JP3705007B2 - インクジェットプリンタヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エネルギー効率良くインクを吐出できると共に信頼性が高く、且つ製造が容易なインクジェットプリンタヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット方式のプリンタが広く用いられている。このインクジェット方式によるプリンタは、インクを加圧して吐出するための加圧部を備えている。この加圧部の構成には、気泡の発生する力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式や、ピエゾ抵抗素子(圧電素子)の変形によってインク滴を飛ばすピエゾ方式等がある。
【0003】
これらの構成による印字方式は、色材たるインクをインク滴にして直接記録紙に向かって吐出するという工程により、粉末状の印材であるトナーを用いる電子写真方式と比較した場合、印字エネルギーが低くて済み、インクの混合によってカラー化が容易であり、印字ドットを小さくできるので高画質であり、印字に使用されるインクの量に無駄が無くコストパフォーマンスに優れており、このため特にパーソナル用プリンタとして広く用いられている印字方式である。
【0004】
そして、上記のサーマルジェット方式には、インク滴の吐出方向により二通りの構成がある。すなわち、加圧部としての発熱部の発熱面に平行な方向へインクを吐出する構成のものと、発熱部の発熱面に垂直な方向にインクを吐出する構成のものとがある。中でも発熱部の発熱面に垂直な方向にインク滴を吐出する構成のものは、ルーフシュータ型サーマルインクジェットヘッドと呼称されており、発熱部の発熱面に平行な方向へインクを吐出する構成のものに比較して、消費電力が極めて小さくて済むことが知られている。
【0005】
このルーフシュータ型のサーマルインクジェットヘッドの製法としては、シリコンウエハ上に区画された多数(例えば6インチ以上の直径のウエハで90個以上)のチップ基板の上に、シリコンLSI形成技術と薄膜形成技術を利用して、複数の発熱部、これらを個々に駆動する駆動回路、及びこれに対応するインク吐出ノズルを一括してモノリシックに形成する方法がある。
【0006】
図8(a) は、そのようにして作成されるルーフシュータ型サーマルインクジェットヘッドの基本的構成を模式的に示す平面図であり、同図(b) は、同図(a) のA−A′断面矢視図である。尚、同図(a) はオリフィス板8を透視的に示している。このサーマルインクジェットヘッド1は、同図(a),(b) に示すように、チップ基板2上に形成された発熱抵抗体薄膜3と、その発熱抵抗体薄膜3の発熱部4の両端に接続された個別配線電極5及び給電共通電極6と、これらの上に積層された隔壁7と、更にこれらの上に積層されたオリフィス板8を備え、このオリフィス板8にはインク吐出ノズル9が形成されている。
【0007】
上記の隔壁7は、インク流路11内のインクを外部から封止すべく給電共通電極6の端部に配置されるシール隔壁(不図示)と、個別配線電極5上に配設される同じくシール隔壁7a及びこのシール隔壁7aから各発熱部4と発熱部4の間に伸び出して各発熱部4を区画する区画隔壁7bから成っている。上記の発熱部4はシール隔壁7aと区画隔壁7bとによって形成される平断面がコの字形の区画部の中に配置され、隣接する他の発熱部4とは個別に区画されている。そして、発熱部4の並設方向に平行し、区画部の開口側に、隔壁7の厚さに相当する高さのインク流路10が形成されている。
【0008】
図9(a) 〜(d) は、上記のサーマルインクジェットヘッドが発熱駆動されるときの動作状態を示す図であり、同図(a) は図8(b) に示した構成を再掲している。ただしインク流路10にはインク11が常時供給されている。また、印字動作に先立って目詰まり等を復元するときには洗浄液が供給されることもある。
【0009】
先ず、同図(b) に示すように、画像情報に応じた通電により、発熱部4を発熱させてこの発熱部4上に核気泡を発生させると、この核気泡が合体して膜気泡12が発生する。そして、同図(c) に示すように、上記の膜気泡12が断熱膨脹して更に大きな膜気泡12aに成長し周囲のインクを押し遣り、これによりインク吐出ノズル9からインク11aが押し出される。この押し出されたインク11aは、同図(d) に示すように、膜気泡12aの更なる膨張した膜気泡12bに押し出されてインク滴11bとなってインク吐出ノズル9から不図示の紙面に向けて吐出される。この後、上記の成長した膜気泡12bが周囲のインクに熱を取られて収縮し、ついには気泡が消滅し、次の発熱部4の加熱が待機される。この一連の工程は瞬時に行われる。
【0010】
ところで、上記の図8(a),(b) に示すサーマルインクジェットヘッドの基本的構造においては、図9(d) の動作状態図に示すように、膜気泡12bの膨張エネルギーがシール隔壁7aと区画隔壁7bによる区画部の開口(インク流入口)側へ広がって散逸し、インク吐出ノズル9へ集中すべき加圧エネルギーの効率が低下してしまうという問題を有している。そこで、上記のような加圧エネルギー効率の低下を防止すべく区画部の開口近傍に圧力溜めの突起体を形成することが提案されている。
【0011】
図10は、その加圧エネルギー効率の低下を防止すべく提案されているサーマルインクジェットヘッドの改良型の構成を模式的に示す平面図であり、同図(b) は(a) のB−B′断面矢視図である。同図(a),(b) に示すように、この構成は、区画部の開口であるインク流入口近傍に孤立した形状の隔壁13を立設してこれを圧力溜めとする構造である。そして、この圧力溜めの隔壁13により、吐出時の加圧エネルギーがインク流入口方向に逃げるのを抑止されるのでインクを吐出するときのエネルギー効率が良好になるとしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の圧力溜めの隔壁13は、周囲のいずれの構成からも孤立した状態で、現像やキュア(乾燥硬化、焼成)の製造工程ではオリフィス板8も未だ積層されていないから隔壁13は孤島のようになっている。そして、上記の発熱部4を個別に区画している区画部の配置間隔は約40μm程度でありその開口の間口は30μm程度であるが、この開口部に立設される圧力溜めの隔壁13の平面寸法は10〜20μm平方程度のものである。
【0013】
このような微細構造の隔壁は、隔壁の材料として感光性樹脂を用いフォトリソグラフィーによりマスクを用いてパターン化されるのが一般的である。感光性樹脂としては、耐熱性に特に優れた感光性ポリイミドを用いることが多い。この感光性ポリイミドが基板上に積層されて隔壁が形成される場合、基板と感光性ポリイミドの密着強度は、感光性ポリイミドの骨格をになうカルボニル基の酸素と積層化の下地になる基板表面に存在する酸素との酸素同志の分子間力に依存することが判明している。
【0014】
しかしながら、他方の基板表面の大部分を構成している上記の個別配線電極5や給電共通電極6には、これらに接して流れるインクによる腐食を防ぐために、例えばAuのような不活性で安定且つ低抵抗の金属材料を電極の上から被覆するか又は最初から電極として用いなければならず、このような不活性金属の電極には上述した分子間力が働かないため感光性ポリイミドの密着強度が弱く、上記のような島状に孤立した隔壁13は欠落したり倒壊し易いという問題を有している。
【0015】
この問題を解決すべく隔壁の密着性が強くなるように隔壁の立設面積を大きくすることも考えられるが、そうすると、発熱部の配置間隔が大きくなり、これでは近年益々市場の要望が強くなっている高解像度化の流れに逆行するという問題が発生する。
【0016】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、圧力溜め隔壁の基板への密着性が良くインクを長期にわたりエネルギー効率良く安定して吐出できる信頼性の高いインクジェットプリンタヘッドを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェットプリンタヘッドは、圧力を受けた液体を所定方向に吐出させる複数の吐出ノズルと、該吐出ノズルと夫々個々に連通するよう絶縁性基板上に区画形成されると共に少なくとも1個の開口を備え、該開口から上記液体が供給される複数の個別液室と、該個別液室内において夫々上記絶縁性基板上に配設され電圧を印加するための不活性金属よりなる電極膜と該電極膜に接続されたエネルギー変換体とからなり上記液体を吐出させるための圧力エネルギーを発生させる複数のエネルギー発生素子と、上記個別液室の夫々に上記液体の供給を中継する共通液室と、を有するインクジェットプリンタヘッドであって、上記共通液室と上記個別液室の各開口との間に形成される液流路に設けられ上記電極膜の下部層に直接立設されたポリイミド樹脂よりなる突起体を備えて構成される。
【0018】
上記電極膜の下部層は、例えば請求項2記載のように、基板表面に不動態膜が被着された絶縁性基板であることが好ましい。そして、例えば請求項3記載のように、上記基板はシリコン基板であり、上記不動態膜はSiO2 であることが好ましい。
【0019】
また、請求項4記載のように、上記エネルギー発生素子は、発熱抵抗体膜に電極膜を積層してなる発熱素子であり、上記電極膜の下部層は、絶縁性基板上に積層された発熱抵抗体膜であってもよい。
【0020】
また、例えば請求項5記載のように、上記突起体は、不活性金属からなる上記電極膜に穿設された除去部孔を介して上記絶縁性基板面に直接接して立設され、また、不活性金属は、例えば請求項6記載のように、Auであることが好ましい。また、請求項7記載のように、その先端がオリフィス板裏面に当接して形成されることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明において上記吐出ノズルは例えばインク吐出ノズル35等からなり、上記絶縁性基板は例えばチップ基板20等からなり、上記液体は例えばY、M、C、Bkのインク等からなり、上記個別液室は例えば区画部32等からなり、上記電極膜は例えば共通電極21の発熱部への接続配線部21−1等からなり、上記エネルギー変換体は例えば発熱部25等からなり、上記共通液室は例えば共通インク供給路29等からなり、上記液流路は例えばインク流路34等からなり、そして、上記突起体は例えば圧力溜め隔壁31−4等からなる。
【0022】
図1(a) は、一実施の形態におけるインクジェットプリンタヘッド(以下、単に印字ヘッドという)の一連の製造工程においてシリコンチップの基板上に形成されていく最初の段階における状態を示す概略の平面図を模式的に示しており、同図(b) はその一部を拡大して詳細に示す図であり、同図(c) は同図(b) のC−C′断面図、同図(d) は同図(b) のD−D′断面図である。尚、これらの図には説明の便宜上フルカラー用の印字ヘッドの1個の印字ヘッド(モノクロ用インクジェットヘッドの構成と同じ)を示しているが、実際には後述するように、このような印字ヘッドが複数個(通常は4個)連なった形状のものが、1個の基板(シリコンチップ)上に形成される。
【0023】
図2(a) は、上記一連の製造工程の中間段階における状態を模式的に示す概略の平面図である。また、同図(b) はその一部を拡大して詳細に示す図であり、同図(c) は同図(b) のE−E′断面図、同図(d) は同図(b) のF−F′断面図である。
【0024】
図3(a) は、上記一連の製造工程の最終段階における状態を模式的に示す概略の平面図である。また、同図(b) はその一部を拡大して詳細に示す図であり、同図(c) は同図(b) のG−G′断面図、同図(d) は同図(b) のH−H′断面図である。
【0025】
この印字ヘッドの製造方法は、先ず、工程1として、4インチ以上のシリコン基板にLSI形成処理により駆動回路とその端子を形成すると共に、不動態膜として厚さ1〜2μmの酸化膜を形成し、次に、工程2として、薄膜形成技術を用いて、Ta(タンタル)−Si(シリコン)−O(酸素)からなる発熱抵抗体膜と、W−Tiをバリア層としたAuなどからなる電極膜を形成する。そして、電極膜と発熱抵抗体膜をフォトリソグラフィー技術によって夫々パターニングし、ストライプ状の発熱抵抗体膜上の発熱部とする領域の両側に配線電極が積層されてなる複数条の発熱素子が所定の間隔で平行に並設形成される。この工程で発熱部の位置が決められる。
【0026】
そして、上記のフォトリソグラフィー技術による配線部分のパターン形成において、本発明の要部である所定形状の除去部孔が共通電極に形成される。この除去部孔は、電極配線パターンを形成するフォトマスクの後述する圧力溜め隔壁が形成される領域に対応する部分に、その圧力溜め隔壁の設置面より一回り程度大きい形状の開口を設け、このマスクを用いて電極膜をフォトリソグラフィーによりパターニングすることにより、共通電極の上記位置に上述の形状で形成される。
【0027】
図1(a) 〜(d) は、上記の工程1及び工程2が終了した直後の状態を示している。すなわち、チップ基板20上には共通電極21、共通電極給電端子22、個別配線電極23が並設された個別配設列23′、エネルギー発生素子としての発熱部25が並設された発熱部列25′、駆動回路26及び駆動回路端子27が形成されている。また、上記共通電極21の発熱部25に接続する接続配線部分21−1には略長方形の除去部孔28が夫々形成されており、そこにチップ基板20の表面が露出している。
【0028】
続いて、工程3として、個々の発熱部25に対応する区画部とインク流路を形成すべく感光性ポリイミドなどの有機材料からなる隔壁部材をコーティングにより高さ20μm程度に形成し、これをフォトリソ技術によりパターン化した後に、300℃〜400℃の熱を30分〜60分加えるキュア(乾燥硬化、焼成)を行い、高さ10μmの上記感光性ポリイミドによる隔壁をチップ基板上に形成・固着させる。更に、工程4として、ウェットエッチングまたはサンドブラスト法などにより上記チップ基板の上面(発熱抵抗体膜や電極膜が形成されている面)に溝状の共通インク供給路を形成し、更にこの共通インク供給路に連通し基板下面に開口するインク給送孔を形成する。
【0029】
図2(a) 〜(d) は、上述の工程3及び工程4が終了した直後の状態を示している。すなわち、溝状の共通インク供給路29及びインク給送孔30が形成され、共通インク供給路29の左側に位置する共通電極21部分と右方の個別配線電極23が配設されている部分に、インクを外部から封止するシール隔壁31−1及び31−2が形成されており、また、このシール隔壁31−2から各発熱部25と発熱部25の間に伸び出す区画隔壁31−3が形成されている。そして、更に共通電極21の接続配線部分21−1の除去部孔28内に圧力溜め隔壁31−4が形成されている。
【0030】
上記の発熱部25を中心として形成されているシール隔壁31−2及び区画隔壁31−3の一方のシール隔壁31−2を櫛の胴とすれば、他方の区画隔壁31−3は櫛の歯に相当する形状をなし、この櫛の歯状の区画隔壁31−3を仕切り壁として、その歯と歯の間の付け根に当る部分に発熱部25が位置する微細なインク加圧室を形成するための区画部32が、発熱部25の数だけ形成されている。そして、この区画部32の開口部(インク流入口)に対峙するように近接して、上記の圧力溜め隔壁31−4がその下部設置面の少なくとも一部を、除去部孔28内に露出しているチップ基板20の表面に直接接触させて立設されている。
【0031】
この後、工程5として、ポリイミドからなる厚さ10〜30μmのフィルムのオリフィス板を、その片面に接着剤としての熱可塑性ポリイミドを極薄に例えば厚さ2〜5μmにコーテングし上記積層構造の最上層つまり隔壁31(31−1、31−2、31−3、31−4)の上に張り付けて290〜300℃で加熱しながら加圧してそのオリフィス板を固着させる。続いてNi、Cu又はAlなどの厚さ0.5〜1μm程度のマスク用の金属膜を形成する。
【0032】
更に、工程6として、オリフィス板の上の金属膜をパターン化して、ポリイミドを選択的にエッチングするマスクを形成し、続いて、オリフィス板をヘリコン波などによるドライエッチングにより上記の金属膜マスクに従って31μmφ〜29μmφの孔明けをして多数のインク吐出ノズル(オリフィス)を一括形成する。
【0033】
図3(a) 〜(d) は、上述した工程5と工程6が終了した直後の状態を示している。すなわち、オリフィス板33が共通給電端子22及び駆動回路端子27の部分を除く全領域を覆っており、シール隔壁31−2及び区画隔壁31−3によって形成されている区画部32も上を覆われて隔壁31の厚さ(高さ)10μmに対応する高さの微細なインク加圧室となって共通インク供給路29方向に開口を向けている。そして、これら区画部32の開口と共通インク供給路29とを連通させる高さ10μmのインク流路34が形成されている。外部からインク給送孔30及び共通インク供給路29を介してインク流路34に供給されるインクは、夫々の圧力溜め隔壁31−4を回り込むようにして区画部32に流入するように構成されている。
【0034】
そして、オリフィス板33には、発熱部25に対向する部分にオリフィス、つまりインク吐出ノズル35がドライエッチングによって形成されている。これにより、多数のインク吐出ノズル35を1列に備えたモノカラーインクジェットヘッド36が完成する。尚、同図(a) には36個のインク吐出ノズル35を示しているが、実際には64個、128個、256個等、設計上の方針によって多数形成されるものである。
【0035】
また、このようにオリフィス板33を張り付けて、その後で、下地のパターンつまり発熱部25の位置に合わせてインク吐出ノズル35を加工することは、予めインク吐出ノズル35を加工したオリフィス板33を張り合わせるよりも、遥かに生産性の高い実用性のある方法である。また、ドライエッチングによる場合は、マスクはNi、Cu、又はAlなどの金属膜を使うことで樹脂と金属膜との選択比が概略100程度得られる。したがって、29〜31μmのポリイミドフィルムをエッチングするには1μm以下の金属膜でマスクを形成することで十分である。
【0036】
ここまでが、シリコンウエハの状態で処理される。そして、最後に、工程7として、ダイシングソーなどを用いてシリコンウエハをスクライブラインに沿ってカッテングして、チップ基板単位毎に個別に分割し、実装基板にダイスボンデングし、端子接続して、実用単位の印字ヘッドが完成する。
【0037】
上記のように1列のインク吐出ノズル35を備えた印字ヘッド36はモノカラー、つまりモノクロ用の印字ヘッドの構成であるが、通常フルカラー印字においては、減法混色の三原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色に、文字や画像の黒部分に専用されるブラック(Bk)を加えて合計4色のインクを必要とする。したがって最低でも4列のノズル列が必要である。そして上述した製造方法によれば4個のモノカラー印字ヘッド36を並べてモノリシックに構成することは可能であり、各印字ヘッド間のインク吐出ノズル35の位置関係も今日の半導体の製造技術により正確に配置することが可能である。
【0038】
図4(a) は上述のモノカラー印字ヘッド36を4個並べてフルカラー印字ヘッド38を構成した状態を示す図である。また、同図(b) は図3(a) に示したモノカラー印字ヘッド36が図4(a) のように4個並んだ構成を分かり易く示すため、図1(a) に示した工程4までを終了した状態のものを示している。
【0039】
この図4(a),(b) に示すように、フルカラー印字ヘッド38は、4個のモノカラー印字ヘッド36(36a、36b、36c、36d)が並んで配置され、例えば共通インク供給路29aからYインクがモノカラー印字ヘッド36aの個々の区画部32に供給され、共通インク供給路29bからMインクがモノカラー印字ヘッド36bの個々の区画部32に供給され、共通インク供給路29cからCインクがモノカラー印字ヘッド36cの個々の区画部32に供給され、そして、共通インク供給路29dからはBkインクがモノカラー印字ヘッド36dの個々の区画部32に供給される。
【0040】
このように、本実施形態における上記構成のフルカラー印字ヘッド38においては上述したように工程2におけるフォトリソ技術による電極膜の配線パターン形成に際し、共通電極21の発熱部25への接続配線部21−1に長方形の除去部孔28を形成して、チップ基板20表面のシリコン酸化膜層を露出させ、この露出したシリコン酸化膜層の上に、工程3において、下面の所定部分が直接接するように圧力溜め隔壁31−4を形成している。
【0041】
シリコン酸化膜層は、隔壁の素材である感光性ポリイミドとの密着性が極めて良好であり、このため圧力溜め隔壁31−4はチップ基板20に強固に密着した状態で立設される。これにより、工程3における現像や後段の処理であるキュア工程及び工程4以降の製造工程においては勿論、インクジェットプリンタヘッドとして実際に使用しているときにも、圧力溜め隔壁31−4が欠落したり倒壊するなどの不具合が無くなり、インクをエネルギー効率よく安定して適正に吐出できる信頼性の高いインクジェットプリンタヘッドを市場に出すことができる。
【0042】
なお、不動態膜としては、SiO2 (酸化シリコン)に限らず、ポリイミド樹脂との密着性に優れているSiN(窒化シリコン)やPSG(フォスファラス・シリケイト・グラス)等も好適に適用することができる。
【0043】
ここで、上記感光性ポリイミドとチップ基板表面の不動態膜との密着強度を測定した結果を示す。
図5(a) は、密着強度の測定サンプルの断面を示す図であり、同図(b) は密着強度が強い状態を示す図、同図(c) は密着強度が弱い状態を示す図である。先ず、同図(a) に示すように、シリコンウェハ基板41の上に立設される隔壁の下地となる下地表層膜42を形成し、その上に隔壁材料43をストライプ状のパターンに形成した後、その上にオリフィス板材フィルム44を熱プレスして貼り合わせる。
【0044】
次に、同図(b) に示すようにオリフィス板材フィルム44を基板面から90°方向に引き剥がしながら、その引っ張り強度を測定する。このとき、同図(b) に示すように、隔壁材料43とオリフィス板材フィルム44との界面で剥離が起きるようであれば、このとき測定して読み取られた強度は隔壁材料43とオリフィス板材フィルム44との接着強度ということになり、隔壁材料43と下地表層膜42との密着強度は不明である。ただし、少なくとも読み取られた強度以上の密着強度は得られているといえる。この剥離モードを、剥離モードAとする。
【0045】
一方、同図(c) に示すように、隔壁材料43と下地表層膜42との界面で剥離が生じた場合は、測定して読み取られた強度は隔壁材料43と下地表層膜42との密着強度である。この剥離モードを剥離モードBとする。
【0046】
上記の測定において、隔壁材料として或る種の感光性ポリイミド(市販品)を厚さ10μmに形成し、オリフィス板材フィルムとして或る種の31μmの厚さのフィルム(市販品)を用いた場合に、下地表層膜42がSiO2 の場合は、剥離モードAが見られ、このとき測定された密着強度は「106gf/cm(以上)」であった。そして、下地表層膜42がAuの場合は、剥離モードBが見られ、測定された密着強度は「5gf/cm」であった。すなわち、隔壁を積層する際にその下地表層膜がSiO2 である場合と、Auである場合とでは、隔壁材料が感光性ポリイミドであると、その密着強度に少なくとも20倍の開きがあることが判明した。
【0047】
つまりAuの電極配線(共通電極21の発熱部への接続配線部21−1)上に感光性ポリイミドの圧力溜め隔壁31−4を直接形成した場合に比較して、除去部孔28内に露出したチップ基板20表面のシリコン酸化膜上に接するように圧力溜め隔壁31−4を形成したときの方が20倍の密着強度を得られることが判明した。
【0048】
上述した本発明の接続配線部21−1に穿設した除去部孔28とその除去部孔28の上に圧力溜め隔壁31−4を形成する構成は、上記の試験結果を踏まえた上で案出されたものである。
【0049】
これにより、電極として最も良好な性能を有するにも拘らず隔壁との密着性が劣るため実用上において困難を有していたAuを、図1乃至図3に示した本発明の除去部孔28の付いた電極の構成とすることにより容易に電極として使用することができるようになる。この場合、圧力溜め隔壁31−4の立設面が全部露出基板面に接している必要はなく、なにしろAuに対する場合よりも20倍もの密着力を有するのであるから少なくとも圧力溜め隔壁31−4の立設面の一部が露出基板面に接した状態であれば欠落や倒壊を防止するに十分の密着性が得られる。
【0050】
このように、圧力溜め隔壁31−4の立設面が接触する電極部分の一部を除去した孔だけでも効果があるから、特に電極金属を除去することにより配線抵抗が高くなることを避けたい場合には電極金属を除去する領域はできるだけ小さい方が望ましく、圧力溜め隔壁31−4の欠落等を防止するだけの強度を保つことができる最低限の面積を除去するようにする。そして、その場合は、圧力溜め隔壁31−4の高さの二乗程度の面積を除去すればよいことが確認されている。
【0051】
勿論、配線抵抗に問題が無い場合は、圧力溜め隔壁31−4の立設面が接触する部分の電極金属を全て除去する構造でもよい。
図6(a) 〜(f) は、それぞれ圧力溜め隔壁の形状と下地の電極金属膜の除去部孔との関係を示す図である。尚、同図(a) は比較参照のため図2(b),(c) に示した構成を主要部のみ再掲したものであり、各構成部分には図2(b),(c) と同一の番号を付与して示している。この図6(a) の構成は、圧力溜め隔壁31−4の立設面が接触する部分の電極金属(共通電極21の発熱部への接続配線部21−1)の一部を除去した長方形の除去部孔28が形成されており、その長方形の除去部孔28の短手方向に跨るようにして平断面が略四角形の圧力溜め隔壁31−4が立設されている。
【0052】
これに対して、図6(b) の構成は、同図(a) と同じ平断面が略四角形の圧力溜め隔壁31−4bを、立設面の電極金属を全て除去した除去部孔の中に形成した場合を示している。他の図6(c) 〜(f) も同図(b) と同様に、いずれも圧力溜め隔壁の立設面が接触する部分の電極金属を全て除去した除去孔の中に圧力溜め隔壁(31−4c、31−4d、31−4e、31−4f)を立設した構成を示している。
【0053】
それらのうち、同図(c) は、圧力溜め隔壁31−4cの平断面が三角形をしており、これは区画部32へインクが流入し易いように且つインク吐出時の圧力を逃がさないようにしたものである。また、同図(d) は、圧力溜め隔壁31−4dの平断面が台形をしており、これも同様にインクが流入し易いように且つインク吐出時の圧力を逃がさないようにしたものである。
【0054】
また、同図(e) の圧力溜め隔壁31−4eは、同図(d) の台形の発熱部25側の面に凹みを設けて形成したものであり、この形状はインク吐出時の圧力の逃げ防止に力点を置いたものである。そして、同図(f) に示す圧力溜め隔壁31−4fは、同図(e) の形状を原形として全体に丸みを持たせており、この形状はインク流入の容易さに力点を置いたものである。
【0055】
尚、同図(a) のように圧力溜め隔壁の形状が略四角形でなく、同図(c) 〜(f) に示すように圧力溜め隔壁の形状が種々変わった形状の場合でも、圧力溜め隔壁の立設面が接触する部分の電極金属を全面ではなく一部のみ除去するようにして良いことは勿論である。また、同図(a) 〜(f) では、いずれも同一印字ヘッド内では圧力溜め隔壁が同一形状に形成されているが、これに限るものではなく、各発熱におけるインクの吐出特性を一様に出来得る構成であれば、異なる形状の圧力溜め隔壁が同一印字ヘッド内に混在する構成であっても良い。
【0056】
図7(a) は、そのような異なる形状の圧力溜め隔壁が同一印字ヘッド内に混在する構成を示す平面図であり、同図(b) はそのJ−J′断面矢視図である。同図(a),(b) に示すように、この印字ヘッド45は、シール隔壁46−2と区画隔壁46−3により形成されている区画部47が開口を有する円形となっており、その円形の中央に発熱部48が配置されている。この円形の区画部47の開口部を形成する区画隔壁46−3の先端部は平断面が山形になっており、これにより、区画部47は末広状に開口してインクの流入を容易にしている。
【0057】
この開口に対峙する位置に、圧力溜め隔壁46−4a又は46−4bが交互に配置されている。一方の平断面が略四角形の圧力溜め隔壁46−4aは、共通電極49の長方形の除去部孔51aを短手方向に跨ぐようにして全面を覆い、四角形の一辺を発熱部48の方向に向けて立設されている。そして同図(b) に示すように、この圧力溜め隔壁46−4aは、その先端がオリフィス板52の裏面に当接しておらず、圧力溜め隔壁46−4aの先端とオリフィス板52の裏面との間には所定の間隙53が形成されている。
【0058】
他方の平断面が長い二等辺三角形の圧力溜め隔壁46−4bは、上記の除去部孔51aよりも長い長方形の除去部孔51bの上に二等辺三角形の底辺部を発熱部48の方向に向けて立設されている。この圧力溜め隔壁46−4bは、その二等辺三角形の中央より底辺側部分が除去部孔51bを短手方向に跨ぐように覆って配置され、中央より二等辺の頂点側が除去部孔51bを部分的に覆う形で配置されている。
【0059】
これらの圧力溜め隔壁46−4a及び圧力溜め隔壁46−4bは、その立設面がいずれも除去部孔51a又は51b内に露出する基板54の表面の不動態膜55に密着しており、不活性金属膜電極である共通電極49の配設領域内に配置されているにも拘らず、基板面への密着性は強固であり、欠落や倒壊のおそれは無い。
【0060】
インクが流入し易い三角形状の圧力溜め隔壁46−4bが、その先端をオリフィス板52の裏面に当接させているのに対し、インクの流入性がやや劣る四角形状の圧力溜め隔壁46−4aは、その先端とオリフィス板52の裏面との間に形成している間隙53によって上記やや劣るインクの流入性を補い、これにより全ての区画部47へのインク流入特性が均衡している。
【0061】
また、圧力溜め隔壁46−4aの四角形の区画部47方向を向く一辺の長さと、圧力溜め隔壁46−4bの区画部47方向を向く底辺の長さとは同一であるので、両圧力溜め隔壁46−4a及び46−4bの圧力溜めの特性は同一である。したがって、両圧力溜め隔壁46−4a及び46−4bに対峙する区画部47のインク吐出ノズル56から夫々吐出されるインクの吐出特性も均衡している。
【0062】
そして、上記交互に配置される三角形状の圧力溜め隔壁46−4bは、その二等辺の頂点側が長く伸びてオリフィス板52の裏面に当接していることにより、種々の応力により内部に撓んでインク流路を妨害しがちなオリフィス板52を裏面から支える支柱の役目も果たしている。
【0063】
尚、このように圧力溜め隔壁46−4bを細長い二等辺三角形とせず、図6(c) に示すように正三角形状とし、支柱を別に設けるようにしてもよい。この場合も、支柱の立設面に対応する電極部分を除去して除去部孔を形成しておくと、立設面積の小さな支柱でも欠落や倒壊の虞は無く、したがって、インク流路の妨げにならない程度の小さな支柱を適宜の数だけ適宜の箇所に形成すると良い。
【0064】
上記実施の形態では、圧力溜め隔壁としての突起体を絶縁性基板の不動態膜上に直接立設しているが、これに限らず、突起体を設ける位置の電極膜の下部に発熱抵抗体膜が存在する場合は、この発熱抵抗体膜と突起体の密着性がよければその発熱抵抗体膜上に直接し立設しても良い。この場合、発熱抵抗体膜と突起体の密着性が悪ければ発熱抵抗体にも除去部孔を形成し、その下の絶縁性基板上に突起体を直接立設すればよい。
【0065】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、圧力溜め隔壁の立設面に対応する電極部分を一部又は全部除去して除去部孔を形成し、その除去部孔に露出した基板表面の不動態膜に直接接するように圧力溜め隔壁を立設するので、圧力溜め隔壁の基板表面への密着性を格段に強固なものにすることができ、これにより、印字ヘッド製造工程等において圧力溜め隔壁の欠落や崩壊の問題が解消されて信頼性の高い印字ヘッドを提供することが可能となる。
【0066】
また、圧力溜め隔壁の欠落や崩壊の問題が解消されることにより、圧力溜め隔壁を小さく形成でき、これに応じて発熱部及び加圧室を構成する区画部を小さく形成してその配設間隔を密にすることができ、したがって、印字ヘッドの高解像度化が促進可能となる。
【0067】
また、同様に圧力溜め隔壁の欠落や崩壊の問題が解消されることにより、圧力溜め隔壁を共通流路内に邪魔にならない程度に細長く突出させて形成することができ、インク流路内に撓み込みがちなオリフィス板を裏面から支えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a) は一実施形態におけるインクジェットプリンタヘッドの一連の製造工程の最初の段階における状態を示す概略の平面図、(b) はその一部を拡大して詳細に示す図、(c) は(b) のC−C′断面図、(d) は(b) のD−D′断面図である。
【図2】 (a) は一連の製造工程の中間段階における状態を模式的に示す概略の平面図、(b) はその一部を拡大して詳細に示す図、(c) は(b) のE−E′断面図、(d) は(b) のF−F′断面図である。
【図3】 (a) は一連の製造工程の最終段階における状態を模式的に示す概略の平面図、(b) はその一部を拡大して詳細に示す図、(c) は(b) のG−G′断面図、(d) は(b) のH−H′断面図である。
【図4】 (a) はモノカラー印字ヘッドを4個並べてフルカラー印字ヘッドを構成した状態を示す図、(b) はその構成を分かり易く示すため工程4までを終了した状態のものを示す図である。
【図5】 (a) は密着強度の測定サンプルの断面を示す図、(b) は密着強度が強い状態を示す図、(c) は密着強度が弱い状態を示す図である。
【図6】 (a) 〜(f) はそれぞれ圧力溜め隔壁の形状と下地の電極金属膜の除去部孔との関係を示す図である。
【図7】 (a) は異なる形状の圧力溜め隔壁が同一印字ヘッド内に混在する構成を示す平面図、(b) はそのJ−J′断面矢視図である。
【図8】 (a) は従来のサーマルインクジェットヘッドの概略の構成を模式的に示す平面図、(b) は(a) のA−A′断面矢視図である。
【図9】 (a) 〜(d) は従来のサーマルインクジェットヘッドが発熱駆動されるときの動作状態を示す図である。
【図10】 (a) は従来のサーマルインクジェットヘッドの改良型の構成を模式的に示す平面図、(b) は(a) のB−B′断面矢視図である。
【符号の説明】
1 サーマルインクジェットヘッド
2 チップ基板
3 発熱抵抗体薄膜
4 発熱部
5 個別配線電極
6 給電共通電極
7 隔壁
7a シール隔壁
7b 区画隔壁
8 オリフィス板
9 インク吐出ノズル
10 インク流路
11、11a インク
11b インク滴
12、12a、、12b 膜気泡
13 圧力溜めの隔壁
20 チップ基板
21 共通電極
21−1 発熱部への接続配線部
22 共通電極給電端子
23 個別配線電極
24 発熱抵抗体膜
25 発熱部
26 駆動回路
27 駆動回路端子
28 除去部孔
29(29a、29b、29c、29d) 共通インク供給路
30 インク給送孔
31 隔壁
31−1 シール隔壁
31−2 シール隔壁
31−3 区画隔壁
31−4、31−4b、31−4c、31−4d、31−4e、31−4f 圧力溜め隔壁
32 区画部
33 オリフィス板
34 インク流路
35 インク吐出ノズル
36(36a、36b、36c、36d) モノカラー印字ヘッド
38 フルカラー印字ヘッド
41 シリコンウェハ基板
42 下地表層膜
43 隔壁材料
44 オリフィス板材フィルム
45 印字ヘッド
46−2 シール隔壁
46−3 区画隔壁
46−4a、46−4b 圧力溜め隔壁
47 区画部
48 発熱部
49 共通電極
51a、51b 除去部孔
52 オリフィス板
53 間隙
54 基板
55 不動態膜
56 インク吐出ノズル
Claims (7)
- 圧力を受けた液体を所定方向に吐出させる複数の吐出ノズルと、該吐出ノズルと夫々個々に連通するよう絶縁性基板上に区画形成されると共に少なくとも1個の開口を備え、該開口から前記液体が供給される複数の個別液室と、該個別液室内において夫々前記絶縁性基板上に配設され電圧を印加するための不活性金属よりなる電極膜と該電極膜に接続されたエネルギー変換体とからなり前記液体を吐出させるための圧力エネルギーを発生させる複数のエネルギー発生素子と、前記個別液室の夫々に前記液体の供給を中継する共通液室と、を有するインクジェットプリンタヘッドであって、
前記共通液室と前記個別液室の各開口との間に形成される液流路内に設けられ前記電極膜の下部層に直接立設されたポリイミド樹脂よりなる突起体を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタヘッド。 - 前記電極膜の下部層は、基板表面に不動態膜が被着された絶縁性基板であることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタヘッド。
- 前記基板はシリコン基板であり、前記不動態膜はSiO2 であることを特徴とする請求項2記載のインクジェットプリンタヘッド。
- 前記エネルギー発生素子は、発熱抵抗体膜に電極膜を積層してなる発熱素子であり、前記電極膜の下部層は、絶縁性基板上に積層された発熱抵抗体膜であることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタヘッド。
- 前記突起体は、不活性金属から成る前記電極膜に穿設された除去部孔を介して前記電極膜の下部層に直接接して立設されることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のインクジェットプリンタヘッド。
- 前記不活性金属は、Auであることを特徴とする請求項5記載のインクジェットプリンタヘッド。
- 前記突起体は、その先端がオリフィス板裏面に当接して形成されることを特徴とする請求項1又は6記載のインクジェットプリンタヘッド。
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