JP3536915B2 - 複合酸化物系単結晶薄膜の製造方法 - Google Patents

複合酸化物系単結晶薄膜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、欠陥の少ない、高
い結晶性を有する単結晶膜を得ることができる複合酸化
物系単結晶膜の製造方法に関する。
【0002】従来、電子デバイスに使用する単結晶膜の
製造には種々の方法が用いられており、例えば、分子線
エピタキシー、CVD法、スパッタ法、およびレーザー
蒸着法などが適用されている。一方、単結晶膜の成長方
法のひとつである液相エピタキシー成長法は、熱平衡状
態に近い条件で結晶を成長させるため、転位、空孔、双
晶、といった格子欠陥の少ない、高い結晶性を有する単
結晶膜を得やすいことが知られており、GaAlAs系
のヘテロ接合の形成に使用されている。
【0003】液相エピタキシー成長法は、原料物質と溶
媒(フラックス)とを混合し加熱して得られる融液に基
板を接触させ、基板を融液とともに徐冷するか、あるい
は基板を融液から徐々に引き上げることによって基板上
に単結晶膜をエピタキシャル成長させる方法である。ま
た、バルク単結晶育成法には、帯域溶融法及び浮融帯法
があり、大型のバルク単結晶が得られるため、Si及び
GaAs等の単結晶製造に使用されている。帯域溶融法
は、石英ボート等に原料を入れ、熱線の局所的照射等に
よって原料を局所的に溶融させ、その照射位置の移動と
ともに固相・液相境界面を移動させて原料を単結晶化す
る方法である。浮融帯法は、ボート等の入れ物を使用せ
ずに、棒状原料を垂直に立てて保持し、表面張力によっ
て支えられた溶融部分を上方に移動して原料を単結晶化
する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複合酸
化物系材料の一つである酸化物高温超伝導体単結晶膜
は、従来の液相エピタキシー法では、多結晶化し易く、
また、結晶性の良い単結晶膜を得ることが難しかった。
単結晶化するためには、成長方向に急峻な温度勾配を設
けて結晶成長方位を制御することが有効であるが、融液
に浸した基板を融液とともに徐冷する方式の液相エピタ
キシー法では、温度勾配を大きくできないという課題が
ある。
【0005】一方、引き上げ法による液相エピタキシー
では、温度勾配を大きくすることは比較的容易である
が、基板と融液の組み合わせによってはぬれ性が悪く、
引き上げ時に基板面が露出してしまい、単結晶膜の形成
は不可能となる。例えば、Bi−2212型酸化物高温
超伝導体を引き上げ法による液相エピタキシーで成長す
る場合には、MgO単結晶基板が、格子整合性ではやや
劣るものの、Bi−2212型酸化物との熱膨張率の整
合性や、融液との非反応性の点で最適であるが、融液と
のぬれ性が悪いために、引き上げ最中に融液がとぎれて
しまい、高い結晶性を有する単結晶膜を得ることが困難
であった。
【0006】すなわち、引き上げ法による液相エピタキ
シー法は、ぬれ性の良い融液と基板との組み合わせに限
られるという課題がある。さらに、基板を融液に浸し基
板を融液とともに徐冷する方式の液相エピタキシー法で
は、作製後、基板全体を覆っている固化したフラックス
を除去するプロセスが必要となり、コスト的にも不利で
ある。また、帯域溶融法及び浮融帯法では、バルク単結
晶は作製できるが、電子デバイスに適用可能な単結晶膜
を作製することはできない。
【0007】本発明は、上記課題にかんがみ、従来より
多種類の基板と融液の組み合わせが可能であり、かつ、
電子デバイスに適用可能な欠陥の少ない単結晶膜が得ら
れる、複合酸化物系単結晶膜の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、単結晶基板による液相エピタキシー
と、液相固相界面の温度勾配による結晶成長方位の制御
と、液相固相界面の移動と、単結晶基板と液相とのぬれ
性の制御とを組み合わせて作製することを特徴とする。
上記単結晶基板による液相エピタキシーを行うに際し、
液相の上面及び下面にエピタキシー用単結晶基板を配設
すれば好ましい。この構成により、単結晶基板によるエ
ピタキシー効果は2倍になり、単結晶成長を助成する。
【0009】また、液相固相界面の温度勾配による結晶
成長方位の制御は、複合酸化物系単結晶膜の原料を堆積
した単結晶基板表面に、または、原料を挟持した上下2
枚のエピタキシー用単結晶基板表面に熱線を部分的に照
射して、照射部分の液相と非照射部分の固相との間に生
ずる温度勾配により、制御することが好ましい。この構
成により、液相と固相の間の温度勾配を大きく、かつ均
一にすることができるから、結晶成長方位を揃えること
ができ、単結晶成長を助成する。
【0010】また、単結晶基板と液相のぬれ性の制御
は、好ましくは、2枚の単結晶基板で挟持した原料の融
液の内部圧力を増大させ、動的接触角を制御する。これ
により、融液を液相と固相の界面へ前進させる力が強く
なるから、単結晶基板とぬれ性が悪い液相の組み合わせ
でも、とぎれることなく融液を供給でき、単結晶成長を
助成する。
【0011】それ故、本発明の複合酸化物系単結晶膜の
製造方法で作製した複合酸化物系単結晶膜は、高い結晶
性を有する単結晶膜であり、超伝導デバイスの単結晶膜
として使用することができる。また、本発明の複合酸化
物系単結晶膜の製造方法で作製したペロブスカイト型結
晶構造を有する複合酸化物系単結晶膜は、高い結晶性を
有する単結晶膜である。
【0012】また、本発明の複合酸化物系単結晶膜の製
造方法で作製した酸化物高温超伝導体単結晶膜は、高い
結晶性を有する単結晶膜である。さらに、本発明の複合
酸化物系単結晶膜の製造方法で作製した、化学式:Bi
2 Sr2 CaCu2 8+x ;(ただし、x≧0)で表さ
れ、かつ、Bi−2212型酸化物高温超伝導体単結晶
膜は、高い超伝導特性を有している。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図5に基づき、本発
明による複合酸化物系単結晶膜の製造方法の好適な実施
の形態を説明する。なお、実質的に同一の部材には同一
の番号を付して説明する。図1は、本発明の複合酸化物
系単結晶膜の製造方法を実施する装置の構成を示し、図
1(a)は装置全体の構成を、また、図1(b)は、そ
の一部を拡大して示した図である。図1において、回転
楕円体反射面を有するミラー3の一方の焦点に配設した
ランプヒータ1の熱線2は、ミラー3のもう一方の焦点
に水平に配設した原料保持体6に集光される。原料保持
体6は、作製しようとする複合酸化物系単結晶膜の原料
4を2枚の保持基板5で挟持して構成される。原料保持
体6と反射ミラー3との間には、水平方向に移動可能な
遮蔽板7が配設される。
【0014】次に、本発明の複合酸化物系単結晶膜の製
造工程を説明する。図2は、本発明の製造方法の工程図
である。まず、図2(a)に示すように、保持基板5と
して、作製しようとする複合酸化物系単結晶膜のエピタ
キシー成長に適した単結晶基板、すなわちエピタキシー
単結晶基板5を使用して、作製しようとする複合酸化物
系単結晶膜の原料粉末を溶媒に均一に混合した原料4
を、2枚のエピタキシー単結晶基板5で上下から挟んで
保持し、原料保持体6を作製する。次に、図2(b)に
示すように、原料保持体6をミラー3の集点に原料保持
体6の表面が水平になるように配設し、ランプヒータ1
の熱線2を原料保持体6の全体に照射し、原料4を溶融
させ、液相8を形成する。続いて、図2(c)に示すよ
うに、遮蔽板7を所定の速度で動かし、原料保持体6を
徐々に熱線2から遮蔽する。原料保持体6の原料のう
ち、遮蔽板7の遮蔽により、熱線2が照射されなくなっ
た部分は温度が下がって固相9となり、液相8と固相9
との境界10は、遮蔽板7の動きにつれて移動し、遮蔽
板7で原料保持体6を完全に覆った時、原料保持体6の
原料は全て固相9になり、単結晶膜が作製される。
【0015】次に、本発明の複合酸化物系単結晶膜の製
造方法の作用について説明する。本発明の製造方法で
は、以下に説明する三つの作用の組み合わせにより、高
い結晶性を有する複合酸化物系の単結晶膜を作製する。 (1)保持基板5として、作製しようとする複合酸化物
系単結晶膜のエピタキシー成長に適した単結晶基板、す
なわち、目的の単結晶膜と格子定数及び結晶構造が近い
エピタキシー単結晶基板5を用いるので、液相固相の境
界10の近傍の液相8の原子及び分子は、エピタキシー
単結晶基板5の格子配列によるポテンシャルに助成され
て単結晶配列する。本発明では、上下2枚のエピタキシ
ー単結晶基板5を配設するので、このエピタキシー作用
は2倍になる。
【0016】(2)図2に示したように、本発明の液相
8と固相9との境界10付近の温度勾配は、ランプヒー
ター1の熱線を遮蔽板7で遮って形成する。原料保持体
6は原料4と単結晶基板5だけで形成されているから極
めて熱容量が小さく、また、真空中または雰囲気ガス中
に配置されるため熱放散性が高く、熱線を遮蔽板4で遮
蔽した部分と遮蔽しない部分の温度勾配を、極めて急峻
にすることができる。この急峻な温度勾配が、結晶成長
方位を強力に制御し、単結晶成長を助成する作用をもた
らす。
【0017】(3)図2に示したように、本発明の原料
保持体6は、上記したように、上下2枚のエピタキシー
単結晶基板5を用いて原料4を保持する。この構成によ
り、作製しようとする複合酸化物系単結晶膜原料の液相
8とエピタキシー単結晶基板5とが、ぬれ性が悪い組み
合わせの場合においても、液相8と固相9との境界1
0、すなわち、エピタキシー成長フロント10に融液8
が安定に供給されるようになり、ぬれ性が良くなり、単
結晶成長を助成する作用をもたらす。以下、上記作用を
詳細に説明する。図3は、本発明のぬれ性制御の原理を
説明する図である。ここで、パラメータを以下のように
定義する。 K:雰囲気ガスと基板との界面エネルギーに基づく張
力。 T:雰囲気ガスと融液との界面エネルギーに基づく張力
(表面張力)。 F:基板と融液との界面エネルギーに基づく張力。 θ:動的接触角、 θ0 :接触角。 P0 :大気圧、 P,P1 ,P2 :融液内部圧力。 R,R1 ,R2 :曲率半径。 M,S:基板の質量、表面積。 ここで、動的接触角θとは、融液が置かれた基板上で融
液が広がりつつあるときの融液先端の表面と基板表面と
のなす角と定義する。
【0018】図3(a)は、融液が基板上で広がる様子
を示す図である。基板上に置かれた融液は、融液が基板
に置かれた瞬間(i)からしだいに広がり(ii)、融液
の先端が基板となす角、すなわち、動的接触角θが接触
角θ0 に一致したとき(iii)、広がりを停止する。図3
(b)は、動的接触角θが接触角θ0 に一致して、融液
の広がりが停止した状態(iii)を拡大して示した図であ
る。融液が広がるにつれ動的接触角θが小さくなり、そ
の結果、図において右方向の表面張力Tの成分が増大
し、最終的に、図において左方向に働く張力Kと右方向
に働く張力が釣り合ったところ、すなわち、K=F+T
cosθ0 となったところで融液の広がりは停止する。
接触角θ0 は、物質の組み合わせ、及び温度によって定
まる一定値であり、融液と基板のぬれが良い場合は小さ
く、ぬれが悪い場合には大きい。上記に説明したよう
に、動的接触角θが接触角θ0 よりも大きい間は、融液
は広がることができるから、エピタキシー成長フロント
に融液が供給され、エピタキシー成長させることができ
る。
【0019】ところが、融液と基板のぬれが悪い場合、
すなわち、接触角θ0 が大きい場合には、融液があまり
広がらない内に動的接触角θが接触角θ0 に一致してし
まい、融液が広がることができず、融液のエピタキシー
成長フロントへの供給が停止してしまう。あるいは、動
的接触角θと接触角θ0 の差が小さいために、融液の熱
的揺動、基板の微小な凹凸によって動的接触角θが僅か
に変化した場合でも、動的接触角θが接触角θ0 に一致
してしまい、融液が広がることができず、この場合に
は、融液のエピタキシー成長フロントへの供給がとぎれ
てしまい、結晶性の高いエピタキシー成長膜を得ること
ができない。
【0020】ところで、融液内部圧力Pと融液表面の曲
率半径Rとの間には、融液内部圧力Pが、大気圧P0
表面張力Tの曲率中心に向かう成分2T/Rとの合力と
釣り合っているから、 P=P0 +2T/R (1)式 の関係がある。この式は、融液内部圧力Pが高ければ、
融液表面の曲率半径が小さいことを意味している。例え
ば、図3(b)の場合の融液内部圧力P1 と融液表面の
曲率半径R1 との間には、 P1 =P0 +2T/R1 (2)式 の関係が成り立っている。
【0021】図3(c)は、本発明の製造方法である、
上下2枚の基板の間に融液を挟持して行う、ぬれ性制御
の原理を説明する図である。図3(c)において、基板
と融液、すなわち、上側のエピタキシー単結晶基板5と
液相8との接触面上の1点における力の釣り合いを考え
れば、この点において液相8の曲率半径が無限大である
ので、液相8の表面張力Tの曲率中心に向かう成分が無
視でき、液相8の内部圧力P2 は、大気圧P0 と、質量
M、液相8との接触面積Sを有する上側のエピタキシー
単結晶基板5の単位面積当たりの重力、すなわち、Mg
/S(g=重力加速度)と釣り合っているから、 P2 =P0 +Mg/S (3)式 である。一方、液相8の先端表面11においては、
(1)式の関係が成り立っているから、液相8の内部圧
力P2 と、大気圧P0 及び液相8の先端表面11の表面
張力Tの曲率中心に向かう成分2T/R2 との間には、 P2 =P0 +2T/R2 (4)式 が成り立っている。(3)式から明らかなように、上側
のエピタキシー単結晶基板5の質量Mを大きくして、液
相8の内部圧力P2 を大きくすることができ、(4)式
より明らかなように、液相8の内部圧力P2 が大きくな
れば、液相8の先端表面11の曲率半径R2 は小さくな
る。
【0022】液相8の曲率半径R2 を小さくすれば、動
的接触角θが大きくなり、例えば、図3(c)に図示し
たような場合には、動的接触角θが90度より大きくな
り、液相8の先端表面11の表面張力Tのエピタキシー
単結晶基板5の表面に平行な成分は、図において左方向
に働く張力K(雰囲気ガスと基板との界面エネルギーに
基づく張力)と同じ方向になり、液相8の先端表面11
をエピタキシー成長フロント10に向かって動かす力が
大きくなるから、エピタキシー成長フロントに液相8が
良く供給され、液相8の供給がとぎれることはなくな
り、結晶性の高いエピタキシー単結晶膜を成長できる。
このように、上側の基板の重力によって、融液内部圧を
高め、融液の先端表面の曲率半径を小さく、すなわち動
的接触角を大きくしてぬれ性を良くするから、ぬれ性の
余り良くない融液と基板の組み合わせにおいても、ぬれ
性が良くなり、単結晶成長を助成する作用をもたらす。
【0023】上記説明から理解されるように、本発明の
複合酸化物系単結晶膜の製造方法によれば、(1)のエ
ピタキシー作用と、(2)の急峻な温度勾配作用と、
(3)の良好なぬれ性の作用とを組み合わせて同時に作
用させることができるから、単結晶膜の製造が難しい複
合酸化物系の単結晶膜を製造することができる。
【0024】次に、本発明の複合酸化物系単結晶膜の製
造方法を適用して作製した酸化物高温超伝導体単結晶膜
の実施例を示す。原料4は、Bi、Sr、Ca及びCu
のそれぞれの酸化物粉末を、組成比が、Bi:Sr:C
a:Cu=2.4:1.5:1.0:1.8の割合で溶
媒に混合して作製した。単結晶基板5には、MgO(1
00)面方位基板を両面研磨して用いた。原料保持体6
のランプヒーター1に面する側の表面温度は900℃で
ある。遮蔽板7の移動速度は1mm/時間程度である。
図4は、作製した酸化物高温超伝導体単結晶膜のX線回
折測定結果である。それぞれの回折ピークは、図中に示
したように、ペロブスカイト構造であるBi−2212
相の各面に同定することができた。化学式は、Bi2
2 CaCu2 8+x である。図5は、(0020)回
折ピークについてロッキングカーブを測定したものであ
る。半値幅は0.1度程度であり、この値は、Bi−2
212型酸化物の良質の単結晶作製法として知られてい
る移動溶媒浮遊帯域法で作製されたバルク結晶と同等な
レベルにある。また、使用したMgO基板のロッキング
カーブの半値幅も0.1度程度であったことから、さら
に結晶性の良い基板を用いることによってさらに高い結
晶性を有する単結晶膜を得ることができる。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明の複合酸化物系単結晶膜の製造方法によれば、従来、
製造が難しかった欠陥の少ない複合酸化物系の単結晶膜
を製造することができ、特に、より多種類の基板と融液
の組み合わせによる複合酸化物系単結晶膜の製造を可能
にする。したがって、電子デバイスに適用可能な、欠陥
の少ない、より多種類の複合酸化物系単結晶膜が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合酸化物系単結晶膜の製造方法を実
施する装置の構成を示す概略正面図である。
【図2】本発明の複合酸化物系単結晶膜の製造方法の工
程図である。
【図3】本発明のぬれ性制御の原理を説明する図であ
る。
【図4】本発明の複合酸化物系単結晶膜の製造方法で作
製した酸化物高温超伝導体単結晶膜のX線回折測定結果
を示すグラフである。
【図5】本発明の複合酸化物系単結晶膜の製造方法で作
製した酸化物高温超伝導体単結晶膜の(0020)回折
ピークについてのロッキングカーブの測定結果を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 ランプヒーター 2 熱線 3 反射ミラー 4 原料 5 単結晶基板 6 原料保持体 7 遮蔽板 8 液相 9 固相 10 固相液相境界面 11 融液先端表面 K 雰囲気ガスと基板との界面エネルギーに基づく張
力 T 雰囲気ガスと融液との界面エネルギーに基づく張
力(表面張力) F 基板と融液との界面エネルギーに基づく張力 θ 動的接触角 θ0 接触角 P0 大気圧 P,P1 ,P2 融液内部圧力 R,R1 ,R2 曲率半径 M,S 基板の質量、表面積
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−258695(JP,A) 特開 平2−258697(JP,A) 特開 平2−258698(JP,A) 特開 平3−228862(JP,A) 特開 平5−2935(JP,A) 特開 平5−310427(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 JSTPlus(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶基板による液相エピタキシーと、
    液相固相界面の温度勾配による結晶成長方位の制御と、
    上記液相固相界面の移動と、上記単結晶基板と上記液相
    とのぬれ性の制御とを組み合わせて作製することを特徴
    とする、複合酸化物系単結晶膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記単結晶基板による液相エピタキシー
    は、前記液相を上下2枚のエピタキシー用単結晶基板で
    挟持することを特徴とする、請求項1に記載の複合酸化
    物系単結晶膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記液相固相界面の温度勾配による結晶
    成長方位の制御は、前記複合酸化物系単結晶膜の原料を
    保持した前記単結晶基板表面に、または、上記原料を挟
    持した前記上下2枚のエピタキシー用単結晶基板表面に
    熱線を部分的に照射して、照射部分の液相と非照射部分
    の固相との間に生ずる温度勾配によることを特徴とす
    る、請求項1に記載の複合酸化物系単結晶膜の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記単結晶基板と前記液相のぬれ性の制
    御は、前記2枚の単結晶基板で挟持した前記原料の融液
    の内部圧力を増大させ、動的接触角を制御することを特
    徴とする、請求項2に記載の複合酸化物系単結晶膜の製
    造方法。
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