JPH06191030A - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置

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JPH06191030A
JPH06191030A JP34383692A JP34383692A JPH06191030A JP H06191030 A JPH06191030 A JP H06191030A JP 34383692 A JP34383692 A JP 34383692A JP 34383692 A JP34383692 A JP 34383692A JP H06191030 A JPH06191030 A JP H06191030A
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ink
recording head
ejection
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recording
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JP34383692A
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Koichi Komata
好一 小俣
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Canon Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/015Ink jet characterised by the jet generation process
    • B41J2/04Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand
    • B41J2/045Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand by pressure, e.g. electromechanical transducers
    • B41J2/055Devices for absorbing or preventing back-pressure

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録ヘッドにおいて各インク
路間で相互のインク吐出によって生じる影響、すなわち
クロストークを低減する。 【構成】 記録ヘッド1のインク路3内に、このインク
路3に対する開口部を有するダンパ室7を設け、ダンパ
室7には空気を充填する。これにより、インク吐出の
際、ヒータ8の発熱によって生成する気泡による圧力波
は、インク路3のインクがダンパ室7内に入り込んで膨
脹することにより吸収され、また、消泡の際の圧力波
は、ダンパ室7内の空気がインク路3内に入り込んで吸
収される。この結果、インク吐出に伴ってインク路3で
生じる圧力波は、共通液室4に及ぶことが少なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録ヘ
ッドおよび該ヘッドを用いたインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録ヘッドは、複数のイ
ンク吐出口から制御信号に従ってインクを記録紙等の被
記録媒体へ向かって吐出することによって記録を行うも
のである。インクジェット記録ヘッドの一構成として、
複数のインク路を1つの共通液室に連通させた記録ヘッ
ド構造を有するものが使用されている。
【0003】図1に従来のインクジェット記録ヘッドの
一例を示す。
【0004】図1において、記録ヘッド1の前面(イン
ク吐出口面)には、複数のインク吐出口2が配列をなし
て形成され、これらのインク吐出口2を端部に有するイ
ンク路3は記録ヘッド1内部に形成された1つの共通液
室4に接続されている。図示しないインク供給源からの
インクは、供給管5を介して共通液室4へ供給されてこ
こに貯留される。この共通液室4に貯留されたインク
は、各インク路での吐出に応じてそのインク路へ供給さ
れる。
【0005】図2は、図1に示した記録ヘッド1におけ
るインク吐出のメカニズムを示す記録ヘッド1の模式的
断面図である。
【0006】図2において、供給管5を介して供給され
るインク9は、共通液室4および各インク路3内に充填
されており、各インク路3の壁面を構成するヒータボー
ド14にはインク9に対して吐出に利用されるエネルギ
ーを付与するためのヒータ8が配置されている。ヒータ
8に対し、図示しない駆動回路から吐出信号が印加され
ると、ヒータの発熱によってその表面近傍のインクが急
激に気化して発泡し、その圧力によってインク9は吐出
口2から吐出される。
【0007】この種の記録ヘッド1では、図2(A)に
示すようにインク路3内にインク9を充満させ、インク
路およびその近傍には気泡が存在しない形態が採られて
いた。
【0008】図2(A)に示す状態でヒータ8に吐出信
号が印加されると、図2(B)に示すようにヒータ8の
上面に気泡16が発生しインク9がインク吐出口2から
吐出される。その後、図2(C)に示すように気泡16
は急速に消滅し、毛管力によってインク路3内にインク
がリフィル(インクの再充填)する。
【0009】このとき、図2(B)に示すように、イン
クの吐出およびリフィルの過程で生ずる圧力波は、イン
ク吐出口2へ向かう方向のみではなく共通液室4に向か
う方向にも伝わっていく(図2(B)中符号15で示さ
れる)。このような圧力伝達15は、特に、多数の吐出
口を有した記録ヘッドにおいては、以下のような影響を
及ぼす。
【0010】第1に、多数の吐出口から同時に吐出を行
うと、図2(B)に示すような圧力伝達15が生じて共
通液室4のみならず供給管5内のインク9にも影響が及
ぶことがあり、これにより、インク供給方向とは逆の方
向へインク流れが生ずる。このような場合、共通液室4
からインク路3へのインク供給が妨害され、インク9の
リフィル速度が遅くなってしまう。
【0011】その結果、リフィルが不完全な状態のまま
ヒータ8に次の吐出信号が印加されて次の吐出が開始さ
れることになり、ドット径が小さくなるなど吐出不良を
起こす問題があった。
【0012】第2に、上述のような圧力伝達15によっ
てインク吐出がなされていないインク路のメニスカスに
振動を与え、メニスカスが平衡位置にないときに吐出信
号が印加される場合がある。このような場合、メニスカ
スが平衡位置よりも外側、すなわち吐出口よりも外側へ
盛りだした状態で吐出を開始した場合と、平衡位置より
も内側へ引き込まれた状態で吐出を開始した場合とで、
吐出速度やインクドット径が異なるなど吐出の安定性に
欠け、甚だしい場合には吐出不良を起こすことがあっ
た。これを以下クロストークと呼ぶ。
【0013】上述した第1,第2の問題は、繰り返し吐
出を行う周期、すなわち、駆動周波数が、それ程高くな
い場合には顕著に現れることはない。これを詳しく説明
すると、第1の、リフィル速度が遅くなる点に関して
は、駆動周波数が遅ければ、リフィルが間に合うため問
題になることはない。第2の、吐出していない他のイン
ク路への影響に関しては、高速駆動を要求されない場合
には吐出口から共通液室までの距離を長く取ることがで
き、その結果、インク路のイナータンスが大きくなり、
他のインク路における吐出に伴う圧力波の影響をそれ程
受けずに済み、メニスカス振動を小さく抑えることがで
きる。
【0014】一方、上記第1および第2の問題は、高周
波数駆動を行い、しかも高精細で安定した画像の記録を
要求される場合に顕著になる。このような問題に対して
いくつかの提案がなされている。
【0015】第1の問題に関しては、例えば特開昭63
−128947号公報において、共通液室に隣接したダ
ンパ室を介してインク供給を行う構成が提案されてい
る。この構成によれば、ダンパ室内に蓄えられた空気が
吐出の際の圧力伝達を吸収するため、供給管5内のイン
クへの圧力影響は軽減または無くすことができる。
【0016】第2の問題に関しては、特公平2−233
50号公報,特公平3−76672号公報において、イ
ンク路の近傍に吐出しない小孔(非噴射オリフィス)を
設ける構成が提案されている。この非噴射オリフィスの
メニスカスが振動することによって吐出するインク路で
発生した圧力波を吸収し、また、リフィルの際はインク
を非噴射オリフィス側から供給することでリフィル速度
を上げることができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各提案にはいくつかの問題点がある。
【0018】すなわち、インクジェット記録ヘッドは、
ヒータ配置と吐出方向との関係から、吐出ヒータに平行
な方向にインクを吐出するエッジシュータ型と、吐出ヒ
ータに垂直な方向へインクを吐出するサイドシュータ型
に大別されるが、上記非噴射オリフィスを設ける構成で
は、一般に、エッジシュータ型ヘッドにおいてはインク
路の配列密度を低下させる。また、この構成では、エッ
ジシュータ,サイドシュータどちらの形式の記録ヘッド
においても、非噴射オリフィスの面積だけ大気にふれて
いるインクの面積が余分に大きくなり、それに応じて吐
出口からのインクの蒸発量が多くなってしまう。さら
に、インクが不吐出となった場合の、吐出口面からの吸
引もしくは共通液室からの加圧回復動作を行うとき、非
噴射オリフィスからもインクが流れ出してしまうことが
あり、インクが無駄になってしまう。
【0019】上記共通液室内にダンパ室を設ける方法
は、共通液室およびインク供給路を含む大きな領域での
インクの流れを伴う現象、例えば多数の吐出口から同時
吐出を行った後のリフィル不足に関しては有効である
が、インク路近傍の微少な領域での圧力伝達に伴うクロ
ストークに関しては有効ではない。
【0020】本発明は、上記いくつかの方法の問題点を
解消し、クロストーク現象を効果的に低減させることが
可能なインクジェット記録ヘッドおよび該ヘッドを用い
たインクジェット記録装置を提供することを目的とす
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
インクを吐出するためのインクジェット記録ヘッドにお
いて、インクを吐出する複数の吐出口と、該複数の吐出
口のそれぞれに対して設けられ、当該吐出口に連通する
インク路と、該インク路に設けられ、インクを吐出する
ために利用される熱エネルギーを発生する1つ以上のヒ
ータと、前記インク路の各々に連通し、当該インク路に
供給するインクを貯留するための共通液室と、前記イン
ク路の一部に設けられ、当該インク路におけるインク圧
力の変化を当該変位によって吸収するダンパー部と、を
具えたことを特徴とする。
【0022】また、被記録媒体にインクを吐出して記録
を行うインクジェット記録装置において、インクを吐出
するための記録ヘッドであって、インクを吐出する複数
の吐出口と、該複数の吐出口のそれぞれに対して設けら
れ、当該吐出口に連通するインク路と、該インク路に設
けられ、インクを吐出するために利用される熱エネルギ
ーを発生する1つ以上のヒータと、前記インク路の各々
に連通し、当該インク路に供給するインクを貯留するた
めの共通液室と、前記インク路の一部に設けられ、当該
インク路におけるインク圧力の変化を当該変位によって
吸収するダンパー部と、を具えた記録ヘッドを用いて、
上記記録を行うことを特徴とする。
【0023】
【作用】以上の構成によれば、インク吐出の際、ヒータ
の発熱によって生成する気泡によるインク圧力波は、イ
ンク路のダンパ部が凹状に変位して吸収され、また、上
記気泡の消泡時に生じるインク圧力波は、ダンパ部が凸
状に変位して吸収される。これにより、インク路内で生
じるインク圧力波の影響が共通液室に及ぶことは少なく
なる。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0025】図3は、本発明の第1の実施例にかかるエ
ッジシュータ型記録ヘッドを示す模式的断面図である。
【0026】図3において、記録ヘッド1は複数のイン
ク吐出口2を有し、吐出口2を開口端とするインク路3
は共通液室4に連通している。図示しないインクタンク
から供給管5を介して共通液室4へインクが供給され
る。
【0027】インク路3の上部壁の後端部には空気の満
たされた外部と連通しないダンパ室7が設けられてい
る。
【0028】図6は上記第1の実施例の記録ヘッド構造
を模式的に示す斜視図である。
【0029】ダンパ室7の形成は、以下のようにして行
う。予めヒータ8を形成したヒータボード14に感光性
樹脂をラミネートし、インク路用フォトマスクを用いて
インク路隔壁12を形成する。インク路隔壁12の形成
後、このインク路隔壁上に感光性樹脂10をラミネート
し、ダンパ室形成用フォトマスクを用いてダンパ室7を
形成する。その後、ダンパ室上に図示しない天板を接合
してダンパ室7の上部開口部を塞ぐ。
【0030】ダンパ室7内は、常に空気が存在する必要
がある。従って、インクの流れによってダンパ室7内の
空気が逃げないように、インク路3に対する開口部は小
さい方が望ましい。本実施例では、上述のように、フォ
トマスクおよび感光性樹脂の露光・現像条件によって四
角すい型のダンパ室を実現している。
【0031】図4,図5,図10および図11を参照し
て本実施例の効果を以下に説明する。
【0032】図4において、ヒータ8に対し、図示しな
い駆動回路から吐出信号が印加されると、ヒータ8表面
近傍のインクが急激に気化して発泡し、その圧力によっ
てインクは吐出口2から被記録媒体へ向けて吐出され
る。発泡の際ヒータ8の前方へ向かう圧力は、インクに
運動エネルギーを与えるために使用される。このとき、
ダンパ室7内の空気は発泡の圧力で容易に圧縮されてダ
ンパ室7内にメニスカス13を形成する。これにより、
共通液室4へのインクの流出量が減少し共通液室4への
圧力伝達が低減する。
【0033】図5は、図4に示す発泡が生じた後に気泡
が収縮(消泡)する過程を示している。
【0034】消泡時には、発泡時と逆の圧力がヒータ8
の前方および後方へ伝わる。この場合にはダンパ室7内
の空気は膨脹するため共通液室4からのインクの流入量
が減少し、前記と同様に共通液室4への圧力伝達が低減
する。
【0035】図10は本実施例のダンパ室を設けた記録
ヘッドにおけるメニスカス振動の具体例を、図11は従
来の記録ヘッドのメニスカス振動の具体例を示す。
【0036】本実施例の記録ヘッドの仕様は、吐出口ピ
ッチ70.5μmで64個の吐出口を有し、インク路長
さ355μm,インク路高さ35μm,ダンパ室の容積
約40pl,吐出体積85plである。
【0037】従来の記録ヘッドの仕様は、吐出口ピッチ
70.5μmで64個の吐出口を有し、インク路長さ3
45μm,インク路高さ35μm,ダンパ室無し,吐出
体積88plである。
【0038】図10,図11において、縦軸はメニスカ
ス17の位置を示し、吐出口面を0、ノズル内側方向を
+、ノズル外側吐出方向を−とする。実線は吐出してい
るインク路のメニスカス位置を示し、破線は吐出してい
るインク路に隣接した吐出していないインク路のメニス
カス位置を表す。
【0039】従来例と本実施例のいずれの場合も、吐出
しているインク路は吐出信号の印加後約8μsecで気
泡の大きさが最大になってインクを吐出し、25μse
cで気泡は消泡して吐出口側および共通液室側からイン
クを激しくインク路内に引き込み、120μsecでリ
フィルを完了する。その後、メニスカスは、そのオーバ
ーシュートを徐々に減衰させながら振動をする。
【0040】図11から明らかなように、従来のインク
路では、吐出しているインク路に隣接するインク路のメ
ニスカスは、吐出しているインク路の発泡消泡の圧力変
化によって大きく振動する。
【0041】これに対して、図10に示す本例によるイ
ンク路では、発泡消泡の圧力変化は共通液室へ伝わり難
いため、破線で表す吐出していないインク路のメニスカ
ス振動は小さく押えられている。
【0042】以上のように、インク路内に設けられたダ
ンパ室内の空気が圧縮,膨脹をすることによって、イン
ク路で発生する圧力が共通液室へ伝わり難くなるため、
前述した従来の記録ヘッドにおける問題点が解決され
る。すなわち、共通液室4や供給管5内にインク供給方
向と反対方向への流れが起きてリフィルが阻害されるこ
とがない。また、圧力変動がインク路内で吸収されるの
で隣接するインク路のメニスカスへの影響が少なく、隣
接インク路の駆動タイミングをずらす吐出駆動を行って
も、吐出直前のメニスカス位置が安定しているため記録
品位が低下することがない。
【0043】図7および図8を参照して本発明の第2実
施例を説明する。
【0044】第2実施例の記録ヘッドは、感光性樹脂を
2段に重ねて、インク路3に対する開口部の小さいダン
パ室を形成する。すなわち、第1実施例と同様に、ヒー
タボード14上にインク路隔壁12を形成後、1層目の
感光性樹脂10をラミネートし、フォトマスクによって
ダンパ室の開口部を形成する。その後2層目の感光性樹
脂11をラミネートし、フォトマスクによって主たるダ
ンパ室を形成する。その後ダンパ室上に図示しない天板
を接合してダンパ室の上部開口部を塞ぐ。
【0045】第2実施例においても第1実施例と同様の
効果を得ることができる。
【0046】図9は本発明の第3の実施例にかかる記録
ヘッドを上方から視た模式的断面図である。
【0047】本実施例では感光性樹脂によってインク路
隔壁12を形成する際に、このインク路隔壁内にダンパ
室7を同時に形成する。その後、インク路隔壁12上に
図示しない天板を接合して、インク路およびダンパ室の
上部開口部を塞ぎ、これらを形成する。この方法によれ
ば、ダンパ室7の容積はインク路隔壁の長さの範囲で比
較的自由に選択することができる。
【0048】図12,図13は、それぞれ本発明の第
4,第5の実施例を示す。これらの実施例はいわゆるサ
イドシュータ型記録ヘッドの例である。
【0049】図12(B)は、第4の実施例にかかる記
録ヘッドの断面図、図12(A)は図12(B)におい
てオリフィスプレート18を除いた記録ヘッドの平面図
である。
【0050】本実施例においてもエッジシューター型の
上記各実施例と同様に、共通液室4からインクがインク
路3へ供給される。ここで、ヒータ8に吐出信号が印加
されると、ヒータ8と垂直な方向へインクが吐出され
る。
【0051】本実施例では第3の実施例と同様に感光性
樹脂によってインク路隔壁12を形成する際にインク路
隔壁12内にダンパ室7を同時に形成する。その後、イ
ンク路隔壁12上にオリフィスプレート18を接合し、
ダンパ室7の上部開口部を塞ぐ。
【0052】図13に示す第5の実施例では、インク路
3に対して小さな開口部を持つ1層目のオリフィスプレ
ート18を接合し、その上にダンパ室7となるくぼみを
形成した2層目のオリフィスプレート19を接合して記
録ヘッドを構成する。
【0053】上記第4,第5の実施例においても、各イ
ンク路内に設けられたダンパ室によって共通液室4を介
したインク路間の圧力伝達(クロストーク)を効果的に
低減することができる。
【0054】図14は上述した各実施例の記録ヘッドを
用いたインクジェット記録装置の要部を示す概略斜視図
である。
【0055】図14において、記録ヘッド1は、その記
録紙27と対向する面に、記録紙27の搬送方向に複数
のインク吐出口(不図示)を具える。また、記録ヘッド
1には、上述したように、この複数の吐出口それぞれに
連通してインク路(不図示)が設けられ、それぞれのイ
ンク路に対応して、記録ヘッド1を構成する基板にイン
ク吐出のための熱エネルギーを発生するヒータが形成さ
れている。ヒータは、駆動データに応じてこれに印加さ
れる電気パルスによって熱を発生し、これにより、イン
クに膜沸騰を生じこの膜沸騰による気泡の生成に伴って
上記吐出口からインクが吐出される。各インク路には、
これらに共通に連通する共通液室が設けられており、こ
れに貯留されるインクは、各インク路での吐出動作に応
じてそのインク路に供給される。
【0056】ヒータは、上述したもの以外に、吐出口に
対応しないで設けられるものもあり、その一例として
は、記録ヘッドのインク温度制御に用いられるものがあ
る。また、複数のヒータが1つの吐出口、すなわち1つ
のインク路を共有する構造の記録ヘッドも本発明に含ま
れる。
【0057】キャリッジ22は、記録ヘッド1を搭載
し、また、記録紙27の記録面と平行に延在する1対の
ガイドレール23と摺動可能に係合する。これにより、
記録ヘッド1は、ガイドレール23に沿って移動するこ
とができ、この移動に伴って所定のタイミングで上記記
録面に向けてインクを吐出することにより記録を行う。
上記移動の後、記録紙27を、図中矢印方向に所定量搬
送し、再び上記移動を行い記録を行う。このような動作
を繰り返すことにより、記録紙27に、順次記録を行っ
ていく。
【0058】上述した記録紙27の搬送は、その記録面
の上下にそれぞれ配設された各々1対の搬送ローラ24
および25が回転することによって行われる。また、記
録紙27の記録面の裏側には、記録面の平面性を保つた
めのプラテン26が配設されている。
【0059】なお、上述したキャリッジ22の移動は、
これに取付けられる不図示の例えばベルトがモータによ
って駆動されることによって可能となり、また、搬送ロ
ーラ24および25の回転も同様にモータの回転がこれ
らに伝達されることによって可能となる。
【0060】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0061】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0062】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0063】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0064】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0065】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0066】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0067】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0068】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0069】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、インク吐出の際、ヒータの発熱によって生成
する気泡によるインク圧力波は、インク路のダンパ部が
凹状に変位して吸収され、また、上記気泡の消泡時に生
じるインク圧力波は、ダンパ部が凸状に変位して吸収さ
れる。これにより、インク路内で生じるインク圧力波の
影響が共通液室に及ぶことは少なくなる。
【0070】この結果、効果的にクロストークを低減さ
せることができ、様々な駆動周波数,駆動方式において
安定した吐出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の記録ヘッドを示す概略斜視図である。
【図2】上記従来例の記録ヘッドのインク吐出の機構を
説明するための断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例にかかる記録ヘッドの概
略断面図である。
【図4】上記第1の実施例の記録ヘッドにおける発泡状
態を説明するための断面図である。
【図5】上記第1の実施例の記録ヘッドにおける消泡状
態を説明するための断面図である。
【図6】上記第1の実施例の記録ヘッドを模式的に示す
分解斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施例にかかる記録ヘッドの概
略断面図である。
【図8】上記第2の実施例の記録ヘッドを模式的に示す
分解斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施例にかかる記録ヘッドを上
方から視た概略断面図である。
【図10】上記第1の実施例におけるメニスカス振動を
表す線図である。
【図11】従来例のメニスカス振動を表す線図である。
【図12】(A)および(B)は、本発明の第4の実施
例にかかる記録ヘッドをそれぞれ上方および側方から視
た断面図である。
【図13】本発明の第5の実施例にかかる記録ヘッドの
断面図である。
【図14】本発明の各実施例を用いたインクジェット記
録装置の一例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 吐出口 3 インク路 4 共通液室 5 供給管 6 供給管接合部材 7 ダンパ室 8 ヒータ 9 インク 10 天板 11 第2天板 12 インク路隔壁 13 ダンパ室におけるメニスカス 14 ヒータボード 15 圧力波 16 気泡 17 メニスカス 18 オリフィスプレート 19 第2オリフィスプレート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するためのインクジェット
    記録ヘッドにおいて、 インクを吐出する複数の吐出口と、 該複数の吐出口のそれぞれに対して設けられ、当該吐出
    口に連通するインク路と、 該インク路に設けられ、インクを吐出するために利用さ
    れる熱エネルギーを発生する1つ以上のヒータと、 前記インク路の各々に連通し、当該インク路に供給する
    インクを貯留するための共通液室と、 前記インク路の一部に設けられ、当該インク路における
    インク圧力の変化を当該変位によって吸収するダンパー
    部と、を具えたことを特徴とするインクジェット記録ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】 前記ダンパー部は、前記1つ以上のヒー
    タよりも前記共通液室側にあることを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記ダンパー部は、当該インク路に対し
    て開口を有した気体室からなり、該気体室は大気に連通
    しないことを特徴とする請求項1または2に記載のイン
    クジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 被記録媒体にインクを吐出して記録を行
    うインクジェット記録装置において、 インクを吐出するための記録ヘッドであって、 インクを吐出する複数の吐出口と、 該複数の吐出口のそれぞれに対して設けられ、当該吐出
    口に連通するインク路と、 該インク路に設けられ、インクを吐出するために利用さ
    れる熱エネルギーを発生する1つ以上のヒータと、 前記インク路の各々に連通し、当該インク路に供給する
    インクを貯留するための共通液室と、 前記インク路の一部に設けられ、当該インク路における
    インク圧力の変化を当該変位によって吸収するダンパー
    部と、を具えた記録ヘッドを用いて、上記記録を行うこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
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