JP2002225758A - 履 帯 - Google Patents

履 帯

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JP2002225758A
JP2002225758A JP2001025823A JP2001025823A JP2002225758A JP 2002225758 A JP2002225758 A JP 2002225758A JP 2001025823 A JP2001025823 A JP 2001025823A JP 2001025823 A JP2001025823 A JP 2001025823A JP 2002225758 A JP2002225758 A JP 2002225758A
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JP
Japan
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bush
peripheral surface
connecting pin
link portion
crawler belt
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Application number
JP2001025823A
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English (en)
Inventor
Norimitsu Sakuma
宣光 佐久間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブッシュと連結ピンとの間の潤滑性を維持で
きると共にシール部材の耐摩耗性、耐熱性を高める。 【解決手段】 履帯11を構成するブッシュ15の内周
面15Bには、固体潤滑材からなる摺動層を構成する二
硫化モリブデン処理層17を設ける。そして、二硫化モ
リブデン処理層17が形成されたブッシュ15の内周側
には連結ピン16を摺動可能に挿嵌する。また、トラッ
クリンク12を構成する外側リンク部13のシール装着
穴13B内には、内側端面13Cとブッシュ15の端面
15Aとの間に位置して、一対の皿ばね19,20から
なる環状シール18を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル、油圧クレーン等の装軌式車両に用いて好適な履帯に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の装軌式車両に
用いられる履帯は、長手方向一側に外側リンク部が形成
されると共に長手方向他側に内側リンク部が形成され、
互いに無端状に連結される左,右のトラックリンクと、
該各トラックリンクの内側リンク部間を連結して設けら
れたブッシュと、該ブッシュ内に挿入して設けられ、
左,右方向の両端側が前記外側リンク部に嵌合して連結
された連結ピンと、前記トラックリンクの外側リンク部
とブッシュとの間に位置して該連結ピンの外周側に設け
られたシール部材とを備えている。また、この履帯には
左,右のトラックリンク間を連結して履帯の接地面を構
成するシューが設けられている。
【0003】この種の従来技術による履帯は、遊動輪と
駆動輪との間に巻回して設けられ、駆動輪を走行用の油
圧モータ等によって回転駆動することにより、履帯を遊
動輪と駆動輪との間で周回動作させ、車両を前,後方向
等に走行させる。
【0004】また、この従来技術による履帯には、ブッ
シュの内周側に振動減衰性と遮音性を有する樹脂部材を
介在させて設け、履帯の周回動作時にブッシュと連結ピ
ンとの間で生じる振動、衝突音等を低減する構成とした
ものがある(実開平5−3086号公報等)。
【0005】さらに、他の従来技術による履帯には、外
側リンク部とブッシュの端面との間にゴム等の弾性材料
を用いたオイルシールを設け、ブッシュと連結ピンとの
間に充填したグリース等の潤滑剤が外部に漏洩するのを
オイルシールにより防止し、両者間の潤滑性の維持を図
る構成としたものがある(実開平6−51629号公報
等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した実
開平5−3086号に記載の従来技術では、ブッシュの
内周側に振動減衰性と遮音性をもった樹脂部材を設け、
この樹脂部材により連結ピンとブッシュとの間で生じる
振動、衝突音等の発生の低減を図っている。
【0007】しかし、この従来技術にあっては、連結ピ
ンとブッシュとの間に筒状の樹脂部材を設けているに過
ぎないため、連結ピンとブッシュとの間の潤滑性が低下
することがあり、両者の間でかじり、きしみ音等が生じ
るという問題がある。
【0008】一方、実開平6−51629号公報に記載
の従来技術では、トラックリンクの外側リンク部とブッ
シュの端面との間にオイルシールを設け、このオイルシ
ールによりブッシュと連結ピンとの間にグリース等の潤
滑剤を封入し、両者間の潤滑性を維持できるようにして
いる。
【0009】しかし、油圧ショベルは泥土、土砂の上等
を走行するから、走行時に土砂等が外側リンク部とブッ
シュとの間に侵入する虞れがある。そして、シール部材
はゴム等の弾性材料を用いて形成しているため、このよ
うな土砂によってシール部材が早期に摩耗し、その寿命
が低下し易くなるという問題がある。
【0010】また、小型の油圧ショベル等は履帯のサイ
ズが小さくなり、これに伴ってシール部材自体も小型化
して形成せざるを得なくなる。そして、このような小さ
なシール部材は、土砂に対する耐摩耗性とシール性とを
兼ね備えて形成することが難しいという問題がある。
【0011】特に、4トン未満の小型の油圧ショベルに
あっては、シューをボルト等を用いてトラックリンクに
取付けようとすると、ボルト穴が小さくなり過ぎてしま
い、トラックリンクに対するシューの取付強度を高める
ことが難しくなる。
【0012】そこで、シューをトラックリンクに溶接等
の手段を用いて取付けた場合、溶接時にシール部材が熱
で変形、劣化することがあり、この場合にはシールの性
能が低下してしまうという問題がある。
【0013】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
てなされたもので、本発明の目的は、ブッシュと連結ピ
ンとの間の潤滑性を維持でき、走行時に両者間でかじ
り、きしみ等の異音が発生するのを防止できるようにし
た履帯を提供することを目的としている。
【0014】また、本発明の他の目的は、シール部材の
耐摩耗性、耐熱性を高めることができ、トラックリンク
にシューを溶接する場合でも、溶接時の熱によってシー
ル部材が変形、劣化することなく、ブッシュと連結ピン
との間の潤滑性を維持できるようにしたことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明による履帯は、長手方向一側に外側リン
ク部が形成されると共に長手方向他側に内側リンク部が
形成され、互いに無端状に連結される左,右のトラック
リンクと、該各トラックリンクの内側リンク部間を連結
して設けられたブッシュと、該ブッシュ内に挿入して設
けられ、左,右方向の両端側が前記外側リンク部に嵌合
して連結された連結ピンと、前記トラックリンクの外側
リンク部とブッシュとの間に位置して該連結ピンの外周
側に設けられたシール部材とから構成している。
【0016】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記ブッシュの内周面と連結ピンの外周面のう
ち少なくともブッシュの内周面には固体潤滑剤からなる
摺動層を設ける構成としたことにある。
【0017】このように構成したことにより、ブッシュ
の内周面と連結ピンとの外周面との間の潤滑性を固体潤
滑剤からなる摺動層により高めることができ、ブッシュ
と連結ピンとの間にグリース等の潤滑剤を封入する必要
がなくなり、両者を円滑に相対回動することができる。
【0018】また、請求項2の発明が採用する構成の特
徴は、ブッシュの内周面と連結ピンの外周面のうち少な
くとも連結ピンの外周面には固体潤滑剤からなる摺動層
を設ける構成としたことにある。
【0019】このように構成した場合でも、ブッシュの
内周面と連結ピンとの外周面との間の潤滑性を固体潤滑
剤からなる摺動層により高めることができ、請求項1の
発明と同様に両者を円滑に相対回動することができる。
【0020】さらに、請求項3の発明によると、固体潤
滑剤からなる摺動層は、二硫化モリブデンにより構成し
ている。このように構成したことにより、ブッシュの内
周面と連結ピンの外周面との間の潤滑性を二硫化モリブ
デンにより長期に亘って維持することができる。
【0021】さらに、請求項4の発明によると、固体潤
滑剤からなる摺動層は、真鍮、亜鉛、グラファイト、二
硫化タングステン、窒化ホウ素、フッ化炭素のうちいず
れか一つの材料により構成している。この場合でも、ブ
ッシュの内周面と連結ピンの外周面との間の潤滑性を真
鍮等の固体潤滑剤を用いて高めることができる。
【0022】一方、請求項5の発明は、シール部材は、
外側リンク部とブッシュとの間に弾性変形可能に配置さ
れ内周側に連結ピンが挿入される皿ばねにより構成して
いる。このように構成したことにより、皿ばねを用いて
外側リンク部とブッシュとの間をシールできる。また、
皿ばねにより耐熱性、耐摩耗性に優れたシール部材を形
成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
履帯を例えば4トン未満の小型の油圧ショベルに適用し
た場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0024】ここで、図1ないし図6は本発明の第1の
実施の形態を示し、1は実施の形態に適用される油圧シ
ョベルで、該油圧ショベル1は、下部走行体2と、旋回
装置3を介して該下部走行体2上に旋回可能に設けられ
た上部旋回体4と、該上部旋回体4に設けられた作業装
置5とによって構成されている。
【0025】ここで、下部走行体2は、前後方向に伸長
した左,右のサイドフレーム6A(一方のみ図示)等を
備えたトラックフレーム6と、該トラックフレーム6の
サイドフレーム6A一方側に設けられた遊動輪7と、サ
イドフレーム6Aの他方側に設けられた駆動輪8と、該
遊動輪7と駆動輪8との間に巻回された後述の履帯11
とによって構成されている。
【0026】また、トラックフレーム6のサイドフレー
ム6Aには、履帯11をサイドフレーム6Aの上側で案
内する上ローラ9と、履帯11をサイドフレーム6Aの
下側で案内する複数の下ローラ10,10,…とが設け
られている。
【0027】11は遊動輪7と駆動輪8との間に巻回し
て設けられた本実施の形態に係わる履帯で、該履帯11
は、後述のトラックリンク12、ブッシュ15、連結ピ
ン16およびシュー21によって大略構成されている。
そして、履帯11は、各トラックリンク12の連結部分
に位置する後述のブッシュ15が駆動輪8に噛合し、こ
の状態で駆動輪8が回転駆動されることにより、遊動輪
7と駆動輪8との間で周回動作を行うものである。
【0028】12,12は左,右方向に対向して配設さ
れて互いに無端状に連結された左,右のトラックリンク
で、該トラックリンク12は、履帯11の長手方向に沿
って伸長している。そして、トラックリンク12の長手
方向一端側には、外側リンク部13が形成され、この外
側リンク部13には、図4、図5に示す如く連結ピン1
6が挿嵌されるピン挿嵌穴13Aと、該ピン挿嵌穴13
Aからブッシュ15側に向けて拡径し後述の環状シール
18が装着されるシール装着穴13Bと、該シール装着
穴13Bの奥部に位置して前記ピン挿嵌穴13Aとシー
ル装着穴13Bとの間の内側端面13Cとが段付穴とな
って形成されている。
【0029】また、トラックリンク12の長手方向他端
側には、内側リンク部14が形成され、この内側リンク
部14には、後述のブッシュ15が挿嵌されるブッシュ
挿嵌穴14Aが形成されている。
【0030】15は各トラックリンク12の内側リンク
部14間に設けられ、内周側に連結ピン16が挿入され
るブッシュで、このブッシュ15は、鋼材を用いて円筒
状に形成されている。そして、ブッシュ15は左,右方
向の両端側が各内側リンク部14のブッシュ挿嵌穴14
A内に圧入状態で挿嵌されている。また、ブッシュ15
は、左,右の端面15A,15Aと内周面15Bとを有
し、内周面15Bには後述の二硫化モリブデン処理層1
7が設けられている。
【0031】16は隣り合うトラックリンク12,12
間を互いにピン結合した連結ピンで、該連結ピン16
は、鋼材を用いて円柱状に形成されている。そして、連
結ピン16は外周面16Aを有し、ブッシュ15の内周
側に摺動可能に挿通されている。また、連結ピン16の
左,右方向の両端側は、外側リンク部13のピン挿嵌穴
13A内に圧入状態で嵌合されている。
【0032】17はブッシュ15の内周面15B側に設
けられた固体潤滑剤からなる摺動層を構成する二硫化モ
リブデン(MoS2)処理層で、該二硫化モリブデン処
理層17は、例えば粉末状の二硫化モリブデンをブッシ
ュ15の内周面15B全体にスプレーで吹付けた後、ブ
ッシュ15を炉内で加熱処理して二硫化モリブデンを焼
付けることにより行う。また、他の二硫化モリブデン処
理層17の形成方法としては、二硫化モリブデンを含ん
だ液体中にブッシュ15を浸した後(デッピング処
理)、前述の如く二硫化モリブデンを焼付けるか、また
は自然乾燥することにより行う。
【0033】そして、二硫化モリブデン処理層17は、
ブッシュ15の内周面15B全体を覆う被膜として形成
され、ブッシュ15の内周面15Bと連結ピン16の外
周面16Aとの間の潤滑性を高め、両者の間の摺動抵抗
を小さく保つものである。
【0034】18はトラックリンク12の外側リンク部
13とブッシュ15との間に位置して、連結ピン16の
外周側に弾性変形可能に設けられたシール部材となる
左,右の環状シールで、該環状シール18は、ばね鋼等
の金属材料によって円錐状に形成された外側,内側の皿
ばね19,20によって構成されている。そして、これ
ら皿ばね19,20の内周側には連結ピン16が挿入さ
れている。また、皿ばね19,20は連結ピン16が挿
入される縮径側の端部を互いに突合わせた状態で左,右
対称に配置されている。
【0035】ここで、環状シール18は、皿ばね19の
拡径側の端部が外側リンク部13の内側端面13Cに締
代をもって弾性的に当接し、皿ばね20の拡径側の端部
はブッシュ15の端面15Aに締代をもって弾性的に当
接し、これにより外側リンク部13とブッシュ15との
間をシールし、両者間に外部からの土砂等の異物が侵入
するのを遮断する構成となっている。
【0036】21は左,右のトラックリンク12,12
に固着して設けられた金属板からなるシューで、該シュ
ー21は、図2、図4に示す如く各トラックリンク12
の外側に溶接等の手段を用いて固着され、左,右のトラ
ックリンク12,12を一体に連結すると共に、履帯1
1の接地面を構成している。
【0037】本実施の形態による油圧ショベルは、上述
の如き構成を有するもので、路上走行時には走行用の油
圧モータ(図示せず)等によって駆動輪8を回転駆動す
ることにより、履帯11を遊動輪7と駆動輪8との間で
周回動作させ、これにより車体を前,後方向等に走行さ
せる。
【0038】ここで、本実施の形態では、ブッシュ15
の内周面15B側に全周に亘って二硫化モリブデン処理
層17を設ける構成としたので、この二硫化モリブデン
処理層17によりブッシュ15と連結ピン16との間の
潤滑性を高めることができる。
【0039】また、トラックリンク12の外側リンク部
13とブッシュ15との間を環状シール18によりシー
ルする構成としたので、両者の間から土砂、ダスト等の
異物が侵入するのを阻止することができ、ブッシュ15
側の二硫化モリブデン処理層17が土砂によって摩耗す
る不具合を解消することができる。
【0040】かくして、本実施の形態では、走行時には
二硫化モリブデン処理層17によりブッシュ15と連結
ピン16との間の摺動抵抗を低減でき、ブッシュ15と
連結ピン16とを円滑に相対回動でき、両者間でかじ
り、きしみ音等の異音が発生するのを防止することがで
きる。
【0041】また、ブッシュ15と連結ピン16との間
を固体潤滑剤である二硫化モリブデン処理層17を用い
て潤滑できることにより、両者の間にはグリース等の潤
滑剤を不要にでき、環状シール18は外側リンク部13
とブッシュ15との間を液密にシールするオイルシール
としての機能を持ち合わせる必要がなくなる。
【0042】このため、環状シール18を金属材料から
なる2枚の皿ばね19,20を組合わせて簡単に構成で
き、従来技術で述べたようにゴム等の弾性材料を用いて
シール部材を形成する必要がなくなり、環状シール18
を安価に形成できると共に、環状シール18の土砂等に
対する耐摩耗性を高めることができる。
【0043】ところで、当該小型の油圧ショベルでは、
車体のサイズに合わせて履帯11を小さく形成する必要
がある。しかし、履帯11を小型化して形成する場合、
シュー21をボルトを用いてトラックリンク12に取付
けようとすると、ボルト穴の穴径が小さくなり過ぎてし
まい、シュー21をトラックリンク12に強固に取付け
ることが難しくなる。このため、シュー21はトラック
リンク12に溶接により取付けている。
【0044】ここで、本実施の形態では、環状シール1
8は金属材料を用いて形成できることにより、環状シー
ル18の耐熱性を高めることができ、シュー21の溶接
時には従来技術のように溶接時に発生する熱の影響を受
けて環状シール18が変形する不具合を解消でき、環状
シール18の耐久性、寿命等を高めることができる。
【0045】さらに、二硫化モリブデン処理層17等の
固体潤滑剤は、環状シールと同様に耐熱性を有している
ため、シュー21の溶接時に二硫化モリブデン処理層1
7が劣化して、その潤滑機能が低下するのを抑えること
ができる。
【0046】この結果、二硫化モリブデン処理層17お
よび環状シール18を用いる構成とすることにより、シ
ュー21をトラックリンク12に簡単に溶接でき、油圧
ショベルの大きさに合わせて履帯11の小型化を容易に
図ることができる。
【0047】次に、図7は本発明の第2の実施の形態を
示し、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一
の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するも
のとする。
【0048】然るに、本実施の形態では、ブッシュ15
の内周面15Bに加えて、連結ピン16の外周面16A
にも二硫化モリブデン処理層31を設ける構成としたこ
とにある。
【0049】ここで、二硫化モリブデン処理層31につ
いても、第1の実施の形態で述べた二硫化モリブデン処
理層17とほぼ同様に、固体潤滑剤からなる摺動層とし
て構成されている。そして、この二硫化モリブデン処理
層31は、連結ピン16の外周面16Aのうちブッシュ
15の内周面15Bに挿嵌される部位全体に亘って形成
されるものである。
【0050】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得
ることができる。
【0051】なお、第1の実施の形態では、二硫化モリ
ブデン処理層17をブッシュ15の内周面15Bに設け
る構成とした場合を例に挙げて説明したが、これに替え
て、例えば図8に示す変形例のように二硫化モリブデン
処理層41を連結ピン16の外周面16Aのうち、ブッ
シュ15の内周面15Bに挿嵌される部位に設ける構成
としてもよい。
【0052】また、各実施の形態では、固体潤滑剤から
なる摺動層として二硫化モリブデン処理層を用いる場合
を例に挙げて説明したが、これに替えて、例えば真鍮、
亜鉛、グラファイト、二硫化タングステン、窒化ホウ
素、フッ化炭素のうちいずれか一つの材料を用いて固体
潤滑剤からなる摺動層を形成してもよく、この場合、摺
動層は、メッキ処理、貼り付け、スプレー、デッピング
処理等の手段を用いて形成することができる。
【0053】さらに、各実施の形態では、履帯を備えた
装軌式車両として油圧ショベルを例に挙げて説明した
が、本発明はこれに限らず、油圧クレーン等の装軌式車
両にも広く適用できるものである。
【0054】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、ブッシュの内周面および連結ピンの外周面のうち
少なくとブッシュの内周面に固体潤滑剤からなる摺動層
を設ける構成としたので、ブッシュと連結ピンとの間に
グリース等の潤滑剤を封入する必要がなくなり、固体潤
滑剤からなる摺動層により両者を円滑に相対回動するこ
とができ、これにより、走行時にブッシュと連結ピンと
の間ででかじり、きしみ音等の異音が発生するのを防止
することができる。
【0055】また、請求項2の発明にように、ブッシュ
の内周面および連結ピンの外周面のうち少なくと連結ピ
ンの外周面に固体潤滑剤からなる摺動層を設ける構成と
した場合でも、ブッシュと連結ピンとの間にグリース等
の潤滑剤を封入する必要がなくなり、請求項1の発明と
ほぼ同様に固体潤滑剤からなる摺動層により両者を円滑
に相対回動することができる。
【0056】また、請求項3の発明は、固体潤滑剤から
なる摺動層を二硫化モリブデンにより構成したので、ブ
ッシュの内周面と連結ピンの外周面との間の潤滑性を二
硫化モリブデンにより長期に亘って維持することができ
る。
【0057】また、請求項4の発明のように固体潤滑剤
からなる摺動層を真鍮、亜鉛、グラファイト、二硫化タ
ングステン、窒化ホウ素、フッ化炭素のうちいずれか一
つの材料により構成した場合でも、ブッシュの内周面と
連結ピンの外周面との間の潤滑性を真鍮等の固体潤滑剤
を用いて高めることができる。
【0058】さらに、請求項5の発明は、シール部材
を、外側リンク部とブッシュとの間に弾性変形可能に配
置された皿ばねにより構成したので、皿ばねにより耐熱
性、耐摩耗性に優れたシール部材を形成することができ
る。そして、シール部材の耐熱性を高めることができる
ことにより、トラックリンクにシューを溶接する場合で
も、溶接時の熱によってシール部材が変形、劣化するの
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に適用される油圧ショベル
を示す外観図である。
【図2】図1中の履帯を示す拡大図である。
【図3】履帯を図2中の矢示III−III方向からみた断面
図である。
【図4】各トラックリンク間の連結部等を図2中の矢示
IV−IV方向から拡大してみた部分拡大断面図である。
【図5】図4中のトラックリンク、ブッシュおよび二硫
化モリブデン処理層を拡大して示す要部拡大断面図であ
る。
【図6】図4中の環状シールを単体で示す拡大断面図で
ある。
【図7】本発明の第2の実施の形態による各トラックリ
ンク間の連結部等を図4と同様位置からみた断面図であ
る。
【図8】本発明の変形例による各トラックリンク間の連
結部等を図4と同様位置からみた断面図である。
【符号の説明】
11 履帯 12 トラックリンク 13 外側リンク部 14 内側リンク部 15 ブッシュ 15B 内周面 16 連結ピン 16A 外周面 17,31,41 二硫化モリブデン処理層(固体潤滑
剤からなる摺動層) 18 環状シール(シール部材) 19,20 皿ばね

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向一側に外側リンク部が形成され
    ると共に長手方向他側に内側リンク部が形成され、互い
    に無端状に連結される左,右のトラックリンクと、該各
    トラックリンクの内側リンク部間を連結して設けられた
    ブッシュと、該ブッシュ内に挿入して設けられ、左,右
    方向の両端側が前記外側リンク部に嵌合して連結された
    連結ピンと、前記トラックリンクの外側リンク部とブッ
    シュとの間に位置して該連結ピンの外周側に設けられた
    シール部材とからなる履帯において、 前記ブッシュの内周面と連結ピンの外周面のうち少なく
    ともブッシュの内周面には固体潤滑剤からなる摺動層を
    設ける構成としたことを特徴とする履帯。
  2. 【請求項2】 長手方向一側に外側リンク部が形成され
    ると共に長手方向他側に内側リンク部が形成され、互い
    に無端状に連結される左,右のトラックリンクと、該各
    トラックリンクの内側リンク部間を連結して設けられた
    ブッシュと、該ブッシュ内に挿入して設けられ、左,右
    方向の両端側が前記外側リンク部に嵌合して連結された
    連結ピンと、前記トラックリンクの外側リンク部とブッ
    シュとの間に位置して該連結ピンの外周側に設けられた
    シール部材とからなる履帯において、 前記ブッシュの内周面と連結ピンの外周面のうち少なく
    とも連結ピンの外周面には固体潤滑剤からなる摺動層を
    設ける構成としたことを特徴とする履帯。
  3. 【請求項3】 前記固体潤滑剤からなる摺動層は、二硫
    化モリブデンにより構成してなる請求項1または2に記
    載の履帯。
  4. 【請求項4】 前記固体潤滑剤からなる摺動層は、真
    鍮、亜鉛、グラファイト、二硫化タングステン、窒化ホ
    ウ素、フッ化炭素のうちいずれか一つの材料により構成
    してなる請求項1または2に記載の履帯。
  5. 【請求項5】 前記シール部材は、前記外側リンク部と
    ブッシュとの間に弾性変形可能に配置され内周側に前記
    連結ピンが挿入される皿ばねにより構成してなる請求項
    1,2,3または4に記載の履帯。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10046816B2 (en) 2016-07-07 2018-08-14 Caterpillar Inc. Cartridge assembly with a flexible thrust ring assembly for a track chain

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