータ３は、カムリング２の円形内周面２１よりも小径
に形成され、カムリング２の円形内周面２１内に設けら
れ、軸方向両端面がそれぞれポンプハウジング内側面１
３．１４に密接されている。

また、このロータ３は、カバー側ハウジング１ｂに挿通
されたロータ駆動軸３ａが連結されて、このロータ駆動
軸３ａの軸線αを中心として第１図の矢印Ｃ方向に回転
するようになっている。

ロータ３の外周部には、複数個のベーン溝３１か敢躬状
に形成されている。各ベーン溝３１はロータ外周面３２
に開口し、各ベーン溝３１にはベーン４がロータ半径方
向に進退可能に嵌め込まれている。

ロータ３の軸方向両端面にはそれぞれ環状の溝３３．３
４が形成され、ポンプハウジング内側面１４側に形成さ
れた溝３４にはガイドリング３５が配設されている。

上記ベーン４は、ガイドリング３５とロータ３の回転に
伴う遠心力とによってロータ半径方向外方に付勢され、
半径方向外端がカムリング２の円形内周面２１に常に押
し当てられて円形内周面２１を摺接するように構成され
ている。

カムリング２の外周面２２とポンプハウジング内腔１Ｃ
の周面（ポンプハウジング内周面）１５とには、互いに
対向する半円状の凹部２３ａ、１８がそれぞれ形成され
ている。これらの凹部２３ａ、１８間には円柱形のピボ
ットローラ〈枢支ピン）２３がその外周面を各凹部２３
ａ、１８の内周面に当接させた状態で嵌め込まれて、カ
ムリング２は、ポンプハウジング１によって、ピボット
ローラ２３の中心０２を揺動中心として第１図の矢印Ａ
、Ｂ方向に揺動可能に支持されている。これにより、カ
ムリング２は、その中心（円形内周面２１の中心）０３
がロータ３の回転軸線αに対して偏心可能となっている
。なお、ピボットローラ２３の中心０２からロータ３の
回転輪線αまでの距離とピボットローラ２３の中心０２
からカムリング２の中心０３までの距離とは等しくなる
ように設定されている。

中心０２．０３を通る中心線βを境とするカムリング２
の一方側部分には、スプリング受座２４が形成されてい
る。このスプリング受座２４には、カムリング２を偏心
量の増加方向く第１図の矢印Ｂ方向〉に付勢するカムス
プリング２５のばね力が掛かり、これにより、カムリン
グ２は最大偏心位置に押圧されている。なお、このカム
スプリング２５のばね力は、図示省略された調整ねじに
よって調整できるようになっている。

また、中心線βを境とするカムリング外周面２２の他方
側部分にはストッパ部２６が突設され、このストッパ部
２６は、カムリング２の最大偏心状！！ｌ（第１図およ
び第３図の状態〉でポンプハウジング内周面１５の一部
（ストッパ面）１５ａに当接し、これにより、カムリン
グ２の偏心量増加方向への動きが止められるようになっ
ている。

カムリング外周面２２のピボットローラ２３と略反対側
の部分〈面〉２２ａは、ピボットローラ２３の中心０２
を中心とする円弧面に形成されている。この面２２ａと
ポンプハウジング内周面１５との間にはシール部材５が
介在され、このシール部材５とピボットローラ２３とに
よってカムリング外周面２２とポンプハウジング内周面
１５との間の空間部分が仕切られて２分割されている。

そして、２分割された空間部分の一方側（カムリング偏
心側）には第１コントロール圧力室９１が設けられ、他
方側には第２コントロール圧力室９２が設けられている
。

上記第１および第２コントロール圧力室９１９２にはそ
れぞれ後述するように流体圧が導かれ、第１コントロー
ル圧力室９１は導入された流体圧によってカムリング２
を偏心量の減少方向に付勢し、第２コントロール圧力室
９２は導入された流体圧によってカムリング２を偏心量
の増加方向に付勢するようになっている。

上記シール部材５は、第５図に示すように、全体として
略三日月形に形成されている。また、このシール部材５
は、内周面（カムリング外周面２２側の面）５１が上記
カムリング外周面２２の円弧状部分２２ａに沿った円弧
面に形成され、外周面（ポンプハウジング内周面１５側
の面）５２がポンプハウジング１の円形内周面１５に沿
った円弧面に形成されている。さらに、このシール部材
５は、両側面がそれぞれポンプハウジング内側面１３．
１４に密接されている。

シール部材５の内周面５１の中央部分とこの中央部分に
対向するカムリング外周面２２の円弧状部分２２ａとに
はそれぞれ窪みが形成され、これにより、カムリング外
周面２２の円弧状部分２２ａとシール部材５の内周面５
１との間には押圧室５５が設けられている。この押圧室
５５のカムリング２側の凹面５３ａは、ピボットローラ
２３の中心０２を中心とする円弧面に形成されている。

また、カムリング２のポンプハウジング内側面１３側の
端面には第１コントロール圧力室９１と押圧室５５とを
連通する流体圧導入路５５ａが形成され、これにより、
押圧室５５内には第１コントロール圧力室９１の流体圧
が流体圧導入路５５ａを通って導入されるようになって
いる。

上記ピボットローラ２３は、軸方向両端面をそれぞれポ
ンプハウジング内側面１３．１４に密接させた状態で設
けられている。このため、ピボットローラ２３にはシー
ル作用が与えられ、このビポットローラ２３と上記シー
ル部材５とによって第１コントロール圧力室９１と第２
コントロール圧力室９２との閣が確実にシールされてい
る。なお、ピボットローラ２３の軸方向両端部を、それ
ぞれポンプハウジング内側面１３．１４に埋め込むよう
にしてもよい。

上記カムリング２の内周面２１とロータ３の外周面３２
とポンプハウジング内側面１３．１４とで囲まれた空間
部分は上記ベーン４によって複数−に分割されて、その
空間部分に複数個のポンプ室６が形成されている。各ポ
ンプ室６は、カムリング２の中心０３がロータ３の回転
軸線αに対して偏心していることにより、ロータ３の回
転に伴って容積が増減するようになっている。

ポンプハウジング内側面１３の、容積減少過程後半のポ
ンプ室６位置には、吐出用溝９５が形成されている。カ
ムリング２の、ピボットローラ２３よりも第２コントロ
ール圧力室９２側の部分には、第４図に示すように、上
記吐出用溝９５の中間部が面するポンプ室６と第２コン
トロール圧力室９２とを連通する第１連通路７が貫通形
成されている。この第１連通路７のポンプ室６１１！開
ロ部には、絞り部（オリフィス〉７３が設けられている
。また、カムリング２の、ピボットローラ２３よりも第
１コントロール圧力室９１側の部分には、上記吐出用１
１１９５の前端部が面するポンプ室６と第１コントロー
ル圧力室９１とを連通ずる第２連通路９５ｂが形成され
ている。

カムリング内周面２１の容積減少過程前半のポンプ室６
位置には、側溝２１Ｇが形成され、この側溝２１ｃによ
ってポンプ室６の容積減少に伴う急激な圧力変動を防止
するようにしている。

上記構成において、第１図の状！Ｉ！ｉ（カムリング２
が最大に偏心した状Ｂ）から、ロータ３を矢印Ｃ方向に
回転させると、各ポンプ室６も容積の増減を繰り返しな
がら矢印Ｃ方向に回転移動する。

そして、各ポンプ室６は、容積増加過程において流体吸
入路１１と連通して、吸入口１１ａから流体吸入路１１
を通してオイル等の流体を吸入し、容積減少過程におい
て第２連通路９５ｂおよび第１連通路７と連通して上記
吸入した流体を第２連通路９５ｂおよび第１連通路７に
向けて吐出する。

第２連通路９５ｂに向けて吐出された流体はその第２遍
通路９５ｂを通って第１コントロール圧力室９１に導入
され、第１連通路７に向けて吐出された流体はその第１
連通路７を通って第２コントロール圧力室９２に導かれ
た後、流体吐出路１２に導かれて吐出口１２ａから吐出
される。

上記第１連通路７には絞り部７３が設けられているため
に絞り部７３の前後で差圧が生じ、絞り部７３下８１！
側の第２コントロール圧力室９２には、絞り部７３上流
倒の流体圧Ｐ１に対して低下した流体圧Ｐ２が導入され
る。一方、絞り部７３の上流側の高流体圧Ｐ１は、絞り
部７３の上流部分と第２連通路９５ｂの上流部分とが吐
出用溝９５を介して連通されているため、第２達通路９
５ｂを介して第１コントロール圧力室９１に導入される
。

これにより、カムリング２には、偏心量の増加方向に作
用するカムスプリング２５のばね力Ｆの他に、高流体圧
Ｐ１が偏心量の減少方向に作用し、低流体圧Ｐ２が偏心
量の増加方向に作用するようになる。つまり、カムリン
グ２には、高流体圧Ｐ１と低流体圧Ｐ２との差圧ΔＰ　
（＝Ｐｚ　−Ｐ２　）がカムスプリング２５のばね力「
に対抗して作用するようになる。

ロータ３の回転数Ｎが低いときは、吐出量Ｑが少なく、
差圧△Ｐも小さくなる。このため、この場合は、差圧Δ
Ｐがカムリング２に作用する力よりもカムスプリング２
５のばね力Ｆが勝り、カムリング２は最大偏心位置に保
持される。この結果、ロータ３の回転数Ｎが低いときは
、回転数Ｎに比例して吐出量Ｑが増加するようになる。

一方、ロータ３の回転数Ｎが高くなると、吐出量Ｑが増
加し、差圧ΔＰも大きくなる。ここで、例えばカムスプ
リング２５のばね力Ｆを吐出ＩＱが所定量Ｑｏに達した
ときの差圧ΔＰによる力とバランスするように設定して
おけば、ロータ３の回転数Ｎが高くなって、吐出量Ｑが
所定量Ｑｏに達すると、差圧ΔＰによる力がカムスプリ
ング２５のばね力「に打ち勝って、カムリング２が偏心
量の減少方向に揺動するようになる。これにより、カム
リング２の偏心量が減少し、押しのけ容積が減って、吐
出！ＩＱが所定量Ｑｏを越えないように保たれる。すな
わち、このポンプの構成によれば、第６図に示すような
ロータ回転数Ｎ−吐出量Ｑ特性が得られる。

また、このポンプの構成では、シール部材５の内周面５
１とポンプハウジング内周面１５との間に押圧室５５が
設けられ、この押圧室５５内に第１コントロール圧力室
９１から流体圧Ｐ１が導入されるようになっている。こ
のため、その導入された流体圧Ｐ１が押圧室５５のシー
ル部材５側の凹面に作用し、その流体圧Ｐ１によってシ
ール部材５がポンプハウジング内周面１５に押し付けら
れる。これにより、シール部材５の外周面５２とポンプ
ハウジング内周面１５との間のシール性がより一層向上
する。しかも、上記流体圧Ｐ１は押圧室５５のカムリン
グ２側の凹面５３ａにも作用する。そして、その凹面５
３ａがピボットローラ２３の中心０２を中心とする円弧
面に形成されているため、上記流体圧Ｐ１はピボットロ
ーラ２３方向に向けられる。この結果、カムリング２に
ピボットローラ２３方向への押付は力が作用し、カムリ
ング２がピボットローラ２３方向に押圧される。したが
って、吐出量が変動してコントロール圧力室９１．９２
に導入される制御圧が変動するようになっても、上記押
圧力によってカムリング２の振動が防止され、騒音の発
生が防止される。

ざらに、このポンプの構成では、カムリング外周面２２
のピボットローラ２３と略反対側の部分（面）２２ａを
ピボットローラ２３の中心０２を中心とする円弧面に形
成し、この円弧面２２ａとポンプハウジング内周面１５
との間にシール部材５を介在させ、このシール部材５を
全体として略三日月形に形成している。そして、シール
部材５の内周面５１を上記カムリング外周面２２の円弧
状部分２２ａに沿った円弧面に形成し、シール部材５の
外周面５２をポンプハウジング１の円形内周面１５に沿
った円弧面に形成している。このため、シール部材５と
カムリング外周面２２、シール部材５とポンプハウジン
グ内周面１５の他、シール部材５とポンプハウジング内
側面１３．１４とがそれぞれ長い距離に亘って接触する
ようになり、第１コントロール圧力室９１と第２コント
ロール圧力室９２との間をシール部材５によって確実に
シールすることができる。

なお、上記実施例において、カムリング外周面２２のピ
ボットローラ２３と略反対側の部分２２ａおよびシール
部材５の内周面５１のいずれか一方のみに窪みを形成し
て、押圧室５５を構成するようにしてもよい。

第７図は、別の実施例を示している。

このポンプは、シール部材５の外周面５２の中央部に窪
みを形成し、これにより、シール部材５の外周面５２と
ポンプハウジング内周面１５とのに押圧室５６を設けて
いる。また、ポンプハウジング内側面１３には第１コン
トロール圧力室９１から押圧ｖ５６にかけて溝（流体導
入路〉５５ｂを形成して、押圧室５６内に第１コントロ
ール圧力室９１から流体圧Ｐ１が導入されるようにして
いる。その他は、前記実施例とほぼ同様に構成している
。

このポンプの構成によれば、押圧室５６内に導入された
流体圧Ｐ１によって、シール部材５がカムリング外周面
２２の円弧状部分２２ａに押し付けられるとともに、シ
ール部材５を介してカムリング２がピボットローラ２３
方向に押圧される。

このため、カムリング２の振動および騒音の発生を防止
することができるとともに、シール部材５の外周面５２
とポンプハウジング内周面１５との間のシール性をより
一層向上させることができる。

なお、シール部材５の外周面５２の中央部に対向するポ
ンプハウジング内周面１５のみに窪みを形成するか、あ
るいはシール部材５の外周面５２の中央部とこの中央部
に対向するポンプハウジング内周面１５とにそれぞれ窪
みを形成するがして、押圧室５６を構成するようにして
もよい。

第８図は、さらに別の実施例を示している。

このポンプは、シール部材５に一側面から他側面へ貫通
する三日月形の貫通穴を形成し、これにより、シール部
材５内に押圧室５７を設けている。

その他は、前記実施例とほぼ同様に構成している。

このポンプの構成によれば、押圧室５７内に導入された
流体圧Ｐ１によって、カムリング２がピボットローラ２
３方向に押圧されるとともに、シール部材５の内周面５
１および外周面５２がそれぞれカムリング外周面２２の
円弧状部分２２ａおよびポンプハウジング内周面１５に
押し付けられる。このため、カムリング２の振動および
騒音の発生を防止することができるとともに、シール部
材５の内周面５１とカムリング外周面２２の円弧状部分
２２ａとの間およびシール部材５の外周面５２とポンプ
ハウジング内周面１５との間のシール性をそれぞれより
一層向上させることができる。

なお、上記各実施例において、押圧室５５，５６．５７
内に第２コントロール圧力室９２から流体圧を導入する
ようにしてもよい。また、押圧室はカムリングの外周面
とポンプハウジングの内周面との間で枢支ピンと略反対
側の位置に設けられていればよく、このため、シール部
材をピン状に形成するようにしてもよい。

〔発明の効果〕

本発明にかかる可変容量型ベーンポンプは、カムリング
外周面の枢支ピンと略反対側の部分を枢支ピンの中心を
中心とする円弧面に形成し、この円弧面とポンプハウジ
ング内周面との間に、内部に流体が導入され、その導入
された流体の圧力を上記円弧面に掛ける押圧室を形成す
るようにしている。このため、押圧室に導入された流体
圧によってカムリングが枢支ピン方向に押圧されること
となり、吐出量の変動等に起因するカムリングの振動を
防止することができ、その振動が原因となって発生する
騒音を防止することができる。

特に、カムリング外周面の枢支ピンと略反対側の部分を
枢支ピンの中心を中心とする円弧面に形成し、この円弧
面とポンプハウジング内周面との間にシール部材を介在
させ、シール部材を全体として略三日月形に形成し、か
つそのカムリング外周面側の面およびポンプハウジング
内周面側の面をそれぞれ各対応する面に沿った円弧面に
形成すれば、カムリング外周面、ポンプハウジング内周
面およびポンプハウジング内側面に対してシール部材が
それぞれ長い距離に亘って接触するようになり、シール
部材のシール性が向上する。

また、カムリング外周面、ポンプハウジング内周面およ
びポンプハウジング内側面に対するシール部材の接触部
分が長くなるため、シール部材、カムリングおよびポン
プハウジングの各接触面の寸法公差を緩くしても、充分
にシール効果を得ることができる。このため、シール部
材、カムリングおよびポンプハウジングの加工が容易に
なる。

しかも、シール部材を全体として略三日月形に形成した
ため、シール部材の内外周面を旋盤等によって簡単に加
工することができ、シール部材の製作が容易になる。し
たがって、ポンプ全体を安価に構成することができる。

さらに、カムリング外周面、ポンプハウジング内周面お
よびポンプハウジング内側面に対するシール部材の接触
部分が大きくなるため、その大きな接触部分にカムリン
グが揺動したときの潜動抵抗等が分散して掛かるように
なり、シール部材の耐久性が向上する。

また、シール部材を全体として略三日月形として、カム
リング外周面とポンプハウジング内周面との間の空間部
分に挿入するようにしたため、ポンプ全体を大きくする
ことなく、シール部材のシール性を向上させることがで
きる。

しかも、上記のようにシール部材を全体として略三日月
形とした場合において、シール部材のポンプハウジング
内周面側の面とポンプハウジング内周面との間に押圧室
を設けるようにすれば、押圧室に導入された流体圧によ
ってシール部材をカムリング外周面に押圧することがで
き、シール部材のポンプハウジング内周面側の面とポン
プハウジング内周面との間のシール性をより一層向上さ
せることができる。

また、上記場合において、カムリング外周面の円弧状部
分とシール部材のカムリング外周面側の面との間に押圧
室を設けるようにすれば、押圧室に導入された流体圧に
よってシール部材をボンブハウジング内周面に押圧する
ことができ、カムリング外周面の円弧状部分とシール部
材のカムリング外周面側の面との間のシール性をより一
層向上させることができる。

また、上記場合において、押圧室をシール部材内に設け
るようにすれば、押圧室に導入された流体圧によってシ
ール部材をカムリング外周面とポンプハウジング内周面
とに押圧することができ、シール部材のポンプハウジン
グ内周面側の面とカムリング外周面の円弧状部分との間
およびシール部材５のポンプハウジング内周面側の面と
ポンプハウジング内周面との間のシール性をそれぞれよ
り一層向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる可変容量型ベーンポンプの一実
施例をカバー側ハウジングを除いて示す正面図、第２図
は第１図の［−Ｉ［線断面図、第３図は第１図の部分拡
大図、第４図は第１図のＩＶ　−■線断面図、第５図は
そのシール部材を示す斜視図、第６図はロータの回転数
と吐出量との関係を示すグラフ、第７図および第８図は
それぞれ別の実施例の要部を示す正面図である。 １・・・ポンプハウジング、１Ｃ・・・ポンプハウジン
グの内腔、２・・・カムリング、３・・・ロータ、４・
・・ベーン、５・・・シール部材、６・・・ポンプ室、
１１・・・流体吸入路、１２・・・流体吐出路、１５・
・・ポンプハウジング内周面、１８・・・ポンプハウジ
ングの半円状の凹部、２１・・・カムリングの内周面、
２２・・・カムリング外周面、２２ａ・・・カムリング
外周面の枢支ピンと略反対側の部分、２３・・・ピボッ
トローラ（枢支ピン）、２３ａ・・・カムリングの半円
状の凹部、３２・・・ロータ外周面、５１・・・シール
部材のカムリング外周面側の面、５２・・・シール部材
のポンプハウジング内周面側の面、５５．５６．５７・
・・押圧室、０２・・・枢支ピンの中心、０３・・・カ
ムリングの中心、α・・・ロータの回転軸線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、流体吸入路および流体吐出路を有するポンプハウジ
   ングと、このポンプハウジングの略円柱形の内腔内に設
   けられたカムリングと、このカムリング内に設けられて
   回転駆動されるロータと、このロータの外周部に半径方
   向に進退可能に設けられて半径方向外端が前記カムリン
   グの内周面に摺接する複数枚のベーンとを備え、前記カ
   ムリングの外周面と前記ポンプハウジングの内周面とに
   は互いに対向する半円状の凹部がそれぞれ形成され、こ
   れら両凹部間には円柱形の枢支ピンが嵌め込まれて、前
   記カムリングは、その中心が前記ロータの回転軸線に対
   して偏心可能となるように前記ポンプハウジングに前記
   枢支ピンを介して揺動可能に支持されており、前記ロー
   タを回転させることによつて流体が前記流体吸入路を通
   って前記カムリングの内周面とロータの外周面との間に
   形成されたポンプ室に吸入されてそのポンプ室から前記
   流体吐出路を通って吐出されるとともに、前記カムリン
   グの偏心量に応じて前記流体吐出路からの流体の吐出量
   が変化するように構成された可変容量型ベーンポンプに
   おいて、前記カムリング外周面の前記枢支ピンと略反対
   側の部分が枢支ピンの中心を中心とする円弧面に形成さ
   れ、この円弧面と前記ポンプハウジング内周面との間に
   、内部に流体が導入され、その導入された流体の圧力を
   前記円弧面に掛ける押圧室が形成されていることを特徴
   とする可変容量型ベーンポンプ。 ２、流体吸入路および流体吐出路を有するポンプハウジ
   ングと、このポンプハウジングの略円柱形の内腔内に設
   けられたカムリングと、このカムリング内に設けられて
   回転駆動されるロータと、このロータの外周部に半径方
   向に進退可能に設けられて半径方向外端が前記カムリン
   グの内周面に摺接する複数枚のベーンとを備え、前記カ
   ムリングの外周面と前記ポンプハウジングの内周面とに
   は互いに対向する半円状の凹部がそれぞれ形成され、こ
   れら両凹部間には円柱形の枢支ピンが嵌め込まれて、前
   記カムリングは、その中心が前記ロータの回転軸線に対
   して偏心可能となるように前記ポンプハウジングに前記
   枢支ピンを介して揺動可能に支持され、前記カムリング
   外周面と前記ポンプハウジング内周面との間で前記枢支
   ピンと略反対側の位置に前記カムリング外周面とポンプ
   ハウジング内周面との間の空間部分を仕切るシール部材
   が設けられており、前記ロータを回転させることによっ
   て流体が前記流体吸入路を通って前記カムリングの内周
   面とロータの外周面との間に形成されたポンプ室に吸入
   されてそのポンプ室から前記流体吐出路を通つて吐出さ
   れるとともに、前記カムリングの偏心量に応じて前記流
   体吐出路からの流体の吐出量が変化するように構成され
   た可変容量型ベーンポンプにおいて、前記カムリング外
   周面の前記枢支ピンと略反対側の部分が枢支ピンの中心
   を中心とする円弧面に形成され、この円弧面と前記ポン
   プハウジング内周面との間に前記シール部材が介在され
   ているともに押圧室が形成され、この押圧室は、内部に
   流体が導入され、その導入された流体の圧力を前記円弧
   面に掛けるように構成され、前記シール部材は、全体と
   して略三日月形に形成され、かつそのカムリング外周面
   側の面およびポンプハウジング内周面側の面がそれぞれ
   各対応する面に沿った円弧面に形成されていることを特
   徴とする可変容量型ベーンポンプ。 ３、押圧室がカムリング外周面の円弧状部分とシール部
   材のカムリング外周面側の面との間に設けられているこ
   とを特徴とする請求項２記載の可変容量型ベーンポンプ
   。 ４、押圧室がシール部材のポンプハウジング内周面側の
   面とポンプハウジング内周面との間に設けられているこ
   とを特徴とする請求項２記載の可変容量型ベーンポンプ
   。 ５、押圧室がシール部材内に設けられていることを特徴
   とする請求項２記載の可変容量型ベーンポンプ。