JP2001038904A - インクジェットプリンタヘッド - Google Patents

インクジェットプリンタヘッド

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JP2001038904A
JP2001038904A JP11219115A JP21911599A JP2001038904A JP 2001038904 A JP2001038904 A JP 2001038904A JP 11219115 A JP11219115 A JP 11219115A JP 21911599 A JP21911599 A JP 21911599A JP 2001038904 A JP2001038904 A JP 2001038904A
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JP11219115A
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Yoshihiro Kawamura
義裕 河村
Osamu Nakamura
修 中村
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発熱素子の電極の腐蝕や剥離に耐性を有する信
頼性の高いインクジェットプリンタヘッドを提供する。 【解決手段】個別電極23と共通電極21との対峙方向
(破線43)は共通インク供給路と直角な方向(破線4
5)に対して或る傾き角θ1を有し、個別電極23と共
通電極21との対峙方向と発熱部25へのインク流入方
向とは所定の角度「θ2」で交差する。これにより、発
熱部25と個別電極23及び共通電極21とを接続する
接続部41及び42をシール隔壁31−2及び区画隔壁
31−3により被覆することができ、いずれの電極もイ
ンクとの電気化学反応を起こさず、従って腐蝕したり剥
離することが無く、信頼性の高いインクジェットプリン
タヘッドが出来上がる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱素子に接続す
る電極の腐蝕や剥離に耐性を有する信頼性の高いインク
ジェットプリンタヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、印字ヘッドからインクを用紙
面に吐出して印字を行うインクジェットプリンタがあ
る。このインクジェットプリンタによる印字方法は、印
字ヘッドのインク吐出面に多数配列されている微細な孔
(吐出ノズル)からインクの液滴を吐出させ、このイン
ク滴(印字ドット)を紙、布などの被記録材に着弾させ
て吸収させ、これにより文字や画像等の印字を行なうも
のであり、騒音の発生が少なく、特別な定着処理を要す
ることもなく且つフルカラー記録も比較的容易な記録方
法である。
【0003】インクの液滴を吐出させる方法としては、
ピエゾ抵抗素子(圧電素子)などの電気機械変換素子を
用いてインクチャンバーに機械的変形による圧力を生じ
させ、これにより微小な吐出ノズルからインク滴を吐出
させるピエゾジェット方式や、微細なインク室に発熱部
を配して、これに電気パルスを与え高速でインクと発熱
部の界面に気泡を発生させ、その気泡の成長力を利用し
て上記同様に微小な吐出ノズルからインク滴を吐出させ
るサーマルジェット方式などがある。
【0004】また、上記のサーマルジェット方式には、
インク滴の吐出方向により、二通りの構成があり、一つ
は発熱部の発熱面に平行な方向へインクを吐出する構成
のものであり、他の一つは発熱部の発熱面に垂直な方向
にインクを吐出する構成のものである。中でも発熱部の
発熱面に垂直な方向にインク滴を吐出する構成のもの
は、ルーフシュータ型インクジェットプリンタヘッドと
呼称されており、発熱部の発熱面に平行な方向へインク
を吐出するサイドシュータ型の構成のものに比較して、
消費電力が極めて小さくて済むことが知られている。
【0005】このルーフシュータ型のサーマル式インク
ジェットプリンタヘッドの製法としては、例えば6イン
チ以上の直径の一枚のシリコンウエハ上に例えば90個
以上に区画された10mm×15mm程度の大きさの多
数のチップ基板の上に、シリコンLSI形成技術と薄膜
形成技術を利用して、設計上の方針にもよるが、例えば
64個、128個、又は256個等の多数の発熱部と、
これらを個々に駆動する駆動回路とインク流路と吐出ノ
ズルとを一括してモノリシックに形成する方法がある。
【0006】図6(a) は、そのようにして作成されるル
ーフシュータ型のインクジェットプリンタヘッドの概略
の構成を模式的に示す側断面図であり、同図(b) 〜(d)
は、その発熱駆動時の動作状態を示す図である。このイ
ンクジェットプリンタヘッド1は、同図(a) に示すよう
に、チップ基板2上に形成された薄膜からなる発熱抵抗
体層3、その発熱抵抗体層3の発熱部4、その発熱部4
の両端に配設された個別配線電極5と共通電極6、これ
らの上に積層された隔壁7、更にこれらの上に積層され
たオリフィス板8を備え、このオリフィス板8にはイン
ク吐出ノズル9が形成されている。
【0007】上記の発熱抵抗体層3は、フォトリソグラ
フィー技術等の薄膜形成技術により例えば40μm程度
の微細なピッチで図の紙面垂直方向に条形に形成されて
いる。そして、その発熱部4となる部分を除いた部分
に、この発熱部4を発熱駆動するための上記の個別配線
電極5と共通電極6とが積層されて、これら発熱部4、
個別配線電極5及び共通電極6からなる複数条(64
本、128本、256本等)の発熱素子が形成されてい
る。
【0008】上記の発熱部4は、個別配線電極5上に形
成された櫛状の隔壁7の櫛の胴部に当るシール部7aか
ら伸び出す櫛の歯部に当る区画部7b、7b間に配置さ
れ、隣接する他の発熱部4とは個別に区画されている。
そして、発熱部4の並設方向に平行し、上記櫛の歯の開
口部側に、隔壁7の厚さに相当する高さのインク流路1
0が形成されている。このインク流路10からインク1
1が発熱部4が配設されたインク加圧室に流入する。
【0009】先ず、同図(b) に示すように、画像情報に
応じた通電により、発熱部4を発熱させてこの発熱部4
上に核気泡を発生させると、この核気泡が合体して膜気
泡12が発生する。そして、同図(c) に示すように、上
記の膜気泡12が断熱膨脹して更に大きな膜気泡12a
に成長し周囲のインクを押し遣り、これによりインク吐
出ノズル9からインク11aが押し出される。この押し
出されたインク11aは、同図(d) に示すように、膜気
泡12aの更なる膨張した膜気泡12bに押し出されて
インク滴11bとなってインク吐出ノズル9から不図示
の紙面に向けて吐出される。この後、通電がオフされ上
記の成長した膜気泡12bが収縮し、ついには気泡が消
滅し、次の発熱部4の加熱が待機される。この一連の工
程は瞬時に行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した発
熱部4、個別配線電極5及び共通電極6からなる複数条
の各発熱素子において、電極には安価な良導体であるア
ルミニューム(Al)や本来は耐腐蝕性に優れている良
導体の金(Au)等が用いられるが、これらの電極と発
熱抵抗体層との接合部で、インクとの電気化学反応が起
こり、電極が腐蝕したり発熱抵抗体層から剥離するなど
の問題が発生する。このように、電極に用いる導体が、
腐蝕したり発熱抵抗体層から剥離したのでは、インクジ
ェットプリンタヘッドが性能を劣化させ、やがては破壊
されてしまう。
【0011】図7(a),(b) は、そのような電極の腐蝕と
剥離の問題を、多少でも解消すべく提案されているイン
クジェットプリンタヘッドの構成を示す図であり、同図
(a)は、発熱部近傍の概略の構成を模式的に示す平面
図、同図(b) は、同図(a) のA−A′断面矢視図であ
る。尚、同図(a) はオリフィス板を取り除いて示してい
る。また、図6(a) と同一の構成部分には図6(a) と同
一の番号を付与して示している、同図(a),(b) に示すよ
うに、このインクジェットプリンタヘッド1′は、隔壁
7の櫛の歯状の区画部7bによって区画されたインク加
圧室13のインク流入方向に対して奥側の電極接続部、
すなわち、個別電極5と発熱部4との接続部が隔壁7の
シール部7a′によって覆われている。これによって、
少なくとも個別電極5についてだけは、腐蝕や剥離の問
題が解消されている。しかし、インク流入口である手前
側の電極接続部、すなわち、共通電極6と発熱部4との
接続部は、これを隔壁で覆うとインク流入の邪魔になる
のでインク中に露出したままとなっている。したがっ
て、このインクジェットプリンタヘッド1′の構成は、
電極の腐蝕や剥離の問題を完全に解消したものでなかっ
た。
【0012】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
発熱素子の電極の腐蝕や剥離に耐性を有する信頼性の高
いインクジェットプリンタヘッドを提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
プリンタヘッドは、夫々一対の電極に接続され印加電圧
に応じてインクを吐出させる為の圧カエネルギーを発生
させる複数のエネルギー発生素子と、該エネルギー発生
素子に対応して設けられ、圧力を受けた上記インクを所
定方向に吐出させる複数の吐出ノズルと、外部から供給
される上記インクを上記エネルギー発生素子の配設領域
に流入させるインク流入路を区画形成する隔壁と、を有
するインクジェットプリンタヘッドであって、上記エネ
ルギー発生素子と一対の電極とを接続する両接続部を上
記隔壁により被覆して構成される。
【0014】そして、例えば請求項2記載のように、上
記一対の電極が対峙する方向と上記エネルギー発生素子
の配設領域にインクを流入させるインク流入路の方向が
所定の角度で交差して構成され、上記所定の角度は、例
えば請求項3記載のように、90°であることが好まし
い。
【0015】また、例えば請求項4記載のように、上記
インクを上記エネルギー発生素子の配設領域に流入させ
るインク流入路に圧力溜め用の隔壁を設けてもよい。ま
た、上記圧力溜め隔壁は、例えば請求項5記載のよう
に、上記隔壁のインク流入路の入口を形成する部分から
突出させるのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1(a),(b),(c) は、第1の
実施の形態におけるインクジェットプリンタヘッドの製
造方法を工程順に示す図であり、それぞれ一連の工程に
おいてシリコンチップの基板上に形成されていく状態の
概略の平面図と断面図を模式的に示している。尚、これ
らの図には、説明の便宜上、いずれもフルカラー用のイ
ンクジェットプリンタヘッドの1個のヘッドチップ(モ
ノクロ用インクジェットヘッドの構成と同じ)のみを示
しているが、実際には後述するように、このようなヘッ
ドチップが複数個(通常は4個)連なった形状のもの
が、1枚のシリコン基板上に形成される。また、同図
(c) には36個のインク吐出ノズル35を示している
が、実際には64個、128個、256個等、設計上の
方針によって多数形成されるものである。
【0017】最初に、基本的な製造方法について説明す
る。先ず、工程1として、4インチ以上のシリコン基板
にLSI形成処理により駆動回路とその端子を形成する
と共に、厚さ1〜2μmの酸化膜(Si O)を形成
し、次に、工程2として、薄膜形成技術を用いて、Ta
(タンタル)−Si(シリコン)−O(酸素)からなる
発熱抵抗体膜と、Ti−W等のバリア層を介在させてA
uなどによる電極膜を順次積層形成する。そして、電極
膜と発熱抵抗体をフォトリソグラフィー技術によって夫
々パターニングし、その発熱部とする領域の両側に配線
電極が積層されてなる発熱素子が所定の間隔と形状で並
設される。この工程で発熱部の位置が決められる。
【0018】図1(a)は、上記の工程1及び工程2が終
了した直後の状態を示している。すなわち、チップ基板
20上には共通電極21、共通電極給電端子22、個別
配線電極23、発熱抵抗体膜をパターン化したことによ
り形成された多数の圧力エネルギー発生素子としての発
熱部25、駆動回路26及び駆動回路端子27が形成さ
れている。なお、図1(a)では、複数の個別配線電極2
3及び発熱部25をそれらが存在する領域として一まと
めに図示してあり、詳細な説明は後述する。
【0019】続いて、工程3として、個々の発熱部25
に対応するインク加圧室とインク供給路を形成すべく感
光性ポリイミドなどの有機材料からなる隔壁部材をコー
ティングにより高さ20μm程度に形成し、これをフォ
トリソグラフィー技術によりパターン化した後に、30
0℃〜400℃の熱を30分〜60分加えるキュア(乾
燥硬化、焼成)を行い、高さ10μm程度の上記感光性
ポリイミドによる隔壁をチップ基板上に形成・固着させ
る。更に、工程4として、ウェットエッチングまたはサ
ンドブラスト法などにより上記チップ基板の面に溝状の
共通インク供給路を形成し、更にこの共通インク供給路
に連通し基板下面に開口するインク給送孔を形成する。
【0020】図1(b)は、上述の工程3及び工程4が終
了した直後の状態を示している。すなわち、溝状の共通
インク供給路28及びインク給送孔29が形成され、共
通インク供給路28の左側に位置する共通電極21上に
シール隔壁31−1、右方の個別配線電極23が配設さ
れている部分にシール隔壁31−2、及びこのシール隔
壁31−2から延び出して各発熱部25と発熱部25と
を区分けする区画隔壁31−3が形成されている。
【0021】この後、工程5として、ポリイミドからな
る厚さ10〜30μmのフィルムのオリフィス板を、そ
の片面に接着剤としての熱可塑性ポリイミドを極薄に例
えば厚さ2〜5μmにコーテングし上記積層構造の最上
層つまり隔壁の上に張り付けて290〜300℃で加熱
しながら加圧してそのオリフィス板を固着させる。続い
てNi、Cu又はAlなどの厚さ0.5〜1μm程度の
金属膜を形成する。
【0022】更に、工程6として、オリフィス板の上の
金属膜をパターン化して、ポリイミドを選択的にエッチ
ングするマスクを形成し、続いて、オリフィス板をヘリ
コン波などによるドライエッチングにより上記の金属膜
マスクに従って31μmφ〜29μmφの孔明けをして
多数のインク吐出ノズルを一括形成する。
【0023】図1(c)は、上述した工程5と工程6が終
了した直後の状態を示している。すなわち、オリフィス
板33が共通給電端子22及び駆動回路端子27の部分
を除く全領域を覆っており、シール隔壁31−1とシー
ル隔壁31−2の間には、隔壁31(31−1、31−
2、31−3)の厚さ(高さ)10μmに対応する高さ
のインク流路34が形成され、区画隔壁31−3によっ
て形成されている区画部32も上を覆われて上下と三方
が囲まれた高さ10μmの微細な区画、すなわちインク
加圧室を形成して、その開口を後述するようにインク流
路34に斜めに向けている。
【0024】そして、オリフィス板33には、発熱部2
5に対向する部分にオリフィス、つまりインク吐出ノズ
ル35がドライエッチングによって形成されている。こ
れにより、64個、128個又は256個のインク吐出
ノズル35を1列に備えたモノカラーインクジェットヘ
ッド、つまり単一のヘッドチップ36が完成する。
【0025】このようにオリフィス板33を張り付け
て、その後で、下地のパターンつまり発熱部25の位置
に合わせてインク吐出ノズル35を加工することは、予
めインク吐出ノズル35を加工したオリフィス板33を
張り合わせるよりも、遥かに生産性の高い実用性のある
方法である。また、ドライエッチングによる場合は、マ
スクはNi、Cu、又はAlなどの金属膜を使うことで
樹脂と金属膜との選択比が概略100程度得られる。し
たがって、29〜31μmのポリイミドフィルムをエッ
チングするには1μm〜0.5μm程度の金属膜でマス
クを形成することで十分である。
【0026】ここまでが、シリコンウエハの状態で処理
される。そして、最後に、工程7として、ダイシングソ
ーなどを用いてシリコンウエハをスクライブラインに沿
ってカッテングして、チップ基板単位毎に個別に分割
し、実装基板にダイスボンデングし、端子接続して、実
用単位のインクジェットプリンタヘッドが完成する。
【0027】上記のように1列のインク吐出ノズル35
を備えた単一のヘッドチップ36はモノクロ用インクジ
ェットヘッドの構成であるが、通常フルカラー印字にお
いては、減法混色の三原色であるイエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)の3色に、文字や画像の黒部
分に専用されるブラック(Bk)を加えて合計4色のイ
ンクを必要とする。したがって最低でも4列のノズル列
が必要である。そして上述した製造方法によれば4列の
ヘッドチップ36をモノリシックに構成することは可能
であり、各列の位置関係も今日の半導体の製造技術によ
り正確に配置することが可能である。
【0028】図2(a) は、上述の図1に示したチップ基
板20、共通電極21、共通電極給電端子22、個別配
線電極23、発熱部25、駆動回路26、駆動回路端子
27、共通インク供給路28、インク供給孔29、隔壁
31、区画部32、オリフィス板33、インク流路3
4、インク吐出ノズル35の各部を1組としてなるヘッ
ドチップ36を4列並べてフルカラーインクジェットプ
リンタヘッド38を構成した状態を示す図である。ま
た、図2(b) は、同図(a) のヘッドチップ36が4列並
んだ構成を分かり易く示すため、図1(a) に示した工程
1〜工程2まで終了した状態のものを示している。
【0029】この図2(a),(b) に示すように、フルカラ
ーインクジェットプリンタヘッド38は、4個のヘッド
チップ36(36a、36b、36c、36d)が並ん
で配置され、例えば共通インク供給路28aからYイン
クがヘッドチップ36aの個々の区画部32に供給さ
れ、共通インク供給路28bからMインクがヘッドチッ
プ36bの個々の区画部32に供給され、共通インク供
給路28cからCインクがヘッドチップ36cの個々の
区画部32に供給され、そして、共通インク供給路28
dからはBkインクがヘッドチップ36dの個々の区画
部32に供給される。
【0030】ところで、本発明においては上述した製造
方法における工程2及び工程3において、発熱部、電極
及び区画隔壁の構成に特別の工夫が施されている。以
下、これについて説明する。
【0031】図3は、工程2及び3において形成される
発熱部、電極及び区画隔壁の特別の形状を示す平面図で
ある。尚、同図は、オリフィス板を取り除いた状態で示
している。また、図1(a),(b),(c)に示した構成と同一
の構成部分には図1(a),(b),(c)と同一の番号を付与し
て示している。
【0032】図4に示すように、エネルギー発生素子と
しての発熱部25と、この発熱部25に対する一対の電
極としての個別電極23及び共通電極21とを接続する
双方の接続部41及び42は、隔壁(シール隔壁31−
2及び区画隔壁31−3)により被覆されている。これ
により、個別電極23と発熱部25の接続部のみなら
ず、共通電極21と発熱部25との接続部も隔壁31に
より覆われて、いずれの電極もインクとの電気化学反応
が起こらない、つまり、腐蝕したり剥離することが無い
ように形成されている。
【0033】そして、図の破線43で示す上記個別電極
23と共通電極21の一対の電極が対峙する方向と、図
の破線矢印44で示す発熱部25の配設領域にインクを
流入させるインク流入路の方向とが、所定の角度「θ
2」で交差している。また、上記の個別電極23と共通
電極21が対峙する方向(破線43)は、共通インク供
給路28(図1参照)の延在方向と直角な方向(破線4
5)に対して或る傾き角θ1を有している。
【0034】この傾き角θ1は、適宜に設定できるが、
この傾き角θ1が有ることによって、上記のように個別
電極23と共通電極21との対峙方向と、発熱部25配
設領域へのインク流入路の方向とを交差させることが出
来る。そして、このように個別電極23と共通電極21
の対峙方向と発熱部25配設領域へのインク流入路方向
とを交差させることにより、個別電極23と発熱部25
の接続部のみならず共通電極21と発熱部25との接続
部も、隔壁31によって覆うように形成することが出来
る。
【0035】この場合、発熱部25の配列密度が600
dpi(1インチあたり600ドット)の場合を想定し
たとき発熱部25の配列方向(インク流入路34の延在
方向)のピッチは約42.3μmである。隣接する電極
間のギャップとして最小5μmを確保するものとする
と、電極の対峙方向(破線43)と発熱部25の配列方
向に直角な方向(破線45)となす傾き角度θ1が30
°のときには電極幅および発熱部幅は約30μm、傾き
角度θ1が45°では電極幅および発熱部幅は約25μ
mになる。尚、傾き角度θ1=0°のときが、図7(a),
(b) に示した従来の構造である。
【0036】ここで、発熱部25の形状を正方形とし、
次に区画隔壁31−3の延在方向の角度を考える。本発
明の目的は、発熱部と電極の接続部を隔壁31で完全に
覆うことであるから、この状態を確保すると、区画隔壁
31−3の延在方向と電極の対峙方向とのなす交差角度
θ2が90°のときに、発熱部25の露出する面積を最
大にすることができる。この交差角度θ2が90°から
離れるにつれ、発熱部25の露出面積が減ることにな
る。図4に示す例は、交差角度θ2は上記最良の角度
「90°」を示している。
【0037】また、インク吐出ノズル35の径は15μ
m程度の大きさが適切とされており、これに対して発熱
部25の露出幅はインク吐出ノズル35の径以上とされ
るから、したがって、発熱部25の大きさは少なくとも
15μmφなければならない。これを前提とすると、傾
き角度θ1が45°のときには交差角度θ2は70°以
上、傾き角度θ1が30°のときには交差角度θ2は6
5°以上の角度が必要になる。上述したように、本来、
θ2=90°のときが最も発熱部25の面積を有効に利
用できるが、電極の配列や、インクの導通抵抗等の問題
で少し傾き角度θ1を浅くしたい場合には、上記のよう
な点に考慮しながら傾き角度θ1および交差角度θ2を
決めるとよい。但し、傾き角度θ1を小さく設定したと
しても、交差角度θ2は45°以上が適切である。
【0038】尚、本例における区画隔壁31−3の形成
は、前述したように感光性ポリイミドなどの有機材料か
らなる部材を用いるが、従来の形状に比較して傾き角度
θ1や交差角度θ2を適宜に設定するだけであって、隔
壁パターンの形成には特別な困難を伴うことはなく極め
て容易である。また、隔壁の高さと幅の比(アスペクト
比)は通常おおむね1:1程度になるように隔壁を形成
する。
【0039】また、本実施形態の様にインク流入路の方
向を発熱部25の配列方向に対して角度(θ2−θ1)
だけ傾けた場合、発熱部25を傾けた側から順次駆動す
るようにすれば、即ち、図3において向かって右の発熱
部25から左の発熱部25へ順次駆動すれば、各発熱部
25によるインク吐出動作が隣の発熱部25のインク吐
出動作に影響される所謂クロストーク現象の発生を抑制
することもできる。
【0040】図4(a) は、第2の実施の形態におけるイ
ンクジェットプリンタヘッドの発熱部、電極及び区画隔
壁の形状を示す平面図であり、同図(b) はその変形例を
示す図である。尚、同図(a),(b) は、オリフィス板を取
り除いた状態で示している。また、同図(a),(b) には、
図3と同一の構成部分には図3と同一の番号を付与して
示している。
【0041】図4(a) に示すように、この第2の実施の
形態においては、発熱部25の配設領域である区画部3
2にインクを流入させる流入路に、圧力溜め用の隔壁3
1−4を設けている。この圧力溜め用の隔壁31−4
は、上記インクの流入路を形成する区画隔壁31−3か
ら流入路中に突出させて形成されている。このように圧
力溜め隔壁31−4を形成すると、インク吐出時の圧力
を周囲に逃がさず有効に用いることができる。また、こ
のように圧力溜め隔壁31−4を区画隔壁31−3から
流入路中に突出させた形状であると、アスペクト比の適
否をさほど考慮せずに圧力溜め隔壁31−4を形成する
ことができる。
【0042】同図(b) は、区画部32へのインク流入路
に、圧力溜め隔壁31−4′を設けたものであるが、こ
の場合は、圧力溜め隔壁31−4′は、インク流路中に
孤島のように単独で立設されている。この場合は上述し
たアスペクト比の適否を考慮する必要がある。
【0043】図5(a) は、第3の実施の形態におけるイ
ンクジェットプリンタヘッドの発熱部、電極及び区画隔
壁の形状を示す平面図であり、同図(b) はその変形例を
示す図である。尚、同図(a),(b) は、オリフィス板を取
り除いた状態で示している。同図(a) は区画隔壁46に
圧力溜め隔壁47を連設したもの、同図(b) は、圧力溜
め隔壁47′を区画隔壁46から離してインク流路中の
独立に配置したものである。これらの圧力溜め隔壁47
又は47′は、圧力溜めであると共に共通電極48と発
熱部49との接続部を覆う役目もしている。この場合、
インクの流入口が狭くなるが、圧力溜め隔壁47又は4
7′の基板側だけを固定して、オリフィス板からは離す
ように形成すると、つまり圧力溜め隔壁47又は47′
の高さをインク流路高さの半分程度にしその上部はイン
クが流通する構造とすると、圧力溜めの効用を維持した
ままインクの流入にも支障が無くなる。
【0044】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、発熱部の電極対峙方向と区画隔壁の延在方向を交
差させて形成するので、インクの流入性を低下させるこ
となく発熱部と個別、共通両電極との双方の接続部を隔
壁で覆うことができ、これにより、電極の腐蝕や剥離に
対して耐性のある信頼性の高いインクジェットプリンタ
ヘッドを提供することが可能となる。
【0045】また、圧力溜め隔壁を区画隔壁からインク
内へ突出させて形成すれば、アスペクト比の大きい圧力
溜め隔壁でも崩壊させることなく容易に形成することが
でき、これにより、上述と同様に高い信頼性を有すると
共に区画部内の圧力を有効に利用して発熱効率のよいイ
ンクジェットプリンタヘッドを提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c) は第1の実施の形態におけるイン
クジェットプリンタヘッドの製造方法を工程順に示す図
である。
【図2】(a) は図1(c)のヘッドチップを4列並べてフ
ルカラーインクジェットプリンタヘッドを構成した状態
を示す図、(b) は(a) のヘッドチップ36が4列並んだ
構成を分かり易く示す図である。
【図3】第1の実施の形態におけるインクジェットプリ
ンタヘッドにおいて形成される発熱部、電極及び区画隔
壁の特別の形状を示す平面図である。
【図4】(a) は第2の実施の形態におけるインクジェッ
トプリンタヘッドの構成を示す図、(b) はその変形例を
示す図である。
【図5】(a) は第3の実施の形態におけるインクジェッ
トプリンタヘッドの発熱部、電極及び区画隔壁の形状を
示す平面図、(b) はその変形例を示す図である。
【図6】(a) は従来のルーフシュータ型のサーマルイン
クジェットヘッドの概略の構成を模式的に示す側断面
図、(b) 〜(d) はその発熱駆動時の動作状態を示す図で
ある。
【図7】(a) は従来のやや改良されたインクジェットプ
リンタヘッドの構成を示す平面図、(b) はそのA−A′
断面矢視図である。
【符号の説明】
1、1′ サーマルインクジェットヘッド 2 チップ基板 3 発熱抵抗体層 4 発熱部 5 個別配線電極 6 共通電極 7 隔壁 7a シール部 7b 区画部 8 オリフィス板 9 インク吐出ノズル 10 インク流路 11、11a、11b インク 12a、12b 膜気泡 13 インク加圧室 20 チップ基板 21 共通電極 22 共通電極給電端子 23 個別配線電極 25 発熱部 26 駆動回路 27 駆動回路端子 28 共通インク供給路 29 インク給送孔 31−1、31−2 シール隔壁 31−3 区画隔壁 31−4 圧力溜め隔壁 32 区画部 33 オリフィス板 34 インク流路 35 インク吐出ノズル 36(36a、36b、36c、36d) ヘッドチッ
プ 38 フルカラーインクジェットプリンタヘッド 41、42 接続部 43 個別電極と共通電極の対峙方向 44 発熱部へのインク流入方向 45 共通インク供給路に直角な方向 46 区画隔壁 47、47′ 圧力溜め隔壁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 夫々一対の電極に接続され印加電圧に応
    じてインクを吐出させる為の圧カエネルギーを発生させ
    る複数のエネルギー発生素子と、該エネルギー発生素子
    に対応して設けられ、圧力を受けた前記インクを所定方
    向に吐出させる複数の吐出ノズルと、外部から供給され
    る前記インクを前記エネルギー発生素子の配設領域に流
    入させるインク流入路を区画形成する隔壁と、を有する
    インクジェットプリンタヘッドであって、 前記エネルギー発生素子と前記一対の電極とを接続する
    両接続部を前記隔壁により被覆したことを特徴とするイ
    ンクジェットプリンタヘッド。
  2. 【請求項2】 前記一対の電極が対峙する方向と前記エ
    ネルギー発生素子の配設領域にインクを流入させるイン
    ク流入路の方向が所定の角度で交差していることを特徴
    とする請求項1記載のインクジェットプリンタヘッド。
  3. 【請求項3】 前記所定の角度は90°であることを特
    徴とする請求項2記載のインクジェットプリンタヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 前記インクを前記エネルギー発生素子の
    配設領域に流入させるインク流入路に圧力溜め用の隔壁
    を設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のイ
    ンクジェットプリンタヘッド。
  5. 【請求項5】 前記圧力溜め隔壁は前記隔壁のインク流
    入路の入口を形成する部分から突出させたことを特徴と
    する請求項4記載のインクジェットプリンタヘッド。
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