JPH07144411A - インクジェットヘッドおよび記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッドおよび記録装置

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JPH07144411A
JPH07144411A JP29204993A JP29204993A JPH07144411A JP H07144411 A JPH07144411 A JP H07144411A JP 29204993 A JP29204993 A JP 29204993A JP 29204993 A JP29204993 A JP 29204993A JP H07144411 A JPH07144411 A JP H07144411A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エネルギ変換素子の耐久性を向上させたイン
クジェット記録ヘッドおよび記録装置を提供する。 【構成】 記録液滴を吐出するために利用されるエネル
ギを発生する吐出エネルギ発生素子である電気熱変換体
15と、該変換体15に対応して設けられた液路12
と、該液路に連通する開口13と、該開口13が配設さ
れた開口配設面に接合される前記開口に対応して設けら
れたインクを吐出ための吐出口11を有する吐出口形成
部材とを備えてなるインクジェットヘッドにおいて、前
記電気熱変換体15の反吐出方向に流体抵抗部16を設
け、該電気熱変換体15の中央部から前記開口13まで
の前記液路12の形状の少なくとも一部を、当該液路1
2の中心を含みかつ前記電気熱変換体15の表面に対し
て垂直な面に対して非対称とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エネルギ発生素子の耐
久性を向上させたインクジェット記録ヘッドおよび記録
装置に関する。なお、ここで、記録とは、布、糸、紙、
シート材等のインク付与を受けるインク支持体全てへの
インク付与等(プリント)を含むもので、記録装置は、
各種情報処理装置全てあるいはその出力器としてのプリ
ンタを含むものであり、本発明はこれらへの用途が可能
なものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、インクを微
小な液滴としてノズルより吐出し文字や図形等の記録を
行うもので、高精細な画像の出力、高速印字の手段とし
てすぐれた利点を有している。特に、電気熱変換体(以
下、ヒータ)等により生成したバブル(気泡)圧を用い
る方法、いわゆる熱インクジェット記録方法(特公昭6
1−59911〜4号)は装置の小型化、画像の高密度
化が容易であるなどの特長を有している。
【0003】この種の装置は、通常、例えば、特開昭5
5−100169号公報に記載されるように、インク流
路中の熱エネルギを発生する電気熱変換体のより上流側
に流体抵抗部を備えている。かかるインクジェットヘッ
ドの構造を図8に示す。同図にように示すように、イン
クを吐出する吐出口01に連通するインク流路02内に
は、流入開口03からインク04が流入されるようにな
っている。このインク流路02の吐出口01の近傍に
は、気泡を形成してインクを吐出するために利用される
熱エネルギを発生する電気熱変換体05が壁面に配設さ
れており、この電気熱変換体05が配設されている壁面
の該電気熱変換体05より上流側(流入開口03側)に
は障壁06が突設されている。かかるヘッドにおいて、
電気熱変換体05に電気信号が入力されると、インク0
4内に気泡が発生してこの作用によりインク滴07が吐
出口01から吐出される。このとき、同時に気泡による
作用力は反吐出方向にも作用するが、反吐出方向に設け
られている障壁06のため、吐出方向に向かう流体抵抗
より反吐出方向に向かう流体抵抗の方が大きくなり、気
泡による作用力は有効にインク滴07の吐出のために利
用される。なお、このような障壁06は、特開昭55−
100169号公報の第2図〜第7図に記載されるよう
に、電気熱発熱体05の表面に垂直で前記インク流路0
2の中心線を含む面に対して対称に設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したインクジェッ
トヘッドでは、消泡時のキャビテーションにより電気熱
変換体05の耐久性能が低下するという問題がある。上
述した従来例では、障壁18により発砲時の反吐出方向
への流体抵抗の上昇により反吐出方向へのインク流量が
低減し、これにより消泡時の電気熱変換体05の上流側
から吐出方向へのインク流量が低減して消泡時のキャビ
テーションエネルギが減少するので、電気熱変換体05
の耐久性能に有利である。しかしながら、未だ、充分な
耐久性能を有するインクジェットヘッドは開発されてい
ない。
【0005】本発明の目的は、このような事情に鑑み、
エネルギ変換素子の耐久性を向上させたインクジェット
記録ヘッドおよび記録装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本
発明にかかるインクジェットヘッドは、記録液滴を吐出
するために利用されるエネルギを発生する吐出エネルギ
発生素子と、該発生素子に対応して設けられた液路と、
該液路に連通するインクを吐出するための吐出口とを備
えてなるインクジェットヘッドにおいて、前記エネルギ
発生素子の中央部から前記開口までの前記液路の形状の
少なくとも一部が、当該液路の中心を含みかつ前記エネ
ルギ発生素子の表面に対して垂直な面に対して非対称で
あることを特徴とする。ここで、前記インクジェットヘ
ッドは、前記エネルギ発生素子として、例えば、前記イ
ンクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱
変換体を有し、また、実質的に前記液路に添う方向にイ
ンクを吐出する。
【0007】また、本発明のインクジェット記録装置
は、インクジェットヘッドを具えたインクジェット記録
装置であって、前記インクジェットヘッドが記録装置本
体に対して着脱可能であることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明のインクジェット記録ヘッドでは、エネ
ルギ発生素子の中央部から前記開口までの前記液路の形
状が、その中心を通りかつ吐出方向と平行で前記エネル
ギ発生素子の表面に対して垂直な面に対して非対称であ
るので、キャビテーションによるエネルギ変換素子の損
傷が低減し、エネルギ変換素子の耐久性能が向上する。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0010】図1は、一実施例にかかるインクジェット
ヘッドの構造を示し、図1(A)はノズルの断面図、図
1(B)は吐出口の正面図、図1(C)はヘッドの分解
斜視図である。これらの図に示すように、インクを吐出
する吐出口11に連通するインク流路12内には、流入
開口13からインク14が流入されるようになってい
る。このインク流路12の吐出口11の近傍には、気泡
を形成してインクを吐出するために利用される熱エネル
ギを発生する電気熱変換体15が配設されており、この
電気熱変換体15より上流側(流入開口13側)には、
流体抵抗部16が設けられている。この流体抵抗部16
は、インク吐出時に電気熱変換体15の中心部から反吐
出方向に向かう流体抵抗を吐出方向に向かう流体抵抗よ
り大きくするものであるが、インク吐出後のインク充填
時にインク流路12の流入開口13から電気熱変換体1
5の中心部までの吐出方向へ向かう流体抵抗をインク吐
出時に電気熱変換体15の中心部から反吐出方向に向か
う流体抵抗より小さくするように形成されている。ま
た、電気熱変換体15より上流側で気泡を分断する位置
に突設されているが、突設された状態は従来と異なる。
すなわち、流体抵抗部16は電気熱変換体15が配設さ
れた面に隣接する面に突設されており、この突設によ
り、電気熱変換体15の上流側のインク流路12の形状
が、当該インク流路12の中心線を含みかつ当該電気熱
変換体15の表面に垂直な面に対して非対称となってい
る。なお、インク流路12は、図1(C)に示すよう
に、基板17、天板18およびこれらの間に所定間隔で
設けられた隔壁19によって画成されている。また、基
板17および天板18の間には、隔壁19により、流入
開口13を介してインク流路12に連通する共通液室2
0が画成されており、天板18には共通液室20にイン
ク14を供給するための供給口21が形成されている。
【0011】このようなインクジェットヘッドのノズル
でのインクの吐出の様子を図2に示す。図2(A)は、
電気熱変換体15に電気信号を入力することによりイン
ク滴22を吐出する状態を示すもので、発生した気泡2
3が最大に発泡した状態を示す。このとき気泡23の一
部は、流体抵抗部16により分断される。図2(B)
は、気泡23が収縮した状態を示すもので、気泡23
は、電気熱変換体15の表面に沿った方向に、すなわ
ち、インク流路12の中心を通りかつ電気熱変換体15
の表面に垂直な平面に対して非対称に変形しつつ収縮す
る。これは、流体抵抗部16が電気熱変換体15の表面
に沿う方向に非対称に設けられているからである。図2
(C)は、気泡23が消滅する直前の状態を示す。イン
ク滴22の吐出に伴って補充されるインクは、電気熱変
換体15の表面に沿う一方側(図中下側)に片寄った流
体抵抗通路24から充填されるので、図中下側でのイン
クの流れが増大し、気泡23は電気熱変換体15の表面
上の中央部ではなく図中上側へ片寄った位置で消滅する
ことになる。すなわち、気泡23の消泡位置は、吐出方
向と直交する方向へばらつくことになり、さらに、電気
熱変換体15上以外となることもある。したがって、キ
ャビテーションにより電気熱変換体15が受ける損傷が
低減し、電気熱変換体15の耐久性能が向上する。
【0012】図3は、他の実施例にかかるインクジェッ
トヘッドのノズルの断面を示す。本実施例では、インク
流路12の上流側で該インク流路12の中心線を通りか
つ電気熱変換体15の表面に垂直な面の両側に、当該面
に対して非対称となるように流体抵抗部25Aおよび2
5Bを突設したものである。この例では、吐出直後に充
填されるインクの通路となる流体抵抗通路26が、図中
上から下に向かうように形成されており、インク充填時
のインクの流れが図中下側で極力増大されるようになっ
ている。したがって、本実施例では、吐出方向に直交す
る方向への消泡位置のばらつきがさらに増大し、かつ電
気熱変換体15上以外で消泡する確率がさらに高くな
る。
【0013】図4は、さらに他の実施例にかかるインク
ジェットヘッドのノズルの断面を示す。本実施例では、
インク流路12の上流側の該インク流路12の中心線を
通りかつ電気熱変換体15の表面に垂直な面の一方側に
突起状の流体抵抗部27Aを突設し、他方側に凹部形状
の流体抵抗部27Bを形成したものであり、これによ
り、電気熱変換体15の上流側のインク流路12の形状
を、該インク流路12の中心線を通りかつ電気熱変換体
15の表面に垂直な面に対して非対称にしたものであ
る。この例では、吐出直後に充填されるインクの通路と
なる流体抵抗通路28からのインクの流れが、図中上か
ら下に向かうようになり、したがって、インク充填時の
インクの流れが図中下側で極力増大されるようになって
いる。これにより、本実施例では、吐出方向に直交する
方向への消泡位置のばらつきがさらに増大し、かつ電気
熱変換体15上以外で消泡する確率がさらに高くなる。
【0014】図5は、以上の構成のインクジェットヘッ
ドが適用されるインクジェットカートリッジIJCの斜
視図、図6はその分解斜視図を示す。これらの図におい
て、100はSi基板上に複数の列状に配された電気熱
変換体とこの電気熱変換体に電力を供給するAl等の電
気配線とが成膜技術により形成されてなるヒータボー
ド、200はヒータボード100に対する配線基板であ
り、配線基板200はヒータボード100の配線に対応
する配線およびこの配線の端部に位置して本体装置から
の電気信号を受けるパッド210を有する。300は複
数のインク流路およびこれらに連通する共通液室それぞ
れ区分するための隔壁等を設けた天板、400は共通液
室に連通するインク受け口、500は吐出口を複数個有
するオリフィスプレートであり、これらは例えばポリサ
ルフォンにより一体成形される。600は配線基板20
0の裏面を平面で支持する例えば金属製の支持体であ
り、インクジェットユニットの底板となる。700は天
板300およびヒータボード100を支持体600に圧
着固定する押さえばねであり、この押さえばね700の
足部は支持体600の穴610に係合されている。80
0はインク供給部材であり、このインク供給部材800
には後述するインクタンクITの供給口1020を介し
てインク吸収体1100に一端が圧接されるインク供給
管810と、このインク供給管810の他端に一端が連
続しかつ他端が前記インク受け口400に圧接されるイ
ンク導管820とが形成されている。900はインク供
給管810のタンク側端部に設けたれたフィルタであ
る。なお、支持体600の供給口1020に対応する位
置には、インク供給管810が貫通する穴620が形成
されている。
【0015】このように構成されるインクジェットユニ
ットIJUにインクを供給するインクタンクITは、カ
ートリッジ本体1000と、インクを含浸させるための
インク吸収体1100と、このインク吸収体1100を
カートリッジ本体1000に上記インクジェットユニッ
トIJU取付面とは反対側から挿入した後これを封止す
るためのするための蓋部材1200とで構成されてい
る。カートリッジ本体1000には、インクタンクIT
内に空気を供給するための大気連通口1010が形成さ
れており、この大気連通口1010には、この大気連通
口1010からのインク漏れを防止するための撥液材1
300が挿入されている。また、カートリッジ本体10
00には、インク供給口1020が形成されており、こ
のインク供給口1020には、パッキン1400が設け
られている。なお、上述したインクジェットユニットI
JUは、カートリッジ本体1000のインク吸収体11
00挿入側とは反対側の側面支持体600を固定するこ
とにより取り付けられ、蓋部材1500で覆われてい
る。
【0016】図7は、以上のように構成されるインクジ
ェットカートリッジIJCが搭載されるインクジェット
記録装置の一例の概観図を示す。このインクジェット記
録装置IJRAは、駆動モータの2010の正逆回転に
連動して駆動力伝達ギア2020,2030を介して回
転するリードスクリュー2040を有する。インクジェ
ットカートリッジIJCが載置されるキャリッジHC
は、キャリッジ軸2050およびリードスクリュー20
40に支持され、リードスクリュー2040のら線溝2
041に対して係合するピン(不図示)を有しており、
リードスクリュー2040の回転に伴って、矢印a,b
方向に往復移動される。2060は紙押え板であり、キ
ャリッジ移動方向にわたって紙Pをプラテンローラ20
70に対して押圧する。2080および2090はフォ
トカプラで、これらは、キャリッジHCに設けられたレ
バー2100のこの域での存在を確認してモータ201
0の回転方向切換等を行うためのホームポジション検知
手段として動作する。2110は記録ヘッドの前面をキ
ャップするキャップ部材であり、支持部材2120によ
り支持されている。2130はこのキャップ内を吸引す
る吸引手段であり、キャップ内開口を介して記録ヘッド
の吸引回復を行う。記録ヘッドの端面をクリーニングす
るクリーニングブレード2140は、前後方向に移動可
能に部材2150に設けられており、これらは本体支持
板2160に支持されている。ブレード2140はこの
形態に限定されず、周知のクリーニングブレードが本例
に適用できることはいうまでもない。また、2170は
吸引回復の吸引を開始するためのレバーであり、キャリ
ッジHCと係合するカム2180の移動に伴って移動す
るようになっており、これにより駆動モータ2010か
らの駆動力がクラツチ切換等の公知の伝達手段で移動制
御される。
【0017】これらのキヤツピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジHCがホームポジシヨン側領域に
きたときにリードスクリユー2040の作用によってそ
れらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されて
いるが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにす
れば、本例には何れも適用できる。上述における各構成
は単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明に
とって好ましい構成例を示している。
【0018】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0019】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0020】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0021】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0022】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0023】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0024】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0025】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0026】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、インク
ジェットヘッドの液路のエネルギ発生素子中央部から反
吐出方向のノズル開口部までの形状を、液路の中心を通
りかつエネルギ発生素子面に垂直な面に対して非対称と
することにより、電気熱変換体のキャビテーションによ
る損傷を低減し、その耐久性能を向上するという効果を
奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るインクジェットヘッド
の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の図1のインクジェットヘッドのノズル
における吐出の様子を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施例にかかるインクジェットヘ
ッドのノズルの構成を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施例にかかるインクジェットヘ
ッドのノズルの構成を示す断面図である。
【図5】本発明のインクジェットヘッドを適用したイン
クジェットユニットの一例を示す斜視図である。
【図6】図5のインクジェットユニットの分解斜視図で
ある。
【図7】本発明のインクジェットヘッドを適用したイン
クジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【図8】従来技術に係るインクジェットヘッドのノズル
を示す断面図である。
【符号の説明】
11 吐出口 12 インク流路 13 流入開口 14 インク 15 電気熱変換体 16,25A,25B,27A,27B 流体抵抗部 17 基板 18 天板 19 隔壁 20 共通液室 21 供給口 22 インク滴 23 気泡 24,26,28 流体抵抗通路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録液滴を吐出するために利用されるエ
    ネルギを発生する吐出エネルギ発生素子と、該発生素子
    に対応して設けられた液路と、該液路に連通するインク
    を吐出するための吐出口とを備えてなるインクジェット
    ヘッドにおいて、 前記エネルギ発生素子の中央部から前記開口までの前記
    液路の形状の少なくとも一部が、当該液路の中心線を含
    みかつ前記エネルギ発生素子の表面に対して垂直な面に
    対して非対称であることを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェットヘッドに
    おいて、前記エネルギ発生素子が、前記インクに膜沸騰
    を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体を有す
    ることを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のインクジェット
    ヘッドにおいて、前記インクジェットヘッドは、実質的
    に前記液路に添う方向にインクを吐出することを特徴と
    するインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3記載のインクジェ
    ットヘッドを具えたインクジェット記録装置であって、
    前記インクジェットヘッドが記録装置本体に対して着脱
    可能であることを特徴とするインクジェット記録装置。
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