JP2014505620A - シール組立体 - Google Patents

Abstract

ジョイントの第１部材（１２、１１２）と第２部材（１４、１１４）の間を封止するためのシール組立体（１０、１１０）であって、第１部材（１２、１１２）がジョイント軸（６０、１６０）の周りを第２部材（１２、１１２）に対して回転可能であるシール組立体が開示される。シール組立体（１０、１１０）は、ジョイントの第１部材（１２、１１２）と第２部材（１４、１１４）の第１および第２シールキャビティ（２０、１２０、２２、１２２）が広がるのに充分な軸方向寸法Ｘ、ＸＸを有する環状シール本体（３０、１３０）を含む。

Description

本開示はシールに関する。詳細には、本開示は２つの回転可能な部材間を封止するためのシール組立体に関する。そのようなシール組立体は、トラックチェーンのトラックジョイントを封止するために使用することができる。

近年、移動車両のシールジョイントに、詳細にはトラックチェーンのトラックジョイントを封止するための装置に関心が寄せられている。例えば、ブルドーザなどのクローラー式トラクターは一般的に、地面上のトラクターを推進するためにスプロケット、アイドラ、トラックチェーンおよびトラックチェーンに取り付けられた多数のトラックシューを有する。クローラー式トラクターの使用中、スプロケットが回転しかつトラックチェーンと係合し、それによってトラックチェーンを、取り付けられたトラックシューと一緒に、スプロケットとアイドラによって画定された経路の周りで回転させる。トラックチェーンが回転することによってトラックシューは地面と係合し、それによって地面上のクローラー式トラクターを推進し、各種の作業機能を実行する。

トラックチェーンは一般的に一対の平行なチェーンを含み、各平行なチェーンは一続きの連行されるマスターリンクとトラックリンクから構成される。いくつかのトラックチェーンは、平行チェーンの間に置かれそれに接続される一続きのピンおよびブッシュをさらに含み得る。ブッシュおよび連行されるトラックリンクは協働して多数のトラックジョイントを形成し、トラックジョイントによって、トラックチェーン使用の間、例えばトラックチェーンがスプロケットおよびアイドラの周りを回転するとき、トラックリンクに対するブッシュの必要な移動が許容される。トラックジョイントは典型的に、トラックチェーンが使用中に曝される水、土、砂、岩または他の鉱物または化学的要素の様々な腐食性および摩耗性混合物の侵入を防ぐためにトラックシール組立体が装備されている。トラックシール組立体はまた、上述のブッシュとトラックリンクの相対的な移動を促進するために、潤滑油をトラックジョイント内に保持する働きもする。

ＤＵＯ−ＣＯＮＥ（商標）またはＨＤＤＦ（Ｈｅａｖｙ Ｄｕｔｙ，Ｄｕａｌ Ｆａｃｅ（高負荷に耐える二重面））などの金属面シールをこの用途に使用することができる。そのようなシールは一般に、適所で浮く２つの金属シールリング、均一圧力をかけて金属リングを正確に位置付け、ハウジングとシールリングとの間の固定シールとして機能する２つの弾性負荷リングを含む。

負荷リングはまた、回転トルクを駆動ハウジングからシールリングへ伝達する。正の封止接触が、組立許容誤差の積み重ね、シャフトのたわみ、軸方向の遊び、偏心、または振動と無関係に提供される。弾性材料は通常、シリコーンまたはニトリルゴムである。いくつかのそのようなシールは、一般的な用途において、各ジョイントに必要とされる。例えば、４つのそのようなシールが、トラック用途において、トラックジョイントごとに必要とされ得る。

一態様において、本開示は、トラックジョイントの第１部材と第２部材の間を封止するためのシール組立体に関し、第１部材はジョイント軸の周りを第２部材に対して回転可能であり、第１部材は第１シールキャビティを有し、第２部材は第２シールキャビティを有し、第１および第２シールキャビティが、実質的に隣接する組み合わされたシールキャビティを形成し、シール組立体が、環状シール本体を有する弾性シールリングを含み、第１シールリップが環状シール本体から突出し、第２シールリップが環状シール本体から突出する。環状シール本体は第１および第２シールキャビティが広がるのに充分な軸方向寸法を有し、使用中、第１シールリップは第１シールキャビティの第１の側壁の一部に当接し、第２シールリップは第２シールキャビティの第１の側壁の一部に当接する。

添付の図面は、現時点で好ましい本開示の例示的実施形態を示し、上に提示された概略的な記載および以下に提示される好ましい実施形態の詳細な記載と併せて、例として、本開示の原理を説明する働きをする。

本開示の例示的実施形態によるシール組立体の第１実施形態の概略図である。 本開示の例示的実施形態によるシール組立体の第２実施形態の概略図である。

一実施形態によれば、シールキャビティ内に固定した状態に保持される第１シールリングを有するシール組立体が提供される。シールキャビティは２つのシールキャビティから形成される。２つのシールキャビティはそれぞれ、シールジョイントを構成する第１および第２部材に配置される。

図１を参照すると、シール組立体１０の第１実施形態が示されている。シール組立体１０はジョイントの第１部材１２と第２部材１４の間を封止するために提供され、第１部材１２はジョイント軸６０の周りを第２部材１４に対して回転可能である。この特定の実施形態において、第１部材１２はトラックジョイントのカラーであり、第２部材１４はトラックジョイントのブッシュである。第１部材１２はジョイント軸６０の周りを第２部材１４に対して回転可能である。

第２部材１４はスリーブベアリング１６の周りに位置付けられる。スラストリング１８が第１部材１２とスリーブベアリング１６の間に位置付けられる。

第１部材１２は第２部材１４に隣接して位置付けられた第１シールキャビティ２０を有する。第２部材１４は第１部材１２に隣接して位置付けられた第２シールキャビティ２２を有する。

組み合わされたシールキャビティ２４が、第１シールキャビティ２０と第２シールキャビティ２２の組み合わせから形成される。シール組立体１０は組み合わされたシールキャビティ２４の中に位置付けられる。

シール組立体１０は第１シールリング２６と弾性シールリング２８を含む。第１シールリング２６は、スラストリング１８とスリーブベアリング１６の両方の周りに位置付けられる。

この実施形態の弾性シールリング２８はポリウレタンから形成される。弾性シールリング２８は、環状補強リング３２の周りに成形された環状シール本体３０を含む。環状補強リング３２は、面取りされたコーナーを有する実質的に矩形の断面を有する。環状補強リング３２は金属である。

環状シール本体３０は、組み合わされたシールキャビティ２４が広がるのに充分な軸方向寸法Ｘを有する。

第１シールリップ３６が環状シール本体３０から突出する。第１シールリップ３６は環状シール本体３０から半径方向外側に突出し、第１シールキャビティ２０の外側側壁３８と当接する。外側側壁３８は、ジョイント軸６０からもっとも離れた第１シールキャビティ２０の側壁である。

第２シールリップ４０が環状シール本体３０から突出する。第２シールリップ４０は環状シール本体３０から半径方向外側に突出し、第２シールキャビティ２２の外側側壁４２と当接する。外側側壁４２は、ジョイント軸６０からもっとも離れた第２シールキャビティ２２の側壁である。

第３シールリップ４４が環状シール本体３０から突出する。第３シールリップ４４は環状シール本体３０から軸方向に離れるように突出し、第１シールキャビティ２０の第２側壁４６と当接する。第１シールキャビティ２０の第２側壁４６は、外側側壁３８に対して、およびジョイント軸６０に対して実質的に垂直である。

第４シールリップ４８が環状シール本体３０から突出する。第４シールリップ４８は環状シール本体３０から軸方向に離れるように突出し、第２シールキャビティ２２の第２側壁５０と当接する。第４シールリップ４８は第３シールリップ４４の軸方向反対方向に突出する。第２シールキャビティ２２の第２側壁５０は、外側側壁４２に対して、およびジョイント軸６０に対して実質的に垂直である。

第１および第２シールリップ３６、４０は実質的に四角形の断面を有する。四角形の断面は、環状シール本体に隣接する第１の幅Ａ、Ｃから、第１および第２シールリップ３６、４０の末端の第２の幅Ｂ、Ｄまで幅が減少する。

第１の幅Ａ、Ｃから第２の幅Ｂ、Ｄまでの断面幅の減少は、第１および第２シールリップ３６、４０の軸方向内側よりも軸方向外側において激しい。

第１の幅Ａ、Ｃはそれぞれ典型的には、環状シール本体３０の軸方向寸法Ｘの約２５〜４９％、より好ましくは３５〜４５％であり得る。

第３シールリップ４４は実質的に四角形の断面を有し、四角形の断面は、環状シール本体３０に隣接する第１の幅Ｅから第１シールキャビティ２０の第２側壁４６に当接する末端の第２の幅Ｆまで幅が減少する。

第４シールリップ４８は実質的に四角形の断面を有し、四角形の断面は、環状シール本体３０に隣接する第１の幅Ｇから第２シールキャビティ２２の第２側壁５０に当接する末端の第２の幅Ｈまで幅が減少する。

第３シールリップ４４および第４シールリップ４８の四角形断面の幅の減少は、第１および第２シールリップ３６、４０のテーパよりも均一なテーパである。

図２を参照すると、シール組立体１１０の第２実施形態が示されている。第２実施形態は第１実施形態と類似しており、第１実施形態で記載された特徴に類似した特徴には、数字の場合「１」が前に付けられ、文字の場合重複され、例えば「ＸＸ」は「Ｘ」に等しい。

第２実施形態は概して第１実施形態と同一である。環状補強リング１３２は、実質的に矩形ではなく、実質的にＵ型の断面を有する。Ｕ型の断面によって、減少した物質量に、より強い補強が提供され得る。

開示されるシール組立体の少なくとも１つの実施形態は、トラックピンに使用することができる。トラックジョイントはそのようなシール組立体を含むことができる。いかなる車両もそのようなシール組立体を含むことができる。

いくつかの従来技術のシール組立体を、より少数の開示されるシール組立体の少なくとも１つの実施形態で置き換えることができるかもしれない。

シール組立体は、シールリップ３６、４０、４４、４８、１３６、１４０、１４４、１４８の柔軟性および圧縮性の組み合わせによって、半径方向および軸方向の移動を提供することができる。

少なくとも１つの実施形態は、トラックジョイント内のシール組立体の製造および／または組立て費用を低く抑え得る。少なくとも１つの実施形態は、面倒な構成を回避し得る。シール組立体はトラックジョイントシール組立体の簡単な組立てプロセスを提供し得る。

当業者には明白なことであるが、本シール組立体に様々な修正と変更を加えることができる。開示されたシール組立体の仕様および実践を考慮すれば、他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。仕様および例は単に例として考慮されるものとし、真の範囲は以下の請求項ならびにそれらの等価物によって示されることが意図される。

１つのそのような修正は、環状シール本体３０、１３０を形成するために使用される材料であり得る。ウレタンを含む他の樹脂および熱可塑性樹脂が、ポリウレタンの代わりに使用され得る。

環状補強リング３２、１３２は、環状シール本体３０、１３０に適切な材料が選択される場合、省略することができる。

Claims (14)

1. トラックジョイントの第１部材（１２）と第２部材（１４）の間を封止するためのシール組立体（１０）であって、第１部材（１２）がジョイント軸（６０）の周りを第２部材（１４）に対して回転可能であり、第１部材（１２）が第１シールキャビティ（２０）を有し、第２部材（１４）が第２シールキャビティ（２２）を有し、第１および第２シールキャビティ（２０、２２）が、実質的に隣接する組み合わされたシールキャビティ（２４）を形成し、シール組立体（１０）が、
   環状シール本体（３０）を有する弾性シールリング（２８）と、
   環状シール本体（３０）から突出する第１シールリップ（３６）と、
   環状シール本体（３０）から突出する第２シールリップ（４０）と、を含み、
   環状シール本体（３０）が、第１および第２シールキャビティ（２０、２２）が広がるのに充分な軸方向寸法（Ｘ）を有し、使用中、第１シールリップ（３６）が第１シールキャビティ（２０）の第１の側壁の一部に当接し、第２シールリップ（４０）が第２シールキャビティ（２２）の第１の側壁の一部に当接する、シール組立体（１０）。
2. 第１および第２シールリップ（３６、４０）の少なくとも１つが、環状シール本体（３０）から半径方向外側に突出する、請求項１に記載のシール組立体（１０）。
3. シール組立体（１０）が、環状シール本体（３０）から軸方向に突出する第３シールリップ（４４）を含む、請求項１に記載のシール組立体（１０）。
4. シール組立体（１０）が、第３シールリップ（４４）から遠位の位置において、環状シール本体（３０）から軸方向に突出する第４シールリップ（４８）を含む、請求項３に記載のシール組立体（１０）。
5. 第１および第２シールリップ（３６、４０）の少なくとも１つが、実質的に四角形の断面を有し、四角形の断面は、環状シール本体（３０）に隣接する第１の幅から、遠位端の第２の幅まで幅が減少する、請求項１に記載のシール組立体（１０）。
6. 第１または第２シールリップ（３６、４０）の軸方向内側よりも軸方向外側の方が、幅の減少が激しい、請求項５に記載のシール組立体（１０）。
7. 第３シールリップ（４４）が実質的に四角形の断面を有し、四角形の断面は、環状シール本体（３０）に隣接する第１の幅から、遠位端の第２の幅まで幅が減少する、請求項３に記載のシール組立体（１０）。
8. 第４シールリップ（４８）が実質的に四角形の断面を有し、四角形の断面は、環状シール本体（３０）に隣接する第１の幅から、遠位端の第２の幅まで幅が減少する、請求項４に記載のシール組立体（１０）。
9. 弾性シールリング（２８）が弾性材料を含み、環状補強リング（３２）が環状シール本体（３０）の中に埋め込まれている、請求項１に記載のシール組立体（１０）。
10. 環状補強リング（３２）が金属である、請求項９に記載のシール組立体（１０）。
11. 環状補強リング（３２）が実質的にＵ型の断面を有する、請求項９に記載のシール組立体（１０）。
12. 弾性材料が以下の群：ウレタン、熱可塑性樹脂、およびポリウレタン、からの１種を含む、請求項９に記載のシール組立体（１０）。
13. 請求項１に記載のシール組立体（１０）を含むトラックジョイント。
14. 請求項１に記載のシール組立体（１０）を含む大型ホイールローダー。

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