JP2004051712A - ポリイミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

ポリイミドフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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安田 巨文
Hiroichi Yokoyama
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Abstract

【課題】銅箔との接着性が向上し、染色性、水濡れ性に優れたポリイミドフィルムおよびその効率的な製造方法の提供。
【解決手段】ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよび3,4’−オキシジアニリンから得られるポリアミド酸から製造されたポリイミドフィルムであって、表面自由エネルギーが80mN/m以上であることを特徴とするポリイミドフィルム、およびピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよび3,4’−オキシジアニリンから得られるポリアミド酸から製造されたポリイミドフィルムの表面にプラズマ処理を施すことを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリイミドフィルムおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、銅箔との接着性が向上し、染色性、水濡れ性に優れたポリイミドフィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミドフィルムは、耐熱性、耐寒性、耐薬品性、電気絶縁性および機械強度などにおいて優れた特性を有することが知られており、電線の電気絶縁材料、断熱材、フレキシブルプリント配線基板(FPC)のベースフィルム、ICのテープオートメイティッドボンディング(TAB)用のキャリアテープフィルム、およびICのリードフレーム固定用テープなどに広く利用されている。これらのうち、特にFPC、TAB用キャリアテープおよびリード固定用テープなどの用途においては、通常、種々の接着剤を介してポリイミドフィルムと銅箔とが接着されて用いられている。
【0003】
ところが、ポリイミドはその化学構造および高度な耐薬品性により、銅箔との接着性が不十分な場合が多いことから、現状ではポリイミドフィルムに後処理として各種の表面処理を施した後、銅箔と接着させている。
【0004】
しかしながら、ポリイミドフィルムの銅箔との接着性を十分なものとするために、アルカリ処理、カップリング剤塗布処理およびサンドブラスト処理などの各種表面処理を施す場合には、ポリイミドフィルムの製膜後に施す必要があり、さらに、処理後のフィルムについて、洗浄や乾燥などの別行程を要することから、生産性、安定性およびコスト面などで多くの問題を包含していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
【0006】
したがって、本発明の目的は、銅箔との接着性が向上し、染色性、水濡れ性に優れたポリイミドフィルムおよびその効率的な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のポリイミドフィルムは、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよび3,4’−オキシジアニリンから得られるポリアミド酸から製造されたポリイミドフィルムであって、IPC−FC−241の方法に基づき測定した表面自由エネルギーが80mN/m以上であることを特徴とする。
【0008】
なお、本発明のポリイミドフィルムにおいては、ジアミンを基準に10〜90モル%の4,4’−オキシジアニリンおよび10〜90モル%の3,4’−オキシジアニリンが用いられてなることが好ましい。
【0009】
また、本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよび3,4’−オキシジアニリンから得られるポリアミド酸から製造されたポリイミドフィルムの表面にプラズマ処理を施すことを特徴とする。
【0010】
なお、本発明のポリイミドフィルムの製造方法においては、
ジアミンを基準に10〜90モル%の4,4’−オキシジアニリンおよび10〜90モル%の3,4’−オキシジアニリンを用いること、
前記プラズマ処理を、希ガスが20モル%以上含有される雰囲気下で施すこと、 前記プラズマ処理を、100〜1000Torrの雰囲気下で施すこと、
前記プラズマ処理を、表面が誘電体によって被覆され、かつ10℃〜100℃に冷却された電極と、これに対向して設けられた表面が誘電体によって被覆された電極を用いて行うこと、および
前記プラズマ処理を、処理電力密度200w・min/m2 以上の条件で行うこと
が、いずれも好ましい条件として挙げられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリイミドフィルムおよびその製造方法についてさらに詳しく説明する。
【0012】
まず、本発明のポリイミドフィルムを得るに際しての前駆体であるポリアミド酸について説明する。
【0013】
本発明に用いられるポリアミド酸は、ピロメリット酸二無水物、並びに4,4’−オキシジアニリンおよび3,4’−オキシジアニリンを重合させることによって得られる。
【0014】
本発明に用いられる4,4’−オキシジアニリンおよび3,4’−オキシジアニリンは有機溶媒に溶解させて用いられるのが好ましい。
【0015】
ピロメリット酸二無水物、並びに4,4’−オキシジアニリンおよび3,4’−オキシジアニリンを重合してポリアミド酸を得る方法は、各種方法で行ってもよく、例えば、予め、所定量の4,4’−オキシジアニリンおよび3,4’−オキシジアニリンを有機溶媒に溶解させておき、それにピロメリット酸二無水物を添加し、所定の粘度を有するポリアミド酸を得る方法が挙げられる。
【0016】
また、4,4’−オキシジアニリンおよび3,4’−オキシジアニリンのいずれか一方を有機溶媒に溶解しておき、この溶媒中にピロメリット酸二無水物を添加して撹拌した後、他方の有機ジアミンを添加して所定の粘度を有するポリアミド酸溶液を得る方法も好ましく行うことができる。
【0017】
本発明に用いられるポリアミド酸において、4,4’−オキシジアニリンの添加割合は、ジアミンを基準に10〜90モル%の範囲が好ましく、また、3,4’−オキシジアニリンの添加割合は、ジアミンを基準に10〜90モル%の範囲が好ましい。
【0018】
4,4’−オキシジアニリンと3,4’−オキシジアニリンの添加割合において、4,4’−オキシジアニリンが多くなると、得られるポリイミドフィルムが柔らかくなる傾向を示し、逆に3,4’−オキシジアニリンが多くなると、得られるポリイミドフィルムが硬くなる傾向を示す。
【0019】
本発明においては、ポリイミドフィルムの用途に応じて、4,4’−オキシジアニリンと3,4’−オキシジアニリンとの添加割合を設定するのが好ましい。
【0020】
例えば、得られたポリイミドフィルムをフレキシブルプリント基板に用いる際には、フィルムの特性として硬すぎず、かつ柔らかすぎないものが好ましく、かかる条件に適合するポリイミドフィルムを得るという観点からは、3,4’−オキシジアニリンの添加割合を30〜70モル%の範囲とすることがが好ましい。
【0021】
本発明に用いられる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、有機カルボン酸無水物、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル2−ピロリドンおよびジメチルスルホンなどが好ましく、これらを単独または混合して使用することができ、なかでも有機極性溶媒がより好ましく用いられる。
【0022】
上記の重合により得られるポリアミド酸は、上記溶媒中に10〜30重量%の濃度となるように調整するのが好ましい。
【0023】
次に、得られたポリアミド酸溶液からポリイミドフィルムを得る方法を説明する。
【0024】
まず、環化触媒および脱水剤を用いて脱水する化学閉環法または加熱処理によって脱水する熱閉環法によりポリアミド酸を環化させることにより、ポリイミドのゲルフィルムを得ることが好ましく行われる。そして、得られたゲルフィルムの端部を固定し、縦方向に1.05〜1.5の倍率、横方向に1.05〜2.0の倍率で2軸延伸してポリイミドフイルムを得ることが好ましく行われる。
【0025】
かかる2軸延伸を行うことにより、得られるポリイミドフィルムの機械特性を向上させることができ、さらには等方性を改良させることができる。
【0026】
化学閉環法または熱閉環法のいずれの方法で行ってもよいが、得られるポリイミドフィルムの弾性率を向上させることができること、熱膨張係数を低下させることができること、さらにはケミカルエッチング性を付与できることなどの利点を有する化学閉環法が好ましく採用される。
【0027】
化学閉環法で使用される脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物、N−ジアルキルカルボジイミド類、低級脂肪酸ハロゲン化物、アリルホスホン酸ジハロゲン化物、安息香酸無水物、フタル酸無水物などの芳香族酸無水物およびケテンなどが好ましい。
【0028】
また、使用される環化触媒としては、3,4’−ルチジン、3,5−ルチジン、4−メチルピリジン、4−イソプロピルピリジン、4−ベンジルピリジンなどのピリジン類、N−ジメチルベンジルアミン、4−ジメチルベンジルアミン、4−ジメチルドデシルアミン、β−ピコリンなどのピコリン類、トリエチルアミン、N−ジメチルアニリン、キノリンおよびイソキノリンなどが好ましく、これらを単独または混合して使用するのが好ましい。
【0029】
化学閉環法を行うに際しては、ポリアミド酸溶液中に環化触媒・脱水剤を混合させイミド化した後に、この溶液をコーティングしてポリイミドフィルムを得る方法、およびポリアミド酸溶液をコーティングして薄膜化させた後に環化触媒・脱水剤の混合中に浸漬してイミド化させることによってポリイミドフィルムを得る方法などが採用され得る。
【0030】
なお、得られるポリイミドフィルムの機械的性質などを改善させるために、種々の添加剤と触媒をポリアミド酸に添加してもよく、また、ポリイミドフィルムの表面を粗化させてフィルムに滑り性を付与し工程安定性を向上させる観点から、有機フィラーまたは無機フィラーをポリアミド酸溶液に混合することもできる。
【0031】
本発明のポリイミドフィルムを構成するポリイミドは、ブロックポリマー、ランダムポリマーおよび混合ポリマーのいずれであってもよい。
【0032】
ポリアミド酸溶液は粘性が高いことから、通常、キャスティングドラムあるいはエンドレスベルトの上にポリアミド酸溶液をフィルム状に押し出し、あるいは流延塗布し、前記キャスティングドラムまたはエンドレスベルトの上にポリアミド酸溶液を少なくとも自己支持を備える程度に硬化させた後、必要に応じて熱処理などを施し、安定なポリイミドフィルムとすることも好ましく行われる。
【0033】
本発明のポリイミドフィルムは、表面自由エネルギーが80mN/m以上、特に・・・mN/m以上である。
【0034】
本発明において、表面自由エネルギーは、ポリイミドフィルムと銅箔との接着強度を示す値であり、具体的にはIPC−FC−241の方法に基づき、ポリイミドフィルムと銅箔とを市販の熱可塑性ポリイミド接着剤で接着し、硬板上にフィルムを固定し、測定することによって求めた値である。
【0035】
表面自由エネルギーが80mN/mに満たない場合には、銅箔との接着性を十分に向上させることができないため好ましくない。
【0036】
上記の特性を有する本発明のポリイミドフィルムは、上記の方法により得られたポリイミドフィルム表面にプラズマ処理を施すことにより製造することができる。
【0037】
次に、本発明のポリイミドフイルムの製造方法について、図面にしたがって説明する。
【0038】
図1は、本発明のポリイミドフイルムの製造方法の一例を示す概略図である。
【0039】
図1において、ポリイミドフィルム1は送り出しロール2により放電部分9へ送り出される。放電部分9にはガス導入系8より、所定組成のガスが供給され、簡単な排気装置(図示されない)によって所定組成のガスが存在する雰囲気に維持される。ポリイミドフィルム1は放電処理部において、高電圧印加電極3に高電圧電源5より整合トランス6を介し印加された高周波高電圧によって、接地された対向電極(ドラム状電極)4との間で形成される放電により処理された後、巻き取りローラー7に巻き取られる。
【0040】
本発明においては、放電部9の気体雰囲気としては、Ar、He、Ne、Kr、Xe、Rnなどの希ガスが20モル%以上含有される雰囲気であることが好ましく、前記希ガスのなかでも特にArが好ましい。
【0041】
プラズマ処理効果を向上させ、裏うつりやブロッキングを防止させる観点から、希ガスは雰囲気ガス中に20モル%以上含まれるのが好ましく、50モル%以上含まれることがより好ましい。
【0042】
希ガスと混合される他のガスとしては、CO2 、O2 、N2 、メタンなどの有機ガスが好ましい。
【0043】
ただし、O2 およびN2 の濃度は放電の安定性と処理効果の点から、1モル%以下であるのが好ましく、0.5モル%以下であることがより好ましい。
【0044】
真空度を高度にするための特殊な真空排気装置などを用いない観点と、放電を開始しやすくする観点から、雰囲気の圧力は、100Torr〜1000Torrの範囲が好ましく、600Torr〜900Torrの範囲がより好ましい。
【0045】
本発明におけるプラズマ処理は、高電圧印加電極と、高電圧印加電極に対向して設けられた被処理物を支持する電極(以下、対向電極と略す)との間で行われるのが好ましい。
【0046】
高電圧印加電極としては、金属管などの中空棒構造のものが好ましく、表面が誘電体で被覆されているものが好ましい。
【0047】
プラズマ処理の際に発生する熱によって高電圧印加電極が加熱されることを防止するため、中空棒内部に冷媒が流されて、電極表面が10〜100℃に冷却されているのが好ましい。
【0048】
使用される冷媒としては、空気、フレオン、水などが好ましく、水が特に好ましい。
【0049】
また、被覆のため使用される誘電体としては、印加される電圧に対し、十分な耐電性を有するものであるのが好ましく、例えば、ゴム、ガラス、セラミックスなどが好ましく、特にガラスが好ましい。誘電体の厚さは、0.1〜0.5mmが好ましい。
【0050】
高電圧印加電極と対向電極とは同数であってもよく、対向電極1個に対し、高電圧印加電極が2個以上設けられるのもが好ましい。
【0051】
放電を安定させ、処理むら、処理抜けを防止する観点から、高電圧印加電極と対向電極の距離は0.5mm以上10mm以下とすることが好ましく、0.5mm以上5mm以下とすることがより好ましい。
【0052】
放電が開始しやすくし、整合をとりやすくするためには、高電圧印加電極に印加する高電圧の周波数を20〜100MHzの範囲とすることが好ましく、50〜500KHzの範囲であることがより好ましい。
【0053】
対向電極は設置してもよいし、あるいは対向電極を大地より浮かし、高電圧電源の高電圧電極との結線端子と対になる出力端子と結線することも好ましい。
【0054】
また、高電圧電源は整合回路をもっていることが好ましい。
【0055】
本発明においてき、フィルムなどの長尺物をプラズマ処理するため、対向電極は被処理物を搬送自在に支持できるドラム状電極であることが好ましく、その大きさは、例えば、上記中空棒状である高電圧印加電極の直径に対し、2倍以上の直径を有するものであることが好ましい。前記ドラム状電極の少なくとも放電が形成される面は、高電圧印加電極と同様に誘電体で被覆されるのが好ましく、誘電体の厚さ、材質などは、対向電極と同様のものを使用することが好ましい。
【0056】
ポリイミドフィルムに対するプラズマ処理の強度は、処理を施すべきポリイミドフィルムに応じて選択するのがよいが、処理電力密度を200w・min/
2 以上とすることが好ましく、500w・min/m2 以上とすることがより好ましく、1000w・min/m2 以上とすることがさらに好ましい。
【0057】
なお、本発明において処理電力密度とは、出力を放電部分の幅(ドラム状電極の幅方向)との処理速度で割った値を意味する。
【0058】
かくして得られる本発明のポリイミドフィルムは、銅箔との接着性が従来よりも著しく向上したものであり、染色性、水濡れ性にも優れるという特性を発揮することから、特にフレキシブルプリント基板などの用途に好適に使用することができる。
【0059】
また、本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、洗浄や乾燥などの別行程を必要としないため効率的であり、生産性、安定性およびコスト面などの点で極めて有利である。
【0060】
【実施例】
以下に、実施例により本発明をさらに説明する。
【0061】
本発明におけるポリアミド酸の粘度、表面自由エネルギーの測定方法は下記のとおりである。
[ポリアミド酸の粘度]
B型粘度計を用いて測定した。
[表面自由エネルギー]
ポリイミドフィルムと銅箔との接着強度を示す表面自由エネルギーは、IPC−FC−241の方法に基づき、ポリイミドフィルムと銅箔とを公知の熱可塑性ポリイミド接着剤で接着し、硬板乗にフィルムを固定して測定した。
【0062】
[実施例1]
500ccのガラス製フラスコに、DMAc150mlを入れ3,4’−オキシジアニリンをDMAcに供給して溶解させ、続いて4,4’−オキシジアニリンおよびPMDAを順次供給し、室温で約1時間撹拌した。最終的にテトラカルボン酸二無水物とジアミン成分が約100モル%化学両論で4,4’−オキシジアニリン:30モル%、3,47−オキシジアニリン:70モル%、ピロメリット酸二無水物:100モル%の組成からなるポリアミド酸濃度20重量%の溶液を調整し、公知の方法により25μm のポリイミドフィルムを得た。希ガスが20モル%以上含有され、100〜1000Torrの雰囲気下で、表面が誘電体によって被覆され、かつ10℃〜100℃に冷却された高電圧印加電極と、前記ポリイミドフィルムを支持する誘電体によって被覆された対向電極との間に印加された高電圧によって、ポリイミドフィルムの表面に500w・min/m2 以上の処理強度で連続的にプラズマ処理を施した。得られたポリイミドフィルムについて、接着強度を示す表面自由エネルギーを測定した結果は表1に示すとおりであった。銅箔との接着性に優れたポリイミドフィルムが得られた。
【0063】
[実施例2]
500ccのガラス製フラスコに、DMAc150mlを入れ、3,4’−オキシジアニリンをDMAcの中に供給して溶解させ、続いて4,4’−オキシジアニリンおよびPMDAを順次供給し、室温で約1時間撹拌した。最終的にPMDAとジアミン成分が100モル%化学両論で4,4’−オキシジアニリン:40モル%、3,4’−オキシジアニリン:60モル%、PMDA:100モル%の組成からなるポリアミド酸濃度20重量%の溶液を調整し、公知の方法により約25μmのポリイミドフィルムを得た。希ガスが20モル%以上含有され、100〜1000Torrの雰囲気下で、表面が誘電体によって被覆され、かつ10℃〜100℃に冷却された高電圧印加電極と、上記ポリイミドフィルムを支持する誘電体によって被覆された対向電極との間に印加された高電圧によって、ポリイミドフィルムの表面に500w・min/m2 以上の処理強度で連続的にプラズマ処理を施した。得られたポリイミドフィルムについて、接着強度を示す表面自由エネルギーを測定した結果は表1に示すとおりであった。銅箔との接着性に優れたポリイミドフィルムが得られた。
【0064】
[比較例1]
実施例1と同一な、厚み約25μmのポリイミドフィルムを得た。ただしプラズマ処理は施さなかった。得られたポリイミドフィルムについて、接着強度を示す表面自由エネルギーを測定した結果は表1に示すとおりであった。銅箔との接着性が実施例1に比較して劣ったポリイミドフィルムが得られた。
【0065】
[比較例2]
実施例2と同一な、厚み約25μmポリイミドフィルムを得た。但しプラズマ処理は施さなかった。得られたポリイミドフィルムについて、接着強度を示す表面自由エネルギーを測定した結果は表1に示すとおりであった。銅箔との接着性が実施例2に比較して劣ったポリイミドフィルムが得られた。
【0066】
【表1】
Figure 2004051712
【0067】
表1の結果から明らかなとおり、本発明によるポリイミドフィルムは、プラズマ処理を施さないポリイミドフィルムに対し、銅箔との接着性が顕著に向上したものである。したがって、本発明によれば、フレキシブルプリント基板に好適なポリイミドフィルムが得らる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のポリイミドフィルムは、銅箔との接着性が従来よりも著しく向上したものであり、染色性、水濡れ性にも優れるという特性を発揮することから、特にフレキシブルプリント基板などの用途に好適に使用することができる。
【0069】
また、本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、洗浄や乾燥などの別行程を必要としないため効率的であり、生産性、安定性およびコスト面などの点で極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のポリイミドフィルムの製造方法の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:ポリイミドフィルム
2:送り出しロール
3:高電圧印加電極
4:対向電極(ドラム状電極)
5:高電圧電源
6:整合トランス
7:巻き取りローラー
8:ガス導入系
9:放電部分

Claims (8)

  1. ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよび3,4’−オキシジアニリンから得られるポリアミド酸から製造されたポリイミドフィルムであって、IPC−FC−241の方法に基づき測定した表面自由エネルギーが80mN/m以上であることを特徴とするポリイミドフィルム。
  2. ジアミンを基準に10〜90モル%の4,4’−オキシジアニリンおよび10〜90モル%の3,4’−オキシジアニリンが用いられてなることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドフィルム。
  3. ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよび3,4’−オキシジアニリンから得られるポリアミド酸から製造されたポリイミドフィルムの表面にプラズマ処理を施すことを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
  4. ジアミンを基準に10〜90モル%の4,4’−オキシジアニリンおよび10〜90モル%の3,4’−オキシジアニリンを用いることを特徴とする請求項3に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  5. 前記プラズマ処理を、希ガスが20モル%以上含有される雰囲気下で施すことを特徴とする請求項3または4に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  6. 前記プラズマ処理を、100〜1000Torrの雰囲気下で施すことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  7. 前記プラズマ処理を、表面が誘電体によって被覆され、かつ10℃〜100℃に冷却された電極と、これに対向して設けられた表面が誘電体によって被覆された電極を用いて行うことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  8. 前記プラズマ処理を、処理電力密度200w・min/m2 以上の条件で行うことを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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