JPH0820111A - 液体噴射記録ヘッドおよびこれを搭載する液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドおよびこれを搭載する液体噴射記録装置

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JPH0820111A
JPH0820111A JP17612394A JP17612394A JPH0820111A JP H0820111 A JPH0820111 A JP H0820111A JP 17612394 A JP17612394 A JP 17612394A JP 17612394 A JP17612394 A JP 17612394A JP H0820111 A JPH0820111 A JP H0820111A
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Kunihiko Maeoka
邦彦 前岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録液吐出時に発生する圧力波による圧力変
動を吸収することができしかも小型化することができる
ようにする。 【構成】 液体噴射記録ヘッド1は、基板9と天板8か
らなり、その内部に長手方向に互いに間隔をおいて配設
された4個の共通液室4と、各共通液室4に複数の連通
路7により連通されているが大気とは連通していない1
個のダンパー室5を備え、前記ダンパー室5には圧力波
による圧力変動を吸収するための圧縮性部材が満たされ
ている。また、各共通液室4がそれぞれ液体噴射記録ヘ
ッド1の側面に形成された複数の吐出口2に液流路3に
より連通されているとともに、各液流路3に対応して電
気熱変換体10がそれぞれ配設されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マルチカラー液体噴射
記録装置、マルチカラープリンタおよび複写機等の記録
装置において使用される液体噴射記録ヘッドおよびこれ
を搭載する液体噴射記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のマルチカラー液体噴射記
録ヘッドとして、次に説明するようなサーマル型マルチ
カラーインクジェット記録ヘッドが知られている。
【0003】図11に示すサーマル型マルチカラーイン
クジェット記録ヘッド(以下、「記録ヘッド」とい
う。)201は、記録ヘッド201の内部に形成された
4個の共通液室204を有し、各共通液室204のそれ
ぞれは、記録ヘッド201のインク吐出面に開口された
吐出口202に連通路203を介して連通されていると
ともに、継手206により接続された供給管205(図
12に示す)介して不図示のインク供給源に接続されて
いる。
【0004】上記従来の記録ヘッド201において、図
12の(a)に示すように、各供給管205を通して供
給されるインク211は、各共通液室204に充満して
おり、各液流路203に設けられた吐出エネルギ発生素
子でありヒータ210に吐出信号が印加されると、図1
2の(b)に示すようにヒータ210の近傍のインクが
急激に気化してバブル214が発生し、その圧力でイン
ク211が各吐出口202から不図示の記録媒体に向け
て吐出される。インク211の吐出が完了すると、図1
2の(c)に示すようにバブル214は急速に消滅し、
吐出口202にメニスカス216が形成され、表面張力
により液流路203にインク211が再充填(リフィ
ル)される。
【0005】上記バブル214の圧力によって発生する
圧力波は吐出口202に向う方向のみならず共通液室2
04へ向う圧力波213となって伝わっていく。特に、
多数の吐出口202から同時にインクを吐出させるとき
はこの圧力波213の影響は無視できないものとなる。
すなわち、圧力波213による圧力変動の伝達が発生す
ると共通液室204のみならず供給管205内のインク
211にも及びインク供給方向とは逆方向の圧力がイン
ク211に作用し、インクの供給が妨害されてインク2
11のリフィル速度が遅くなる。その結果、リフィルが
不完全な状態のままヒータ210に次の吐出信号が印加
されて吐出が開始されることになり、吐出される液滴の
ドット径が小径となったり吐出速度が遅くなって吐出不
良が発生するという問題点があった。
【0006】上記問題点を解決するために次に説明する
(イ)または(ロ)の記録ヘッドが提案されている。
【0007】(イ)共通液室に隣接して一つのダンパー
室を設け、該ダンパー室に蓄えられた気泡により、吐出
時に発生する上記圧力波による圧力伝達を吸収するよう
に構成された記録ヘッド(特開昭62−128947号
公報参照)。
【0008】(ロ)インクを吐出する吐出口の近傍にイ
ンクを吐出しない小孔(非噴射オリフィス)を設け、非
噴射オリフィスに発生するメニスカスの振動によってイ
ンクを吐出する吐出口の液流路内の圧力波による圧力伝
達を吸収するように構成された記録ヘッド。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の技術
のうち(イ)は、ダンパー室の体積が大きい程その効果
が向上するが、マルチカラーの各色毎に設けられた共通
液室にそれぞれダンパー室を設けると、記録ヘッド全体
が大型化し、コストが増大するという未解決の課題があ
った。
【0010】また(ロ)は、マルチカラーの各色毎に設
けられた共通液室が一列に配列されており、そのうえに
非噴射オリフィスが設けられているため、その分だけヘ
ッドの長さが長くなり、吐出口と記録シート等の被記録
媒体との間隔を一定にするのが困難となる。また、ヒー
ターに対して平行な方向のインクを吐出するエッジシュ
ーターおよびヒーターに対して垂直な方向へインクを吐
出するサイドシューターいずれの型式の記録ヘッドにお
いても、非噴射オリフィスの面積だけ大気に触れるイン
クの面積が大きくなり、その分インクの蒸発量が増大す
る。加えて、インクが不吐出となった場合において、イ
ンク吐出面からの吸引や共通液室からの加圧回復動作の
際に、吐出口のみならず非噴射オリフィスからもインク
が流れ出してしまいインクが無駄になるという未解決の
課題がある。
【0011】本発明は、上記従来の技術の有する未解決
の課題に鑑みてなされたものであって、記録液吐出時に
発生する圧力波による圧力変動を吸収することができし
かも小型化することができる液体噴射記録ヘッドおよび
これを搭載する液体噴射記録装置を実現することを目的
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は液体噴射記録ヘッドは、記録液が供給され
る複数の共通液室と、前記共通液室それぞれに液流路に
よって連通された複数の吐出口を有し、各液流路毎に吐
出エネルギ発生素子が配設された液体噴射記録ヘッドに
おいて、前記共通液室のすべてに連通口を介して連通し
ているが大気とは連通していないダンパー室を備え、前
記ダンパー室内には圧力波による圧力変動を吸収するた
めの圧縮性部材が満たされていることを特徴とするもの
である。
【0013】また、連通口の断面積を、吐出口の断面積
よりも小さくすると効果的である。
【0014】さらに、記録液が供給される複数の共通液
室と、前記共通液室それぞれに液流路によって連通され
た複数の吐出口を有し、各液流路毎に吐出エネルギ発生
素子が配設された液体噴射記録ヘッドにおいて、少なく
とも2個以上の前記共通液室に連通口を介して連通して
いるが大気とは連通していないダンパー室を備え、前記
ダンパー室内には圧力波による圧力変動を吸収するため
の圧縮性部材が満たされているものとする。
【0015】加えて、連通口が、共通液室と該共通液室
に隣接するダンパー室との間を仕切る多孔質体によって
形成されているものとする。
【0016】
【作用】複数の共通液室に圧縮性部材が満たされたダン
パー室が連通しているので、液流路内で発生した圧力変
動がダンパー室内の圧縮性部材を圧縮することで吸収さ
れるためクロストークが低減される。また、ダンパー室
内の圧力変動が大きい場合には、該ダンパー室に連通さ
れている他の共通液室に圧力が伝達され、これらの共通
液室に連通された液流路の吐出口のメニスカスが振動す
ることで吸収されるため、ダンパー室の圧力は直ちに定
常状態に戻る。
【0017】
【実施例】本発明の液体噴射記録ヘッドの実施例につい
て説明する。
【0018】図1は本発明の液体噴射記録ヘッドの第1
実施例の模式平面図、図2は図1に示す液体噴射記録ヘ
ッドの模式斜視図である。
【0019】本実施例の液体噴射記録ヘッド1は、エッ
ジシュータ型のものであって、基板9と天板8からな
り、その内部に長手方向に互いに間隔をおいて配設され
た4個の共通液室4と、各共通液室4に複数の連通路7
により連通されているが大気とは連通されていない1個
のダンパー室5を備え、該ダンパー室5には後述する圧
力波による圧力変動を吸収するための圧縮性部材が満た
されている。加えて、各共通液室4がそれぞれ液体噴射
記録ヘッド1の反連通路側の側面に形成された複数の吐
出口2(図では2個のみを示す)に液流路3により連通
されているとともに、各液流路3に対応して吐出エネル
ギ発生素子である電気熱変換体10(図3に示す)がそ
れぞれ配設されており、各共通液室4はそれぞれ接続部
材6を介して供給管11に接続されている。
【0020】本実施例の液体噴射記録ヘッド1を製造す
るには、半導体製造プロセスを用いて基板9に複数の電
気熱変換体10を互いに所定の間隔をおいて配設し、そ
の上に感光性樹脂をラミネートしたのち、フォトマスク
を用いて前記吐出口2、前記液流路3、前記共通液室
4、前記ダンパー室5および前記連通路7を形成する。
その後、天板9を接着剤により積層固着するとよい。
【0021】次に、本実施例の液体噴射記録ヘッドの動
作について説明する。
【0022】 初期状態において、図3の(a)に示
すように、図示しない記録液供給源より順次各供給管1
1および接続部材6を通して各共通液室4にそれぞれ各
色の記録液12を供給しておく。この記録液12の供給
は、吐出口2に負圧をかけて吸引するか、供給管11側
から加圧することによって行ない、各接続部材6、各共
通液室4、各液流路3および各連通路7に充填してお
く。このとき、ダンパー室5内には各記録液12の混色
を防ぐために圧縮性部材としての空気等の気体が常時満
たされている。
【0023】吐出口2に負圧をかけて吸引したとき、ダ
ンパー室5内の空気が流出しないようにするためには、
連通路7内の記録液の毛管力を供給系(共通液室4、接
続部材6、供給管11および記録液供給源)で発生する
圧力よりも大きくする必要がある。このため、連通路7
の断面積は小さい方が望ましい。
【0024】逆に、前記供給系からの加圧する回復動作
の場合、共通液室4の記録液12がダンパー室5内に流
れ込まないようにするためには、液流路3内の記録液1
2の毛管力よりも連通路7内の毛管力を大きくする必要
がある。このため、連通路7の断面積を液流路3の断面
積に等しいかあるいは小さい方、つまり、連通路7の断
面積を液流路3の断面積よりも小さくするのが望まし
い。
【0025】 上記の初期状態から電気熱変換体1
0に対し、図示しない駆動回路から吐出信号が印加され
ると、電気熱変換体10の表面近傍の記録液12が急激
に気化して発泡して気泡12bが発生し、その圧力によ
って記録液12は吐出口2から液滴12aとなって図示
しない被記録媒体へ向けて吐出される。このとき、気泡
12bによる圧力波による圧力変動は各共通液室4中の
記録液12に向けて伝達されるが各連通路7中の記録液
12を介してダンパー室5中の空気を圧縮し、各連通路
7の開口部に発生するメニスカス14が振動することで
この圧力波による圧力変動が吸収される。
【0026】 上記ののち、気泡12bは急速に消
泡するが、このときには図3の(c)に示すように、気
泡12bの発生時とは反対方向の圧力が電気熱変換体1
0の前方(吐出口側)および後方(共通液室側)へ伝達
される。その結果、ダンパー室5内の空気は膨張するた
め供給管11からの記録液12の供給量が減少し、上記
と同様に各共通液室4への圧力伝達が低減する。
【0027】本実施例の液体噴射記録ヘッドと従来の液
体噴射記録ヘッドとの比較実験を行なったのでその結果
を次に記載する。
【0028】本実施例の液体噴射記録ヘッドの仕様は、
各色ともに、ノズルピッチ70.5μm×64ノズル
(吐出口)、ノズル長さ(液流路長さ)300μm、ノ
ズル高さ(吐出口の高さ)35μmの矩形、共通液室の
寸法5mm×5mm×0.5mm、ダイパー室の寸法2
0mm×1mm×0.5mm、吐出体積85plであ
る。
【0029】上記仕様の液体噴射記録ヘッドに対し、連
通管の本数、長さおよび断面形状を変化させたものを試
作し、隣接吐出口のメニスカス振動量および記録液の回
復動作時の混色について評価した結果を従来の液体噴射
記録ヘッドの評価結果とともに表1に示す。なお、従来
の液体噴射記録ヘッドの仕様は、ノズルピッチ70.5
μm×64ノズル、ノズル長さ300μm、ノズル高さ
35μm、ダンパー室無し、吐出体積88plである。
【0030】
【表1】 図4は、本実施例の液体噴射記録ヘッドのメニスカス振
動の代表例を示し、図5は上記比較例の液体噴射記録ヘ
ッドのメニスカス振動を示し、縦軸は記録液を吐出する
吐出口と、これに隣接する記録液を吐出しない吐出口の
メニスカスおよび連通路のメニスカスの位置を示し、吐
出口面および連通路のダンパー室側開口面をO、吐出面
外側およびダンパー室内側を+、液流路内側および連通
路内側を−とする。
【0031】本実施例および比較例の液体噴射記録ヘッ
ドは、いずれも記録液を吐出している吐出口は、吐出信
号の印加後10μsで気泡の大きさが最大になって記録
液を吐出し、40μsで気泡は消泡してメニスカスおよ
び共通液室から記録液を激しく液流路内に引き込み、2
70μsでリフィルを完了する。その後メニスカスはオ
ーバーシュートして振動する。
【0032】図4から明らかなように、本実施例の液体
噴射記録ヘッドでは、発泡および消泡時の圧力変動は点
線で示す連通管のメニスカスにより吸収され、破線で示
す吐出していない吐出口のメニスカス振動は小さく押さ
えられている。これに対し、図5から明らかなように、
比較例の液体噴射記録ヘッドでは、吐出している吐出口
に隣接する吐出していない吐出口のメニスカスは、大き
く振動している。以上のように連通管のメニスカスが振
動することで、ダンパー室内の空気が圧縮・膨張する。
その結果、記録液を吐出している吐出口の液流路内で発
生する圧力波による圧力変動が供給管へ伝達し難しくな
るため、吐出直前のメニスカス位置が安定し、記録品位
が低下することがない。
【0033】また、ダンパー室の圧力変動は隣接する共
通液室に伝達されてその共通液室の吐出口のメニスカス
が振動することで吸収されるため、ダンパー室内の圧力
変動は直ちに定常状態になり、個々の共通液室にダンパ
ー室を設ける従来の技術に比較して圧力波よる圧力変動
の吸収効果が増大し、しかも小型化が可能となる。
【0034】次に本発明に係る液体噴射記録ヘッドの第
2実施例について説明する。
【0035】本実施例の液体噴射記録ヘッドは、図6お
よび図7に示すように、互いに隣接する各共通液室24
の間にそれぞれダンパー室25を配設し、各ダンパー室
25に該ダンパー室25に隣接する共通液室24を複数
の連通路27によって連通させたものであって、天板2
8にこれらダンパー室25、共通液室24および連通路
27が形成されている点が第1実施例と異なるだけで、
それ以外の吐出口22、液流路23、接続部材26、基
板29等は、上述した第1実施例の吐出口2、液流路
3、接続部材6および基板9等と同様であるのでその説
明は省略する。
【0036】本実施例では、各ダンパー室25によって
該ダンパー室25に隣接する共通液室24に伝達される
圧力波による圧力変動を吸収する点で第1実施例と異な
るが、その作用、効果については第1実施例と同様であ
る。
【0037】図8および図9は第2実施例の変形例を示
し、該変形例は、上記第2実施例におけるダンパー室2
5および連通路27の替わりに、各ダンパー室35と該
ダンパー室35に隣接する共通液室24との間に金網等
の多孔性部材37を介在させ、該多孔性部材37の多数
の孔により多数の連通路を形成させたものである。本変
形例では、前記多孔性部材37による多数の連通路にそ
れぞれ形成されるメニスカスにより各共通液室24に伝
達される圧力波による圧力変動を吸収する。
【0038】上記各実施例では共通液室の数が4個のも
のを示したが、共通液室の数は必要に応じ2個以上の複
数個とすることができる。
【0039】つぎに、本発明の液体噴射記録ヘッドを搭
載する液体噴射記録装置の一例について説明する。
【0040】この液体噴射記録装置は、図10に示すよ
うに、被記録媒体である記録シート107を液体噴射記
録ヘッド100に対向するように搬送する搬送手段であ
るプラテン102と、該プラテン102と平行に配設さ
れた一対のガイド棒103と、一対のガイド棒103に
軸方向へ移動自在に支持されたキャリッジ101を備
え、キャリッジ101には本発明の液体噴射記録ヘッド
100が搭載されているとともにサブタンク104が搭
載されており、供給チューブ106を通してサブタンク
104に記録液を供給したうえ、サブタンク104から
供給管105を介して液体噴射記録ヘッド100へ記録
液が供給されるように構成されている。
【0041】この液体噴射記録装置においては、キャリ
ッジ101が一対のガイド棒103に沿って走査移動さ
れるため、キャリッジ101の移動方向変換時の加減速
によって液体噴射記録ヘッド100への記録液供給系内
に圧力変動が発生するが、この圧力変動は上述した如く
直ちに低減されて良好な記録を行なうことができる。
【0042】本発明は、特に液体噴射記録方式の中で熱
エネルギを利用して飛翔液滴を形成し、記録を行なう、
いわゆるインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装
置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
【0043】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれ
にも適用可能である。
【0044】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている吐出エネルギ発生素子である電気熱変換体
に、記録情報に対応して記録液(インク)に核沸騰現象
を越え、膜沸騰現象を生じるような急速な温度上昇を与
えるための少なくとも一つの駆動信号を印加することに
よって、熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作
用面に膜沸騰を生じさせる。このように記録液(イン
ク)から電気熱変換体に付与する駆動信号に一対一に対
応した気泡を形成できるため、特にオンデマンド型の記
録法には有効である。この気泡の成長、収縮により吐出
口を介して記録液(インク)を吐出させて、少なくとも
一つの液滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とす
ると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特
に応答性に優れた記録液(インク)の吐出が達成でき、
より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米
国特許第4463359号明細書、同第4345262
号明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行なうことができる。
【0045】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されているように、熱
作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも
本発明は有効である。
【0046】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成を有するものにおいても本発明は有効である。
【0047】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録可能である記録媒体の最
大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドが
ある。このフルラインタイプの記録ヘッドは、上述した
明細書に開示されているような記録ヘッドを複数組み合
わせることによってフルライン構成にしたものや、一体
的に形成された一個のフルライン記録ヘッドであっても
良い。
【0048】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0049】また、記録ヘッドに対する回復手段や予備
的な補助手段を付加することは、記録装置を一層安定に
することができるので好ましいものである。これらを具
体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャピング手
段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換
体或はこれとは別の加熱素子、或はこれらの組み合わせ
による予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐
出モード手段を付加することも安定した記録を行なうた
めに有効である。
【0050】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0051】本発明において、上述した各インクにたい
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
【0052】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファ
クシミリ装置の形態を採るものであってもよい。
【0053】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。
【0054】記録液を吐出している吐出口と共通液室と
を連通させる液流路中で発生した圧力変動がダンパー室
で吸収され、クロストークを低減させることができる。
加えて、前記ダンパー室の圧力変動が大きくても該ダン
パー室を介して記録液を吐出していない吐出口に連通さ
れた共通液室に圧力変動が伝達され、該共通液室に連通
された吐出口に発生するメニスカスが振動して前記圧力
変動が吸収されるため、前記ダンパー室の圧力は直ちに
定常状態に戻り、従来例の各共通液室毎に隔壁で互に区
画されたダンパー室を設ける場合に比較して圧力変動の
吸収効果が増大するとともに、ダンパー室を共通化する
ことで前記隔壁が無くなる分だけダンパー室の容積が増
大するため、液体噴射記録ヘッド全体を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射記録ヘッドの第1実施例の模
式平面図である。
【図2】第1実施例の液体噴射記録ヘッドの模式斜視図
である。
【図3】第1実施例の液体噴射記録ヘッドの動作を説明
するための模式断面図である。
【図4】第1実施例の液体噴射記録ヘッドのメニスカス
振動を示すグラフである。
【図5】従来例の液体噴射記録ヘッドのメニスカス振動
を示すグラフである。
【図6】本発明の液体噴射記録ヘッドの第2実施例の模
式平面図である。
【図7】第2実施例の液体噴射記録ヘッドの模式斜視図
である。
【図8】第2実施例の変形例の模式平面図である。
【図9】第2実施例の変形例の模式斜視図である。
【図10】本発明の液体噴射記録ヘッドを搭載する液体
噴射記録装置の主要部の説明図である。
【図11】従来の液体噴射記録ヘッドの模式斜視図であ
る。
【図12】図11に示す従来の液体噴射記録ヘッドの動
作を説明するための模式断面図である。
【符号の説明】
1,21 液体噴射記録ヘッド 2,22 吐出口 3,23 液流路 4,24 共通液室 5,25,35 ダンパー室 6,26 接続部材 7,27 連通路 8,28 天板 9,29 基板 10 電気熱変換体 11 供給管 12 記録液 12a 液滴 12b 気泡 13,14 メニスカス 37 多孔性部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録液が供給される複数の共通液室と、
    前記共通液室それぞれに液流路によって連通された複数
    の吐出口を有し、各液流路毎に吐出エネルギ発生素子が
    配設された液体噴射記録ヘッドにおいて、 前記共通液室のすべてに連通口を介して連通しているが
    大気とは連通していないダンパー室を備え、前記ダンパ
    ー室内には圧力波による圧力変動を吸収するための圧縮
    性部材が満たされていることを特徴とする液体噴射記録
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 連通口の断面積を、吐出口の断面積より
    も小さくしたことを特徴とする請求項1記載の液体噴射
    記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 記録液が供給される複数の共通液室と、
    前記共通液室それぞれに液流路によって連通された複数
    の吐出口を有し、各液流路毎に吐出エネルギ発生素子が
    配設された液体噴射記録ヘッドにおいて、 少なくとも2個以上の前記共通液室に連通口を介して連
    通しているが大気とは連通していないダンパー室を備
    え、前記ダンパー室内には圧力波による圧力変動を吸収
    するための圧縮性部材が満たされていることを特徴とす
    る液体噴射記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 連通口が、共通液室と該共通液室に隣接
    するダンパー室との間を仕切る多孔質体によって形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射記録
    ヘッド。
  5. 【請求項5】 弾力性部材が、気体であることを特徴と
    する請求項1乃至4いずれか1項記載の液体噴射記録ヘ
    ッド。
  6. 【請求項6】 気体が、空気であることを特徴とする請
    求項5記載の液体噴射記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6いずれか1項記載の液体
    噴射記録ヘッドを搭載するキャリッジと、吐出エネルギ
    発生素子に吐出信号を供給する駆動回路と、前記液体噴
    射記録ヘッドの吐出口に対向するように被記録媒体を搬
    送する搬送装置を備えたことを特徴とする液体噴射記録
    装置。
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