JP2001048691A - 任意濃度分布試料およびその作成方法 - Google Patents
任意濃度分布試料およびその作成方法Info
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Abstract
る方法を提供する。 【解決手段】 任意の均一な濃度を有する複数の薄板に
分割され、それらの薄板が所望の濃度分布に配置されて
拡散接合されている。
Description
な組成で高品質な結晶を生成するために用いる地上で作
成する任意の濃度分布を有する試料の作成方法に関す
る。
TeとSnTeの混晶で、赤外線領域のレーザダイオードや光
検出用材料として有望な半導体である。バンドキャップ
の大きさはPbTeとSnTeの比によってほぼ線形に変化する
ので、Pb/Sn 比(x値)を制御することにより発光およ
び受光波長を5μmよりも長波長側において任意の値に
設定することができる。しかし、Pb/Sn 比を一定(つま
り組成を均一)にすることは難しく、また結晶が柔らか
く歪みやすいため結晶欠陥を少くすることが困難であっ
た。このためこれまで、引上げ法やブリッジマン法(一
方向凝固法)あるいは気相成長法等各種の結晶成長法が
試みられてきたが、素子作成用基板結晶としての大きさ
と高品質を備えた結晶は、地上では育成されていない。
なお、溶融して均一な組成の状態で急冷すれば均一な組
成の結晶が地上で容易に得られるが、高品質な結晶とは
ならない。
きないのは、Pb1-X SnX Te融液中の対流が融液を攪拌
し、安定な結晶成長を阻害するためである。宇宙におけ
る微小重力下では熱対流が抑制できるので、適切な結晶
成長速度を選べば、熱及び物質の輸送が拡散で律速され
る拡散律速定常状態結晶成長が可能で、その場合地上で
は得られない高品質の結晶が期待できる。このような高
品質結晶が得られると、レーザーダイオードや光検出器
などの素子作製に応用することにより、それらの素子の
特性と歩留まりが大幅に向上する。
宙開発事業団と日本電信電話株式会社により行われた。
先ず、組成が均一な多結晶原料Pb0.8Sn0.2Teを地上で作
製した。これは純度の高いPb,Sn,Teを還元処理して酸化
膜を取り除き、Pb0.8Sn0.2Teの組成となるよう秤量し、
真空下で約1000℃で加熱し化学反応で生成したPbTe
とSnTeが均一になるよう攪拌した後、試料を急冷・凝固
させて凝固時の偏析による組成変動を防止し均一組成の
多結晶原料Pb0.8Sn0.2Teを作製した。
で高品質の結晶を得るため宇宙での実験が行われた。図
5はスペースシャトル内で、上記多結晶原料Pb0.8Sn0.2
Teを温度勾配炉を用いた一方向凝固法により育成した結
果を示す。温度勾配は40℃/cm以上、固化速度は5.5
mm/hr で種子結晶を使用し、単結晶化を図った。実験の
結果直径15mm,長さ58mmの円柱状結晶が得られた。
宇宙育成結晶の組成均一性は、地上育成の場合に比べ改
善されている。すなわち、成長軸方向の組成均一性が向
上しSnTeモル分率が長さ33mmから43mmの約10mmの
距離にわたり0.16と一定な領域が得られている。こ
れは微小重力環境下(10-4G台)での熱対流抑制効果
を示している。
原料の結晶長さにも依存するが(原料が長いほど、同一
の重力環境・結晶成長条件では均一部が長くなる)、重
力の影響が大きい。重力が10-5Gとなれば、対流はほ
ぼ発生せず均一組成の長さが長くなる可能性が大きい。
宇宙ステーションの現在の設計値では、10-5G程度の
微小重力と言われているが、いままでこの10-5G程度
の微小重力を、宇宙ステーションの建設される数百km
程度の低軌道上で実現した例はなく、実現は難しい。こ
れは低軌道では空気抵抗によってブレーキがかかり、そ
の結果、10-4G程度の微小重力が発生するためであ
る。これにより上記実験では組成均一な結晶が得られた
のは、全長の1/6の10mm程度であり、もっと長い範
囲が望まれる。このため地上で長さ方向に組成を変化さ
せた傾斜組成の多結晶試料を生成し、宇宙において融解
後に一方向凝固させ、組成均一な結晶の範囲の長い試料
を得ようとする方法が検討されている。
軸は濃度を示し、横軸は試料の長さ方向の位置を示す。
図4も同様である。図3Aは地上で生成した組成均一な
多結晶を示し、図3Bは宇宙で一方向凝固法により図3
Aに示す試料を凝固させた濃度分布を示す。図4は地上
で傾斜組成の多結晶を生成し、宇宙で一方向凝固させる
ことにより均一な組成の結晶を得ることができることを
示す図である。すなわち図4Aのように地上である特定
の傾斜組成の多結晶を生成し、宇宙で一方向凝固させる
と、図4Bで示すように組成がほぼ均一な高品質の結晶
が得られる。
度の位置による濃度(成分比)を変えた材料を作ること
は可能であるが、宇宙での結晶生成に最適と考えられる
濃度分布が与えられた場合、それを実現することは難し
い。種子結晶の成分比、材料の成分比、凝固速度を変え
て何回か生成すれば要求された組成分布に近い材料は生
成可能であるが、要求されると同じ任意の組成分布を有
する試料を生成する方法は得られていない。
で、地上で任意の濃度分布を有する試料を生成する方法
を提供することを目的とする。
め、請求項1の発明では、任意の均一な濃度を有する複
数の薄板に分割され、それらの薄板が所望の濃度分布に
配置されて拡散接合されている。
有する薄板を複数作成し、それらの薄板を所望の濃度分
布に配置し、その各薄板間を拡散接合により接合する。
にし、溶融して急冷すると偏析せず凝固するので溶融状
態の均一な濃度の多結晶が容易に得られる。このように
して濃度を変えて色々の濃度の濃度均一な材料を生成す
る。この材料を薄板に加工する。試料の長さ方向の所望
の濃度分布が示されると、この所望の濃度分布の長さ方
向の各位置における濃度を有する薄板を、所望の濃度分
布となる位置に配置し、この各薄板を拡散接合して試料
を生成する。
図面を参照して説明する。図1は任意の濃度分布を有す
る試料の生成方法を示す図である。図1Aは試料の要求
濃度分布を示し、縦軸は濃度、横軸は試料の長さ方向の
位置を示す。図1Bは図1Aの試料の長さを一定の長さ
dに分割し、各dの長さの平均濃度を求め、この平均濃
度を有する薄板(厚みをdとする)を配列した図を示
す。図1Cは種々の濃度を有する薄板(厚みd)を示
す。図2は要求された濃度分布となるよう配列された薄
板より試料を作成する方法を示し、図2Aは各薄板を拡
散接合して一体化した状態を示し、図2Bは一体化した
試料を加工して成形しアンプルに隙間なく詰められるよ
うにした状態を示す。
の生成方法は、図1Aに示すように試料の要求濃度分布
が示されると、試料の長さ方向を一定の長さdに分割
し、各分割した長さdの平均濃度を求め、各々の位置の
濃度を有する薄板を、予め作成した種々の濃度を有する
薄板から取り出し、配列する。このようにして配列した
薄板を融点の0.6〜0.8倍の温度まで加熱して拡散
接合し、一体化材料とする。この一体化材料を通常円筒
形に加工して、アンプルに挿入する試料とする。なお、
薄板は円板として生成する。
について説明する。試料としては、In1-X GaX As結晶を
用いた場合につき説明する。In1-X GaX Asは化合物半導
体InAsとGaAsの混晶で半導体であり、InAs/GaAs=xモ
ル分率となる濃度であることを示す。例えばx=0.3
の均一濃度の結晶を生成する場合、純度の高いIn,Ga,As
を水素ガス気流中で加熱し還元処理して酸化膜を取り除
き、In0.3Ga0.7As組成となるよう秤量し、真空下で加熱
し、In,GaをAsと反応させ、化学反応で生成したInAsと
GaAsが均一になるよう攪拌した後、急冷・凝固させて凝
固時の偏析による組成変動を防止し均一組成の多結晶材
料In0.3Ga0.7Asを得ることができる。このようにしてモ
ル分率xを変えることにより、種々の濃度を有するInGa
Asの材料を生成することができる。なお、InGaAsの材料
を溶融するるつぼを円筒形とすることにより、円筒の多
結晶材料を得ることができる。この円筒形の材料を厚み
dに加工することにより、濃度xの薄板を得ることがで
きる。なお、薄板の厚みdは薄い方が要求される濃度分
布を精度よく近似できるが、薄板への加工や拡散接合装
置の取り合いとの都合、及びどれくらいの数量の試料を
実験者が用意するか等の条件を考慮して決められる。
は、予め種々の濃度の薄板を作成しておき、試料の要求
濃度分布が示されると、濃度分布の各位置にその濃度を
有する薄板を配列し、各薄板を拡散接合により一体化
し、加工してアンプルに隙間なく充填できる試料を生成
することができる。これにより任意の濃度分布を有する
試料を生成することができる。また、拡散接合により充
分な強度を持った試料を製作でき、これにより試料の加
工が可能になり、要求される形状を実現できる。
である。
拡散接合し加工することをことを示す図である。
凝固させたときの濃度分布を示す図である。
凝固させた場合の濃度分布を示す図である。
凝固させたときの濃度分布を示す実験データである。
Claims (2)
- 【請求項1】 任意の均一な濃度を有する複数の薄板に
分割され、それらの薄板が所望の濃度分布に配置されて
拡散接合されている、ことを特徴とする任意濃度分布試
料。 - 【請求項2】 任意の均一な濃度を有する薄板を複数作
成し、それらの薄板を所望の濃度分布に配置し、その各
薄板間を拡散接合により接合する、ことを特徴とする任
意濃度分布試料の作成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22713699A JP4557192B2 (ja) | 1999-08-11 | 1999-08-11 | 要求濃度分布を有する材料の作成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001048691A true JP2001048691A (ja) | 2001-02-20 |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09227268A (ja) * | 1996-02-20 | 1997-09-02 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 固溶体単結晶の製造方法 |
JPH11121855A (ja) * | 1997-10-14 | 1999-04-30 | Nec Corp | 固体レーザ結晶とその作成方法及び固体レーザ装置 |
-
1999
- 1999-08-11 JP JP22713699A patent/JP4557192B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09227268A (ja) * | 1996-02-20 | 1997-09-02 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 固溶体単結晶の製造方法 |
JPH11121855A (ja) * | 1997-10-14 | 1999-04-30 | Nec Corp | 固体レーザ結晶とその作成方法及び固体レーザ装置 |
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