JP2001018862A - 履 帯 - Google Patents

履 帯

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JP2001018862A
JP2001018862A JP11190939A JP19093999A JP2001018862A JP 2001018862 A JP2001018862 A JP 2001018862A JP 11190939 A JP11190939 A JP 11190939A JP 19093999 A JP19093999 A JP 19093999A JP 2001018862 A JP2001018862 A JP 2001018862A
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Japan
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bush
outer link
link portion
crawler belt
annular seal
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JP11190939A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Nishimori
博幸 西森
Yoshiaki Sekiguchi
良明 関口
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール機能と外側リンク部、ブッシュに対す
る付勢力とを別部材で分担することにより、シール性能
を維持すると共に、走行安定性等を向上する。 【解決手段】 シール装置21は、外側リンク部9とブ
ッシュ11との間をシールする環状シール22と、外側
リンク部9とブッシュ11とを互いに離間する方向に付
勢し、両者間のスラスト荷重を受承する圧縮コイルばね
23とを別部材に設ける構成としている。これにより、
外側リンク部9、ブッシュ11間のスラスト荷重は、圧
縮コイルばね23によって全て受承されるから、環状シ
ール22を軟質の弾性材料により形成でき、シール性能
を向上することができる。また、圧縮コイルばね23に
よって外側リンク部9とブッシュ11とに回動方向に抵
抗力を与えて、履帯のばたつきを防止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル、油圧クレーン等の装軌式車両に用いて好適な履帯に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の装軌式車両に
用いられる履帯は、長手方向一側に外側リンク部が形成
されると共に長手方向他側に内側リンク部が形成された
左,右のトラックリンクと、前記各トラックリンクの内
側リンク部間に設けられ左,右方向の両端側が前記外側
リンク部と対向して配置されたブッシュと、前記ブッシ
ュ内に挿入して設けられ左,右方向の両端側が前記外側
リンク部に嵌合して連結された連結ピンと、前記各トラ
ックリンクの外側リンク部の凹み部とブッシュの端面と
の間に設けられたシール装置とを備えている。
【0003】上述したシール装置として、種々の構成の
ものが提案されているが、実公昭51−41309号公
報に示される断面略W字状の環状シールが一般的に用い
られ、この環状シールの側面が対接するトラックリンク
の外側リンク部の凹み部とブッシュの端面とに、シール
面を構成している。また、上述した公知例には、シール
性をさらに向上させるために、前述した断面略W字状の
環状シールの両側に耐摩耗性のプレートを設け、この耐
摩耗性のプレートと対接するトラックリンクの外側リン
ク部の凹み部とブッシュの端面とに、シール面を構成し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、この
種の装軌式車両は、盗難防止のために、作業現場から管
理可能な場所に移動させることが必要になってきた。そ
の結果、装軌式車両は、必要以上に自走することになる
ので、トラックリンクとブッシュとの間に挿嵌したシー
ルに多大な摺動抵抗が作用し、前述した従来技術のシー
ルでは、そのシール性能が短期間で低下してしまい、長
寿命化を得ることができないという問題がある。
【0005】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
なされたもので、本発明の目的は、シール機能と外側リ
ンク部、ブッシュに対する付勢力とを別部材で分担する
ことにより、長期に亘り安定したシール性能を維持で
き、波打ち等を防止して騒音の発生を低減することがで
きるようにした履帯を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による履帯は、長
手方向一側に外側リンク部が形成されると共に長手方向
他側に内側リンク部が形成され、互いに無端状に連結さ
れる左,右のトラックリンクと、前記各トラックリンク
の内側リンク部間に設けられ、左,右方向の両端側が前
記外側リンク部と対向して配置されたブッシュと、前記
ブッシュ内に挿入して設けられ、左,右方向の両端側が
前記外側リンク部に嵌合して連結された連結ピンと、前
記各トラックリンクの外側リンク部とブッシュとの間に
位置して前記連結ピンの外周側に設けられたシール装置
とからなる。
【0007】そして、上述した従来技術による課題を解
決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴
は、シール装置は、弾性材料により環状に形成され外側
リンク部の内側端面とブッシュの端面との間に位置して
締代をもって配設された環状シールと、前記環状シール
とは別部材で、かつ前記環状シールよりも大きな弾性率
をもった弾性材料からなり、外側リンク部の内側端面と
ブッシュの端面との間に位置し互いに離間する方向に付
勢して配設された付勢部材とによって構成したことにあ
る。
【0008】このように構成したことにより、トラック
リンクに左,右方向の荷重(以下、スラスト荷重とい
う)が作用した場合には、付勢部材が外側リンク部とブ
ッシュとの間でこのスラスト荷重を受承するから、環状
シールの弾性率を大きくする必要がなく、この環状シー
ルを軟質の弾性材料により形成できる。これにより、環
状シールは、外側リンク部の内側端面、ブッシュの端面
に対する面圧を下げることができ、摺動抵抗が低減する
から、シール性能を長期に亘って維持することができ
る。また、付勢部材は、大きな弾性率(ばね定数)をも
って外側リンク部とブッシュを付勢し、この外側リンク
部とブッシュとが相対的に回動しようとするときに回動
方向に大きな抵抗力を与えているから、走行時に駆動輪
と遊動輪との間で各トラックリンク間の連結部分が折れ
曲がる事態を防止でき、履帯のばたつき(波打ち)を防
止することができる。
【0009】請求項2の発明によると、付勢部材は、環
状シールよりも径方向の内側に配置したことにある。こ
れにより、付勢部材は、環状シールによって密閉された
空間に配置されるから、この空間に土砂等の異物が侵入
することはなく、付勢部材、外側リンク部の内側端面、
ブッシュの端面等が早期に摩耗するのを防止できる。ま
た、前記空間への雨水の浸入も防止できるため、雨水に
よる付勢部材の腐食(錆)を防止することができる。
【0010】請求項3の発明によると、付勢部材は、連
結ピンの周囲で巻回された圧縮コイルばねである。
【0011】請求項4の発明によると、圧縮コイルばね
は、その両端部を外側リンク部とブッシュとに係合さ
せ、外側リンク部とブッシュとの相対回転を弾性的に抑
える構成としたことにある。これにより、走行時に履帯
のばたつきの原因となるトラックリンク間の連結部分の
折れが生じようとした場合には、外側リンク部とブッシ
ュ(内側リンク部)に係合している圧縮コイルばねがね
じり方向に付勢力を発生するから、このトラックリンク
間の連結部分の折れ曲がりを抑制することができる。
【0012】請求項5の発明によると、付勢部材は、ほ
ぼU字状の横断面形状を有するU字状ばねとして形成
し、前記U字状ばねの両開口端側を外側リンク部の内側
端面、ブッシュの端面にそれぞれ当接したことにある。
【0013】請求項6の発明によると、付勢部材は、外
側リンク部の内側端面に当接した第1の皿ばねと、前記
第1の皿ばねに対面して配置されブッシュの端面に当接
した第2の皿ばねとによって構成したことにある。これ
により、付勢部材として一般に市販されている安価な皿
ばねを利用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
履帯を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図
面に従って詳細に説明する。
【0015】まず、図1ないし図6は本発明の第1の実
施の形態を示すに、1は油圧ショベルの下部走行体で、
この下部走行体1は、前,後方向に伸長した左,右のサ
イドフレーム2A(一方のみ図示)等を備えたトラック
フレーム2と、このトラックフレーム2のサイドフレー
ム2A両端側にそれぞれ設けられた遊動輪3、駆動輪4
と、この遊動輪3、駆動輪4間に巻回された後述の履帯
7とによって大略構成されている。
【0016】また、トラックフレーム2のサイドフレー
ム2Aには、履帯7をサイドフレーム2Aの上側で案内
する上ローラ5と、履帯7をサイドフレーム2Aの下側
で案内する複数の下ローラ6,6,…とが設けられてい
る。
【0017】7は遊動輪3と駆動輪4との間に巻回して
設けられた履帯で、この履帯7は、図2、図3に示す如
く、後述のトラックリンク8、ブッシュ11、連結ピン
12およびシュー13等によって構成されている。そし
て、履帯7は、各トラックリンク8の連結部分に位置す
るブッシュ11が駆動輪4に噛合し、この状態で駆動輪
4が回転駆動されることにより、遊動輪3と駆動輪4と
の間で周回動作を行うものである。
【0018】8,8,…は左,右方向に対向して配設さ
れ互いに無端状に連結された左,右のトラックリンク
で、このトラックリンク8は、履帯7の長手方向に沿っ
て伸長している。そして、トラックリンク8の長手方向
の一側には、外側リンク部9が形成され、この外側リン
ク部9には、図4、図5に示す如く連結ピン12が挿嵌
されるピン挿嵌穴9Aと、ピン挿嵌穴9Aからブッシュ
11側に向けて拡径し後述のシール装置21が装着され
るシール装着穴9Bと、該シール装着穴9Bの奥部に位
置して前記ピン挿嵌穴9Aとシール装着穴9Bとの間の
内側端面9Cとが段付穴となって形成されている。
【0019】また、トラックリンク8の長手方向の他側
には、内側リンク部10が形成され、この内側リンク部
10には、ブッシュ11が挿嵌されるブッシュ挿嵌穴1
0Aが形成されている。
【0020】11は各トラックリンク8の内側リンク部
10間に設けられ、内周側に連結ピン12が挿入される
ブッシュで、このブッシュ11は、各内側リンク部10
のブッシュ挿嵌穴10A内に圧入状態で挿嵌されてい
る。また、ブッシュ11の左,右の両端側はシール装着
穴9B内に挿入され、その端面11A,11Aは外側リ
ンク部9の内側端面9Cに隙間をもって対面している。
【0021】12は隣り合うトラックリンク8,8を互
いに回動可能に連結した連結ピンで、この連結ピン12
は、ブッシュ11内に微小な隙間をもって挿入され、そ
の左右方向の両端側は、外側リンク部9のピン挿嵌穴9
A内に圧入状態で挿嵌されている。また、連結ピン12
とブッシュ11との間の隙間内には、グリース等の潤滑
油が充填され、この潤滑油は連結ピン12をブッシュ1
1に対して円滑に相対回転させるものである。
【0022】13は左,右のトラックリンク8,8に設
けられた金属板からなるシューで、このシュー13は、
図4に示す如く、各トラックリンク8の外側(履帯7の
外周側)にボルト(図示せず)等によって固着され、
左,右のトラックリンク8,8を一体に連結すると共
に、履帯7の接地面を構成している。
【0023】21,21はトラックリンク8の外側リン
ク部9とブッシュ11との間に位置して連結ピン12の
外周側に設けられた本実施の形態によるシール装置で、
このシール装置21は、後述する環状シール22と圧縮
コイルばね23とによって構成されている。
【0024】22は外側リンク部9のシール装着穴9B
内に設けられた環状シールで、この環状シール22は、
後述の理由により柔軟性をもったシール性能を発揮する
ように、例えばウレタンゴム、ニトリルゴム等の軟質弾
性樹脂材料を用いることによって、横断面形状がほぼM
字状ないしW字状の環状体として形成されている。
【0025】ここで、環状シール22は、図6に示す如
く、外側リンク部9の内側端面9Cに締代をもって当接
した左側の環状部22Aと、ブッシュ11の端面11A
に締代をもって摺接した右側の環状部22Bと、これら
の環状部22A,22B間に形成され環状部22A,2
2B間で撓み変形する中間連結部22Cと、前記右側の
環状部22Bの径方向外側に一体形成され、外側リンク
部9のシール装着穴9Bとブッシュ11の外周との間を
シールするシール突部22Dとによって構成されてい
る。
【0026】23は連結ピン12の周囲で巻回され外側
リンク部9とブッシュ11との間に設けられた付勢部材
としての圧縮コイルばねで、この圧縮コイルばね23
は、環状シール22と別部材で、かつ環状シール22よ
りも径方向の内側に配置され、これにより、外部と遮断
された密閉空間内に配置されている。ここで、圧縮コイ
ルばね23は、環状シール22よりも大きな弾性率(ば
ね定数)をもったばね鋼等からなり、外側リンク部9の
内側端面9Cとブッシュ11の端面11Aとの間に位置
し互いに離間する方向に付勢して配設されている。
【0027】そして、シール装置21は、環状シール2
2と圧縮コイルばね23とが別部材に配設され、環状シ
ール22は外側リンク部9とブッシュ11との間でシー
ル性を発揮し、圧縮コイルばね23は外側リンク部9と
ブッシュ11とを互いに離間する方向に付勢すると共
に、外側リンク部9とブッシュ11(内側リンク部1
0)との間の左,右方向の荷重、即ちスラスト荷重を受
承する。
【0028】このように、環状シール22と圧縮コイル
ばね23の機能が分担され、圧縮コイルばね23はスラ
スト荷重を受承することができるから、環状シール22
は、スラスト荷重を受承しうる構成とする必要がなく、
外側リンク部9の内側端面9C、ブッシュ11の端面1
1Aに対してシール性を発揮するのに適するように小さ
な弾性率、即ち軟質な弾性材料から形成することができ
る。
【0029】また、圧縮コイルばね23は、大きな弾性
率をもって形成され、外側リンク部9の内側端面9C、
ブッシュ11の端面11Aに対して強く押付けられてい
るから、外側リンク部9とブッシュ11とが連結ピン1
2を介して相対的に回動しようとした場合に、回動方向
に大きな抵抗力を与える。これにより、走行時に遊動輪
3と駆動輪4との間で各トラックリンク8の連結部分が
折れ曲がることにより発生する履帯7のばたつき(波打
ち)を防止することができる。
【0030】なお、24は下部走行体1上に旋回可能に
搭載された上部旋回体、25はこの上部旋回体の前側に
俯仰動可能に設けられた作業装置を示している。
【0031】本実施の形態による油圧ショベルは、上述
の如き構成を有するもので、路上走行時には走行モータ
(図示せず)によって駆動輪4を回転駆動することによ
り、履帯7を遊動輪3と駆動輪4との間で周回動作さ
せ、これにより車体を走行させる。
【0032】このように履帯7が周回動作を行うときに
は、シール装置21の環状シール22が、トラックリン
ク8の外側リンク部9とブッシュ11との間をシール
し、これによってブッシュ11と連結ピン12との間に
土砂等の異物が侵入するのを遮断する共に、両者間の隙
間に充填したグリースの漏洩を防止している。
【0033】また、シール装置21の圧縮コイルばね2
3は、外側リンク部9とブッシュ11とを互いに離間す
る方向に付勢しているから、外側リンク部9と内側リン
ク部10との接触による異音の発生を防止している。ま
た、外側リンク部9とブッシュ11との間のスラスト荷
重を受承しているから、このスラスト荷重から環状シー
ル22を保護すると共に、外側リンク部9、ブッシュ1
1が相対的に回動するときにに大きな抵抗力を与え、履
帯7のばたつきを防止し、走行安定性を向上している。
【0034】かくして、本実施の形態によれば、シール
装置21は、外側リンク部9とブッシュ11との間をシ
ールする環状シール22と、外側リンク部9とブッシュ
11とを互いに離間する方向に付勢し、両者間のスラス
ト荷重を受承する圧縮コイルばね23とを別部材に設け
ている。従って、外側リンク部9とブッシュ11との間
に発生するスラスト荷重は、圧縮コイルばね23によっ
て全て受承することができるから、環状シール22を軟
質の弾性材料から形成することができ、疲労による塑性
変形、早期摩耗等を防止して環状シール22によるシー
ル性能を長期に亘って維持することができる。
【0035】また、圧縮コイルばね23は、外側リンク
部9とブッシュ11とが相対的に回動するときに回動方
向に大きな抵抗力を与えることができるから、履帯7の
ばたつきを防止することができ、走行安定性を向上して
信頼性を高めることができる。しかも、外側リンク部9
とブッシュ11との接触を防止でき、履帯7が走行する
ときの静粛性を高めることができる。
【0036】さらに、圧縮コイルばね23は、環状シー
ル22よりも径方向の内側に配置しているから、圧縮コ
イルばね23を密閉された空間に配置することができ、
土砂等の異物によって圧縮コイルばね23、外側リンク
部9の内側端面9C、ブッシュ11の端面11A等が早
期に摩耗するのを防止して、シール性能を維持し、寿命
を向上することができる。また、ばね鋼からなる圧縮コ
イルばね23を雨水等から保護することができ、錆等の
腐食による劣化を防止することができる。
【0037】一方、環状シール22と圧縮コイルばね2
3とは別部材に設けたので、両者を安価に製造、または
市販部品を用いることができ、シール装置21の構成を
簡略化して、コストの低減を図ることができる。
【0038】次に、図7および図8は本発明の第2の実
施の形態を示すに、本実施の形態の特徴は、圧縮コイル
ばねは、その両端部を外側リンク部とブッシュとに係合
させ、外側リンク部とブッシュとの相対回転を弾性的に
抑える構成としたことにある。なお、本実施の形態で
は、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一
の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0039】31はトラックリンク、32はトラックリ
ンク31の外側リンク部で、この外側リンク部32は、
第1の実施の形態で述べた外側リンク部9とほぼ同様
に、ピン挿嵌穴32A、シール装着穴32B、内側端面
32Cからなる段付穴が形成されている。しかし、本実
施の形態による外側リンク部32は、内側端面32Cに
後述する圧縮コイルばね42の一方の掛け止め部42A
が係合する係合溝32Dが形成されている点で、第1の
実施の形態による外側リンク部9と相違している。
【0040】33は本実施の形態によるブッシュで、こ
のブッシュ33は、第1の実施の形態で述べたブッシュ
11とほぼ同様に構成されているものの、ブッシュ33
の端面33Aには、外側リンク部32の係合溝32Dに
対応して圧縮コイルばね42の他方の掛け止め部42A
が係合する係合溝33Bが形成されている。
【0041】41は本実施の形態によるシール装置、4
2は第1の実施の形態による圧縮コイルばね23に代え
て用いられた圧縮コイルばねで、この圧縮コイルばね4
2は、第1の実施の形態による圧縮コイルばね23とほ
ぼ同様に、環状シール22と別部材に配置され、外側リ
ンク部32とブッシュ33とを互いに離間する方向に付
勢している。しかし、本実施の形態による圧縮コイルば
ね42には、図8に示す如く、その両端部を軸方向に折
れ曲げることにより掛け止め部42A,42Aが形成さ
れている。
【0042】ここで、圧縮コイルばね42は、各トラッ
クリンク31が真直に延びた状態でねじり方向に自由状
態となるように、一方の掛け止め部42Aが外側リンク
部32の係合溝32Dに係合し、他方の掛け止め部42
Aがブッシュ33の係合溝33Bに係合している。これ
により、圧縮コイルばね42は、各トラックリンク31
の連結部分が折れ曲がったとき、即ち外側リンク部32
とブッシュ33とが相対的に回動したときには、ねじれ
を生じてトラックリンク31間の折れ曲がり(回動)を
戻すねじり方向(周方向)に付勢力を発生するものであ
る。
【0043】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様
の作用効果を得ることができるが、特に、本実施の形態
では、圧縮コイルばね42のねじり方向の付勢力を利用
し、各トラックリンク31の連結部分の折れ曲がりを抑
制することができるから、走行時における履帯7のばた
つきを確実に防止することができ、走行時の騒音を低減
することができる。
【0044】次に、図9は本発明の第3の実施の形態を
示すに、本実施の形態の特徴は、付勢部材をほぼU字状
の横断面形状を有するU字状ばねとして形成し、U字状
ばねの両開口端側を外側リンク部の内側端面、ブッシュ
の端面にそれぞれ当接する構成としたことにある。な
お、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同
一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する
ものとする。
【0045】51は本実施の形態によるシール装置で、
このシール装置51は、ほぼ「く」字状の横断面形状を
有する環状体として形成された環状シール52と、外側
リンク部9とブッシュ11とを互いに離間する方向に付
勢して配設されたU字状ばね53とによって構成され、
前記環状シール52とU字状ばね53とは別部材に配設
されている。
【0046】ここで、52は環状シールで、この環状シ
ール52は、外側リンク部9の内側端面9Cに締代をも
って当接した左側の環状部52Aと、ブッシュ11の端
面11Aに締代をもって摺接した右側の環状部52B
と、外側リンク部9のシール装着穴9Bに当接した周面
部52Cと、前記右側の環状部52Bから径方向内向き
に延び、ブッシュ11の端面11Aに締代をもって摺接
した縮径部52Dとによって構成されている。
【0047】53は環状シール52よりも径方向の内側
に配置され、ほぼU字状ないしV字状の横断面形状を有
するU字状ばねで、このU字状ばね53は、径方向外向
きに開口するように形成され、左側の開口端部53Aが
外側リンク部9の内側端面9Cに当接し、右側の開口端
部53Bがブッシュ11の端面11Aに摺動可能に当接
している。
【0048】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前述した各実施の形態とほぼ同様の作
用効果を得ることができる。
【0049】次に、図10は本発明の第4の実施の形態
を示すに、本実施の形態の特徴は、付勢部材を外側リン
ク部の内側端面に当接した第1の皿ばねと、第1の皿ば
ねに対面して配置されブッシュの端面に当接した第2の
皿ばねとによって構成したことにある。なお、本実施の
形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素
に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0050】61は本実施の形態によるシール装置で、
このシール装置61は、ほぼ「く」字状の横断面形状を
有する環状体として形成された環状シール62と、外側
リンク部9とブッシュ11とを互いに離間する方向に付
勢して配設された第1の皿ばね63、第2の皿ばね64
とによって構成され、前記環状シール62と皿ばね6
3,64とは別部材に配設されている。
【0051】ここで、62は環状シールで、この環状シ
ール62は、外側リンク部9の内側端面9Cに締代をも
って当接した左側の環状部62Aと、ブッシュ11の端
面11Aに締代をもって摺接した右側の環状部62B
と、外側リンク部9のシール装着面9Bに当接した周面
部62Cと、前記右側の環状部62Bから径方向内向き
に延び、ブッシュ11の端面11Aに締代をもって摺接
した縮径部62Dとによって構成されている。
【0052】63は外側リンク部9の内側端面9Cに当
接した第1の皿ばね、64はこの第1の皿ばね63に対
面し、ブッシュ11の端面11Aに当接した第2の皿ば
ねで、これら第1の皿ばね63と第2の皿ばね64と
は、小径側が互いに当接し、横断面形状が径方向外側に
向けて開口するV字状となっている。
【0053】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前述した各実施の形態とほぼ同様の作
用効果を得ることができるが、特に、本実施の形態で
は、付勢部材として一般に市販されている安価な皿ばね
63,64を用いることができるから、コストを低減す
ることができる。
【0054】なお、第1、第2の実施の形態では、シー
ル装置21,41は横断面がほぼM字状の環状シール2
2と圧縮コイルばね23,42とによって構成し、第3
の実施の形態では、シール装置51は横断面「く」字状
の環状シール52と横断面ほぼU字状のU字状ばね53
とによって構成し、第4の実施の構成では、シール装置
61は横断面「く」字状の環状シール62と2枚の皿ば
ね63,64とによって構成した場合を例に挙げて説明
したが、本発明はこれらの組合せに限るものではなく、
適宜組合せを変更して用いてもよい。
【0055】また、各実施の形態では、履帯として油圧
ショベルの履帯を例に挙げて説明したが、本発明はこれ
に限らず、油圧クレーン等の履帯にも広く適用できるも
のである。
【0056】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、シール装置は、弾性材料により環状に形成され外
側リンク部の内側端面とブッシュの端面との間に位置し
て締代をもって配設された環状シールと、前記環状シー
ルとは別部材で、かつ前記環状シールよりも大きな弾性
率をもった弾性材料からなり、前記外側リンク部の内側
端面とブッシュの端面との間に位置し互いに離間する方
向に付勢して配設された付勢部材とによって構成してい
る。これにより、トラックリンクにスラスト荷重が作用
した場合には、外側リンク部とブッシュとの間で付勢部
材がこのスラスト荷重を受承するから、環状シールは弾
性率を大きくする必要がなく、この環状シールを軟質の
弾性材料により形成することができる。この結果、外側
リンク部の内側端面、ブッシュの端面に対する環状シー
ルの面圧を下げることができ、摺動抵抗を低減すること
ができるから、この環状シールのシール性能を長期に亘
って維持することができ、耐久性や寿命を向上し、信頼
性を高めることができる。
【0057】また、付勢部材は、大きな弾性率をもって
外側リンク部とブッシュを付勢し、この外側リンク部と
ブッシュとが相対的に回動しようとするときに大きな抵
抗力を与えているから、走行時に駆動輪と遊動輪との間
で各トラックリンク間の連結部分が折れ曲がる事態を防
止でき、履帯のばたつきを防止して、走行時の騒音を低
減することができる。
【0058】請求項2の発明によれば、付勢部材は、環
状シールよりも径方向の内側に配置しているから、付勢
部材を環状シールによって密閉された空間に配置するこ
とができ、土砂等の異物によって付勢部材、外側リンク
部の内側端面、ブッシュの端面等が早期に摩耗するのを
防止することができる。また、前記空間内に雨水が浸入
するのを阻止できるので、付勢部材が錆等で腐食するの
を防止でき、付勢部材の寿命を延ばすことができる。
【0059】請求項4の発明によれば、圧縮コイルばね
は、その両端部を外側リンク部とブッシュとに係合さ
せ、外側リンク部とブッシュとの相対回転を弾性的に抑
える構成としているから、走行時に履帯のばたつきの原
因となるトラックリンク間の連結部分の折れが生じよう
とした場合には、外側リンク部とブッシュ(内側リンク
部)に係合している圧縮コイルばねがねじり方向に付勢
力を発生するから、このトラックリンク間の連結部分の
折れ曲がりを抑制することができ、より一層走行時の騒
音を低減することができる。
【0060】請求項6の発明によれば、付勢部材は、外
側リンク部の内側端面に当接した第1の皿ばねと、前記
第1の皿ばねに対面して配置されブッシュの端面に当接
した第2の皿ばねとによって構成しているから、付勢部
材として一般に市販されている安価な皿ばねを利用する
ことができ、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に適用される油圧シ
ョベルを示す外観図である。
【図2】図1中の履帯の要部を拡大して示す正面図であ
る。
【図3】各トラックリンク間の連結部分を示す図2中の
矢示 III−III 方向からみた一部破断の平面図である。
【図4】各トラックリンク間の連結部分を示す図3中の
矢示IV−IV方向からみた拡大断面図である。
【図5】図4中のシール装置を外側リンク部、内側リン
ク部、ブッシュ、連結ピンの一部と一緒に拡大して示す
要部拡大断面図である。
【図6】図5中のシール装置等を拡大して示す要部拡大
断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態によるシール装置を
外側リンク部、内側リンク部、ブッシュ、連結ピンの一
部と一緒に拡大して示す要部拡大断面図である。
【図8】図7中のシール装置等を拡大して示す要部拡大
断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態によるシール装置等
を拡大して示す要部拡大断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態によるシール装置
等を拡大して示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
7 履帯 8,31 トラックリンク 9,32 外側リンク部 9C,32C 内側端面 10 内側リンク部 11,33 ブッシュ 11A,33A 端面 12 連結ピン 21,41,51,61 シール装置 22,52,62 環状シール 23,42 圧縮コイルばね(付勢部材) 42A 掛け止め部 53 U字状ばね(付勢部材) 63 第1の皿ばね(付勢部材) 64 第2の皿ばね(付勢部材)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向一側に外側リンク部が形成され
    ると共に長手方向他側に内側リンク部が形成され、互い
    に無端状に連結される左,右のトラックリンクと、前記
    各トラックリンクの内側リンク部間に設けられ、左,右
    方向の両端側が前記外側リンク部と対向して配置された
    ブッシュと、前記ブッシュ内に挿入して設けられ、左,
    右方向の両端側が前記外側リンク部に嵌合して連結され
    た連結ピンと、前記各トラックリンクの外側リンク部と
    ブッシュとの間に位置して前記連結ピンの外周側に設け
    られたシール装置とからなる履帯において、 前記シール装置は、弾性材料により環状に形成され前記
    外側リンク部の内側端面とブッシュの端面との間に位置
    して締代をもって配設された環状シールと、前記環状シ
    ールとは別部材で、かつ前記環状シールよりも大きな弾
    性率をもった弾性材料からなり、前記外側リンク部の内
    側端面とブッシュの端面との間に配設され外側リンク部
    とブッシュとを互いに離間する方向に付勢する付勢部材
    とによって構成したことを特徴とする履帯。
  2. 【請求項2】 前記付勢部材は、前記環状シールよりも
    径方向の内側に配置してなる請求項1に記載の履帯。
  3. 【請求項3】 前記付勢部材は、前記連結ピンの周囲で
    巻回された圧縮コイルばねである請求項1または2に記
    載の履帯。
  4. 【請求項4】 前記圧縮コイルばねは、その両端部を前
    記外側リンク部とブッシュとに係合させ、前記外側リン
    ク部とブッシュとの相対回転を弾性的に抑える構成とし
    てなる請求項3に記載の履帯。
  5. 【請求項5】 前記付勢部材は、ほぼU字状の横断面形
    状を有するU字状ばねとして形成し、前記U字状ばねの
    両開口端側を前記外側リンク部の内側端面、ブッシュの
    端面にそれぞれ当接してなる請求項1または2に記載の
    履帯。
  6. 【請求項6】 前記付勢部材は、前記外側リンク部の内
    側端面に当接した第1の皿ばねと、前記第1の皿ばねに
    対面して配置され前記ブッシュの端面に当接した第2の
    皿ばねとによって構成してなる請求項1または2に記載
    の履帯。
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