JPH0631192B2 - 半導体単結晶の製造方法及び装置 - Google Patents

半導体単結晶の製造方法及び装置

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JPH0631192B2
JPH0631192B2 JP29790485A JP29790485A JPH0631192B2 JP H0631192 B2 JPH0631192 B2 JP H0631192B2 JP 29790485 A JP29790485 A JP 29790485A JP 29790485 A JP29790485 A JP 29790485A JP H0631192 B2 JPH0631192 B2 JP H0631192B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は化合物半導体単結晶あるいは混晶の製造方法並
びに装置に関する。更に詳しくいえば、自然凝固法を改
良し、高精度で蒸気圧を制御し、厳密な化学量論的組成
の制御を行うことによって、特性のバラツキのない、均
一な化合物半導体の単結晶または混晶を生産性よく形成
する方法並びにそのための装置に関するものである。
従来の技術 GaAs、InPなどのIII−V族化合物半導体を中心とする
化合物半導体の材料研究、デバイスの実用化研究等はめ
ざましい進展をとげている。例えば、光ファイバ通信に
おける化合物半導体レーザ、その受光素子としてのフォ
トダイオード、アバランシェフォトダイオードなどは既
に実用化されており、大きな期待が寄せられている。
また、最近の傾向として半導体デバイスの高速動作化・
高周波化が要求されているが、このような改良を達成す
る上で、電子の移動度が大きく、また飽和ドリフト速度
の大きなIII−V族のGaAsを代表とする化合物半導
体が注目されている。
更に、III−V族化合物半導体等にあっては、良好な半
導体特性を維持したまま比較的自由に混晶を得ることが
できる。例えば、GaAsとInAsとの三元素混晶
(InGa1−xAs)を作製することによりGaA
sとInAsとの中間的な物性(禁制帯巾など)を有す
る半導体結晶が得られる。このような混晶によれば従来
の単体半導体や二元化合物半導体によっては実現し得な
い興味ある物性の半導体デバイスの実現が期待できるも
のであり、可視光レーザダイオードなどの発光デバイ
ス、PINダイオード等の受光デバイス、更には最近注
目されているヘテロ接合デバイス、超格子デバイス(H
EMT、多量子井戸レーザなど)等の実現のために有利
なものである。
ところで、上記のような各種化合物半導体デバイスの作
製プロセスにおいては、まず第1の高純度の単結晶ある
いは液晶の形成が不可欠である。しかしながら、これら
は従来のSiとは異った各種特性を有しているためにそ
の結晶成長技術もまったく異り、Siなどについてはチ
ョクラルスキー法(CZ法)、フローティングゾーン法
(FZ法)等が広く利用されているが、例えばGaAs
を例にすると組成(Ga;Asの比率)の厳密な制御が
必要とされ、また高温における臨界剪断応力が小さく、
熱歪で転位がはいり易いなどの微妙な技術上の問題があ
る。
化合物半導体の結晶成長はバルク結晶の成長と、エピタ
キシーに大別され、バルク結晶からいわゆるウエハを呼
ばれる板状結晶が切出され、これは直接以下の加工プロ
セスに送られるか、あるいはエピタキシー用の基板とし
て使用されることになる。一方、後者のエピタキシーに
よる成長結晶は薄く、そのため機械強度の点で不十分で
あることから、そのままでは使用できず、基板の使用が
必要とされる。
上記化合物半導体のバルク結晶の成長方法としては、古
くからブリッジマン法(垂直ブリッジマン法、水平ブリ
ッジマン法)、引上げ法(LEC法)、FZ法等が利用
されており、その原理は、例えば垂直ブリッジマン法で
は、高温度と低温部とからなる加熱炉の低温部に原料融
液の入った石英容器などを移動させることにより結晶成
長させることからなっている。また、無秩序な結晶核の
生成が起こらないように、融液の固化開始部で容器の径
が絞ってあり、この部分では核の生成が少なく、その中
で他の部分よりも早く成長する方位をもつものが種結晶
の役割りを果す。
尚、現在のブリッジマン法の主流は原料融液を、ボート
を用いて水平方向に移動させる水平ブリッジマン法であ
り、GaAsなどの単結晶の量産法として利用され、三
温度法(三温度HB法)、二温度法(二温度HB法)な
どが知られている。しかしながら、後者の二温度法では
成長する。例えばGaAsの電子密度などの特性の再現
性が不十分であり、また固化したGaAsのうちで単結
晶となる割合が低いなどの固有の問題点を有しており、
主として前者の三温度法が採用されていた。
従来の三温度法を添付第3図に基き更に詳しく説明する
と、図から明らかな如くこの方法では温度分布に3つの
プラトー部分を有している。各温度T、TおよびT
はT>T>Tなる関係となるように一定値に調
節されている。これらの温度は石英管などでできた反応
管1の外周上に設けられた複数のヒータ(図示せず)に
よって制御される。反応管1は例えば気体の拡散を防止
するためのキャピラリー2を備えた隔壁3で2分されて
おり、反応管1の左側の成長室内には石英ボート4が封
入されている。一方右側の隔室には単結晶形成原料(A
・B)のうちの高解離圧成分(例えばB)の固体が収納
されていて、蒸気圧を制御することにより結晶成長原料
融液の解離、ひいては得られる結晶組成のストイキオメ
トリーを制御し得るようになっている。石英ボート4に
は原料融液(AB)が収納されていて、該ボート4を
低温側(T)に移動させることにより単結晶(AB)
が成長する。
実際の三温度HB法では棚付きボートと呼ばれる石英ボ
ートが使用されている。本図では固−液界面はほぼT
からTへの変位部分の中央に位置する融点(m.
P.)の部分にある。
上記のような化合物半導体のバルク結晶の製法は成長さ
すべき結晶の物性、その種類等に応じて適当に使い分け
されている。最近、特にデバイスの特性改善上の要求か
ら、低欠陥の半導体材料が必要とされており、例えばII
I−V族のGaAsなどにみられるInドープや磁場印
加等による手法を利用した引上げ法では既に転位密度10
0/cm2以下という高い無転位化が達成されている。一
方、II−VI族化合物半導体においても、ZnSe、Cd
Te等の開発・研究が活発に進められつつあり、例えば
CdTeにおいてもZnを高濃度でドープして混晶化す
ることにより低欠陥化が可能となることが知られてい
る。
しかしながら、上記の如くバルク結晶の低欠陥化の目的
で、In、Zn等の第三の添加元素を用いた場合には、
特に偏析係数が1より大きくずれた元素では結晶内に濃
度分布が生じることが知られている。この点につき第4
a図および第4b図に基き更に詳しく説明する。即ち、
例えば第4a図のような相図で示される物質の場合(偏
析係数K<1の場合)、液相組成Cの液体から凝固さ
せると、点p(温度T)に到達してまず最初に組成a
に固体が析出し、更に温度を下げる(T)と組成はb
となり、更に冷却すると組成cを経て完全に凝固する。
上記点pにおいて組成aの固体が析出すると、固体から
成分X(例えば不純物)がはき出され、結果として固体
となる部分の成分Xの濃度に分布が生じ、例えば第4b
図に示すような濃度勾配が形成されることになる。
以上詳しく説明したように、本来低欠陥化の目的でドー
パントを使用したにも拘らず、得られる結晶内にはその
成長方向に沿った濃度分布が生じ所定の組成の均質な製
品を得ることができない。更に、上記濃度分布発生の問
題を解決する目的で高い温度勾配を設けて結晶成長を行
う試みもなされたが、逆に欠陥密度が上昇する結果に終
った。
また、上記問題は第3図に示したような三温度HB法に
よって解決できるように思えるが、解離圧の高い成分を
2以上含む混晶を作製したり、解離圧の高い成分を含む
二元素に解離圧の高いドーパントを高濃度で添加しよう
とする場合には無効であり、欠陥の少ない十分なストイ
キオメトリーの、目的とするバルク結晶を得ることはで
きない。
発明が解決しようとする問題点 以上述べてきたように、半導体の分野においてはますま
す高性能化、高機能化が要求されてきており、従来のS
i等の単元素半導体のみではこれらの要求を満たすこと
が困難になってきている。そこで、高速動作化、高周波
化が可能な、高い移動度、飽和ドリフト速度等を有する
化合物半導体が注目され、今後その重要性はますます高
くなるものと予想される。
このような化合物半導体を用いた各種デバイスを作製す
るには、高純度かつ低欠陥の化合物半導体結晶もしくは
混晶を得る必要があるが、これらはSi等とは異り、単
結晶成長の際注意を要する技術上のいくつかの問題を有
している。中でも特に厳密な蒸気圧制御を行い、化学量
論的組成を有し、かつ均一な特性のバルク単結晶並びに
混晶を安定して得ることが重要な課題である。
この点、上記従来法は、特に第三の添加元素を用いる場
合等においてその偏析係数が1から大巾にずれているよ
うな元素を使用する場合、あるいは解離圧の高い成分を
2以上含むような混晶の作製に対しては全く無効であ
り、新しいバルク結晶製造技術の開発が切に望まれてい
る。尚、特に偏析係数に関する欠点を解消するために、
高い温度勾配を設けた成長法も提案されているが、逆に
欠陥密度が上昇するという負の成果しか得られていな
い。
そこで、本発明の目的は自然凝固法(normal f
reezing method)を改良し、成長方向の
高解離圧成分の濃度を所定の均一な値に維持し、ストイ
キオメトリーに優れ、特性の揃った多元素化合物半導体
のバルク単結晶を作製する方法を提供することにある。
また、本発明は上記方法を実施するためのバルク単結晶
の製造装置を提供することをも目的とするものである。
問題点を解決するための手段 本発明者は、多元素化合物半導体、特に高い解離圧を有
する元素を成分として含有する多元素化合物半導体のバ
ルク単結晶または混晶の製造方法並びに製造装置の上記
の如き現状に鑑みて、上記従来法の呈する諸欠点を解決
する新しい技術を開発すべく種々検討・研究した結果、
少なくとも2種の高解離平衡蒸気圧成分の蒸気圧を別々
に制御することが有効であることを見出し、かかる知見
に基き本発明を完成した。
即ち、本発明は、まず半導体単結晶(以下混晶、ドーパ
ントを含むものを包含するものとして“単結晶”なる用
語を使用する)の製造方法に係り、この方法は原料融液
を収納するボートを、所定の温度勾配に保たれた炉内で
高温側から低温側に移動させることにより結晶成長を行
う自然凝固法による多元素化合物半導体単結晶の製造方
法であって、上記炉内の温度分布を少なくとも4つの異
る温度のプラトー部分を形成するように調整し、少なく
とも2種の高解離平衡蒸気圧成分元素の蒸気圧制御を行
い、該蒸気圧制御を高解離圧成分毎に実施することを特
徴とする。
本発明は、また上記方法を実施するための装置にも係
り、該装置は夫々隔壁によって分離された成長室および
少なくとも2つの高蒸気圧成分の収納室と、該各収納室
と上記成長室とを独立に連通させるキャピラリーとを備
えた反応管と、少なくとも4つの異る温度のプラトー部
分を形成するための加熱手段を備えた炉とで構成されて
いることを特徴とする。
本発明の多元素化合物半導体結晶の製造方法並びに装置
は自然凝固法の改良に係るものであり、特に多元素化合
物半導体であって、2種以上の高蒸気圧(または解離
圧)成分を含むもの、偏析係数が1から大巾にずれるよ
うなものにつき有利に適用できるが、勿論これらにのみ
制限されない。
従って、本発明は例えば、CdTeとZnTeとの混合
系、CdTeにSeをドーピングした系、II−VI族化合
物半導体またはIII−V族化合物半導体の混晶、I−III
−VI型化合物半導体、II−IV−V型化合物半導体単結晶
等の製造のために有利に適用することができる。
第1図は本発明の装置を概略的に断面図で示した図であ
り、以下この図に基き本発明の装置を更に詳しく説明す
る。即ち、本発明の装置は夫々T(原料融液ゾー
ン)、T(結晶化ゾーン)、T(第1の高蒸気圧成
分、例えばAの加熱ゾーン)およびT(第2の高蒸気
圧成分、例えばBの加熱ゾーン)を夫々形成するよう
に、別々にかつ独立に温度調節し得るヒータを備えた炉
内に、密封された反応管10、例えば石英ガラス管、パイ
レックス、バイコール管等が設置される。この反応管は
融壁111、112……によって分離された成長室12と少なく
とも2つの高蒸気圧成分収納室13、14……と、成長室12
と各収納室13、14……とを独立に連通させるキャピラリ
ー151、152……とで構成される。
反応管10を上記のように構成し、各キャピラリーにより
反応室2と夫々独立に連通された収納室の各成分を独立
に温度制御することにより、反応室12内の対応する高蒸
気圧成分の蒸気圧は十分に調整され、ストイキオメトリ
ーに優れた所定の組成の均一な単結晶を得ることができ
る。
本発明の装置において、収納室13、14……の数は特に制
限はなく、形成すべき単結晶中の高蒸気圧成分の数に応
じて適宜調整できる。従って、例えば4つの収納室を予
め設けておき、必要に応じて1、2、3あるいは4つの
収納室を使用することもでき、また当然各原料組成に合
った収納室数のものを各場合に応じて選択使用すること
ができる。
また、本発明の別の態様によれば、第2図に示すよう
に、縦型とすることもでき、その構造は第1図に示した
横型装置と同様である。従って、同一番号を付して説明
を省略する。
上記本発明の装置において加熱形式は特に制限はなく、
従来公知の各種方法、例えば抵抗加熱、誘導加熱、輻射
加熱(ランプ、アーク、レーザ等)がいずれも利用で
き、また直接加熱することが問題となるうよな場合には
均熱管、ライナー管などによる遮蔽を行うことも当然可
能である。
特に、本発明におけるように成長方向に沿ってかなりの
温度差を設ける必要がある場合には、ヒータの分割加
熱、各種浴(空気浴、溶融金属浴等)、更にはヒートパ
イプの使用なども有効である。
本発明によれば、高蒸気圧成分の結晶成長方向における
濃度分布が均一な多元素化合物半導体の単結晶を得るこ
とを目的とするものである。そこで、これを達成するた
めに従来の三温度HB等に更に高蒸気圧成分の収納室を
設け、夫々の反応室における蒸気圧を独立に制御できる
構成とした。この蒸気圧制御は各収納室の温度を制御す
ることにより行い、成長初期においては反応室の高蒸気
圧成分の蒸気圧を高くするようにその領域を比較的高温
に維持し、一方成長後期には逆に成長室の蒸気圧を低く
することが好ましい。この理由は既に第4a図及び第4
b図につき説明した通りである。
作用 以上述べてきたように、多元素化合物半導体の単結晶の
合成に有利な成長方法並びに装置は今までに開発されて
おらず、特に複数の高蒸気圧成分を含む単結晶を得る場
合、あるいは偏析係数が1から大きくずれるような成分
を含むものさらにはこのような不純物のドーピングを伴
う二元素化合物半導体の単結晶を得ようとする場合、従
来提案されていた各種方法並びに装置は無力であった。
ところで、本発明に従って複数の高蒸気圧成分の蒸気圧
を夫々独立に制御することにより上記の多元素化合物半
導体のストイキオメトリーに優れ、低欠陥の単結晶を有
利に製造することが可能となった。この点を、組成A
1-xCを有する三元素化合物半導体の単結晶の製造
を例に挙げて以下に詳しく説明する。
例えば、第1図に示した水平ブリッジマン法に従って説
明すると、この例は異る解離圧を有するAC化合物半導
体にBC化合物半導体を混入して上記組成の混晶を形成
するものであり、結晶Cの成長方向に亘り均一なBの
濃度分布を有する多元素化合物半導体単結晶を製造する
ことに相当する。
ここで、解離平衡蒸気圧がP>P>Pの関係にあ
ると想定すると、成分Aをより高温のTゾーンに収納
し、一方成分Bをより低温のTゾーンに収納する。成
長室12には石英ボート16が収容され、そこには夫々AC
およびBCの多結晶が原料として投入され、また既に述
べたように収納室151にはA成分が、収納室152にはB成
分が夫々ボート171、172に入れられて配置される。この
状態で石英管10は封止され、ヒータ分割炉などで第1図
に示すような温度分布となるようにヒータを動作させ、
反応管を結晶成長方向に移動させることにより単結晶の
成長を行う。この場合結晶成長を制御する成長室の温度
に係るヒータの温度TおよびTは常に一定となるよ
うに調節される。一方TゾーンおよびTゾーンに係
るヒータは夫々所定の温度プログラムに従って変化する
ように調節される。この温度プログラムは前もって予備
実験を行い、定めることができる。また、このような温
度プログラムに沿って自動的にヒータを制御できるよう
にコンピュータなどと組合せることもできる。この際、
成長室に必要とされる蒸気圧を達成するためにT>T
としなければならないような状況の下では、このよう
にヒータを制御できるが、この低温領域(T)が結晶
成長用ボート16にまで影響を及ぼさないように注意する
必要がある。
このような操作、温度制御は第2図に示すような縦型の
装置を用いた場合にも同様である。
以上のように、本発明の方法並びに装置に従って多元素
化合物半導体単結晶を作製することによって、結晶の成
長方向に沿った各成分の濃度が均一で、欠陥密度の低い
高品位の製品を得ることができる。
また、本発明のように複数の高解離圧成分の反応室にお
ける平衡蒸気圧を別々に独立して制御することにより、
従来不可能であった複数の高蒸気圧元素成分を含む混晶
の形成および偏析係数が1から大巾にずれた成分を含む
場合あるいはこのようなドーパントなどの添加の際に
も、成長結晶全長に亘る均一な濃度分布の製品を有利に
得ることができることとなる。
従って、得られたバルク結晶(インゴット)からウエハ
を切出す場合にも、特性の揃ったものを歩留り良く量産
できるので、経済的にも有利であり、工業的に極めて有
利な方法といえる。
実施例 以下、実施例に従って本発明の方法並びに装置を更に具
体的に説明すると共に、その奏する効果を実証するが、
本発明はこれらによって何等制限されるものではない。
実施例1 本例では、第1図に示した収納室2つを備えた水平ブリ
ッジマン型成長装置を用いて、三元素II−VI族化合物半
導体の単結晶(混晶:Cd1-xZnTe)を作製し
た。この場合、蒸気圧制御はCdおよびZnにつき実施
したが、Cdの方が高温を必要としたのでCdをT
ーンに、またZnをTゾーンに収容した。T、T
およびTゾーンは夫々1150℃、1030℃および820℃に
設定し、Tゾーンの温度を適当に制御することにより
Znの結晶内における濃度調整を行った。
本例では、目標とするZnの組成xを0.045に設定し
た。これに応じた比率でCdTeおよびZnTeをボー
ト16に投入し、蒸気圧制御用の単体ZnおよびCdを夫
々収納室13および14に配置した。この状態で反応管を密
封し、上記温度に調整された炉内に収容し、十分に温度
平衡に達成したら、所定の速度(0.3cm/時)で反応管1
0を成長方向(Tの方向)に移動させてCd0.955Zn
0.045Te混晶を成長させた。
この際、Tゾーン即ち単体Znの温度を成長初期には
650℃(反応室内のZn蒸気圧:0.045atm)、また成
長後期には612℃(反応室内のZn蒸気圧:0.021at
m)に制御した。
一方、同様な条件下で、ただし蒸気圧制御はCdのみに
ついて行う従来法(三温度HB法)による同じ混晶の成
長を行った。
かくして得た2種の混晶、Cd0.955Zn0.045Teを適
当な厚さのウエハに、結晶の成長方向に沿って切出し、
X線マイクロアナライザー法に従って各位置におけるZ
n濃度を測定し、結果を第5図にプロットした。第5図
において横軸は結晶の成長方向からみた長さ(あるいは
ウエハの位置)を表し、縦軸にZnの濃度をとってあ
る。
第5図の結果から明らかな如く、CdTeおよびZnT
eを比較すると、ZnTeの偏析係数は0.7であり、従
来法によれば既に第4a図及び第4b図でみたように成
長初期には殆ど結晶からはき出され、成長終期にZnが
濃縮されることが理解できる(第5図の実線参照)。一
方、本発明の方法並びに装置によれば、結晶の成長方向
全域に亘り、Znがほぼ均一に分布していることがわか
る(第5図の点線参照)。即ち、本発明に従って、蒸気
圧制御を複数の成分につき行うことにより、極めて均一
な各成分元素の濃度を有する結晶インゴットを形成し得
ることが容易に理解できる。
発明の効果 以上詳しく説明したように、本発明の多元素化合物半導
体の単結晶製造法並びに装置によれば、複数の高解離圧
成分に関しその蒸気圧を制御し得るように工夫したこと
により、複数の高解離圧元素を含む結晶あるいは偏析係
数が1から大きくずれた成分を含有する混晶の組成を、
生成結晶全体に亘り所定のレベルに均一に維持すること
が可能となる。
従って、本発明によれば、特性の揃ったウエハを歩留り
良く生成単結晶インゴットから切出すことが可能となる
ので、生産性並びに経済性の面で著しく改善されること
になる。
【図面の簡単な説明】
添付第1図は本発明の多元素化合物半導体単結晶の製造
装置の好ましい一態様を模式的に示した断面図であっ
て、併せて該装置の温度分布を示したものであり、 第2図は本発明の装置の第1図とは別の好ましい態様を
示す第1図と同様な図であり、 第3図は従来の三温度HB法における装置を説明するた
めの模式的な第1図と同様な断面図であり、 第4a図及び第4b図は夫々従来の方法の欠点を説明す
るための図であり、 第5図は本発明の方法および従来法により合成したCd
0.955Zn0.045Te混晶中の長さ方向におけるZn成分
の濃度分布を示すグラフである。 (主な参照番号) 1,10……反応管、2,151,152……キャピラリー、
3,111,112……隔壁、4,16……石英ボート、12……
成長室、13,14……収納室

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応管内に配置された、原料融液を収納す
    るボートを、所定の温度勾配に保たれた炉内で、高温側
    から低温側に移動させることにより単結晶または混晶の
    結晶成長を行う自然凝固法による多元素化合物半導体単
    結晶または混晶の製造方法であって、 上記炉内の温度分布を少なくとも4つの異る温度のプラ
    トー部分を形成するように調整し、少なくとも2種の高
    解離平衡蒸気圧成分元素の成長室内における蒸気圧の制
    御を行い、該蒸気圧制御を夫々独立に行うことを特徴と
    する上記多元素化合物半導体単結晶または混晶の製造方
    法。
  2. 【請求項2】上記反応室内の蒸気圧制御が、少なくとも
    最大解離平衡蒸気圧を示す成分につき、成長初期には高
    蒸気圧となるように、また成長後期には低蒸気圧となる
    ように実施することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の多元素化合物半導体単結晶または混晶の製造方
    法。
  3. 【請求項3】上記高解離平衡蒸気圧を有する成分元素の
    蒸気圧制御を、予め決定した温度プログラムに従ってヒ
    ータを動作させることにより実施することを特徴とする
    特許請求の範囲第1項または第2項記載の多元素化合物
    半導体単結晶または混晶の製造方法。
  4. 【請求項4】上記単結晶または混晶が、ドーパントを含
    んでもよいII−VIまたはIII−V族化合物半導体単結晶
    または混晶、I−III−VI型またはII−IV−V型化合物
    半導体であることを特徴とする特許請求の範囲第1項〜
    第3項のいずれか1項に記載の多元素化合物半導体単結
    晶または混晶の製造方法。
  5. 【請求項5】夫々隔壁によって分離された単結晶または
    混晶の成長室および少なくとも2つの高蒸気圧成分元素
    の収納室と、該各収納室と成長室とを連通させるキャピ
    ラリーとを備えた反応管と、少なくとも4つの異る温度
    のプラトー部分を形成するための加熱手段を備えた炉と
    で構成され、上記反応管を該炉内に収容し、これを所定
    の速度で該炉内を移動させることにより多元素化合物半
    導体の単結晶または混晶を製造するための装置。
  6. 【請求項6】上記装置が横型であることを特徴とする特
    許請求の範囲第5項記載の多元素化合物半導体単結晶ま
    たは混晶を製造方法するための装置。
  7. 【請求項7】上記装置が縦型であることを特徴とする特
    許請求の範囲第5項記載の多元素化合物半導体単結晶ま
    たは混晶を製造するための装置。
  8. 【請求項8】上記反応管に設けられた収納室が2つであ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第6項または第7項
    記載の多元素化合物半導体単結晶または混晶を製造する
    ための装置。
  9. 【請求項9】上記加熱手段が分割炉により4分割されて
    おり、上記収納室用の加熱手段各々が独立に温度制御さ
    れていることを特徴とする特許請求の範囲第8項に記載
    の多元素化合物半導体単結晶または混晶を製造するため
    の装置。
  10. 【請求項10】上記収納室加熱手段が予め決められたプ
    ログラムに従って動作することを特徴とする特許請求の
    範囲第9項記載の多元素化合物半導体単結晶または混晶
    を製造するための装置。
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