JP2007138059A - 高接着性ポリイミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

高接着性ポリイミドフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】銅箔との接着性が向上し、寸法安定性、水濡れ性にも優れた高接着性ポリイミドフィルムおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよびピロメリット酸二無水物から形成されたポリイミドフィルムであって、200℃加熱収縮率がフィルムの機械搬送方向(MD)と幅方向(TD)で共に0.05%以下であり、フィルム表面の、触針式表面粗さ計で測定した表面粗さRaが0.060μm以上、Rmaxが1.0μm以上、接触角法に基づき測定した表面自由エネルギ−が75mN/m以上である高接着性ポリイミドフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、高接着性ポリイミドフィルムおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは銅箔との接着性が向上し、寸法安定性、水濡れ性にも優れたポリイミドフィルムおよびその製造方法に関する。
ポリイミドフィルムのような耐熱性フィルムは、電子部品などのフレキシブルプリント配線基板(FPC)に用いる基材であるTAB(Tape Automated Bonding)、COF(Chip On Flex)の基材絶縁フィルムとして、あるいは半導体装置における支持部材であるLOC用テープなどとして用いられている。
そして、このような用途では、基材となるフィルムの接着性が大きいことが望まれており、特に近年の高密度配線や微細加工といったファインピッチ化に伴って、その要求レベルは益々厳しくなってきている。
また、耐熱性フィルムは、磁気記録媒体のベース材料としても用いられており、このような場合においても、フィルムの耐熱性と共に高い接着性が求められている。
これまでに、耐熱性フィルムの接着性を向上させる表面改質方法としては、コロナ放電処理する方法(例えば、特許文献1参照)、アルカリ処理する方法(例えば、特許文献2参照)、サンドブラスト処理する方法(例えば、特許文献3参照)、およびプラズマ放電処理する方法(例えば、特許文献4参照)等の種々の技術が提案されており、既に一部は実施されている。
これらの従来技術のうち、プラズマ放電処理方法によれば、例えばポリイミドフィルムに対してコロナ放電処理する場合と比較して、良好な改質効果を発現させ得る。プラズマ放電処理とはいわゆるグロー放電処理であり、コロナ放電処理と比較して強い電力パワーを与えることが可能であるからである。より具体的には、コロナ放電処理に際しては、通常20〜500W・min/m程度の電力密度で処理されるのが通常であるのに対し、グロー放電処理では数千W・min/mでの放電が可能であることにより、効果が大きく向上するためと推定されるが、長期保管するとその効果が低下することが問題視されていた。この効果低下の原因は、ESCAなどのフィルム表面のO/C比を追跡すると、O/C比の低下と接触角の増加を生じていることから確認できる。
また、サンドブラスト処理は、表面を粗面化させる意味では非常にその効果は大きい。接着剤が粗面化されて内部に食い込み、アンカー効果が発現したためと考えられる。
一方、ポリイミドフィルムの寸法安定性を向上させるために、低熱収縮処理が行われるが、この低熱収縮処理は、製膜工程での引っ張り応力が残留されるために、のちの工程で接着剤を塗布しキュアー処理する際に著しく熱収縮を起こし、シワなどの発生を起こすなどの問題があった。そこで、応力緩和処置として、製膜されたフィルムに再度高熱処理を施すことにより熱安定性が向上することが知られている。
従来これらの表面処理は、通常単独での処理が主に実施されているが、せいぜい2種類の表面処理方法を組み合わせることはあっても、3種類の表面処理方法を組み合わせることまでは考えられてはいなかった。
そして、上記の従来技術では、ポリアミドフィルムに十分に満足すべき接着性を付与することができず、その改良がしきりに望まれていた。
特開平7−330930号公報 特開平8−12779号公報 特開平8−34866号公報 特開2004−51712号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、銅箔との接着性が向上し、寸法安定性、水濡れ性にも優れたポリイミドフィルムおよびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよびピロメリット酸二無水物から形成されたポリイミドフィルムであって、200℃加熱収縮率がフィルムの機械搬送方向(MD)と幅方向(TD)で共に0.05%以下であり、フィルム表面の、触針式表面粗さ計で測定した表面粗さRaが0.060μm以上、Rmaxが1.0μm以上、接触角法に基づき測定した表面自由エネルギ−が75mN/m以上であることを特徴とする高接着性ポリイミドフィルムが提供される。
なお、本発明の高接着性ポリイミドフィルムにおいては、前記ポリイミドフィルムが、30〜60モル%の3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル、70〜40モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび100モル%のピロメリット酸二無水物から形成されたものであることが好ましい。
また、上記本発明の高接着性ポリイミドフィルムの製造方法は、3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよびピロメリット酸二無水物から形成されたポリイミドフィルムにリラックス処理を施した後、サンドブラスト処理を施し、次いでプラズマ処理を施すことを特徴とし、
前記ポリイミドフィルムが、30〜60モル%の3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル、70〜40モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび100モル%のピロメリット酸二無水物から形成されたものであること、および
前記プラズマ処理を、フィルム表面の接触角法に基づき測定した表面自由エネルギ−が80mN/m以上となる条件で施すこと
がいずれも好ましい条件である。
本発明によれば、以下に説明するとおり、例えば銅箔との接着性が高く、また寸法安定性に優れ、さらに水濡れ性にも優れたポリイミドフィルムを得ることができる。
以下、本発明のポリイミドフィルムおよびその製造方法についてさらに詳しく説明する。

まず、本発明のポリイミドフィルムを得るに際してその前駆体であるポリイミド酸について説明する。本発明に用いられるポリアミド酸は、ジアミン成分としての3,4‘−ジアミノジフェニルエーテルおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルと、酸成分としてのピロメリット酸二無水物とを重合させることにより得られるものである。
本発明に用いられる3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルは、有機溶媒に溶解させて用いるのが好ましい。ピロメリット酸二無水物並びに、3,4‘−ジアミノジフェニルエーテルおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを重合してポリアミド酸を得る方法は、各種公知の方法で行ってもよく、例えば予め所定量の3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを有機溶媒に溶解させておき、それにピロメリット酸二無水物を添加し、所定の粘度を有するポリアミド酸を得る方法が挙げられる。
次に、得られたポリアミド酸溶液からポリイミドフィルムを得る方法を説明する。
まず、開環触媒および脱水剤を用いて脱水する化学閉環法または加熱処理によって脱水する熱閉環法によりポリアミド酸を環化させることにより、ポリイミドのゲルフィルムを得ることが好ましく行われる。そして、得られたゲルフィルムの端部を固定し、縦方向に1.05〜1.5の倍率、横方向に1.05〜2.0の倍率で2軸延伸してポリイミドフィルムを得ることができる。かかる2軸延伸を行うことにより、得られるポリイミドフィルムの機械的特性を向上させることができる。化学閉環法または熱閉環法のいずれの方法で行っても良いが、得られるポリイミドフィルムの弾性率を向上させることができること、熱膨張係数を低下せせることができることなどの利点を有する化学閉環法が好ましく採用される。
化学閉環法で使用される脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物,N−ジアルキルカルボジイミド類、低級脂肪酸ハロゲン化物、アリルホスホン酸次ハロゲン化物、安息香酸無水物、フタル酸無水物などの芳香族酸無水物およびケテンなどが好ましい。
また、使用される環化触媒としては、3,4’−Nルチジン、3,5−ルチジン、4−メチルピリジン、4−イソプロピルピリジン、4−ベンジルピリジンなどのピリジン類、N−ジメチルベンジルアミン、4−ジメチルベンジルアミン、4−ジメチルドデシルアミン、β−ピコリンなどのピコリン類、トリエチルアミン、N−ジメチルアニリン、キノリンおよびイソキノリンなどが好ましく、これらを単独または混合して使用するのが好ましい。
化学閉環法を行うに際しては、ポリアミド酸溶液中に環化触媒、脱水剤を混合させイミド化した後に、この溶液をコ−ティングしてポリイミドフィルムを得る方法、およびポリアミド酸溶液をコ−ティングして薄膜化させた後、これを環化触媒、脱水剤の混合中に浸積してイミド化させることによってポリイミドフィルムを得る方法などを採用し得る。
なお、得られるポリイミドフィルムの機械的性質などを改善させるために、種々の添加剤と触媒をポリアミド酸に添加してもよく、また、ポリイミドフィルムの表面を粗化させてフィルムに滑り性を付与し工程安定性を向上させる観点から、有機フィラ−または無機フィラ−をポリアミド酸に混合することもできる。
本発明のポリイミドフィルムを構成するポリイミドは、ブロックポリマ−、ランダムポリマ−および混合ポリマ−のいずれであってもよい。
ポリアミド酸溶液は粘性が高いことから、通常、キャスティングドラムあるいはエンドレスベルトの上にポリアミド酸溶液をフィルム状に押し出し、あるいは流延塗布し、前記キャスティングドラムまたはエンドレスベルトの上にポリアミド酸を少なくとも自己支持を備える程度に硬化させた後、必要に応じて熱処理などを施し、安定なポリイミドフィルムとすることも好ましく行われる。
本発明の高接着性ポリイミドフィルムは、30〜60モル%の3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル、70〜40モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、100モル%のピロメリット酸二無水物から形成されることが望ましい。
さらに好ましい組成は、ジアミン成分として3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル、30モル%、と4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル70モル%、酸性分としてPMDA100モル%から形成されるポリイミドフィルムである。
上記の組成からなる本発明の高接着性ポリイミドフィルムは、200℃加熱収縮率がフィルムの機械搬送方向(MD)と幅方向(TD)で共に0.05%以下、特に0.04%以下であり、フィルム表面の、触針式表面粗さ計で測定した表面粗さRaが0.060μm以上、特に0.065μm以上、Rmaxが1.0μm以上、特に1.2μm以上、接触角法に基づき測定した表面自由エネルギ−が75mN/m以上、特に80mN/m以上であることを特徴とする。
ここで、ポリイミドフィルムの200℃加熱収縮率が上記の条件を外れる場合、表面粗さRaが0.065μm未満の場合、Rmaxが1.0μm未満の場合、および表面自由エネルギ−が80mN/m未満の場合は、いずれも接着性改良効果が不十分となるため好ましくない。加熱収縮率、表面粗さRa、Rmaxおよび表面自由エネルギ−の四条件が上記の範囲を満たすことにより、銅箔との接着性が高く、また寸法安定性に優れ、さらに水濡れ性にも優れたポリイミドフィルムを得ることができるのである。
上記の特性を満たす本発明の高接着性ポリイミドフィルムは、上記の組成からなるポリイミドフィルムにリラックス処理を施した後、サンドブラスト処理を施し、次いでプラズマ処理を施すことにより製造することができる。
リラックス処理は、200℃加熱収縮率がフィルムの機械搬送方向(MD)と幅方向(TD)で共に0.05%以下となるような条件、具体的には、200〜500℃の中を低張力下にてフィルムを走行させ、アニール処理することにより行われる。炉の中でフィルムが滞留する時間が処理時間となるが、これは走行速度を変えることによりコントールすることができ、30秒〜5分の処理時間が好ましい。処理時間がこれよりも短いと、フィルムに充分熱が伝わらず、またこれよりも長いと、過熱気味になり平面性を損なうという好ましくない傾向が招かれることがある。また、フィルムの走行時の張力は10〜50N/mであることが好ましく、さらには20〜30N/mであることが好ましい。この範囲よりも張力が低いとフィルムの走行性が悪くなり、また張力が高いと得られたフィルムの走行方向の熱収縮率が高くなる傾向となる。
リラックス処理を施したポリイミドフィルムには、次いでサンドブラスト処理が施される。サンドブラスト処理は、好ましくは、粒子径分布のサンド径80〜200μmのサンド粒子をフィルム表面に打ち付けることにより、平均表面粗さRaが0.065μm以上、Rmaxが1.0μm以上となるように施すのが好ましい。このサンドプラスト処理により形成される平均表面粗さRmaxが1.0μmより小さい場合は、十分なアンカ−効果が期待できないために接着力の改良効果が小さくなる。また、Rmaxの上限は特に制限しないが、機械物性の低下を避けるためには、1.6μm程度であることが望ましい。
サンドプラスト処理を施したポリイミドフィルムには、次いでさらにプラズマ処理が施される。プラズマ処理は、フィルムの接触角法に基づき測定した表面自由エネルギ−が80mN/m以上となる条件で施すことが望ましい。具体的には、希ガスが20モル%以上含有される100〜1000torrの雰囲気下で表面が誘電体によって被覆され、かつ10℃〜100℃に冷却された電極と、これに対向して設けられた表面が誘電体によって被覆された電極を用いて行うこと、および処理電力密度200W・min/m以上で行うことが、いずれも好ましい条件として挙げられる。
サンドプラスト処理に次いでさらにプラズマ処理を施こさない場合には、フィルムの表面自由エネルギ−が75mN/mとならず、十分な接着性改良効果を得ることができない。
かくして得られる本発明の高接着性ポリイミドフィルムは、銅箔との接着性が高く、また寸法安定性に優れ、さらに水濡れ性にも優れた特性を有しているため、これらの特性を活かして、電子部品などのフレキシブルプリント配線基板(FPC)に用いる基材であるTAB(Tape Automated Bonding)、COF(Chip On Flex)の基材絶縁フィルムとして、あるいは半導体装置における支持部材であるLOC用テープなどとして有用に利用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、実施例中の3,4‘ODAは、3,4‘−ジアミノジフェニルエーテルを、4,4’ODAは、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、PMDAは、ピロメリット酸二無水物を、DMACは、N,N−ジメチルアセトアミドを、それぞれ表す。
また、実施例中のポリイミドフィルムの各特性は、次の方法で評価した。
(1)表面自由エネルギ−(mN/m)
表面処理を実施した表面を水、エチレングリコール、ヨウ化メチレンで各n=5回測定した接触角の平均値から、Kyowa Interface ScienceのFACE CA-W150を用い表面自由エネルギ−を求めた。この値が大きいということは水濡れ性が良く接着力が一般に高い。
(2)熱収縮率
25℃、60%RHに調湿された部屋に2日間放置した後のフィルム寸法(L1)を測定し、続いて200℃60分加熱した後再び25℃、60%RHに調湿された部屋に2日間放置した後のフィルム寸法(L2)を測定して、下記計算式より評価した。この値が小さいほど寸法安定性が通常よいとされている。
加熱収縮率=−(L2−L1)/L1×100
(3)表面粗さ
小坂研究所の表面粗さ計(SE3500)にて測定長で2mm間を測定してカットオフ長0.25mmでRa、Rmaxを求めた。JIS-B0601-1982に準じる。
(4)各フィルムの接着力評価
三井化学株式会社製 エポキシ樹脂接着剤(商品名エポックス AH−357A/AH−357B/AH−357C=100/5/12重量比)で混合した接着剤をコータで各フィルムに塗布し、130℃×4分で予備乾燥を行い18μm圧延銅箔(BHY−22B−T、ジャパンエナジ−社製)を重ねて2MPa加圧下170℃80分のプレスキュアで銅張り積層板を得た。得られた積層板に0.8mmmの回路をきり塩化第2鉄溶液でエッチチングを行い評価用サンプルを作製した。得られた0.8mm幅の金属箔部分を90°の剥離角度、50mm/分の条件で剥離し、n=5回測定しその平均値を接着力とした。
<実施例1>
DMACに3、4‘ODA30モル%とPMDAの一部14.5モル%を投入し、常温常圧中窒素雰囲気下で1時間反応させた。次に、ここに4,4’ODA70モル%を投入し均一になるまで撹拌した後、1時間撹拌反応させた。続いて、ここに残りのPMDA85.5モル%を添加しさらに1時間反応させ4000ポイズのポリアミド酸溶液を得た。固形分濃度は、最終的DMACを20.3重量%になるように添加した。得られたポリアミド酸に無水酢酸、β−ピコリンを添加混合した後、エンドレスベルト上にキャストし100℃で5分乾燥して得られる自己支持性のフィルムを引き離し、端部を固定した後、テンタ−炉にて段階的に昇温して高温500℃にて1分間焼成して、厚み25μmのポリイミドフィルム長尺品を得た。
得られたフィルムに最初に熱リラックス処理を施した。すなわち、具体的には、450℃の中を低張力下にてフィルムを走行させ、アニール処理を行った。炉の中でフィルムが滞留する時間が処理時間となるが、走行速度を変えることでコントールすることができる。この実験では2分間処理を行った。
次に、サンドブラスト処理を施した。すなわち、サンド粒子径分布の80〜200μmのサンドを10〜100m/Sで投射処理を行った。
引き続いて、希ガスが20モル%以上含有される760torr(常圧)の雰囲気下で、表面が誘電体によって被覆され、かつ50℃に冷却された電極と、これに対向してもうけられた表面が誘電体によって被覆された電極を用いて、処理電力密度500W・min/mの条件でプラズマ処理を行った。
得られたフィルムの特性を表1に示す。
<実施例2>
実施例1の樹脂組成を3、4‘ODA60モル%と4,4’ODA40モル%とPMDA100モル%にて実施例1と同じ操作にて25μmの長尺フィルムを作製し同様の表面処理を実施した。
<比較例1〜5>
実施例1において、リラックス処理も行わない未処理品を比較例1、リラックス処理のみを施したものを比較例2、リラックス処理とサンドプラスト処理のみを行ったものを比較例3、未処理品にサンドプラスト処理のみ行ったものを比較例4、リラックス処理後プラズマ処理のみを行ったものを比較例5として、結果を表1に示した。
Figure 2007138059
表1の結果から、リラックス処理を行った後、さらにサンドブラスト処理とプラズマ処理を施してなる本発明の高接着性ポリイミドフィルム(実施例1)は、リラックス処理/サンドブラスト処理/プラズマ処理のいずれかを欠いて得られたポリイミドフィルム(比較例1〜5)に較べて、加熱収縮率、表面粗さRa、Rmaxおよび表面自由エネルギ−の四条件を均衡に満たし、寸法安定性とアンカー効果により接着性に優れるものであることがわかる。
本発明の高接着性ポリイミドフィルムは、銅箔との接着性が高く、また寸法安定性に優れ、さらに水濡れ性にも優れた特性を有しているため、これらの特性を活かして、電子部品などのフレキシブルプリント配線基板(FPC)に用いる基材であるTAB(Tape Automated Bonding)、COF(Chip On Flex)の基材絶縁フィルムとして、あるいは半導体装置における支持部材であるLOC用テープなどとして有用に利用することができる。

Claims (5)

  1. 3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよびピロメリット酸二無水物から形成されたポリイミドフィルムであって、200℃加熱収縮率がフィルムの機械搬送方向(MD)と幅方向(TD)で共に0.05%以下であり、フィルム表面の、触針式表面粗さ計で測定した表面粗さRaが0.060μm以上、Rmaxが1.0μm以上、接触角法に基づき測定した表面自由エネルギ−が75mN/m以上であることを特徴とする高接着性ポリイミドフィルム。
  2. 前記ポリイミドフィルムが、30〜60モル%の3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、70〜40モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび100モル%のピロメリット酸二無水物から形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の高接着性ポリイミドフィルム。
  3. 3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよびピロメリット酸二無水物から形成されたポリイミドフィルムにリラックス処理を施した後、サンドブラスト処理を施し、次いでプラズマ処理を施すことを特徴とする請求項1または2に記載の高接着性ポリイミドフィルムの製造方法。
  4. 前記ポリイミドフィルムが、30〜60モル%の3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル、70〜40モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび100モル%のピロメリット酸二無水物から形成されたものであることを特徴とする請求項3に記載の高接着性ポリイミドフィルムの製造方法。
  5. 前記プラズマ処理を、フィルム表面の接触角法に基づき測定した表面自由エネルギ−が80mN/m以上となる条件で施すことを特徴とする請求項3または4に記載の高接着性ポリイミドフィルムの製造方法。
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