JP2001040313A - アクリルエマルジョン型感圧接着剤およびこれを用いた感圧接着剤製品 - Google Patents
アクリルエマルジョン型感圧接着剤およびこれを用いた感圧接着剤製品Info
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Abstract
て、優れた密着性、保持力を示し、かつ、再剥離後、被
着体に糊残り、汚染を残さないアクリルエマルジョン型
感圧接着剤を提供する。 【解決手段】 (A)共重合成分に対して10重量%以
上のアクリル酸n−オクチルを含むアルキル基の炭素数
が4〜12のアクリル酸エステル55〜98.9重量
%、(B)アクリロニトリルおよび/またはメタクリロ
ニトリル1〜10重量%、(C)α,β−不飽和カルボ
ン酸0.1〜5重量%をアニオン性反応性乳化剤の存在
下で乳化重合して得られるアクリルエマルジョンおよび
リン酸エステル系乳化剤を含有するアクリルエマルジョ
ンを使用する。
Description
着ラベル用、粘着シート用などのアクリルエマルジョン
型感圧接着剤に関する。さらに詳しくは、平滑面あるい
は粗面などといった種々の被着体に対し、夏場の高温時
から冬場の低温時において、密着性が良好で、充分な保
持力を持ち、かつ、再剥離後に糊残り、汚染を残さない
アクリルエマルジョン型感圧接着剤に関する。
用いられる感圧接着剤は、おもに天然ゴム系を中心とし
たゴム系のものとアクリル系のものに分類される。ゴム
系のものはタックにとみ、常温および低温での粘着バラ
ンスに優れているが、耐熱性、耐候性がわるいため、ア
クリル系粘着剤が主流になりつつある。アクリル系粘着
剤の利点としては、耐熱性、耐候性に優れ、また様々な
要求物性に応じて、共重合モノマーを選択できることが
あげられる。
るためゴム系に比べて低温において硬くなり、タックが
減少する。そのため、冬場の低温時などの条件下におい
ては、被着体に対して常温時に比べて充分な密着性、保
持力がなくなり、作業性などに問題が生じる。このよう
な低温条件下での被着体に対する密着性などを保持させ
るには、共重合体のガラス転移温度を低下させる方法が
あり、低ガラス転移温度の共重合体を得るためにアクリ
ル酸2−エチルヘキシルを共重合する方法があるが、そ
れでも低温時における被着体の密着性は充分でない。
ルジョン型に分類される。溶剤型においては、前記問題
に対して様々な試みがなされているが、その重合方法か
ら凝集力のある高重合度のポリマーが得られにくいとい
う欠点がある。また、凝集力のないポリマーからなる感
圧接着剤を用いると、とくに高温時、被着体の糊残り、
汚染の問題が生じ、さらに塗工乾燥時に揮発する溶剤の
回収が困難で、作業性、設備のコスト、環境上の立場か
ら問題がある。
合度のポリマーが得られ、塗工乾燥時に溶剤の回収の問
題がないが、接着剤層に乳化剤が残留しているため、被
着体の表面に曇りが生じる欠点があった。
貼り付け後、経時変化によって粘着力の上昇が起こり、
そのため被着体から再剥離する際、紙破れ、糊残りなど
の問題があった。
に、特開昭60−67579号公報においては、アクリ
ル系粘着剤にリン酸エステル系乳化剤を含有させること
を提案している。
使用することによって、経時変化による粘着力の抑制が
行える反面、その粘着力上昇の抑制のため被着体に対す
る保持力、とくに高温時での保持力が低下する問題があ
った。
技術の問題点を解決し、高温時から低温時まで、種々の
被着体に対して、優れた密着性、保持力を示し、かつ、
再剥離後、被着体に糊残り、汚染を残さないアクリルエ
マルジョン型感圧接着剤を提供することを課題としてい
る。
(A)共重合成分に対して10重量%以上のアクリル酸
n−オクチルを含むアルキル基の炭素数が4〜12のア
クリル酸エステル55〜98.9重量%、(B)アクリ
ロニトリルおよび/またはメタクリロニトリル1〜10
重量%、(C)α,β−不飽和カルボン酸0.1〜5重
量%をアニオン性反応性乳化剤の存在下で乳化重合して
得られるアクリルエマルジョンおよびリン酸エステル系
乳化剤を含有することを特徴とするアクリルエマルジョ
ン型感圧接着剤(請求項1)、前記(A)〜(C)成分
に加えて、(D)成分として(A)〜(C)成分と共重
合可能なモノマーを0.01〜30重量%含有する請求
項1記載のアクリルエマルジョン型感圧接着剤(請求項
2)、リン酸エステル系乳化剤の含有量が、前記(A)
〜(D)成分の合計量に対して0.1〜10重量%であ
る請求項1または2に記載のアクリルエマルジョン型感
圧接着剤(請求項3)、請求項1、2または3記載のア
クリルエマルジョン型感圧接着剤にさらに硬化剤を配合
した2液型感圧接着剤(請求項4)、請求項1、2、3
または4記載のアクリルエマルジョン型感圧接着剤で感
圧接着剤層を形成した感圧接着剤製品(請求項5)、請
求項1、2、3または4記載のアクリルエマルジョン型
感圧接着剤で感圧接着剤層を形成した粘着テープ(請求
項6)、請求項1、2、3または4記載のアクリルエマ
ルジョン型感圧接着剤で感圧接着剤層を形成した粘着ラ
ベル(請求項7)、および請求項1、2、3または4記
載のアクリルエマルジョン型感圧接着剤で感圧接着剤層
を形成した粘着シート(請求項8)に関する。
感圧接着剤は、(A)成分、(B)成分および(C)成
分を乳化重合により共重合して得られるものである。ま
た、必要に応じて(D)成分を共重合することができ
る。ただし、(A)成分としては、全てをアクリル酸n
−オクチル、またはアクリル酸n−オクチルと他のアル
キル基の炭素数が4〜12のアクリル酸エステルを併用
して用い、そのアクリル酸n−オクチルは少なくとも共
重合成分に対して10重量%(以下、「%」という)以
上含まれることを必要とする。
クリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリル、さ
らにアニオン性反応性乳化剤を使用することによって、
平滑面あるいは粗面などといった各種被着体に対し、夏
場の高温下から冬場の低温下において、貼り合わせが良
好で、充分な保持力を持ち、かつ再剥離後、被着体に糊
残り、汚染を残さないアクリルエマルジョン型感圧接着
剤が得られる。
チル以外のアルキル基の炭素数が4〜12のアクリル酸
エステルを、感圧接着剤として要求される物性に応じて
アクリル酸n−オクチルと併用することができる。
酸エステルの具体例としては、アクリル酸ブチル、アク
リル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ヘプチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸n
−ノニル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸デシル、
アクリル酸ラウリルなどがあげられる。
具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル
酸などがあげられる。
例としては、以下のものがあげられる。
酸エステル たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸イソプロピルなどがあげられる。
リル酸アルキルエステル たとえばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸アミル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸ヘプチル、メタクリル酸n−オクチル、メタク
リル酸イソオクチル、メタクリル酸n−ノニル、メタク
リル酸イソノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸
ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸イソ
テトラデシル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステ
アリルなどがあげられる。
ル、メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル たとえばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリ
ル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロ
キシプロピルなどがあげられる。
ル、メタクリル酸アルコキシアルキルエステル たとえばアクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸
2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、
メタクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−ブト
キシエチル、メタクリル酸2−ブトキシエチルなどがあ
げられる。
リル酸グリシジルエステル
ド、メタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルア
ミド、イソプロピルアクリルアミド、N−メトキシブチ
ルアクリルアミドなどがあげられる。
る。
ク酸ビニルなどがあげられる。
酸n−オクチルを含む(A)成分、(B)成分および
(C)成分からなるモノマー混合物におけるそれらの割
合は、(A)成分が55〜98.9%、好ましくは59
〜97.5%、(B)成分が1〜10%、好ましくは2
〜8%、(C)成分が0.1〜5%、好ましくは0.5
〜3%、および(D)成分が0.01〜30%、好まし
くは0.01〜25%である。なお、(A)成分、
(B)成分および(C)成分のみからなる場合には、
(A)成分は85%以上であることが好ましく、89%
以上であることがより好ましい。
場合、凝集力が高くなりすぎるため被着体への粘着力が
低下し、98.9%よりも多い場合、凝集力が低下し、
高温時に接着剤層の凝集破壊が起こりやすく、被着体へ
の糊残りが生じやすくなるために耐汚染性が低下する。
は、共重合成分に対して10%以上含むことが必要であ
るが、15%以上であることが好ましく、20%以上で
あることがより好ましい。また、使用割合の上限は、感
圧接着剤として要求される物性に応じて異なるが、共重
合する他のモノマーの使用割合を考慮して98.9%で
ある。一方、10%より少ない場合、低温での被着体に
対する密着性、保持力が良好でなくなる。
は、たとえばアルキル基の炭素数が4〜12のアクリル
酸エステルを55%使用した場合には、全量が55%と
なるように10%以上のアクリル酸n−オクチルと45
%以下のアクリル酸n−オクチル以外の前記アクリル酸
エステルを、またアルキル基の炭素数が4〜12のアク
リル酸エステルを98.9%使用した場合には、全量が
98.9%となるように10%以上のアクリル酸n−オ
クチルと88.9%以下のアクリル酸n−オクチル以外
の前記アクリル酸エステルを使用することを意味する。
ロニトリルは、樹脂の凝集力を増大させ、耐熱性が向上
することにより、高温での粘着力の低下を抑制するとい
う効果を奏する。使用割合が1%より少ない場合、耐熱
性向上の効果が得られず、10%よりも多い場合、凝集
力が高くなりすぎて常温および低温での接着力が低下す
る。
い場合、接着剤の機械的安定性が低下し、5%よりも多
い場合、凝集力が高くなりすぎて常温および低温での粘
着力が低下する。また、エマルジョン製造時の重合性が
良好でない。
重合可能なモノマーは樹脂の凝集力を増大させる効果が
あり、(A)〜(C)成分と併用して凝集力の調整に用
いられる。(D)成分を用いる場合には、0.01重量
%より少ない場合、(D)成分を添加する効果が得られ
ず、(D)成分の使用割合が30%よりも多い場合、粘
着力が低下する。
剤として、アニオン性反応性乳化剤が使用される。
和結合をもつアニオン性のものであり、たとえば二重結
合とアニオン性基を持つものがあげられ、さらにエステ
ル基、エーテル基、水酸基などを有してもよい。前記ア
ニオン性基としては、たとえばスルホン酸基、カルボン
酸基、リン酸基、硫酸基、これらの塩などであり、エス
テル基としては、たとえばカルボン酸エステル、リン酸
エステル、スルホン酸エステルなどである。
乳化重合で用いられるが、アニオン性乳化剤と比較して
乳化力が低いことおよび重合安定性の点から、ノニオン
性乳化剤よりアニオン性乳化剤が好ましい。
は、以下に示す構造式のものがあげられる。
てもよいし、また、2種以上を組み合せて用いてもよ
い。
して乳化重合することにより、乳化剤の被着体への移行
が抑制され、本発明の接着剤を使用したテープなどの剥
離時に被着体が汚染されない。
ノマー成分((A)成分〜(D)成分)の合計量に対し
て0.2〜10%であることが好ましく、0.5〜5%
であることがより好ましい。0.2%より少ない場合、
乳化重合反応時に凝集物の発生が多くなり、10%より
多い場合、被着体への汚染性が懸念される。これら反応
性乳化剤としては、アデカリアソープSE−10N(旭
電化工業(株)製)、ラテムルS−180(花王(株)
製)、エレミノールJS−2(三洋化成工業(株)
製)、アクアロンHS−10(第一工業製薬(株)
製)、アントックスMS−60(日本乳化剤(株)製)
などがあげられる。
型感圧接着剤にリン酸エステル系乳化剤が含有される。
そのリン酸エステル系乳化剤を含有させる方法として
は、たとえば乳化重合の前または乳化重合中にリン酸エ
ステル系乳化剤を添加する方法や、乳化重合後に得られ
たエマルジョンにリン酸エステル系乳化剤を添加する方
法等が例示できる。本発明においては、これらのいずれ
の方法を用いても構わないが、被着体に対する保持力お
よびリン酸エステル系乳化剤の効果による粘着力の経時
変化の抑制といった本発明の感圧接着剤の特徴をバラン
スよく発揮させるためには、リン酸エステル系乳化剤を
乳化重合前に添加する方法が好ましい。
は、アルキルポリオキシエチレンリン酸アルキルフェノ
ールポリオキシエチレンリン酸、アルキルポリオキシエ
チレンリン酸塩、アルキルフェノールポリオキシエチレ
ンリン酸塩などがあげられる。
により、経時変化による粘着力の上昇が抑制され、再剥
離時に糊残り、紙破れなどを起こさない。
分((A)成分〜(D)成分)の合計量に対して0.1
〜10%であることが好ましく、0.5〜5%であるこ
とがより好ましい。0.1%より少ない場合は、経時変
化による粘着力の上昇の抑制の効果が得られず、10%
より多い場合は、被着体の汚染が懸念され、被着体に対
する保持力が低下する。これらのリン酸エステル系乳化
剤の例としては、東邦化学工業(株)製 フォスファノ
ールGB−520、RD−720、RS−710、花王
(株)製 エレクトロストリツパーKなどがあげられ
る。
開始剤、重合調整剤(分子量調整剤)、その他の添加剤
を加えることができる。
で用いられる非反応性乳化剤とを併用して用いることが
できる。非反応性乳化剤の具体例としては以下のものが
あげられる。
ウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、ア
ルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルス
ルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル
アリールエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル燐酸エステル塩、ポリオキシエチレン
アルキルアリールエーテル燐酸エステル塩などがあげら
れる。
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルア
リールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレン
ブロックポリマー、ポリオキシエチレングリコール脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テルなどがあげられる。
ン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライドな
どがあげられる。
ン、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどがあげられ
る。
対して5.0重量%以下であることが好ましく、3.0
重量%以下であることがより好ましい。5.0重量%よ
りも多い場合、耐汚染性を低下させる傾向がある。
アゾ系開始剤や過硫酸塩系開始剤があげられる。
ゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、メチル
エチルケトンペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t
−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化水素などがあげら
れる。
イソブチロニトリル、アゾビスシアノバレリアン酸、ア
ゾビスシアノペンタン酸、アゾビス−2−アミジノプロ
パンジヒドロクロライドなどがあげられる。
酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムな
どがあげられる。
とえばチオグリコール酸、ブチルメルカプタン、ドデシ
ルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ラウリルメル
カプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレート、2−
メルカプトエタノール、イソプロピルアルコール、メタ
ノールなどがあげられる。
には、乳化剤水溶液に重合開始剤の存在下で、各モノマ
ー成分、乳化剤と水からなるモノマーエマルジョンを加
えることによって行なわれるが、より好ましくは乳化剤
水溶液に重合開始剤を加え、これにモノマーエマルジョ
ンを滴下することによって行なわれる。この際、重合温
度は50〜90℃であることが好ましく、60〜80℃
であることがより好ましい。また、モノマーエマルジョ
ンの添加終了後、熟成反応を行なわせることが好まし
い。その際の反応温度は60〜90℃が好ましく、60
〜80℃がより好ましい。また、反応時間は2〜5時間
が好ましく、3〜4時間がより好ましい。
腐剤、防カビ剤、増粘剤、濡れ剤、消泡剤、粘着付与樹
脂、可塑剤などを配合して用いることができる。また、
pH調整剤として、アンモニア水、苛性ソーダ、苛性カ
リ、炭酸ナトリウムなどを用いることもできる。なお、
これらその他の添加剤は、乳化重合時だけでなく、乳化
重合終了後に添加することもできる。
脂に対して0.01〜3.0%であることが好ましく、
0.02〜2.0%であることがより好ましい。0.0
1%より少ない場合、添加剤の充分な効果が得られず、
3.0%より多い場合、被着体への汚染の原因となる傾
向がある。一方、粘着付与樹脂、可塑剤の添加量は、樹
脂に対して2.0〜20.0%であることが好ましく、
5.0〜15.0%であることがより好ましい。2.0
%より少ない場合、添加剤の充分な効果が得られず、2
0.0%より多い場合、被着体への汚染の原因となる傾
向がある。
ョン型感圧接着剤を製造することができる。
アクリルエマルジョン型感圧接着剤に硬化剤を配合し粘
着力を低下させて、2液型感圧接着剤として用いること
ができる。配合する硬化剤としては、エポキシ系化合
物、イソシアネート系化合物、メラミン系化合物、キレ
ート化合物があげられるが、ポットライフの長さからエ
ポキシ系化合物が好ましく、エポキシ系化合物のなかで
も2官能以上のものがより好ましい。エポキシ系化合物
の具体例としては、グリセロールグリシジルエーテル、
ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリ
トールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパ
ンポリグリシジルエーテルなどがあげられる。
ルジョン型感圧接着剤固形分に対して2%未満が好まし
い。2%以上の場合、接着剤が硬くなりすぎて被着体の
密着性、保持力が低下し、またポットライフが短くなる
傾向にある。
を説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定さ
れるものではない。
た反応器に、水160g、および乳化剤としてエレミノ
ールJS−2(三洋化成工業(株)製、反応性乳化剤)
を1.25g仕込み、60℃に昇温した。つぎに撹拌し
ながら、過硫酸アンモニウムの10%水溶液12gを加
えたのち、モノマー成分としてアクリル酸10g、アク
リル酸2−エチルヘキシル375g、アクリル酸n−オ
クチル100g、アクリロニトリル15g、エレミノー
ルJS−2(三洋化成工業(株)製、反応性乳化剤)を
11.25gおよびフォスファノールGB−520(東
邦化学工業(株)製、リン酸エステル系乳化剤)を1.
5g、および水215gからなるモノマーエマルジョン
を、滴下ロートにて反応容器内に4時間かけて連続滴下
した。この間、重合温度は60℃に保ち、滴下終了後6
5〜75℃で熟成反応を3.5時間行なった。反応後、
反応液を30℃に放冷し、25%アンモニア水5.5
g、および消泡剤としてサンノブコ(株)製フォマスタ
ーAPを0.18g添加し、不揮発分54.5重量%、
粘度3500mPa・s、pH7.5の水性エマルジョ
ンを得た。
紙基材に、乾燥後の塗膜の厚さが30μmになるように
塗工し、乾燥したのち、10mm×150mmに、また
後記のタック試験用に100mm×100mmに切断し
て、試験片を作製した。
て諸特性を測定または評価した。その結果を表2および
表4に示す。
7に準じて180度引き剥がし粘着力の測定を行なう。
後、65℃で24時間放置し、室温に戻した後、JIS
−Z−0237に準じて180度引き剥がし粘着力の測
定を行なう。
板およびに研磨剤#100で研磨した粗野なSUS板に
貼り付けた試験片の一方におもりを付け、60℃、5℃
雰囲気下で90度の角度に垂らすことにより一定時間の
剥がれ具合を次の基準で評価した。 A:全く剥がれず不動 B:一部剥がれて少し移動 C:かなり剥がれて大きく移動 D:完全に剥がれて落下
染が有るか、目視にて確認する。 ○:汚染なし △:わずかに汚染あり ×:全面に汚染あり
進試験機アトラス・ユーブコンにおいて60℃雰囲気、
紫外線照射下で4時間、40℃雰囲気、湿度90%下で
4時間の3サイクル、合計24時間放置した後の汚染の
状態を目視にて確認する。 ○:汚染なし △:わずかに汚染あり ×:全面に汚染あり
式ポールタック試験を行なう。(傾斜角度は30°)
オン性反応性乳化剤を用いた以外は実施例1と同様にし
て試験片を作製し、評価した。その結果を表2および表
4に示す。
に、EX−313(ナガセ化成工業(株)製、エポキシ
系硬化剤)を5.0g配合し、実施例1と同様にして試
験片を作製し、評価した。その結果を表4に示す。
び非反応性乳化剤を用いた以外は実施例1と同様にして
試験片を作製し、評価した。その結果を表6に示す。
S−2(スルホン酸ナトリウム塩型、純分40%) S−180A:花王(株)製、ラテムルS−180A
(スルホン酸アンモニウム塩型、純分42%) HS−10 :第一工業製薬(株)製、アクアロンHS
−10(硫酸エステルアンモニウム塩型、純分100
%) GB−520:東邦化学工業(株)製、フォスファノー
ルGB−520(アルキルポリオキシエチレンリン酸
塩、純分98%) RD−720:東邦化学工業(株)製、フォスファノー
ルRD−720(アルキルポリオキシエチレンリン酸
塩、純分96%) EX−313:ナガセ化成工業(株)製、デナコールE
X−313(グリセロールポリグリシジルエステル) RN−20 :第一工業製薬(株)製、アクアロンRN
−20(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル型
ノニオン性反応性乳化剤、純分100%) NE−30 :旭電化(株)製、アデカリアソープNE
−30(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル型
ノニオン性反応性乳化剤、純分100%) ES−70 :三洋化成工業(株)製、エレミノールE
S−70(ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル
硫酸エステルアンモニウム塩、純分80%) N−200 :三洋化成工業(株)製、ノニポール20
0(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル型ノニ
オン性乳化剤、純分100%)
以上のアクリル酸n−オクチル、1〜10%のアクリル
ニトリル/メタクリロニトリル、アニオン性反応性乳化
剤およびリン酸エステル系乳化剤を用いた場合は、高温
から低温での被着体に対する保持力が良好で、かつ再剥
離後、被着体に糊残り、汚染がない。また、耐候性も良
好である。
アクリル酸n−オクチルの併用では、高温では良好であ
るが低温での被着体に対する保持力が著しく低下する。
あるポールタック試験においても、比較例1〜4の場
合、常温、とくに低温で低下する。
凝集力が低下して高温での被着体での保持力低下や糊残
りなどの汚染が懸念されるが、本発明のアクリルエマル
ジョン型感圧接着剤を用いると、エマルジョン型の重合
方法から高重合度の樹脂が得られることと、アクリロニ
トリル/メタクリロニトリル併用のため充分な凝集力が
あり、表2および表4の結果の保持力(60℃)試験お
よび試験後汚染の確認試験に示すように良好な保持力を
示し、かつ糊残りを起こさない。
クリロニトリルを併用しない場合は、高温時の保持力が
著しく低下する。
2および表4に示すように前記の高温時の保持力および
耐候性が良好である。一方、表6の比較例6〜9のよう
に、ノニオン性反応性乳化剤および非反応性乳化剤を用
いた場合は、高温時の保持力が低下し、とくに耐候性が
著しく低下する。
ステル系乳化剤を用いた場合は、経時粘着力の上昇が少
なく再剥離性がよい。一方、比較例10のようにリン酸
エステル系乳化剤を用いない場合は、経時粘着力が初期
粘着力の約2倍に上昇する。
粘着力の上昇が抑制できるが、それにつれて被着体の保
持力が低下する懸念があった。しかし、本発明でリン酸
エステル系乳化剤を含有しているのにかかわらず保持力
が良好なのは、アクリロニトリル/メタクリロニトリル
を含有することによるものだと思われる。
硬化剤を用いた場合、粘着力が低下するが、アクリル酸
n−オクチルを併用した場合は低温での保持力、ポール
タックは良好である。それに比べ、アクリル酸n−オク
チルを併用しない場合、粘着力が大きく低下し、また低
温での被着体の保持力、ポールタックも低下する。
−オクチル、1〜10%のアクリロニトリル/メタクリ
ロニトリル、アニオン性反応性乳化剤およびリン酸エス
テル系粘着剤を用いた本発明は、高温から低温の広い温
度範囲で、被着体の密着性、保持力がよく、また再剥離
の際、経時変化による粘着力の上昇が少なく被着体への
汚染の問題がない。
着剤は、夏場の高温時から冬場の低温時の広い範囲の条
件下で平滑面、粗野面などといった種々の被着体に対し
て良好な密着性、保持力を示し、浮き上がったり、剥離
したりすることのないという優れた追従性をもち、か
つ、再剥離の際、経時変化による粘着力の上昇も少な
く、糊残りなどといった汚染の問題もないという顕著な
効果を奏する。
ベル、シートなどは、上記のような特徴を示すことから
作業性がよく。また、エマルジョン型であることから、
テープなどの作製時においても、溶剤型のように塗工乾
燥時の溶剤の揮発、回収の問題がなく、設備のコスト、
環境などの面からも非常に優れている。
Claims (8)
- 【請求項1】 (A)共重合成分に対して10重量%以
上のアクリル酸n−オクチルを含むアルキル基の炭素数
が4〜12のアクリル酸エステル55〜98.9重量
%、(B)アクリロニトリルおよび/またはメタクリロ
ニトリル1〜10重量%、(C)α,β−不飽和カルボ
ン酸0.1〜5重量%をアニオン性反応性乳化剤の存在
下で乳化重合して得られるアクリルエマルジョン、およ
びリン酸エステル系乳化剤を含有することを特徴とする
アクリルエマルジョン型感圧接着剤。 - 【請求項2】 前記(A)〜(C)成分に加えて、
(D)成分として(A)〜(C)成分と共重合可能なモ
ノマーを0.01〜30重量%含有する請求項1記載の
アクリルエマルジョン型感圧接着剤。 - 【請求項3】 リン酸エステル系乳化剤の含有量が、前
記(A)〜(D)成分の合計量に対して0.1〜10重
量%である請求項1または2に記載のアクリルエマルジ
ョン型感圧接着剤。 - 【請求項4】 請求項1、2または3記載のアクリルエ
マルジョン型感圧接着剤にさらに硬化剤を配合した2液
型感圧接着剤。 - 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載のアクリ
ルエマルジョン型感圧接着剤で感圧接着剤層を形成した
感圧接着剤製品。 - 【請求項6】 請求項1、2、3または4記載のアクリ
ルエマルジョン型感圧接着剤で感圧接着剤層を形成した
粘着テープ。 - 【請求項7】 請求項1、2、3または4記載のアクリ
ルエマルジョン型感圧接着剤で感圧接着剤層を形成した
粘着ラベル。 - 【請求項8】 請求項1、2、3または4記載のアクリ
ルエマルジョン型感圧接着剤で感圧接着剤層を形成した
粘着シート。
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