JP2017137418A - 接着剤付きポリイミドフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の他の目的は、耐熱性に優れたフラットケーブル用基材を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、耐熱性(さらには、熱による寸法安定性)に優れたフラットケーブルを提供することにある。
具体的には、熱収縮率が小さいポリイミドフィルム(具体的には、200℃で60分加熱後の熱収縮率が0.2%以下であるポリイミドフィルム)に、フラットケーブルの製造において一般的に使用される接着剤(例えば、ポリエステル系接着剤)の接着剤層を積層した接着剤付きポリイミドフィルムを、フラットケーブル用基材として使用することを試みた。
しかしながら、このような接着剤付きポリイミドフィルムは、耐熱性が十分ではなく、フラットケーブル用基材として使用した場合に熱によるフラットケーブルの寸法変化が大きいものであった。
さらに、本発明者らは、200℃で60分加熱後の熱収縮率が0.2%以下であるポリイミドフィルムに、TMA針入りモード測定の180℃に於ける針入り侵入量が特定の範囲となる接着剤層(さらには、TMA針入りモード測定の180℃に於ける針入り侵入量が、接着剤層の厚さの40%以上の接着剤層)を積層した接着剤付きポリイミドフィルムをフラットケーブル用基材として用いると、耐熱性及び熱による寸法安定性に優れたフラットケーブルを形成できることを見出した。
[1]200℃で60分加熱後の熱収縮率が0.2%以下のポリイミドフィルムと接着剤層を有し、接着剤層のTMA針入りモード測定の180℃に於ける針入り侵入量が接着剤層の厚さの40%以上である接着剤付きポリイミドフィルム。
[2]接着剤層が、TMA針入りモード測定における接着剤層の厚さに対する針入り侵入量において、100℃に於ける針入り侵入量が5%以下であり、かつ140℃に於ける針入り侵入量が20%以上である前記[1]に記載の接着剤付きポリイミドフィルム。
[3]ポリイミドフィルムの表面粗さのRmaxが0.6μm以上であり、Rzが0.3μm以上である前記[1]又は[2]に記載の接着剤付きポリイミドフィルム。
[4]ポリイミドフィルムが、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1以上の芳香族ジアミン成分と、ピロメリット酸二無水物及び/又は3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の芳香族酸無水物成分とを原料に含む、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の接着剤付きポリイミドフィルム。
[5]接着剤層が、エポキシ樹脂を含む接着成分と、他の樹脂を含む添加剤とを含む、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の接着剤付きポリイミドフィルム。
[6]フラットケーブルの製造に用いるための前記[1]〜[5]のいずれかに記載の接着剤付きポリイミドフィルム。
[7]導体を、一対の前記[1]〜[6]のいずれかに記載の接着剤付きポリイミドフィルムで挟持したフラットケーブル。
[8]さらに、厚さが50〜500μmのポリイミドフィルム、もしくはポリイミドフィルムを複数枚積層させた補強板を有する前記[7]に記載のフラットケーブル。
また、本発明の接着剤付きポリイミドフィルムは、耐熱性に優れたフラットケーブル用基材として使用することができ、PETフィルムでは使用できない高温(例えば、180℃以上など)においても使用することができる。
また、本発明の接着剤付きポリイミドフィルムは、耐熱性に優れたフラットケーブル用基材として使用することができ、耐熱性(さらには、熱による寸法安定性)に優れたフラットケーブルを提供することができる。
本発明の接着剤付きポリイミドフィルムは、特定の熱収縮率を有するポリイミドフィルムと接着剤層を有している。接着剤付きポリイミドフィルムは、通常、ポリイミドフィルムの片面に接着剤層を有する。尚、接着剤付きポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルム面側に、さらに他の層が積層されていてもよい。
ポリイミドフィルムを得るに際しては、まず、芳香族ジアミン成分及び芳香族酸無水物成分を有機溶媒中で重合させることにより、ポリアミック酸溶液(以下、ポリアミド酸溶液ともいう)を得る。
ポリアミック酸溶液は、芳香族ジアミン成分と芳香族酸無水物成分を主成分とする化学物質を有機溶媒中で重合させることによって得ることができる。
他のジアミン成分としては、例えば、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,3'−ジアミノジフェニルプロパン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルサルファイド、3,4'−ジアミノジフェニルサルファイド、3,3'−ジアミノジフェニルサルファイド、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、2,6−ジアミノピリジン、ビス−(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、3,3'−ジクロロベンジジン、ビス−(4−アミノフェニル)エチルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)フェニルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、ビス−(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,4'−ジメチル−3',4−ジアミノビフェニル−3,3'−ジメトキシベンチジン、2,4−ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス−(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3−ジアミノアダマンタン、3,3'−ジアミノ−1,1'−ジアミノアダマンタン、3,3'−ジアミノメチル−1,1'−ジアダマンタン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4'−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサエチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N−(3−アミノフェニル)−4−アミノベンズアミド、4−アミノフェニル−3−アミノベンゾエート等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
他の酸無水物成分としては、例えば、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−デカヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,5,6−ヘキサヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,8,9,10−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(1)先に芳香族ジアミン成分全量を溶媒中に入れ、その後芳香族酸無水物成分を芳香族ジアミン成分全量と当量になるよう加えて重合する方法、
(2)先に芳香族酸無水物成分全量を溶媒中に入れ、その後芳香族ジアミン成分を芳香族酸無水物成分と当量になるよう加えて重合する方法、
(3)一方の芳香族ジアミン成分を溶媒中に入れた後、反応成分に対して一方の芳香族酸無水物成分が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、もう一方の芳香族ジアミン成分を添加し、続いてもう一方の芳香族酸無水物成分を全芳香族ジアミン成分と全芳香族酸無水物成分とがほぼ当量になるよう添加して重合する方法、
(4)一方の芳香族酸無水物成分を溶媒中に入れた後、反応成分に対して一方の芳香族ジアミン成分が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、もう一方の芳香族酸無水物成分を添加し、続いてもう一方の芳香族ジアミン成分を全芳香族ジアミン成分と全芳香族酸無水物成分とがほぼ当量になるよう添加して重合する方法、
(5)溶媒中で一方の芳香族ジアミン成分と芳香族酸無水物成分をどちらかが過剰になるよう反応させてポリアミック酸溶液(A)を調整し、別の溶媒中でもう一方の芳香族ジアミン成分と芳香族酸無水物成分をどちらかが過剰になるよう反応させポリアミック酸溶液(B)を調整する。こうして得られた各ポリアミック酸溶液(A)と(B)を混合し、重合を完結する方法。この時ポリアミック酸溶液(A)を調整するに際し芳香族ジアミン成分が過剰の場合、ポリアミック酸溶液(B)では芳香族酸無水物成分を過剰に、またポリアミック酸溶液(A)で芳香族酸無水物成分が過剰の場合、ポリアミック酸溶液(B)では芳香族ジアミン成分を過剰にし、ポリアミック酸溶液(A)と(B)を混ぜ合わせこれら反応に使用される全芳香族ジアミン成分と全芳香族酸無水物成分とがほぼ当量になるよう調整する方法、等が挙げられる。
なお、重合方法はこれらに限定されることはなく、その他公知の方法を用いてもよい。
ポリイミドフィルムを製造する方法としては、例えば、ポリアミック酸溶液をフィルム状にキャストし熱的に脱環化脱溶媒させてポリイミドフィルムを得る方法、ポリアミック酸溶液に環化触媒及び脱水剤を混合し化学的に脱環化させてゲルフィルムを作製し、これを加熱脱溶媒することによりポリイミドフィルムを得る方法が挙げられるが、後者の方が好ましい。
ポリイミドフィルム中のフィラーの含有量は、特に限定されないが、フィルム樹脂1重量当たり、例えば0.03〜1重量%、好ましくは0.05〜0.8重量%程度であってよい。
熱収縮率(%)=−{(L2−L1)/L1}×100
このような表面粗さを有するポリイミドフィルムを得る方法は、特に限定されないが、例えば、公知の表面処理(例えば、ウェットブラスト処理、サンドマット処理、樹脂マット処理、プラズマ処理等など)によって得ることができる。尚、表面処理は、ポリイミドフィルムの片面でも両面でもよい。
接着剤としては、TMA針入りモード測定の180℃に於ける針入り侵入量が接着剤層の厚さの40%以上である接着剤層を形成できるものが好ましい。
接着成分としては、例えば、熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミド樹脂など)、熱硬化性樹脂(例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂など)などが挙げられ、熱硬化性樹脂が好ましい。
接着剤付きポリイミドフィルムにおいて、ポリイミドフィルムの厚みは、例えば1〜150μm(例えば、3〜125μm)、好ましくは5〜120μm(例えば、7〜100μm)、より好ましくは10〜80μm(例えば、15〜50μm)程度であってもよい。
また、接着剤付きポリイミドフィルムの接着剤層は、TMA針入りモード測定の100℃に於ける針入り侵入量が5%以下(例えば、1〜4%)であることが好ましい。
また、接着剤付きポリイミドフィルムの接着剤層は、TMA針入りモード測定の140℃に於ける針入り侵入量が20%以上(例えば、20〜40%)であることが好ましい。100℃に於ける針入り侵入量が5%以下であれば、接着剤の浸み出しを抑制することができ、フラットケーブルの接続部分の導体が接着剤で被覆されて導体とコネクタとの接続不良が発生するのを防止できるなどの観点から好ましい。また、140℃に於ける針入り侵入量が20%以上の場合、接着剤層が十分に柔らかいため、接着剤付きポリイミドフィルムを導体と貼り合わせて加熱した際に、導体間まで接着剤が溶融し、導体間の気泡の発生を防止しやすいなどの観点から好ましい。
また、TMA針入りモード測定の100℃に於ける針入り侵入量、並びにTMA針入りモード測定の140℃に於ける針入り侵入量は、上記したTMA針入りモード測定の180℃に於ける針入り侵入量の測定と同様にして針入りモードの測定を昇温速度10℃/分で200℃まで行い、100℃まで圧子の侵入深さと、140℃まで圧子の侵入深さをそれぞれ読み取ることによって、求めることができる。
本発明の接着剤付きポリイミドフィルムは、フラットケーブルの製造に使用することができる。
フラットケーブルの製造方法は、特に限定されず、導体を、2枚の(一対の)接着剤付きポリイミドフィルムで挟みこむ(挟持する)方法であればよい。フラットケーブルは、通常、接着剤付きポリイミドフィルムの接着剤層同士で、導体が挟みこまれている。フラットケーブルは、例えば、複数の導体を同一平面内で配列した導体列を、接着剤付きポリイミドフィルムの接着剤層同士で挟みこむことによって、製造することができる。尚、接着剤付きポリイミドフィルム間に導体を挟みこむ際に、加熱、加圧などを行ってもよい。
補強板としては、例えば、ポリイミドフィルム単体、もしくはポリイミドフィルムを複数枚(例えば、2〜3枚)積層したもの等である。ポリイミドフィルムを複数枚積層する方法に指定はないが、ポリイミドフィルムのみを積層する方法やポリイミドフィルムの間に他の層(例えば、接着剤層など)を介して積層する方法等がある。この場合のポリイミドフィルムの構成、物性は、特に限定されない。
補強板の厚みは、例えば、50〜500μm(例えば、75〜300μmなど)程度であってよい。
また、補強板は、フラットケーブルの片面に積層されていてもよいし、両面に積層されていてもよい。
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)をモル比で1:1の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中20重量%溶液にして重合し、4000poiseのポリアミック酸溶液を得た。
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(分子量294.22)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)を、モル比で60/40/80/20の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中20重量%溶液にして重合し、4000poiseのポリアミック酸溶液を得た。
ポリイミドフィルムの200℃で60分加熱後の熱収縮率は、25℃、60%RHに調整された部屋に2時間以上放置した後のフィルム寸法(L1)を、CNC画像処理装置システムNEXIV VM−250(ニコン製)を用いて測定し、続いて200℃で60分間加熱した後再び25℃、60%RHに調整された部屋に1日間放置した後のフィルム寸法(L2)を、前記CNC画像処理装置システムを用いて測定し、下記式により算出した。
熱収縮率(%)=−{(L2−L1)/L1}×100
ポリイミドフィルムの表面粗さの測定は、JIS B 0601(2001)に従って行った。接触式表面粗さ測定器を使用して以下の条件で表面粗Rmax、Rzを測定した。
カットオフ値:0.25mm、測定長さ:2mm、触針先端半半径:2μm
接着剤付きポリイミドフィルムを10mmx10mmの大きさに裁断し、島津製作所製熱分析機(TMA−60)を用い、針入りモードの測定を昇温速度10℃/分で200℃まで50gfの一定荷重をかけて行い、100℃、140℃、180℃まで圧子の侵入深さ(針入量、単位:μm)を読み取った。使用した圧子は先端直径0.5mmの円柱状のもので、接着剤表面を圧子侵入面とした。
フラットケーブル導体間の気泡の有無を目視にて確認し、気泡が発生している箇所の長さを測定した。フラットケーブルの長さに対する、気泡発生箇所の長さの割合を算出し、気泡発生率とした。
作製したフラットケーブルを180℃で10分間加熱し、加熱前の導体間寸法(L3)と加熱後の導体間寸法(L4)を、CNC画像処理装置システムNEXIV VM−250(ニコン製)を使って測定し、下記式にしたがって算出した。
熱収縮率(%)=−{(L4−L3)/L3}×100
無機粒子全粒子の粒子径が0.01μm以上6.0μm以下に収まっており、平均粒子径0.87μm、粒子径0.5〜2.5μmの粒子が全粒子中81.5体積%のリン酸水素カルシウムのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを合成例Aで得たポリアミック酸溶液に樹脂重量当たり0.15重量%添加し、十分に攪拌、分散させた。このポリアミック酸溶液に無水酢酸(分子量102.09)とβ−ピコリンからなる転化剤をポリアミック酸に対し、それぞれ2.0モル当量の割合での混合、攪拌した。得られた混合物を、口金より、回転する65℃のステンレス製ドラム上にキャストし、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて250℃×30秒、400℃×30秒、次いで550℃×30秒処理した。得られたフィルムを、300℃×1分、加熱炉でアニール処理を行い、厚さ25μm、Rmax0.8μm、Rz0.5μmのポリイミドフィルムを得た。
ポリイミドフィルムAの片面をサンドマット処理し、厚さ25μm、サンドマット処理面のRmax1.4μm、Rz1.0μmのポリイミドフィルムBを得た。サンドマット処理は、サンド粒子径分布のサンド径80〜200μmの粒子をフィルム表面に打ち付けて行った。
[接着剤]
EPICLON HP−7200(DIC株式会社製、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂)10重量部、タフテックM1913(旭化成ケミカルズ株式会社、マレイン酸変性スチレンエチレンブロック共重合体)100重量部、キュアゾールC11−Z(四国化成株式会社製)0.3重量部及びトルエン420重量部を混合し、接着剤を作成した。
上記で得られたポリイミドフィルムAの片面に、上記接着剤を塗布し、90℃で3分乾燥させて接着剤付きポリイミドフィルムを得た。接着剤付きポリイミドフィルムにおいて、接着剤層の厚みは25μmであった。
幅0.30mm、厚さ0.035mmの導体14本を0.50mmの導体間ピッチで、接着剤付きポリイミドフィルムの接着剤層側に配置し、さらにその上からもう1枚の接着剤付きポリイミドフィルムの接着剤層側を重ねる構造とし、熱ロールで180℃、0.5MPaで加圧することによりフラットケーブルを作製した。
ポリイミドフィルムAの代わりにポリイミドフィルムBを使用し、ポリイミドフィルムBのサンドマット処理面に接着剤を塗布した以外は実施例1と同様にして、フラットケーブルを作製した。
接着剤において、EPICLON HP−7200の代わりにjER828(三菱化学株式会社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)を使用し、タフテックM1913の代わりにTD773(DIC株式会社製、ノボラック型フェノール樹脂)を使用し、接着剤層の厚みが20μmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、フラットケーブルを作製した。
接着剤において、EPICLON HP−7200の代わりにYDCN−700−3(新日鉄住金化学株式会社製、クレゾールノボラックエポキシ樹脂)を使用し、タフテックM1913の代わりにニポール1072J(日本ゼオン社製、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム)を使用し、ポリイミドフィルムの厚みを12.5μmとなるように調整した以外は実施例1と同様にして、フラットケーブルを作製した。
ポリイミドフィルムAの代わりにポリイミドフィルムBのサンドマット処理していない面に接着剤を塗布した以外は実施例1と同様にして、フラットケーブルを作成した。
ポリイミドフィルムAの代わりにポリイミドフィルムBのサンドマット処理していない面に接着剤を塗布した以外は実施例3と同様にして、フラットケーブルを作成した。
ポリイミドフィルムAの代わりにポリイミドフィルムBのサンドマット処理していない面に接着剤を塗布した以外は実施例4と同様にして、フラットケーブルを作成した。
ポリイミドフィルムのアニール処理を実施しなかった以外は実施例1と同様にして、フラットケーブルを作製した。
ポリイミドフィルムの片面に接着剤を塗布して乾燥する際の乾燥条件を、130℃10分とした以外は実施例1と同様にしてフラットケーブルを作製した。
また、比較例2の接着剤付きポリイミドフィルムは、接着剤付きポリイミドフィルムの接着剤層のTMA針入りモード測定の180℃に於ける針入り侵入量が28%と小さかったため、接着剤付きポリイミドフィルムを導体と貼り合わせる際に加熱しても、導体間まで接着剤が溶融せず、導体間の気泡の発生が多くなってしまった。
Claims (8)
- 200℃で60分加熱後の熱収縮率が0.2%以下のポリイミドフィルムと接着剤層を有し、接着剤層のTMA針入りモード測定の180℃に於ける針入り侵入量が接着剤層の厚さの40%以上である接着剤付きポリイミドフィルム。
- 接着剤層が、TMA針入りモード測定における接着剤層の厚さに対する針入り侵入量において、100℃に於ける針入り侵入量が5%以下であり、かつ140℃に於ける針入り侵入量が20%以上である請求項1に記載の接着剤付きポリイミドフィルム。
- ポリイミドフィルムの表面粗さのRmaxが0.6μm以上であり、Rzが0.3μm以上である請求項1又は2に記載の接着剤付きポリイミドフィルム。
- ポリイミドフィルムが、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1以上の芳香族ジアミン成分と、ピロメリット酸二無水物及び/又は3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の芳香族酸無水物成分とを原料に含む、請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤付きポリイミドフィルム。
- 接着剤層が、エポキシ樹脂を含む接着成分と、他の樹脂を含む添加剤とを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤付きポリイミドフィルム。
- フラットケーブルの製造に用いるための請求項1〜5のいずれかに記載の接着剤付きポリイミドフィルム。
- 導体を、一対の請求項1〜6のいずれかに記載の接着剤付きポリイミドフィルムで挟持したフラットケーブル。
- さらに、厚さが50〜500μmのポリイミドフィルム、もしくはポリイミドフィルムを複数枚積層させた補強板を有する請求項7に記載のフラットケーブル。
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