JP3432077B2 - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法

Info

Publication number
JP3432077B2
JP3432077B2 JP14619896A JP14619896A JP3432077B2 JP 3432077 B2 JP3432077 B2 JP 3432077B2 JP 14619896 A JP14619896 A JP 14619896A JP 14619896 A JP14619896 A JP 14619896A JP 3432077 B2 JP3432077 B2 JP 3432077B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
movable wall
ejection
discharge
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14619896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09327916A (ja
Inventor
猛史 岡崎
俊雄 樫野
寛 小泉
佳恵 中田
力 阿部
誠一郎 刈田
清美 青野
好一 小俣
雅彦 久保田
裕基 但馬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP14619896A priority Critical patent/JP3432077B2/ja
Priority to CA002207203A priority patent/CA2207203C/en
Priority to AU24747/97A priority patent/AU2474797A/en
Priority to CN97117191A priority patent/CN1093793C/zh
Priority to US08/871,376 priority patent/US6488365B1/en
Priority to EP97303994A priority patent/EP0811495B1/en
Priority to DE69724186T priority patent/DE69724186T2/de
Publication of JPH09327916A publication Critical patent/JPH09327916A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3432077B2 publication Critical patent/JP3432077B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
    • B41J2/14048Movable member in the chamber

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーを液
体に作用させることで起こる気泡の発生によって液体を
吐出する液体吐出ヘッド、ならびにこれを用いた液体吐
出装置および液体吐出方法に関する。
【0002】また、本発明は、紙、糸、繊維、布帛、皮
革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス
等の被記録媒体に対し記録を行うプリンター、複写機、
通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有す
るワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と
複合的に組み合わせた産業用記録装置に適用できる発明
である。
【0003】なお、本発明における、「記録」とは、文
字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与
することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像
を付与することをも意味するものである。
【0004】
【従来の技術】熱エネルギーを利用して吐出口からイン
クなどの記録用液体を吐出、飛翔させ、紙やプラスチッ
クシートあるいは布等の被記録媒体に記録用液体を付着
させることによって記録を行う液体吐出記録方法は、ノ
ンインパクト式の記録方法であって、騒音が少ないこ
と、被記録媒体に特に制限がないこと、カラー画像記録
が容易にできること等の利点を有する。
【0005】そして、このような液体吐出記録方法を実
施する装置、すなわち液体吐出記録装置については、そ
の構造が比較的シンプルであり、液体吐出ノズルを高密
度に配設でき、この記録装置の高速化も比較的容易に達
成できるといった利点がある。こうしたことから、上述
した液体吐出記録方法は社会的に注目され、この記録方
法について幾多の研究がなされている。ちなみに、この
液体吐出記録方法を実施するいくつかの液体吐出記録装
置が市場化されて実用に付されている。
【0006】図17はこうした液体吐出記録装置に用い
られる液体吐出ヘッドの要部斜視図であり、ここでは説
明のためにインク路を構成する溝付部材を外した状態を
示している。図17に示したように液体噴射ヘッドは、
一般にインク等の記録用液体を吐出するための複数の吐
出口601、これら吐出口601のそれぞれに対応した
インク路壁602、各インク路に記録液を供給するため
の図示しない液室、そして記録用液体に、液体を吐出口
から吐出させるためのエネルギーを付与する電気圧力変
換体や電気熱変換体等の吐出エネルギー発生素子603
(ここでは、電気熱変換体の例を示している)、該吐出
エネルギー発生素子603に電気信号を供給するための
配線604が配された液体吐出ヘッド用基板600を有
する。
【0007】吐出エネルギー発生素子603として電気
熱変換体を用いた液体吐出ヘッド用基板600には、一
般に基体605上に発熱抵抗層である吐出エネルギー発
生素子603を設け、この吐出エネルギー発生素子60
3の上に、良好な電気伝導性を有する材料で構成される
配線604を積層させて形成された電気熱変換体が設け
られている。
【0008】このような液体吐出ヘッド用基板600を
構成する基板605としては、単結晶シリコン、多結晶
シリコン、ガラス、金属あるいはセラミック等の材料で
構成される板状の部材を用いることが多い。
【0009】一方、上述のような液体吐出ヘッド用基板
600に対してインク路を構成するインク路壁602を
有する溝付天板606を接合することによってインク路
を形成し、液体噴射ヘッドを得ることができる。そし
て、このような溝付天板606としては、従来ガラスや
金属の板状部材が用いられていた。
【0010】しかしながら、これらの材料の板状部材に
対しては、切削やエッチングによって、インク路を構成
する微細な溝を形成しなければならない。切削によって
溝を形成した場合には、切削加工されるインク路の内壁
面の荒れが大きすぎたり、また、エッチングによって溝
を形成した場合には、エッチング率のむらによってイン
ク路にひずみが生じたりしてしまい、製造後の液体噴射
ヘッドのインク吐出特性にばらつきが生じ易いという問
題点があった。また、切削加工の際に溝付部材102と
なる板状部材にかけや割れが生じ易く、歩留りが低下し
てしまうという問題があった。
【0011】これらの事情から、上述の溝付天板606
を構成する材料として各種の樹脂材料が用いられ、露光
および現像によるパターニングで上述の溝を形成した
り、型に樹脂を流し込んだりすることによって、溝部材
を形成していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の液体吐出ヘッドにおいては、以下のような解決
すべき課題がある。
【0013】上述の液体吐出記録方法を適用した液体吐
出装置が普及するにつれて、近年様々な使用環境下でこ
れらの装置が使用されるようになってきているが、液体
吐出装置を低温環境下や高温環境下で使用する場合、イ
ンクの吐出によれ等のバラツキが生じたり、インクの吐
出が行われないノズルが発生する等の解決すべき課題が
あることがわかった。
【0014】従来の液体吐出ヘッドは、液体吐出ヘッド
の使用環境温度が高くなった場合や、液体吐出ヘッド自
身の温度が上昇した場合においては、吐出エネルギー発
生素子が配された基板と、インク路を構成するためのイ
ンク路壁を有する溝付天板との熱膨張率の差から、イン
ク路壁の配置と吐出エネルギー発生素子との相対的配置
間隔にずれが生じ、吐出エネルギーをインク路中の液体
に加える位置が変化してしまい、吐出状態にバラツキが
生じたり、吐出インクのよれやインクの着弾精度の低下
を招いてしまう場合がある。
【0015】上述の傾向は、熱を利用して液体であるイ
ンクを吐出して記録を行う、いわゆるバブルジェット記
録において強い。また、特に近年のように、記録の高速
化を目的とする長尺の液体吐出ヘッドにおいては上述の
ような傾向が強く、高画質、高精細画像を高速で記録す
る記録装置を得る上で、特に問題となっていた。
【0016】本発明の目的は、低温または高温環境下に
おいて発生する上述の課題を解決し、吐出エネルギー発
生素子にて発生する気泡を積極的に吐出口方向に導くと
いった全く新規な技術により、吐出口に連通する各吐出
口毎の液路を持たない(具体的には、天板に溝を持たな
い)ノズルレス構造の液体吐出ヘッドを提供することを
目的とする。
【0017】さらに、本発明の目的は、長尺な液体吐出
ヘッド、特に熱を用いてインクの吐出を行う長尺な液体
吐出ヘッドにおいても、上述の課題を解決し、高画質な
画像を安定して、かつ、高速で得ることのできる液体吐
出ヘッドおよび液体吐出方法ならびその液体吐出ヘッド
を用いた液体吐出装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出させるため
の気泡を発生させる複数の吐出エネルギー発生素子が配
された素子基板と、前記複数の吐出エネルギー発生素子
に対応して設けられ、それぞれが前記液体が供給される
共通液室に直接連通する複数の吐出口と、液体に気泡を
発生させる気泡発生領域と、前記気泡発生領域に面して
配され、第1の位置と該第1の位置よりも気泡発生領域
から遠い第2の位置との間を変位可能な可動壁と、を有
し、前記可動壁は、液体の流れ方向の下流側に自由端を
持ち、前記吐出エネルギー発生素子により前記液体に気
泡を発生させることにより生じる圧力に基づいて前記可
動壁を前記第1の位置から前記第2の位置へ変位させて
気泡の成長を前記吐出口方向へ導き、前記吐出口から液
体を吐出させることを特徴とする。
【0019】上記の場合、前記可動壁の液体の流れ方向
に対し直交する断面形状が、前記気泡発生領域を包囲す
るように略コの字状となっていてもよい。この場合は、
前記素子基板は、前記可動壁の一部を収容する溝をさら
に備えるようにしてもよい。上記いずれの場合も、前記
素子基板は、前記吐出エネルギー発生素子の両側に可動
壁用側壁をさらに備えるようにしてもよい。この場合
は、前記可動壁は、前記素子基板に設けられた可動壁支
持部材によって支持されていると共に、該可動壁支持部
材は前記可動壁用側壁と一体に形成されていてもよい。
さらには、前記可動壁用側壁の高さが前記可動壁の自由
端の最大変位距離以上であってもよい。
【0020】また、前記可動壁が第1の位置にある状態
において前記気泡発生領域が実質的な密閉状態となるよ
うに構成することが望ましい。
【0021】さらに、前記可動壁は、前記素子基板に設
けられた可動壁支持部材によって支持されているもので
あってもよい。
【0022】さらに、上記可動壁と可動壁用側壁とは可
動壁の変位に妨げにならない範囲で、より近いことが望
ましい。
【0023】本発明の液体吐出装置は、上述のいずれか
の液体吐出ヘッドを、副操作方向に往復移動可能なキャ
リッジに搭載し、被記録媒体への記録を行うことを特徴
とする。
【0024】本発明の液体吐出方法は、液体を吐出させ
るための気泡を発生させる複数の吐出エネルギー発生素
子が配された素子基板と、前記複数の吐出エネルギー発
生素子に対応して設けられ、それぞれが前記液体が供給
される共通液室に直接連通する複数の吐出口と液体に
気泡を発生させる気泡発生領域に面して配され、第1の
位置と該第1の位置よりも気泡発生領域から遠い第2の
位置との間を変位可能な可動壁と、を有する液体吐出ヘ
ッドを用いて行われる液体吐出方法であって、前記吐出
エネルギー発生素子により前記液体に気泡を発生させる
ことにより生じる圧力に基づいて前記可動壁を前記第1
の位置から前記第2の位置へ変位させて気泡の成長を前
記吐出口方向へ導き、前記吐出口から液体を吐出させる
ことを特徴とする。
【0025】上記の通りの本発明によれば、気泡の圧力
の多くを可動壁によって直接吐出口側に効率よく伝達で
きるので、高吐出エネルギー効率で、かつ、高い吐出圧
で、高速に液体を吐出できる。さらには、この新規な構
成による高い吐出圧の実現により、天板に溝を持たない
ノズルレスヘッド構造が実現可能となっている。
【0026】また、本発明によれば、天板に溝を持たな
いノズルレスヘッド構造となっているため、従来のよう
に樹脂天板材料の形成、加工を行う必要はない上、天板
と液体吐出素子基板を接合する工程も高精度なものでな
くてすむ。
【0027】さらに、各吐出口が共通液室に直接連通す
る構造であるため、吐出に利用される経路に塵が詰まっ
て不吐出を生じる確率もかなり低い。
【0028】さらに、可動壁に液体吐出素子基板と同程
度の熱膨張係数の小さな金属を用いれば、液体吐出ヘッ
ドの使用環境温度が高くなった場合や、液体吐出ヘッド
自身の温度が上昇した場合においても、吐出エネルギー
発生素子との相対的な配置間隔にずれが生じることもな
いため、極めてバラツキの少ない安定した吐出状態とそ
れによる高品位画像が得られる。
【0029】本発明でいう「共通液室に直接連通する吐
出口」とは、可動壁の変位域が、各液路を区分する壁で
完全に仕切られていない状態、逆に言うと、各液路に相
当する領域が互いに側方でも直接連通して共通液室化さ
れている、いわゆるノズルレス構造を意味する。このノ
ズルレス構造をとることにより、液体の補充は極めて即
時に行われる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(実施例1)以下、図面を参照して本発明の第1の実施
例を詳細に説明する。
【0031】図1は、本発明の第1の実施例の液体吐出
ヘッドの概略を示す構成図である。同図では、可動壁支
持部材10と該部材に支持された可動壁11とが、液体
を吐出するための吐出エネルギーを発生する吐出エネル
ギー発生素子21(本実施例においては発熱体で、例え
ば40μm×105μmの形状の発熱抵抗体)が配され
た素子基板20と接合されて、各吐出エネルギー発生素
子21に対応する液路が構成されている。
【0032】可動壁11は、吐出エネルギー発生素子2
1に対向するように面し、一端が支持され、他端が自由
端とされ、吐出エネルギー発生素子21にて発生した気
泡によって生じる圧力によって自由端側が変位する。こ
の可動壁11は、金属等の弾性を有する材料よりなり、
断面形状が略「コ」の字状をしており、吐出エネルギー
発生素子21を覆うように発泡液路を構成している。本
実施例では、液路は可動壁支持部10の部分で構成され
る液室(図2の31’)と、これに連通する、可動壁1
1により構成される発泡液路とからなっており、吐出エ
ネルギー発生素子21が気泡を発生した時にのみ、可動
壁11の自由端側が変位して吐出口と連通する。
【0033】上記素子基板20にはさらに、可動壁を覆
うように天板30が接合されており、これにより液室3
1を構成している。この液室31は天板30に設けられ
た吐出口を形成するオリフィス32のそれぞれと連通し
ており、吐出口から吐出された液体に見合う量の液体
が、例えば外部に設けられたタンクから供給される。各
オリフィス32は、吐出エネルギー発生素子21に対応
して設けられている。この液室31と上記可動壁支持部
材10の部分で構成される液室(図2の31’)とは分
離されている。
【0034】次に、この液体吐出ヘッドにおける液体の
吐出のメカニズムについて詳細に説明する。
【0035】本実施例では液体を吐出するための、気泡
に基づく圧力の伝搬方向や気泡の成長方向を制御するこ
とで吐出力や吐出効率の向上が図られる。
【0036】図2は図1に示した液体吐出ヘッドを液流
路方向で切断した断面模式図を示しており、図3はその
部分破断斜視図を示している。
【0037】図2および図3からわかるように、図1に
示した可動壁11は、液体の吐出動作によって液室3
1’を経て吐出口33側へ流れる大きな流れの上流側に
支点(支点部分;固定端)12を持ち、この支点12に
対して下流側に自由端(自由端部分)13を持つよう
に、吐出エネルギー発生素子21に面した位置に、吐出
エネルギー発生素子21を覆うような状態で該素子から
15μm程度の距離を隔てて配されている。この吐出エ
ネルギー発生素子21と可動壁11との間が気泡発生領
域となる。なお、吐出エネルギー発生素子、可動部材の
種類や形状および配置はこれに限られることなく、後述
するように気泡の成長や圧力の伝搬を制御しうる形状お
よび配置であればよい。
【0038】吐出エネルギー発生素子21を発熱させる
ことで、該素子と可動部材の可動壁11との間の気泡発
生領域の液体に熱を作用し、液体にUSP4,723,129に記載
されているような膜沸騰現象に基づく気泡を発生させ
る。気泡の発生に基づく圧力と気泡は可動壁11に優先
的に作用し、可動壁11は図2(b)、(c)もしくは
図3で示されるように支点12を中心に吐出口側に大き
く開くように変位する。この可動壁11の変位若しくは
変位した状態によって気泡の発生に基づく圧力の伝搬や
気泡自身の成長が吐出口33側に導かれる。
【0039】ここで、本発明の基本的な吐出原理の一つ
を説明する。本発明において最も重要な原理の1つは、
気泡に対面するように配された可動壁が気泡の圧力ある
いは気泡自体に基づいて、定常状態の第1の位置から変
位後の位置である第2の位置へ変位し、この変位する可
動壁11によって気泡の発生に伴う圧力や気泡自身を吐
出口33が配された下流側へ導くことである。
【0040】この原理を可動部材を用いない従来の液流
路構造を模式的に示した図4と本発明の図5とを比較し
てさらに詳しく説明する。なお、ここでは吐出口方向へ
の圧力の伝搬方向をVA、上流側への圧力の伝搬方向を
VBとして示した。
【0041】図4で示されるような従来のヘッドにおい
ては、発生した気泡40による圧力の伝搬方向を規制す
る構成はない。このため気泡40の圧力伝搬方向はV1〜
V8のように気泡表面の垂線方向となり様々な方向を向い
ていた。このうち、特に液吐出に最も影響を及ぼすVA
方向に圧力伝搬方向の成分を持つものは、V1〜V4即ち気
泡のほぼ半分の位置より吐出口に近い部分の圧力伝搬の
方向成分であり、液吐出効率、液吐出力、吐出速度等に
直接寄与する重要な部分である。さらにV1は吐出方向V
Aの方向に最も近いため効率よく働き、逆にV4はVAに向
かう方向成分は比較的少ない。
【0042】これに対して、図5で示される本発明の場
合には、可動壁11が図4の場合のように様々な方向を
向いていた気泡の圧力伝搬方向V1〜V4を下流側(吐出口
側)へ導き、VAの圧力伝搬方向に変換するものであ
り、これにより気泡40の圧力が直接的に効率よく吐出
に寄与することになる。そして、気泡の成長方向自体も
圧力伝搬方向V1〜V4と同様に下流方向に導かれ、上流よ
り下流で大きく成長する。このように、気泡の成長方向
自体を可動壁11によって制御し、気泡の圧力伝搬方向
を制御することで、吐出効率や吐出力また吐出速度等の
根本的な向上を達成することができる。
【0043】次に図2に戻って、本実施例の液体吐出ヘ
ッドの吐出動作について詳しく説明する。
【0044】図2(a)は、吐出エネルギー発生素子2
1に電気エネルギー等のエネルギーが印加される前の状
態であり、素子が熱を発生する前の状態である。ここで
重要なことは、可動壁11が、吐出エネルギー発生素子
21の発熱によって発生した気泡に対し、この気泡の少
なくとも下流側部分に対面する位置に設けられているこ
とである。つまり、気泡の下流側が可動部材に作用する
ように、液流路構造上では少なくとも吐出エネルギー発
生素子21の面積中心3より下流(素子の面積中心3を
通って流路の長さ方向に直交する線より下流)の位置ま
で可動壁11が配されている。
【0045】図2(b)は、電気エネルギー等が印加さ
れて吐出エネルギー発生21が発熱し、発生した熱によ
って気泡発生領域41内を満たす液体の一部を加熱し、
膜沸騰に伴う気泡40を発生させた状態である。
【0046】このとき可動壁11は気泡40の発生に基
づく圧力により、気泡40の圧力の伝搬方向を吐出口方
向に導くように第1位置から第2位置へ変位する。ここ
で重要なことは前述したように、可動壁11の自由端1
3を下流側(吐出口側)に配置し、支点12を上流側
(液室側)に位置するように配置して、可動壁11の少
なくとも一部を吐出エネルギー発生素子21の下流部分
すなわち気泡の下流部分に対面させることである。
【0047】図2(c)は気泡40がさらに成長した状
態であるが、気泡40発生に伴う圧力に応じて可動壁1
1はさらに変位している。発生した気泡は上流より下流
に大きく成長すると共に可動壁11の第1の位置(点線
位置)を越えて大きく成長している。このように気泡4
0の成長に応じて可動壁11が徐々に変位して行くこと
で気泡40の圧力伝搬方向や堆積移動のしやすい方向、
すなわち自由端側への気泡の成長方向を吐出口に均一的
に向かわせることができることも吐出効率を高めると考
えられる。可動壁11は気泡や発泡圧を吐出口方向へ導
く際もこの伝達の妨げになることはほとんどなく、伝搬
する圧力の大きさに応じて効率よく圧力の伝搬方向や気
泡の成長方向を制御することができる。
【0048】図2(d)は気泡40が、前述した膜沸騰
の後、気泡内部圧力の減少によって収縮し、消滅する状
態を示している。
【0049】第2の位置まで変位していた可動壁11
は、気泡の収縮による負圧と可動壁自身のばね性による
復元力によって図2(a)の初期位置(第1の位置)に
復帰する。また、消泡時には、気泡発生領域41での気
泡の収縮体積を補うため、また、吐出された液体の体積
分を補うために上流側(B)、すなわち各液室31,3
1’側から吐出口側方向への流れVD1、VD2のように、
また、吐出口側からの流れVcのように液体が流れ込ん
でくる。
【0050】以上、気泡の発生に伴う可動部材の動作と
液体の吐出動作について説明したが、以下に本発明の液
体吐出ヘッドにおける液体のリフィルについて詳しく説
明する。
【0051】図2を用いて本発明における液供給メカニ
ズムをさらに詳しく説明する。
【0052】図2(c)の後、気泡40が最大体積の状
態を経て消泡過程に入ったときには、消泡した体積を補
う体積の液体が気泡発生領域に、液室31の吐出口33
側からと、液室31’側から流れ込む。
【0053】可動壁11を持たない従来の液流路構造に
おいては、消泡位置に吐出口側から流れ込む液体の量と
液室から流れ込む液体の量は、気泡発生領域より吐出口
に近い部分と液室に近い部分との流抵抗の大きさに起因
する(流路抵抗と液体の慣性に基づくものである。)。
このため、吐出口に近い側の流抵抗が小さい場合には、
多くの液体が吐出口側から消泡位置に流れ込みメニスカ
スの後退量が大きくなることになる。特に、吐出効率を
高めるために吐出口に近い側の流抵抗を小さくして吐出
効率を高めようとするほど、消泡時のメニスカスMの後
退が大きくなり、リフィル時間が長くなって高速印字を
妨げることとなっていた。
【0054】これに対して、可動壁11を備えた構成の
本実施例では、気泡の体積Wを可動壁11の第1位置を
境に上側をW1、気泡発生領域41側をW2とした場
合、消泡時に可動壁11が元の位置に戻った時点でメニ
スカスの後退は止まり、その後残ったW2の体積分の液
体供給は主に液室31’からの流れVD2によって成され
る。これにより、従来、気泡Wの体積の半分程度に対応
した量がメニスカスの後退量になっていたのに対して、
それより少ないW1の半分程度のメニスカス後退量に抑
えることが可能になった。
【0055】さらに、W2の体積分の液体供給は消泡時
の圧力を利用して可動壁11の吐出エネルギー発生素子
21側の面に沿って、主に発泡液路の上流側(VD2)か
ら強制的に行うことができるためより速いリフィルを実
現できた。
【0056】ここで特徴的なことは、従来のヘッドで消
泡時の圧力を用いたリフィルを行った場合、メニスカス
の振動が大きくなってしまい画像品位の劣化につながっ
ていたが、本実施例の高速リフィルにおいては可動部材
によって液室31の吐出口側の領域と気泡発生領域41
との吐出口側での液体の流通が抑制されるため、メニス
カスの振動を極めて少なくすることができることであ
る。
【0057】このように本発明は、可動壁11により形
成された発泡液路の気泡発生領域への強制リフィルと、
上述したメニスカス後退や振動の抑制によって高速リフ
ィルを達成することで、吐出の安定や高速繰り返し吐
出、また記録の分野に用いた場合、画質の向上や高速記
録を実現することができる。
【0058】本発明の構成においては、さらに次のよう
な有効な機能を兼ね備えている。それは、気泡の発生に
よる圧力の上流側への伝搬(バック波)を抑制すること
である。吐出エネルギー発生素子21上で発生した気泡
の内、液室側(上流側)の気泡による圧力は、その多く
が、上流側に向かって液体を押し戻す力(バック波)に
なっていた。このバック波は、上流側の圧力と、それに
よる液移動量、そして液移動に伴う慣性力を引き起こ
し、これらは液体のリフィルを低下させ高速駆動の妨げ
にもなっていた。本発明においては、まず可動壁11に
よって液室31の上流側へのこれらの作用を抑えること
でもリフィル供給性の向上をさらに図っている。
【0059】次に、本実施例の更なる特徴的な構造と効
果について、以下に説明する。
【0060】可動壁11により構成される発泡液路は、
液室31’と吐出エネルギー発生素子21の上流におい
て該素子と実質的に平坦に(吐出エネルギー発生素子2
1表面が大きく落ち込んでいない)連通する液路であ
る。このような場合、気泡発生領域41および吐出エネ
ルギー発生素子21の表面への液体の供給は、可動壁1
1の気泡発生領域41に近い側の面に沿って、VD2のよ
うに行われる。このため、吐出エネルギー発生素子21
の表面上に液体が淀むことが抑制され、液体中に溶存し
ていた気体の析出や、消泡できずに残ったいわゆる残留
気泡が除去され易く、また、液体への蓄熱が高くなりす
ぎることもない。従って、より安定した気泡の発生を高
速に繰り返し行うことができる。なお、本実施例では、
発泡液路は液室31’と実質的に平坦に連通するものと
して説明したが、これに限らず、吐出エネルギー発生素
子表面となだらかに繋がる構成であればよく、吐出エネ
ルギー発生素子上に液体の淀みや、液体の供給に大きな
乱流を生じないような構成であればよい。
【0061】また、本実施例では、気泡発生時の圧力を
有効に吐出口に導くために、可動壁11は気泡発生領域
を包囲する(発熱体面を覆う)ような構成とされてお
り、この場合、気泡発生領域41と液室31の吐出口に
近い領域との液体の流抵抗が大きくなり、気泡発生領域
への液体の供給としてVD1から回り込みが妨げられる。
【0062】ところで、可動壁11の自由端13と支点
12の位置は、例えば図6で示されるように、自由端が
相対的に支点より下流側にある。このような構成のた
め、前述した発泡の際に気泡の圧力伝搬方向や成長方向
を吐出口側に導く等の機能や効果を効率よく実現できる
のである。さらに、この位置関係は吐出に対する機能や
効果のみならず、液体の供給の際にも液室31から吐出
口方向へ流れる液体に対する流抵抗を小さくでき、高速
にリフィルできるという効果を達成している。これは図
6に示すように、吐出によって後退したメニスカスMが
毛管力により吐出口33へ復帰する際や、消泡に対して
の液供給が行われる場合に、流れS1、S2に対し、逆ら
わないように自由端13と支点12とを配置しているた
めである。
【0063】補足すれば、本実施例図1においては、前
述のように可動壁11の自由端13が、吐出エネルギー
発生素子21を上流側領域と下流側領域とに2分する面
積中心3(発熱体の面積中心(中央)を通り液流路の長
さ方向に直交する線)より下流側の位置に対向するよう
に吐出エネルギー発生素子21に対して延在している。
これによって吐出エネルギー発生素子21の面積中心位
置3より下流側で発生する液体の吐出に大きく寄与する
圧力、又は気泡を可動壁11が受け、この圧力及び気泡
を吐出口側に導くことができ、吐出効率や吐出力を根本
的に向上させることができる。
【0064】さらに、加えて上記気泡の上流側をも利用
して多くの効果を得ている。
【0065】また、本実施例の構成においては可動壁1
1の自由端13が瞬間的な機械的変位を行っていること
も、液体の吐出に対して有効に寄与していると考えられ
る。
【0066】以上説明したように、本実施例では、気泡
の成長に伴う可動壁11の動作によって、気泡の圧力が
液室31の吐出口側の方向に主に伝わる。この圧力の伝
搬と、前述のような可動部材の可動壁11の機械的変位
によって液体が吐出口から吐出される。
【0067】次に、気泡が収縮するに伴って可動壁11
が第1位置まで戻ると共に、液室31では吐出された吐
出液体の量に見合う量の吐出液体が上流側から供給され
る。この吐出液体の供給は可動壁が閉じる方向であるた
め、吐出液体のリフィルを可動壁で妨げることがない。
【0068】本実施例の構成によると、吐出液と発泡液
とを別液体とし、発泡液の発泡で生じた圧力によって吐
出液を吐出することができる。このため従来、熱を加え
ても発泡が十分に行われにくく吐出力が不十分であった
ポリエチレングリコール等の高粘度の液体であっても、
この液体を液室31に供給し、発泡液に発泡が良好に行
われる液体(エタノール:水=4:6の混合液1〜2c
P程度等)や低沸点の液体を発泡液路に供給することで
良好に吐出させることができる。
【0069】また、発泡液として、熱を受けても発熱体
の表面にコゲ等の堆積物を生じない液体を選択すること
で、発泡を安定化し、良好な吐出を行うことができる。
【0070】さらに、本発明のヘッドの構造においては
先の実施例で説明したような効果をも生じるため、さら
に高吐出効率、高吐出力で高粘性液体等の液体を吐出す
ることができる。
【0071】また、加熱に弱い液体の場合においてもこ
の液体を液室31に吐出液として供給し、発泡液路で熱
的に変質しにくく良好に発泡を生じる液体を供給すれ
ば、加熱に弱い液体に熱的な害を与えることなく、しか
も高吐出効率、高吐出力で吐出することができる。
【0072】以上の実施例では、断面形状が略コの字状
の可動壁は、変位前の位置において実質的な密閉状態の
気泡発生領域を構成するものとなっており、これにより
気泡の発生および成長を良好に行わせるようになってい
る。この可動壁による密閉状態の気泡発生領域の形成
は、例えば図7に示すように、素子基板20に、可動壁
11の側壁部が収納される溝22を形成することによ
り、より効果的なものとなる。
【0073】(実施例2)図8は、本発明の第2の実施
例の液体吐出ヘッドの概略を示す構成図である。図中、
図1に示した液体吐出ヘッドと同じ構成には同じ符号を
付してある。
【0074】本実施例の液体吐出ヘッドは、可動部材の
構成が異なる以外は第1の実施例と同様の構成となって
いる。
【0075】可動部材は可動壁支持部材50、可動壁5
1、可動壁用側壁52から構成され、液体を吐出するた
めの吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子
21が配された素子基板20と接合され、各吐出エネル
ギー発生素子21に対応する液路を構成する。
【0076】可動壁51は平板状の形状をしており、吐
出エネルギー発生素子21に対向するように面し、一端
が可動壁支持部材50に支持され、他端が自由端とさ
れ、吐出エネルギー発生素子21にて発生した気泡によ
って生じる圧力によって自由端側が変位するようになっ
ている。可動壁用側壁52は可動壁支持部材50と一体
的に構成されており、可動壁51とで各吐出エネルギー
発生素子21に対応する液路を構成する。可動壁51が
液路の天井を構成し、可動壁用側壁52が液路の側壁を
構成する。これら可動壁51および可動壁用側壁52に
より構成される液路は、可動壁用側壁52により構成さ
れる液室(図2に示した液室31’)と連通している。
また、これら可動壁51および可動壁用側壁52は互い
に近接し、吐出エネルギー発生素子21を覆うような形
態となっており、発泡液路をも構成している。この構成
により、発泡時の気泡の圧力、特に気泡の下流側の圧力
を逃すことなく可動壁51の自由端側に集中的に作用さ
せることができる。本実施例においても第1の実施例の
場合と同様、吐出エネルギー発生素子21が気泡を発生
した時にのみ、可動壁51の自由端側が変位して吐出口
と連通する。
【0077】可動壁用側壁52の高さHは、可動壁51
の自由端の変位後の位置である第2位置(液吐出動作に
おける最大変位のときの位置)程度とされており、これ
により気泡発生時の圧力が有効に吐出口に導かれる。加
えて、液室31の吐出口に近い領域との液体の流抵抗が
大きくなることから、液室31側からの液路への液体の
回り込みが妨げられる。このため、消泡時には、可動壁
51は第1位置に戻り、吐出エネルギー発生素子上への
消泡時の液供給は気泡発生領域の吐出口側が実質的に密
閉状態になり、メニスカスの後退抑制等、先の実施例で
説明した種々の効果を得ることができる。また、リフィ
ルに関する効果においても先の実施例と同様の機能、効
果を得ることができる。
【0078】(実施例3)図9は、本発明の第3の実施
例の液体吐出ヘッドの概略を示す構成図である。図中、
図1および図8に示した液体吐出ヘッドと同じ構成には
同じ符号を付してある。
【0079】本実施例の液体吐出ヘッドは、前述の図1
に示した可動壁と図8に示した可動壁用側壁とを備えた
構成になっている。
【0080】本実施例の液体吐出ヘッドは、可動壁支持
部材60と、図1に示した可動壁11と同様の構成の可
動壁61と、該可動壁61の変位後の位置である第2位
置(液吐出動作における最大変位のときの位置)におい
て、気泡により生じた圧力が逃げることなく吐出口方向
に導かれるように補助するための可動壁用側壁62(図
8に示した可動壁用側壁52と同様の構成)とを有して
いる。
【0081】可動壁61と可動壁用側壁62は近接し、
可動壁用側壁62の高さHは、可動壁62の自由端の変
位後の位置である第2位置(液吐出動作における最大変
位のときの位置)程度とされており、最大変位時におけ
る気泡の圧力を有効に吐出口方向に導くように作用させ
ることができる。本実施例においても第1の実施例の場
合と同様、吐出エネルギー発生素子21が気泡を発生し
た時にのみ、可動壁61の自由端側が変位して可動部材
により構成される液路が吐出口と連通する状態となる。
【0082】上記構成によれば、液室31の吐出口に近
い領域との液体の流抵抗が大きくなることから、液室3
1側からの可動壁と可動壁用側壁により構成される気泡
発生領域への液体の回り込みが妨げられる。このため、
消泡時には、可動壁61は第1位置に戻り、吐出エネル
ギー発生素子上への消泡時の液供給は気泡発生領域の吐
出口側が実質的に密閉状態になり、メニスカスの後退抑
制等、先の実施例で説明した種々の効果を得ることがで
きる。また、リフィルに関する効果においても先の実施
例と同様の機能、効果を得ることができる。
【0083】また、本実施例においても、上述の第1の
実施例の場合と同様、図7に示すように素子基板20に
可動壁61の側壁部が収納される溝22と同等の構造を
形成することにより、可動壁による密閉状態の気泡発生
領域の形成を、より効果的なものとすることが可能であ
る。
【0084】(実施例4)以上の説明した第1〜第3の
実施例は、気泡発生領域に液体を供給する液路は吐出口
に液体を供給する液室31と分離された構成、すなわち
吐出に用いられる液(吐出液)と発泡に使用される液
(発泡液)の2液が用いられる構成(ただし、双方同じ
液であってもよい)のものについて説明したが、これ以
外に吐出液のみの1液タイプのものとすることもでき
る。以下に、1液タイプの一例を挙げる。
【0085】図10に本発明の第4の実施例である1液
タイプの概略構成を示す。同図において、Aは可動部材
が変位している状態を示し(気泡は図示せず)、Bは可
動部材が初期位置(第1位置)の状態を示し、このBの
状態をもって、気泡発生領域99を吐出口33に対して
実質的に密閉しているとする。なお、図中、図1に示し
た構成と同じ部には同じ符号を付してある。
【0086】図10において、本実施例の液体吐出ヘッ
ドは両側部に土台72を備える可動壁支持部材70を有
し、該土台72にて素子基板20と接合されて液供給路
18を構成している。さらに、可動壁71は、吐出エネ
ルギー発生素子21に対向するように面し、一端が可動
壁支持部材70にて支持され、他端が自由端とされ、吐
出エネルギー発生素子21にて発生した気泡によって生
じる圧力によって自由端側が変位するよう構成されてお
り、その断面形状は略「コ」の字状を有している。この
可動壁71は、Bの状態において、素子基板20上の、
吐出エネルギー発生素子21の吐出口側(すなわち、可
動壁支持部材70により構成される液路の下流側)の縁
端に沿って設けられた固定壁73と密着し、気泡発生領
域を吐出口33に対して実質的に密閉する。
【0087】本実施例の構成では、可動壁11の内面に
沿った、吐出エネルギー発生素子21の面と実質的に平
坦もしくは、なだらかにつながる面を持つ液供給路18
から気泡発生領域に液体の供給を成すことができる。
【0088】ここで、可動壁71の初期位置(第1位
置)では、この可動壁71と吐出エネルギー発生素子2
1の下流側に設けられた固定壁73とが密着し、気泡発
生領域の吐出口33側で実質的に密閉するため、発泡時
の気泡の圧力、特に気泡の下流側の圧力を逃がさず可動
部材の自由端側に集中的に作用させることができる。
【0089】また、消泡時には、可動壁71は第1位置
に戻り、発熱体上への消泡時の液供給は気泡発生領域の
吐出口33側が実質的に密閉状態になるため、メニスカ
スの後退抑制等、先の実施例で説明した種々の効果を得
ることができる。また、リフィルに関する効果において
も先の実施例と同様の機能、効果を得ることができる。
【0090】また、本実施例においては、可動壁71を
支持固定する土台72を吐出エネルギー発生素子21よ
り離れた上流に設け、かつ、該土台72を小さな幅とす
ることで液供給路18を構成し、この液路18への液体
供給を液室31より行っている。また、土台34の形状
はこれに限らず、リフィルをスムースに行えるものであ
ればよい。
【0091】なお、本実施例においては可動壁71と吐
出エネルギー発生素子21の間隔を15μm程度とした
が、気泡の発生に基づく圧力が十分に可動部材に伝わる
範囲であればよい。
【0092】以上説明した第1〜第4の実施例の各液体
吐出ヘッドは、いずれも長尺ヘッド構造に適用可能であ
る。図11にフルライン記録ヘッドの概略構成を示す。
【0093】図11に示す記録ヘッドでは、ベースプレ
ート100上に、吐出エネルギー発生素子101が配さ
れたヒータボード102と、配線板103とが固定さ
れ、ヒータボード102に可動部材104が接合され、
さらにその上に天板105が設けられた構成となってい
る。可動部材104には前述の各実施例にて説明した可
動壁支持部材や可動壁および可動壁用側壁が設けられて
おり、各吐出エネルギー発生素子101に対応した液路
を構成している。天板105には溝はなく、各吐出エネ
ルギー発生素子101に対応して設けられた吐出口10
6が共通液室に直接連通しており、ノズルレスヘッドの
構成(吐出口に連通する液路を持たない構成)となって
いる。また、天板105には共通液室に吐出用の液体を
供給するためのインク供給路107が設けられている。
また、ヒータボード102および配線板103には、そ
れぞれパッド102aおよび信号電力供給パッド103
aが設けられており、これらパッド間が電気的に接続さ
れている。
【0094】上記構成のフルライン記録ヘッドにおいて
も、前述した各実施例における効果を得ることが可能で
ある。また、可動部材104に素子基板(ヒーターボー
ド)102と同程度の熱膨張係数の小さな金属を用いれ
ば、液体吐出ヘッドの使用環境温度が高くなった場合
や、液体吐出ヘッド自身の温度が上昇した場合において
も、吐出エネルギー発生素子との相対的な配置間隔にず
れが生じることもなく、良好な吐出が可能となり、良好
な記録画像を得られる。
【0095】<液体吐出ヘッドカートリッジ>次に、上
記実施形態例に係る液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出
ヘッドカートリッジを概略説明する。
【0096】図12は、前述した液体吐出ヘッドを含む
液体吐出ヘッドカートリッジの模式的分解斜視図であ
り、液体吐出ヘッドカートリッジは、主に液体吐出ヘッ
ド部200と液体容器90とから概略構成されている。
【0097】液体吐出ヘッド部200は、素子基板2
0、可動部材10、天板30、押さえバネ78、液体供
給部材90、支持体70等から成っている。素子基板2
0には、前述のように発泡液に熱を与えるための発熱抵
抗体(吐出エネルギー発生素子21)が、複数個、列状
に設けられており、また、この発熱抵抗体を選択的に駆
動するための機能素子が複数設けられている。この素子
基板20と可動壁を持つ前述の可動部材10との間に発
泡液路が形成され発泡液が流通する。この可動部材10
と天板30との接合によって、吐出される吐出液体が流
通する液室(不図示)が形成される。
【0098】押さえバネ78は、天板30に素子基板2
0方向への付勢力を作用させる部材であり、この付勢力
により素子基板20、可動部材10、天板30と、後述
する支持体73とを良好に一体化させている。
【0099】支持体73は、素子基板20等を支持する
ためのものであり、この支持体73上にはさらに素子基
板20に接続し電気信号を供給するための回路基板74
や、装置側と接続することで装置側と電気信号のやりと
りを行うためのコンタクトパッド75が配置されてい
る。
【0100】液体容器90は、液体吐出ヘッドに供給さ
れる、インク等の吐出液体と気泡を発生させるための発
泡液とを内部に区分収容している。液体容器90の外側
には、液体吐出ヘッドと液体容器との接続を行う接続部
材を配置するための位置決め部94と接続部を固定する
ための固定軸95が設けられている。吐出液体の供給
は、液体容器の吐出液体供給路92から接続部材の供給
路84を介して液体供給部材80の吐出液体供給路81
に供給され、各部材の吐出液体供給路83,71,22
を介して液室(図2の31)に供給される。発泡液も同
様に、液体容器の供給路93から接続部材の供給路を介
して液体供給部材80の発泡液供給路82に供給され、
各部材の発泡液体供給路84,71,23を介して液室
(図2の31’)に供給される。
【0101】以上の液体吐出ヘッドカートリッジにおい
ては、発泡液と吐出液が異なる液体である場合も、供給
を行いうる供給形態および液体容器で説明したが、吐出
液体と発泡液体とが同じである場合には、発泡液と吐出
液の供給経路および容器を分けなくてもよい。
【0102】なお、この液体容器には、各液体の消費後
に液体を再充填して使用してもよい。このためには液体
容器に液体注入口を設けておくことが望ましい。又、液
体吐出ヘッドと液体容器とは一体であってもよく、分離
可能としてもよい。
【0103】<液体吐出装置>図13は、前述の液体吐
出ヘッドを搭載した液体吐出装置の概略構成を示してい
る。本実施例では特に吐出液体としてインクを用いたイ
ンク吐出記録装置を用いて説明する液体吐出装置のキャ
リッジHCは、インクを収容する液体タンク部90と液
体吐出ヘッド部200とが着脱可能なヘッドカートリッ
ジに搭載されており、被記録媒体搬送手段で搬送される
記録紙等の被記録媒体150の幅方向に往復移動する。
【0104】不図示の駆動信号供給手段からキャリッジ
上の液体吐出手段に駆動信号が供給されると、この信号
に応じて液体吐出ヘッドから被記録媒体に対して記録液
体が吐出される。
【0105】また、本実施例の液体吐出装置において
は、被記録媒体搬送手段とキャリッジを駆動するための
駆動源としてのモータ111、駆動源からの動力をキャ
リッジに伝えるためのギア112、113、キャリッジ
軸115等を有している。この記録装置及びこの記録装
置で行う液体吐出方法によって、各種の被記録媒体に対
して液体を吐出することで良好な画像の記録物を得るこ
とができた。
【0106】図14は、本発明の液体吐出方法および液
体吐出ヘッドを適用したインク吐出記録を動作させるた
めの装置全体のブロック図である。
【0107】記録装置は、ホストコンピュータ300よ
り印字情報を制御信号として受ける。印字情報は印字装
置内部の入力インタフェイス301に一時保存されると
同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、ヘ
ッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU302に入力され
る。CPU302はROM303に保存されている制御
プログラムに基づき、前記CPU302に入力されたデ
ータをRAM304等の周辺ユニットを用いて処理し、
印字するデータ(画像データ)に変換する。
【0108】またCPU302は前記画像データを記録
用紙上の適当な位置に記録するために、画像データに同
期して記録用紙および記録ヘッドを移動する駆動用モー
タを駆動するための駆動データを作る。画像データおよ
びモータ駆動データは、各々ヘッドドライバ307と、
モータドライバ305を介し、ヘッド200および駆動
モータ306に伝達され、それぞれ制御されたタイミン
グで駆動され画像を形成する。
【0109】上述のような記録装置に適用でき、インク
等の液体の付与が行われる被記録媒体としては、各種の
紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等に用
いられるプラスチック材、布帛、アルミニュウムや銅等
の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板
等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ
等の三次元構造体等を対象とすることができる。
【0110】また上述の記録装置として、各種の紙やO
HPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパ
クトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチ
ック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、
皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木
材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミック
ス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して
記録を行う記録装置、又布帛に記録を行う捺染装置等を
も含むものである。
【0111】またこれらの液体吐出装置に用いる吐出液
としては、夫々の被記録媒体や記録条件に合わせた液体
を用いればよい。
【0112】<記録システム>次に、本発明の液体吐出
ヘッドを記録ヘッドとして用い被記録媒体に対して記録
を行う、インクジェット記録システムの一例を説明す
る。
【0113】図15は、前述した本発明の液体吐出ヘッ
ド201を用いたインクジェット記録システムの構成を
説明するための模式図である。本実施例における液体吐
出ヘッドは、被記録媒体150の記録可能幅に対応した
長さに360dpiの間隔で吐出口を複数配したフルラ
イン型のヘッドであり、イエロー(Y),マゼンタ
(M),シアン(C),ブラック(Bk)の4色に対応
した4つのヘッドをホルダ202によりX方向に所定の
間隔を持って互いに平行に固定支持されている。
【0114】これらのヘッドに対してそれぞれ駆動信号
供給手段を構成するヘッドドライバ307から信号が供
給され、この信号に基づいて各ヘッドの駆動が成され
る。
【0115】各ヘッドには、吐出液としてY,M,C,
Bkの4色のインクがそれぞれ204a〜204dのイ
ンク容器から供給されている。なお、符号204eは発
泡液が蓄えられた発泡液容器であり、この容器から各ヘ
ッドに発泡液が供給される構成になっている。
【0116】また、各ヘッドの下方には、内部にスポン
ジ等のインク吸収部材が配されたヘッドキャップ203
a〜203dが設けられており、非記録時に各ヘッドの
吐出口を覆うことでヘッドの保守を成すことができる。
【0117】符号206は、先の各実施例で説明したよ
うな各種、非記録媒体を搬送するための搬送手段を構成
する搬送ベルトである。搬送ベルト206は、各種ロー
ラにより所定の経路に引き回されており、モータドライ
バ305に接続された駆動用ローラにより駆動される。
【0118】本実施例のインクジェット記録システムに
おいては、記録を行う前後に被記録媒体に対して各種の
処理を行う前処理装置251および後処理装置252を
それぞれ被記録媒体搬送経路の上流と下流に設けてい
る。
【0119】前処理と後処理は、記録を行う被記録媒体
の種類やインクの種類に応じて、その処理内容が異なる
が、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等の被
記録媒体に対しては、前処理として、紫外線とオゾンの
照射を行い、その表面を活性化することでインクの付着
性の向上を図ることができる。また、プラスチック等の
静電気を生じやすい被記録媒体においては、静電気によ
ってその表面にゴミが付着しやすく、このゴミによって
良好な記録が妨げられる場合がある。このため、前処理
としてイオナイザ装置を用い被記録媒体の静電気を除去
することで、被記録媒体からごみの除去を行うとよい。
また、被記録媒体として布帛を用いる場合には、滲み防
止、先着率の向上等の観点から布帛にアルカリ性物質、
水溶性物質、合成高分子、水溶性金属塩、尿素およびチ
オ尿素から選択される物質を付与する処理を前処理とし
て行えばよい。前処理としては、これらに限らず、被記
録媒体の温度を記録に適切な温度にする処理等であって
もよい。
【0120】一方、後処理は、インクが付与された被記
録媒体に対して熱処理、紫外線照射等によるインクの定
着を促進する定着処理や、前処理で付与し未反応で残っ
た処理剤を洗浄する処理等を行うものである。
【0121】なお、本実施例では、ヘッドとしてフルラ
インヘッドを用いて説明したが、これに限らず、前述し
たような小型のヘッドを被記録媒体の幅方向に搬送して
記録を行う形態のものであってもよい。
【0122】<ヘッドキット>以下に、本発明の液体吐
出ヘッドを有するヘッドキットを説明する。図16は、
このようなヘッドキットを示した模式図であり、このヘ
ッドキットは、インクを吐出するインク吐出部511を
有する本発明のヘッド510と、このヘッドと不可分も
しくは分離可能な液体容器であるインク容器520と、
このインク容器にインクを充填するためのインクを保持
したインク充填手段とを、キット容器501内に納めた
ものである。
【0123】インクを消費し終わった場合には、インク
容器の大気連通口521やヘッドとの接続部や、もしく
はインク容器の壁に開けた穴などに、インク充填手段の
挿入部(注射針等)531の一部を挿入し、この挿入部
を介してインク充填手段内のインクをインク容器内に充
填すればよい。
【0124】このように、本発明の液体吐出ヘッドと、
インク容器やインク充填手段等を一つのキット容器内に
納めてキットにすることで、インクが消費されてしまっ
ても前述のようにすぐに、また容易にインクをインク容
器内に充填することができ、記録の開始を迅速に行うこ
とができる。
【0125】なお、本実施例のヘッドキットでは、イン
ク充填手段が含まれるもので説明を行ったが、ヘッドキ
ットとしては、インク充填手段を持たず、インクが充填
された分離可能タイプのインク容器とヘッドとがキット
容器510内に納められている形態のものであってもよ
い。
【0126】また、この図16では、インク容器に対し
てインクを充填するインク充填手段のみを示している
が、インク容器の他に発泡液を発泡液容器に充填するた
めの発泡液充填手段をキット容器内に納めた形態のもの
であってもよい。
【0127】なお、本発明は、発熱体面に対向する位置
に吐出口を有するサイドシュータータイプにも適用可能
な発明であることは言うまでもない。
【0128】
【発明の効果】上述したような、可動壁を用いる新規な
吐出原理に基づく本発明の構成によると、発生する気泡
とこれによって変位する可動壁との相乗効果を得ること
ができ、吐出口近傍の液体を効率よく吐出できるため、
高吐出エネルギー効率で、かつ、高い吐出圧で、高速に
液体を吐出できる。
【0129】また、天板に溝を持たないノズルレスヘッ
ド構造となっているので、従来のように樹脂天板材料の
形成、加工を行う必要がなく、製造工程の簡略化ができ
る。
【0130】さらに、各吐出口が共通液室に直接連通す
る構造であるため、吐出に利用される経路に塵が詰まる
確率もかなり低く、低温・低湿における液体の不吐出を
防止できる。
【0131】さらに、ヘッドの製造工程で、可動部材一
部品の組み付け精度のみに注目すれば、他部品の加工、
組み立て精度は高精度を要求されないため工程が簡単で
済む上、加工歩留りも向上する。
【0132】また、可動壁に素子基板と同程度の熱膨張
係数の小さな金属を用いれば、液体吐出ヘッドの使用環
境温度が高くなった場合や、液体吐出ヘッド自身の温度
が上昇した場合において、吐出エネルギー発生素子との
相対的な配置間隔にずれが生じることがないため、良好
な吐出が可能となり、良好な記録画像を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の液体吐出ヘッドの概略
を示す構成図である。
【図2】図1に示した液体吐出ヘッドを液流路方向で切
断した断面模式図である。
【図3】図1に示した液体吐出ヘッドの部分破断斜視図
を示している。
【図4】従来のヘッドにおける気泡からの圧力伝搬を示
す模式図である。
【図5】本発明のヘッドにおける気泡からの圧力伝搬を
示す模式図である。
【図6】本発明のヘッドにおける液体の流れを説明する
ための摸式図である。
【図7】本発明のヘッドにおける液路構造の一例を示す
斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施例の液体吐出ヘッドの概略
を示す構成図である。
【図9】本発明の第3の実施例の液体吐出ヘッドの概略
を示す構成図である。
【図10】本発明の第4の実施例の液体吐出ヘッドの概
略を示す構成図である。
【図11】本発明の液体吐出ヘッドを適用したフルライ
ン記録ヘッドの一構成を示す展開図である。
【図12】液体吐出ヘッドカートリッジの分解斜視図で
ある。
【図13】液体吐出装置の概略構成図である。
【図14】装置ブロック図である。
【図15】液体吐出記録システムの概略構成図である。
【図16】ヘッドキットの模式図である。
【図17】従来の液体吐出ヘッドの分解斜視図である。
【符号の説明】
3 面積中心 10,50,60,70 可動壁支持部材 11,51,61,71 可動壁 12 支点 13 自由端 20 素子基板 21 吐出エネルギー発生素子 22 溝 30 天板 31,31’液室 32 オリフィス 33 吐出口 40 気泡 41 気泡発生領域 52,62 可動壁用側壁 72 土台 73 固定壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 佳恵 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 阿部 力 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 刈田 誠一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 青野 清美 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 小俣 好一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 久保田 雅彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 但馬 裕基 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−77422(JP,A) 特開 平5−124189(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05 B41J 2/175

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出させるための気泡を発生させ
    る複数の吐出エネルギー発生素子が配された素子基板
    と、 前記複数の吐出エネルギー発生素子に対応して設けら
    れ、それぞれが前記液体が供給される共通液室に直接連
    通する複数の吐出口と、 液体に気泡を発生させる気泡発生領域と、 前記気泡発生領域に面して配され、第1の位置と該第1
    の位置よりも気泡発生領域から遠い第2の位置との間を
    変位可能な可動壁と、を有し、 前記可動壁は、液体の流れ方向の下流側に自由端を持
    ち、前記吐出エネルギー発生素子により前記液体に気泡
    を発生させることにより生じる圧力に基づいて前記可動
    壁を前記第1の位置から前記第2の位置へ変位させて
    泡の成長を前記吐出口方向へ導き、前記吐出口から液体
    を吐出させることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、 前記可動壁の液体の流れ方向に対し直交する断面形状
    が、前記気泡発生領域を包囲するように略コの字状とな
    っていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の液体吐
    出ヘッドにおいて、 前記素子基板は、前記吐出エネルギー発生素子の両側に
    可動壁用側壁をさらに備えることを特徴とする液体吐出
    ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の液体吐
    出ヘッドにおいて、 前記可動壁が第1の位置にある状態において前記気泡発
    生領域が実質的な密閉状態となっていることを特徴とす
    る液体吐出ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の液体吐出ヘッドにおいて、 前記可動壁は、前記素子基板に設けられた可動壁支持部
    材によって支持されていることを特徴とする液体吐出ヘ
    ッド。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、 前記可動壁は前記素子基板に設けられた可動壁支持部材
    によって支持されていると共に、該可動壁支持部材は前
    記可動壁用側壁と一体に形成されていることを特徴とす
    る液体吐出ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、 前記素子基板は、前記可動壁の一部を収容する溝をさら
    に備えることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、 前記可動壁用側壁の高さが前記可動壁の自由端の最大変
    位距離以上であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載
    の液体吐出ヘッドを、副操作方向に往復移動可能なキャ
    リッジに搭載し、被記録媒体への記録を行う液体吐出装
    置。
  10. 【請求項10】 液体を吐出させるための気泡を発生さ
    せる複数の吐出エネルギー発生素子が配された素子基板
    と、前記複数の吐出エネルギー発生素子に対応して設け
    られ、それぞれが前記液体が供給される共通液室に直接
    連通する複数の吐出口と液体に気泡を発生させる気泡
    発生領域に面して配され、第1の位置と該第1の位置よ
    りも気泡発生領域から遠い第2の位置との間を変位可能
    な可動壁と、を有する液体吐出ヘッドを用いて行われる
    液体吐出方法であって、前記吐出エネルギー発生素子に
    より前記液体に気泡を発生させることにより生じる圧力
    に基づいて前記可動壁を前記第1の位置から前記第2の
    位置へ変位させて気泡の成長を前記吐出口方向へ導き、
    前記吐出口から液体を吐出させることを特徴とする液体
    吐出方法。
JP14619896A 1996-06-07 1996-06-07 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法 Expired - Fee Related JP3432077B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14619896A JP3432077B2 (ja) 1996-06-07 1996-06-07 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法
AU24747/97A AU2474797A (en) 1996-06-07 1997-06-06 Liquid discharging head, head cartridge and liquid discharging apparatus
CN97117191A CN1093793C (zh) 1996-06-07 1997-06-06 喷墨头、打印盒和喷墨装置
CA002207203A CA2207203C (en) 1996-06-07 1997-06-06 Liquid discharging head, head cartridge and liquid discharging apparatus
US08/871,376 US6488365B1 (en) 1996-06-07 1997-06-09 Liquid discharging head
EP97303994A EP0811495B1 (en) 1996-06-07 1997-06-09 Liquid discharging head, head cartridge and liquid discharging apparatus
DE69724186T DE69724186T2 (de) 1996-06-07 1997-06-09 Flüssigkeitsausstosskopf, Kopfkassette und Vorrichtung zum Ausstossen von Flüssigkeit

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14619896A JP3432077B2 (ja) 1996-06-07 1996-06-07 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09327916A JPH09327916A (ja) 1997-12-22
JP3432077B2 true JP3432077B2 (ja) 2003-07-28

Family

ID=15402354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14619896A Expired - Fee Related JP3432077B2 (ja) 1996-06-07 1996-06-07 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3432077B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007230193A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Canon Finetech Inc 液体吐出ヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09327916A (ja) 1997-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100216618B1 (ko) 액체 토출 헤드, 액체 토출 장치 및 액체 토출 방법
JP3696967B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ、液体吐出装置、液体吐出方法および記録方法
JP3408059B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、および液体吐出装置の回復方法
EP0778133A2 (en) Liquid ejecting method, liguid ejecting head and liquid ejecting apparatus
JP3408060B2 (ja) 液体吐出方法および装置とこれらに用いられる液体吐出ヘッド
JPH1024573A (ja) 液体吐出ヘッド、該液体吐出ヘッドの製造方法、ヘッドカートリッジ、および液体吐出装置
JP3372740B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JPH1076654A (ja) 液体吐出方法、液供給方法、液体吐出ヘッド、該液体吐出ヘッドを用いた液体吐出ヘッドカートリッジ、及び液体吐出装置
JP3403008B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いたヘッドカートリッジと記録装置
JP3342279B2 (ja) 液体吐出方法、液体吐出ヘッドおよび該液体吐出ヘッドの製造方法
JP3372765B2 (ja) 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、液体吐出装置、記録システム、ヘッドキット、および液体吐出ヘッドの製造方法
JP3408066B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ、液体吐出装置、液体吐出方法およびヘッドキット
JP3432077B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法
JP3437379B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出方法および液体吐出装置
JPH09327920A (ja) 液体吐出ヘッドを用いた液体吐出方法および液体吐出装置
JP3584149B2 (ja) 液体吐出方法およびそれを実施するための記録装置
JP3535816B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、および液体吐出方法
JP3372826B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP3387735B2 (ja) 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ及び液体吐出装置
JP3582754B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3507390B2 (ja) 液体吐出方法、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、および流体素子
JP3507421B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法
JP3492079B2 (ja) 液体吐出方法、液体吐出装置、階調記録方法、階調記録装置
JPH1024610A (ja) 液体輸送方法、液体吐出ヘッド、液体吐出方法、ヘッドカートリッジおよび液体吐出記録方法
JPH1029309A (ja) 液体吐出ユニットの製造方法、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090523

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100523

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees