JP2016037505A - 粘着剤 - Google Patents

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進也 宮田
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Abstract

【課題】冬場の低温時において、密着性が良好で、かつ、再剥離性が良好で、特に溶剤をテープ上部に塗工された場合でも、耐溶剤性に優れ、糊残りや汚染を残さないアクリルエマルジョン型粘着剤を提供する。【解決手段】(A)(メタ)アクリル系共重合体100重量部あたり、(B)ポリブテン系可塑剤5重量部以上50重量部以下を含有し、前記(A)(メタ)アクリル系共重合体が、(A1)アクリル酸n−オクチル由来の構成単位:10phm以上、50phm以下、(A2)(メタ)アクリル酸由来の構成単位:0.5phm以上、10phm以下、(A3)前記(A1)及び(A2)以外の重合性単量体由来の構成単位:40phm以上、89.5phm以下の単量体由来の構成単位を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着テープ用、粘着ラベル用、粘着シート用などのアクリルエマルジョン型粘着剤に関する。さらに詳しくは、平滑面あるいは粗面などを有する種々の被着体に対し、冬場等の低温条件下でも、密着性が良好で、かつ、再剥離後、特に溶剤系塗料をテープ上から塗工された場合などに糊残り、汚染を残さないアクリルエマルジョン型粘着剤に関する。
粘着テープ、粘着ラベル、粘着シートに用いられる粘着剤は、おもに天然ゴム系を中心としたゴム系のものとアクリル系のものに分類される。ゴム系のものはタックに富み、常温および低温での粘着バランスに優れているが、耐熱性、耐候性が劣るため、アクリル系粘着剤が主流になりつつある。アクリル系粘着剤の利点としては、耐熱性、耐候性に優れ、また、共重合モノマーの選択により、様々な要求物性に応じてその特性を調整できることが挙げられる。
しかし、アクリル系粘着剤は、ゴム系に比べて低温において硬くなりやすく、タックが減少する。そのため、冬場の低温条件下では、被着体に対して常温時に比べて密着性、保持力が低下して、作業性などに問題が生じることがある。このような低温条件下での被着体に対する密着性や追随性を保持させるには、共重合体のガラス転移温度を低下させる方法が用いられ、例えば、アクリル酸2−エチルヘキシルを共重合する等の方法があるが、それでも低温時における被着体への密着性は十分とは言い難い。
また、粘着製品においては、マスキングテープに代表されるように、再剥離した場合の糊残り、汚染などが極力少ないほうが望ましい用途もある。
この低温時における密着性を改善する方法として、アクリル酸n−オクチルを用いた感圧接着剤(特許文献1)が知られており、また、再剥離性を改良する方法として、リン酸エステル系乳化剤を用いた感圧接着剤が知られている(特許文献2)。
特開2001−40313号公報 特開平01−263176号公報
ところで、粘着製品、特にマスキングテープでは、その使用目的からテープ上に溶剤系の塗料などが塗工されることが多く、粘着剤自体の耐溶剤性が必要となる場合がある。
特にアクリル系粘着剤においては、その構造からゴム系に比べ極性の溶剤である酢酸エチル、メチルメチルケトン等に対しては耐性が低い。このため、耐溶剤性を改良するためには、通常架橋剤を併用することが多いが、この場合、粘着剤が高分子量になるため流動性が低下し被着体表面へのなじみ(親和性)が低下し、密着性が劣ったり、逆に一旦密着すると接着性が発現して、糊残りが生じたりするおそれがある。
本発明は、これらの問題点を解決し、冬場などの低温条件下でも、密着性が良好で、かつ、再剥離性に優れ、特に溶剤をテープ上に塗工された場合でも、耐溶剤性に優れ、糊残りや汚染を残さないアクリルエマルジョン型粘着剤を提供することを課題としている。
すなわち、本発明は、(A)(メタ)アクリル系共重合体100重量部あたり、(B)ポリブテン系可塑剤5重量部以上50重量部以下を含有し、前記(A)(メタ)アクリル系共重合体が、(A1)アクリル酸n−オクチル由来の構成単位:10phm以上、50phm以下、(A2)(メタ)アクリル酸由来の構成単位:0.5phm以上、10phm以下、(A3)前記(A1)及び(A2)以外の重合性単量体由来の構成単位:40phm以上、89.5phm以下(但し、全構成単位の合計量を100phmとする)の各単量体由来の構成単位を有する粘着剤に関する。
本発明の粘着剤は、低温下でも十分なタックを有し、低温時の広い範囲の条件下で平滑面、粗面などを有する種々の被着体に対して良好な密着性を示す。また、糊残りが少なく、再剥離性に優れる。さらに、溶剤がテープ上から塗工された後に剥離した場合においても、糊残りが少なく、良好な耐溶剤性を示す。
本発明を用いる粘着テープ、ラベル、シートなどは、前記のような特徴を有していて作業性に優れ、特に溶剤を含む塗料が塗工されるマスキングテープなどにおいては有用である。また、エマルジョン型粘着剤は、粘着テープの製造時においても、溶剤型のように塗布後の乾燥時の溶剤の揮発、回収の問題がなく、設備のコスト、環境などの面からも非常に優れている。
この発明にかかる粘着剤は、(メタ)アクリル系共重合体(以下、「(A)成分」と称する場合がある。)とポリブテン系可塑剤(以下、「(B)成分」と称する場合がある。)を含有する粘着剤である。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
[(A)成分]
前記(メタ)アクリル系共重合体((A)成分)は、特定の(メタ)アクリル系単量体を含む重合性単量体の共重合体をいう。この特定の(メタ)アクリル系単量体を含む重合性単量体としては、アクリル酸n−オクチル(以下、「(A1)成分」と称する場合がある。)、(メタ)アクリル酸(以下、「(A2)成分」と称する場合がある。)、(A1)成分及び(A2)成分以外の重合性単量体(以下、「(A3)成分」と称する場合がある。)が挙げられる。
(A3)成分としては、アクリル酸n−オクチル以外のアルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸エステル、アルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸以外のα,β−不飽和カルボン酸、重合性のエポキシ化合物、重合性のアミド化合物、芳香族不飽和炭化水素、脂肪酸ビニルエステル等が挙げられる。
前記のアクリル酸n−オクチル以外のアルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸n−ノニル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル等が挙げられる。
前記のアルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸n−ノニル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸イソテトラデシル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−ブトキシエチル、メタクリル酸2−ブトキシエチル等が挙げられる。
前記の(メタ)アクリル酸以外のα,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸等が挙げられる。
前記重合性のエポキシ化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル等が挙げられる。
前記重合性のアミド化合物としては、例えば、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、N−メトキシブチルアクリルアミド等が挙げられる。
前記芳香族不飽和炭化水素としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
前記脂肪酸ビニルエステルとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の炭素数が2〜10程度の脂肪酸ビニルエステルが好適に用いられる。
前記の各(A3)成分の中でも、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いると、粘着力が高くなる点でさらに好ましい。
前記(A1)成分由来の構成成分の含有割合は、全構成単位の合計量を100phmとしたとき、10phm以上がよく、15phm以上が好ましく、20phm以上がより好ましい。10phm未満だと、低温での被着体に対する密着性が不十分になるおそれがある。一方、含有割合の上限は、50phmがよく、30phmが好ましい。50phmより多いと、耐溶剤性が低下する場合がある。
前記(A2)成分由来の構成成分の含有割合は、同じように、0.5phm以上がよく、1phm以上が好ましい。0.5phm未満だと、粘着力が不十分となる場合がある。一方、含有割合の上限は、10phmがよく、5phmが好ましい。10phmより多いと、低温タックが劣る傾向となる。
前記(A3)成分由来の構成成分の含有割合は、同じく、40phm以上がよく、65phm以上が好ましい。40phm未満だと、耐溶剤性が低下する場合がある。一方、含有割合の上限は、89.5phmがよく、70phmが好ましい。89.5phmより多いと、低温タックが劣る傾向となる。
なお、「phm」は、「per hundred monomer」の略であり、モノマー100重量部あたりの含有割合(重量部)をいう。
[(B)成分]
前記ポリブテン系可塑剤(B成分)とは、ポリブテンを主な構成単位とする可塑剤である。これを用いることにより、低温時のタックを増大させ被着体の密着性を向上させることが可能となる。塗料用の可塑剤としては、フタル酸系可塑剤が用いられるのが一般的であるが、ポリブテン系可塑剤はその構造から、極性の溶剤に対して耐性がある。そのため、ポリブテン系可塑剤をマスキングテープ等の粘着剤に用いた場合、テープ上から溶剤系塗料が塗工された場合でも、良好な耐溶剤性を保つことができる。
このポリブテン系可塑剤の数平均分子量は、500以上がよく、1000以上が好ましい。500より小さいと、耐溶剤性が低下する場合がある。一方、数平均分子量の上限は、3000がよく、2000が好ましい。3000より大きいと、低温タックが劣る傾向となる。
(B)成分の含有量は、(A)成分100重量部あたり、5重量部以上がよく、10重量部以上が好ましい。5重量部より少ないと、低温時のタックが十分でない場合がある。一方、含有量の上限は、50重量部がよく、30重量部が好ましい。50重量部より多いと、粘着力が低下する傾向がある。
[(C)成分]
この発明に係る粘着剤には、前記の(A)成分及び(B)成分以外に、必要に応じて、架橋剤(以下、「(C)成分」と称する場合がある。)を含有させてもよい。これを用いることにより、耐溶剤性を改良することができる。
この架橋剤としては、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、メラミン系化合物、キレート化合物があげられるが、ポットライフの長さからエポキシ系化合物が好ましく、エポキシ系化合物のなかでも2官能以上のものがより好ましい。エポキシ系化合物の具体例としては、グリセロールグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルなどがあげられる。
この(C)成分の使用量は、(A)成分100重量部あたり、0.1重量部以上がよく、0.5重量部以上が好ましい。0.1重量部未満だと、耐溶剤性が劣る場合がある。一方、使用量の上限は、2重量部がよく、1.5重量部が好ましい。2重量部より多いと、接着剤が硬くなりすぎて被着体の密着性、保持力が低下し、またポットライフが短くなる傾向がある。
[本発明に係る粘着剤の製造]
次に、この発明にかかる粘着剤の製造方法について説明する。
この発明にかかる粘着剤は、前記の通り、(A1)成分、(A2)成分及び(A3)成分を混合した単量体混合液を調製し、次いで、これを水性媒体中で乳化分散させ、乳化重合することによって、(A)成分であるアクリル共重合体の水性エマルジョンが得られる。次いで、これに(B)成分、及び必要に応じて(C)成分を添加、混合することにより、本発明の粘着剤を得ることができる。
前記単量体混合物を水性媒体中に、乳化剤を用いて乳化分散させる(以下、この工程を「乳化工程」と称する)際に使用する水性媒体とは、水や、水と水溶性溶媒との混合物等をいう。ここで水溶性溶媒とは、水と任意に混合する有機溶媒をいい、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール等が挙げられる。
前記乳化剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、及び両イオン性の乳化剤を用いることができる。前記アニオン性の乳化剤としては、オレイン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル燐酸エステル塩などが挙げられる。
前記ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
前記カチオン性乳化剤としては、ステアリルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
前記両イオン性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどが挙げられる。
これらの乳化剤の使用量は、(A1)〜(A3)成分の合計量に対して5.0重量%以下であることが好ましく、3.0重量%以下であることがより好ましい。5.0重量%よりも多い場合、耐汚染性を低下させることがある。
乳化分散時の温度は、0℃以上がよく、10℃以上が好ましい。一方で80℃以下がよく、60℃以下が好ましい。温度が高過ぎると(A)成分が重合したり、変性したりするおそれがある。
前記のようにして得られた乳化分散液を、ラジカル重合開始剤等を用い、常法に従って乳化重合することにより、(A)成分であるアクリル共重合体が得られる。
上記ラジカル重合開始剤としては、慣用のラジカル重合開始剤を用いることができ、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ系開始剤、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩系開始剤、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物系開始剤を用いることができる。また、有機過酸化物系開始剤や過硫酸塩系開始剤と、アスコルビン酸、ロンガリット又は亜硫酸金属塩等の還元剤を組み合わせたレドックス系重合開始剤も好ましく用いられる。前記ラジカル重合開始剤の使用量は、重合性単量体(A1)から(A3)成分の合計量に対して、0.1〜5重量%程度、好ましくは0.5〜2重量%程度とすればよい。
次いで、中和工程を行い、(A2)成分及び場合によっては(A3)成分に由来するカルボキシル基の少なくとも一部を中和してもよい。中和度を所定の範囲まで進めることで、得られるエマルジョンの保存安定性を改良したり、造膜性を改良する等の効果を得ることができる。これにより、(A)成分であるアクリル共重合体が得られる。
前記中和工程に用いられる中和剤としては、有機アミン化合物又はアルカリ金属水酸化物の塩基性化合物を挙げることができる。
前記中和工程で使用される塩基性化合物の量は、1当量以上1.5当量以下、すなわち、中和度100〜150%が好ましい。
また、必要に応じて重合度調整剤(分子量調整剤)を用いることができる。このような重合度調整剤としては、例えばチオグリコール酸、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレート、2−メルカプトエタノール等が挙げられる。
(メタ)アクリル系単量体の乳化重合は、好適には重合開始剤を含む乳化剤水溶液に、各モノマー成分、乳化剤と水からなるモノマーエマルジョンを加えることによって行なわれるが、モノマーエマルジョンを乳化剤水溶液に滴下することによって行うことが好ましい。この際、重合温度は50〜90℃であることが好ましく、60〜80℃であることがより好ましい。また、モノマーエマルジョンの添加終了後、熟成反応を行なわせることが好ましい。その際の反応温度は好ましくは60〜90℃、より好ましくは60〜80℃であり、反応時間は好ましくは2〜5時間、より好ましくは3〜4時間である。
その他の添加剤としては、必要に応じて防腐剤、防カビ剤、増粘剤、濡れ剤、消泡剤、粘着付与樹脂、可塑剤などを配合して用いることができる。また、pH調整剤として、アンモニア水、苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ナトリウムなどを用いることもできる。なお、これらその他の添加剤は、乳化重合時だけでなく、乳化重合終了後に添加することもできる。
このようにして得られたアクリルエマルジョン型の粘着剤を基材層の上に塗工することにより、粘着性積層体を得ることができ、これを粘着テープや粘着ラベルとして使用することができる。
次に、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。まず、原材料について説明する。
[原材料]
<単量体>
・アクリル酸2−エチルヘキシル…三菱化学(株)製、以下、「2EHA」と略する。
・アクリル酸ノルマルオクチル…大阪有機化学(株)製、以下、「n−OA」と略する。
・アクリル酸…三菱化学(株)製、以下、「AA」と略する。
<乳化剤>
・SR−1025…(株)ADEKA製:アデカリアソープSR−1025(エーテルサルフェート型アニオン界面活性剤)(不揮発分:25%)
<重合開始剤>
・過硫酸アンモニウム・・・(株)ADEKA製;「APS」と略する。
<ポリブテン系可塑剤>
・エマウェット30E・・・(株)日油製;(不揮発分50%)、ポリブテンの数平均分子量:1350
・エマウェット200E・・・(株)日油製;(不揮発分50%)、ポリブテンの数平均分子量:2650
<エポキシ系架橋剤>
・EX−614B:ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−614B(グリセロールポリグリシジルエステル)
[評価・測定]
<粘着力・低温ボールタック・耐溶剤性の測定>
(試料(粘着テープ)の作製)
得られた粘着剤を、乾燥後の塗膜の厚さが30μmになるようにアプリケーターを用いて紙基材に塗工し、乾燥したのち、10mm×150mm(粘着力測定用、耐溶剤性評価用)に、又は100mm×100mm(ボールタック試験用)に切断して、試験片を作製する。
得られた試験片を用いて、以下のようにして諸特性を測定または評価した。
(粘着力の測定)
被着体をSUS板とし、JIS−Z−0237に従って180度引き剥がし粘着力の測定を行なった。
(低温ボールタック)
5℃雰囲気下でJIS−Z−0237に従って、傾斜角度を30°として傾斜式ボールタック試験を行った。
(耐溶剤性)
被着体をSUS板として試験片を貼り、その試験片の上から酢酸エチルを刷毛で塗布した。塗布10分後に、試験片を剥離し被着体に糊残りなどの汚染があるか目視にて確認した。
○:糊残りなし。
△:わずかに糊残りあり。
×:全面に糊残りあり。
[製造例1]アクリル共重合体エマルジョンの製造
撹拌装置、還流冷却管、温度計および滴下ロートを備えた反応器に、水32重量部および乳化剤としてアデカリアソープSR−1025((株)ADEKA製、アニオン性乳化剤)0.4重量部を仕込み、60℃に昇温した。つぎに撹拌しながら、過硫酸アンモニウム10%水溶液2.4重量部を加えたのち、モノマー成分として(A2)アクリル酸(AA)2重量部、(A3)アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)78重量部、(A1)アクリル酸n−オクチル(n−OA)20重量部、アデカリアソープSR−1025((株)ADEKA製、アニオン性乳化剤)10重量部および水43重量部からなるモノマーエマルジョンを滴下ロートにて反応容器内に4時間かけて連続的に滴下した。この間、重合温度は60℃に保ち、滴下終了後65〜75℃で熟成反応を3.5時間行なった。反応後、反応液を30℃に放冷し、25%アンモニア水1.1重量部を添加し、不揮発分54.5%の水性エマルジョン(AE1)を得た。結果を表1に示す。
[製造例2〜3]
表1に示す種類と量のモノマー成分、乳化剤を用いた以外は実施例1と同様にして水性エマルジョン(AE2、AE3)を得た。結果を表1に示す。
Figure 2016037505
[実施例1]
AE1(不揮発分54.4%)に100重量部に対してポリブテン系可塑剤エマウェット30E(不揮発分50.0%)15重量部を混合して粘着剤を得た。
得られた粘着剤を用いて、前記の各測定を行った。結果を表2に示す。
[実施例2〜5]
表2に示すアクリル共重合体およびポリブテン系可塑剤、エポキシ系架橋剤を用いた以外は実施例1と同様にして試験片を作製し、評価した。その結果を表2に示す。
(比較例1〜3)
表2に示すアクリル共重合体およびポリブテン系可塑剤、エポキシ系架橋剤を用いた以外は実施例1と同様にして試験片を作製し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 2016037505
(結果)
実施例1からわかるように、10phm以上の(A1)アクリル酸n−オクチル、(B)ポリブテン系可塑剤を使用した場合は、低温でのタックが高く、かつ耐溶剤性が良好である。
さらに、実施例2〜5からわかるように、10phm以上の(A1)アクリル酸n−オクチル、(B)ポリブテン系可塑剤に加え、さらに(C)架橋剤を使用した場合は、耐溶剤性がさらに良好である。
一方、比較例1のようにポリブテン系可塑剤を用いない場合または低温タック、耐溶剤性が良くない。
また、比較例2において、ポリブテン系可塑剤が5%以下で架橋剤を用いない場合は、耐溶剤性が良くない。
さらに、比較例3において、(A1)アクリル酸n−オクチルを含まないアクリル共重合体エマルジョンを用いない場合は、低温タックが良くない。

Claims (6)

  1. (A)(メタ)アクリル系共重合体100重量部あたり、(B)ポリブテン系可塑剤5重量部以上50重量部以下を含有し、
    前記(A)(メタ)アクリル系共重合体が、以下の単量体由来の構成単位を有する粘着剤。
    (A1)アクリル酸n−オクチル由来の構成単位:10phm以上、50phm以下。
    (A2)(メタ)アクリル酸由来の構成単位:0.5phm以上、10phm以下。
    (A3)前記(A1)及び(A2)以外の重合性単量体由来の構成単位:40phm以上、89.5phm以下。
    (但し、全構成単位の合計量を100phmとする。(phmは、「per hundred monomer」の略))
  2. 前記(A3)に相当する重合性単量体が、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである請求項1に記載の粘着剤。
  3. 前記(B)ポリブテン系可塑剤の数平均分子量が500〜3000である請求項1又は2に記載の粘着剤。
  4. 更に、(C)架橋剤を0.1〜2重量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着剤。
  5. 請求項1〜4にいずれか1項に記載の粘着剤からなる層を基材層上に有する粘着性積層体。
  6. 粘着テープ又は粘着ラベルを構成する一部又は全部である請求項5に記載の粘着性積層体。
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