JP2001039121A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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Abstract
空気入りタイヤを提供することを目的とする。 【解決手段】空気入りタイヤ10は、トレッド上に溝1
4で区画された複数のブロック16を有する。ブロック
16Aの蹴り出し側側壁20は、蹴り出し側角部が鈍角
となるように傾斜している。踏面22に対する側壁20
の傾斜角度θを20度以上としているため、ブロック1
6Aはブロック欠けに対する十分な耐性を有し、40度
以下とするためブロック16Aの踏面22の面積が過少
となって走行安定性を損なうことはない。したがって、
各ブロック16をブロック16Aと同様に形成すること
により、路面から離間する際のブロック変形と遠心力に
よって溝14に進入した雪を良好に排出することができ
る。このように、ブロック欠けと雪詰まりの双方を防止
できる。
Description
する際に、ブロック欠け防止と雪詰まり防止を共に達成
する空気入りタイヤに関する。
タイヤとして、トレッドに発泡ゴム層を用いた空気入り
タイヤ(スタッドレスタイヤ)がある。発泡ゴムは、無
数の独立気泡を有しているため、トレッド表面に露出し
ている無数の独立気泡がタイヤと路面の間の水膜を取り
込むことによってタイヤの摩擦係数が向上する。
め、ブレーキング等でブロック欠けを生じ易いという不
都合がある。そこで、隣接するブロック同士をタイバー
によって接続し、ブロックの動きを規制する(ブロック
の剛性を増強する)ことによって、ブロック欠けに対す
る耐性を向上させている。
ク欠けを防止するためにブロック同士をタイバーで接続
するとブロックの動き(変形)が規制される。この結
果、ブロック間の主溝に進入した雪をブロックの変形に
よって排出することを阻害し、雪詰まりが発生してしま
うという不都合があった。特に、氷雪路面においては自
動二輪車の走行速度が低いため、二輪車用空気入りタイ
ヤに作用する遠心力が小さい。この結果、遠心力の作用
による雪の排出が弱く、雪詰まりが発生しやすいという
不都合があった。
ロック欠けと雪詰まりの双方を防止する空気入りタイヤ
を提供することを目的とする。
に請求項1記載の本発明は、トレッドの表層部側に発泡
ゴム層を有し、各トレッド端部から他方のトレッド端部
に向けて各々交差し傾斜して形成された主溝によって区
画されたブロックが形成されており、前記ブロック内に
は少なくとも一本のサイプが形成された空気入りタイヤ
であって、前記ブロックの蹴り出し側角部を区画する側
壁は当該角部を鈍角とするように傾斜しており、当該側
壁に対して直交する断面において、前記ブロックの踏面
の法線に対する当該側壁の傾斜角度を20度〜40度の
範囲内としたことを特徴とする。
る。
表層部側に発泡ゴム層を有するため、氷雪路面とタイヤ
の間の水膜を独立気泡内に取り込み、タイヤの摩擦係数
を増加させる。また、トレッド表層部に形成された主溝
によって区画されたブロックの蹴り出し側角部を区画す
る側壁(以下、蹴り出し側側壁という)は、当該角部を
鈍角とするように傾斜しており、当該側壁の踏面の法線
に対する傾斜角度が20度〜40度とされている。これ
は、側壁の傾斜角度が20度未満では、剛性の低い発泡
ゴム層から形成されているブロックのブロック欠けに対
する耐性が十分に確保されないためである。一方、側壁
の傾斜角度が40度を越えると踏面側のブロックの表面
積が減少し、十分な接地面積が確保できなくなる。した
がって、ブロックの蹴り出し側側壁の踏面の法線に対す
る傾斜角度を20度〜40度とすることによって、ブロ
ックの接地面積を十分に確保しつつ、ブロックの剛性
(ブロック欠けに対する耐性)を十分に確保することが
できる。この結果、ブロック欠けに対する耐性を確保す
るために、ブロック同士をタイバーなどで接続する必要
がなくなる。したがって、路面から離間する際のブロッ
クの変形と遠心力によって、主溝に進入した雪をスムー
ズに排出できる。
明において、前記主溝は、円弧状に形成されていること
を特徴とする。
る。
イヤ周方向に限らず、あらゆる方向から作用する力に対
して、ブロックのエッヂ効果を発揮することができる。
記載の発明において、前記トレッド上に形成されたブロ
ックパターンは、方向性を有することを特徴とする。
る。
め、タイヤ回転方向(車両前進方向)のみの性能発揮に
焦点をあわせて開発できる。
ずれか1項記載の発明において、前記トレッドのネガテ
ィブ比が30%〜60%の範囲内であることを特徴とす
る。
る。
面、特に雪路面での雪の把持量が減少することによって
グリップ力が低下すると共に、ブロック剛性の増加によ
ってブロック変形量が減少して雪詰まりが発生する。ま
た、ネガティブ比が60%を越えるとブロックの剛性が
著しく低下して、氷雪路面における走行安定性が損なわ
れる。したがって、ネガティブ比が30%以上60%以
下とすることによって、氷雪路面における良好なグリッ
プ力と走行安定性が確保される。
ずれか1項記載の発明において、前記空気入りタイヤは
二輪車用空気入りタイヤであることを特徴とする。
る。
低いため、トレッドに作用する遠心力が小さい。したが
って、遠心力のみで主溝に進入した雪を十分に排出する
ことができない。しかしながら、少なくともブロックの
蹴り出し側側壁の踏面の法線に対する傾斜角度を20度
以上とすることによってブロック欠けに対する耐性を向
上させたため、ブロック同士をタイバーで接続する必要
がなくなる。この結果、遠心力の作用が小さい二輪車用
空気入りタイヤにおいても、路面から離間する際のブロ
ックの変形と遠心力によって雪を良好に排出し、雪詰ま
りを確実に防止することができる。
りタイヤについて図1〜図3を参照して説明する。
空気入りタイヤ10は二輪車用のスノータイヤ(タイヤ
サイズ:2.75−14)であり、トレッド12には、
タイヤ回転方向(矢印S方向)に対して傾斜する複数の
交差する溝14によって、複数のブロック16が形成さ
れている。溝14は、タイヤ回転方向と反対方向に凸と
なる円弧状形状であり、ブロック16のパターンが方向
性を有する。また、各ブロック16には、サイプ18が
形成されている。
30%以上60%以下が好ましい。これは、ネガティブ
比が30%を下回ると、氷雪路面、特に雪路面での雪の
把持量が減少することによってグリップ力が低下すると
共に、ブロック剛性の増加によってブロック変形量が減
少して雪詰まりが発生するためであり、60%を越える
とブロック剛性が低下して走行安定性が損なわれるため
である。なお、本実施形態では、ネガティブ比が51%
である。
ド12以外の内部構造は一般周知の構造(バイアス構
造、ラジアル構造等)であるので内部構造についての説
明は省略する。
下側(タイヤ径方向内側)が非発泡ゴム12Aで形成さ
れ、接地面側が発泡ゴム12Bで形成されている。
ましくは10%〜30%である。本実施形態では、20
%である。発泡ゴムの発泡率Vs=(ρ0/ρ1−1)×
100(%)で表され、ρ1は発泡ゴムの密度(g/c
m3)、ρ0は発泡ゴムの固相部の密度(g/cm3)で
ある。
膜に対して絶対的な凹部体積の不足により十分な排除水
が行なわれず、氷雪性能の向上が望めない。
効果は十分であるが、ゴム内の空隙が多すぎるために、
コンパウンドの破壊限界が大幅に低下し、耐久性上好ま
しくない。
間では、図3に示すように、ブロック16Aの蹴り出し
側角部を区画する側壁(以下、蹴り出し側側壁という)
20が当該角部を鈍角とさせるように傾斜して形成され
ている。ブロック16の踏面22の法線Nに対する蹴り
出し側側壁20の傾斜角度θは20度〜40度であれば
良い。本実施形態では、傾斜角度θが25度に形成され
ている。
の作用について説明する。
て氷雪路面上を走行することにより、氷雪路面上の水膜
がトレッド12の表層側に形成された発泡ゴム12Bの
気泡の内部に吸い込まれ、排除水を行なう。この結果、
氷雪路面に対する空気入りタイヤ10のグリップが向上
し、走行安定性が向上する。
12Bを用いることによってブロック16の剛性が低下
するが、ブロック16は蹴り出し側側壁20の踏面22
の法線Nに対する傾斜角度θが25度(20度以上)と
されている(外側に向かって開く形状である)ためブロ
ック剛性が向上し、タイバーなどによってブロック同士
を接続しなくてもブロック欠けに対する十分な耐性を確
保できる。この結果、踏面から離間する際のブロック変
形と遠心力によって、溝14内に進入した雪を良好に排
出することができる。また、蹴り出し側側壁20の傾斜
角度θが40度以下であれば、蹴り出し側側壁20の傾
斜によってブロック16の踏面22の面積が減少しす
ぎ、接地面積の減少によって走行安定性を損なうことも
ない。
ロック16の蹴り出し側側壁20の踏面22の法線Nに
対する傾斜角度θを25度(20度以上40度以下)と
することによって、雪詰まりを良好に防止すると共に、
ブロック欠けを防止することができる。 (試験例)本発明の作用について確認するために、以下
のような試験を行なった。試験に用いた従来例および実
施例の二輪車用タイヤは、いずれも実施形態と同様の形
状でタイヤサイズが2.75−14であり、発泡ゴムの
発泡率が20%、ネガティブ比51%である。ただし、
踏面の法線に対するブロックの蹴り出し側側壁の傾斜角
度は、従来例が5度、実施例が25度である。
実施例の空気入りタイヤを90ccの自動二輪車に装着
して、熟練ライダー1名が乗車して所定距離走行した。
走行後にブロック欠け性および雪詰まり性について従来
例を80とした指数評価を行なった。指数が大きい方が
良好であることを示す。ここで、ブロック欠け性は、一
般舗装路を100km走行後のブロック欠けの発生数で
評価し、雪詰まり性は、走行後の目視による雪詰まり量
と熟練ライダーの走行フィーリングによって評価した。
結果を表1に示す。
よび雪詰まり性のいずれにおいても、従来例に比べて顕
著な向上が確認された。
ッドの表層側に発泡ゴム層が形成され、その表面に形成
されたブロックの蹴り出し側側壁が踏面の法線に対する
傾斜角度を20度以上40度以下となるように形成した
ため、トレッド表面のブロック間に形成された主溝に詰
まった雪をブロック変形と遠心力によって良好に排出で
きると共に、発泡ゴム層に形成されたブロックのブロッ
ク欠けを抑制することができる。
レッド平面図である。
部断面説明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 トレッドの表層部側に発泡ゴム層を有
し、各トレッド端部から他方のトレッド端部に向けて各
々交差し傾斜して形成された主溝によって区画されたブ
ロックが形成されており、前記ブロック内には少なくと
も一本のサイプが形成された空気入りタイヤであって、 前記ブロックの蹴り出し側角部を区画する側壁は当該角
部を鈍角とするように傾斜しており、当該側壁に対して
直交する断面において、前記ブロックの踏面の法線に対
する当該側壁の傾斜角度を20度〜40度の範囲内とし
たことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 前記主溝は、円弧状に形成されているこ
とを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項3】 前記トレッド上に形成されたブロックパ
ターンは、方向性を有することを特徴とする請求項1ま
たは2記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項4】 前記トレッドのネガティブ比が30%〜
60%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3の
いずれか1項記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項5】 前記空気入りタイヤは二輪車用空気入り
タイヤであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
1項記載の空気入りタイヤ。
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