JP2001039362A - 履帯シール装置及びこれに用いるシール - Google Patents

履帯シール装置及びこれに用いるシール

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JP2001039362A
JP2001039362A JP11218800A JP21880099A JP2001039362A JP 2001039362 A JP2001039362 A JP 2001039362A JP 11218800 A JP11218800 A JP 11218800A JP 21880099 A JP21880099 A JP 21880099A JP 2001039362 A JP2001039362 A JP 2001039362A
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bush
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JP11218800A
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Hideki Akita
秀樹 秋田
Wataru Idezu
渉 出津
Kazuyoshi Hatano
和好 波多野
Shunsuke Shimakura
俊輔 島倉
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮方向の荷重に対するシールの耐久性を高
めることができ、シール性能を長期に亘って良好に安定
させることができるようにした履帯シール装置及びこれ
に用いるシールを提供する。 【解決手段】 各トラックリンク8の外側リンク部9と
ブッシュ11との間に画成される環状のシール収納空間
内に、外側リンク部9の環状のシール収納空間を形成す
る周面と側面に接触する環状外周部23と、ブッシュ1
1の外周面と外側リンク部9の環状のシール収納空間を
形成する側面とに接触する環状内周部24と、環状外周
部23と環状内周部24とのブッシュ11側を連結し、
ブッシュ11の端面に接触する凹み部26を有する環状
側片部25と、環状外周部23と環状内周部24と環状
側片部25とにより形成される環状の歪み許容空間27
とからなるシール22を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル、油圧クレーン等の装軌式車両に用いて好適な履帯シ
ール装置及びこれに用いるシールに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の装軌式車両に
用いられる履帯は、長手方向一側に外側リンク部が形成
されると共に長手方向他側に内側リンク部が形成された
左,右のトラックリンクと、前記各トラックリンクの内
側リンク部間に設けられ左,右方向の両端側が前記外側
リンク部と対向して配置されたブッシュと、前記ブッシ
ュ内に挿入して設けられ左,右方向の両端側が前記外側
リンク部に嵌合して連結された連結ピンと、前記各トラ
ックリンクの外側リンク部とブッシュとの間に設けられ
たシール装置とを備えている(実開昭48−27535
号公報、実開昭49−113342号公報等)。
【0003】この種の従来技術による履帯は、遊動輪と
駆動輪との間に巻回して設けられ、駆動輪を走行用の油
圧モータ等によって回転駆動することにより、履帯を遊
動輪と駆動輪との間で周回動作させ、車体を前,後方向
等に走行させる。
【0004】また、この従来技術にあっては、ブッシュ
とトラックリンクの外側リンク部との間にウレタンゴム
等からなるゴムシールを装着し、このゴムシールによっ
て走行時にブッシュと連結ピンとの間に土砂が侵入する
のを防止すると共に、両者間を潤滑するグリースの漏洩
を防止する構成となっている。
【0005】また、他の従来技術では、前述したゴムシ
ールの代わりにブッシュとトラックリンクの外側リンク
部との間にばね鋼からなる皿ばねを設けることによっ
て、両者間をシールする構成としたものが知られてい
る。
【0006】この従来技術は、履帯の周回動作時に皿ば
ねがトラックリンクの端面とブッシュの端面とに摺接す
ることにより、互に隣り合うトラックリンク間に適度な
摺動抵抗を与え、履帯が上,下に大きくばたつく事態を
防止している。
【0007】さらに、別の従来技術では、連結ピンには
トラックリンクとブッシュとの間に位置してリング状の
スペーサを挿嵌して設け、このスペーサの外周側には、
ブッシュの端面に摺接するリップシールと、このリップ
シールをブッシュ側に弾性的に押圧する負荷リングとを
設ける構成としたものが知られている(特開平2−93
170号公報等)。
【0008】この従来技術では、トラックリンクとブッ
シュとの間で作用するスラスト荷重をスペーサによって
支持することにより、このスラスト荷重がリップシール
側に直接作用するのを防止し、リップシールの耐久性等
を高めている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、ゴムシールをブッシュとトラックリンクの
外側リンク部との間に圧縮状態で装着し、このゴムシー
ルをブッシュの端面に弾性的に摺接させる構成としてい
る。
【0010】そして、ゴムシールのシール機能をさらに
高めるために、ブッシュとトラックリンクとの間でゴム
シールに加える圧縮荷重を大きくし、ブッシュの端面に
摺接するゴムシールの面圧を高くしている。
【0011】しかし、実開昭48−27535号公報等
に示される従来技術にあっては、ゴムシールに加える圧
縮荷重を必要以上に大きく設定すると、履帯の周回動作
時には、ゴムシールとブッシュとの間で大きな摺動抵抗
が発生し、ゴムシールのシール面が早期に摩耗して、シ
ール機能が低下する原因になるという問題がある。
【0012】特に、弾性体からなるゴムシールに圧縮荷
重を長期に亘って付加し続けると、ゴムシールは疲労
し、塑性変形(永久変形)してしまう虞れがあり、この
場合にはゴムシールがブッシュとの間で摩耗すると、摩
耗した分だけゴムシールとブッシュとの間に隙間が生
じ、シール機能が損なわれるという問題がある。
【0013】また、他の従来技術では、皿ばねの端部を
ブッシュの端面とトラックリンクの端面に線接触させる
構成としているため、安定したシール性が得られないば
かりか、皿ばねには錆等の腐食が生じ易く、シール機能
が低下するという問題がある。また、このシール性能の
低下により、走行中に履帯がばたつくという現象も生じ
易い。
【0014】さらに、特開平2−93170号公報等に
示される別の従来技術では、樹脂材料等の弾性体からな
る負荷リングによって、リップシールに対し圧縮方向の
荷重を付加する構成としているため、リップシールとブ
ッシュとの間で発生する摺動抵抗を必ずしも十分には大
きくできず、走行時に履帯が上,下にばたつき易く走行
性等が低下するという問題がある。
【0015】さらに、近年、この種の装軌式車両におい
ては、例えば盗難防止のために、作業現場から管理可能
な場所に移動させたり、また作業場所の変更に伴い、他
の場所に移動させる機会が増加してきた。その結果、装
軌式車両は、必要以上に自走することになるので、トラ
ックリンクとブッシュとの間に挿嵌したシールに多大な
摺動抵抗が作用し、前述した従来技術のシールでは、そ
のシール機能が短期間で低下してしまい、長寿命化を得
ることができないという問題がある。
【0016】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
てなされたもので、本発明は、圧縮方向の荷重に対する
シールの耐久性を高めることができ、シール性能を長期
に亘って良好に安定させることができるようにした履帯
シール装置及びこれに用いるシールを提供することを目
的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明は、長手方向一側に外側リンク
部が形成されると共に長手方向他側に内側リンク部が形
成され、互いに無端状に連結されるトラックリンクと、
前記各トラックリンクの内側リンク部間に設けられ、両
端側が前記外側リンク部と対向して配置されたブッシュ
と、前記ブッシュ内に挿入して設けられ、両端側が前記
外側リンク部に嵌合して連結された連結ピンとからなる
履帯において、前記各トラックリンクの外側リンク部と
ブッシュとの間に画成される環状のシール収納空間内
に、前記外側リンク部の環状のシール収納空間を形成す
る周面と側面に接触する環状外周部と、前記ブッシュの
外周面と前記外側リンク部の環状のシール収納空間を形
成する側面とに接触する環状内周部と、前記環状外周部
と前記環状内周部とのブッシュ側を連結し、前記ブッシ
ュの端面に接触する凹み部を有する環状側片部と、前記
環状外周部と前記環状内周部と環状側片部とにより形成
される環状の歪み許容空間とからなるシールを設けたこ
とを特徴とする履帯シール装置にある。
【0018】上述した請求項1の発明によれば、シール
が圧縮された状態で、環状のシール収納空間内に装着さ
れた場合、歪み許容空間におけるブッシュ軸方向の空間
に比べてブッシュ径方向の空間が大きく縮められる。そ
の結果、特に環状外周部と環状側片部の外周部と、前記
環状内周部と環状側片部の内周部は、環状側片部の中間
部に比べてブッシュ軸方向に大きな圧縮反力を生起す
る。これにより、環状外周部及び環状内周部の端面は、
前記外側リンク部の環状のシール収納空間を形成する側
面に接触してシール面を構成し、また環状側片部の外周
部と内周部は、その中間部に比べてブッシュ端面に対し
て大きな押圧力で接触してシール面を構成する。
【0019】また、請求項2の発明は、長手方向一側に
外側リンク部が形成されると共に長手方向他側に内側リ
ンク部が形成され、互いに無端状に連結されるトラック
リンクと、前記各トラックリンクの内側リンク部間に設
けられ、両端側が前記外側リンク部と対向して配置され
たブッシュと、前記ブッシュ内に挿入して設けられ、両
端側が前記外側リンク部に嵌合して連結された連結ピン
とからなる履帯において、前記各トラックリンクの外側
リンク部とブッシュとの間に画成される環状のシール収
納空間内に、前記外側リンク部の環状のシール収納空間
を形成する周面と側面に接触する環状外周部と、前記ブ
ッシュの外周面と前記外側リンク部の環状のシール収納
空間を形成する側面とに接触する環状内周部と、前記環
状外周部と前記環状内周部とのブッシュ側を連結する第
1の環状側片部と、前記第1の環状側片部に取付けら
れ、前記ブッシュの端面に接触する凹み部を有する第2
の環状側片部と、前記環状外周部と前記環状内周部と第
1の環状側片部とにより形成される環状の歪み許容空間
とからなるシールを設けたことを特徴とする履帯シール
装置にある。
【0020】上述した請求項2の発明によれば、シール
が圧縮された状態で、環状のシール収納空間内に装着さ
れた場合、歪み許容空間におけるブッシュ軸方向の空間
に比べてブッシュ径方向の空間が大きく縮められる。そ
の結果、特に環状外周部と環状側片部の外周部と、前記
環状内周部と第1の環状側片部の内周部は、第1の環状
側片部の中間部に比べてブッシュ軸方向に大きな圧縮反
力を生起する。これにより、環状外周部及び環状内周部
の端面は、前記外側リンク部の環状のシール収納空間を
形成する側面に接触してシール面を構成し、また第1の
環状側片部の外周部と内周部は、その中間部に比べてブ
ッシュ端面に対して第2の環状側片部を大きな押圧力で
接触してシール面を構成する。また、第2の環状側片部
は、ブッシュ端面との耐摩耗性及び潤滑性の機能を有し
ている。
【0021】さらに、請求項3の発明は、長手方向一側
に外側リンク部が形成されると共に長手方向他側に内側
リンク部が形成され、互いに無端状に連結されるトラッ
クリンクと、前記各トラックリンクの内側リンク部間に
設けられ、両端側が前記外側リンク部と対向して配置さ
れたブッシュと、前記ブッシュ内に挿入して設けられ、
両端側が前記外側リンク部に嵌合して連結された連結ピ
ンと、前記各トラックリンクの外側リンク部とブッシュ
との間に画成される環状のシール収納空間内に設けられ
るシール装置とからなる履帯シール装置において、前記
シール装置を構成するシールは、前記外側リンク部の環
状のシール収納空間を形成する周面と側面に接触する環
状外周部と、前記ブッシュの外周面と前記外側リンク部
の環状のシール収納空間を形成する側面とに接触する環
状内周部と、前記環状外周部と前記環状内周部とのブッ
シュ側を連結し、前記ブッシュの端面に接触する凹み部
を有する環状側片部と、前記環状外周部と前記環状内周
部と環状側片部とにより形成される環状の歪み許容空間
とを備えることを特徴とする履帯シール装置のシールに
ある。
【0022】上述した請求項3の発明によれば、シール
が圧縮された状態で、環状のシール収納空間内に装着さ
れた場合、歪み許容空間におけるブッシュ軸方向の空間
に比べてブッシュ径方向の空間が大きく縮められる。そ
の結果、特に環状外周部と環状側片部の外周部と、前記
環状内周部と環状側片部の内周部は、環状側片部の中間
部に比べてブッシュ軸方向に大きな圧縮反力を生起す
る。これにより、環状外周部及び環状内周部の端面は、
前記外側リンク部の環状のシール収納空間を形成する側
面に接触してシール面を構成し、また環状側片部の外周
部と内周部は、その中間部に比べてブッシュ端面に対し
て大きな押圧力で接触してシール面を構成する。また、
この発明のシールは、製造簡単で安価である。
【0023】また、請求項4の発明は、長手方向一側に
外側リンク部が形成されると共に長手方向他側に内側リ
ンク部が形成され、互いに無端状に連結されるトラック
リンクと、前記各トラックリンクの内側リンク部間に設
けられ、両端側が前記外側リンク部と対向して配置され
たブッシュと、前記ブッシュ内に挿入して設けられ、両
端側が前記外側リンク部に嵌合して連結された連結ピン
と、前記各トラックリンクの外側リンク部とブッシュと
の間に画成される環状のシール収納空間内に設けられる
シール装置とからなる履帯シール装置において、前記シ
ール装置を構成するシールは、前記各トラックリンクの
外側リンク部とブッシュとの間に画成される環状のシー
ル収納空間内に、前記外側リンク部の環状のシール収納
空間を形成する周面と側面に接触する環状外周部と、前
記ブッシュの外周面と前記外側リンク部の環状のシール
収納空間を形成する側面とに接触する環状内周部と、前
記環状外周部と前記環状内周部とのブッシュ側を連結す
る第1の環状側片部と、前記第1の環状側片部に取付け
られ、前記ブッシュの端面に接触する凹み部を有する第
2の環状側片部と、前記環状外周部と前記環状内周部と
第1の環状側片部とにより形成される環状の歪み許容空
間とを備えるからなるシール体を設けたことを特徴とす
る履帯シール装置のシール。
【0024】上述した請求項4の発明によれば、シール
が圧縮された状態で、環状のシール収納空間内に装着さ
れた場合、歪み許容空間におけるブッシュ軸方向の空間
に比べてブッシュ径方向の空間が大きく縮められる。そ
の結果、特に環状外周部と環状側片部の外周部と、前記
環状内周部と第1の環状側片部の内周部は、第1の環状
側片部の中間部に比べてブッシュ軸方向に大きな圧縮反
力を生起する。これにより、環状外周部及び環状内周部
の端面は、前記外側リンク部の環状のシール収納空間を
形成する側面に接触してシール面を構成し、また第1の
環状側片部の外周部と内周部は、その中間部に比べてブ
ッシュ端面に対して第2の環状側片部を大きな押圧力で
接触してシール面を構成する。また、第2の環状側片部
は、ブッシュ端面との耐摩耗性及び潤滑性の機能を有し
ている。また、この発明のシールは、製造簡単で安価で
ある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の履帯シール装置お
よびシールの実施の形態を油圧ショベルに適用した場合
を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0026】ここで、図1ないし図6は本発明の第1の
実施の形態を示し、図1におて、1は油圧ショベルの走
行体である。この走行体1は、前後方向に伸長した左,
右のサイドフレーム2A(一方のみ図示)等を備えたト
ラックフレーム2と、このトラックフレーム2のサイド
フレーム2A両端側にそれぞれ設けられた遊動輪3、駆
動輪4と、この遊動輪3と駆動輪4との間に巻回された
後述の履帯7によって構成されている。
【0027】また、トラックフレーム2のサイドフレー
ム2Aには、履帯7をサイドフレーム2Aの上側で案内
する1個の上ローラ5と、履帯7をサイドフレーム2A
の下側で案内する複数の下ローラ6,6,…とが設けら
れている。
【0028】7は遊動輪3と駆動輪4との間に巻回して
設けられた履帯で、この履帯7は、図2、図3に示すよ
うに後述のトラックリンク8、ブッシュ11、連結ピン
12およびトラックシュー13等によって構成されてい
る。そして、履帯7は、各トラックリンク8の連結部分
に位置する後述のブッシュ11が駆動輪4に噛合し、こ
の状態で駆動輪4が回転駆動されることにより、遊動輪
3と駆動輪4との間で周回動作を行うものである。
【0029】8,8は左,右方向に対向して配設されて
互いに無端状に連結された左,右のトラックリンクで、
このトラックリンク8は、図3に示すように履帯7の長
手方向に沿って伸長している。そして、トラックリンク
8の長手方向一端側には、外側リンク部9が形成されて
いる。この外側リンク部9には、図4に示すように連結
ピン12が挿通されるピン挿通孔9Aと、このピン挿通
孔9Aから径方向に向けて拡径し後述のシール装置21
が装着される段付穴9Bとが形成されている。
【0030】また、トラックリンク8の長手方向他端側
には、図4に示すように内側リンク部10が形成されて
いる。この内側リンク部10には、後述のブッシュ11
が挿嵌されるブッシュ挿嵌孔10Aが形成されている。
【0031】11は各トラックリンク8の内側リンク部
10間に設けられ、内周側に連結ピン12が挿入される
ブッシュで、このブッシュ11は、図4に示すように各
内側リンク部10のブッシュ挿嵌孔10A内に圧入状態
で挿嵌されている。その左,右方向の両端側はそれぞれ
外側リンク部9の段付穴9B内にシール収納空間を形成
するように挿入されている。
【0032】12は隣り合うトラックリンク8,8間を
互いにピン結合した連結ピンで、この連結ピン12は、
図4に示すようにブッシュ11内に微小な隙間をもって
挿入されている。その左,右方向の両端側は、外側リン
ク部9のピン挿通孔9A内に圧入状態で嵌合されてい
る。また、この連結ピン12とブッシュ11との間の隙
間内にはグリース等の潤滑油が充填され、この潤滑油に
よって連結ピン12をブッシュ11に対して円滑に相対
回転させる構成となっている。
【0033】13は左,右のトラックリンク8,8に設
けられた金属板からなるトラックシューで、このトラッ
クシュー13は、図4に示すように各トラックリンク8
の外側(履帯7の外周側)に固着され、左,右のトラッ
クリンク8,8を一体に連結すると共に、履帯8の接地
面を構成している。
【0034】21,21は左,右のシール装置で、この
シール装置21は、図4及び図5に示すようにトラック
リンク8における外側リンク部9の段付穴9Bとブッシ
ュ11と連結ピン12とによって画成されるシール収納
空間内に収納されるように連結ピン12の外周側に挿嵌
されている。そして、このシール装置21は、後述の環
状のシール22によって構成され、ブッシュ11と連結
ピン12との間に土砂等の異物が侵入するのを遮断する
と共に、両者間の隙間内にグリースを封止する構成とな
っている。
【0035】図5において、22はトラックリンク8に
おける外側リンク部9の段付穴9Bとブッシュ11と連
結ピン12とによって画成されるシール収納空間内に圧
縮状態で装着された環状のシールで、この環状のシール
22は、図5、図6に示すように外側リンク部9におけ
る段付穴9Bの奥所側端面と内周面とに当接する環状外
周部23と、外側リンク部9における段付穴9Bの奥所
側端面と連結ピン12の外周面とに当接する環状内周部
24と、前記環状外周部23と前記環状内周部24との
ブッシュ11側を連結する環状側片部25と、前記環状
側片部25のブッシュ11側の面に形成され、前記ブッ
シュ11の端面が当接する凹み部26と、前記環状外周
部23と前記環状内周部24と前記環状側片部25とに
より断面の中間位置に形成された環状の歪み許容空間2
7とで構成されている。
【0036】前述した歪み許容空間27はこの実施の形
態では図6に示すように4片を円弧で接続して形成され
る断面四角形状としいる。この歪み許容空間27は成形
時にこの断面形状と同じ環状の中子を用いることによっ
て成形可能である。また、前記環状外周部23の内周面
と前記環状内周部24の外周面との接触面は、前記中子
をシール22から取出すためのものである。
【0037】前述した環状のシール22の材料として
は、例えばウレタンゴム、ニトリルゴム等の弾性樹脂材
料が用いられる。
【0038】なお、図1において、28は走行体1上に
旋回可能に設けられた旋回体、29はこの旋回体24の
前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置である。
【0039】本発明のシール装置の実施の形態を備えた
油圧ショベルは、上述の如き構成を有するもので、路上
走行時には走行モータ(図示せず)によって駆動輪4を
回転駆動することにより、履帯7を遊動輪3と駆動輪4
との間で周回動作させ、これにより車体を前,後方向等
に走行させる。
【0040】次に、上述した本発明の実施の形態の作用
を説明する。図6に示す装着前のシール22を図5に示
すようにトラックリンク8における外側リンク部9の段
付穴9Bとブッシュ11と連結ピン12とによって画成
されるシール収納空間内に圧縮状態で装着すると、シー
ル22は全体的に圧縮されるが、特に前記環状外周部2
3と前記環状内周部24と前記環状側片部25とにより
形成された歪み許容空間27の存在により、シール22
の径方向中間部におけるその軸線方向の変位量よりもそ
の径方向外周部及び径方向内周部におけるその軸線方向
の変位量が大きくなる。
【0041】その結果、前記環状外周部23と前記環状
内周部24と前記環状側片部25の外側リンク部側の端
面は、それぞれ外側リンク部9における段付穴9Bの奥
所側端面に押圧されてシール面を構成し、また、前記環
状外周部23と前記環状内周部24とにおけるブッシュ
11側は、前記環状側片部25を介して前記環状側片部
25の外周部と内周部とを、それぞれ前記ブッシュ11
の外周部と内周部とに押圧し、前記ブッシュ11の外周
部と内周部とにそれぞれ押圧力の大きなシール面を構成
する。
【0042】上述したシール機能により、シール22
は、その外側リンク部9側及びそのブッシュ11側のそ
れぞれ径方向外周側と径方向内周側の合計4箇所に、他
の箇所よりも押圧力の大きなシール面を構成することが
できるので、そのシール性能を向上させることができ
る。
【0043】また、前述したシール22は、その断面形
状が簡単であるので、一体成形が可能であり、またその
製作費が安価である。
【0044】図7は本発明のシール装置の他の実施の形
態を示すもので、この図7において、図6に示す符号と
同符号のものは、同一または相当する部分である。この
実施の形態は、環状側片部25におけるブッシュ11側
に摺動部材28を設けて構成したものである。この摺動
部材28のブッシュ11側には、前述した実施の形態と
同様な凹み部29が設けられている。摺動部材28は接
着材もしくはモールド成形等により環状側片部25に固
定される。
【0045】前記の摺動部材28は、自己潤滑特性を有
し、なおかつ耐摩耗性を有するように、例えばウレタン
ゴムにフッ素樹脂を添加した材質で構成される。
【0046】この実施の形態によれば、前述した実施の
形態と同様にシール性を向上させることができるととも
に、摺動部材28を用いているので、シールの耐摩耗性
が向上し、長寿命化を図ることができる。
【0047】図8は本発明のシール装置のさらに他の実
施の形態を示すもので、この図8において、図6に示す
符号と同符号のものは、同一または相当する部分であ
る。この実施の形態は、シール22に形成される歪み許
容空間27の断面形状を菱形形状に構成したものであ
る。即ち、菱形形状の長手部分をシール22の径方向に
位置するように構成している。
【0048】この実施の形態によれば、前述した実施の
形態と同様な効果を奏することができる。
【0049】また、歪み許容空間27の断面形状は、上
述の実施の形態に限られず、例えば長径をシール22の
径方向に位置するようにした楕円形状に構成することも
可能である。
【0050】さらに、各実施の形態では、装軌式車両と
して油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本発明はこ
れに限らず、油圧クレーン等の装軌式車両にも広く適用
できるものである。
【0051】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、履帯を構成するトラックリンクの外側リンク部と
ブッシュとの間には、両者間に押圧力を大きくする複数
のシール面を構成したので、トラックリンク連結部のシ
ール性をさらに向上させることができる。また、履帯の
周回動作時には、環状シールにより外側リンク部とブッ
シュとの間に適度な摺動抵抗を与えることができ、従来
技術で述べたような履帯のばたつきを抑えて、履帯の動
きを安定化させることができる。
【0052】また、請求項2の発明では、摺動部材を用
いたことにより、請求項1の発明の効果に加えて、環状
のシールの耐久性を高めることができる。その結果、シ
ール装置の長寿命化を図ることができる。
【0053】また、請求項3及び請求項4の発明では、
環状のシールに対応する横断面形状が簡単であるので、
その製作が容易であり、その製作費が安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシール装置の第1の実施の形態を備え
る油圧ショベルを示す外観図である。
【図2】図1に示す油圧ショベルの履帯を拡大して示す
正面図である。
【図3】図2中の矢示III −III 方向から各トラックリ
ンク間の連結部をみた拡大断面図である。
【図4】図3中の矢示IV−IV方向から各トラックリンク
間の連結部をみた横断面図である。
【図5】図4に示す本発明のシール装置の実施の形態を
拡大して示す要部断面図である。
【図6】図4に示す本発明のシール装置を構成する環状
のシールを示す部分拡大断面図である。
【図7】本発明のシール装置を構成する環状のシールの
他の例を示す部分拡大断面図である。
【図8】本発明のシール装置を構成する環状のシールの
さらに他の例を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 走行体 3 遊動輪 4 駆動輪 7 履帯 8 トラックリンク 9 外側リンク部 10 内側リンク部 11 ブッシュ 12 連結ピン 21 シール装置 22 環状のシール 23 環状外周部 24 環状内周部 25 環状側片部 26 凹み部 27 歪み許容空間 28 摺動部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波多野 和好 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 島倉 俊輔 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向一側に外側リンク部が形成され
    ると共に長手方向他側に内側リンク部が形成され、互い
    に無端状に連結されるトラックリンクと、前記各トラッ
    クリンクの内側リンク部間に設けられ、両端側が前記外
    側リンク部と対向して配置されたブッシュと、前記ブッ
    シュ内に挿入して設けられ、両端側が前記外側リンク部
    に嵌合して連結された連結ピンとからなる履帯におい
    て、 前記各トラックリンクの外側リンク部とブッシュとの間
    に画成される環状空間内に、前記外側リンク部の環状空
    間を形成する周面と側面に接触する環状外周部と、前記
    ブッシュの外周面と前記外側リンク部の環状空間を形成
    する側面とに接触する環状内周部と、前記環状外周部と
    前記環状内周部とのブッシュ側を連結し、前記ブッシュ
    の端面に接触する凹み部を有する環状側片部と、前記環
    状外周部と前記環状内周部と環状側片部とにより形成さ
    れる環状の歪み許容空間とからなるシールを設けたこと
    を特徴とする履帯シール装置。
  2. 【請求項2】 長手方向一側に外側リンク部が形成され
    ると共に長手方向他側に内側リンク部が形成され、互い
    に無端状に連結されるトラックリンクと、前記各トラッ
    クリンクの内側リンク部間に設けられ、両端側が前記外
    側リンク部と対向して配置されたブッシュと、前記ブッ
    シュ内に挿入して設けられ、両端側が前記外側リンク部
    に嵌合して連結された連結ピンとからなる履帯におい
    て、 前記各トラックリンクの外側リンク部とブッシュとの間
    に画成される環状空間内に、前記外側リンク部の環状空
    間を形成する周面と側面に接触する環状外周部と、前記
    ブッシュの外周面と前記外側リンク部の環状空間を形成
    する側面とに接触する環状内周部と、前記環状外周部と
    前記環状内周部とのブッシュ側を連結する第1の環状側
    片部と、前記第1の環状側片部に取付けられ、前記ブッ
    シュの端面に接触する凹み部を有する第2の環状側片部
    と、前記環状外周部と前記環状内周部と第1の環状側片
    部とにより形成される環状の歪み許容空間とからなるシ
    ールを設けたことを特徴とする履帯シール装置。
  3. 【請求項3】 長手方向一側に外側リンク部が形成され
    ると共に長手方向他側に内側リンク部が形成され、互い
    に無端状に連結されるトラックリンクと、前記各トラッ
    クリンクの内側リンク部間に設けられ、両端側が前記外
    側リンク部と対向して配置されたブッシュと、前記ブッ
    シュ内に挿入して設けられ、両端側が前記外側リンク部
    に嵌合して連結された連結ピンと、前記各トラックリン
    クの外側リンク部とブッシュとの間に画成される環状空
    間内に設けられるシール装置とからなる履帯シール装置
    において、 前記シール装置を構成するシールは、前記外側リンク部
    の環状空間を形成する周面と側面に接触する環状外周部
    と、前記ブッシュの外周面と前記外側リンク部の環状空
    間を形成する側面とに接触する環状内周部と、前記環状
    外周部と前記環状内周部とのブッシュ側を連結し、前記
    ブッシュの端面に接触する凹み部を有する環状側片部
    と、前記環状外周部と前記環状内周部と環状側片部とに
    より形成される環状の歪み許容空間とを備えることを特
    徴とする履帯シール装置のシール。
  4. 【請求項4】 長手方向一側に外側リンク部が形成され
    ると共に長手方向他側に内側リンク部が形成され、互い
    に無端状に連結されるトラックリンクと、前記各トラッ
    クリンクの内側リンク部間に設けられ、両端側が前記外
    側リンク部と対向して配置されたブッシュと、前記ブッ
    シュ内に挿入して設けられ、両端側が前記外側リンク部
    に嵌合して連結された連結ピンと、前記各トラックリン
    クの外側リンク部とブッシュとの間に画成される環状空
    間内に設けられるシール装置とからなる履帯シール装置
    において、 前記シール装置を構成するシールは、前記各トラックリ
    ンクの外側リンク部とブッシュとの間に画成される環状
    空間内に、前記外側リンク部の環状空間を形成する周面
    と側面に接触する環状外周部と、前記ブッシュの外周面
    と前記外側リンク部の環状空間を形成する側面とに接触
    する環状内周部と、前記環状外周部と前記環状内周部と
    のブッシュ側を連結する第1の環状側片部と、前記第1
    の環状側片部に取付けられ、前記ブッシュの端面に接触
    する凹み部を有する第2の環状側片部と、前記環状外周
    部と前記環状内周部と第1の環状側片部とにより形成さ
    れる環状の歪み許容空間とを備えるからなるシール体を
    設けたことを特徴とする履帯シール装置のシール。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018008306A1 (ja) * 2016-07-07 2018-01-11 株式会社日立製作所 電磁ブレーキ装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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