JPH10167898A - 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法 - Google Patents

半絶縁性GaAs単結晶の製造方法

Info

Publication number
JPH10167898A
JPH10167898A JP33235696A JP33235696A JPH10167898A JP H10167898 A JPH10167898 A JP H10167898A JP 33235696 A JP33235696 A JP 33235696A JP 33235696 A JP33235696 A JP 33235696A JP H10167898 A JPH10167898 A JP H10167898A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
semi
crystal
gaas
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP33235696A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4120016B2 (ja
Inventor
Toshiaki Asahi
聰明 朝日
Osamu Oda
小田  修
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Energy Corp filed Critical Japan Energy Corp
Priority to JP33235696A priority Critical patent/JP4120016B2/ja
Publication of JPH10167898A publication Critical patent/JPH10167898A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4120016B2 publication Critical patent/JP4120016B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 VGF法及びVB法により、結晶成長方向の
炭素濃度が一定な半絶縁性GaAs単結晶を得る。 【解決手段】 石英アンプル内に、GaAs原料及びB
2 3 を入れたるつぼと、蒸気圧制御用のAsと、Ga
2 3 、As2 3 よりなる群から選ばれた1または2
以上の化合物、あるいは、一酸化炭素、二酸化炭素より
なる群から選ばれた1または2以上の化合物よりなる酸
素供給源を封入し、石英アンプル中のCOガス濃度を制
御しながら結晶成長を行う。 【効果】 育成結晶中の炭素濃度を制御しながら結晶育
成を行うことができ、炭素濃度の均一な半絶縁性GaA
s単結晶が高歩留まりで得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半絶縁性GaAs
単結晶の製造方法に関し、例えばGaAsの原料融液を
冷却して垂直方向に単結晶を成長させる垂直グラジェン
トフリージング(VGF)法や垂直ブリッジマン(V
B)法に適用して有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、GaAs−FET(Field-Effect
Transistor )やGaAs−ICの製作には、半絶縁性
GaAs単結晶よりなる基板が用いられる。
【0003】GaAsは、1.4eVの禁制帯幅を有し、
不純物を全く含んでいなければ真性キャリア濃度が1.
8×106 cm-3の半絶縁性となる。しかし、そのような
不純物を含まない半絶縁性GaAs単結晶を製造するの
は極めて困難であり、高純度化しても浅いドナー準位を
形成する珪素等のシャロードナーや浅いアクセプター準
位を形成する炭素等のシャローアクセプターが不純物と
してGaAs単結晶中に残存してしまう。従って、工業
的には、深いアクセプター準位を形成するクロム等のデ
ィープアクセプターや深いドナー準位を形成するEL2
等のディープドナーによりそれぞれ結晶中のシャロード
ナーやシャローアクセプターを補償することによって半
絶縁性を得るようにしている。
【0004】このような半絶縁性のGaAsは、水平ブ
リッジマン(HB)法や液体封止チョクラルスキー(L
EC)法により工業的に製造されている。
【0005】LEC法には、高純度化し易く、半絶縁性
のGaAs単結晶を安定して得ることができるという長
所の他に、大口径で円形のウェハーが得られるという長
所がある。しかし、LEC法では結晶育成中の結晶成長
方向の温度勾配が大きいため、FETやICを作製した
時の電気的な特性劣化を招く原因となる転位の密度が高
い他、得られたGaAs結晶は割れやすいという短所が
ある。
【0006】一方、HB法には、結晶育成中の結晶成長
方向の温度勾配が小さいため、低転位密度の結晶が得ら
れるという長所がある反面、るつぼ(ボート)内で原料
融液を固化させるため大口径化が困難であり、またリネ
ージという転位の集積線が発生しやすく、さらにるつぼ
形状に依存した形状(かまぼこ形)のウェハーしか得ら
れないという短所がある。
【0007】以上のようなHB法及びLEC法のそれぞ
れの短所を補い、それぞれの長所を活かした結晶製造方
法として、垂直グラジェントフリージング(VGF)法
や垂直ブリッジマン(VB)法がある。これらVGF法
やVB法によれば、有底円筒形のるつぼの使用により円
形のウェハーが得られる、結晶成長方向の温度勾配が小
さいため低転位密度化が容易である、さらに液体封止剤
(B2 3 )を使用すれば、石英アンプルからの珪素の
混入を防いでアンドープの半絶縁性GaAs単結晶を成
長させることができる、という利点が得られる。
【0008】VGF法によるGaAs単結晶の育成方法
には、るつぼに入れた原料及び添加物を加熱して石英ア
ンプル中で溶解し、それを所定の温度勾配下で徐々に冷
却して結晶を育成する方法と、石英アンプルのリザーバ
部にAsを入れてAs圧の制御を行ないながら上記方法
と同様にして結晶育成を行う方法と、さらにB2 3
原料融液の表面を封止しながら上記2つの方法と同様に
して結晶育成を行う方法とがある。
【0009】B2 3 で封止しながらLEC法により結
晶育成を行う方法では、B2 3 やその中の水分から酸
素が遊離し、その酸素と育成炉中のグラファイトとが反
応してCO(一酸化炭素)ガスが生成され、そのCOガ
スがB2 3 中に溶解し、原料融液中のGaやH2 Oと
のバランスにより還元されC(炭素)となって原料融液
中に混入する、との報告がされている(6th Conf.on
Semi-insulating III-V Materials, Toronto(1990)2
11-218 、Journal of Crystal Growth 134(1993)97
-104)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本来、炭素の偏析係数
が1.4であるため、育成結晶中の炭素濃度は減少する
傾向にあるが、B2 3 で原料融液の表面を封止しなが
らVGF法やVB法により石英アンプル中で結晶育成を
行った場合には、融液中の炭素は前記のようにB2 3
中の水分と反応しCOガスとなるので炭素濃度はB2
3 中の水分濃度に大きく依存する。結晶育成が進むに連
れてB2 3 中の水分の量が次第に減少していくので、
実際には、得られた結晶の種結晶側から単結晶の尾部に
かけて炭素濃度が増加する傾向にある。従って、結晶の
全域に亘って炭素濃度を一定に制御することは非常に困
難であり、得られた結晶は、その全域に亘って抵抗率が
一定にならず、FETやIC作製用の基板として用いる
ことはできないという問題点があった。また、B2 3
中から発生した水分が、アンプル内の炭素と反応しCO
ガスを発生させるが、その蒸発量はB2 3 中の水分含
有量や温度に依存するので常に一定のCO圧とするのは
困難であった。
【0011】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、VGF法及びVB法により、結晶成長方
向の炭素濃度が一定な半絶縁性GaAs単結晶を得るこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、石英アンプル中に、Ga2 3 、A
2 3 や一酸化炭素、二酸化炭素などの酸素化合物よ
りなる酸素供給源を入れ、それによって結晶育成中に、
石英アンプル中のCO圧を制御することを考えた。
【0013】本発明は、上記着眼に基づきなされたもの
で、気密容器内に、少なくともGaAs原料を入れたる
つぼと、酸素化合物よりなる酸素供給源とを封入した
後、その気密容器を縦型の加熱炉内に設置して前記原料
をヒータにより加熱融解し、原料融液を所定の温度勾配
下で徐々に冷却して固化させることによりGaAs単結
晶を成長させるようにしたものである。
【0014】この発明において、前記るつぼ内に、Ga
As原料とともにB2 3 等の封止剤を入れるようにし
てもよい。
【0015】また、前記酸素化合物は、加熱により前記
気密容器内の炭素含有物質と反応してCO圧を発生する
に十分な酸素を解離することができる酸素化合物であ
り、Ga2 3 、As2 3 よりなる群から選ばれた1
または2以上の化合物、あるいは一酸化炭素、二酸化炭
素よりなる群から選ばれた1または2以上の化合物であ
ってもよい。
【0016】上記発明によれば、結晶育成中、石英アン
プル中のCOガス濃度が一定に制御される。また、B2
3 を用いることにより、育成結晶中に双晶が発生した
り、育成結晶が多結晶化したりするのを防ぐことができ
るので、単結晶化率が低下するのを防ぐことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】まず、本発明者らは、B2 3
封止しながら結晶育成を行う場合、酸素と炭素とから生
成されたCOガスがB2 3 中に溶解し、それが還元さ
れてCが原料融液中に混入するとの上記報告に基づき、
熱力学的な計算を行った。その計算内容について説明す
る。
【0018】原料のチャージ時は、系内には、酸素供給
源である例えばAs2 3 (固体)、H2 Oを含んだB
2 3 (固体)、GaAs(固体)、As(固体)、C
(固体)以外はないと考える。系内の昇温によって、反
応 As2 3 → 1/2As4 6 → 2AsO+1
/2O2 が進行する。発生したAs4 6 やAsOやO2 は炭素
と反応し、COガスまたはCO2 ガスを発生するが、G
aAsの融点(1238℃)では殆どがCOガスである
と考えてよいので、 As4 6 +6C → 2As2 +6CO AsO+C → 1/2As2 +CO O2 +C → 2CO となる。
【0019】ここで、B2 3 中から蒸発したH2
が、炭素と反応しCOガスを発生することが考えれる
が、H2 Oの蒸発は徐々に生じるので、B2 3 中から
蒸発したH2 Oと炭素により発生したCOガスの圧力
は、As2 3 により発生したCOガスよりも小さい圧
力と考えられる。従って、GaAsが融解した時点での
初期のCO圧はAs2 3 量に依存すると考えられる
が、以下の計算によって、As2 3 により発生するC
OガスとB2 3 中のH2 Oの蒸発によって発生するC
Oガスとの関係を求めた。
【0020】次の(1)式の反応において、B2 3
ら蒸発するH2 Oの量をxモル、酸素供給源であるAs
2 3 等により生成されるCOの量をyモル、H2 Oと
Cの反応によって生成されるH2 及びCOの量をそれぞ
れxαモルとする。なお、αは、平衡時のH2 Oのモル
数を初期のH2 Oのモル数で割った値である。
【0021】
【数1】 2 O、H2 及びCOのそれぞれについて、初期及び平
衡時のモル数は表1のようになる。
【0022】
【表1】 2 O、H2 及びCOのそれぞれについて、平衡状態に
おける分圧PH 2 O 、PH 2 及びPCOは、全圧をPとす
ると、次の(2)式で表される。
【0023】
【数2】 平衡定数をKとすると、平衡時には次の(3)式が成立
する。
【0024】
【数3】 従って、(3)式に(2)式を代入すると、次の(4)
式が得られる。
【0025】
【数4】 気体の状態方程式より、全圧Pは次の(5)式より求め
られる。
【0026】
【数5】 (4)式に(5)式を代入すると、次の(6)式のよう
にαの2次式が得られる。
【0027】
【数6】 (6)式をαについて解くと、次の(7)式が得られ
る。
【0028】
【数7】 ここで、温度Tを1500K(ケルビン)、容積Vを1
リットル、平衡定数を612、B2 3 を40g、B2
3 中のH2 O量を90ppm とし、B2 3 からH2
が全量蒸発すると、0.0002モルのH2 Oが蒸発す
ることになる。これらの数値と上記(7)式に基づき、
初期のCO圧値をパラメータとして、B2 3 中のH2
Oの蒸発量とH2 O圧、H2 圧及びCO圧との関係を求
めた。その結果をそれぞれ図2、図3及び図4に示す。
【0029】図4より、B2 3 中の水分の蒸発量によ
らず、石英アンプル内のCO圧を略一定に制御すること
ができることがわかる。そして、そのCO圧の値は、C
O圧の初期値に依存していることがわかる。つまり、C
O圧の初期値は、酸素供給源であるAs2 3 等のチャ
ージ量によって決まり、初期のCO圧が育成中も維持さ
れる。従って、結晶成長方向の炭素濃度が一定な半絶縁
性GaAs単結晶を得ることができる。
【0030】次に、本発明の好適な実施形態について説
明する。図1には、本発明をVGF法に適用した際に使
用される結晶成長炉の概略が示されている。
【0031】本発明に係る単結晶製造方法では、図1に
示すように、結晶育成部1a、蒸気圧制御部(砒素だ
め)1b、酸素供給源設置部1c及び封止用キャップ1
dからなる気密容器(石英アンプル)1を使用し、該気
密容器1内でGaAs単結晶の育成を行う。
【0032】使用する縦型加熱炉のヒータ2は、少なく
とも結晶育成部加熱用ヒータ2a、種結晶部加熱用ヒー
タ2b及び蒸気圧制御部加熱用ヒータ2dを有する円筒
状の多段構成のものである。図1に示す炉では、酸素供
給源設置部加熱用ヒータ2cが設けられており、酸素供
給源設置部1cの温度を独立して制御することができる
ようになっている。
【0033】結晶育成を行うにあたっては、まず、るつ
ぼ3の種結晶設置部3a内に種結晶4を入れ、るつぼ3
内にGaAs原料5と封止剤(B2 3 )6を入れる。
また、気密容器1の蒸気圧制御部1b内に蒸気圧制御用
の砒素7を入れるとともに、酸素供給源設置部1cに酸
素化合物(As2 3 等)よりなる酸素供給源8を置
く。さらに、気密容器1の結晶育成部1a内の例えばグ
ラファイト製のサセプタ9上にるつぼ3を設置し、気密
容器1内を真空排気してキャップ1dにより封止する。
【0034】その気密容器1を縦型加熱炉の所定位置に
設置し、ヒータ2により加熱して原料5及び封止剤6を
融解させる。各ヒータ2a,2b,2c,2dの出力を
調整して、種結晶4側から原料融液5の上方に向かって
徐々に高温となるような所定の温度勾配を維持しつつ徐
々に原料融液5を下部から融点以下の温度に冷却するこ
とにより単結晶10を上方に向かって成長させる。その
際、蒸気圧制御部加熱用ヒータ2dの出力調整によりA
sの蒸気圧制御を行う。
【0035】上記実施形態によれば、気密容器1内に、
GaAs原料5及びB2 3 6を入れたるつぼ並びに蒸
気圧制御用のAsとともに、As2 3 等の酸素供給源
8を封入することにより、気密容器1中のCOガス濃度
を制御しながら結晶成長を行うようにしたので、育成結
晶中の炭素濃度を制御しながら結晶育成を行うことがで
き、炭素濃度の均一な半絶縁性GaAs単結晶が高歩留
まりで得られる。
【0036】なお、酸素供給源は、加熱により前記気密
容器内の炭素含有物質(例えばグラファイト製のサセプ
タ9)と反応して、GaAs単結晶中の目標C濃度を達
成できるCO圧を発生するに十分な酸素を解離すること
ができる酸素化合物であり、As2 3 に限らず、Ga
2 3 、As2 3 よりなる群から選ばれた1または2
以上の化合物、あるいは一酸化炭素、二酸化炭素よりな
る群から選ばれた1または2以上の化合物であってもよ
い。すなわち、容易に酸素を解離し易く、かつ育成結晶
に混入してもGaAs単結晶の結晶性及び電気的な特性
に悪影響を及ぼさないような材料であれば、いかなるも
のでもよい。特に、GaAsの構成元素であるGa2
3 、As2 3 が好ましい。
【0037】上記実施の形態においては本発明をVGF
法に適用した場合について説明したが、本発明はVB法
にも適用可能である。
【0038】
【実施例】
(実施例)直径約3インチで厚さ3mmのpBN製るつぼ
の種結晶設置部に種結晶を入れ、さらにるつぼ内に約3
kgのGaAs多結晶と40gのB2 3 (含有水分量:
90ppm )を入れた。続いて、石英アンプルの蒸気圧制
御部に2gのAsを入れるとともに、酸素供給源設置部
にAs2 3 を28.2gチャージした。そして、原料
及び封止剤を入れたるつぼを石英アンプル内のサセプタ
上に設置した後、石英アンプルをキャップにより真空封
止した。その真空封止した気密容器を4段ヒータ構成の
縦型加熱炉内に設置した。なお、酸素供給源設置部を特
別に設けずに、As2 3 をるつぼの傍に置いてもよ
い。また、高圧炉を用いる場合は、原料としてGaAs
多結晶を用いるかわりに、るつぼにGaとAsを入れて
それらを直接合成させるようにしてもよい。
【0039】結晶育成部加熱用ヒータ及び種結晶部加熱
用ヒータにより、種結晶の上端と原料が1238℃〜1
255℃の温度となるようにるつぼを加熱して原料及び
封止剤を融解させるとともに、蒸気圧制御部加熱用ヒー
タにより蒸気圧制御部を605℃となるように加熱し
た。
【0040】この状態で、結晶の育成速度が毎時2mmと
なるように加熱炉の設定温度を連続的に下げて結晶の育
成を開始した。結晶育成中、蒸気圧制御部の温度が一定
になるように保持するようにヒータの出力を制御した。
【0041】結晶育成開始から約30時間経過した時点
で原料融液はすべて固化した。その後、加熱炉全体を毎
時100℃の降温速度で冷却し、室温近くまで冷えた時
点で加熱炉内から気密容器を取り出し、その気密容器を
壊して結晶を取り出した。
【0042】得られた結晶は直径約3インチで全長約1
2cmのGaAs単結晶であり、その結晶性を調べたとこ
ろ双晶や多結晶は全く発生していなかった。この単結晶
インゴットを切断して転位密度を調べたところ、結晶の
どの領域においても転位密度は2000cm-2以下であっ
た。また、得られた結晶の炭素濃度は結晶全域で約1×
1016cm-3であった。さらに、抵抗率は3.2×108
Ωcm〜4.0×108Ωcmであった。
【0043】上記実施例と同一の条件でGaAsの単結
晶成長を10回行ったところ、10回とも炭素濃度が略
(1±0.1)×1016cm-3であり、抵抗率が3.0×
108 Ωcm〜4.0×108 ΩcmのGaAs単結晶が得
られた。
【0044】(比較例1)気密容器内にAs2 3 をチ
ャージしない以外は、上記実施例と同じ条件でGaAs
単結晶の育成を行った。
【0045】得られた結晶は直径約3インチで全長約1
2cmのGaAs単結晶であり、その結晶性を調べたとこ
ろ双晶や多結晶は全く発生していなかった。この単結晶
インゴットを切断して転位密度を調べたところ、結晶の
どの領域においても転位密度は、2000cm-3以下であ
った。また、得られた結晶の炭素濃度は結晶全域で約
0.5×1016cm-3〜1.5×1016cm-3であった。さ
らに、抵抗率は1.0×108 Ωcm〜5.0×108 Ω
cmであった。
【0046】この比較例1と同一の条件でGaAsの単
結晶成長を10回行ったところ、10回とも炭素濃度が
約0.5×1016cm-3〜1.5×1016cm-3であり、抵
抗率が1.0×108 Ωcm〜5.0×108 ΩcmのGa
As単結晶が得られた。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、気密容器内に、少なく
ともGaAs原料を入れたるつぼと、酸素化合物よりな
る酸素供給源とを封入した後、その気密容器を縦型の加
熱炉内に設置して前記原料をヒータにより加熱融解し、
原料融液を所定の温度勾配下で徐々に冷却して固化させ
ることによりGaAs単結晶を成長させるようにしたた
め、結晶育成中の気密容器内のCOガス濃度を制御する
ことができるので、育成結晶中の炭素濃度を制御しなが
ら結晶育成を行うことができ、炭素濃度の均一な半絶縁
性GaAs単結晶を高歩留まりで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をVGF法に適用した際に使用される結
晶成長炉の概略図である。
【図2】本発明者らの行った熱力学的な計算結果に基づ
くB2 3 中のH2 Oの蒸発量とH2 O圧との関係を表
す特性図である。
【図3】本発明者らの行った熱力学的な計算結果に基づ
くB2 3 中のH2 Oの蒸発量とH2 圧との関係を表す
特性図である。
【図4】本発明者らの行った熱力学的な計算結果に基づ
くB2 3 中のH2 Oの蒸発量とCO圧との関係を表す
特性図である。
【符号の説明】
1 気密容器 1c 酸素供給源設置部 2 ヒータ 3 るつぼ 5 GaAs原料 6 B2 3 (封止剤) 8 As2 3 (酸素供給源) 10 GaAs単結晶

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気密容器内に、少なくともGaAs原料
    を入れたるつぼと、酸素化合物よりなる酸素供給源とを
    封入した後、その気密容器を縦型の加熱炉内に設置して
    前記原料をヒータにより加熱融解し、原料融液を所定の
    温度勾配下で徐々に冷却して固化させることによりGa
    As単結晶を成長させることを特徴とする半絶縁性Ga
    As単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記るつぼ内に、GaAs原料とともに
    封止剤を入れることを特徴とする請求項1記載の半絶縁
    性GaAs単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記封止剤は、B2 3 であることを特
    徴とする請求項2記載の半絶縁性GaAs単結晶の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記酸素化合物は、加熱により前記気密
    容器内の炭素含有物質と反応してCO圧を発生するに十
    分な酸素を解離することができる酸素化合物であること
    を特徴とする請求項1、2または3記載の半絶縁性Ga
    As単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酸素化合物は、Ga2 3 、As2
    3 よりなる群から選ばれた1または2以上の化合物で
    あることを特徴とする請求項4記載の半絶縁性GaAs
    単結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記酸素化合物は、二酸化炭素、一酸化
    炭素よりなる群から選ばれた1または2以上の化合物で
    あることを特徴とする請求項4記載の半絶縁性GaAs
    単結晶の製造方法。
JP33235696A 1996-12-12 1996-12-12 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法 Expired - Fee Related JP4120016B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33235696A JP4120016B2 (ja) 1996-12-12 1996-12-12 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33235696A JP4120016B2 (ja) 1996-12-12 1996-12-12 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006289021A Division JP2007106669A (ja) 2006-10-24 2006-10-24 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10167898A true JPH10167898A (ja) 1998-06-23
JP4120016B2 JP4120016B2 (ja) 2008-07-16

Family

ID=18254050

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33235696A Expired - Fee Related JP4120016B2 (ja) 1996-12-12 1996-12-12 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4120016B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010091386A (ko) * 2000-03-15 2001-10-23 오명환 VGF법에 의한 GaAs 단결정 성장시 단결정 확보를위한 As 증기압 제어방법
EP1456866A2 (en) * 2001-07-05 2004-09-15 Axt, Inc. Method and apparatus for growing semiconductor crystals with a rigid support with carbon doping and resistivity control and thermal gradient control
JP2005314139A (ja) * 2004-04-27 2005-11-10 Sumitomo Electric Ind Ltd 化合物半導体単結晶の製造方法
USRE40662E1 (en) 1998-03-25 2009-03-17 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of preparing a compound semiconductor crystal
JP2009149519A (ja) * 2009-04-03 2009-07-09 Sumitomo Electric Ind Ltd Iii−v族化合物半導体結晶の製造方法
CN108060454A (zh) * 2017-12-15 2018-05-22 广东先导先进材料股份有限公司 一种vgf法制备砷化镓晶体的装置及方法
CN110629289A (zh) * 2019-11-01 2019-12-31 中国电子科技集团公司第四十六研究所 一种低亮暗点的4和6英寸半绝缘砷化镓抛光片制备方法
CN113235162A (zh) * 2017-07-04 2021-08-10 住友电气工业株式会社 砷化镓晶体和砷化镓晶体基板
WO2023221667A1 (zh) * 2022-05-19 2023-11-23 山西中科晶电信息材料有限公司 一种半绝缘砷化镓单晶体及其制备方法和生长装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010059052A (ja) * 2009-10-23 2010-03-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法および装置

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USRE40662E1 (en) 1998-03-25 2009-03-17 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of preparing a compound semiconductor crystal
KR20010091386A (ko) * 2000-03-15 2001-10-23 오명환 VGF법에 의한 GaAs 단결정 성장시 단결정 확보를위한 As 증기압 제어방법
KR100966182B1 (ko) * 2001-07-05 2010-06-25 에이엑스티 인코포레이티드 반도체결정들을 강성 지지물로 탄소도핑과 저항률제어 및 열경사도제어에 의해 성장시키기 위한 방법 및 장치
JP2012126644A (ja) * 2001-07-05 2012-07-05 Axt Inc 炭素ドーピング、抵抗率制御、温度勾配制御を伴う、剛性サポートを備える半導体結晶を成長させるための方法および装置
EP1456866A4 (en) * 2001-07-05 2008-08-20 Axt Inc METHOD AND APPARATUS FOR GROWING SEMICONDUCTOR CRYSTALS USING RIGID CARBON DOPING MEDIUM, RESISTIVITY REGULATION AND TEMPERATURE GRADIENT
JP2009051728A (ja) * 2001-07-05 2009-03-12 Axt Inc 炭素ドーピング、抵抗率制御、温度勾配制御を伴う、剛性サポートを備える半導体結晶を成長させるための方法および装置
US6896729B2 (en) 2001-07-05 2005-05-24 Axt, Inc. Method and apparatus for growing semiconductor crystals with a rigid support with carbon doping and resistivity control and thermal gradient control
CN102797032A (zh) * 2001-07-05 2012-11-28 Axt公司 具有坚固支撑、碳掺杂、电阻率控制和热梯度控制的半导体晶体生长的方法和装置
EP1456866A2 (en) * 2001-07-05 2004-09-15 Axt, Inc. Method and apparatus for growing semiconductor crystals with a rigid support with carbon doping and resistivity control and thermal gradient control
EP2444531A3 (en) * 2001-07-05 2012-10-31 Axt, Inc. Method and apparatus for growing semiconductor crystals with a rigid support and with carbon doping
JP2005314139A (ja) * 2004-04-27 2005-11-10 Sumitomo Electric Ind Ltd 化合物半導体単結晶の製造方法
JP2009149519A (ja) * 2009-04-03 2009-07-09 Sumitomo Electric Ind Ltd Iii−v族化合物半導体結晶の製造方法
CN113235162A (zh) * 2017-07-04 2021-08-10 住友电气工业株式会社 砷化镓晶体和砷化镓晶体基板
CN113235162B (zh) * 2017-07-04 2024-06-04 住友电气工业株式会社 砷化镓晶体和砷化镓晶体基板
CN108060454A (zh) * 2017-12-15 2018-05-22 广东先导先进材料股份有限公司 一种vgf法制备砷化镓晶体的装置及方法
CN110629289A (zh) * 2019-11-01 2019-12-31 中国电子科技集团公司第四十六研究所 一种低亮暗点的4和6英寸半绝缘砷化镓抛光片制备方法
CN110629289B (zh) * 2019-11-01 2021-02-23 中国电子科技集团公司第四十六研究所 一种低亮暗点的4和6英寸半绝缘砷化镓抛光片制备方法
WO2023221667A1 (zh) * 2022-05-19 2023-11-23 山西中科晶电信息材料有限公司 一种半绝缘砷化镓单晶体及其制备方法和生长装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4120016B2 (ja) 2008-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101979130B1 (ko) 금속 도가니에 담겨진 용융물로부터 베타 상의 산화 갈륨 단결정을 성장시키는 방법
US5454346A (en) Process for growing multielement compound single crystal
JP2007106669A (ja) 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法
JP4120016B2 (ja) 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法
JP2010059052A (ja) 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法および装置
JPH1087392A (ja) 化合物半導体単結晶の製造方法
JPH10259100A (ja) GaAs単結晶の製造方法
JP2000256091A (ja) 単結晶SiCの液相育成方法
JPH10218699A (ja) 化合物半導体単結晶の成長方法
US4528062A (en) Method of manufacturing a single crystal of a III-V compound
JPH11147785A (ja) 単結晶の製造方法
US5840115A (en) Single crystal growth method
JPH10212200A (ja) 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法
JP2000327496A (ja) InP単結晶の製造方法
RU2818932C1 (ru) СПОСОБ ИЗГОТОВЛЕНИЯ МОНОКРИСТАЛЛОВ АРСЕНИДА ГАЛЛИЯ (GaAs)
JP3806793B2 (ja) 化合物半導体単結晶の製造方法
KR920010134B1 (ko) GaAs단결정 성장시 단결정 확보를 위한 As증기압 제어방법
JP2531875B2 (ja) 化合物半導体単結晶の製造方法
JPS6058196B2 (ja) 化合物半導体単結晶の引上方法および装置
JP2010030868A (ja) 半導体単結晶の製造方法
JP2887978B2 (ja) Iii−v族化合物半導体組成物の合成方法
JPH06329492A (ja) GaAs化合物半導体結晶の製造方法
JP2573655B2 (ja) ノンドープ化合物半導体単結晶の製造方法
KR950013003B1 (ko) 갈륨비소 단결정 성장용 다결정 성장방법
JPS6046076B2 (ja) 化合物半導体結晶の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20031212

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040205

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040304

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040304

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060912

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080401

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080414

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110509

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110509

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120509

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130509

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140509

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees