JP2001049002A - 熱可塑性液晶ポリマーフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性液晶ポリマーフィルムおよびその製造方法

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JP2001049002A
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liquid crystal
crystal polymer
thermoplastic liquid
polymer film
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Toshinori Tsugaru
利紀 津軽
Toshiaki Sato
敏昭 佐藤
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子絶縁材料として有用な耐熱性、耐薬品
性、電気的性質(電気絶縁性、誘電的性質等)などに優
れる熱可塑性液晶ポリマーフィルムの表面特性を改質す
る方法および表面特性が改質された熱可塑性液晶ポリマ
ーフィルムの提供。 【解決手段】 熱可塑性液晶ポリマーフィルムに、気体
状の酸素原子含有化合物の存在下で、気体放電プラズマ
処理を施すことによって、表面部の酸素原子対炭素原子
のモル比が内部の該モル比の1.2倍以上とするように
表面改質することにより上記の課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に異方性の
溶融相を形成し得る熱可塑性ポリマー(以下、これを熱
可塑性液晶ポリマーと称する)からなるフィルム(以
下、これを熱可塑性液晶ポリマーフィルムと称する)で
あって、接着剤や導電性塗料との親和性が良好で、かつ
無電解メッキ層との密着性に優れる表面を有するフィル
ムおよびその製造方法に関する。本発明により提供され
る熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、包装用フィルム、
電子回路基板用の絶縁フィルム、回路保護フィルムなど
として有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロエレクトロニクス分野の
技術の進歩は目ざましいものがあり、携帯用電子機器な
どにおいて小型・軽量化の要求は強く、高密度実装に対
する期待は大きい。これに伴い、配線板の多層化、配線
ピッチの狭幅化、バイアホールの微細化など、より集積
化に耐える材料が要求されている。そこで、寸法安定性
に優れた液晶ポリマー、とりわけ熱加工が容易な熱可塑
性液晶ポリマーが注目されている。
【0003】熱可塑性液晶ポリマーは、ポリマーを構成
する分子が容易に配向するので、力学的物性の優れた成
形物を与えるが、配向方向に割れ易い、裂け易いという
欠点を有する。そのために、例えば射出成形法により製
造された成形物は、その表層部が強い配向のために剥離
し、毛羽立ちが生じ易く、そのままでは接着剤との接着
不良、印刷インキや導電性塗料との密着不良、無電解メ
ッキ層との密着不良などが発生するという問題を有す
る。また、インフレーション成形法により製造された熱
可塑性液晶ポリマーフィルムにおいても同様の問題があ
る。
【0004】熱可塑性液晶ポリマーからなる成形物の表
面特性を改良する方法として、サンドブラスト処理、ク
ロム酸混液処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理など
が提案されている(特開平1−236246号公報など
参照)が、いずれの方法も十分な成果は得られていな
い。例えば、サンドブラスト処理は、粒状研磨材を高速
度で素材表面に衝突させて粗面化する方法であり、かか
る処理により素材表面は接着剤との接着性が僅かに改良
されてはいるものの、粒状研磨材により作業環境や製品
表面が汚れるという新たな問題が発生する。クロム酸混
液処理には、処理廃液の無害化に要する負担が大きいな
どの問題がある。コロナ放電処理では十分な効果が得ら
れておらず、また紫外線照射処理では成形物の表面変色
という新たな問題が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
絶縁材料として有用であり、耐熱性、耐薬品性、電気的
性質(電気絶縁性、誘電的性質等)などに優れ、しかも
接着剤や導電性塗料との親和性が良好で、かつ無電解メ
ッキ層との密着性に優れる表面を有する熱可塑性液晶ポ
リマーフィルム、およびその製造方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、熱可塑性液晶ポ
リマーフィルムであって、表面部の酸素原子対炭素原子
のモル比が内部の該モル比の1.2倍以上であるフィル
ムが、接着剤や導電性塗料との親和性が良好で、かつ無
電解メッキ層との密着性に優れること、かかるフィルム
は熱可塑性液晶ポリマーからなるフィルムに、気体状の
酸素原子含有化合物の存在下で、気体放電プラズマ処理
を施すことにより得られることを見出し、本発明を完成
した。
【0007】すなわち、本発明は、熱可塑性液晶ポリマ
ーフィルムであって、表面部の酸素原子対炭素原子のモ
ル比が内部の該モル比の1.2倍以上であることを特徴
とするフィルムである。そして、本発明は、熱可塑性液
晶ポリマーフィルムに、気体状の酸素原子含有化合物の
存在下で、気体放電プラズマ処理を施すことを特徴とす
る上記のフィルムの製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明に使用される熱可塑性液晶ポリマーフィル
ムの原料は、特に限定されるものではないが、その具体
例として、以下に例示する(1)から(4)に分類され
る化合物およびその誘導体から導かれる公知のサーモト
ロピック液晶ポリエステルおよびサーモトロピック液晶
ポリエステルアミドを挙げることができる。ただし、光
学的に異方性の溶融相を形成し得るポリマーを得るため
には、各々の原料化合物の組み合わせには適当な範囲が
あることは言うまでもない。
【0009】(1)芳香族または脂肪族ジヒドロキシ化
合物(代表例は表1参照)
【0010】
【表1】
【0011】(2)芳香族または脂肪族ジカルボン酸
(代表例は表2参照)
【0012】
【表2】
【0013】(3)芳香族ヒドロキシカルボン酸(代表
例は表3参照)
【0014】
【表3】
【0015】(4)芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシ
アミンまたは芳香族アミノカルボン酸(代表例は表4参
照)
【0016】
【表4】
【0017】これらの原料化合物から得られる熱可塑性
液晶ポリマーの代表例として表5に示す構造単位を有す
る共重合体(a)〜(e)を挙げることができる。
【0018】
【表5】
【0019】本発明に使用される熱可塑性液晶ポリマー
フィルムを構成する熱可塑性液晶ポリマーは、1種類で
あっても2種類以上の組成物であってもよく、また他の
電気絶縁性材料、例えば、酸化アルミニウムなどのセラ
ミックス粉体;ポリアリレート、ポリエーテルケトン、
ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミ
ド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリテトラフルオ
ロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン等の熱可塑性ポリ
マーとの組成物であってもよい。また、かかる組成物は
アロイ化されたものでもよい。さらに、熱可塑性液晶ポ
リマーには、例えば滑剤、酸化防止剤などの添加剤が配
合されていてもよい。
【0020】また、熱可塑性液晶ポリマーとしては、フ
ィルムの所望の耐熱性および加工性を得る目的において
は、約200〜約400℃の範囲内、とりわけ約250
〜約350℃の範囲内に融点を有するものが好ましい
が、フィルム製造の観点からは、比較的低い融点を有す
るものが好ましい。したがって、より高い耐熱性や融点
が必要な場合には、一旦得られたフィルムを加熱処理す
ることによって、所望の耐熱性や融点にまで高めること
が有利である。加熱処理の条件の一例を説明すれば、一
旦得られたフィルムの融点が283℃の場合でも、26
0℃で5時間加熱すれば、融点は320℃になる。
【0021】本発明に使用される熱可塑性液晶ポリマー
フィルムは、熱可塑性液晶ポリマーを押出成形して得ら
れる。任意の押出成形法が適用できるが、周知のTダイ
法、ラミネート体延伸法、インフレーション法などが工
業的に有利である。特にインフレーション法やラミネー
ト体延伸法では、フィルムの機械軸方向(以下、MD方
向と略す)だけでなく、これと直交する方向(以下、T
D方向と略す)にも応力が加えられるため、MD方向と
TD方向における機械的性質および熱的性質のバランス
のとれたフィルムが得られるので、より好適に用いられ
る。
【0022】上記の熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、
分子配向度SORを1.3以下とすることが好ましい。
かかる熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、MD方向とT
D方向における機械的性質および熱的性質のバランスが
良好であるので、より実用性が高い。
【0023】ここで、分子配向度SOR(Segment Ori
entation Ratio)とは、分子を構成するセグメントに
ついての分子配向の度合いを与える指標をいい、従来の
MOR(Molecular Orientation Ratio)とは異な
り、物体の厚さを考慮した値である。この分子配向度S
ORは、以下のように算出される。
【0024】まず、周知のマイクロ波分子配向度測定機
において、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを、マイクロ
波の進行方向にフィルム面が垂直になるように、マイク
ロ波共振導波管中に挿入して、該フィルムを透過したマ
イクロ波の電場強度(マイクロ波透過強度)を測定す
る。そして、この測定値に基づいて、次式により、m値
(屈折率と称する)が算出される。 m=(Zo/△z)×[1−νmax/νo] ただし、Zoは装置定数、△z は物体の平均厚、νmax
はマイクロ波の振動数を変化させたとき、最大のマイク
ロ波透過強度を与える振動数、νoは平均厚ゼロのとき
(すなわち物体がないとき)の最大マイクロ波透過強度
を与える振動数である。
【0025】次に、マイクロ波の振動方向に対する物体
の回転角が0°のとき、つまり、マイクロ波の振動方向
と、物体の分子が最もよく配向されている方向であっ
て、最小マイクロ波透過強度を与える方向とが合致して
いるときのm値をm0、回転角が90°のときのm値を
90として、分子配向度SORはm0/ m90により算出
される。
【0026】熱可塑性液晶ポリマーフィルムの適用分野
によって、必要とされる分子配向度SORは当然異なる
が、SOR≧1.5の場合は熱可塑性液晶ポリマー分子
の配向の偏りが著しいために配向方向に裂け易い。加熱
時の反りが殆どないなどの形態安定性が必要とされる用
途分野の場合には、SOR≦1.3であることが望まし
い。特に加熱時の反りを無くす必要がある用途分野の場
合には、SOR≦1.03であることが望ましい。
【0027】熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、任意の
厚みであってもよく、1mm以下の板状またはシート状
のものをも包含する。ただし、電気絶縁材料として熱可
塑性液晶ポリマーフィルムを用い、導電性材料として銅
箔のような金属箔を用いて、これらを熱硬化性接着剤に
よって接着させて作成した回路配線板においては、その
フィルムの厚さは、20〜150μmの範囲内にあるこ
とが好ましく、20〜50μmの範囲内にあることがよ
り好ましい。フィルムの厚さが薄過ぎる場合には、フィ
ルムの剛性や強度が小さくなるため、得られる配線基板
に電子部品を実装する際に加圧により変形して、配線の
位置精度が悪化して不良の原因となる。
【0028】また、上記の回路配線板の接続信頼性を示
す指標として、ヒートサイクル試験における電気抵抗の
安定性をより高めるためには、熱可塑性液晶ポリマーフ
ィルム上に形成する導電体の熱膨張係数をP×10-6
m/cm/℃としたときに、熱可塑性液晶ポリマーフィ
ルムの熱膨張係数が、(P−10)×10-6cm/cm
/℃から(P+10)×10-6cm/cm/℃の範囲内
になるように調節することが好ましい。この範囲から外
れると、導電体と熱可塑性液晶ポリマーフィルムとの間
の界面剥離の発生が多くなる。ここで、銅、アルミニウ
ムなどの代表的な導電体のP値は11〜30である。
【0029】本発明におけるフィルムの表面改質は、熱
可塑性液晶ポリマーフィルムに、気体状の酸素原子含有
化合物の存在下で、気体放電プラズマ処理を施すことに
よって行う。
【0030】酸素原子含有化合物としては、例えば酸
素、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化チッ素、二酸化チ
ッ素、亜硫酸などが挙げられ、これらは気体状で通常単
独でまたは2種以上の組み合わせで使用される。本発明
では、酸素ガス、二酸化炭素ガスおよび一酸化炭素ガス
を使用するのが好ましい。なお、本発明の効果を阻害し
ない範囲内において窒素ガス、ヘリウムガスなどの不活
性ガスを共存させることができる。
【0031】気体放電プラズマ処理を施す装置内の圧力
は、0.01〜10torrの範囲が好ましく、0.05〜
1torrの範囲が特に好ましい。圧力が0.01torr未満
の場合には、電子、イオン、気体粒子の密度が低いため
に、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの表面へ到達する電
子、イオンの数が少なく改質効果が不十分となる傾向に
ある。10torrを越える場合には、電子、イオン、気体
粒子の密度は高くなるが、電子、イオンが自由運動でき
る範囲が狭くなり、電子とイオン間またはイオンとイオ
ン間で再結合して中性の粒子が生じて改質処理効果が劣
る傾向にあり好ましくない。
【0032】本発明においては、上記の気体状の酸素原
子含有化合物の存在下の圧力下で、対放電電極間に1K
Hz〜13.56MHzの範囲の高周波で0.1〜5W
/cm2の電力を加えることが好ましい。電力が0.1
W/cm2未満である場合には、表面改質に要する処理
時間が長くなり、表面全体を均一に改質することが難し
い。また、電力が5W/cm2を越える場合には、放電
が不安定になるので表面全体の処理の均一性が悪くなる
ばかりか、フィルム表面の一部が損傷することもある。
【0033】気体放電プラズマ処理に要する時間は、5
秒以上であればよく、10〜300秒の範囲が好まし
い。処理時間が5秒未満の場合には、十分な改質効果が
得られ難い。300秒を越える場合には、機械的物性が
損なわれる場合があり好ましくない。
【0034】本発明において気体放電プラズマ処理を施
す装置としては、内部電極型、外部電極型のどちらも使
用可能であるが、内部電極型が表面処理効果の均一性が
よいので好ましい。電極の形状には特に制限はなく、平
板状、リング状、棒状など各種の形状の電極が使用され
る。一対の放電電極はそれぞれ同一の形状でも、また異
なった形状でもよい。ロール状の熱可塑性液晶ポリマー
フィルムを、気体放電プラズマ処理装置内部に設置した
巻出機から巻出し、一対の放電電極間を通過させて巻取
機に導紙させながら、気体放電プラズマ処理を行う方法
が効果的であり好ましい。
【0035】本発明において熱可塑性液晶ポリマーフィ
ルムに気体放電プラズマ処理を行うことにより、電子分
光法(ESCA)で測定したときの酸素原子対炭素原子
のモル比において、表面部と内部とで相違が生じる。す
なわち、気体放電プラズマ処理前では、熱可塑性液晶ポ
リマーフィルムの表面部および内部は同一の酸素原子対
炭素原子のモル比を示すのに対して、気体放電プラズマ
処理後は、表面部の酸素原子対炭素原子のモル比が内部
の該モル比よりも高い値を示す。熱可塑性液晶ポリマー
フィルムの表面部における酸素原子対炭素原子のモル比
が内部の該モル比の1.2倍以上になると、フィルム表
面は接着剤や導電性塗料との接着性が顕著に改良され、
また無電解メッキ層との密着性に優れる。
【0036】
【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより何ら限定されるものでは
ない。以下の実施例および比較例において、熱可塑性液
晶ポリマーフィルムの膜厚、接着剤との接着強度および
酸素原子対炭素原子のモル比の測定は次のようにして行
った。
【0037】(1)膜厚 デジタル厚み計(株式会社ミツトヨ製)を用い、得られ
たフィルムをTD方向に1cm間隔で測定し、中心部お
よび端部から任意に選んだ10点の平均値を膜厚とし
た。
【0038】(2)接着剤との接着強度 供試フィルムの両面にエポキシ系接着剤(アロンマイテ
ィAS−60、東亜合成株式会社製)を50μmの厚み
で塗布し、さらに両面をそれぞれ表面粗度10μmの電
解銅箔の粗面と接合し、組立体を190℃で10分間熱
プレスし、熱硬化させることにより、剥離試験片を作製
した。この幅10mmの剥離試験片をJIS C 64
71に準じ、90°剥離試験に付した。電解銅箔を50
mm/分の速度で剥離したときの強度を測定して接着剤
との接着強度(kg/cm)とした。
【0039】(3)酸素原子対炭素原子のモル比 熱可塑性液晶ポリマーフィルムの表面および機械的に表
面部を切削して得た中央部の酸素原子対炭素原子のモル
比を電子分光分析計(株式会社島津製作所製、ESCA
750)を用いて測定した。測定条件は、真空度:1×
10-5torr 、X線:マグネKα、励起電流:8Kv、
30mAとした。モル比の計算はスコフィールドの値
(イオン化断面積)により補正した。
【0040】参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸単位75モル%と6−ヒドロキ
シ−2−ナフトエ酸単位25モル%とからなり、融点が
283℃である熱可塑性液晶ポリエステルを単軸押出機
を用いて加熱混練し、直径40mm、スリット間隔0.
6mmのインフレーションダイより押出し、膜厚が51
μm、分子配向度SORが1.05のフィルムを得た。
この熱可塑性液晶ポリマーフィルムをAとする。
【0041】参考例2 p−ヒドロキシ安息香酸単位80モル%と6−ヒドロキ
シ−2−ナフトエ酸単位20モル%とからなり、融点が
325℃である熱可塑性液晶ポリエステルを単軸押出機
を用いて加熱混練し、直径40mm、スリット間隔0.
6mmのインフレーションダイより押出し、膜厚が48
μm、分子配向度SORが1.03のフィルムを得た。
この熱可塑性液晶ポリマーフィルムをBとする。
【0042】実施例1〜5および比較例1〜2 参考例1で得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムA
を、13.56MHzの電源を配した内部型平行平板電
極を有する気体放電プラズマ処理装置にセットし、真空
ポンプを用いて0.05torrまで減圧した。次いで、表
6に記載した種類のガスを30cc/分の速度で流しな
がら、排気速度を調節して最終的に表6に記載した真空
度とした。この状態で、真空グロー放電処理を表6に記
載した放電出力および放電時間で行った。熱可塑性液晶
ポリマーフィルムを気体放電プラズマ処理装置から取り
出して、接着剤との接着強度および酸素原子対炭素原子
のモル比を測定し、結果を表6に示す。
【0043】
【表6】
【0044】実施例6〜7および比較例3〜4 参考例2で得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムB
を、13.56MHzの電源を配した内部型平行平板電
極を有する気体放電プラズマ処理装置にセットし、真空
ポンプを用いて0.05torrまで減圧した。次いで、表
7に記載した種類のガスを30cc/分の速度で流しな
がら、排気速度を調節して最終的に表7に記載した真空
度とした。この状態で、真空グロー放電処理を表7に記
載した放電出力および放電時間で行った。熱可塑性液晶
ポリマーフィルムを気体放電プラズマ処理装置から取り
出して、酸素原子対炭素原子のモル比を測定し、結果を
表7に示す。さらに、上記の真空グロー放電処理した熱
可塑性液晶ポリマーフィルムの処理面に導電性塗料(藤
倉化成株式会社製、ドータイトD−500)を30μm
の厚みに塗布した。熱風乾燥機にて、85℃で30分間
乾燥後、カッターで塗膜面に4mm角のます目を100
個(縦に10個×横に10個)切り込み、セロテープに
よる塗膜面のます目の剥離を行って、剥離したます目の
数を測定した。結果を表7に示す。
【0045】
【表7】
【0046】実施例8 参考例1で得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムA
を、13.56MHzの電源を配した内部型平行平板電
極を有する気体放電プラズマ処理装置にセットし、真空
ポンプを用いて0.05torrまで減圧した。次いで、二
酸化炭素ガスと酸素ガスを容積比で1:1となるように
混合して、30cc/分の速度で流しながら、排気速度
を調節して最終的に0.20torrの真空度とした。この
状態で、真空グロー放電処理を1W/cm2の放電出力
で60秒間行った。熱可塑性液晶ポリマーフィルムを気
体放電プラズマ処理装置から取り出して、その表面に無
電解銅メッキにより縦4mm×横4mm×厚み4μmの
メッキ銅層を4mmの間隔を置いて100個(縦に10
個×横に10個)形成した。セロテープによるメッキ銅
層と熱可塑性液晶ポリマーフィルム面との間での剥離を
強制的に行ったが、まったく剥離しなかった。
【0047】比較例5 参考例1で得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムAを
そのまま使用して、その表面に無電解銅メッキにより縦
4mm×横4mm×厚み4μmのメッキ銅層を4mmの
間隔を置いて100個(縦に10個×横に10個)形成
した。セロテープによるメッキ銅層と熱可塑性液晶ポリ
マーフィルム面との間での剥離を強制的に行ったとこ
ろ、98個が簡単に剥離した。
【0048】
【発明の効果】本発明により、接着剤や導電性塗料との
親和性が良好で、かつ無電解メッキ層との密着性に優れ
る表面を有する熱可塑性液晶ポリマーフィルムおよびそ
の製造方法が提供される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA02 AA48 AA57 AF35 AF62 AG16 AH04 AH12 AH13 BB06 BB07 BB08 BB09 BC01 4F073 AA01 BA23 BA25 CA05 CA62 HA03 HA09 HA12 4J002 AA011 BD122 BD132 BD142 BD152 BD162 CF161 CF162 CF181 CG002 CH092 CL002 CL081 CM042 CN032 FD120 FD122 GG02 GP03 GQ01 GQ05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に異方性の溶融相を形成し得る熱
    可塑性ポリマーからなるフィルムであって、表面部の酸
    素原子対炭素原子のモル比が内部の該モル比の1.2倍
    以上であることを特徴とするフィルム。
  2. 【請求項2】 光学的に異方性の溶融相を形成し得る熱
    可塑性ポリマーからなるフィルムに、気体状の酸素原子
    含有化合物の存在下で、気体放電プラズマ処理を施すこ
    とを特徴とする請求項1記載のフィルムの製造方法。
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