JP2000168643A - 履帯及び履帯に用いるシール装置 - Google Patents

履帯及び履帯に用いるシール装置

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JP2000168643A
JP2000168643A JP10344670A JP34467098A JP2000168643A JP 2000168643 A JP2000168643 A JP 2000168643A JP 10344670 A JP10344670 A JP 10344670A JP 34467098 A JP34467098 A JP 34467098A JP 2000168643 A JP2000168643 A JP 2000168643A
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annular
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seal
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Kazuyoshi Hatano
和好 波多野
Shunsuke Shimakura
俊輔 島倉
Genroku Sugiyama
玄六 杉山
Wataru Idezu
渉 出津
Yoshiaki Sekiguchi
良明 関口
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラックリンクとブッシュとの間をシールす
る環状シールの圧縮方向に対する強度を高め、環状シー
ルの耐久性等を向上できるようにする。 【解決手段】 履帯7を構成するトラックリンク8の内
側リンク部10には、ブッシュ11を圧入状態で挿嵌す
る。また、このブッシュ11の内部には連結ピン12を
挿入し、この連結ピン12の両端側を相手方の外側リン
ク部9に圧入状態で挿嵌する。さらに、外側リンク部9
に形成したシール装着穴9Bには外側リンク部9とブッ
シュ11との間をシールするシール装置21を装着す
る。そして、シール装置21を構成する環状シール22
の内部には、この環状シール22よりもばね力の大きい
弾性材料によって形成された芯材23を埋設し、この芯
材23を環状シール22と一緒に弾性変形させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル、油圧クレーン等の装軌式車両に用いて好適な履帯及
び履帯に用いるシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の装軌式車両に
用いられる履帯は、長手方向一側に外側リンク部が形成
されると共に長手方向他側に内側リンク部が形成された
左,右のトラックリンクと、前記各トラックリンクの内
側リンク部間に設けられ左,右方向の両端側が前記外側
リンク部と対向して配置されたブッシュと、前記ブッシ
ュ内に挿入して設けられ左,右方向の両端側が前記外側
リンク部に嵌合して連結された連結ピンと、前記各トラ
ックリンクの外側リンク部とブッシュとの間に設けられ
たシール装置とを備えている(実開昭48−27535
号公報、実開昭49−113342号公報等)。
【0003】この種の従来技術による履帯は、遊動輪と
駆動輪との間に巻回して設けられ、駆動輪を走行用の油
圧モータ等によって回転駆動することにより、履帯を遊
動輪と駆動輪との間で周回動作させ、車体を前,後方向
等に走行させる。
【0004】また、この従来技術にあっては、ブッシュ
とトラックリンクの外側リンク部との間にウレタンゴム
等からなるゴムシールを装着し、このゴムシールによっ
て走行時にブッシュと連結ピンとの間に土砂が侵入する
のを防止すると共に、両者間を潤滑するグリースの漏洩
を防止する構成となっている。
【0005】また、他の従来技術では、前述したゴムシ
ールの代わりにブッシュとトラックリンクの外側リンク
部との間にばね鋼からなる皿ばねを設けることによっ
て、両者間をシールする構成としたものが知られてい
る。
【0006】この従来技術は、履帯の周回動作時に皿ば
ねがトラックリンクの端面とブッシュの端面とに摺接す
ることにより、互に隣り合うトラックリンク間に適度な
摺動抵抗を与え、履帯が上,下に大きくばたつく事態を
防止している。
【0007】さらに、別の従来技術では、連結ピンには
トラックリンクとブッシュとの間に位置してリング状の
スペーサを挿嵌して設け、このスペーサの外周側には、
ブッシュの端面に摺接するリップシールと、このリップ
シールをブッシュ側に弾性的に押圧する負荷リングとを
設ける構成としたものが知られている(特開平2−93
170号公報等)。
【0008】この従来技術では、トラックリンクとブッ
シュとの間で作用するスラスト荷重をスペーサによって
支持することにより、このスラスト荷重がリップシール
側に直接作用するのを防止し、リップシールの耐久性等
を高めている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、ゴムシールをブッシュとトラックリンクの
外側リンク部との間に圧縮状態で装着し、このゴムシー
ルをブッシュの端面に弾性的に摺接させる構成としてい
る。
【0010】そして、ゴムシールのシール機能をさらに
高めるために、ブッシュとトラックリンクとの間でゴム
シールに加える圧縮荷重を大きくし、ブッシュの端面に
摺接するゴムシールの面圧を高くしている。
【0011】しかし、実開昭48−27535号公報等
に示される従来技術にあっては、ゴムシールに加える圧
縮荷重を必要以上に大きく設定すると、履帯の周回動作
時には、ゴムシールとブッシュとの間で大きな摺動抵抗
が発生し、ゴムシールのシール面が早期に摩耗して、シ
ール機能が低下する原因になるという問題がある。
【0012】特に、弾性体からなるゴムシールに圧縮荷
重を長期に亘って付加し続けると、ゴムシールは疲労
し、塑性変形(永久変形)してしまう虞れがあり、この
場合にはゴムシールがブッシュとの間で摩耗すると、摩
耗した分だけゴムシールとブッシュとの間に隙間が生
じ、シール機能が損なわれるという問題がある。
【0013】また、他の従来技術では、皿ばねの端部を
ブッシュの端面とトラックリンクの端面に線接触させる
構成としているため、安定したシール性が得られないば
かりか、皿ばねには錆等の腐食が生じ易く、シール機能
が低下するという問題がある。
【0014】さらに、特開平2−93170号公報等に
示される別の従来技術では、樹脂材料等の弾性体からな
る負荷リングによって、リップシールに対し圧縮方向の
荷重を付加する構成としているため、リップシールとブ
ッシュとの間で発生する摺動抵抗を必ずしも十分には大
きくできず、走行時に履帯が上,下にばたつき易く走行
性等が低下するという問題がある。
【0015】さらに、近年、この種の装軌式車両は、盗
難防止のために、作業現場から管理可能な場所に移動さ
せることが必要になってきた。この場合、装軌式車両を
トラックで移送するには、その段取り作業が面倒である
ので、装軌式車両自体を自走させて、この装軌式車両を
目的とする場所に移動させることが行われている。その
結果、装軌式車両は、必要以上に自走することになるの
で、トラックリンクとブッシュとの間に挿嵌したシール
に多大な摺動抵抗が作用し、前述した従来技術のシール
では、そのシール機能が短期間で低下してしまい、長寿
命化を得ることができないという問題がある。
【0016】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
てなされたもので、本発明は、環状シールに補強用の芯
材を設けることにより、圧縮方向の荷重に対する環状シ
ールの耐久性を高めることができ、シール性能を長期に
亘って良好に安定させることができるようにした履帯及
び履帯に用いるシール装置を提供することを目的として
いる。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明による履帯は、長手方向一側に外側リン
ク部が形成されると共に長手方向他側に内側リンク部が
形成され、互いに無端状に連結される左,右のトラック
リンクと、前記各トラックリンクの内側リンク部間に設
けられ、左,右方向の両端側が前記外側リンク部と対向
して配置されたブッシュと、前記ブッシュ内に挿入して
設けられ、左,右方向の両端側が前記外側リンク部に嵌
合して連結された連結ピンと、前記各トラックリンクの
外側リンク部とブッシュとの間に位置して前記連結ピン
の外周側に設けられたシール装置とからなる。
【0018】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、シール装置は、弾性材料により環状に形成され
左,右の端面が外側リンク部の端面,ブッシュの端面に
それぞれ締代をもって接触する環状シールと、前記環状
シールよりも大きな弾性を有する弾性材料によって環状
に形成され、前記環状シールと一体に設けられて前記環
状シールと共に弾性変形する芯材とから構成したことに
ある。
【0019】このように構成したことにより、環状シー
ルと一体に設けられた芯材は、トラックリンクの外側リ
ンク部とブッシュとの間で環状シールに加えられる圧縮
方向の荷重(以下、圧縮荷重という)を受承し、環状シ
ールと一緒に弾性変形する。そして、芯材は環状シール
よりも大きな弾性を有する弾性材料によって形成される
ので、この芯材は、上述の如く弾性変形することによっ
て、環状シールよりも大きな弾性復元力を環状シールに
付与でき、環状シールの圧縮方向に対する耐疲労性能、
耐久性等を高めることができる。
【0020】また、請求項2の発明では、環状シール
を、外側リンク部とブッシュとに面接触する左,右の環
状部と、前記各環状部間に形成され圧縮方向の荷重によ
り撓み変形する中間連結部とからなり、前記芯材は少な
くとも前記環状シールの中間連結部に設ける構成として
いる。これにより、少なくとも環状シールの中間連結部
には芯材が設けられるので、この芯材により各環状部間
で撓み変形する中間連結部の強度を高めることができ
る。
【0021】また、請求項3の発明では、芯材を、環状
シールの内部に埋設され前記環状シールに対応する横断
面形状を有する構成としている。これにより、圧縮荷重
によって環状シールが弾性変形するときに、芯材を環状
シールと一体に弾性変形させ、環状シールの変形を均一
化でき、環状シールに偏荷重が作用するのを芯材によっ
て防止できる。
【0022】また、請求項4の発明では、環状シール
を、外側リンクとブッシュとに面接触する左,右の環状
部と、前記各環状部間に形成され圧縮方向の荷重により
撓み変形する中間連結部とからなり、前記芯材は前記各
環状部のうち少なくともいずれか一方の環状部に埋設さ
れたばね座金により構成してなる。これにより、ばね材
は、環状シールに作用する圧縮荷重によって環状シール
と一緒に弾性変形し、ばね力を発生するから、このばね
力によって環状シールの環状部の強度を高めることがで
きる。
【0023】また、請求項5の発明では、芯材を、環状
シールの内周面と外周面のうち少なくともいずれか一方
に設ける構成としている。これにより、芯材を焼付け等
の手段を用いて環状シールの内周面または外周面に容易
に取付けることができる。
【0024】さらに、請求項6の発明では、芯材を、M
字状またはW字状の横断面形状を有する構成としてい
る。請求項7の発明では、芯材を、U字状またはV字状
の横断面形状を有する構成としている。これにより、環
状シールに対する芯材の結合力を高めることができる。
【0025】さらに、請求項8の発明では、芯材にはブ
ッシュの端面に環状シールと共に摺接する摺接部を設け
る構成としている。これにより、芯材の摺接部をブッシ
ュの端面に対して積極的に摺接させることができ、環状
シールとブッシュとの間で発生する摩耗を低減すること
ができる。
【0026】一方、請求項9の発明による履帯に用いる
シール装置は、弾性材料により環状に形成され左,右の
端面が履帯を構成する左,右のトラックリンクの端面,
ブッシュの端面にそれぞれ締代をもって接触する環状シ
ールと、前記環状シールよりも大きな弾性を有する弾性
材料によって環状に形成され、前記環状シールと一体に
設けられて前記環状シールと共に弾性変形する芯材とか
ら構成してなる。
【0027】また、請求項10の発明は、環状シール
を、トラックリンクとブッシュとに面接触する左,右の
環状部と、前記各環状部間に形成され圧縮方向の荷重に
より撓み変形する中間連結部とからなり、芯材は少なく
とも前記環状シールの中間連結部に設ける構成としてい
る。
【0028】また、請求項11の発明は、芯材を、環状
シールの内部に埋設され前記環状シールに対応する横断
面形状を有する構成としている。
【0029】また、請求項12の発明は、環状シール
を、トラックリンクとブッシュとに面接触する左,右の
環状部と、前記各環状部間に形成され圧縮方向の荷重に
より撓み変形する中間連結部とからなり、芯材は前記各
環状部のうち少なくともいずれか一方の環状部に埋設さ
れたばね材により構成している。
【0030】また、請求項13の発明は、芯材を、環状
シールの内周面と外周面のうち少なくともいずれか一方
に設ける構成としている。請求項14の発明は、芯材
を、M字状またはW字状の横断面形状を有する構成とし
ている。請求項15の発明は、芯材を、U字状またはV
字状の横断面形状を有する構成としている。さらに、請
求項16の発明は、芯材には、ブッシュの端面に環状シ
ールと共に摺接する摺接部を設ける構成としている。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
履帯を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図
面に従って詳細に説明する。
【0032】ここで、図1ないし図6は本発明の第1の
実施の形態を示し、1は油圧ショベルの下部走行体で、
この下部走行体1は、前後方向に伸長した左,右のサイ
ドフレーム2A(一方のみ図示)等を備えたトラックフ
レーム2と、このトラックフレーム2のサイドフレーム
2A両端側にそれぞれ設けられた遊動輪3、駆動輪4
と、この遊動輪3と駆動輪4との間に巻回された後述の
履帯7によって構成されている。
【0033】また、トラックフレーム2のサイドフレー
ム2Aには、履帯7をサイドフレーム2Aの上側で案内
する1個の上ローラ5と、履帯7をサイドフレーム2A
の下側で案内する複数の下ローラ6,6,…とが設けら
れている。
【0034】7は遊動輪3と駆動輪4との間に巻回して
設けられた履帯で、この履帯7は、後述のトラックリン
ク8、ブッシュ11、連結ピン12およびトラックシュ
ー13等によって構成されている。そして、履帯7は、
各トラックリンク8の連結部分に位置する後述のブッシ
ュ11が駆動輪4に噛合し、この状態で駆動輪4が回転
駆動されることにより、遊動輪3と駆動輪4との間で周
回動作を行うものである。
【0035】8,8は左,右方向に対向して配設されて
互いに無端状に連結された左,右のトラックリンクで、
このトラックリンク8は、図3に示すように履帯7の長
手方向に沿って伸長している。そして、トラックリンク
8の長手方向一端側には、外側リンク部9が形成され、
この外側リンク部9には連結ピン12が挿通されるピン
挿通穴9Aと、このピン挿通穴9Aからブッシュ11側
に向けて拡径し後述のシール装置21が装着されるシー
ル装着穴9Bとが段付穴となって形成されている。
【0036】また、トラックリンク8の長手方向他端側
には内側リンク部10が形成され、この内側リンク部1
0には、後述のブッシュ11が挿嵌されるブッシュ挿嵌
穴10Aが形成されている。
【0037】11は各トラックリンク8の内側リンク部
10間に設けられ、内周側に連結ピン12が挿入される
ブッシュで、このブッシュ11は、図5に示す如く各内
側リンク部10のブッシュ挿嵌穴10A内に圧入状態で
挿嵌され、その左,右方向の両端側は外側リンク部9と
対向してシール装着穴9B内に隙間をもって挿入されて
いる。
【0038】12は隣り合うトラックリンク8,8間を
互いにピン結合した連結ピンで、この連結ピン12は、
ブッシュ11内に微小な隙間をもって挿入され、その
左,右方向の両端側は、外側リンク部9のピン挿通穴9
A内に圧入状態で嵌合されている。また、この連結ピン
12とブッシュ11との間の隙間内にはグリース等の潤
滑油が充填され、この潤滑油によって連結ピン12をブ
ッシュ11に対して円滑に相対回転させる構成となって
いる。
【0039】13は左,右のトラックリンク8,8に設
けられた金属板からなるトラックシューで、このトラッ
クシュー13は、図4に示す如く各トラックリンク8の
外側(履帯7の外周側)に固着され、左,右のトラック
リンク8,8を一体に連結すると共に、履帯8の接地面
を構成している。
【0040】21,21は左,右のシール装置で、この
シール装置21は、トラックリンク8の外側リンク部9
とブッシュ11との間に位置して、シール装着穴9B内
に装着され連結ピン12の外周側に挿嵌されている。そ
して、このシール装置21は、後述の環状シール22と
芯材23によって構成され、ブッシュ11と連結ピン1
2との間に土砂等の異物が侵入するのを遮断すると共
に、両者間の隙間内にグリースを封止する構成となって
いる。
【0041】22はトラックリンク8の外側リンク部9
とブッシュ11との間に圧縮状態で装着された環状シー
ルで、この環状シール22は、図5、図6に示す如く、
例えばウレタンゴム、ニトリルゴム等の弾性樹脂材料を
用いることによって、横断面がM字型状ないしW字型状
の環状体として形成されている。そして、この環状シー
ル22は、例えば前記樹脂材料を後述の芯材23の表面
に溶射するか、または芯材23と一体に射出成形するこ
とによって一体に形成されるものである。
【0042】ここで、環状シール22は、外側リンク部
9のシール装着穴9B奥所側端面に締代をもって当接し
た左側の環状部22Aと、ブッシュ11の端面に締代を
もって摺接した右側の環状部22Bと、これらの環状部
22A,22B間に形成され環状部22A,22B間で
撓み変形する中間連結部22Cとによって構成されてい
る。
【0043】また、環状シール22の外周側には、全周
に亘ってM字状をないしW字状をなす切欠溝22Dが設
けられると共に、この環状シール22の内周側には全周
に亘ってU字状ないしV字状をなす切欠溝22Eが設け
られている。さらに、環状シール22の内周側には、環
状部22Bの端面との角隅側に位置してテーパ部22F
が形成されている。
【0044】23は環状シール22と一体に設けられた
芯材で、この芯材23は、環状シール22よりも大きな
ばね力(弾性力)をもった弾性材料、例えばばね鋼等の
金属材料によって図5、図6に示す如く形成されてい
る。また、前記芯材23は、ポリイミド樹脂、ポリアミ
ド樹脂等の高強度な高機能樹脂からなり、環状シール2
2よりも大きなばね力(弾性力)をもった弾性材料によ
って、図5、図6に示す如く形成してもよい。
【0045】ここで、芯材23は、環状シール22と対
応して横断面がM字状ないしW字状をなした環状体とし
て形成され、環状シール22の内部に埋設されている。
そして、芯材23は、トラックリンク8の外側リンク部
9とブッシュ11との間で環状シール22に加えられる
圧縮方向の荷重(以下、圧縮荷重という)を受承して、
環状シール22と一緒に弾性変形し、この芯材23の弾
性復元力を環状シール22に付与する構成となってい
る。
【0046】なお、24は下部走行体1上に旋回可能に
設けられた上部旋回体、25はこの上部旋回体24の前
部側に俯仰動可能に設けられた作業装置である。
【0047】本実施の形態による油圧ショベルは、上述
の如き構成を有するもので、路上走行時には走行モータ
(図示せず)によって駆動輪4を回転駆動することによ
り、履帯7を遊動輪3と駆動輪4との間で周回動作さ
せ、これにより車体を前,後方向等に走行させる。
【0048】また、このように履帯7が周回動作を行う
ときには、環状シール22によってトラックリンク8の
外側リンク部9とブッシュ11との間がシールされるか
ら、これによってブッシュ11と連結ピン12との間に
土砂等の異物が侵入するのを遮断できる共に、両者間の
隙間に充填したグリースが外部に漏洩するのを防止する
ことができる。
【0049】ところで、環状シール22によるシール性
を高めるためには、外側リンク部9とブッシュ11との
間で環状シール22に加える圧縮荷重を増大させ、環状
シール22の面圧をより大きく設定する必要がある。
【0050】そこで、本実施の形態では、シール装置2
1を構成する環状シール22の内部には、環状シール2
2よりもばね力の大きな弾性材料からなる芯材23を埋
設し、この芯材23を環状シール22と一緒に外側リン
ク部9とブッシュ11との間で弾性変形させる構成とし
ている。
【0051】これにより、芯材23は、前記圧縮荷重に
よって環状シール22と共に弾性変形したときに、この
環状シール22よりも大きい弾性復元力を環状シール2
2に対して付与することができ、このような圧縮荷重に
対する環状シール22の耐久性、耐圧縮性または耐疲労
性能を高めることができる。
【0052】かくして、本実施の形態によれば、上述の
如く環状シール22に加える圧縮荷重をより大きく設定
した場合でも、芯材23により従来技術で述べたように
環状シール22が疲労変形する事態を防止することがで
き、環状シール22自体が有する優れた弾性力を長期に
亘って維持し続けることができる。
【0053】また、金属材料からなる芯材23の周囲を
環状シール22によって覆うことができるので、従来技
術で述べたように芯材23に錆等が生じる事態を防止で
き、芯材23が有する弾性力を環状シール22と同様に
長期に亘って維持し続けることができる。
【0054】これによって外側リンク部9とブッシュ1
1に対する環状シール22の面圧を高く設定することが
でき、この環状シール22により外側リンク部9とブッ
シュ11との間を長期に亘って良好にシールし続けるこ
とができる。
【0055】また、履帯7の周回動作時には、環状シー
ル22により外側リンク部9とブッシュ11との間に適
度な摺動抵抗を与えることができ、従来技術で述べたよ
うな履帯7のばたつきを抑えることができ、履帯7の動
きを安定化させることができる。
【0056】また、芯材23は、環状シール22と対応
した横断面形状をもって形成したので、圧縮荷重により
環状シール22が変形するときに、芯材23を環状シー
ル22と一体に弾性変形させ、環状シール22の変形を
均一化でき、環状シール22に偏荷重が作用するのを芯
材23によって防止でき、芯材23の耐久性等をより高
めることができる。
【0057】次に、図7ないし図9は本発明の第2の実
施の形態を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の
形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明
を省略するものとする。然るに、本実施の形態では、第
1の実施の形態で述べたシール装置21に替えてシール
装置31を設け、このシール装置31を構成する環状シ
ール32の環状部32B内部には、芯材としてのばね座
金33を埋設する構成としたことにある。
【0058】ここで、環状シール32は、第1の実施の
形態による環状シール22と同様に、左,右の環状部3
2A,32Bと、これらの環状部32A,32B間を連
結する中間連結部32Cとによって構成されている。ま
た、この環状シール32には、切欠溝32D,32Eと
テーパ部32Fが設けられている。
【0059】また、ばね座金33は、第1の実施の形態
による芯材23と同様に、環状シール32よりもばね力
(弾性力)の大きな弾性材料によって形成されている。
【0060】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、環状シール32をトラックリンク8の外側リ
ンク部9とブッシュ11との間に圧縮状態で取付けたと
きに、ばね座金33を環状シール32と一緒に弾性変形
させることができるから、このばね座金33による弾性
復元力を環状シール32に付与でき、前記第1の実施の
形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0061】また、環状シール32のうち環状部32B
には連結ピン12からのスラスト荷重が直接作用する。
そこで、本実施の形態では、ばね座金33を環状シール
32のうち環状部32Bに設ける構成としたので、この
ばね座金33によって前記スラスト荷重に対する環状部
32Bの強度を高めることができる。
【0062】次に、図10、図11は本発明の第3の実
施の形態を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の
形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明
を省略するものとする。然るに、本実施の形態では、ト
ラックリンク8の外側リンク部9とブッシュ11との間
には、第1の実施の形態で述べた環状シール22に替え
てシール装置41を設け、このシール装置41を構成す
る環状シール42の内周面には、横断面がU字状をなす
芯材43を固着して設けると共に、この芯材43を環状
シール42の環状部42Bと共にブッシュ11の端面に
摺接させる構成としたことにある。
【0063】ここで、環状シール42は、横断面が略H
型状をなす環状体として形成され、第1の実施の形態に
よる環状シール22と同様に、左,右の環状部42A,
42Bと、これらの環状部42A,42B間を連結する
中間連結部42Cとによって構成されている。また、環
状シール42の外周側と内周側には、それぞれ全周に亘
ってU字状をなす切欠溝42D,切欠溝42Eが形成さ
れると共に、この環状シール42の内周側には、環状部
42Bの端面との角隅側に位置してテーパ部42Fが形
成されている。
【0064】また、芯材43は、環状シール42よりも
ばね力(弾性力)の大きな弾性材料によって横断面が略
U字状なした環状体として形成されている。そして、こ
の芯材43は、環状シール42の切欠溝42Eに対応し
てU字状に折曲げられた部位が第1の折曲部43Aとな
り、テーパ部42Fに沿って折曲げらた部位が第2の折
曲部43Bとなっている。
【0065】そして、この芯材43は、折曲部43Aを
切欠溝42Eに嵌合させた状態で、環状シール42の内
周側に例えば焼付け等の手段を用いて一体に固着されて
いる。また、芯材43の両端部のうち、左側の端部は環
状部42Aと共に外側リンク部9のシール装着穴9B端
面に当接し、右側となる折曲部43B側の端部は環状部
42Bと共にブッシュ11の端面に摺接する摺接部43
Cとなっている。
【0066】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得
ることができる。特に本実施の形態では、芯材43の摺
接部43Cをブッシュ11の端面に積極的に摺接させる
ことができるので、この芯材43によりブッシュ11と
環状シール42の環状部42Bとの間の摺動抵抗を減ら
して、環状部42Bの耐摩耗性を高めることができ、環
状シール42の寿命を延ばすことができる。
【0067】また、芯材43は、略U字状に折曲げられ
た折曲部43Aを環状シール42の切欠溝42Eに嵌合
して取付ける構成としたから、この折曲部43Aによっ
て芯材43を環状シール42に対して軸方向に抜止め状
態で保持することができ、環状シール42に対する芯材
43の結合力を高めて芯材43の組付性を向上すること
ができる。
【0068】次に、図12は本発明の第4の実施の形態
を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同
一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。然るに、本実施の形態では、トラックリ
ンク8の外側リンク部9とブッシュ11との間には、第
1の実施の形態で述べたシール装置21に替えてシール
装置51を設け、このシール装置51を構成する環状シ
ール52は横断面をU字型に形成すると共に、この環状
シール52には芯材53を埋設し、この芯材53の摺接
部53Aを環状シール52の環状部52Bと共にブッシ
ュ11の端面に摺接させる構成としたことにある。
【0069】ここで、環状シール52は、第1の実施の
形態による環状シール22と同様に、環状部52A,5
2Bと、これらの環状部52A,52B間を連結する中
間連結部52Cとによって構成されている。また、芯材
53は、第1の実施の形態による芯材23と同様に、環
状シール52よりもばね力(弾性力)の大きな弾性材料
からなり、環状シール52に対応して横断面がU状をな
した環状体として形成されている。
【0070】そして、この芯材53の両端部のうち、左
側の端部は環状シール52から外部に露出して、環状部
52Aと共に外側リンク部9のシール装着穴9B端面に
当接し、右側の端部は、環状シール52から外部に露出
して環状部52Bと共にブッシュ11の端面に摺接する
摺接部53Aとなっている。
【0071】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、第3の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得
ることができる。
【0072】次に、図13は本発明の第5の実施の形態
を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同
一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。然るに、本実施の形態では、トラックリ
ンク8の外側リンク部9とブッシュ11との間には、第
1の実施の形態で述べたシール装置21に替えてシール
装置61を設け、このシール装置61を構成する環状シ
ール62のうち、中間連結部62Cの外周側に位置する
切欠溝62Dには芯材63を一体に設け、中間連結部6
2Cの内周側に位置する切欠溝62Eには芯材64を一
体に設ける構成としたことにある。
【0073】ここで、環状シール62は、第1の実施の
形態による環状シール22と同様に、横断面がM字型状
をなす環状体として形成され、左,右の環状部62A,
62Bと中間連結部62Cとによって構成されている。
【0074】また、芯材63は、第1の実施の形態によ
る芯材23と同様に環状シール62よりもばね力の大き
い弾性材料からなり、環状シール62の切欠溝62Dに
対応して横断面が略M字状の環状体として形成されてい
る。そして、この芯材63は、環状シール62の切欠溝
62Dに焼付け等の手段によって固着されている。
【0075】また、芯材64についても芯材63と同様
の弾性材料からなり、環状シール62の切欠溝62Eに
対応して横断面が略U字状の環状体として形成されてい
る。そして、この芯材64は、環状シール62の切欠溝
62Eに焼付け等の手段によって固着されている。
【0076】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、第3の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得
ることができる。特に本実施の形態では、芯材63,6
4によって環状シール62のうち、圧縮荷重が集中して
作用する中間連結部62Cの強度を高めることができ
る。
【0077】なお、第2の実施の形態では、1個のばね
座金33を環状シール32の内部に埋設する構成として
述べたが、例えば図14に示す変形例のように、このば
ね座金33に加えてさらに他のばね座金71を環状シー
ル32の環状部32A内部に埋設する構成としてもよ
い。
【0078】さらに、各実施の形態では、装軌式車両と
して油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本発明はこ
れに限らず、油圧クレーン等の装軌式車両にも広く適用
できるものである。
【0079】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、履帯を構成するトラックリンクの外側リンク部と
ブッシュとの間には、両者間をシールするためのシール
装置を圧縮状態で装着し、このシール装置を構成する環
状シールには、この環状シールよりも大きな弾性を有す
る弾性材料によって形成された芯材を一体に設け、この
芯材をブッシュと外側リンク部との間で環状シールと共
に弾性変形させる構成としたので、芯材は、環状シール
よりも大きい弾性復元力を環状シールに付与することが
でき、環状シールの耐久性、耐疲労性等を高めることが
できる。
【0080】これによって、環状シールに加える圧縮荷
重を大きく設定した場合でも、従来技術で述べたように
環状シールが塑性変形する事態を防止することができ、
環状シール自体が有する優れた弾性力を長期に亘って維
持し続けることができ、外側リンク部とブッシュとの間
を環状シールにより長期に亘って良好にシールし続ける
ことができる。また、履帯の周回動作時には、環状シー
ルにより外側リンク部とブッシュとの間に適度な摺動抵
抗を与えることができ、従来技術で述べたような履帯の
ばたつきを抑えて、履帯の動きを安定化させることがで
きる。
【0081】また、請求項2の発明では、環状シールを
左,右の環状部と、これらの各環状部間を連結する中間
連結部とによって構成し、芯材を少なくとも環状シール
の中間連結部に設ける構成としたので、芯材により各環
状部間で撓み変形する中間連結部の強度を高めることが
でき、環状シールの耐久性等をさらに高めることができ
る。
【0082】また、請求項3の発明では、芯材を環状シ
ールの内部に埋設すると共に、この芯材は環状シールに
対応する横断面形状をもって形成したので、環状シール
に偏荷重が作用するのを芯材によって防止でき、環状シ
ールの耐久性、耐圧縮性または耐疲労性能等を一層高め
ることができる。
【0083】さらに、請求項4の発明では、環状シール
を左,右の環状部と、これらの各環状部間を連結する中
間連結部とによって構成し、芯材は各環状部のうち少な
くともいずれか一方の環状部に埋設されたばね座金によ
り構成したので、ばね座金が有するばね力を環状シール
の環状部に付与することができ、これによっても環状シ
ールの耐久性等をより高めることができる。
【0084】さらに、請求項5の発明では、芯材は環状
シールの内周面と外周面のうち少なくともいずれか一方
に設けたので、芯材を焼付け等の手段を用いて環状シー
ルの内周面または外周面に容易に取付けることができ、
芯材の組付性等を高めることができる。
【0085】一方、請求項6の発明では、芯材にはブッ
シュの端面に環状シールと共に摺接する摺接部を設ける
構成としたので、摺接部により環状シールとブッシュと
の間で生じる摺動抵抗を減らして、環状シールの耐摩耗
性等を高めることができる。
【0086】また、請求項7の発明では、芯材の横断面
形状をM字状またはW字状に形成し、請求項8の発明で
は、芯材の横断面形状をU字状またはV字状に形成した
ので、環状シールに対する芯材の結合力(固着力)を高
めることができ、芯材の組付性をより高めることができ
る。
【0087】また、請求項9,10,11,12,1
3,14,15,16によるシール装置の発明について
も、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に適用される油圧シ
ョベルを示す外観図である。
【図2】図1中の履帯を拡大して示す正面図である。
【図3】各トラックリンク間の連結部を示す図2中の矢
示III −III 方向からみた拡大断面図である。
【図4】各トラックリンク間の連結部を示す図3中の矢
示IV−IV方向からみた横断面図である。
【図5】図4中の外側リンク部と内側リンク部との対向
面の近傍を拡大して示す要部断面図である。
【図6】図5中の環状シールを単体で示す部分拡大断面
図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による外側リンク部
と内側リンク部との対向面の近傍を拡大して示す要部断
面図である。
【図8】図7中の環状シールを単体で示す断面図であ
る。
【図9】図8中の芯材を単体で示す斜視図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態による外側リンク
部と内側リンク部との対向面の近傍を拡大して示す要部
断面図である。
【図11】図10中の環状シールを単体で示す部分拡大
断面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態による外側リンク
部と内側リンク部との対向面の近傍を拡大して示す要部
断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態による環状シール
を単体で示す部分断面図である。
【図14】本発明の変形例による環状シールを単体で示
す断面図である。
【符号の説明】
1 下部走行体 3 遊動輪 4 駆動輪 7 履帯 8 トラックリンク 9 外側リンク部 10 内側リンク部 11 ブッシュ 12 連結ピン 21,31,41,51,61 シール装置 22,32,42,52,62 環状シール 22A,22B,32A,32B,42A,42B,5
2A,52B,62A,62B 環状部 22C,32C,42C,52C,62C 中間連結部 23,43,53,63,64 芯材 33,71 ばね座金(芯材)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月1日(1999.4.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 履帯及び履帯に用いるシール装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル、油圧クレーン等の装軌式車両に用いて好適な履帯及
び履帯に用いるシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の装軌式車両に
用いられる履帯は、長手方向一側に外側リンク部が形成
されると共に長手方向他側に内側リンク部が形成された
左,右のトラックリンクと、前記各トラックリンクの内
側リンク部間に設けられ左,右方向の両端側が前記外側
リンク部と対向して配置されたブッシュと、前記ブッシ
ュ内に挿入して設けられ左,右方向の両端側が前記外側
リンク部に嵌合して連結された連結ピンと、前記各トラ
ックリンクの外側リンク部とブッシュとの間に設けられ
たシール装置とを備えている(実開昭48−27535
号公報、実開昭49−113342号公報等)。
【0003】この種の従来技術による履帯は、遊動輪と
駆動輪との間に巻回して設けられ、駆動輪を走行用の油
圧モータ等によって回転駆動することにより、履帯を遊
動輪と駆動輪との間で周回動作させ、車体を前,後方向
等に走行させる。
【0004】また、この従来技術にあっては、ブッシュ
とトラックリンクの外側リンク部との間にウレタンゴム
等からなるゴムシールを装着し、このゴムシールによっ
て走行時にブッシュと連結ピンとの間に土砂が侵入する
のを防止すると共に、両者間を潤滑するグリースの漏洩
を防止する構成となっている。
【0005】また、他の従来技術では、前述したゴムシ
ールの代わりにブッシュとトラックリンクの外側リンク
部との間にばね鋼からなる皿ばねを設けることによっ
て、両者間をシールする構成としたものが知られてい
る。
【0006】この従来技術は、履帯の周回動作時に皿ば
ねがトラックリンクの端面とブッシュの端面とに摺接す
ることにより、互に隣り合うトラックリンク間に適度な
摺動抵抗を与え、履帯が上,下に大きくばたつく事態を
防止している。
【0007】さらに、別の従来技術では、連結ピンには
トラックリンクとブッシュとの間に位置してリング状の
スペーサを挿嵌して設け、このスペーサの外周側には、
ブッシュの端面に摺接するリップシールと、このリップ
シールをブッシュ側に弾性的に押圧する負荷リングとを
設ける構成としたものが知られている(特開平2−93
170号公報等)。
【0008】この従来技術では、トラックリンクとブッ
シュとの間で作用するスラスト荷重をスペーサによって
支持することにより、このスラスト荷重がリップシール
側に直接作用するのを防止し、リップシールの耐久性等
を高めている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、ゴムシールをブッシュとトラックリンクの
外側リンク部との間に圧縮状態で装着し、このゴムシー
ルをブッシュの端面に弾性的に摺接させる構成としてい
る。
【0010】そして、ゴムシールのシール機能をさらに
高めるために、ブッシュとトラックリンクとの間でゴム
シールに加える圧縮荷重を大きくし、ブッシュの端面に
摺接するゴムシールの面圧を高くしている。
【0011】しかし、実開昭48−27535号公報等
に示される従来技術にあっては、ゴムシールに加える圧
縮荷重を必要以上に大きく設定すると、履帯の周回動作
時には、ゴムシールとブッシュとの間で大きな摺動抵抗
が発生し、ゴムシールのシール面が早期に摩耗して、シ
ール機能が低下する原因になるという問題がある。
【0012】特に、弾性体からなるゴムシールに圧縮荷
重を長期に亘って付加し続けると、ゴムシールは疲労
し、塑性変形(永久変形)してしまう虞れがあり、この
場合にはゴムシールがブッシュとの間で摩耗すると、摩
耗した分だけゴムシールとブッシュとの間に隙間が生
じ、シール機能が損なわれるという問題がある。
【0013】また、他の従来技術では、皿ばねの端部を
ブッシュの端面とトラックリンクの端面に線接触させる
構成としているため、安定したシール性が得られないば
かりか、皿ばねには錆等の腐食が生じ易く、シール機能
が低下するという問題がある。
【0014】さらに、特開平2−93170号公報等に
示される別の従来技術では、樹脂材料等の弾性体からな
る負荷リングによって、リップシールに対し圧縮方向の
荷重を付加する構成としているため、リップシールとブ
ッシュとの間で発生する摺動抵抗を必ずしも十分には大
きくできず、走行時に履帯が上,下にばたつき易く走行
性等が低下するという問題がある。
【0015】さらに、近年、この種の装軌式車両は、盗
難防止のために、作業現場から管理可能な場所に移動さ
せることが必要になってきた。この場合、装軌式車両を
トラックで移送するには、その段取り作業が面倒である
ので、装軌式車両自体を自走させて、この装軌式車両を
目的とする場所に移動させることが行われている。その
結果、装軌式車両は、必要以上に自走することになるの
で、トラックリンクとブッシュとの間に挿嵌したシール
に多大な摺動抵抗が作用し、前述した従来技術のシール
では、そのシール機能が短期間で低下してしまい、長寿
命化を得ることができないという問題がある。
【0016】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
てなされたもので、本発明は、環状シールに補強用の芯
材を設けることにより、圧縮方向の荷重に対する環状シ
ールの耐久性を高めることができ、シール性能を長期に
亘って良好に安定させることができるようにした履帯及
び履帯に用いるシール装置を提供することを目的として
いる。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明による履帯は、長手方向一側に外側リン
ク部が形成されると共に長手方向他側に内側リンク部が
形成され、互いに無端状に連結される左,右のトラック
リンクと、前記各トラックリンクの内側リンク部間に設
けられ、左,右方向の両端側が前記外側リンク部と対向
して配置されたブッシュと、前記ブッシュ内に挿入して
設けられ、左,右方向の両端側が前記外側リンク部に嵌
合して連結された連結ピンと、前記各トラックリンクの
外側リンク部とブッシュとの間に位置して前記連結ピン
の外周側に設けられたシール装置とからなる。
【0018】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、シール装置は、弾性材料により環状に形成さ
側リンク部の端面ブッシュの端面との間に位置して
締代をもって配設された環状シールと、前記環状シール
よりも大きな弾性を有する弾性材料によって環状に形成
され、前記環状シールと一体に設けられて前記環状シー
ルと共に弾性変形する芯材とから構成したことにある。
【0019】このように構成したことにより、環状シー
ルと一体に設けられた芯材は、トラックリンクの外側リ
ンク部とブッシュとの間で環状シールに加えられる圧縮
方向の荷重(以下、圧縮荷重という)を受承し、環状シ
ールと一緒に弾性変形する。そして、芯材は環状シール
よりも大きな弾性を有する弾性材料によって形成される
ので、この芯材は、上述の如く弾性変形することによっ
て、環状シールよりも大きな弾性復元力を環状シールに
付与でき、環状シールの圧縮方向に対する耐疲労性能、
耐久性等を高めることができる。
【0020】また、請求項2の発明では、環状シール
を、外側リンク部とブッシュとに面接触する左,右の環
状部と、前記各環状部間に形成され圧縮方向の荷重によ
り撓み変形する中間連結部とからなり、前記芯材は少な
くとも前記環状シールの中間連結部に設ける構成として
いる。これにより、少なくとも環状シールの中間連結部
には芯材が設けられるので、この芯材により各環状部間
で撓み変形する中間連結部の強度を高めることができ
る。
【0021】また、請求項3の発明では、芯材を、環状
シールの内部に埋設され前記環状シールに対応する横断
面形状を有する構成としている。これにより、圧縮荷重
によって環状シールが弾性変形するときに、芯材を環状
シールと一体に弾性変形させ、環状シールの変形を均一
化でき、環状シールに偏荷重が作用するのを芯材によっ
て防止できる。
【0022】また、請求項4の発明では、環状シール
を、外側リンクとブッシュとに面接触する左,右の環状
部と、前記各環状部間に形成され圧縮方向の荷重により
撓み変形する中間連結部とからなり、前記芯材は前記各
環状部のうち少なくともいずれか一方の環状部に埋設さ
れたばね座金により構成してなる。これにより、ばね材
は、環状シールに作用する圧縮荷重によって環状シール
と一緒に弾性変形し、ばね力を発生するから、このばね
力によって環状シールの環状部の強度を高めることがで
きる。
【0023】また、請求項5の発明では、芯材を、環状
シールの内周面と外周面のうち少なくともいずれか一方
に設ける構成としている。これにより、芯材を焼付け等
の手段を用いて環状シールの内周面または外周面に容易
に取付けることができる。
【0024】さらに、請求項6の発明では、芯材を、M
字状またはW字状の横断面形状を有する構成としてい
る。請求項7の発明では、芯材を、U字状またはV字状
の横断面形状を有する構成としている。これにより、環
状シールに対する芯材の結合力を高めることができる。
【0025】さらに、請求項8の発明では、芯材にはブ
ッシュの端面に環状シールと共に摺接する摺接部を設け
る構成としている。これにより、芯材の摺接部をブッシ
ュの端面に対して積極的に摺接させることができ、環状
シールとブッシュとの間で発生する摩耗を低減すること
ができる。
【0026】一方、請求項9の発明による履帯に用いる
シール装置は、弾性材料により環状に形成され履帯を構
成する左,右のトラックリンクの端面ブッシュの端面
との間に位置して締代をもって配設される環状シール
と、前記環状シールよりも大きな弾性を有する弾性材料
によって環状に形成され、前記環状シールと一体に設け
られて前記環状シールと共に弾性変形する芯材とから構
成してなる。
【0027】また、請求項10の発明は、環状シール
を、トラックリンクとブッシュとに面接触する左,右の
環状部と、前記各環状部間に形成され圧縮方向の荷重に
より撓み変形する中間連結部とからなり、芯材は少なく
とも前記環状シールの中間連結部に設ける構成としてい
る。
【0028】また、請求項11の発明は、芯材を、環状
シールの内部に埋設され前記環状シールに対応する横断
面形状を有する構成としている。
【0029】また、請求項12の発明は、環状シール
を、トラックリンクとブッシュとに面接触する左,右の
環状部と、前記各環状部間に形成され圧縮方向の荷重に
より撓み変形する中間連結部とからなり、芯材は前記各
環状部のうち少なくともいずれか一方の環状部に埋設さ
れたばね材により構成している。
【0030】また、請求項13の発明は、芯材を、環状
シールの内周面と外周面のうち少なくともいずれか一方
に設ける構成としている。請求項14の発明は、芯材
を、M字状またはW字状の横断面形状を有する構成とし
ている。請求項15の発明は、芯材を、U字状またはV
字状の横断面形状を有する構成としている。さらに、請
求項16の発明は、芯材には、ブッシュの端面に環状シ
ールと共に摺接する摺接部を設ける構成としている。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
履帯を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図
面に従って詳細に説明する。
【0032】ここで、図1ないし図6は本発明の第1の
実施の形態を示し、1は油圧ショベルの下部走行体で、
この下部走行体1は、前後方向に伸長した左,右のサイ
ドフレーム2A(一方のみ図示)等を備えたトラックフ
レーム2と、このトラックフレーム2のサイドフレーム
2A両端側にそれぞれ設けられた遊動輪3、駆動輪4
と、この遊動輪3と駆動輪4との間に巻回された後述の
履帯7によって構成されている。
【0033】また、トラックフレーム2のサイドフレー
ム2Aには、履帯7をサイドフレーム2Aの上側で案内
する1個の上ローラ5と、履帯7をサイドフレーム2A
の下側で案内する複数の下ローラ6,6,…とが設けら
れている。
【0034】7は遊動輪3と駆動輪4との間に巻回して
設けられた履帯で、この履帯7は、後述のトラックリン
ク8、ブッシュ11、連結ピン12およびトラックシュ
ー13等によって構成されている。そして、履帯7は、
各トラックリンク8の連結部分に位置する後述のブッシ
ュ11が駆動輪4に噛合し、この状態で駆動輪4が回転
駆動されることにより、遊動輪3と駆動輪4との間で周
回動作を行うものである。
【0035】8,8は左,右方向に対向して配設されて
互いに無端状に連結された左,右のトラックリンクで、
このトラックリンク8は、図3に示すように履帯7の長
手方向に沿って伸長している。そして、トラックリンク
8の長手方向一端側には、外側リンク部9が形成され、
この外側リンク部9には連結ピン12が挿通されるピン
挿通穴9Aと、外側リンク部9の内側に位置しこのピン
挿通穴9Aよりも径方向に拡径することにより形成され
後述のシール装置21が装着されるシール装着穴9Bと
が段付穴となって形成され、該シール装着穴9Bの底部
が端面9Cとなっている。
【0036】また、トラックリンク8の長手方向他端側
には内側リンク部10が形成され、この内側リンク部1
0には、後述のブッシュ11が挿嵌されるブッシュ挿嵌
穴10Aが形成されている。
【0037】11は各トラックリンク8の内側リンク部
10間に設けられ、内周側に連結ピン12が挿入される
ブッシュで、このブッシュ11は、図5に示す如く各内
側リンク部10のブッシュ挿嵌穴10A内に圧入状態で
挿嵌され、その左,右方向の両端側は外側リンク部9と
対向してシール装着穴9B内に隙間をもって挿入されて
いる。
【0038】12は隣り合うトラックリンク8,8間を
互いにピン結合した連結ピンで、この連結ピン12は、
ブッシュ11内に微小な隙間をもって挿入され、その
左,右方向の両端側は、外側リンク部9のピン挿通穴9
A内に圧入状態で嵌合されている。また、この連結ピン
12とブッシュ11との間の隙間内にはグリース等の潤
滑油が充填され、この潤滑油によって連結ピン12をブ
ッシュ11に対して円滑に相対回転させる構成となって
いる。
【0039】13は左,右のトラックリンク8,8に設
けられた金属板からなるシューで、このシュー13は、
図4に示す如く各トラックリンク8の外側(履帯7の外
周側)に固着され、左,右のトラックリンク8,8を一
体に連結すると共に、履帯8の接地面を構成している。
【0040】21,21は左,右のシール装置で、この
シール装置21は、トラックリンク8の外側リンク部9
とブッシュ11との間に位置して、シール装着穴9B内
に装着され連結ピン12の外周側に挿嵌されている。そ
して、このシール装置21は、後述の環状シール22と
芯材23によって構成され、ブッシュ11と連結ピン1
2との間に土砂等の異物が侵入するのを遮断すると共
に、両者間の隙間内にグリースを封止する構成となって
いる。
【0041】22はトラックリンク8の外側リンク部9
とブッシュ11との間に圧縮状態で装着された環状シー
ルで、この環状シール22は、図5、図6に示す如く、
例えばウレタンゴム、ニトリルゴム等の弾性樹脂材料を
用いることによって、横断面がM字型状ないしW字型状
の環状体として形成されている。そして、この環状シー
ル22は、例えば前記樹脂材料を後述の芯材23の表面
に溶射するか、または芯材23と一体に射出成形するこ
とによって一体に形成されるものである。
【0042】ここで、環状シール22は、外側リンク部
9のシール装着穴9B底部端面9Cに締代をもって
当接した左側の環状部22Aと、ブッシュ11の端面
1Aに締代をもって摺接した右側の環状部22Bと、こ
れらの環状部22A,22B間に形成され環状部22
A,22B間で撓み変形する中間連結部22Cとによっ
て構成されている。
【0043】また、環状シール22の外周側には、全周
に亘ってM字状をないしW字状をなす切欠溝22Dが設
けられると共に、この環状シール22の内周側には全周
に亘ってU字状ないしV字状をなす切欠溝22Eが設け
られている。さらに、環状シール22の内周側には、環
状部22Bの端面との角隅側に位置してテーパ部22F
が形成されている。
【0044】23は環状シール22と一体に設けられた
芯材で、この芯材23は、環状シール22よりも大きな
ばね力(弾性力)、即ち環状シール22よりも大きなば
ね定数(弾性率)をもった弾性材料、例えばばね鋼等の
金属材料によって図5、図6に示す如く形成されてい
る。また、前記芯材23は、ポリイミド樹脂、ポリアミ
ド樹脂等の高強度な高機能樹脂からなり、環状シール2
2よりも大きなばね力(弾性力)をもった弾性材料によ
って、図5、図6に示す如く形成してもよい。
【0045】ここで、芯材23は、環状シール22と対
応して横断面がM字状ないしW字状をなした環状体とし
て形成され、環状シール22の内部に埋設されている。
そして、芯材23は、トラックリンク8の外側リンク部
9とブッシュ11との間で環状シール22に加えられる
圧縮方向の荷重(以下、圧縮荷重という)を受承して、
環状シール22と一緒に弾性変形し、この芯材23の弾
性復元力を環状シール22に付与する構成となってい
る。
【0046】なお、24は下部走行体1上に旋回可能に
設けられた上部旋回体、25はこの上部旋回体24の前
部側に俯仰動可能に設けられた作業装置である。
【0047】本実施の形態による油圧ショベルは、上述
の如き構成を有するもので、路上走行時には走行モータ
(図示せず)によって駆動輪4を回転駆動することによ
り、履帯7を遊動輪3と駆動輪4との間で周回動作さ
せ、これにより車体を前,後方向等に走行させる。
【0048】また、このように履帯7が周回動作を行う
ときには、環状シール22によってトラックリンク8の
外側リンク部9とブッシュ11との間がシールされるか
ら、これによってブッシュ11と連結ピン12との間に
土砂等の異物が侵入するのを遮断できる共に、両者間の
隙間に充填したグリースが外部に漏洩するのを防止する
ことができる。
【0049】ところで、環状シール22によるシール性
を高めるためには、外側リンク部9とブッシュ11との
間で環状シール22に加える圧縮荷重を増大させ、環状
シール22の面圧をより大きく設定する必要がある。
【0050】そこで、本実施の形態では、シール装置2
1を構成する環状シール22の内部には、環状シール2
2よりもばね力の大きな弾性材料からなる芯材23を埋
設し、この芯材23を環状シール22と一緒に外側リン
ク部9とブッシュ11との間で弾性変形させる構成とし
ている。
【0051】これにより、芯材23は、前記圧縮荷重に
よって環状シール22と共に弾性変形したときに、この
環状シール22よりも大きい弾性復元力を環状シール2
2に対して付与することができ、このような圧縮荷重に
対する環状シール22の耐久性、耐圧縮性または耐疲労
性能を高めることができる。
【0052】かくして、本実施の形態によれば、上述の
如く環状シール22に加える圧縮荷重をより大きく設定
した場合でも、芯材23により従来技術で述べたように
環状シール22が疲労変形する事態を防止することがで
き、環状シール22自体が有する優れた弾性力を長期に
亘って維持し続けることができる。
【0053】また、金属材料からなる芯材23の周囲を
環状シール22によって覆うことができるので、従来技
術で述べたように芯材23に錆等が生じる事態を防止で
き、芯材23が有する弾性力を環状シール22と同様に
長期に亘って維持し続けることができる。
【0054】これによって外側リンク部9とブッシュ1
1に対する環状シール22の面圧を高く設定することが
でき、この環状シール22により外側リンク部9とブッ
シュ11との間を長期に亘って良好にシールし続けるこ
とができる。
【0055】また、履帯7の周回動作時には、環状シー
ル22により外側リンク部9とブッシュ11との間に適
度な摺動抵抗を与えることができ、従来技術で述べたよ
うな履帯7のばたつきを抑えることができ、履帯7の動
きを安定化させることができる。
【0056】また、芯材23は、環状シール22と対応
した横断面形状をもって形成したので、圧縮荷重により
環状シール22が変形するときに、芯材23を環状シー
ル22と一体に弾性変形させ、環状シール22の変形を
均一化でき、環状シール22に偏荷重が作用するのを芯
材23によって防止でき、芯材23の耐久性等をより高
めることができる。
【0057】次に、図7ないし図9は本発明の第2の実
施の形態を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の
形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明
を省略するものとする。然るに、本実施の形態では、第
1の実施の形態で述べたシール装置21に替えてシール
装置31を設け、このシール装置31を構成する環状シ
ール32の環状部32B内部には、芯材としてのばね座
金33を埋設する構成としたことにある。
【0058】ここで、環状シール32は、第1の実施の
形態による環状シール22と同様に、左,右の環状部3
2A,32Bと、これらの環状部32A,32B間を連
結する中間連結部32Cとによって構成されている。ま
た、この環状シール32には、切欠溝32D,32Eと
テーパ部32Fが設けられている。
【0059】また、ばね座金33は、第1の実施の形態
による芯材23と同様に、環状シール32よりもばね力
(弾性力)、即ち環状シール32よりもばね定数(弾性
率)の大きな弾性材料によって形成されている。
【0060】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、環状シール32をトラックリンク8の外側リ
ンク部9とブッシュ11との間に圧縮状態で取付けたと
きに、ばね座金33を環状シール32と一緒に弾性変形
させることができるから、このばね座金33による弾性
復元力を環状シール32に付与でき、前記第1の実施の
形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0061】また、環状シール32のうち環状部32B
には連結ピン12からのスラスト荷重が直接作用する。
そこで、本実施の形態では、ばね座金33を環状シール
32のうち環状部32Bに設ける構成としたので、この
ばね座金33によって前記スラスト荷重に対する環状部
32Bの強度を高めることができる。
【0062】次に、図10、図11は本発明の第3の実
施の形態を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の
形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明
を省略するものとする。然るに、本実施の形態では、ト
ラックリンク8の外側リンク部9とブッシュ11との間
には、第1の実施の形態で述べた環状シール22に替え
てシール装置41を設け、このシール装置41を構成す
る環状シール42の内周面には、横断面がU字状をなす
芯材43を固着して設けると共に、この芯材43を環状
シール42の環状部42Bと共にブッシュ11の端面
1Aに摺接させる構成としたことにある。
【0063】ここで、環状シール42は、横断面が略H
型状をなす環状体として形成され、第1の実施の形態に
よる環状シール22と同様に、左,右の環状部42A,
42Bと、これらの環状部42A,42B間を連結する
中間連結部42Cとによって構成されている。また、環
状シール42の外周側と内周側には、それぞれ全周に亘
ってU字状をなす切欠溝42D,切欠溝42Eが形成さ
れると共に、この環状シール42の内周側には、環状部
42Bの端面との角隅側に位置してテーパ部42Fが形
成されている。
【0064】また、芯材43は、環状シール42よりも
ばね力(弾性力)の大きな弾性材料によって横断面が略
U字状なした環状体として形成されている。そして、こ
の芯材43は、環状シール42の切欠溝42Eに対応し
てU字状に折曲げられた部位が第1の折曲部43Aとな
り、テーパ部42Fに沿って折曲げらた部位が第2の
折曲部43Bとなっている。
【0065】そして、この芯材43は、折曲部43Aを
切欠溝42Eに嵌合させた状態で、環状シール42の内
周側に例えば焼付け等の手段を用いて一体に固着されて
いる。また、芯材43の両端部のうち、左側の端部は
環状部42Aと共に外側リンク部9のシール装着穴9B
に設けられた端面9Cに当接し、右側となる折曲部43
B側の端部は環状部42Bと共にブッシュ11の端面
11Aに摺接する摺接部43Cとなっている。
【0066】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得
ることができる。特に本実施の形態では、芯材43の摺
接部43Cをブッシュ11の端面11Aに積極的に摺接
させることができるので、この芯材43によりブッシュ
11と環状シール42の環状部42Bとの間の摺動抵抗
を減らして、環状部42Bの耐摩耗性を高めることがで
き、環状シール42の寿命を延ばすことができる。
【0067】また、芯材43は、略U字状に折曲げられ
た折曲部43Aを環状シール42の切欠溝42Eに嵌合
して取付ける構成としたから、この折曲部43Aによっ
て芯材43を環状シール42に対して軸方向に抜止め状
態で保持することができ、環状シール42に対する芯材
43の結合力を高めて芯材43の組付性を向上すること
ができる。
【0068】次に、図12は本発明の第4の実施の形態
を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同
一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。然るに、本実施の形態では、トラックリ
ンク8の外側リンク部9とブッシュ11との間には、第
1の実施の形態で述べたシール装置21に替えてシール
装置51を設け、このシール装置51を構成する環状シ
ール52は横断面をU字型に形成すると共に、この環状
シール52には芯材53を埋設し、この芯材53の摺接
部53Aを環状シール52の環状部52Bと共にブッシ
ュ11の端面11Aに摺接させる構成としたことにあ
る。
【0069】ここで、環状シール52は、第1の実施の
形態による環状シール22と同様に、環状部52A,5
2Bと、これらの環状部52A,52B間を連結する中
間連結部52Cとによって構成されている。また、芯材
53は、第1の実施の形態による芯材23と同様に、環
状シール52よりもばね力(弾性力)の大きな弾性材料
からなり、環状シール52に対応して横断面がU状をな
した環状体として形成されている。
【0070】そして、この芯材53の両端部のうち、左
側の端部は環状シール52から外部に露出して、環状
部52Aと共に外側リンク部9のシール装着穴9Bに設
けられた端面9Cに当接し、右側の端部は、環状シール
52から外部に露出して環状部52Bと共にブッシュ1
1の端面11Aに摺接する摺接部53Aとなっている。
【0071】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、第3の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得
ることができる。
【0072】次に、図13は本発明の第5の実施の形態
を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同
一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。然るに、本実施の形態では、トラックリ
ンク8の外側リンク部9とブッシュ11との間には、第
1の実施の形態で述べたシール装置21に替えてシール
装置61を設け、このシール装置61を構成する環状シ
ール62のうち、中間連結部62Cの外周側に位置する
切欠溝62Dには芯材63を一体に設け、中間連結部6
2Cの内周側に位置する切欠溝62Eには芯材64を一
体に設ける構成としたことにある。
【0073】ここで、環状シール62は、第1の実施の
形態による環状シール22と同様に、横断面がM字型状
をなす環状体として形成され、左,右の環状部62A,
62Bと中間連結部62Cとによって構成されている。
【0074】また、芯材63は、第1の実施の形態によ
る芯材23と同様に環状シール62よりもばね力の大き
い弾性材料からなり、環状シール62の切欠溝62Dに
対応して横断面が略M字状の環状体として形成されてい
る。そして、この芯材63は、環状シール62の切欠溝
62Dに焼付け等の手段によって固着されている。
【0075】また、芯材64についても芯材63と同様
の弾性材料からなり、環状シール62の切欠溝62Eに
対応して横断面が略U字状の環状体として形成されてい
る。そして、この芯材64は、環状シール62の切欠溝
62Eに焼付け等の手段によって固着されている。
【0076】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、第3の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得
ることができる。特に本実施の形態では、芯材63,6
4によって環状シール62のうち、圧縮荷重が集中して
作用する中間連結部62Cの強度を高めることができ
る。
【0077】なお、第2の実施の形態では、1個のばね
座金33を環状シール32の内部に埋設する構成として
述べたが、例えば図14に示す変形例のように、このば
ね座金33に加えてさらに他のばね座金71を環状シー
ル32の環状部32A内部に埋設する構成としてもよ
い。
【0078】さらに、各実施の形態では、装軌式車両と
して油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本発明はこ
れに限らず、油圧クレーン等の装軌式車両にも広く適用
できるものである。
【0079】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、履帯を構成するトラックリンクの外側リンク部と
ブッシュとの間には、両者間をシールするためのシール
装置を圧縮状態で装着し、このシール装置を構成する環
状シールには、この環状シールよりも大きな弾性を有す
る弾性材料によって形成された芯材を一体に設け、この
芯材をブッシュと外側リンク部との間で環状シールと共
に弾性変形させる構成としたので、芯材は、環状シール
よりも大きい弾性復元力を環状シールに付与することが
でき、環状シールの耐久性、耐疲労性等を高めることが
できる。
【0080】これによって、環状シールに加える圧縮荷
重を大きく設定した場合でも、従来技術で述べたように
環状シールが塑性変形する事態を防止することができ、
環状シール自体が有する優れた弾性力を長期に亘って維
持し続けることができ、外側リンク部とブッシュとの間
を環状シールにより長期に亘って良好にシールし続ける
ことができる。また、履帯の周回動作時には、環状シー
ルにより外側リンク部とブッシュとの間に適度な摺動抵
抗を与えることができ、従来技術で述べたような履帯の
ばたつきを抑えて、履帯の動きを安定化させることがで
きる。
【0081】また、請求項2の発明では、環状シールを
左,右の環状部と、これらの各環状部間を連結する中間
連結部とによって構成し、芯材を少なくとも環状シール
の中間連結部に設ける構成としたので、芯材により各環
状部間で撓み変形する中間連結部の強度を高めることが
でき、環状シールの耐久性等をさらに高めることができ
る。
【0082】また、請求項3の発明では、芯材を環状シ
ールの内部に埋設すると共に、この芯材は環状シールに
対応する横断面形状をもって形成したので、環状シール
に偏荷重が作用するのを芯材によって防止でき、環状シ
ールの耐久性、耐圧縮性または耐疲労性能等を一層高め
ることができる。
【0083】さらに、請求項4の発明では、環状シール
を左,右の環状部と、これらの各環状部間を連結する中
間連結部とによって構成し、芯材は各環状部のうち少な
くともいずれか一方の環状部に埋設されたばね座金によ
り構成したので、ばね座金が有するばね力を環状シール
の環状部に付与することができ、これによっても環状シ
ールの耐久性等をより高めることができる。
【0084】さらに、請求項5の発明では、芯材は環状
シールの内周面と外周面のうち少なくともいずれか一方
に設けたので、芯材を焼付け等の手段を用いて環状シー
ルの内周面または外周面に容易に取付けることができ、
芯材の組付性等を高めることができる。
【0085】一方、請求項6の発明では、芯材にはブッ
シュの端面に環状シールと共に摺接する摺接部を設ける
構成としたので、摺接部により環状シールとブッシュと
の間で生じる摺動抵抗を減らして、環状シールの耐摩耗
性等を高めることができる。
【0086】また、請求項7の発明では、芯材の横断面
形状をM字状またはW字状に形成し、請求項8の発明で
は、芯材の横断面形状をU字状またはV字状に形成した
ので、環状シールに対する芯材の結合力(固着力)を高
めることができ、芯材の組付性をより高めることができ
る。
【0087】また、請求項9,10,11,12,1
3,14,15,16によるシール装置の発明について
も、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に適用される油圧シ
ョベルを示す外観図である。
【図2】図1中の履帯を拡大して示す正面図である。
【図3】各トラックリンク間の連結部を示す図2中の矢
示III −III 方向からみた拡大断面図である。
【図4】各トラックリンク間の連結部を示す図3中の矢
示IV−IV方向からみた横断面図である。
【図5】図4中の外側リンク部と内側リンク部との対向
面の近傍を拡大して示す要部断面図である。
【図6】図5中の環状シールを単体で示す部分拡大断面
図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による外側リンク部
と内側リンク部との対向面の近傍を拡大して示す要部断
面図である。
【図8】図7中の環状シールを単体で示す断面図であ
る。
【図9】図8中の芯材を単体で示す斜視図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態による外側リンク
部と内側リンク部との対向面の近傍を拡大して示す要部
断面図である。
【図11】図10中の環状シールを単体で示す部分拡大
断面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態による外側リンク
部と内側リンク部との対向面の近傍を拡大して示す要部
断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態による環状シール
を単体で示す部分断面図である。
【図14】本発明の変形例による環状シールを単体で示
す断面図である。
【符号の説明】 1 下部走行体 3 遊動輪 4 駆動輪 7 履帯 8 トラックリンク 9 外側リンク部9C 端面 10 内側リンク部 11 ブッシュ11A 端面 12 連結ピン 21,31,41,51,61 シール装置 22,32,42,52,62 環状シール 22A,22B,32A,32B,42A,42B,5
2A,52B,62A,62B 環状部 22C,32C,42C,52C,62C 中間連結部 23,43,53,63,64 芯材 33,71 ばね座金(芯材)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 玄六 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 出津 渉 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 関口 良明 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向一側に外側リンク部が形成され
    ると共に長手方向他側に内側リンク部が形成され、互い
    に無端状に連結される左,右のトラックリンクと、前記
    各トラックリンクの内側リンク部間に設けられ、左,右
    方向の両端側が前記外側リンク部と対向して配置された
    ブッシュと、前記ブッシュ内に挿入して設けられ、左,
    右方向の両端側が前記外側リンク部に嵌合して連結され
    た連結ピンと、前記各トラックリンクの外側リンク部と
    ブッシュとの間に位置して前記連結ピンの外周側に設け
    られたシール装置とからなる履帯において、 前記シール装置は、弾性材料により環状に形成され左,
    右の端面が前記外側リンク部の端面,ブッシュの端面に
    それぞれ締代をもって接触する環状シールと、前記環状
    シールよりも大きな弾性を有する弾性材料によって環状
    に形成され、前記環状シールと一体に設けられて前記環
    状シールと共に弾性変形する芯材とにより構成したこと
    を特徴とする履帯。
  2. 【請求項2】 前記環状シールは、前記外側リンク部と
    ブッシュとに面接触する左,右の環状部と、前記各環状
    部間に形成され圧縮方向の荷重により撓み変形する中間
    連結部とからなり、前記芯材は少なくとも前記環状シー
    ルの中間連結部に設ける構成としてなる請求項1に記載
    の履帯。
  3. 【請求項3】 前記芯材は、前記環状シールの内部に埋
    設され前記環状シールに対応する横断面形状を有してな
    る請求項1または2に記載の履帯。
  4. 【請求項4】 前記環状シールは、前記外側リンク部と
    ブッシュとに面接触する左,右の環状部と、前記各環状
    部間に形成され圧縮方向の荷重により撓み変形する中間
    連結部とからなり、前記芯材は前記各環状部のうち少な
    くともいずれか一方の環状部に埋設されたばね座金によ
    り構成してなる請求項1に記載の履帯。
  5. 【請求項5】 前記芯材は、前記環状シールの内周面と
    外周面のうち少なくともいずれか一方に設けてなる請求
    項1または2に記載の履帯。
  6. 【請求項6】 前記芯材は、M字状またはW字状の横断
    面形状を有してなる請求項1,2,3,4または5に記
    載の履帯。
  7. 【請求項7】 前記芯材は、U字状またはV字状の横断
    面形状を有してなる請求項1,2,3,4または5に記
    載の履帯。
  8. 【請求項8】 前記芯材には、前記ブッシュの端面に環
    状シールと共に摺接する摺接部を設けてなる請求項1,
    2,3,4,5,6または7に記載の履帯。
  9. 【請求項9】 弾性材料により環状に形成され、左,右
    の端面が履帯を構成する左,右のトラックリンクの端
    面,ブッシュの端面にそれぞれ締代をもって接触する環
    状シールと、前記環状シールよりも大きな弾性を有する
    弾性材料によって環状に形成され、前記環状シールと一
    体に設けられて前記環状シールと共に弾性変形する芯材
    とにより構成してなる履帯に用いるシール装置。
  10. 【請求項10】 前記環状シールは、前記トラックリン
    クとブッシュとに面接触する左,右の環状部と、前記各
    環状部間に形成され圧縮方向の荷重により撓み変形する
    中間連結部とからなり、前記芯材は少なくとも前記環状
    シールの中間連結部に設ける構成としてなる請求項9に
    記載の履帯に用いるシール装置。
  11. 【請求項11】 前記芯材は、前記環状シールの内部に
    埋設され前記環状シールに対応する横断面形状を有して
    なる請求項9または10に記載の履帯に用いるシール装
    置。
  12. 【請求項12】 前記環状シールは、前記トラックリン
    クとブッシュとに面接触する左,右の環状部と、前記各
    環状部間に形成され圧縮方向の荷重により撓み変形する
    中間連結部とからなり、前記芯材は前記各環状部のうち
    少なくともいずれか一方の環状部に埋設されたばね材に
    より構成してなる請求項9に記載の履帯に用いるシール
    装置。
  13. 【請求項13】 前記芯材は、前記環状シールの内周面
    と外周面のうち少なくともいずれか一方に設けてなる請
    求項9または10に記載の履帯に用いるシール装置。
  14. 【請求項14】 前記芯材は、M字状またはW字状の横
    断面形状を有してなる請求項9,10,11,12また
    は13に記載の履帯に用いるシール装置。
  15. 【請求項15】 前記芯材は、U字状またはV字状の横
    断面形状を有してなる請求項9,10,11,12また
    は13に記載の履帯に用いるシール装置。
  16. 【請求項16】 前記芯材には、前記ブッシュの端面に
    環状シールと共に摺接する摺接部を設けてなる請求項
    9,10,11,12,13,14または15に記載の
    履帯に用いるシール装置。
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