JP2001047747A - 光画像記録材料及び光画像記録方法 - Google Patents

光画像記録材料及び光画像記録方法

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JP2001047747A
JP2001047747A JP11224140A JP22414099A JP2001047747A JP 2001047747 A JP2001047747 A JP 2001047747A JP 11224140 A JP11224140 A JP 11224140A JP 22414099 A JP22414099 A JP 22414099A JP 2001047747 A JP2001047747 A JP 2001047747A
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acid
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Yoshihiko Tamura
仁彦 田村
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光で潜像を形成して画像記録を行なう光画像
記録材料において、ハロゲン化銀を用いることなく高感
度で、且つ十分な画像保存性を有する光画像記録材料及
び光画像記録方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 支持体上に光酸発生剤及び前記光酸発生
剤から発生される酸によって消色可能な消色性染料を含
有する記録層を設けた光画像記録材料を用いて、光照射
時に光酸発生剤によってネガ画像様に酸潜像を形成し、
その光酸発生剤から発生される酸により色素を消色する
ことで、ハロゲン化銀を用いることなく高感度で、且つ
十分な画像保存性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光で潜像を形成し
て画像記録を行なう光画像記録材料において、ハロゲン
化銀を用いることなく高感度で、且つ十分な画像保存性
を有する光画像記録材料及び光画像記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光で潜像を形成して画像記録を行なう光
画像記録材料、光画像記録方法における従来技術として
は、古くから知られているハロゲン化銀を用いた銀塩写
真や、その応用技術である熱現像銀塩写真(例えば3M
社が開発したドライシルバー)、熱現像拡散転写型銀塩
写真(例えば富士写真フィルム株式会社が開発したピク
トログラフィー)がある。またハロゲン化銀を使用しな
い記録方式では、電子写真方式、光遊離基発生剤を用い
たフリーラジカル写真、光重合性マイクロカプセルを用
いた感光感圧記録方式(例えば:ミード社が開発したサ
イカラー)等がある。しかしながら、ハロゲン化銀を用
いた画像記録材料ではハロゲン化銀を用いる為、材料単
価が高価なものとなってしまったり、処理液等が必要と
なり、環境保全の観点から好ましくない等の問題点を有
する。また、電子写真方式ではトナーを画像記録材料と
して使用する方式から、画像解像度を高くすることが難
しく、フリーラジカル写真や光重合性のマイクロカプセ
ルを用いた感光感圧記録方式ではハロゲン化銀を用いる
画像記録方法に匹敵する高感度が得られる反面、画像保
存性が不十分である。
【0003】光で潜像を形成する方法として、光酸発生
剤を用いる方法がこれまでにいくつか提案されている
が、いずれも十分な性能を得られるまでには至っていな
い。例えば、紫外線の作用により酸に変化する物質と、
その酸と接触して発色するロイコ染料とを用いた光記録
材料(特開昭54−123944)、芯物質として光酸
発生剤と電子供与性無色染料を含むマイクロカプセルを
担持した感光性記録材料(特開昭63−95436)、
光分解性化合物とその分解生成物(強い酸化力を有する
遊離基)と反応して発色する要素(例:酸化発色型のロ
イコ染料、カプラーと芳香族1級アミン化合物等)から
なる感光感熱記録材料(特開平9−156215)等が
開示されている。しかしながら、これらの方法ではロイ
コ染料(電子供与性無色染料)或いは発色要素を発色さ
せるのに十分な酸を発生させる為には多量の光酸発生剤
が必要であったり、或いは多量の光照射エネルギーが必
要である等の問題点を有する。また、ロイコ染料を用い
る方法では発色状態と消色状態とが本質的には可逆であ
る為、保存環境の影響によって画像が劣化しやすい、最
高発色濃度が得難い等の問題点を有する。
【0004】光酸発生剤の添加量や光照射エネルギーを
最小限に抑制する方法として、酸増殖反応を利用した画
像記録材料が提案されているが、これについても前述の
ロイコ染料を用いる方法に付随する問題点(保存環境の
影響によって画像が劣化しやすい、最高発色濃度が得難
い等)を解消できていない。例えば、オニウムカチオン
と、ボレートアニオンとから構成されるオニウムボレー
ト錯体である感エネルギー線酸発生剤と、該感エネルギ
ー線酸発生剤より発生した酸によって新たに酸を発生す
る酸増殖剤からなる感活性線酸発生剤組成物と、該組成
物から発生した酸との反応により発色する性質を有する
色素前駆体(酸化発色型ロイコ染料)とからなる画像記
録用組成物(特開平10−1508)が開示されてい
る。
【0005】ロイコ染料を用いた画像記録材料等におい
てみられる保存環境の影響による画像劣化を防止する方
法として、消色性染料を利用した画像記録材料が提案さ
れているが、ここで本発明者が提案するハロゲン化銀を
用いることなく、光で潜像を形成し、高感度を得ること
が可能な消色性染料を利用した光画像記録材料及び光画
像記録方法に関する研究は未だなされていない。例え
ば、古くから知られる消色性染料を利用した画像記録材
料として、現像銀の還元作用によりアゾ色素を還元漂白
してカラー画像を形成する銀色素漂白方式感光材料(チ
バガイギー社によって「チバクローム(Chibach
rome)」という商品名で商品化された)があるが、
これについても前記のようなハロゲン化銀使用に付随す
る問題点(材料単価が高価なものとなってしまったり、
処理液等が必要となり、環境保全の観点から好ましくな
い等)を有する。
【0006】また、重合性ビニルモノマーまたはプレポ
リマー、光重合開始剤、バインダー、及びこれらモノマ
ーまたはプレポリマーによって漂白可能な色素からなる
記録材料(特開昭60−119552、特開昭60−1
20352、特開昭60−120353、特開昭60−
120354、特開昭61−120143等)が開示さ
れているが、この記録材料を用いた画像記録方法では光
重合のみに感度が依存する為、本発明者が提案する光画
像記録材料のような像増幅作用が得られない。また、ロ
イコ染料と顕色剤から得られる発色体または求核反応/
還元反応によって消色する染料を熱消色した後に、光重
合性要素の光重合作用によって定着を行なう定着型感熱
記録材料及びその記録方法(特開平9−286170、
特開平9−286171等)が開示されているが、この
記録材料を用いた画像記録方法では発色部分と消色部分
のコントラストを熱で形成する為、多色化することが困
難である。
【0007】また、光遊離基発生剤と、該光遊離基発生
剤が発生する遊離基によって消色される色素とを含む光
消色要素を設けた記録材料において、前記光消色要素を
熱によって混合して潜像が形成され、前記光遊離基発生
剤が吸収する光の照射によって前記潜像が消色される、
もしくは前記光遊離基発生剤が吸収する光の照射によっ
て前記潜像以外が消色されるとともに潜像の消色性が停
止されることを特徴とする記録方法(特開平9−314
998、特開平10−854、特開平10−15729
4、特開平10−157295、特開平10−1937
90、特開平10−287046)が開示されている。
しかしながら、この方法では潜像形成感度が熱混合に依
存している為、記録材料の高度化が難しいという問題点
を有する。酸増殖剤と酸の作用による分子内または分子
間反応により360nm〜900nmの吸収域に変化を
生じる化合物からなる画像記録体(特開平11−180
048、特開平11−181031)が開示されている
が、これらの明細書には360〜900nmの吸収域で
吸収が変化する化合物としては、酸の作用でアミノ基ま
たは水酸基の保護基が分解または離脱することによって
360〜900nmの吸収域で吸収が変化する化合物に
関する記述しかない。また、これらの明細書には「酸触
媒によって加速される発色(または消色)反応を利用し
た高感度でかつ保存性の良好な化学増殖型の画像記録媒
体」との記載があるにもかかわらず、実際に例示されて
いる360〜900nmの吸収域で吸収が変化する化合
物としては酸の作用でアミノ基または水酸基の保護基が
分解または離脱による単に吸収域が変化するだけの化合
物だけであり、本発明者が提案する光画像記録材料及び
光画像記録方法を用いて得られるようなハードコピーと
しての画像を形成することはできず、単に製版用マスク
フィルムとして有効な画像記録媒体が得られるだけであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、上記の問
題点を解決するために、光で潜像を形成して画像記録を
行なう光画像記録材料において、ハロゲン化銀を用いる
ことなく高感度で、且つ十分な画像保存性を有する光画
像記録材料及び光画像記録方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では光で潜像を形
成して画像記録を行なう光画像記録材料において、ハロ
ゲン化銀を用いることなく高感度で、且つ十分な画像保
存性を有する光画像記録材料及び光画像記録方法を提供
することを目的として鋭意研究を行なった結果、支持体
上に光照射によって酸を発生することが可能な光酸発生
剤及び前記光酸発生剤から発生される酸によって消色可
能な消色性染料を含有する記録層を設けたことを特徴と
する光画像記録材料によって、前記の課題を解決するこ
とに成功した。また、本発明の光画像記録材料は、前記
の記録層に光酸発生剤から発生される酸を触媒として光
照射または加熱によって酸を発生することが可能な酸増
殖剤を含有させて、光酸発生剤によって酸潜像を形成
し、その酸を酸増殖剤で増幅することによって消色性染
料を消色するのに十分な酸を発生させ、その酸と消色性
染料との消色反応によって、より優れた画像を形成する
ことができる。
【0010】また、本発明が提供する光画像記録方法
は、 1.前記光画像記録材料に対してネガ画像様に特定波長
光を照射して酸潜像を形成する第1画像形成工程、次に
全面加熱する第2画像形成工程を施すことによりポジ画
像を得ることを特徴とする。 2.前記光画像記録材料に対してネガ画像様に特定波長
光を照射して酸潜像を形成する第1画像形成工程、次に
全面加熱する第2画像形成工程を施すことによりポジ画
像を形成し、さらにその後に記録層に残った染料を被転
写シートに熱拡散転写させる熱転写工程を施してポジ画
像を得ることを特徴とする。
【0011】3.前記光画像記録材料に対してネガ画像
様に特定波長光を照射して酸潜像を形成する潜像形成工
程、次に全面加熱を行なうことによってポジ画像を形成
すると同時に記録層に残った染料を被転写シートに熱拡
散転写させる画像形成転写工程を施すことによってポジ
画像を得ることを特徴とする。 4.前記光画像記録材料に対してネガ画像様に特定波長
光を照射して酸潜像を形成する第1画像形成工程、次に
全面加熱する第2画像形成工程を施すことによりポジ画
像を形成し、さらにその後に画像形成された記録層を支
持体から剥離して、被転写シートに該記録層毎、転写し
てポジ画像を得ることを特徴とする。 5.光画像記録材料に対してネガ画像様に特定波長光を
照射して酸潜像を形成する潜像形成工程、次に全面加熱
を行なうことによってポジ画像を形成すると同時に、記
録層を支持体から剥離して、被転写シートに該記録層
毎、転写してポジ画像を得ることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の態様】次に、好ましい発明の実施の形態
を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。画像記録感度
を高感度化するには潜像形成における感度を向上させる
必要があるが、その為には、連鎖反応や自己触媒反応等
による像増幅が不可欠である。しかしながら、画像記録
材料として実用化されたものとしては、ハロゲン化銀粒
子を銀に還元する反応(銀原子がこの反応の触媒となっ
ている自己触媒反応)が銀塩感光材料に利用されている
に過ぎない。そこで、我々は同様な自己触媒反応を示す
酸増殖反応(酸を触媒として酸を生成する反応)に着目
し、これを画像記録材料として応用することを鋭意研究
を行なった。
【0013】本発明者は、ハロゲン化銀を用いる画像記
録方法に匹敵するような高感度化の実現と十分な画像保
存性の達成を目的とし、光酸発生剤と酸増殖剤とを組合
せることによる酸潜像形成手法と、酸による色素の共役
系消失反応を利用した色素消色型現像手法を融合した光
画像記録材料及び光画像記録方法について種々検討を行
なった。その結果、支持体上に光酸発生剤及び前記光酸
発生剤から発生される酸によって消色可能な消色性染料
を含有する記録層を設けることを特徴とする光画像記録
材料を用いて、光照射時に光酸発生剤によってネガ画像
様に酸潜像を形成し、その光酸発生剤から発生される酸
により色素を消色することで画像を形成することを特徴
とする光画像記録方法によってこれら問題点を解決可能
であることを見い出した。
【0014】また、支持体上に光酸発生剤、酸増殖剤、
及び前記光酸発生剤、酸増殖剤から発生される酸によっ
て消色可能な消色性染料を含有する記録層を設けること
を特徴とする光画像記録材料を用いて、光照射時に光酸
発生剤によってネガ画像様に酸潜像を形成し、これに対
して加熱することで酸増殖剤を作用させて像増幅を行な
い、さらにこの増幅された酸により色素を消色すること
で画像を形成することを特徴とする光画像記録方法によ
ってこれら問題点を解決可能であることを見い出した。
その内容について以下に説明する。
【0015】(光酸発生剤)光酸発生剤は、光の照射に
より分解して酸を発生する化合物であり、種々検討を行
なった結果、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨー
ドニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリー
ルスルホキソニウム塩、ピリジニウム塩、キノリニウム
塩、イソキノリニウム塩、スルホン酸エステル類、鉄ア
レーン錯体等の光酸発生剤が、それから発生される酸に
より色素を有効に消色するものであり、また酸増殖反応
の光トリガーとして好適であることが判明した。また、
光酸発生剤から発生する酸が、消色性染料や酸増殖剤に
対してさらに効率的に作用するには、前記化学式
(1)、化学式(2)、化学式(3)で表される酸を発
生し得る光酸発生剤が特に有効である。この理由として
は、これらの酸が適当な酸強度とここで用いる消色性染
料や酸増殖剤に対する親和性を有することが挙げられ
る。
【0016】以下にここで用いるのに好適な光酸発生剤
を下記の化学式(5)〜化学式(28)で示すが、他の
化合物から水素原子を引き抜いて酸となることが可能な
アニオン化合物を光酸発生剤とすることができる。但
し、これらは本発明を特に限定するものではない。尚、
下記の化学式(5)〜化学式(28)について、各式
中、Rn はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル
基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、水酸
基、水素原子、ハロゲン原子、Xは化学式(2)、化学
式(3)、化学式(4)から水素原子を除いたスルホニ
ウムイオンを表す。
【化8】
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
【0019】
【化11】
【0020】
【化12】
【0021】
【化13】
【0022】
【化14】
【0023】
【化15】
【0024】
【化16】
【0025】
【化17】
【0026】
【化18】
【0027】
【化19】
【0028】
【化20】
【0029】
【化21】
【0030】
【化22】
【0031】
【化23】
【0032】
【化24】
【0033】
【化25】
【0034】
【化26】
【0035】
【化27】
【0036】
【化28】
【0037】
【化29】
【0038】
【化30】
【0039】
【化31】
【0040】(消色性染料)前述の通り、画像保存性の
観点から消色性染料を利用した光画像記録材料とするの
が好ましい。また、酸増殖反応を応用することで、酸に
対して消色性を示す染料を色材として用いる必要があ
る。種々検討を行なった結果、消色性染料としては、色
素の共役系の一部にアゾ基(−N=N−)、イミノ基
(−C=N−)、アルケニル基(−C=C−)の中から
選ばれる何れか1つ以上の不飽和二重結合部位を含む染
料を用いることで、良好な酸による消色性を得られるこ
とが判明した。更に良好な消色性を得る為には前記不飽
和二重結合部位がイミノ基(−C=N−)、アルケニル
基(−C=C−)の場合、これら官能基のπ電子を反応
活性化するのが有効な手段であり、具体的な方法として
は、これら二重結合部位の炭素原子上の置換基としてニ
トリル基、カルボニル基、カルボキシル基等の電子吸引
性基を導入した染料を用いると良い。すなわち、酸存在
下における加水分解による色素消色反応(色素共役系の
消失)が可能な染料であれば良い。
【0041】以下に、ここで用いるのに好ましい消色性
染料としては、前記の化学式(1)に示す染料が挙げら
れ、特に好適な染料を下記の化学式(29)〜化学式
(38)で示すが、これらは本発明を特に限定するもの
ではなく、各種アゾ系色素、アゾメチン系色素、メチン
系色素、シアノメチレン系色素を用いることが可能であ
る。尚、下記の化学式(29)〜化学式(38)につい
て、各式中、Rn はアルキル基、アルケニル基、シクロ
アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、水酸基、水素原子、ハロゲン原子を表す。
【化32】
【0042】
【化33】
【0043】
【化34】
【0044】
【化35】
【0045】
【化36】
【0046】
【化37】
【0047】
【化38】
【0048】
【化39】
【0049】
【化40】
【0050】
【化41】
【0051】(酸増殖剤)次に、上記の消色性染料に対
して良好な消色性を示す酸について種々検討を行なった
結果、色素消色を効率的に行なうには前記化学式
(1)、化学式(2)、化学式(3)で表される酸が特
に有効であることが判明した。この理由としては、これ
らの酸が適当な酸強度とここで用いる消色性染料に対す
る親和性を有することが挙げられる。ここで挙げた酸以
外でもこのような性質を有するものであれば、同様に消
色反応に好適に用いることができる。従って、本発明の
画像記録方法が光酸発生剤によって酸潜像を形成し、そ
の酸を酸増殖剤で増幅することによって消色性染料を消
色するのに十分な酸を発生させ、その酸と消色性染料と
の消色反応によって画像を形成することから、色素消色
反応に直接関与する酸を発生させる酸増殖剤には、前記
性質を有する酸を発生することが可能なものを用いるの
が好ましい。
【0052】以下に、ここで用いるのに特に好適な酸増
殖剤を下記の化学式(39)〜化学式(56)で示す
が、これらは本発明を特に限定するものではなく、適当
な酸強度とここで用いる消色性染料に対する親和性を有
する酸を発生することが可能な各種酸増殖剤を用いるこ
とができる。尚、下記の化学式(39)〜化学式(5
6)について、各式中、Rn はアルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカル
ボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、水酸基、水素原子、ハロゲン原子を表す。
【化42】
【0053】
【化43】
【0054】
【化44】
【0055】
【化45】
【0056】
【化46】
【0057】
【化47】
【0058】
【化48】
【0059】
【化49】
【0060】
【化50】
【0061】
【化51】
【0062】
【化52】
【0063】
【化53】
【0064】
【化54】
【0065】
【化55】
【0066】
【化56】
【0067】
【化57】
【0068】
【化58】
【0069】
【化59】
【0070】本発明の光画像記録材料の記録層は、以上
説明した光酸発生剤、酸増殖剤及び消色性染料を含有
し、さらにバインダーを添加して用いることが好ましく
行われる。そのバインダーとしては、例えばポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リウレア樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−エチ
レン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリスルフォン系樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール
樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、ポ
リエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられ
る。
【0071】記録層を形成するには、上記の光酸発生
剤、酸増殖剤、消色性染料及びバインダーと、必要に応
じて増感剤、界面活性剤、帯電防止剤、レベリング剤、
消泡剤、高沸点溶媒、熱可融性物質、離型剤、可塑剤等
の添加剤を適宜混合したものを、適当な溶媒に溶解ない
し分散させて、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印
刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング
法等の公知の形成手段により、支持体上に塗布し、乾燥
して、記録層を構成する。
【0072】記録層は、上記の光酸発生剤と消色性染料
を必須成分として、そして酸増殖剤を加えることが好ま
しい。記録層は、図1に示すように、光酸発生剤と消色
性染料を含有する記録層を支持体上に設けたり、図2に
示すように、光酸発生剤、消色性染料、酸増殖剤を記録
層の1層に全て含有させることができるが、それに限定
されるものではない。2層以上の層構成の記録層とする
ことができる。例えば、図3に示すように、支持体上に
消色性染料を含有する層(消色性染料層)を設け、さら
にその消色性染料層の上に酸発生剤と酸増殖剤を含有す
る層(酸発生剤/酸増殖剤層)を設けた、2層構成の記
録層とすることができる。また、図4に示すように、支
持体上に消色性染料層、酸増殖剤を含有する層(酸増殖
剤層)、酸発生剤を含有する層(酸発生剤層)をこの順
で設けた、3層構成の記録層とすることもできる。
【0073】以上のような記録層を1層または2層以上
で形成することができる。さらに、図5に示すように、
支持体上に記録層C、記録層B、記録層Aを設けた構成
で、例えば記録層Cにはシアンの色相の消色性染料を含
有させ、記録層Bにはマゼンタの色相の消色性染料を含
有させ、記録層Aにはイエローの色相の消色性染料を含
有させて、消色性染料の発色状態における色相毎に層を
分けて積層することも可能である。図5のように、記録
層を各色毎に多層化する方法は、後記するマイクロカプ
セルを用いる場合と同様に、光によって分色する方法と
熱によって分色する方法とがあるが、本発明の光画像記
録材料では、光によって分色する方法(照射光の波長を
各色毎に変えることで分色する方法)がより効果的であ
る。光によって分色する場合、少なくとも2層以上の感
光記録層を有し、それぞれの記録層中に異なった感光波
長の分光増感色素を含有すれば多色化することができ、
少なくとも3層以上の感光記録層があれば、同様にして
フルカラー化することができる。
【0074】また、本発明の光画像記録材料は、記録層
で光酸発生剤及び/または消色性染料をマイクロカプセ
ル中に内包し、該マイクロカプセルがバインダー樹脂中
に担持されているように構成することが可能である。マ
イクロカプセルを用いる画像記録材料の場合、光によっ
て分色する方法と熱によって分色する方法とがあるが、
本発明の光画像記録材料では、光によって分色する方法
(照射光の波長を各色毎に変えることで分色する方法)
がより効果的である。光によって分色する場合、熱応答
性差を有するマイクロカプセルは特に必要とせず、一般
に画像記録材料に用いられているマイクロカプセルを用
いればよい。少なくとも2種以上のマイクロカプセルを
用いて、それぞれのカプセル中に異なった感光波長の分
光増感色素を含有すれば多色化することができ、少なく
とも3種以上のマイクロカプセルを用いれば、同様にし
てフルカラー化することができる。
【0075】上記のマイクロカプセルは、光または熱が
印加されない状態では、マイクロカプセル壁の物質隔離
作用によりカプセル内外の物質の接触を妨げ、光または
熱が印加されると、カプセル壁の物質の透過性が上がる
ものである。マイクロカプセルの光や熱による透過性
は、カプセルの壁材、芯物質、添加剤等によりカプセル
の壁のガラス転移温度等を変えて、制御することができ
る。マイクロカプセルの壁材としては、例えば、ポリエ
ステル樹脂、ポリコーボネート樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルポ
リカーボネート樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メ
ラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリスチレン樹脂、ス
チレン−メタクリレート共重合体、ゼラチン、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルアルコール等が挙げられ、ま
たこれらの複数種を混合して使用することもできる。マ
イクロカプセルの製造方法は、従来公知の方法で行うこ
とができる。例えば、カプセル化しようとする物質を含
有した芯物質を乳化した後、その油滴の周囲に高分子物
質の壁を形成してマイクロカプセル化する界面重合によ
る方法を行うことができる。その際に、必要に応じて乳
化油滴を形成するために有機溶媒を使用することが好ま
しく、使用される有機溶媒として一般に高沸点有機溶媒
の中から適宜選択することができる。
【0076】次に、図6に示すように、支持体上に光酸
発生剤と酸増殖剤とイエローの色相をもつ消色性染料を
含有するカプセルと、光酸発生剤と酸増殖剤とマゼンタ
の色相をもつ消色性染料を含有するカプセルと、光酸発
生剤と酸増殖剤とシアンの色相をもつ消色性染料を含有
するカプセルの3種のカプセルを同一の記録層に分散さ
せ、イエローの色相をもつ消色性染料がλ1 の波長光照
射及びその後の加熱により、消色し、マゼンタの色相を
もつ消色性染料がλ2 の波長光照射及びその後の加熱に
より、消色し、シアンの色相をもつ消色性染料がλ3
波長光照射及びその後の加熱により、消色し、フルカラ
ー化することができる。尚、上記の波長λ1 、λ2 、λ
3 は全て異なるものであるが、その大小の関係は何ら限
定されるものではない。
【0077】マイクロカプセルとしては、熱による物理
的変化、化学的変化に伴い物質透過性が変化する熱応答
性マイクロカプセルや、光による物理的変化、化学的変
化に伴い物質透過性が変化する光応答性マイクロカプセ
ルを画像記録方法の違い等によって使い分けるのが好ま
しい。消色性染料を画像記録前には光酸発生剤あるいは
酸増殖剤と分離した状態としておき、画像記録時にこれ
らの成分を加熱によって混合するような画像記録方法、
あるいは予め消色性染料、光酸発生剤、酸増殖剤を熱に
よって容易に接触可能な状態としておき、画像記録時に
消色性染料と光酸発生剤、酸増殖剤、あるいは光酸発生
剤と酸増殖剤の両方を加熱によって分離した状態とする
ような画像記録方法の場合には熱応答性マイクロカプセ
ルが効果的に用いることができる。
【0078】また、あらかじめ消色性染料、光酸発生
剤、酸増殖剤を熱によって容易に接触可能な状態として
おき、露光によって光酸発生剤から酸潜像を形成すると
同時に光重合性化合物をカプセル内に含むか、光重合性
化合物を壁材に含む光応答性マイクロカプセルを重合さ
せる工程を含むような画像記録方法、あるいは、露光に
よって酸潜像を形成した後、加熱によって消色性染料を
消色し、さらに酸潜像形成時の光とは波長の異なる光を
照射して光重合性化合物をカプセル内に含むか、光重合
性化合物を壁材に含む光応答性マイクロカプセルを重合
させる工程を含むような画像記録方法の場合には光応答
性マイクロカプセルが効果的に用いることができる。該
マイクロカプセル中には光酸発生剤、酸増殖剤、前記酸
増殖剤から発生される酸によって消色可能な消色性染
料、及び消色性染料の色相に応じた感光波長の異なる分
光増感色素を含有させれば、照射光の波長に応じて多色
化することが可能である。光酸発生剤と消色性染料及び
または酸増殖剤を含有するマイクロカプセルを含有する
記録層を設ける光画像記録材料は、図6の態様だけでな
く、図11に示すように、支持体と記録層との間に、色
素定着層を設けたり、図16に示すように、支持体と記
録層との間に、色素定着層を設け、さらに記録層の上に
保護層を設けることも可能である。
【0079】上記の分光増感色素としては『増感剤』
(徳丸克巳・大河原信/ 編、講談社/発行)、『機能性
色素の最新応用展開』(入江正浩/ 監修、シーエムシー
/ 発行)等に記載されているようなものから適宜選択す
ることができる。例えば、シアニン系色素、ローダシア
ニン系色素、メロシアニン系色素、フタロシアニン系色
素、ナフタロシアニン系色素、オキソノール系色素、ス
チリル系色素、インドフェノール系色素、ナフトキノン
系色素、アントラキノン系色素、アゾ色素、トリフェニ
ルメタン系色素、ポルフィリン系色素、クマリン系色
素、キサンテン系色素等が挙げられるが、記録源として
用いる光の波長や強度に応じた各種分光増感色素を選ぶ
ことができる。
【0080】また、記録層において、必要に応じて熱可
融性物質及び/または高沸点溶媒を添加することで熱現
像効率を高めることができる。これら熱可融性物質や高
沸点溶媒は光酸発生剤、消色性染料のいずれか1つある
いは光酸発生剤と酸増殖剤の両方を選択的に加熱時にマ
イクロカプセル外、あるいは色素定着層等に放出し、消
色性染料を光酸発生剤、または光酸発生剤と酸増殖剤の
両方から引き離す役割を果たすビヒクル的性質のもの
(消色性色素が移動しても、それ以外の成分が移動して
もどちらでもよい)、光酸発生剤、消色性染料のいずれ
か1つあるいは光酸発生剤と酸増殖剤の両方を選択的に
加熱時にマイクロカプセル内に取込み、消色性染料を光
酸発生剤、または光酸発生剤と酸増殖剤の両方と引き合
わせる役割を果たすビヒクル的性質のもの(消色性色素
が移動しても、それ以外の成分が移動してもどちらでも
よい)、光酸発生剤から発生した酸あるいは酸増殖剤か
ら発生した酸をマイクロカプセル外に放出またはマイク
ロカプセル内に取込む性質のもの、光酸発生剤から発生
した酸と酸増殖剤との親和性を加熱時に高める性質のも
の、酸増殖剤から発生した酸と消色性染料との親和性を
加熱時に高める性質のもの等を用いることができる。こ
れら熱可融性物質や高沸点溶媒については、光酸発生
剤、酸増殖剤、及び消色性染料に対する親和性等が重要
であり、光酸発生剤、酸増殖剤、及び消色性染料の各物
質に対応して、相性が良好であるものを適宜選択するこ
とになる。
【0081】上記の熱可融性物質としては、例えばステ
アリン酸アミド、ステアリン酸ビスアミド、オレイン酸
アミド、パルミチン酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド、ベヘ
ン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナ
バワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等
のワックス類(または滑剤)、テレフタル酸ジメチルエ
ステル、イソフタル酸ジブチルエステル等が挙げられ
る。また、高沸点溶媒としては、リン酸エステル、フタ
ル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、その他のカルボン酸エステル、脂肪族アミド、ア
ルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化
パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリールエタン
等が挙げられる。
【0082】以上のマイクロカプセルは、熱応答性マイ
クロカプセルと光応答性マイクロカプセルの何れでも使
用することができる。各応答性マイクロカプセルについ
て、マイクロカプセル内に光酸発生剤、消色性染料、酸
増殖剤、分光増感色素や、高沸点溶媒、熱可融性物質の
いずれか1つ以上を含有させることができ、カプセル内
に含まれる物質種をタイプ別に分けて説明する。 タイプA:光酸発生剤、消色性染料、酸増殖剤、分光増
感色素、高沸点溶媒及び/または熱可融性物質を含有す
る。 タイプB:上記のタイプAから消色性染料を除いたもの
を含有する。 タイプC:光酸発生剤、分光増感色素、高沸点溶媒及び
/または熱可融性物質を含有する。 タイプD:消色性染料、高沸点溶媒及び/または熱可融
性物質を含有する。 タイプE:消色性染料、酸増殖剤、高沸点溶媒及び/ま
たは熱可融性物質を含有する。 尚、本発明のマイクロカプセルは、光酸発生剤または消
色性染料のいずれか一方を必須成分とし、その他は必要
に応じて加えることができる。
【0083】熱応答性マイクロカプセルの場合、波長λ
1 の光照射時に光酸発生剤によってネガ画像様に酸潜像
を形成し、これに対して温度T1 で加熱することで酸増
殖剤を作用させて像増幅を行ない、さらに温度T2 で加
熱し、増幅された酸によって色素を消色し、そして温度
3 で加熱して、消色性染料をカプセル外に放出して画
像形成を終了する。但し、温度T1 ≦T3 、T2 ≦T3
の条件である。上記はタイプAのカプセルで適用でき、
λ1 とλ2 は同じでも、異なっていても良い。熱応答性
マイクロカプセルの場合、まず光画像記録材料を加熱し
ておき、消色性染料、光酸発生剤、酸増殖剤のいずれか
をカプセル外から中に透過させ、波長λ1 の光照射して
光酸発生剤によってネガ画像様に酸潜像を形成し、これ
に対して、温度T1 で加熱することで酸増殖剤を作用さ
せて像増幅を行ない、さらに温度T2 で加熱し、増幅さ
れた酸によって色素を消色し、画像形成を終了する。こ
れはタイプA以外の他のタイプのカプセルで適用でき
る。但し、タイプB、Cの場合は多色化するには記録層
を多層構成とする必要がある。尚、λ1 とλ2 は同じで
も、異なっていても良い。
【0084】また、熱応答性マイクロカプセルの場合、
波長λ1 の光照射時に光酸発生剤によってネガ画像様に
酸潜像を形成し、これに対して温度T3 で加熱すること
で、得られた酸をカプセル外に放出し(酸のカプセル内
に取り込みの場合も可)、温度T1 で加熱することで酸
増殖剤を作用させて像増幅を行ない、さらに温度T2
加熱し、増幅された酸によって色素を消色し、画像形成
を終了する。これはタイプC、タイプEのカプセルで適
用できる。尚、λ1 とλ2 は同じでも、異なっていても
良いが、好ましくはλ1 とλ2 が異なるものである。熱
応答性マイクロカプセルの場合、波長λ1 の光照射時に
光酸発生剤によってネガ画像様に酸潜像を形成し、これ
に対して温度T1 で加熱することで酸増殖剤を作用させ
て像増幅を行ない、さらに温度T3 で加熱して、得られ
た酸をカプセル外に放出し(酸のカプセル内に取り込み
の場合も可)、温度T2 で加熱し、増幅された酸によっ
て色素を消色し、画像形成を終了する。これはタイプ
B、タイプDのカプセルで適用できる。尚λ1 とλ2
同じでも、異なっていても良い。
【0085】次に、光応答性マイクロカプセルの場合、
波長λ1 の光照射時に光酸発生剤によってネガ画像様に
酸潜像を形成し、かつカプセルを光重合させ、これに対
して温度T1 で加熱することで酸増殖剤を作用させて像
増幅を行ない、さらに温度T 2 で加熱し、増幅された酸
によって色素を消色し、そして温度T3 で加熱して、消
色性染料をカプセル外に放出して画像形成を終了する。
但し、温度T1 ≦T3、T2 ≦T3 の条件である。上記
はタイプAのカプセルで適用でき、λ1 とλ2は同じで
も、異なっていても良い。そして、この場合、画像形成
完了後にさらに全面露光により発色部のカプセルを重合
させて、完全に光酸発生剤/酸増殖剤と消色性染料を分
離させても良い。光応答性マイクロカプセルの場合、ま
ず光画像記録材料を加熱しておき、消色性染料、光酸発
生剤、酸増殖剤のいずれかをカプセル外から中に透過さ
せ、波長λ1 の光照射して光酸発生剤によってネガ画像
様に酸潜像を形成し、かつカプセルを光重合させ、これ
に対して温度T1 で加熱することで酸増殖剤を作用させ
て像増幅を行ない、さらに温度T2 で加熱し、増幅され
た酸によって色素を消色し、画像形成を終了する。これ
はタイプA以外の他のタイプのカプセルで適用できる。
但し、タイプB、Cの場合は多色化するには記録層を多
層構成とする必要がある。尚、λ1 とλ2 は同じでも、
異なっていても良い。そして、この場合、画像形成完了
後にさらに全面露光により発色部のカプセルを重合させ
て、完全に光酸発生剤/酸増殖剤と消色性染料を分離さ
せても良い。
【0086】また、光応答性マイクロカプセルの場合、
波長λ1 の光照射時に光酸発生剤によってネガ画像様に
酸潜像を形成し、これに対して温度T3 で加熱すること
で、得られた酸をカプセル外に放出し(酸のカプセル内
に取り込みの場合も可)、温度T1 で加熱することで酸
増殖剤を作用させて像増幅を行ない、さらに温度T2
加熱し、増幅された酸によって色素を消色し、さらに波
長λ2 の光照射を行い、カプセルを光重合させ、画像形
成を終了する。これはタイプC、タイプEのカプセルで
適用できる。尚、λ1 、λ2 は同じでも、異なっていて
も良いが、好ましくはλ1 、λ2 が異なるものである。
光応答性マイクロカプセルの場合、波長λ1 の光照射時
に光酸発生剤によってネガ画像様に酸潜像を形成し、こ
れに対して温度T1 で加熱することで酸増殖剤を作用さ
せて像増幅を行ない、さらに温度T3 で加熱して、得ら
れた酸をカプセル外に放出し(酸のカプセル内に取り込
みの場合も可)、温度T2 で加熱し、増幅された酸によ
って色素を消色し、さらに波長λ2 の光照射を行い、カ
プセルを光重合させ、画像形成を終了する。これはタイ
プB、タイプDのカプセルで適用できる。尚、λ1 、λ
2 は同じでも、異なっていても良いが、好ましくは
λ1 、λ2 が異なるものである。
【0087】(色素定着層)本発明の光画像記録材料は
露光部における消色性染料の酸による消色反応を記録原
理としていることから、何らかの定着処理を施さないと
画像形成後に発色部分の消色性染料が経時的に消色して
しまう。本発明者はこのような点を鑑みて、消色性染料
を定着可能な色素定着層を記録層と隣接する層に設ける
か、あるいは支持体から剥離した記録層を転写し得る被
転写シートまたは画像形成後に記録層に残った消色性染
料を転写し得る被転写シート上に設けることによってこ
のような問題点を解決し得ることを見い出した。
【0088】色素定着層は消色性染料に対して高い親和
性を示すと同時に、下記に示す何れかの性質を有する層
であればよい。 ・光酸発生剤または酸増殖剤に対して親和性が低い ・光酸発生剤または酸増殖剤から発生する酸に対して親
和性が低い ・光酸発生剤または酸増殖剤から発生する酸に対して中
和作用を有する ・疎水性である 消色性染料の酸による消色反応を防止すれば上記問題点
は解決するが、この反応は酸による加水分解であり、酸
または水分が十分無ければ反応の進行は極めて遅いか、
または反応自体進行しない為、上記のような性質の色素
定着層に消色性染料を定着すればよい。
【0089】例えば、色素定着層のバインダーとして上
記性質のうち2つ以上の性質を有する高分子樹脂を単独
で使用したり、上記性質のうち少なくとも1つの性質を
有する高分子樹脂を複数組合せて使用する方法がある。
また、色素定着層のバインダーとして用いる高分子樹脂
に上記性質のうち2つ以上の性質を有する低分子化合物
を単独で添加剤として用いたり、上記性質のうち少なく
とも1つの性質を有する低分子化合物を複数組合せて添
加剤として用いる方法でもよい。一般にここで好適に用
いられる消色性染料は疎水性であり、好適に用いられる
光酸発生剤、及び酸増殖剤から発生する酸は親水性であ
ることから、色素定着層のバインダーとして疎水性高分
子樹脂を用いるという方法が解決手法として挙げられ
る。また、消色性染料が芳香族系化合物であることか
ら、光酸発生剤または酸増殖剤の発生する酸に由来する
部位を除く部位を脂肪族系の化合物とし、色素定着層の
バインダーとして芳香族系高分子樹脂を用いるという方
法も解決手法として挙げられる。その他各種方法によっ
て色素定着層を形成することができるが、前記のよう
に、色素定着層だけではなく消色性染料、光酸発生剤、
酸増殖剤を含めて総合的に前記性質を満たす材料構成と
する必要があり、ここに挙げた例はそのなかの一部に過
ぎず、本発明を限定するようなものではない。
【0090】図7に示すように、例えば、支持体上に色
素定着層を設け、該色素定着層の上に、光酸発生剤、酸
増殖剤及び該光酸発生剤から発生される酸及び/または
該酸増殖剤から発生される酸によって消色可能な消色性
染料を含有する記録層を設けることができる。また、記
録層を2層以上で構成するものとして、例えば図8に示
すように、支持体上に色素定着層を設け、該色素定着層
の上に、消色性染料を含有する層(消色性染料層)と、
光酸発生剤及び酸増殖剤を含有する層を積層することが
できる。さらに、図9に示すように、支持体上に色素定
着層を設け、該色素定着層の上に、消色性染料層、酸増
殖剤を含有する層(酸増殖剤層)、光酸発生剤を含有す
る層(光酸発生剤層)をこの順に積層することもでき
る。
【0091】さらに、図10に示すように、支持体上に
色素定着層を設け、該色素定着層の上に光酸発生剤と酸
増殖剤と色相がシアンの消色性染料を含有する記録層C
を積層し、記録層Cの上に色素定着層を設け、該色素定
着層の上に光酸発生剤と酸増殖剤と色相がマゼンタの消
色性染料を含有する記録層Bを積層し、記録層Bの上に
色素定着層を設け、該色素定着層の上に光酸発生剤と酸
増殖剤と色相がイエローの消色性染料を含有する記録層
Aを積層することが可能である。この場合、記録層A、
記録層B、記録層Cの各層に残った未露光部の消色性染
料がその記録層の真下に位置する色素定着層に移行して
画像の定着が行われる。
【0092】また、図11に示すように、支持体上に色
素定着層を設け、該色素定着層の上に光酸発生剤と酸増
殖剤とイエローの色相をもつ消色性染料を含有するカプ
セルと、光酸発生剤と酸増殖剤とマゼンタの色相をもつ
消色性染料を含有するカプセルと、光酸発生剤と酸増殖
剤とシアンの色相をもつ消色性染料を含有するカプセル
の3種のカプセルを同一の記録層に分散させ、イエロー
の色相をもつ消色性染料がλ1 の波長光照射により、消
色し、マゼンタの色相をもつ消色性染料がλ2の波長光
照射により、消色し、シアンの色相をもつ消色性染料が
λ3 の波長光照射により、消色し、フルカラー化するこ
とができる。この場合は、一つの色素定着層で、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの全ての消色させていない部分の
色相を固定させる。尚、上記の波長λ1 、λ2 、λ3
全て異なるものであるが、その大小の関係は何ら限定さ
れるものではない。
【0093】(保護層)本発明では、記録層の全面加熱
時等でのサーマルヘッドのスティッキングや、光画像記
録材料の取扱上で溶剤等から保護するために、記録層の
上に保護層を設けることができる。例えば、図12に示
すように、支持体上に、色素定着層、光酸発生剤と酸増
殖剤と消色性染料を含有する記録層、保護層の順に設け
ることができる。また、図13のように、支持体上に、
色素定着層、消色性色素層(消色性色素を含有する
層)、光酸発生剤と酸増殖剤を含有する層、保護層の順
に設けることができる。また、図14に示すように、支
持体上に、色素定着層、酸増殖剤層、酸発生剤層、保護
層の順にも設けることができる。さらに、図10で示し
た構成の記録層Aの上に、保護層を設けることも可能で
ある。(図15の通り) また、図11で示した構成の3種のカプセルを同一の記
録層に分散させた構成の記録層の上に、保護層を形成す
ることができる。(図16の通り)
【0094】上記の保護層は顔料とバインダー樹脂を主
体に構成される。その顔料としては、雲母、タルク、炭
酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニ
ウム、カオリン、タルク、ロウ石、合成珪酸塩、非晶質
シリカ、尿素ホルマリン樹脂等の粉末が挙げられるが、
これらの中でも特に炭酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、カオリン、シリカ、雲母及びタルクが好ましく用い
られる。また、保護層は顔料を保持し、さらに透明性を
良好とするために、バインダー樹脂としては、完全鹸化
ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアル
コール、シリカ変性ポリビニルアルコール等を含有する
ものが好ましい。そして、保護層用の塗工液は、上記バ
インダー樹脂の溶液に顔料を混合して得られるが、目的
に応じて、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の滑
剤及び分散剤、蛍光増白剤、架橋剤、スルホコハク酸系
のアルカリ金属塩及びフッ素含有界面活性剤や、ポリオ
キシエチレン界面活性剤等の各種助剤をさらに添加して
もよい。保護層は、上記の材料を含有する塗布液で、従
来公知の塗工手段により、固形分重量の塗工量で0.1
〜20g/m2 程度の範囲で設ける。
【0095】本発明の光画像記録材料は図17に示すよ
うに、支持体上に光酸発生剤と、該光酸発生剤から発生
される酸によって消色可能な消色性染料及び/または該
光酸発生剤から発生される酸を触媒として加熱により、
酸を生成する酸増殖剤を含有する記録層を、記録層A、
記録層B、記録層Cと塗り分けて形成することができ、
記録層Aに含有する消色性染料の色相が例えばイエロ
ー、記録層Bに含有する消色性染料の色相が例えばマゼ
ンタ、記録層Cに含有する消色性染料の色相が例えばシ
アンとした光画像記録材料3と、支持体上に色素定着層
を設けた光画像記録材料2とが、別体であり、記録時に
記録層側と色素定着層側を重ね合わせて記録を行うこと
ができる。また、本発明の光画像記録材料は、記録層の
塗り分けを上記のような面順次に繰り返して形成した
り、記録層を各色毎にモザイク状にパターニングする方
法や、任意の面積で各色を配置させたりする等を行うこ
とができる。
【0096】また、図18に示すように、支持体上に光
酸発生剤と、該光酸発生剤から発生される酸によって消
色可能な消色性染料及び/または該光酸発生剤から発生
される酸を触媒として加熱により、酸を生成する酸増殖
剤を含有するマイクロカプセルに含有する消色性染料の
色相が例えばイエロー、マゼンタ、シアンの各消色性染
料ごとに、マイクロカプセル化され、それらの3種のマ
イクロカプセルが一つの記録層中に混合状態で含有する
ように形成された光画像記録シートと、支持体上に色素
定着層を設けた被転写シートとすることができる。
【0097】(支持体)本発明の光画像記録材料の支持
体としては、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン
系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート
紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸
紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙
等、セルロース繊維紙、あるいはポリオレフィン、ポリ
塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレ
ン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート等の各種プ
ラスチックフィルム又はシートが使用でき、またこれら
の合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不
透明シート或いはミクロボイドを有するシート等も使用
でき、特に限定されない。また、上記材料の任意の組み
合わせによる積層体も使用できる。これらの支持体の厚
さは任意で良いが、2〜300μm程度が好ましい。
【0098】本発明の光画像記録材料は、前記の記録層
が加熱により支持体から剥離可能にすることも可能であ
る。その際に、加熱により記録層が支持体から剥離しや
すくするために、支持体と記録層との間に剥離層を設け
ることが好ましく行われる。剥離層を形成する樹脂とし
て、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹
脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、アミド樹脂、アクリル
樹脂、塩化ビニル樹脂等のビニル樹脂、これらの混合物
あるいは共重合物等が挙げられ、剥離性を調整するため
にワックス類、テフロン粉末、シリコーンオイル、マイ
クロシリカ、フッ素系界面活性剤等の添加剤を加えるこ
とができる。
【0099】(光画像記録方法)本発明の光画像記録方
法は、上記に説明した光画像記録材料に対して、以下の
5つの記録方法をとることができる。 1.ネガ画像様に特定波長光を照射して酸潜像を形成す
る第1画像形成工程、次に全面加熱する第2画像形成工
程を施すことにより、ポジ画像を得ることができる。 2.ネガ画像様に特定波長光を照射して酸潜像を形成す
る第1画像形成工程、次に全面加熱する第2画像形成工
程を施すことによりポジ画像を形成し、さらにその後に
記録層に残った染料を被転写シートに熱拡散転写させる
熱転写工程を施してポジ画像を得ることができる。
【0100】3.ネガ画像様に特定波長光を照射して酸
潜像を形成する潜像形成工程、次に全面加熱を行なうこ
とによってポジ画像を形成すると同時に記録層に残った
染料を被転写シートに熱拡散転写させる画像形成転写工
程を施すことによってポジ画像を得ることができる。 4.ネガ画像様に特定波長光を照射して酸潜像を形成す
る第1画像形成工程、次に全面加熱する第2画像形成工
程を施すことによりポジ画像を形成し、さらにその後に
画像形成された記録層を支持体から剥離して、被転写シ
ートに該記録層毎、転写してポジ画像を得ることができ
る。 5.ネガ画像様に特定波長光を照射して酸潜像を形成す
る潜像形成工程、次に全面加熱を行なうことによってポ
ジ画像を形成すると同時に、記録層を支持体から剥離し
て、被転写シートに該記録層毎、転写してポジ画像を得
ることができる。
【0101】ネガ画像様に特定波長光を照射して酸潜像
を形成する場合、その特定波長光は150nm〜900
nmの波長光を利用できる。画像の高解像度が要求され
る場合にはレーザー光を照射することが好ましく行われ
る。レーザー光照射による酸潜像を形成する場合、レー
ザー光を熱エネルギーに変換するために、該レーザー光
の波長の光を吸収する色素を含有させる。レーザー光源
としては、エキシマレーザー、アルゴンレーザー、ヘリ
ウムネオンレーザー、半導体レーザー、ガラス(YA
G)レーザー、炭酸ガスレーザー、色素レーザー等があ
るが、ヘリウムネオンレーザー、半導体レーザー及びガ
ラスレーザーが本発明では有用なものである。また、そ
の中でも装置が小型で安価な理由から、半導体レーザー
が特に有用なものである。半導体レーザーの発振波長は
670〜830nmであり、その近赤外光に吸収をもつ
色素が用いられる。その近赤外吸収色素としては、例え
ば、シアニン色素、スクァリリウム色素、メロシアニン
色素、オキソノール色素、フタロシアニン色素等が挙げ
られる。
【0102】本発明の光画像記録方法において、用いら
れる全面加熱の方法には、熱ローラーや熱ドラムと接触
させる方法、ハロゲンランプや赤外ないし遠赤外ランプ
ヒーターを照射させる方法、加熱されたブロックやプレ
ートと接触させる方法、熱転写プリンターのサーマルヘ
ッドで全面加熱する方法等が選択される。
【0103】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
さらに具体的に説明する。 (実施例1)下記組成の色素定着層組成物をメチルエチ
ルケトン/トルエン混合溶媒に、また下記組成の記録層
をイソプロピルアルコール/トルエン混合溶媒に溶解
し、厚み125μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルムの支持体上に乾燥後の厚みがそれぞれ5μmとなる
ように色素定着層、記録層の順で塗布、乾燥して発色状
態の実施例1の光画像記録材料を作製した。
【0104】色素定着層 :スチレン−アクリロニトリル共重合体 100重量部記録層 :光酸発生剤(化学式(57)) 25重量部 消色性染料(化学式(58)) 10重量部 高沸点溶媒(ジブチルフタレート) 10重量部 ポリビニルブチラール樹脂 100重量部
【0105】
【化60】
【0106】
【化61】
【0107】次に以下の処方で該光画像記録材料に対し
て画像形成した。 1)該光画像記録材料の左半分を遮光マスクで覆う。 2)193nmの波長の光を露光エネルギーが100m
J/cm2 となるように照射。 3)120℃で5分間加熱後、遮光マスクを除去。 次に未露光部(左半分)と露光部(右半分)との透過濃
度をマクベス濃度計TR−924のイエロー用フィルタ
ーで測定し、その濃度差(未露光部の透過濃度−露光部
の透過濃度)を求めたところ、濃度差が0. 5以上であ
った。
【0108】(比較例1)上記の実施例1の記録層から
光酸発生剤を除いた以外は実施例1と同様にして、未露
光部(左半分)と露光部(右半分)との透過濃度差を求
めたが、濃度差はほとんど無かった。
【0109】(実施例2)上記の実施例1で作製した光
画像記録材料の記録層を下記の組成物にした以外は、実
施例1と同様にして実施例2の光画像記録材料を作製し
た。記録層 :光酸発生剤(化学式(57)) 5重量部 酸増殖剤 (化学式(59)) 10重量部 消色性染料(化学式(60)) 10重量部 高沸点溶媒(ジブチルフタレート) 10重量部 ポリビニルブチラール樹脂 100重量部
【0110】
【化62】
【0111】
【化63】
【0112】次に実施例1で行った同条件で画像形成を
行った。未露光部(左半分)と露光部(右半分)との透
過濃度をマクベス濃度計TR−924のイエロー用フィ
ルターで測定し、その濃度差(未露光部の透過濃度−露
光部の透過濃度)を求めたところ、濃度差が0. 5以上
であった。
【0113】(比較例2)上記の実施例2の記録層から
光酸発生剤を除いたものについて、未露光部(左半分)
と露光部(右半分)との透過濃度差を求めたところ、い
ずれも濃度差が0. 3に満たなかった。
【0114】(実施例3)下記組成の光酸発生/増殖
層、色素定着層組成物をメチルエチルケトン/トルエン
混合溶媒に、消色性色素層をイソプロピルアルコール/
メチルエチルケトン/トルエン混合溶媒に溶解し、厚み
125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に
乾燥後の厚みがそれぞれ3μmとなるように色素定着
層、消色性色素層、光酸発生/増殖層の順で塗布、乾燥
して発色状態の実施例3の光画像記録材料を作製した。
【0115】酸発生/ 増殖層 :光酸発生剤(化学式(61)) 5重量部 酸増殖剤 (化学式(62)) 10重量部 熱可融性化合物(ジフェニルフタレート) 15重量部 ポリスチレン樹脂 100重量部
【0116】
【化64】
【0117】
【化65】
【0118】消色性色素 層:消色性染料(化学式(63)) 10重量部 高沸点溶媒(ジブチルフタレート) 10重量部 ポリビニルブチラール樹脂 100重量部
【0119】
【化66】
【0120】色素定着層 :スチレン−アクリロニトリル共重合体 100重量部
【0121】次に実施例1で行った同条件で画像形成を
行った。但し、露光波長を313nmの波長光に変更し
た。未露光部(左半分)と露光部(右半分)との透過濃
度をマクベス濃度計TR−924のシアン用フィルター
で測定し、その濃度差(未露光部の透過濃度−露光部の
透過濃度)を求めたところ、濃度差が0. 5以上であっ
た。
【0122】(比較例3)上記の実施例3の光酸発生/
増殖層から光酸発生剤と酸増殖剤の両方を除いたものに
ついて、未露光部(左半分)と露光部(右半分)との透
過濃度差を求めたところ、いずれも濃度差が0. 3に満
たなかった。
【0123】(実施例4)下記組成の光酸発生層、酸増
殖層、及び色素定着層組成物をメチルエチルケトン/ト
ルエン混合溶媒に、消色性色素層をイソプロピルアルコ
ール/メチルエチルケトン/トルエン混合溶媒に溶解
し、厚み125μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に乾燥後の厚みがそれぞれ3μmとなるように色
素定着層、消色性色素層、光酸発生層、酸増殖層の順で
塗布、乾燥して発色状態の実施例4の光画像記録材料を
作製した。
【0124】光酸発生層 :光酸発生剤(化学式(61)) 5重量部 熱可融性化合物(ジフェニルフタレート) 20重量部 ポリスチレン樹脂 100重量部
【0125】酸増殖層 :酸増殖剤(化学式(64)) 10重量部 熱可融性化合物(ジフェニルフタレート) 20重量部 ポリスチレン樹脂 100重量部
【0126】
【化67】
【0127】消色性色素層 :消色性染料(化学式(65)) 10重量部 高沸点溶媒(ジブチルフタレート) 20重量部 ポリビニルブチラール樹脂 100重量部
【0128】
【化68】
【0129】色素定着層 :スチレン−アクリロニトリル共重合体 100重量部
【0130】次に以下の処方で該光画像記録材料に対し
て画像形成した。 1)該光画像記録材料の左半分を遮光マスクで覆う。 2)313nmの波長の光を露光エネルギーが100m
J/cm2 となるように照射。 3)120℃で5分間加熱後、遮光マスクを除去。 次に未露光部(左半分)と露光部(右半分)との透過濃
度をマクベス濃度計TR−924のマゼンタ用フィルタ
ーで測定し、その濃度差(未露光部の透過濃度−露光部
の透過濃度)を求めたところ、濃度差が0. 5以上であ
った。
【0131】(比較例4)上記の実施例4の光酸発生層
から光酸発生剤を除いたものについて、未露光部(左半
分)と露光部(右半分)との透過濃度差を求めたとこ
ろ、いずれも濃度差が0. 3に満たなかった。
【0132】(実施例5)下記組成の酸発生/ 増殖層を
メチルエチルケトン/トルエン混合溶媒に、消色性色素
層をイソプロピルアルコール/メチルエチルケトン/ト
ルエン混合溶媒に溶解し、厚み6μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に乾燥後の厚みがそれぞれ2μ
mとなるように酸発生/ 増殖層、消色性色素層の順で塗
布、乾燥して発色状態のイエロー用転写シートを作製し
た。
【0133】 <イエロー用転写シート>酸発生/ 増殖層 :光酸発生剤(化学式(57)) 10重量部 酸増殖剤 (化学式(66)) 20重量部 熱可融性化合物(ジフェニルフタレート) 15重量部 ポリスチレン樹脂 100重量部
【0134】
【化69】
【0135】消色性色素層 :消色性染料(化学式(58)) 50重量部 高沸点溶媒(ジブチルフタレート) 10重量部 ポリビニルブチラール樹脂 100重量部
【0136】<マゼンタ用転写シート>前記イエロー用
転写シートの消色性染料を化学式(65)に変えて、同
様な方法でマゼンタ用転写シートを作製した。
【0137】<シアン用転写シート>前記イエロー用転
写シートの消色性染料を化学式(63)に変えて、同様
な方法でシアン用転写シートを作製した。
【0138】<被転写シート>下記組成の色素定着層を
メチルエチルケトン/トルエン混合溶媒に溶解し、厚み
125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に
乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布、乾燥して被転
写シートを作製した。色素定着層 :スチレン−アクリロニトリル共重合体 100重量部 フッ素系界面活性剤 1重量部
【0139】次に以下の処方で上記の通りの各色用転写
シートと被転写シートとからなる光画像記録材料に対し
て画像形成処理したところ、被転写シートの左半分にイ
エロー、中央部にマゼンタ、右半分にシアンの縦方向の
ストライプからなるフルカラー画像が形成された。 1)イエロー用転写シートの左半分を遮光マスクで覆
う。 2)193nmの波長の光を露光エネルギーが100m
J/cm2 となるように照射。 3)120℃で5分間加熱後、遮光マスクを除去し、被
転写シートと重ね合わせる。 4)再度120℃で5分間加熱後、被転写シートからイ
エロー用転写シートを除去。 5)マゼンタ用転写シートの中央部を遮光マスクで覆
う。 6)2)〜5)と同様な作業を行なう。 7)シアン用転写シートの右半分を遮光マスクで覆う。 8)2)〜5)と同様な作業を行なう。
【0140】また、各色用シートの露光量を段階的に下
げたところ、露光量の減少にともなって露光部の発色濃
度が上昇した。
【0141】(実施例6) <転写シート>下記組成の通り、剥離層を水に、離型層
をトルエンに、酸発生/ 増殖層をメチルエチルケトン/
トルエン混合溶媒に、消色性色素層をイソプロピルアル
コール/メチルエチルケトン/トルエン混合溶媒に溶解
し、厚み6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
上に乾燥後の厚みがそれぞれ2μmとなるように剥離
層、離型層、酸発生/増殖層、消色性色素層の順で塗
布、乾燥して発色状態の転写シートを作製した。
【0142】剥離層 :ポリビニルアルコール 100重量部保護層 :ポリスチレン樹脂 100重量部
【0143】酸発生/増殖層 :光酸発生剤(化学式(67)) 10重量部 酸増殖剤(化学式(62)) 20重量部 熱可融性化合物(ジフェニルフタレート) 15重量部 ポリスチレン樹脂 100重量部
【0144】
【化70】
【0145】消色性色素層 :消色性染料(化学式(58)) 50重量部 高沸点溶媒 (ジブチルフタレート) 10重量部 ポリビニルブチラール樹脂 100重量部
【0146】<被転写シート>下記組成の色素定着層を
メチルエチルケトン/トルエン混合溶媒に溶解し、厚み
125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に
乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布、乾燥して被転
写シートを作製した。色素定着層 :ポリメチルメタクリレート樹脂 100重量部
【0147】次に以下の処方で該光画像記録材料に対し
て画像形成した。 1)転写シートの左半分を遮光マスクで覆う。 2)313nmの波長の光を露光エネルギーが100m
J/cm2 となるように照射。 3)遮光マスクを除去し、転写シートと被転写シートと
重ね合わせる。 4)120℃で5分間加熱(このとき消色性色素層と色
素定着層をラミネート)。 5)被転写シートから転写シート支持体を除去。 尚、5)の除去工程では剥離層−保護層、保護層−酸発
生/増殖層、酸発生/増殖層−消色性色素層のいずれか
の層間で剥離すればよい。
【0148】次に被転写シートに転写された記録層(消
色性染料層を含む被転写部分)由来の未露光部(左半
分)と露光部(右半分)との透過濃度をマクベス濃度計
TR−924のイエロー用フィルターで測定し、その濃
度差(未露光部の透過濃度−露光部の透過濃度)を求め
たところ、濃度差が0. 5以上であった。
【0149】(比較例5)上記の実施例6の酸発生/増
殖層から光酸発生剤と酸増殖剤の両方を除いたものにつ
いて濃度差を求めたところ、いずれも濃度差が0. 3に
満たなかった。
【0150】(実施例7)上記の実施例1で作製した光
画像記録材料の記録層を下記の組成物にした以外は、実
施例1と同様にして実施例7の光画像記録材料を作製し
た。記録層 :光酸発生剤(化学式(57)) 5重量部 酸増殖剤 (化学式(59)) 10重量部 消色性染料(化学式(68)) 3重量部 消色性染料(化学式(65)) 3重量部 消色性染料(化学式(63)) 3重量部 高沸点溶媒(ジブチルフタレート) 10重量部 ポリビニルブチラール樹脂 100重量部
【0151】
【化71】
【0152】次に実施例1で行った同条件で画像形成を
行った。未露光部(左半分)と露光部(右半分)との透
過濃度をマクベス濃度計TR−924のブラック用フィ
ルターで測定し、その濃度差(未露光部の透過濃度−露
光部の透過濃度)を求めたところ、濃度差が0. 5以上
であった。
【0153】(実施例8)上記の実施例1で作製した光
画像記録材料の記録層を下記の組成物にした以外は、実
施例1と同様にして実施例8の光画像記録材料を作製し
た。記録層 :光酸発生剤(化学式(57)) 5重量部 酸増殖剤 (化学式(59)) 10重量部 消色性染料(化学式(69)) 3重量部 消色性染料(化学式(65)) 3重量部 消色性染料(化学式(63)) 3重量部 高沸点溶媒(ジブチルフタレート) 10重量部 ポリビニルブチラール樹脂 100重量部
【0154】
【化72】
【0155】次に実施例1で行った同条件で画像形成を
行った。未露光部(左半分)と露光部(右半分)との透
過濃度をマクベス濃度計TR−924のブラック用フィ
ルターで測定し、その濃度差(未露光部の透過濃度−露
光部の透過濃度)を求めたところ、濃度差が0. 5以上
であった。
【0156】(実施例9)下記組成のカプセル液を均一
に溶解した。この溶液を5%ポリビニルアルコール水溶
液50重量部の中に添加し、20℃でホモジナイザーを
用いて乳化分散し、平均粒径2μmの乳化液を得た。得
られた乳化液に水50重量部を加え、40℃で3時間撹
拌を続けた。その後、室温に戻してカプセル液を得た。
【0157】 (カプセル液の調製) 光酸発生剤(化学式(57)) 1重量部 酸増殖剤(化学式(62)) 1重量部 壁剤 20重量部 (トリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物) 溶解助剤(酢酸エチル) 16重量部 高沸点溶媒(ジイソプロピルナフタレン) 5重量部
【0158】(消色性染料分散液の調製)消色性染料
(化学式(70))25部を5%ポリビニルアルコール
水溶液150部に加え、サンドミルにて分散し、平均粒
径1μmの消色性染料分散液を得た。
【0159】
【化73】
【0160】(塗布液の調製)上記カプセル液20部、
上記消色性染料分散液2部を混合し、塗布液を得た。上
記塗布液を厚み125μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に乾燥後の透過濃度(マクベス濃度計TR
−924のイエロー用フィルターを用いて測定)が1.
0となるように塗布、乾燥して発色状態の実施例9の光
画像記録材料を作製した。
【0161】次に以下の処方で該光画像記録材料に対し
て画像形成した。 1)該光画像記録材料の左半分を遮光マスクで覆う。 2)193nmの波長の光を露光エネルギーが100m
J/cm2 となるように照射。 3)120℃で10分間加熱後、遮光マスクを除去。
【0162】次に未露光部(左半分)と露光部(右半
分)との透過濃度をマクベス濃度計TR−924のマゼ
ンタ用フィルターで測定し、その濃度差(未露光部の透
過濃度−露光部の透過濃度)を求めたところ、濃度差が
0. 5以上であった。
【0163】(比較例6)上記の実施例9のカプセル液
から光酸発生剤と酸増殖剤の両方を除いたものについて
濃度差を求めたところ、いずれも濃度差が0. 3に満た
なかった。
【0164】(実施例10)下記組成のカプセル液Aを
均一に溶解した。この溶液を5%ポリビニルアルコール
水溶液50重量部の中に添加し、20℃でホモジナイザ
ーを用いて乳化分散し、平均粒径2μmの乳化液を得
た。得られた乳化液に水50重量部を加え、40℃で3
時間撹拌を続けた。その後、室温に戻してYカプセル液
を得た。
【0165】 (カプセル液Aの調製) 光酸発生剤(化学式(57)) 1重量部 酸増殖剤(化学式(62)) 1重量部 壁剤 20重量部 (トリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物) 溶解助剤(酢酸エチル) 16重量部 高沸点溶媒(ジイソプロピルナフタレン) 5重量部
【0166】(消色性染料分散液Aの調製)消色性染料
(化学式(71))25重量部を5%ポリビニルアルコ
ール水溶液150重量部に加え、サンドミルにて分散
し、平均粒径1μmの消色性染料分散液Aを得た。
【0167】
【化74】
【0168】(記録層A塗布液の調製)上記カプセル液
A20部、上記消色性染料分散液A2部を混合し、記録
層A塗布液を得た。
【0169】(カプセル液Bの調製)前記カプセル液A
の光酸発生剤を変更(化学式(57)→化学式(6
1))し、前記カプセル液Aと同様な処方によってカプ
セル液Bを得た。 (消色性染料分散液Bの調製)前記消色性染料分散液A
の消色性染料を変更(化学式(70)→化学式(7
2))し、前記消色性染料分散液Aと同様な処方によっ
て消色性染料分散液Bを得た。
【0170】
【化75】
【0171】(記録層B塗布液の調製)上記カプセル液
B20部、上記消色性染料分散液B2部を混合し、記録
層B塗布液を得た。
【0172】(光画像記録材料の作製)上記塗布液を厚
み125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に乾燥後の透過濃度(マクベス濃度計TR−924を用
い、それぞれの記録層に用いる消色性染料の色相に応じ
たフィルターで測定)がそれぞれ1. 0、また基材に近
いほうから「記録層A」「記録層B」の順の層構成とな
るように塗布、乾燥して発色状態の実施例10の光画像
記録材料を作製した。
【0173】(画像形成)次に以下の処方で該光画像記
録材料に対し画像形成処理したところ、被転写シートの
左側にイエロー、中央部にレッド、右側にマゼンタの縦
方向ストライプの多色画像が形成された。 1)該光画像記録材料の左側3分の1を遮光マスクで覆
う。 2)193nmの波長の光を露光エネルギーが100m
J/cm2 となるように照射。 3)遮光マスクを移動させ右側3分の1を遮光する。 4)313nmの波長の光を露光エネルギーが100m
J/cm2 となるように照射。 5)遮光マスクを除去し、120℃で10分間加熱。
【0174】(実施例11)下記組成のYカプセル液A
を均一に溶解した。この溶液を5%ポリビニルアルコー
ル水溶液50重量部の中に添加し、20℃でホモジナイ
ザーを用いて乳化分散し、平均粒径2μmの乳化液を得
た。得られた乳化液に水50重量部を加え、40℃で3
時間撹拌を続けた。その後、室温に戻してYカプセル液
を得た。
【0175】 (Yカプセル液の調製) 光酸発生剤(化学式(67)) 1重量部 酸増殖剤(化学式(62)) 1重量部 壁剤 20重量部 (トリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物) 溶解助剤(酢酸エチル) 16重量部 高沸点溶媒(ジイソプロピルナフタレン) 5重量部
【0176】(消色性Y染料分散液の調製)消色性染料
(化学式(70))25重量部を5%ポリビニルアルコ
ール水溶液150重量部に加え、サンドミルにて分散
し、平均粒径1μmの消色性Y染料分散液を得た。
【0177】(Y記録層塗布液の調製)上記Yカプセル
液20部、上記消色性Y染料分散液2部を混合し、Y記
録層塗布液を得た。
【0178】(Mカプセル液の調製)前記Yカプセル液
に分光増感色素(ベンゾフラビン;λmax =460n
m)0. 2重量部を添加し、前記Yカプセル液と同様な
処方によってMカプセル液を得た。
【0179】(消色性M染料分散液の調製)前記消色性
Y染料分散液の消色性染料を変更(化学式(72)→化
学式(74)し、前記消色性Y染料分散液と同様な処方
によって消色性M染料分散液を得た。
【0180】(M記録層塗布液の調製)上記Mカプセル
液20部、上記消色性M染料分散液2部を混合し、M記
録層塗布液を得た。
【0181】(Cカプセル液の調製)前記Yカプセル液
に分光増感色素(アクリジンオレンジ;λmax =539
nm)0. 2重量部を添加し、前記Yカプセル液と同様
な処方によってCカプセル液を得た。
【0182】(消色性C染料分散液の調製)前記消色性
Y染料分散液の消色性染料を変更(化学式(70)→化
学式(73)し、前記消色性Y染料分散液と同様な処方
によって消色性C染料分散液を得た。
【0183】
【化76】
【0184】(C記録層塗布液の調製)上記Cカプセル
液20部、上記消色性C染料分散液2部を混合し、C記
録層塗布液を得た。
【0185】(光画像記録材料の作製)上記の各塗布液
を厚み125μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に乾燥後の透過濃度(マクベス濃度計TR−924
を用い、それぞれの記録層に用いる消色性染料の色相に
応じたフィルターで測定)がそれぞれ1. 0、また基材
に近いほうから「C記録層」「M記録層」「Y記録層」
の順の層構成となるように塗布、乾燥して発色状態の実
施例11の光画像記録材料を作製した。
【0186】(画像形成)次に以下の処方で該光画像記
録材料に対し画像形成処理したところ、被転写シートの
左半分にイエロー、中央部にマゼンタ、右半分にシアン
の縦方向ストライプのフルカラー画像が形成された。 1)該光画像記録材料の左半分を遮光マスクで覆う。 2)313nmの波長の光を露光エネルギーが100m
J/cm2 となるように照射。 3)遮光マスクを移動させ中央部を遮光する。 4)460nmの波長の光を露光エネルギーが100m
J/cm2 となるように照射。 5)遮光マスクを移動させ右半分を遮光する。 6)539nmの波長の光を露光エネルギーが100m
J/cm2 となるように照射。 7)遮光マスクを除去し、120℃で10分間加熱。
【0187】
【発明の効果】本発明によれば、支持体上に光酸発生剤
及び前記光酸発生剤から発生される酸によって消色可能
な消色性染料を含有する記録層を設けることを特徴とす
る光画像記録材料を用いて、光照射時に光酸発生剤によ
ってネガ画像様に酸潜像を形成し、その光酸発生剤から
発生される酸により色素を消色することで、ハロゲン化
銀を用いることなく高感度で、且つ十分な画像保存性が
得られる。また、支持体上に光酸発生剤、酸増殖剤、及
び前記光酸発生剤、酸増殖剤から発生される酸によって
消色可能な消色性染料を含有する記録層を設けることを
特徴とする光画像記録材料を用いて、光照射時に光酸発
生剤によってネガ画像様に酸潜像を形成し、これに対し
て加熱することで酸増殖剤を作用させて像増幅を行な
い、さらにこの増幅された酸により色素を消色すること
で、より優れた画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を示
す断面図である。
【図2】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を示
す断面図である。
【図3】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を示
す断面図である。
【図4】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を示
す断面図である。
【図5】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を示
す断面図である。
【図6】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を示
す断面図である。
【図7】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を示
す断面図である。
【図8】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を示
す断面図である。
【図9】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を示
す断面図である。
【図10】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を
示す断面図である。
【図11】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を
示す断面図である。
【図12】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を
示す断面図である。
【図13】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を
示す断面図である。
【図14】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を
示す断面図である。
【図15】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を
示す断面図である。
【図16】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を
示す断面図である。
【図17】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を
示す断面図である。
【図18】本発明の光画像記録材料の一つの実施形態を
示す断面図である。

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に光酸発生剤及び該光酸発生剤
    から発生される酸によって消色可能な消色性染料を含有
    する記録層を設けたことを特徴とする光画像記録材料。
  2. 【請求項2】 前記の消色性染料が色素の共役系の一部
    としてアゾ基(−N=N−)、イミノ基(−C=N
    −)、アルケニル基(−C=C−)の中から選ばれるい
    ずれか1つ以上の不飽和二重結合部位を含む染料である
    ことを特徴とする請求項1に記載する光画像記録材料。
  3. 【請求項3】 前記の消色性染料が色素の共役系の一部
    としてイミノ基、アルケニル基のいずれか1つ以上の二
    重結合部位を含み、かつこれら二重結合部位の炭素原子
    上の置換基として電子吸引性基が導入された染料である
    ことを特徴とする請求項1に記載する光画像記録材料。
  4. 【請求項4】 前記の消色性染料が色素の共役系の一部
    としてイミノ基、アルケニル基のいずれか1つ以上の二
    重結合部位を含み、かつこれら二重結合部位の炭素原子
    上の置換基として電子吸引性基としてニトリル基、カル
    ボニル基、カルボキシル基の中から選ばれる少なくとも
    1つ以上の官能基が導入された染料であることを特徴と
    する請求項1に記載する光画像記録材料。
  5. 【請求項5】 前記の消色性染料が下記化学式(1)で
    表される染料であることを特徴とする請求項1に記載す
    る光画像記録材料。 【化1】 (式中、XとYのいずれか1つが電子吸引性基、Zは
    N、CH、CRを表し、R,R1 〜R6 はアルキル基、
    アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコ
    キシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、ア
    リールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリー
    ルオキシカルボニル基、水酸基、水素原子、ハロゲン原
    子を表す。)
  6. 【請求項6】 前記の光酸発生剤が光照射によって、下
    記の化学式(2)、化学式(3)、化学式(4)で表さ
    れる酸の中の少なくとも1種以上を発生することが可能
    な光酸発生剤であることを特徴とする請求項1に記載す
    る光画像記録材料。 【化2】 【化3】 【化4】 (式中、R1 〜R10はアルキル基、アルケニル基、シク
    ロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオ
    キシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル
    基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基、水酸基、水素原子、ハロゲン原子を表す。)
  7. 【請求項7】 支持体上に光酸発生剤、該光酸発生剤か
    ら発生される酸を触媒として、酸を生成する酸増殖剤、
    及び該光酸発生剤から発生される酸及び/または該酸増
    殖剤から発生される酸によって消色可能な消色性染料を
    含有する記録層を設けたことを特徴とする光画像記録材
    料。
  8. 【請求項8】 前記の酸増殖剤が酸を触媒として、下記
    の化学式(2)、化学式(3)、化学式(4)で表され
    る酸の中の少なくとも1種以上を発生することが可能で
    あることを特徴とする請求項7に記載する光画像記録材
    料。 【化5】 【化6】 【化7】 (式中、R1 〜R10はアルキル基、アルケニル基、シク
    ロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオ
    キシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル
    基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基、水酸基、水素原子、ハロゲン原子を表す。)
  9. 【請求項9】 前記の光酸発生剤、酸増殖剤及び消色性
    染料から選ばれる少なくとも1つ以上がマイクロカプセ
    ル中に内包され、該マイクロカプセルがバインダー樹脂
    中に担持されていることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれかの1項に記載する光画像記録材料。
  10. 【請求項10】 前記のマイクロカプセルが熱による物
    理的変化または化学的変化に伴い物質透過性が変化する
    熱応答性マイクロカプセルであることを特徴とする請求
    項9に記載する光画像記録材料。
  11. 【請求項11】 前記のマイクロカプセルが光による物
    理的変化または化学的変化に伴い物質透過性が変化する
    光応答性マイクロカプセルであることを特徴とする請求
    項9に記載する光画像記録材料。
  12. 【請求項12】 前記の記録層において、光酸発生剤に
    対して、電子移動、または励起エネルギー移動により増
    感作用する分光増感色素を含有することを特徴とする請
    求項1〜11のいずれかの1項に記載する光画像記録材
    料。
  13. 【請求項13】 前記の記録層において、熱可融性物質
    及び/または高沸点溶媒を含有することを特徴とする請
    求項1〜12のいずれかの1項に記載する光画像記録材
    料。
  14. 【請求項14】 前記の記録層と隣接する層を設け、該
    隣接する層が消色性染料を定着するための色素定着層で
    あることを特徴とする請求項1〜13のいずれかの1項
    に記載する光画像記録材料。
  15. 【請求項15】 前記の記録層を消色性染料の色相毎
    に、微細なパターンの形状に形成したことを特徴とする
    請求項1〜14のいずれかの1項に記載する光画像記録
    材料。
  16. 【請求項16】 前記の記録層を2層以上設け、各記録
    層が含有する消色性染料がそれぞれ異なる色相の染料で
    あることを特徴とする請求項1〜15のいずれかの1項
    に記載する光画像記録材料。
  17. 【請求項17】 前記の記録層を3層設け、各記録層が
    イエロー色の消色性染料を含有する記録層、マゼンタ色
    の消色性染料を含有する記録層、及びシアン色の消色性
    染料を含有する記録層からなることを特徴とする請求項
    1〜16のいずれかの1項に記載する光画像記録材料。
  18. 【請求項18】 前記の記録層で一つの色相を2層以上
    の層から構成される記録層としたことを特徴とする請求
    項1〜17のいずれかの1項に記載する光画像記録材
    料。
  19. 【請求項19】 前記の記録層が光酸発生剤を含有した
    記録層A、及び消色性染料を含有した記録層Bから構成
    される2層構成の記録層であることを特徴とする請求項
    1〜18のいずれかの1項に記載する光画像記録材料。
  20. 【請求項20】 前記の記録層が光酸発生剤、酸増殖剤
    及び消色性染料の中から選ばれる2つを含有した記録層
    C、及び光酸発生剤、酸増殖剤及び消色性染料の中から
    選ばれる記録層Cに含有されていない1つを含有した記
    録層Dから構成される2層構成の記録層であることを特
    徴とする請求項1〜19のいずれかの1項に記載する光
    画像記録材料。
  21. 【請求項21】 前記の記録層が光酸発生剤を含有した
    記録層A、消色性染料を含有した記録層B、及び酸増殖
    剤を含有した記録層Eから構成される3層構成の記録層
    であることを特徴とする請求項1〜20のいずれかの1
    項に記載する光画像記録材料。
  22. 【請求項22】 支持体上に光酸発生剤と、該光酸発生
    剤から発生される酸によって消色可能な消色性染料及び
    /または該光酸発生剤から発生される酸を触媒として、
    酸を生成する酸増殖剤を含有する記録層を設けた光画像
    記録シートと、支持体上に色素定着層を設けた被転写シ
    ートの2つのシートからなることを特徴とする請求項1
    〜21のいずれかの1項に記載する光画像記録材料。
  23. 【請求項23】 前記の記録層と支持体との間に剥離層
    を設けたことを特徴とする請求項1〜22のいずれかの
    1項に記載する光画像記録材料。
  24. 【請求項24】 前記の記録層が加熱により支持体から
    剥離可能であることを特徴とする請求項1に記載する光
    画像記録材料。
  25. 【請求項25】 請求項1〜24のいずれかの1項に記
    載する光画像記録材料に対してネガ画像様に特定波長光
    を照射して酸潜像を形成する第1画像形成工程、次に全
    面加熱する第2画像形成工程を施すことによりポジ画像
    を得ることを特徴とする光画像記録方法。
  26. 【請求項26】 請求項1〜24のいずれかの1項に記
    載する光画像記録材料に対してネガ画像様に特定波長光
    を照射して酸潜像を形成する第1画像形成工程、次に全
    面加熱する第2画像形成工程を施すことによりポジ画像
    を形成し、さらにその後に記録層に残った染料を被転写
    シートに熱拡散転写させる熱転写工程を施してポジ画像
    を得ることを特徴とする光画像記録方法。
  27. 【請求項27】 請求項1〜24のいずれかの1項に記
    載する光画像記録材料に対してネガ画像様に特定波長光
    を照射して酸潜像を形成する潜像形成工程、次に全面加
    熱を行なうことによってポジ画像を形成すると同時に記
    録層に残った染料を被転写シートに熱拡散転写させる画
    像形成転写工程を施すことによってポジ画像を得ること
    を特徴とする光画像記録方法。
  28. 【請求項28】 請求項23または24に記載する光画
    像記録材料に対してネガ画像様に特定波長光を照射して
    酸潜像を形成する第1画像形成工程、次に全面加熱する
    第2画像形成工程を施すことによりポジ画像を形成し、
    さらにその後に画像形成された記録層を支持体から剥離
    して、被転写シートに該記録層毎、転写してポジ画像を
    得ることを特徴とする光画像記録方法。
  29. 【請求項29】 請求項23または24に記載する光画
    像記録材料に対してネガ画像様に特定波長光を照射して
    酸潜像を形成する潜像形成工程、次に全面加熱を行なう
    ことによってポジ画像を形成すると同時に、記録層を支
    持体から剥離して、被転写シートに該記録層毎、転写し
    てポジ画像を得ることを特徴とする光画像記録方法。
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