JP2007138058A - 高接着性ポリイミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高接着性ポリイミドフィルム、特に銅箔との接着性が向上し、寸法安定性、水濡れ性にも優れたポリイミドフィルムおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】パラフェニレンジアミン(PPD)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から形成されたポリイミドフィルムにリラックス処理を施し、さらにサンドマット処理とプラズマ処理を行ったことを特徴とする高接着性ポリイミドフィルム。
【選択図】なし
【解決手段】パラフェニレンジアミン(PPD)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から形成されたポリイミドフィルムにリラックス処理を施し、さらにサンドマット処理とプラズマ処理を行ったことを特徴とする高接着性ポリイミドフィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は、高接着性ポリイミドフィルムに関し、さらに詳しくは銅箔との接着性が向上し、寸法安定性、水濡れ性にも優れたポリイミドフィルムおよびその製造方法に関する。
ポリイミドフィルムのような耐熱性フィルムは、電子部品などのフレキシブルプリント配線基板(FPC)に用いる基材としてTAB(Tape Automated Bonding)、COF(Chip On Flex)の基材絶縁フィルムとして、あるいは半導体装置における支持部材であるLOC用テープなどとして用いられている。このような用途では、基材となるフィルムの接着性が大きいことが望まれる。特に近年の高密度配線や微細加工といったファインピッチ化に伴い、その要求レベルは益々厳しくなってきている。また、耐熱フィルムは、また磁気記録媒体のベース材料としても用いられる。このような場合においても、フィルムの耐熱性と共に高い接着性が求められる。
これまでに、耐熱性フィルムの接着性を向上させる表面改質方法として、コロナ放電処理(特許文献1)、アルカリ処理(特許文献2)、サンドブラスト処理(特許文献3)、プラズマ放電処理(特許文献4)等の種々の技術が提案実施されている。
提案されている方法のうち、プラズマ放電処理方法は、例えばポリイミドフィルムに対してコロナ放電処理と比較して良好な改質効果を発現させ得る。プラズマ処理とはいわゆるグロー放電処理であり、コロナ放電処理と比較して強い電力パワーを与えることが可能であるからである。より具体的には、コロナ放電処理に際しては、通常20〜500W・min/m2程度の電力密度で処理されるのが通常であるのに対し、グロー放電処理では数千W・min/m2での放電が可能であることにより、効果が大きく向上するためと推定されるが、長期保管するとその効果は低下することが知られている。その原因は、ESCAなどのフィルム表面のO/C比を追跡するとO/C比の低下と接触角の増加を確認できる。
またサンドブラスト処理は、表面を粗面化させる意味では非常にその効果は大きい。接着剤が粗面化されて内部に食い込み、アンカー効果が発現したためと考えられる。
一方、ポリイミドフィルムの寸法安定性を向上させるために、低熱収縮処理が行われるが、この低熱収縮処理は、製膜工程での引っ張り応力が残留されるために、のちの工程で接着剤を塗布しキュアー処理する際に著しく熱収縮を起こしシワなどの発生を起こすなどの問題がある。そこで応力緩和処置として製膜されたフィルムに再度高熱処理を施すことにより熱安定性が向上することが知られている。
従来これらの処理は、通常単独での処理が主で実施されているか、2種類の方法を組み合わせられることはあるが、3種類を組み合わせた方法は提案されていなかった。
特開平7−330930号公報
特開平8−12779号公報
特開平8−34866号公報
特開2003−55487号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成された物である。したがって、本発明の目的は、銅箔との接着性が向上し、寸法安定性、水濡れ性にも優れたポリイミドフィルムおよびその製造方法を提供することにある。
上記目的を解決するため本発明は次の手段を取る。すなわち、本発明の高接着性ポリイミドフィルムは、パラフェニレンジアミン(PPD)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から形成されたポリイミドフィルムにリラックス処理を施し、さらにサンドブラスト処理とプラズマ処理を行ったものであり、ポリイミドフィルムの組成比が12〜30モル%のパラフェニレンジアミン、70〜88モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、50〜99.5モル%のピロメリット酸二無水物および0.5〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から形成されるポリイミドフィルムであること、200℃加熱収縮率がフィルムの機械搬送方向(MD)と幅方向(TD)で共に0.05%以下であること、フィルム表面の、触針式表面粗さ計で測定した表面粗さRaが0.065μm以上、Rmaxが1.0μm以上であること、およびプラズマ処理は、接触角法に基づき測定した表面自由エネルギ−が80mN/m以上であることが好ましい。
また、本発明の項接着ポリイミドフィルムの製造方法は、12〜30モル%のパラフェニレンジアミン、70〜88モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、50〜99.5モル%のピロメリット酸二無水物および0.5〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から形成されるポリイミドフィルムに200℃加熱収縮率がフィルムの機械搬送方向(MD)と幅方向(TD)で共に0.05%以下になるようにリラックス処理を施し、フィルム表面の、触針式表面粗さ計で測定した表面粗さRaが0.065μm以上、Rmaxが1.0μm以上でサンドブラスト処理を施し、次いで接触角法に基づき測定した表面自由エネルギ−が80mN/m以上であるプラズマ処理を施したものである。
本発明は、例えば銅箔との密着性が高く、また寸法安定性に優れ、さらに水濡れ性にも優れたポリイミドフィルムを提供することができる。
以下、本発明のポリイミドフィルムおよびその製造方法についてさらに詳しく説明する。
まず、本発明のポリイミドを得るに際してその前駆体であるポリイミド酸について説明する。本発明に用いられるポリアミド酸は、ジアミン成分としてのパラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルと酸成分としてのピロメリット酸二無水物および、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を重合させることで得られる。
本発明に用いられるパラフェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルは有機溶媒に溶解させて用いられるのが好ましい。ピロメリット酸二無水物および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物並びにパラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを重合してポリアミド酸を得る方法は、各種公知の方法で行ってもよく、例えば予め所定量のパラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を有機溶媒に溶解させておき、それにピロメリット酸二無水物を添加し、所定の粘度を有するポリアミド酸を得る方法が挙げられる。
次に、得られたポリアミド酸溶液からポリイミドフィルムを得る方法を説明する。
まず、開環触媒および脱水剤を用いて脱水する化学閉環法または加熱処理によって脱水する熱閉環法によりポリアミド酸を環化させることにより、ポリイミドのゲルフィルムを得ることが好ましく行われる。そして、得られたゲルフィルムの端部を固定し、縦方向に1.05〜1.5の倍率、横方向に1.05〜2.0の倍率で2軸延伸してポリイミドフィルムを得ることが出来る。かかる2軸延伸を行うことにより、得られるポリイミドフィルムの機械的特性を向上させることができる。化学閉環法または熱閉環法のいずれの方法で行っても良いが、得られるポリイミドフィルムの弾性率を向上させることができること、熱膨張係数を低下せせることができるなどの利点を有する化学閉環法が好ましく採用される。
化学閉環法で使用される脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物,N−ジアルキルカルボジイミド類、低級脂肪酸ハロゲン化物、アリルホスホン酸次ハロゲン化物、安息香酸無水物、フタル酸無水物などの芳香族酸無水物およびケテンなどが好ましい。
また、使用される環化触媒としては、3,4’−Nルチジン、3,5−ルチジン、4−メチルピリジン、4−イソプロピルピリジン、4−ベンジルピリジンなどのピリジン類、N−ジメチルベンジルアミン、4−ジメチルベンジルアミン、4−ジメチルドデシルアミン、β−ピコリンなどのピコリン類、トリエチルアミン、N−ジメチルアニリン、キノリンおよびイソキノリンなどが好ましく、これらを単独または混合して使用するのが好ましい。
化学閉環法を行うに際しては、ポリアミド酸溶液中に環化触媒、脱水剤を混合させイミド化した後に、この溶液をコ−ティングしてポリイミドフィルムを得る方法、およびポリアミド酸溶液をコ−ティングして薄膜化させた後、これを環化触媒、脱水剤の混合中に浸積してイミド化させることによってポリイミドフィルムを得る方法などが採用され得る。
なお、得られるポリイミドフィルムの機械的性質などを改善させるために種々の添加剤と触媒をポリアミド酸に添加してもよく、また、ポリイミドフィルムの表面を粗化させてフィルムに滑り性を付与し工程安定性を向上させる観点から、有機フィラ−または無機フィラ−をポリアミド酸に混合することも出来る。
本発明のポリイミドフィルムを構成するポリイミドは、ブロックポリマ−、ランダムポリマ−および混合ポリマ−のいずれであってもよい。
ポリアミド酸溶液は粘性が高いことから、通常、キャスティングドラムあるいはエンドレスベルトの上にポリアミド酸溶液をフィルム状に押し出し、あるいは流延塗布し、前記キャスティングドラムまたはエンドレスベルトの上にポリアミド酸を少なくとも自己支持を備える程度に硬化させた後、必要に応じて熱処理などを施し、安定なポリイミドフィルムとすることも好ましく行われる。
本発明の高接着性ポリイミドフィルムは、12〜30モル%のパラフェニレンジアミン、70〜88モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、50〜99.5モル%のピロメリット酸二無水物および0.5〜50モル%の3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から形成される。好ましい組成は、ジアミン成分としてPPD12モル%とODA88モル%、酸性分としてPMDA80モル%とBPDA20モル%である。
ここでフィルムとは、厚み数μm〜数mmの平板な形状の樹脂を指す。通常のフィルムの厚みは、3〜300μmであり、好ましくは5〜125μm、より好ましくは7.5〜75μm、さらに好ましくは7.5〜50μmである。
本発明のポリイミドフィルムはリラックス処理が施される。リラックス処理は、200℃加熱収縮率がフィルムの機械搬送方向(MD)と幅方向(TD)で共に0.05%以下であること、具体的には、200〜500℃の中を低張力下にてフィルムを走行させ、アニール処理を行う。炉の中でフィルムが滞留する時間が処理時間となるが、走行速度を変えることでコントールすることになり、30秒〜5分の処理時間が好ましい。これより短いとフィルムに充分熱が伝わらずまた長いと過熱気味になり平面性を損なうので好ましくない。またフィルムの走行時の張力は10〜50N/mが好ましく、さらには20〜30N/mが好ましい。この範囲よりも張力が低いとフィルムの走行性が悪くなり、また張力が高いと得られたフィルムの走行方向の熱収縮率が高くなるので好ましくない。
本発明の高接着性ポリイミドフィルムはサンドブラスト処理が施される。サンドブラスト処理は、好ましくは、サンド粒子径分布のサンド径80〜200μmをフィルム表面に打ち付け平均表面粗さRa0.065μm以上、Rmaxが1.0μm以上で処理を行う。平均表面粗さRmaxが1.6μmより大きい場合は、機械物性が低下する傾向が見られる。また1.0μmより小さい場合は、十分なアンカ−効果が期待できないために接着力が低いなどの問題がある。
本発明の高接着性ポリイミドフィルムはさらにプラズマ処理が施される。プラズマ処理は、接触角法に基づき測定した表面自由エネルギ−が80mN/m以上である。具体的には、希ガスが20モル%以上含有される雰囲気下で100〜1000torrの雰囲気下でかつ表面が誘電体によって被覆され、かつ10℃〜100℃に冷却された電極と、これに対向して設けられた表面が誘電体によって被覆された電極を用いて行うことおよび処理電力密度200W・min/m2以上で行うことが、いずれも好ましい条件としてあげられる。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。実施例中PPDはパラフェニレンジアミン、ODAは4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、PMDAはピロメリット酸二無水物、BPDAは3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、DMACは、N,N−ジメチルアセトアミドを表す。
また実施例中のポリイミドフィルムの各特性は、次の方法で評価した。
(1)表面自由エネルギ−(mN/m)
表面処理を実施した表面を水、エチレングリコール、ヨウ化メチレンで各n=5回測定した接触角の平均値を用いてKyowa Interface ScienceのFACE CA-W150 を用い表面自由エネルギ−を求めた。この値が大きいということは水濡れ性が良く接着力が一般に高い。
表面処理を実施した表面を水、エチレングリコール、ヨウ化メチレンで各n=5回測定した接触角の平均値を用いてKyowa Interface ScienceのFACE CA-W150 を用い表面自由エネルギ−を求めた。この値が大きいということは水濡れ性が良く接着力が一般に高い。
(2)熱収縮率
25℃、60%RHに調湿された部屋に2日間放置した後のフィルム寸法(L1)を測定し、続いて200℃60分加熱した後再び25℃、60%RHに調湿された部屋に2日間放置した後のフィルム寸法(L2)を測定し、下記計算式より評価した。
加熱収縮率=−(L2−L1)/L1×100
25℃、60%RHに調湿された部屋に2日間放置した後のフィルム寸法(L1)を測定し、続いて200℃60分加熱した後再び25℃、60%RHに調湿された部屋に2日間放置した後のフィルム寸法(L2)を測定し、下記計算式より評価した。
加熱収縮率=−(L2−L1)/L1×100
(3)表面粗さ
小坂研究所の表面粗さ計(SE3500)にて測定長で2.5mm間を測定してRa、Rmaxを求めた。
小坂研究所の表面粗さ計(SE3500)にて測定長で2.5mm間を測定してRa、Rmaxを求めた。
(4)各フィルムの接着力評価
三井化学株式会社製 エポキシ樹脂接着剤(商品名エポックス AH−357A/AH−357B/AH−357C=100/5/12重量比)で混合した接着剤をコータで各フィルムに塗布し130℃×4分で予備乾燥を行い18μm圧延銅箔(BHY−22B−T、ジャパンエナジ−社製)を重ねて2MPa加圧下170℃80分のプレスキュアで銅張り積層板を得た。得られた積層板に0.8mmの回路をきり塩化第2鉄溶液でエッチチングを行い評価用サンプルを作製した。得られた0.8mm幅の金属箔部分を90°の剥離角度、50mm/分の条件で剥離し、n=5回測定しその平均値を接着力とした。
三井化学株式会社製 エポキシ樹脂接着剤(商品名エポックス AH−357A/AH−357B/AH−357C=100/5/12重量比)で混合した接着剤をコータで各フィルムに塗布し130℃×4分で予備乾燥を行い18μm圧延銅箔(BHY−22B−T、ジャパンエナジ−社製)を重ねて2MPa加圧下170℃80分のプレスキュアで銅張り積層板を得た。得られた積層板に0.8mmの回路をきり塩化第2鉄溶液でエッチチングを行い評価用サンプルを作製した。得られた0.8mm幅の金属箔部分を90°の剥離角度、50mm/分の条件で剥離し、n=5回測定しその平均値を接着力とした。
<実施例1、2>
DMACにPPD12モル%、とPMDAの一部14.5モル%を投入し、常温常圧中窒素雰囲気下で1時間反応させた。次にここにODA88モル%を投入し均一になるまで撹拌した後、BPDA20モル%を添加し、1時間撹拌反応させた。続いてここに残りのPMDA65.5モル%を添加しさらに1時間反応させ3500ポイズのポリアミド酸溶液を得た。固形分濃度は、最終的に20.3wt%になった。得られたポリアミド酸に無水酢酸、β−ピコリンを添加混合した後、エンドレスベルト上にキャストし100℃で5分乾燥して得られる自己支持性のフィルムを引き離し、端部を固定した後、テンタ−炉にて段階的に昇温して高温500℃にて1分間焼成して、厚み25μm(実施例1)、および7.5μm(実施例2)のポリイミドフィルム長尺品を得た。
DMACにPPD12モル%、とPMDAの一部14.5モル%を投入し、常温常圧中窒素雰囲気下で1時間反応させた。次にここにODA88モル%を投入し均一になるまで撹拌した後、BPDA20モル%を添加し、1時間撹拌反応させた。続いてここに残りのPMDA65.5モル%を添加しさらに1時間反応させ3500ポイズのポリアミド酸溶液を得た。固形分濃度は、最終的に20.3wt%になった。得られたポリアミド酸に無水酢酸、β−ピコリンを添加混合した後、エンドレスベルト上にキャストし100℃で5分乾燥して得られる自己支持性のフィルムを引き離し、端部を固定した後、テンタ−炉にて段階的に昇温して高温500℃にて1分間焼成して、厚み25μm(実施例1)、および7.5μm(実施例2)のポリイミドフィルム長尺品を得た。
得られたフィルムを最初に熱リラックス処理を行う。すなわち、200℃加熱収縮率がフィルムの機械搬送方向(MD)と幅方向(TD)で共に0.05%以下であること、具体的には、450℃の中を低張力下にてフィルムを走行させ、アニール処理を行った。炉の中でフィルムが滞留する時間が処理時間となるが、走行速度を変えることでコントールできる。この実験では2分間処理を行った。次にサンドブラスト処理を行い表面粗さがRa0.065μm以上になるように処理する。すなわちサンド粒子径分布の80〜200μmのサンドを10〜100m/Sで投射処理を行った。
次に希ガスが20モル%以上含有される雰囲気下で760torr(常圧)の雰囲気下でかつ表面が誘電体によって被覆され、かつ50℃に冷却された電極と、これに対向してもうけられた表面が誘電体によって被覆された電極を用いて処理電力密度500W・min/m2でプラズマ処理を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。
<比較例1〜5>
実施例1において、リラックス処理も行わない未処理品を比較例1、リラックス処理のみを施したものを比較例2、リラックス処理とサンドマット処理を行ったものを比較例3、未処理品にサンドマット処理のみ行ったものを比較例4、リラックス処理後プラズマ処理を行ったものを比較例5として、結果を表1に示した。
実施例1において、リラックス処理も行わない未処理品を比較例1、リラックス処理のみを施したものを比較例2、リラックス処理とサンドマット処理を行ったものを比較例3、未処理品にサンドマット処理のみ行ったものを比較例4、リラックス処理後プラズマ処理を行ったものを比較例5として、結果を表1に示した。
表1の結果から、リラックス処理を行いサンドブラスト処理とプラズマ処理品が寸法安定性とアンカー効果により接着力の優れたデータが得られることがわかる。
本発明の高接着性ポリイミドフィルムは、電子部品などのフレキシブルプリント配線基板(FPC)に用いる基材としてのTAB(Tape Automated Bonding)、COF(Chip On Flex)の基材絶縁フィルムとして、あるいは半導体装置における支持部材であるLOC用テープなどとして有用に利用することができる。
Claims (6)
- パラフェニレンジアミン(PPD)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から形成されたポリイミドフィルムにリラックス処理を施し、さらにサンドブラスト処理とプラズマ処理を行ったことを特徴とする高接着性ポリイミドフィルム。
- ポリイミドフィルムの組成比が12〜30モル%のパラフェニレンジアミン、70〜88モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、50〜99.5モル%のピロメリット酸二無水物および0.5〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から形成されるポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1記載の高接着性ポリイミドフィルム。
- 200℃加熱収縮率がフィルムの機械搬送方向(MD)と幅方向(TD)で共に0.05%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の高接着性ポリイミドフィルム。
- フィルム表面の、触針式表面粗さ計で測定した表面粗さRaが0.065μm以上、Rmaxが1.0μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高接着性ポリイミドフィルム。
- 上記プラズマ処理は、接触角法に基づき測定した表面自由エネルギ−が80mN/m以上であることを特徴とする請求項1のポリイミド表面処理フィルムと処理方法。
- 12〜30モル%のパラフェニレンジアミン、70〜88モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、50〜99.5モル%のピロメリット酸二無水物および0.5〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から形成されるポリイミドフィルムに200℃加熱収縮率がフィルムの機械搬送方向(MD)と幅方向(TD)で共に0.05%以下になるようにリラックス処理を施し、フィルム表面の、触針式表面粗さ計で測定した表面粗さRaが0.065μm以上、Rmaxが1.0μm以上でサンドブラスト処理を施し、次いで接触角法に基づき測定した表面自由エネルギ−が80mN/m以上であるプラズマ処理を施したことを特徴とする高接着性ポリイミドフィルムの製造方法。
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