JP2007191704A - 高接着性ポリイミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

高接着性ポリイミドフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】銅箔との接着性が向上し、寸法安定性、水濡れ性にも優れた高接着性ポリイミドフィルムおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】ジアミン成分として20〜40モル%のパラフェニレンジアミンおよび80〜60モル%の4,4'−ジアミノジフェニルエーテルを用い、酸成分として100モル%のピロメリット酸二無水物を用いて形成されたポリイミドフィルムであって、接触角法に基づき測定した表面自由エネルギーが80mN/m以上であることを特徴とする高接着性ポリイミドフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、高接着性ポリイミドフィルムおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、銅箔との接着性が向上し、寸法安定性、水濡れ性にも優れた高接着性ポリイミドフィルムおよびその製造方法に関する。
ポリイミドフィルムは、耐熱性、耐寒性、耐薬品性、電気絶縁性、機械強度などの優れた諸特性を有することが知られており、電線の電気絶縁材料、断熱材、フレキシブルプリント配線基板(FPC)のベースフィルム、ICのテープオートメイティッドボンディング(TAB)用のキャリアテープフィルム、ICのリードフレーム固定用テープなどに広く利用されている。このうち、FPC、TAB用キャリアテープ、リード固定用テープなどの用途においては、通常、種々の接着剤を介してポリイミドフィルムと銅箔とが接着されて用いられている。
ところが、ポリイミドフィルムはその化学構造及び高度な耐薬品性により、銅箔との接着性が不十分な場合が多いことから、フィルム表面を酸やアルカリを用いて化学的処理する方法(例えば、特許文献1参照)、およびサンドブラストのような物理的処理する方法(例えば、特許文献2参照)などを施すことにより、接着性を改善する試みが従来からなされている。
しかしながら、これらの処理は、処理後に、洗浄、乾燥などの別工程を要することから、生産性、安定性、コスト面だけでなく、環境保全の面でも問題を含んでいた。
特開2002−294965号公報参照 特開平9−48864号公報参照
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、銅箔との接着性が向上し、寸法安定性、水濡れ性にも優れたポリイミドフィルムおよびその効率的な製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明によれば、ジアミン成分として20〜40モル%のパラフェニレンジアミンおよび80〜60モル%の4,4'−ジアミノジフェニルエーテルを用い、酸成分として100モル%のピロメリット酸二無水物を用いて形成されたポリイミドフィルムであって、接触角法に基づき測定した表面自由エネルギーが80mN/m以上であることを特徴とする高接着性ポリイミドフィルムが提供される。
また、本発明の上記高接着性ポリイミドフィルムの製造方法は、ジアミン成分として20〜40モル%のパラフェニレンジアミンおよび80〜60モル%の4,4'−ジアミノジフェニルエーテルを用い、酸成分として100モル%のピロメリット酸二無水物を用いて形成されたポリイミドフィルムの表面にプラズマ処理を施すに際し、表面が誘電体によって被覆されかつ10℃〜100℃に冷却された高電圧印加電極と、これに対向して設けられ、放電が形成される面が誘電体で被覆され、かつポリイミドフィルムを支持する支持電極との間に希ガスを少なくとも20モル%以上含有する100〜1000Torrの雰囲気下で印加された高電圧によって、ポリイミドフィルムの表面を500w・min/m以上の処理強度で連続的にプラズマ処理することを特徴とする
本発明によれば、銅箔との接着性が向上し、寸法安定性、水濡れ性にも優れたポリイミドフィルムを得ることができる。
以下、本発明の高接着ポリイミドフィルムおよびその製造方法についてさらに詳しく説明する。
まず、本発明のポリイミドフィルムを得るに際してその前駆体であるポリイミド酸について説明する。本発明に用いられるポリアミド酸は、ジアミン成分としてのパラフェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルと、酸成分としてのピロメリット酸二無水物とを重合させることにより得られるものである。
本発明に用いられるパラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルは、有機溶媒に溶解させて用いるのが好ましい。ピロメリット酸二無水物並びに、パラフェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを重合してポリアミド酸を得る方法は、各種公知の方法で行ってもよく、例えば予め所定量のパラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを有機溶媒に溶解させておき、それにピロメリット酸二無水物を添加し、所定の粘度を有するポリアミド酸を得る方法が挙げられる。
次に、得られたポリアミド酸溶液からポリイミドフィルムを得る方法を説明する。
まず、開環触媒および脱水剤を用いて脱水する化学閉環法または加熱処理によって脱水する熱閉環法によりポリアミド酸を環化させることにより、ポリイミドのゲルフィルムを得ることが好ましく行われる。そして、得られたゲルフィルムの端部を固定し、縦方向に1.05〜1.5の倍率、横方向に1.05〜2.0の倍率で2軸延伸してポリイミドフィルムを得ることができる。かかる2軸延伸を行うことにより、得られるポリイミドフィルムの機械的特性を向上させることができる。化学閉環法または熱閉環法のいずれの方法で行っても良いが、得られるポリイミドフィルムの弾性率を向上させることができること、熱膨張係数を低下せせることができることなどの利点を有する化学閉環法が好ましく採用される。
化学閉環法で使用される脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物,N−ジアルキルカルボジイミド類、低級脂肪酸ハロゲン化物、アリルホスホン酸次ハロゲン化物、安息香酸無水物、フタル酸無水物などの芳香族酸無水物およびケテンなどが挙げられ、なかでも無水酢酸の使用が好ましい。
また、使用される環化触媒としては、3,4’−N−ルチジン、3,5−ルチジン、4−メチルピリジン、4−イソプロピルピリジン、4−ベンジルピリジンなどのピリジン類、N−ジメチルベンジルアミン、4−ジメチルベンジルアミン、4−ジメチルドデシルアミン、β−ピコリンなどのピコリン類、トリエチルアミン、N−ジメチルアニリン、キノリンおよびイソキノリンなどが挙げられ、なかでもβ−ピコリンの使用が好ましい。これらを単独または混合して使用するのが好ましい。
化学閉環法を行うに際しては、ポリアミド酸溶液中に環化触媒、脱水剤を混合させイミド化した後に、この溶液をコ−ティングしてポリイミドフィルムを得る方法、およびポリアミド酸溶液をコ−ティングして薄膜化させた後、これを環化触媒、脱水剤の混合中に浸積してイミド化させることによってポリイミドフィルムを得る方法などを採用し得る。
なお、得られるポリイミドフィルムの機械的性質などを改善させるために、種々の添加剤と触媒をポリアミド酸に添加してもよく、また、ポリイミドフィルムの表面を粗化させてフィルムに滑り性を付与し工程安定性を向上させる観点から、有機フィラ−または無機フィラ−をポリアミド酸に混合することもできる。
本発明のポリイミドフィルムを構成するポリイミドは、ブロックポリマ−、ランダムポリマ−および混合ポリマ−のいずれであってもよい。
ポリアミド酸溶液は粘性が高いことから、通常、キャスティングドラムあるいはエンドレスベルトの上にポリアミド酸溶液をフィルム状に押し出し、あるいは流延塗布し、前記キャスティングドラムまたはエンドレスベルトの上にポリアミド酸を少なくとも自己支持を備える程度に硬化させた後、必要に応じて熱処理などを施し、安定なポリイミドフィルムとすることも好ましく行われる。
本発明の高接着性ポリイミドフィルムは、ジアミン成分として20〜40モル%のパラフェニレンジアミン、60〜80モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、酸成分として100モル%のピロメリット酸二無水物から形成される。パラフェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの添加割合は、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが多くなるとポリイミドフィルムが柔らかくなり、逆にパラフェニレンジアミンが多くなるとポリイミドフィルムが硬くなるため、ポリイミドフィルムの用途に応じて両者の添加割合を上記範囲内で設定するのが好ましい。さらに好ましい組成は、ジアミン成分として、パラフェニレンジアミン30モル%と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル70モル%、酸性分としてピロメリット酸二無水物100モル%から形成されるポリイミドフィルムである。
そして、本発明の高接着性ポリイミドフィルムは、接触角法に基づき測定した表面自由エネルギーが80mN/m以上であることを特徴とする。
ここで、ポリイミドフィルムの表面自由エネルギーが80mN/m未満の場合は、接着性改良効果が不十分となるため好ましくない。表面自由エネルギーが80mN/m以上であることより、銅箔との接着性が高く、また寸法安定性に優れ、さらに水濡れ性にも優れたポリイミドフィルムとなる。そして、好ましい表面自由エネルギーは85mN/m以上である。
上記の特性を満たす本発明の高接着性ポリイミドフィルムは、上記の組成からなるポリイミドフィルムに、特定条件のプラズマ処理を施すことにより製造することができる。
すなわち、本発明の高接着性ポリイミドフィルムを製造するには、上記ポリイミドフィルムの表面にプラズマ処理を施すに際し、表面が誘電体によって被覆されかつ10℃〜100℃に冷却された高電圧印加電極と、これに対向して設けられ、放電が形成される面が誘電体で被覆され、かつポリイミドフィルムを支持する支持電極との間に希ガスを少なくとも20モル%以上含有する100〜1000Torrの雰囲気下で印加された高電圧によって、ポリイミドフィルムの表面を500w・min/m以上の処理強度で連続的にプラズマ処理することが重要である。
このプラズマ処理におけるプラズマ放電は、内部に冷媒を流すことにより、その表面を10〜100℃に冷却された金属管などの導体の表面を誘電体で被覆した高電圧印加電極と、この電極に対向して設けられ、放電が形成される面が誘電体で被覆された被処理物を支持するための電極との間で形成される。
高電圧印加電極としては中空棒構造を有するものが好ましく、内部に流す冷媒としては空気、フレオンまたは水などが挙げられ、なかでも水が好ましい。導体の表面を覆う誘電体としては、ゴム、ガラス、セラミックスなどが挙げられるが、なかでもガラスが好ましく、その厚さは0.1〜0.5mmであることが好ましい。誘電体の材質は印加される電圧に対し、十分な耐電をもつものを選択するのがよい。
被処理物を支持するための電極は、被処理物がフィルムなどの長尺物の場合は、被処理物を搬送自在に支持できるドラム状電極であることが好ましく、その大きさは例えば前記棒状高電圧印加電極の直径に対し、2倍以上の直径を持つように形成するのがよい。ドラム状電極の少なくとも放電が形成される面は同様に誘電体で被覆することが重要であり、誘電体の厚さ、材質などの棒状電極の場合と同様のものが使用される。
高電圧印加電極と被処理物を支持する電極とは同数である必要はなく、被処理物を支持する電極1個に対し、高電圧印加電極を2個以上設けるのが良い。
高電圧印加電極と対向電極の距離は0.5mm以上10mm以下にするのが好ましく、更に好ましくは0.5mm以上5mm以下である。この距離が10mmを超えると放電が不安定となり、また0.5mm未満では機械的な精度を出すのが困難なため、処理むら、処理抜けが起こりやすい。
高電圧印加電極に印加する高電圧の周波数は20KHz〜100MHzの範囲で選択するのが好ましい。20KHz未満では放電が開始しにくく、100MHzを越えると整合をとることが困難であり、好ましい周波数は50KHz〜500KHzである。
被処理物を支持する電極は設置しても良いし、あるいは該電極を大地から浮かし、高電圧電源の高電圧電極との結線端子と対になる出力端子と結線してもよい。
また、当然のことながら、高電圧電源は整合回路をもっていることが好ましい。
本発明で行うプラズマ処理においては、雰囲気ガス組成が極めて重要であり、上記装置を用い、希ガス元素を少なくとも20モル%以上含有する、100〜1000Torrのガス雰囲気中で放電すると、放電が通常の火花放電(当業者間ではコロナ放電と呼ばれている)ではなく、真空下で起こるグロー放電に似た放電になり、このグロー放電は火花放電に比べ多くの電力を放電に供給することができ、かつポリイミドフィルムに対しての処理効果が著しく、またブロッキングなどの欠点を生じないという利点がある。
本発明で使用される希ガス元素としては、He、Ne、Kr、Xe、Rnなどが挙げられるが、Arが最も好ましい。かかる希ガスは雰囲気ガス中に少なくとも20モル%以上含まれている必要がある。
雰囲気ガス中の希ガスが20モル%未満では、放電が火花放電になり、通常のコロナ放電と同様に処理効果が低く、かつ裏うつりや、ブロッキングを生じるため好ましくない。より好ましくは雰囲気ガス中に希ガスを50モル%以上含有させるのが良い。希ガスと混合して使用できるガスとしては、CO、メタンなどの有機ガスが挙げられ、これらに限定されない。ただし、OおよびN濃度は、放電の安定性、処理効果の点から極力小さい方がよく、好ましくは1モル%未満、更に好ましくは0.5モル%未満にするのがよい。
雰囲気の圧力は100〜1000Torrの範囲で選択することが重要であり、100Torr未満では高度の真空排気装置などを必要とする等の問題があり、また1000Torrを越えると放電が開始しにくくなる。より好ましくは600〜900Torrの圧力範囲で選択するのがよい。
ポリイミドフィルムに対する処理強度は、200w・min/m以上の処理電力密度で処理するのがよく、より好ましくは500w・min/m以上、さらに好ましくは1000w・min/m処理電力密度で処理するのがよい。通常のコロナ放電処理では、500w・min/m以上の電力密度で処理すると、放電がアーク放電になり、被処理フィルムやドラム状電極の被誘電体にピンホールが生じるが、本発明の方法ではこの様な現象が全く見られず、大電力を供給できるという利点がある。なお、ここでいう処理電力密度とは、出力を放電部分の幅(ドラム状電極の幅方向)と処理速度で割った値であるポリイミドフィルムは送り出しロールにより放電部分へ送り出される。放電部分にはガス導入系より、所定組成のガスが供給され、簡単な排気装置よって所定のガスに維持させる。ポリイミドフィルムは放電処理部において、高電圧印加電極に高電圧電源より整合トランスを介し印加された高周波高電圧によって、接地されたドラム状電極との間で形成される放電によって処理された後、巻き取りローラーに巻き取られる。
かくして得られる本発明の高接着性ポリイミドフィルムは、銅箔との接着性が高く、また寸法安定性に優れ、さらに水濡れ性にも優れた特性を有しているため、これらの特性を活かして、電子部品などのフレキシブルプリント配線基板(FPC)に用いる基材であるTAB(Tape Automated Bonding)、COF(Chip On Flex)の基材絶縁フィルムとして、あるいは半導体装置における支持部材であるLOC用テープなどとして有用に利用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例中のPPDはパラフェニレンジアミン、ODAは4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、PMDAはピロメリット酸二無水物、DMAcはN,N−ジメチルアセトアミドを、それぞれ表す。
また、実施例中のポリイミドフィルムの各特性は、次の方法で評価した。
(1)表面自由エネルギー(mN/m)
表面処理を実施したフィルム表面を水、エチレングリコール、ヨウ化メチレンで各n=5回測定した接触角の平均値から、Kyowa Interface Science社製のFACE CA-W150を用い表面自由エネルギーを求めた。この値が大きいということは水濡れ性が良く接着力が一般に高い。
(2)各フィルムの接着力評価
三井化学株式会社製 エポキシ樹脂接着剤(商品名エポックス AH−357A/AH−357B/AH−357C=100/5/12重量比)で混合した接着剤をコータで各フィルムに塗布し130℃×4分で予備乾燥を行い18μm圧延銅箔(BHY−22B−T、ジャパンエナジ−社製)を重ねて2MPa加圧下170℃80分のプレスキュアで銅張り積層板を得た。得られた積層板に0.8mmの回路を切り塩化第2鉄溶液でエッチングを行い評価用サンプルを作製した。得られた0.8mm幅の金属箔部分を90°の剥離角度、50mm/分の条件で剥離し、n=5回測定しその平均値を接着力とした。
(3)プラズマ処理
表面が誘電体によって被覆されかつ25℃に冷却された高電圧印加電極と、これに対向して設けられ、放電が形成される面が誘電体で被覆され、かつポリイミドフィルムを支持する支持電極との間に希ガスを少なくとも20モル%以上含有する750Torrの雰囲気下で印加された高電圧によって、ポリイミドフィルムの表面を500w・min/mの処理強度で連続的に処理を施した。
[実施例1]
500ccのガラス製フラスコに、DMAc150mlを入れ、ODAをDMAcに供給して溶解させ、続いてPPD及びPMDAを順次供給し、室温で約1時間攪拌した。最終的にPMDAとジアミン成分が約100モル%化学両論で、ODA:70モル%、PPD:30モル%、PMDA:100モル%の組成からなるポリアミド酸濃度20重量%の溶液を調整し、公知の方法により厚み25μmのポリイミドフィルムを得て、これに上記プラズマ処理を行った。表面自由エネルギー及び接着強度は表1に示すとおりであった。
[実施例2]
500ccのガラス製フラスコに、DMAc150mlを入れ、ODAをDMAcに供給して溶解させ、続いてPPD及びPMDAを順次供給し、室温で約1時間攪拌した。最終的にPMDAとジアミン成分が約100モル%化学両論で、ODA:60モル%、PPD:40モル%、PMDA:100モル%の組成からなるポリアミド酸濃度20重量%の溶液を調整し、公知の方法により厚み25μmのポリイミドフィルムを得て、これに上記プラズマ処理を行った。表面自由エネルギー及び接着強度は表1に示すとおりであった。
[実施例3]
実施例1と同様にして、厚み約7.5μmのポリイミドフィルムを得て、これに実施例1と同様のプラズマ処理を行った。得られたフィルムの表面自由エネルギー及び接着強度は表1に示すとおりであった。
[実施例4]
実施例2と同様にして、厚み約7.5μmのポリイミドフィルムを得て、これに実施例2と同様のプラズマ処理を行った。得られたフィルムの表面自由エネルギー及び接着強度は表1に示すとおりであった。
[比較例1]
実施例1と同様にして、厚み約25μmのポリイミドフィルムを得た。但し、プラズマ処理は施さなかった。得られたフィルムの表面自由エネルギー及び接着強度は表1に示すとおりであった。
[比較例2]
実施例2と同様にして、厚み約25μmのポリイミドフィルムを得た。但しプラズマ処理は施さなかった。得られたフィルムの表面自由エネルギー及び接着強度は表1に示すとおりであった。
[比較例3]
実施例3と同様にして、厚み約7.5μmのポリイミドフィルムを得た。但しプラズマ処理は施さなかった。得られたフィルムの表面自由エネルギー及び接着強度は表1に示すとおりであった。
[比較例4]
実施例4と同様にして、厚み約7.5μmのポリイミドフィルムを得た。但しプラズマ処理は施さなかった。得られたフィルムの表面自由エネルギー及び接着強度は表1に示すとおりであった。
Figure 2007191704
表1の結果から明らかなとおり、本発明のポリイミドフィルムは、プラズマ処理を施さないポリイミドフィルムに較べて、厚みに関係なく接着性が顕著に向上している。
本発明の高接着性ポリイミドフィルムは、銅箔との接着性が高く、また寸法安定性に優れ、さらに水濡れ性にも優れた特性を有しているため、これらの特性を活かして、電子部品などのフレキシブルプリント配線基板(FPC)に用いる基材であるTAB(Tape Automated Bonding)、COF(Chip On Flex)の基材絶縁フィルムとして、あるいは半導体装置における支持部材であるLOC用テープなどとして有用に利用することができる。

Claims (2)

  1. ジアミン成分として20〜40モル%のパラフェニレンジアミンおよび80〜60モル%の4,4'−ジアミノジフェニルエーテルを用い、酸成分として100モル%のピロメリット酸二無水物を用いて形成されたポリイミドフィルムであって、接触角法に基づき測定した表面自由エネルギーが80mN/m以上であることを特徴とする高接着性ポリイミドフィルム。
  2. ジアミン成分として20〜40モル%のパラフェニレンジアミンおよび80〜60モル%の4,4'−ジアミノジフェニルエーテルを用い、酸成分として100モル%のピロメリット酸二無水物を用いて形成されたポリイミドフィルムの表面にプラズマ処理を施すに際し、表面が誘電体によって被覆されかつ10℃〜100℃に冷却された高電圧印加電極と、これに対向して設けられ、放電が形成される面が誘電体で被覆され、かつポリイミドフィルムを支持する支持電極との間に希ガスを少なくとも20モル%以上含有する100〜1000Torrの雰囲気下で印加された高電圧によって、ポリイミドフィルムの表面を500w・min/m以上の処理強度で連続的にプラズマ処理することを特徴とする請求項1記載の高接着性ポリイミドフィルムの製造方法。
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