JP3507421B2 - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法

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JP3507421B2 JP2000261246A JP2000261246A JP3507421B2 JP 3507421 B2 JP3507421 B2 JP 3507421B2 JP 2000261246 A JP2000261246 A JP 2000261246A JP 2000261246 A JP2000261246 A JP 2000261246A JP 3507421 B2 JP3507421 B2 JP 3507421B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーを液
体に作用させて気泡を発生させることによって液体を吐
出する液体吐出方法、液体吐出ヘッドおよびその製造方
法、該液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置に関する。
【0002】また、本発明は、紙、糸、繊維、布帛、皮
革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス
等の被記録媒体に対し記録を行うプリンタ、複写機、通
信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有する
ワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複
合的に組み合わせた産業用記録装置に適用できる発明で
ある。
【0003】なお、本発明における、「記録」とは、文
字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与
することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像
を付与することをも意味するものである。
【0004】
【従来の技術】従来、プリンター等の記録装置におい
て、流路中の液体インクに熱等のエネルギーを与えて気
泡を発生させ、それに伴う急峻な体積変化に基づく作用
力によって吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒
体上に付着させて画像形成を行うインクジェット記録方
法、いわゆるバブルジェット(登録商標)記録方法が知
られている。このバブルジェット記録方法を用いる記録
装置には、米国特許第4,723,129号等に開示さ
れているように、インクを吐出するための吐出口と、こ
の吐出口に連通する流路と、流路内に配されたインクを
吐出するためのエネルギー発生手段としての電気熱変換
体が一般的に配されている。
【0005】この様な記録方法によれば、品位の高い画
像を高速、低騒音で記録することができると共に、この
記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐出
口を高密度に配置することができるため、小型の装置で
高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得る
ことができるという多くの優れた点を有している。この
ため、このバブルジェット記録方法は近年、プリンタ
ー、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利
用されており、さらに、捺染装置等の産業用システムに
まで利用されるようになってきている。
【0006】このようにバブルジェット技術が多方面の
製品に利用されるに従って様々な要求が高まっており、
例えば、高画質な画像を得るために、インクの吐出スピ
ードが速く、安定した気泡発生に基づく良好なインク吐
出を行える液体吐出方法等を与えるための駆動条件が提
案されたり、また、高速記録の観点から、吐出された液
体の液流路内への充填(リフィル)速度の速い液体吐出
ヘッドを得るために流路形状を改良したものも提案され
たりしている。このうち、ノズル内において気泡を発生
させ、この気泡成長に伴い液体を吐出させるヘッドにお
いて、吐出口とは反対方向への気泡成長およびこれによ
る液流が吐出エネルギー効率及びリフィル特性を低下さ
せる要因として知られており、このような吐出エネルギ
ー効率及びリフィル特性を向上させる構造の発明がヨー
ロツパ特許出願公開公報EPO436047Alに提案
されている。
【0007】この公報に記載の発明は、吐出口近傍域と
気泡発生部との間にこれらを遮断する第1弁と、気泡発
生部とインク供給部との間にこれらを完全に遮断する第
2弁とを交互に開閉させるものである(EP43604
7Alの第4〜9図)。例えば同公報第7図の例では、
図37に示すように、インク流路112の内壁を形成す
る基板125上のインク槽116とノズル115との関
のインク流路112のほぼ中央に発熱体110が設けら
れている。発熱体110は、インク流路112内部の、
周囲を全て閉じた区画120内に在る。インク流路11
2は、基板125と、基板125上に直接積層した薄膜
123,126と、閉止体としての舌状片113、13
0とで構成されている。開放された舌状片は図37では
破線で示されている。基板125と平行な平面内に延在
してストッパ124で終結する別の薄膜123はインク
流路112上を遮蔽する。インク中に気泡が発生する
と、ノズル領域内の舌状片130の、静止状態でストッ
パ126に密着してあるその自由端は、上に向かって変
位し、インク液は区画120からインク流路112中
へ、ついでノズル115を通じて射出される。このと
き、インク槽116の領域内に設けた舌状片113は静
止状態でストッパ124に密着しているため、区画12
0内のインク液はインク層116に向かうことはない。
インク中の気泡が消泡すると、舌状片130は下に向け
て変位し、ストッパ126に再び密着する。そして、舌
状片113はインク区画120内に倒れ落ち、これによ
りインク液が区画120中に流入する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、EP4360
47Alに記載の発明は、吐出口近傍域と気泡発生部と
インク供給部の3つの部屋を2つづつに区分してしまう
ために、吐出時には液滴に追従するインクが大きな尾引
きとなり、気泡成長・収縮・消泡を行う通常の吐出方式
に比べてサテライトドットがかなり多くなってしまう
(消泡によるメニスカス後退の効果を使えないと推定さ
れる)。また、気泡の吐出口側の弁は吐出エネルギーの
多大な損失を招く。さらに、リフィル時(ノズルヘのイ
ンク補充時)は、気泡発生部に液体が消泡に伴って供給
されるが、吐出口近傍域には次の発泡が生じるまで液体
は供給できないので、吐出液滴のばらつきが大きいだけ
でなく、吐出応答周波数が極めて小さく、実用レベルで
はない。
【0009】本発明は、吐出口とは反対方向への気泡成
長成分の抑制効率を向上し、これとは相反するリフィル
特性の高効率化を満足するための画期的な方法やヘッド
構成を見出すべく新たな着想に基づいて吐出効率の向上
をも満足する発明を提案するものである。
【0010】本発明者達は鋭意研究の結果、直線状に形
成したノズル内で気泡を発生させ、この気泡成長に伴い
液体を吐出させる液体吐出ヘッドのノズル構造におい
て、特別な逆止弁の機能により、吐出口とは反対方向
(後方)への気泡成長を抑制し、後方への吐出エネルギ
ーを吐出口側に有効に利用できることを見出した。その
上、特別な逆止弁の機能により後方への気泡成長成分を
抑制するとともに、リフィル特性を効率化することで、
吐出応答周波数が極めて高くできることを見出した。
【0011】すなわち本発明の目的は、新規な弁機能を
用いたノズル構造や吐出方法により、吐出パワーの向上
と吐出周波数の向上とを同時に図り、従来達成し得なか
ったレベルの高速・高画質ヘッドを達成するための新規
吐出方式(構造)を確立することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上のような研究過程で
得られた本発明は、液体を吐出するための複数の吐出口
と、前記各吐出口に一端部が常に連通され、液体に気泡
を発生させる気泡発生領域を有する複数の液流路と、前
記気泡を発生し成長させるためのエネルギーを発生する
気泡発生手段と、前記複数の液流路にそれぞれ配設さ
れ、共通液体供給室と連通する複数の液体供給口と、前
記液体供給口の前記液流路側に対して微小な隙間を隔て
て支持された自由端を有する可動部材とを有し、前記可
動部材の少なくとも自由端部及びそれに連続する両側部
で囲まれる領域が前記液体供給口の液流路に対する開口
領域よりも大きくなっており、前記気泡発生手段に駆動
電圧が印加されてから、前記気泡発生手段によって気泡
の全体が略等方成長している期間が終了するまでの間
に、前記可動部材が前記開口領域を密閉して実質的に遮
断する期間を有し、前記可動部材が前記開口領域を密閉
して実質的に遮断する期間の後、前記気泡発生手段によ
って発生した気泡のうちの前記吐出口側の部分が成長し
ている間に、前記可動部材が前記液流路内の前記気泡発
生手段側に変位を開始し、前記共通液体供給室から前記
液流路への液体供給を可能とする液体吐出ヘッドであっ
て、前記吐出口から吐出する液滴の体積をVdとし、前
記吐出口から液体を吐出した際に、或吐出口から前記液
流路内に最大に後退する液面までの引き込み体横をVm
とした場合、Vd>Vmの関係が成り立つことを特徴と
する。
【0013】前記可動郡材と前記液体供給口との間の微
小な隙間は、約10μm以下であることが好ましい。
【0014】前記吐出口からの液体の吐出方向と前記気
泡発生手段が設けられた面の法線方向とがはぼ直交して
いるものや、前記吐出口が前記気泡発生手段と対向して
いるものが考えられる。また本発明は、上記のような液
体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドから吐出された液体
を受け取る被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段
と、を備えた液体吐出装置をも提供する。この場合、前
記液体吐出ヘッドからインクを吐出し、前記被記録媒体
に該インクを付着させることで記録を行うものが考えら
れる。
【0015】以上説明した構成では、気泡発生手段に駆
動電圧が印加されてから、前記気泡発生手段によって気
泡の全体が略等方成長している期間が終了するまでの間
に、直ちに液流路と液体供給口との連通状態が可動部材
によって遮断されるため、気泡発生領域での気泡成長に
よる圧力波が液体供給口側および共通液体供給室側に伝
播されず、その大部分が吐出口側に向けられ、吐出パワ
ーが飛躍的に向上する。また、記録紙などに高速に定着
させたり、黒とカラーの境界での滲み(にじみ)を解消
したりするために、記録液に高粘度のものを使う場合で
も、吐出パワーの飛躍的向上により良好に吐出すること
ができる。また、記録時の環境変化、特に低温・低湿環
境下では吐出口においてインク増粘領域が増え、使用開
始時に正常にインクが吐出されない場合があるが、本発
明では一発目から良好に吐出できる。また、吐出パワー
が飛躍的に向上したので、気泡発生手段として用いる発
熱体のサイズを縮小したりして、吐出のために投入する
エネルギーを減らすこともできる。
【0016】また、気泡の収縮に伴い可動部材が気泡発
生手段側へ変位し、共通液体供給室から液体供給口を介
して液体が液流路内に急速に流れ込むことにより、吐出
後のメニスカスが吐出口から液流路内に引き込まれる流
れが急速に低下する。これにより、液滴吐出後の吐出口
におけるメニスカスの後退量が減少する。その結果、吐
出後、メニスカスが初期状態に復帰する時間が非常に早
い、すなわち、液流路への定量のインク補充(リフイ
ル)が完了する時間が早いので、高精度(定量)のイン
ク吐出を実施するにあたり吐出周波数(駆動周波数)を
も飛躍的に向上させることができる。
【0017】本発明のその他の効果については、各実施
形態の記載から理解できよう。
【0018】なお、本発明の説明で用いる「上流」「下
流」とは、液体の供給源から気泡発生領域(又は可動部
材)を経て、吐出口ヘ向かう液体の流れ方向に関して、
又はこの構成上の方向に関しての表現として表されてい
る。
【0019】また、気泡自体に関する「下流側」とは、
気泡の中心に対して、上記流れ方向や上記構成上の方向
に関する下流側、又は、発熱体の面積中心より下流側の
領域で発生する気泡を意味する。
【0020】また、本発明で表現する「可動部材が液体
供給口を密閉して実質的に遮断する」とは必ずしも可動
部材が液体供給口の周辺部に密着するわけではなく、可
動部材が液体供給口に限りなく接近することも含む。
【0021】 〔発明の詳細な説明〕次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0022】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態による液体吐出ヘッドの1つの液流路方向
に沿った断面図、図2は図1のX−X’線断面図、図3
は図1の吐出口中心からYl点で天板2側へシフトした
Y−Y’線断面図である。
【0023】図1〜図3に示す複数液路−共通液室形態
の液体吐出ヘッドでは、素子基板1と天板2とが液路側
壁10を介して積層状態で固着され、両板1,2の間に
は、一端が吐出口7と連通した液流路3が形成されてい
る。この液流路3は1個のヘッドに多数設けられてい
る。また、素子基板1には各々の液流路3に対し、液流
路3に補充された液体に気泡を発生させる気泡発生手段
としての電気熱変換素子等の発熱体4が配されている。
発熱体4と吐出液との接する面の近傍領域には、発熱体
4が急速に加熱されて吐出液に発泡が生じる気泡発生領
域11が存在する。
【0024】多数の液流路3の各々に、供給部形成部材
5Aに形成された液体供給口5が配設され、各液体供給
口5に連通する共通液体供給室6が設けられている。つ
まり、単一の共通液体供給室6から多数の液流路3に分
岐した形状となっており、各液流路3と連通する吐出口
7から吐出された液体に見合う量の液体をこの共通液体
供給室6から受け取る。図1のSは、液体供給口の液流
路3に対して液体を供給する実質的な開口領域である。
【0025】液体供給口5と液流路3との間には、可動
部材8が液体供給口5の開口領域Sに対して微小な隙間
α(例えば10μm以下)を有して略平行に設けられて
いる。可動部材8の少なくとも自由端部及びそれに連続
する両側部で囲まれる領域が液体供給口5の開口領域S
よりも大きくなっており(図3参照)、かつ、可動部材
8の側部と両側の流路側壁10のそれぞれとの間は微小
な隙間βを有する(図2、3参照)。前述した供給部形
成部材5Aは、可動部材8に対して、図2に示すように
隙間γを介している。隙間β、γは、流路のピッチによ
って異なるが、隙間γが大きければ可動部材8は開口領
域Sを遮断し易く、隙間βが大きければ可動部材8は隙
間αを介して位置する定常状態よりも消泡に伴って素子
基板1側へ移動し易くなる。本実施形態では、隙間αは
1μm、隙間βは4μm、隙間γは5μmとした。ま
た、可動部材8は、流路側壁10の間の幅方向で、上記
開口領域Sの幅W2よりも大きい幅Wlを有しており、
開口領域Sを十分密閉できる幅を有している。可動部材
8の8Bは、液体供給口5の開口領域Sの上流側端部
を、複数の可動部材が複数液路に交差する方向に関して
連続している連続部(この一部は図1に示すように固定
部材9から離れている。)の自由端側の端部延長線上で
規定する(図3参照)。本実施形態では、図2及び図3
に示すように液流路側壁10自体の厚みよりも、供給部
形成部材5Aの可動部材8に沿っている部分の厚みが小
さく設定しており、流路壁10に対して供給部形成部材
5Aが積層されている。なお、供給部形成部材5Aの可
動部材の自由端8Aよりも吐出口7側は、図3に示すよ
うに液流路壁10自体の厚みに対して同じ厚さに設定さ
れている。以上により可動部材8は液流路3内で摩擦抵
抗なく可動できる一方で、開口領域S側への変位は開口
領域Sの周辺部で規制できる。これにより、開口領域S
を実質的に塞いで液流路3内部から共通液体供給室6へ
の液流を防ぐことが可能となる一方で、気泡の消泡に伴
って、液流路側へ実質密閉状態からリフィル可能状態へ
移動可能となる。また本実施形態では、可動部材8は素
子基板1に対しても素子基板1に平行に位置する。そし
て可動部材8の端部8Bは素子基板1の発熱体4側に位
置する自由端であり、その他端側は固定部材9に支持さ
れている。また、この固定部材9によって液流路3の吐
出口7と反対側端を閉じている。
【0026】なお、図4に示すように本実施形態におい
ては、電気熱変換体としての発熱体4と吐出口7との間
は弁のような障害物は無く、液流に対し直線的な流路構
造を保っている「直線的連通状態」となっている。これ
は、より好ましくは、気泡の発生時に生じる圧力波の伝
播方向とそれに伴う液体の流動方向と吐出方向とが直線
的に一致させることで、吐出滴の吐出方向や吐出速度等
の吐出状態をきわめて高いレベルで安定化させるという
理想状態を形成することが望ましい。本発明では、この
理想状態を達成、または近似させるための一つの定義と
して、吐出口7と発熱体4、特に気泡の吐出口側に影響
力を持つ発熱体の吐出口側(下流側)とが直接直線で結
ばれる構成とすればよく、これは、流路内の流体がない
状態であれば、吐出口の外側から見て発熱体、特に発熱
体の下流側が観察することが可能な状態である(図4参
照)。
【0027】次に、本実施形態の液体吐出ヘッドの吐出
動作について詳しく説明する。図5及び図6は図1〜図
3に示した構造の液体吐出ヘッドの吐出動作を説明する
ために、液体吐出ヘッドを液流路方向に沿った切断図で
示すとともに、特徴的な現象を図5の(a)〜(d)、
図6の(a)〜(c)の工程に分けて示したものであ
る。また図5及び図6において符号Mは吐出液が形成す
るメニスカスを表している。
【0028】図5(a)では、発熱体4に電気エネルギ
ー等のエネルギーが印加される前の状態であり、発熱体
が熱を発生する前の状態を示す。この状態では、液体供
給口5と液流路3との間に設けられた可動部材8と、液
体供給口5の形成面との間には微小な隙間(10μm以
下)が存在している。
【0029】図5(b)では、液流路3を満たす液体の
一部が発熱体4によって加熱され、発熱体4上に膜沸騰
が起こり気泡21が等方的に成長した状態を示す。ここ
で、「気泡成長が等方的」とは、気泡表面のどの位置に
おいて気泡表面の垂線方向を向いた気泡成長速度がそれ
ぞれほぼ等しい大きさである状態をいう。
【0030】この気泡発生初期の、気泡21の等方的な
成長過程において、可動郡材8が液体供給口5の周辺部
と密着して液体供給口5を塞ぎ、液流路3内が、吐出口
7を除いて実質的に密閉状態になる。この密閉状態は、
気泡21の等方的な成長過程のいずれかの期間維持され
るものである。なお、密閉状態が維持される期間は、発
熱体4に駆動電圧が印加されてから、気泡21の等方的
な成長過程が終了するまでの間にあってもよい。また、
この密閉状態では、液流路3において発熱体4の中心か
ら液体供給口側のイナータンス(静止液体が急に動き出
すときの動きにくさ)は、実質的に無限大になる。この
時、発熱体4から液体供給口側へのイナータンスは、発
熱体4と可動部材8との距離が取れるほど無限大に近づ
く。
【0031】図5(c)は気泡21が成長し続けている
状態を示す。上述のように液流路3内が、吐出口7を除
いて実質的に密閉状態になると、液体の流れが液体供給
口5側には行かない。そのため、発熱体4上で等方的に
成長していた気泡のうち、液体供給口5側の気泡は成長
できず、気泡の成長エネルギーは吐出口7側の気泡の成
長にのみ費やされる。
【0032】ここで、図5(a)〜図5(c)における
気泡の成長過程を図7に基づき詳述する。図7(a)に
示すように発熱体が加熱されると発熱体上に初期沸騰が
生じ、その後図7(b)に示すように発熱体上を膜状の
気泡が覆う膜沸騰に変化する。そして膜沸騰状態の気泡
は図7(b)〜図7(c)に示すように等方的に成長し
続ける(このように等方的に気泡成長している状態は半
ピュロー状態と呼ばれる。)。ところが図5(b)に示
したように液流路3内が、吐出口7を除いて実質的に密
閉状態になると、上流側への液移動ができなくなるた
め、半ピュロー状の気泡において上流側(液体供給口
側)の気泡の一部が成長しなくなり、残りの下流側(吐
出口側)の部分のみが成長する。この状態を表したの
が、図5(c)や図7(d)、(e)である。
【0033】ここで説明の便宜上、発熱体4を加熱して
いるとき、発熱体4上において気泡が成長しない領域を
B領域とし、気泡が成長する吐出口7側の領域をA領域
とする。なお、B領域では、等方的な気泡成長時の発泡
体積が最大となる。
【0034】次に図5(d)は、A領域では気泡成長が
続いており、B領域では気泡収縮が始まっている状態を
示す。この状態では、A領域では吐出口側に向けて気泡
が大きく成長していく。そして、B領域における気泡の
体積は減少し始める。これにより、可動部材8がその剛
性による復元力やB領域における気泡の消泡力で定常状
態位置へと下方変位し始める。その結果、液体供給口5
が開き、共通液体供給室6と液流路3が連通状態とな
る。図6(a)は、気泡21がほぼ最大に成長した状態
を示す。この状態では、A領域において気泡が最大に成
長し、これに伴ってB領域における気泡はほとんど無く
なる。また、吐出口7から吐出しつつある吐出滴22
は、長い尾引きの状態でメニスカスMと未だ繋がってい
る。図中に示すように気泡の最大発泡体積をVoとす
る。
【0035】図6(b)は、気泡21の成長は止まり消
泡工程のみの段階であって、吐出滴22とメニスカスM
が分断された状態を示す。A領域で気泡成長から消泡に
変わった直後は、気泡21の収縮エネルギーは全体バラ
ンスとして吐出口7近傍の液体を上流方向へ移動させる
力として働く。したがって、メニスカスMはこの時点で
吐出口7から液流路3内に引き込まれ、吐出液滴22と
繋がっている液柱を強い力ですばやく切り離すことにな
る。その一方で、気泡の収縮に伴い可動部材8が下方変
位し、共通液体供給室6から液体供給口5を介して液体
が急速に大きな流れとなって液流路3内へ流れ込む。こ
れにより、メニスカスMを液流路3内へと急速に引き込
む流れが急に低下するため、メニスカスMの後退量を減
少するとともに、メニスカスMは比較的低速で発泡前の
位置へ戻り始める。その結果、本発明に係る可動部材を
備えていない液体吐出方式に比べてメニスカスMの振動
の収束性が非常に良い。ここで、図中に示すように吐出
量をVd、吐出口から前記液流路内に最大に後退する液
面までの引き込み体積である最大メニスカス後退量をV
mとし、可動部材8の自由端が下方変位を開始してから
メニスカスMの後退量が最大になるまでの間に、液流路
3内に移動した液体量をVrとする。なお、メニスカス
Mの後退量が最大となるのは、厳密には気泡21の消泡
が完了する時であるが、図6(b)に示した状態から気
泡21が消泡するまでの間、気泡21の消泡は共通液体
供給室6から液体供給口5を介して液体が液流路3内に
流れ込むことにより行われるため、図6(b)に示した
状態におけるメニスカスMの後退量は、実質的に最大メ
ニスカス後退量Vmであると言える。
【0036】図6(c)では気泡21が完全に消泡し、
可動部材8も定常状態位置に復帰した様子を示す。この
状態へは、可動部材8はその弾性力により上方変位する
(図6(b)の実線の矢印方向)。また、この状態で
は、メニスカスMはすでに吐出口7近傍で復帰してい
る。
【0037】以上の説明及び図5、図6から判るよう
に、先ずは可動部材8が、気泡の発生初期の、気泡が等
方成長している期間にて、液体供給口5側への液体の流
れを抑制する。そして、吐出した液体が、吐出口7から
契れて飛翔するときには、気泡全体の消泡がすでに始ま
っており、その時には、可動部材8は下方側に変位して
おり、共通液体供給室6から液体供給口5を介して、液
体が液流路3内に流れ込んでいる。
【0038】つまり、液体が液柱から分離する前に、液
体の流れ込みは始まっているので、最大メニスカス後退
積Vmは、飛翔する液体の吐出量Vdに起因する容積よ
り少なくなる。
【0039】故に、 Vd>Vm …(1) の
関係が成り立つ。
【0040】これは、メニスカスMの復帰が早いことを
意味し、これにより、リフィル周波数を向上させること
ができる。
【0041】また、飛翔する液体の吐出量Vdと最大メ
ニスカス後退積Vmとの差が、可動部材8の自由端が下
方変位を開始してからメニスカスMの後退量が最大にな
るまでの間に、液流路3内に流れ込む液体量Vrより、
大きくなることはない。
【0042】よって、 Vd−Vm≦Vr …
(2) の関係が成り立つ。
【0043】次に、上記のようにVd>Vmの関係が成
り立つことが、メニスカスMの復帰が早いことを図25
を用いて説明する。
【0044】図25の(a−1)〜(a−7)はVd>
Vmの関係が成り立つ本実施形態の変形形態による液体
吐出ヘッドの液流路方向に沿った切断図を示しており、
図25の(b−1)〜(b−7)はVd’<Vm’の関
係が成り立つ比較形態による液体吐出ヘッドの液流路方
向に沿った切断図を示している。本変形形態による液体
吐出ヘッドと比較形態による液体吐出ヘッドとは、発熱
体4、4’の位置が異なっている。また、本変形形態に
よる液体吐出ヘッドと比較形態による液体吐出ヘッドと
は、同一の駆動条件で駆動するものである。また、図2
5の(a−1)〜(a−7)及び図25の(b−1)〜
(b−7)の示す液体吐出ヘッドの状態は、それぞれ図
5の(a)〜(d)、図6の(a)〜(c)に示した液
体吐出ヘッドの状態とほぼ対応している。
【0045】ここで、図25(a−6)と図25(b−
6)にそれぞれ示された液体吐出ヘッドの状態を比較す
ると、それぞれの最大メニスカス後退量Vm,Vm’は
ほぼ等しいが、図25(a−6)に示された本実施形態
の変形形態による液体吐出ヘッドにおける吐出量Vdの
方が、図25(b−6)に示された比較形態による液体
吐出ヘッドにおける吐出量Vd’よりも多くなってい
る。このことは、両者の駆動条件が同一であることか
ら、本実施形態の変形形態による液体吐出ヘッドの方
が、比較形態による液体吐出ヘッドよりも吐出効率が高
いことを意味する。また、このことにより、両者の吐出
量が同一となるような駆動条件を選んだ際には、本実施
形態の変形形態による液体吐出ヘッドの方が、比較形態
による液体吐出ヘッドよりもメニスカスの最大後退量が
小さくなると言える。したがって、Vd>Vmの関係が
成り立つ本実施形態の変形形態による液体吐出ヘッド
は、Vd’<Vm’の関係が成り立つ比較形態による液
体吐出ヘッドよりもメニスカスMの復帰が早いと言え
る。すなわち、Vd>Vmの関係が成り立つことは、メ
ニスカスMの復帰が早いことを意味する。
【0046】次に、図5及び図6に示したA領域とB領
域での気泡体積の時間変化と可動部材の挙動との相関関
係を図8を参照して説明する。図8はその相関関係を表
したグラフであり、曲線AはA領域における気泡体積の
時間変化を示し、曲線BはB領域における気泡体積の時
間変化を示す。
【0047】図8に示すように、A領域での気泡の成長
体積の時間変化は極大値をもつ放物線を描く。つまり、
発泡開始されてから消泡までにおいて気泡体積は時間経
過とともに増大しある時点で最大となり、その後減少す
る。一方、B領域については、A領域の場合と比べ、発
泡開始されてから消泡までに要する時間が短く、また気
泡の最大成長体積も小さく、最大成長体積に達する時間
も短い。つまり、A領域とB領域とでは、発泡開始され
てから消泡までに要する時間と気泡の成長体積変化とが
大きく異なっていて、B領域の方が小さい。
【0048】特に図8において、気泡の発生初期は同じ
時間変化で気泡体積が増大するため、曲線Aと曲線Bが
重なっている。つまり、気泡の発生初期は気泡が等方的
に成長している(半ピュロー状の)期間が生じている。
その後、曲線Aが極大点まで増大する曲線を描くもの
の、ある時点で曲線Bは曲線Aから分岐し、気泡体積が
減少する曲線を描く。つまり、A領域では気泡の体積が
増加するものの、B領域では気泡体積が減少する期間
(部分成長部分収縮期間)が生じる。
【0049】そして、上記のような気泡成長の仕方に基
づき、図1に示したように発熱体の一部分を可動部材の
自由端が覆った形態では、可動部材は次のような挙動を
生じる。すなわち、図8のの期間では可動部材が液体
供給口に向かって上方変位している。同図の期間では
可動部材が液体供給口に密着し、液流路内が吐出口を除
いて実質的に密閉状態となる。この密閉状態の開始は気
泡が等方的に成長している期間で行われる。次に同図
の期間では、可動部材が定常状態位置に向かって下方変
位している。この可動部材による液体供給口の開放開始
は部分成長部分収縮期間開始から一定時間経過後に行わ
れる。次に同図の期間では、可動部材が定常状態から
さらに下方変位している。次に同図の期間では、可動
部材の下方変位がほぼ停止し、可動部材が開放位置で平
衡状態になっている。最後に同図の期間では、可動部
材が定常状態位置に向かって上方変位している。
【0050】このような気泡成長と可動部材の挙動との
相関関係は、可動部材と発熱体との相対位置に影響され
る。そこで、図9および図10を参照し、本形態と異な
る相対位置の可動部材と発熱体を備えた液体吐出ヘッド
における気泡成長と可動部材の拳動との相関関係を説明
する。
【0051】図9は、発熱体全体を可動部材の自由端が
覆った形態における気泡成長と可動部材の挙動との相関
関係を説明するための図で、(a)はその形態を、
(b)はその相関関係のグラフを示している。図9の
(a)で示す形態のように発熱体と可動部材が重なって
いる面積が大きいと、図9のの期間が図1の形態の場
合と比べて短時間となり、発熱体を加熱してから短時間
で密閉状態になるので、より好ましい。なお、図9の
〜の各期間の可動部材の挙動は図8に基づいて説明し
た挙動と同じである。また図9の形態をとると、可動部
材が気泡の体積減少の影響を受けやすくなるため、同図
の期間開始時点から判るように、可動部材による液体
供給口の開放開始は部分成長部分収縮期間開始から即座
に行われる。つまり、可動部材の開放タイミングが図1
の形態の場合と比べて早い。同様の理由で、可動部材8
の振幅が大きくなる。
【0052】また図10は、発熱体と可動部材が離れて
いる形態における気泡成長と可動部材の挙動との相関関
係を説明するための図で、(a)はその形態を、(b)
はその相関関係のグラフを示している。図10の(a)
で示す形態のように発熱体と可動部材とが離れている
と、可動部材が気泡の体積減少の影響を受けにくいた
め、同図の期間開始時点から判るように、可動部材に
よる液体供給口の開放開始は部分成長部分収縮期間開始
からかなり遅れて行われる。つまり、可動部材の開放タ
イミングが図1の形態の場合と比べて遅い。同様の理由
で、可動部材の振幅が小さくなる。なお、図10の〜
の各期間の可動部材の挙動は図8に基づいて説明した
挙動と同じである。
【0053】なお、上記可動部材8と発熱体4との位置
関係は一般的な動作の説明をしたもので、可動部材の自
由端の位置、可動部材の剛性などによって各動作は異な
ってくるものである。以上のように本実施形態のヘッド
構成及び液体吐出動作について説明したが、このような
形態によれば、気泡の下流側への成長成分と上流側への
成長成分が均等ではなく、上流側への成長成分がほとん
どなくなり上流側への液体の移動が抑制される。上流側
への液体の流れが抑制されるため、上流側に気泡成長成
分が損失することなくそのはとんどが吐出口の方向に向
けられ、吐出力が格段に向上する。さらに、吐出後のメ
ニスカスの後退量が減少し、その分リフィル時にメニス
カスがオリフィス面よりも突出する量も減少する。その
ためメニスカス振動が抑制されることとなり、低周波数
から高周波数まであらゆる駆動周波数において安定した
吐出を行うことができる。
【0054】次に、図1〜図3に示すように素子基板1
上に、可動部材8と流路側壁10と液体供給口5を設け
る場合の製造工程の一例について、図11〜図13を参
照して説明する。なお、図11〜図13は、素子基板上
に形成する液流路の方向とは直交する方向に沿った切断
面によって工程を示している。
【0055】まず、図11(a)では、素子基板1の発
熱体4側の面に、Al膜をスパッタリング法によって厚
さ約2μm形成する。この形成されたAl膜を、周知の
フォトリソグラフィプロセスを用いてパターニングし、
発熱体2に対応する位置にAl膜パターン25を複数形
成する。それぞれのAl膜パターン25は、後述する図
11(c)の工程において、支持部材9、流路側壁10
の一部を形成するための材料膜であるSiN膜26がエ
ッチングされる領域まで延在されている。
【0056】Al膜パターン25は、後述するようにド
ライエッチングにより液流路3を形成する際のエッチン
グストップ層として機能する。これは、素子基板1にお
けるパッド保護層としてのTiW層や、耐キャビテーシ
ョン膜としてのTa膜、および抵抗体上の保護層として
のSiN膜が、液流路3を形成するために使用するエッ
チングガスによりエッチングされてしまうからであり、
これらの層や膜のエッチングがAl膜パターン25によ
り防止される。そのため、ドライエッチングにより液流
路3を形成する際に素子基板1の発熱体4側の面や、素
子基板1上のTiW層が露出しないように、それぞれの
Al膜パターン25における液流路3の流路方向と直行
する方向の幅は、最終的に形成される液流路3の幅より
も広くなっている。
【0057】さらに、ドライエッチング時には、C
4,CXY,SF6ガスの分解によりイオン種およびラ
ジカルが発生し、素子基板1の発熱体4や機能素子にダ
メージを与えることがあるが、Al膜パターン25は、
これらイオン種やラジカルを受け止めて素子基板1の発
熱体4や機能素子を保護するものとなっている。
【0058】次に、図11(b)では、Al膜パターン
25の表面、および素子基板1のAl膜パターン25側
の面上に、プラズマCVD法を用いて、流路側壁10の
一部を形成するための材料膜である厚さ約20.0μm
のSiN膜26を、Al膜パターン25を被覆するよう
に形成する。
【0059】次に、図11(c)では、SiN膜26の
表面全体にAl膜を形成した後に、形成されたAl膜
を、フォトリソグラフィなどの周知の方法を用いてパタ
ーニングし、SiN膜26の表面の、液流路3を形成す
る部分を除く部分にAl膜(不図示)を形成する。そし
て、誘電結合プラズマを使ったエッチング装置を用いて
SiN膜26をエッチングして流路側壁10の一部を形
成する。そのエッチング装置では、CF4,とO2、SF
6の混合ガス等を用いて、Al膜パターン25をエッチ
ングストップ層として、SiN膜26のエッチングを行
う。可動部材8の支持部材9と素子基板1との密着部の
構成材料には、パッド保護層の構成材料であるTiW、
および素子基板1の耐キャビテーション膜の構成材料で
あるTaが含まれる。
【0060】次に、図11(d)では、SiN膜26の
表面に、スパッタリング法によりAl膜27を厚さ2
0.0μm形成し、前工程において液流路3を形成する
部分としてSiN膜26をエッチングしてできた穴をA
lで埋める。
【0061】そして、図12(a)では、図11(d)
に示す基板1上のSiN膜26及びAl膜2127の表
面をCMP(Chemical Mechanical
Polishing)により平坦に研磨する。
【0062】次に、図12(b)では、CMPにより研
磨したSiN膜26及びAl膜27の表面に、スパッタ
リング法によりAl膜28を厚さ約2.0μm形成した
後、形成されたAl膜28を、周知のフォトリソグラフ
ィプロセスを用いてパターニングする。このAl膜28
のパターンは、後述する図12(c)の工程において、
可動部材8と支持部材との接合部を形成する台座部(も
しくは固定部)を形成するための材料膜であるSiN膜
29がエッチングされる領域まで延在されている。Al
膜28は、後述するようにドライエッチングにより可動
部材8を形成する際のエッチングストップ層として機能
する。つまり、液流路3の一部となるSiN膜26が、
可動部材8を形成するために使用するエッチングガスに
よりエッチングされることを防止するものである。
【0063】次に図12(c)では、Al膜28の表面
に、プラズマCVD法を用いて、可動部材8を形成する
ための材料膜である厚さ約3.0μmのSiN膜を形成
する。そして、形成したSiN膜を、誘電結合プラズマ
を使ったエッチング装置を用いてドライエッチングし
て、液流路3の一部となるAl膜28に対応する箇所の
SiN膜29を残す。このエッチング装置による方法は
図11(c)の工程と同様である。このSiN膜29は
最終的には可動部材8になるため、そのSiN膜29の
パターンにおける液流路3の流路方向と直交する方向の
幅は、最終的に形成される液流路3の幅よりも狭くなっ
ている。
【0064】次に、図13(a)では、Al膜28の表
面に、間隙形成部材30を形成するための材料膜である
Al膜をスパッタリング法によって、SiN膜29を被
覆するように厚さ3.0μm形成する。この、前工程で
のAl膜28に成膜したAl膜を、周知のフォトリソグ
ラフィプロセスを用いてパターニングし、図2に示した
可動部材8の上面と液体供給口5の間隙αと、可動部材
8の両側部と流路側壁10の間隙βとを形成するための
間隙形成部材30を、SiN膜29の表面及び側面に形
成する。
【0065】次に、図13(b)では、SiN膜26上
に、下記の表1に示す材料からなるネガ型の感光性エポ
キシ樹脂31を、Al膜からなる間隙形成部材30を含
む前記基板上にスピンコートによって30.0μmの厚
さで塗布する。なお、上記のスピンコート工程により、
天板2が接合される流路側壁10の一部となるエポキシ
樹脂31を平坦に塗布することができる。
【0066】
【表1】 続いて、上記の表1に示すように、ホットプレートを用
いて90℃、5分の条件でエポキシ樹脂31のプリベー
クを行った後に、露光装置(キヤノン製:MPA60
0)を用いて2[J/cm2]の露光光量でエポキシ樹
脂31を所定のパターンに露光する。ネガ型のエポキシ
樹脂は、露光された部分が硬化し、露光されない部分は
硬化しない。そのため、上記の露光工程では液体供給口
5となる部分を除いた箇所のみ露光する。そして、上記
の現像液を用いて液体供給口5となる穴部分を形成した
後に、200℃、1時間の条件で本ベークを行う。この
液体供給口5となる穴部分の開口面横は、可動部材8と
なるSiN膜29の面積よりも小さくしてある。
【0067】最後に、図13(c)では、酢酸、りん酸
および碕酸の混酸を用いてAl膜25、27、28およ
び30を加温エッチングすることで、これらを溶出して
除去し、素子基板1上に液体供給口5、可動部材8、支
持部材9および流路側壁10を作り出す。その後、過酸
化水素を用いて、素子基板1に形成したパッド保護層と
してのTiW膜の、発熱体(気泡発生手段)4およびパ
ッドに対応する部分を除去する。素子基板1と流路側壁
10との密着部にも、パッド保護層の構成材料であるT
iW、および素子基板1の耐キャビテーション膜の構成
材料であるTaが含まれている。
【0068】以上のようにして素子基板1上に可動部材
8と流路側壁10と液体供給口5を設けたものに、各液
体供給口5に同時に連通する大容積の共通液体供給室6
を設けた天板2を接合することで、図1〜図3に示した
液体吐出ヘッドを作製した。
【0069】次に、上述したヘッド形態の変形例を図2
4を参照して説明する。
【0070】図24に示す形態の液体吐出ヘッドでは、
素子基板1と天板2とが接合され、両板1,2の間に
は、一端が吐出口7と連通した液流路3が形成されてい
る。
【0071】液流路3に液体供給口5が配設され、液体
供給口5に連通する共通液体供給室6が設けられてい
る。
【0072】液体供給口5と液流路3との間には、可動
部材8が液体供給口5の開口領域に対して微小な隙間α
(例えば10μm以下)を有して略平行に設けられてい
る。可動部材8の少なくとも自由端部及びそれに連続す
る両側部で囲まれる領域が液体供給口5の液流路に対す
る開口領域Sよりも大きくなっており、かつ、可動部材
8の側部と液流路側壁10との間は微小な隙間βを有す
る。これにより可動部材8は液流路3内で摩擦抵抗なく
可動する方で、開口領域側への変位は開口領域Sの周辺
部で規制され、液体供給口5を実質的に塞いで液流路3
から共通液体供給室6への液流を防ぐことが可能にな
る。また本実施形態では、可動部材8は素子基板1に対
向に位置する。そして可動部材8の一端は素子基板1の
発熱体4側に変位する自由端であり、その他端側は支持
部9に支持されている。
【0073】(第2の実施の形態)上記の製造方法で
は、素子基板1上に、可動部材8と流路側壁10と液体
供給口5を設ける場合の製造工程について説明したが、
これに限らず、可動部材8と液体供給口5を天板2側に
作り込んでおいたものを、流路側壁10を形成した素子
基板1に接合する工程を用いてもよい。
【0074】以下、この製造工程の一例について図14
〜図16を参照して説明する。図14及び図15は、素
子基板上に形成する液流路の方向とは直交する方向に沿
った切断面によって工程を示している。図16は、図1
4及び図15で作成した天板を用いた液体吐出ヘッドの
概略構成の断面図を示している。また説明において、第
1の実施の形態と同一構成要素には同一符号を用いる。
【0075】まず、図14(a)では、Si材料からな
る天板2の一面に酸化膜(SiO2)35を約1.0μ
m形成する。そして、この形成したSiO2膜35を、
周知のフォトリソグラフィプロセスを用いてパターニン
グして、図16に示す液体供給口5の形成箇所に対応す
るSiO2膜を除去する。
【0076】次に、図14(b)では、天板2の一面に
おけるSiO2膜35の除去部分及びその周辺部に、A
l膜からなる間隙形成部材36を約3.0μm被覆す
る。間隙形成部材36は、後述の図15(b)に示す工
程で形成される液体供給口5と可動部材8の間に間隙を
形成するためのものである。
【0077】次に、図14(c)では、SiO2膜35
及び間隙形成部材36の表面全体に、プラズマCVD法
を用いて、可動部材8を形成するための材料膜である厚
さ約3.0μmのSiN膜37を、間隙形成部材36を
被覆するように形成する。
【0078】次に、図14(d)では、SiN膜37に
対し、周知のフォトリソグラフィプロセスを用いて、可
動部材8をパターニングする。次に、前記間隙形成部材
をエッチングストップ層として、前記Si天板(厚さ6
25μm)に貫通エッチングを行い、前記共通液体供給
室を形成した。その後、間隙形成部材36としてのAl
膜を、酢酸、りん酸および硝酸の混酸を用いて加温エッ
チングすることで、これを溶出して除去する。上記のパ
ターニングにおいては、SiN膜37において可動部材
8となる部分である可動部37aとその支持部37bの
間の隙間βは2μm以上設けている。さらに、後述する
図15(a)に示す工程で、可動部材8に対応する液体
供給口5を容易に形成するため、SiN膜37における
可動部37aにはその表裏面を貫通する複数のスリット
37cを好ましくは1μm以下で形成してある。そして
可動部37aの投影領域は、液体供給口となる部分の開
口面積(SiO2膜35の除去面積)よりも大きくなっ
ている。
【0079】次に、図15(a)では、Si天板2の一
面の、SiO2膜35が除去された部分を、可動部37
aのスリット37cを介して異方性ウェットエッチング
し、液体供給口5を形成する。
【0080】最後に図15(b)では、これまでの工程
からなるものに対し、LPCVD法を用いて厚さ約0.
5μmのSiN膜38を形成し、このSiN膜38によ
って、可動部材8に開いたスリット37cを埋める。こ
のとき、スリット37cの隙間を1μm以下としたので
スリット37cは塞がるが、可動部37aとその支持部
37bの間の隙間βは2μm以上にしてあるのでその隙
間βはSiN膜38によって塞がることはない。また、
前記LPCVD法によるSiN膜は、前記異方性エッチ
ングや、シリコン天板の貫通エッチングで形成されたシ
リコンの側壁にもコーティングされ、インクによる腐食
を防止する。
【0081】以上のようにして天板2側に可動部材8と
液体供給口5を設けたものに、さらに各液体供給口5に
同時に連通する大容積の共通液体供給室6を設け、これ
に、一端が吐出口7と連通し他端が閉じられた液流路3
を形成する流路壁を持つ素子基板1を接合することで、
図16に示した液体吐出ヘッドを作製した。この形態の
液体吐出ヘッドでも、図1〜図3に示した構造の液体吐
出ヘッドと同様の効果がある。
【0082】(第3の実施の形態)図17は本発明の第
3の実施の形態である、いわゆるサイドシュータタイプ
の液体吐出ヘッドの断面図を示したものである。この説
明において、第1の実施の形態と同一の構成要素には同
一符号を用いる。この形態の液体吐出ヘッドは、図17
に示すように発熱体4と吐出口7が平行平面上で対面
し、液流路3が、吐出口7からの液体の吐出方向に沿っ
た軸方向と直角に連通している点で、第1の実施の形態
と異なっている。このような液体吐出ヘッドにおいても
第1の実施の形態と同様の吐出原理に基づく効果を奏
し、また第1及び第2の実施形態で説明した製造方法を
容易に適用できる。
【0083】(その他の実施の形態)以下、上述した液
体吐出原理を用いたヘッドに好適な様々な形態例を説明
する。
【0084】<可動部材>先の実施形態において、可動
部材を構成する材質としては吐出液に対して耐溶剤性が
あり、可動部材として良好に動作するための弾性を有し
ているものであればよい。
【0085】可動部材の材料としては、耐久性の高い、
銀、ニッケル、金、鉄、チタン、アルミニュウム、白
金、タンタル、ステンレス、りん青銅等の金属、および
その合金、または、アクリロニトリル、ブタジエン、ス
チレン等のニトリル基を有する樹脂、ポリアミド等のア
ミド基を有する樹脂、ポリカーボネイト等のカルボキシ
ル基を有する樹脂、ポリアセタール等のアルデヒド基を
持つ樹脂、ポリサルフォン等のスルホン基を持つ樹脂、
そのはか液晶ポリマー等の樹脂およびその化合物、耐イ
ンク性の高い、金、タングステン、タンタル、ニッケ
ル、ステンレス、チタン等の金属、これらの合金および
耐インク性に関してはこれらを表面にコーティングした
もの若しくは、ポリアミド等のアミド基を有する樹脂、
ポリアセタール等のアルデヒド基を持つ樹脂、ポリエー
テルエーテルケトン等のケトン基を有する樹脂、ボリイ
ミド等のイミド基を有する樹脂、フェノール樹脂等の水
酸基を有する樹脂、ポリエチレン等のエチル基を有する
樹脂、ポリプロピレン等のアルキル基を持つ樹脂、エポ
キシ樹脂等のエポキシ基を持つ樹脂、メラミン樹脂等の
アミノ基を持つ樹脂、キシレン樹脂等のメチロール基を
持つ樹脂およびその化合物、さらに二酸化珪素、チッ化
珪素等のセラミックおよびその化合物が望ましい。本発
明における可動部材としてはμmオーダーの厚さを対象
にしている。
【0086】次に、発熱体と可動部材の配置関係につい
て説明する。発熱体と可動部材の最適な配置によって、
発熱体による発泡時の液の流れを適正し制御して有効に
利用することが可能となる。
【0087】熱等のエネルギーをインクに与えること
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行うインクジェット記録方法、いわゆ
るバブルジェット記録方法の従来技術においては、図1
8の破線に示すように、発熱体面積とインク吐出量は比
例関係にあるが、インク吐出に寄与しない非発泡有効領
域Sが存在していることがわかる。また、発熱体上のコ
ゲの様子から、この非発泡有効領域Sが発熱体の周囲に
存在していることがわかる。これらの結果から、発熱体
周囲の約4μm幅は、発泡に関与されていないとされて
いる。これに対し、本発明の液体吐出ヘッドは、気泡発
生手段を含む液流路が吐出口を除いて実質的に遮蔽され
ていることで最大の吐出量が規制されるため、図18の
実線で示すように、発熱体面積や発泡体積のばらつきが
大きくても吐出量が変化しない領域があり、この領域を
利用することにより大ドットの吐出量安定化が図れる。
【0088】さらに、前述した実質的密閉空間を良好に
形成するために、待機状態における可動部材と発熱体の
距離は10μm以下とするのが好ましい。
【0089】<素子基板>以下に液体に熱を与えるため
の発熱体10が設けられた素子基板1の構成について説
明する。
【0090】図19は本発明の液体吐出装置の要部の側
断面図を示したもので、図19(a)は後述する保護膜
があるヘッド、図19(b)は保護膜がないものであ
る。
【0091】素子基板1上には天板2が配され、素子基
板1と天板2の間に液流路3が形成されている。
【0092】素子基板1は、シリコン等の基体107に
絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜またはチッ
化シリコン膜106を成膜し、その上に発熱体10を構
成するハフニュウムボライド(HfB2)、チッ化タン
タル(TaN)、タンタルアルミ(TaAl)等の電気
抵抗層105(0.01〜0.2μm厚)とアルミニュ
ウム等の配線電極104(0.2〜1.0μm厚)を図
19(a)のようにパターニングしている。この配線電
極104から抵抗層105に電圧を印加し、抵抗層10
5に電流を流し発熱させる。配線電極104間の抵抗層
105上には、酸化シリコンやチッ化シリコン等の保護
膜103を0.1〜2.0μm厚で形成し、さらにその
うえにタンタル等の耐キャビテーション層102(0.
1〜0.6μm厚)が成膜されており、インク等の各種
の液体から抵抗層105を保護している。
【0093】特に、気泡の発生、消泡の際に発生する圧
力や衝撃波は非常に強く、堅くてもろい酸化膜の耐久性
を著しく低下させるため、金属材料のタンタル(Ta)
等が耐キャビテーション層102として用いられる。
【0094】また、液体、流路構成、抵抗材料の組み合
わせにより、上述の抵抗層105に保護膜103を必要
としない構成でもよくその例を図19(b)に示す。こ
のような保護膜103を必要としない抵抗層105の材
料としてはイリジュウムータンタルーアルミ合金等が挙
げられる。
【0095】このように、前述の各実施形態における発
熱体4の構成としては、前述の電極104間の抵抗層1
05(発熱部)だけででもよく、また抵抗層105を保
護する保護膜103を含むものでもよい。
【0096】各実施形態においては、発熱体4として電
気信号に応じて発熱する抵抗層105で構成された発熱
部を有するものを用いたが、これに限られることなく、
吐出液を吐出させるのに十分な気泡を発泡液に生じさせ
るものであればよい。例えば、レーザ等の光を受けるこ
とで発熱するような光熱変換体や高周波を受けることで
発熱するような発熱部を有する発熱体でもよい。
【0097】なお、前述の素子基板1には、前述の発熱
部を構成する抵抗層105とこの抵抗層105に電気信
号を供給するための配線電極104で構成される発熱体
10の他に、この発熱体4(電気熱変換素子)を選択的
に駆動するためのトランジスタ、ダイオード、ラッチ、
シフトレジスタ等の機能素子が一体的に半導体製造工程
によって作り込まれていてもよい。また、前述のような
素子基板1に設けられている発熱体4の発熱部を駆動
し、液体を吐出するためには、前述の抵抗層105に配
線電極104を介して図20に示されるような矩形パル
スを印加し、配線電極104間の抵抗層105を急峻に
発熱させる。前述の各実施形態のヘッドにおいては、そ
れぞれ電圧24V、パルス幅7μsec、電流150m
A、電気信号を6kHzで加えることで発熱体を駆動さ
せ、前述のような動作によって、吐出口7から液体であ
るインクを吐出させた。しかしながら、駆動信号の条件
はこれに限られることなく、発泡液を適正に発泡させる
ことができる駆動信号であればよい。
【0098】<吐出液体>このような液体のうち、記録
を行う上で用いる液体(記録液体)としては従来のバブ
ルジェット装置で用いられていた組成のインクを用いる
ことができる。
【0099】ただし、吐出液の性質として吐出液自身、
吐出や発泡または可動部材の動作などを妨げるような液
体でないことが望まれる。
【0100】記録用の吐出液体としては、高粘度インク
等をも利用することができる。
【0101】本発明においては、さらに吐出液に用いる
ことができる記録液体として以下のような組成のインク
を用いて記録を行ったが、吐出力の向上によってインク
の吐出速度が高くなったため、液滴の着弾精度が向上し
非常に良好な記録画像を得ることができる。
【0102】
【表2】 <液体吐出装置>図21は、第1乃至第3の実施形態で
説明した構造の液体吐出ヘッドを装着して適用すること
のできる液体吐出装置の一例であるインクジェット記録
装置の概略構成を示している。図21に示されるインク
ジェット記録装置600に搭載されたヘッドカートリッ
ジ601は、上述した構造の液体吐出ヘッドと、その液
体吐出ヘッドに供給される液体を保持する液体容器とを
有するものである。ヘッドカートリッジ601は、図2
1に示すように、駆動モータ602の正逆回転に連動し
て駆動力伝達ギサ603および604を介して回転する
リードスクリュー605の螺旋溝606に対して係合す
るキャリッジ607上に搭載されている。駆動モータ6
02の動力によってヘッドカートリッジ601がキャリ
ッジ607ともとにガイド608に沿って矢印aおよび
bの方向に往復移動される。インクジェット記録装置6
00には、ヘッドカートリッジ601から吐出されたイ
ンクなどの液体を受ける被記録媒体としてのプリント用
紙Pを搬送する被記録媒体搬送手段(不図示)が備えら
れている。その被記録媒体搬送手段によってプラテン6
09上を搬送されるプリント用紙Pの紙押さえ板610
は、キャリッジ607の移動方向にわたってプリント用
紙Pをプラテン609に対して押圧する。
【0103】リードスクリュー605の一端の近傍に
は、フォトカプラ611および612が配設されてい
る。フォトカプラ611および612は、キャリッジ6
07のレバー607aの、フォトカプラ611および6
12の領域での存在を確認して駆動モータ602の回転
方向の切り換えなどを行うためのホームポジション検知
手段である。プラテン609の一端の近傍には、ヘッド
カートリッジ601の吐出口のある前面を覆うキャップ
部材614を支持する支持部材613が備えられてい
る。また、ヘッドカートリッジ601から空吐出などさ
れてキャップ部材614の内部に溜まったインクを吸引
するインク吸引手段615が備えられている。このイン
ク吸引手段615によりキャップ部材614の開口部を
介してヘッドカートリッジ601の吸引回復が行われ
る。
【0104】インクジェット記録装置600には本体支
持体619が備えられている。この本体支持体619に
は移動部材618が、前後方向、すなわちキャリッジ6
07の移動方向に対して直角な方向に移動可能に支持さ
れている。移動部材618には、クリーニングブレード
617が取り付けられている。クリーニングブレード6
17はこの形態に限らず、他の形態の公知のクリーニン
グブレードであってもよい。さらに、インク吸引手段6
15による吸引回復操作にあたって吸引を開始するため
のレバー620が備えられており、レバー620は、キ
ャリッジ607と係合するカム621の移動に伴って移
動し、駆動モータ602からの駆動力がクラッチ切り換
えなどの公知の伝達手段で移動制御される。ヘッドカー
トリッジ601に設けられた発熱体に信号を付与した
り、前述した各横構の駆動制御を司ったりするインクジ
ェット記録制御部は記録装置本体側に設けられており、
図21では示されていない。
【0105】上述した構成を有するインクジェット記録
装置600では、前記の被記録媒体搬送手段によりプラ
テン609上を撒送されるプリント用紙Pに対して、ヘ
ッドカートリッジ601がプリント用紙Pの全幅にわた
って往復移動する。この移動時に不図示の駆動信号供給
手段からヘッドカートリッジ601に駆動信号が供給さ
れると、この信号に応じて液体吐出ヘッド部から被記録
媒体に対してインク(記録液体)が吐出され、記録が行
われる。
【0106】図22は、本発明の液体吐出装置によりイ
ンクジェット式記録を行うための記録装置全体のブロツ
ク図である。
【0107】記録装置は、ホストコンピュータ300よ
り印字情報を制御信号として受ける。印字情報は印字装
置内部の入力インターフェイス301に一時保存される
と同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、
ヘッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU(中央処理装
置)302に入力される。CPU302はROM(リー
ド・オンリー・メモリー)303に保存されている制御
プログラムに基づき、前記CPU302に入力されたデ
ータをRAM(ランダム・アクセス・メモリー)304
等の周辺ユニツトを用いて処理し、印字するデータ(画
像データ)に変換する。
【0108】また、CPU302は前記画像データを記
録用紙上の適当な位置に記録するために、画像データに
同期して記録用紙およびヘッドカートリッジ601を搭
載したキャリッジ607を移動する駆動用モータ602
を駆動するための駆動データを作る。画像データおよび
モータ駆動データは、各々ヘッドドライバ307と、モ
ータドライバ305を介し、ヘッドカートリッジ601
および駆動用モータ602に伝達され、それぞれ制御さ
れたタイミングで駆動され画像を形成する。
【0109】このような記録装置に用いられ、インク等
の液体の付与が行われる被記録媒体150としては、各
種の紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等
に用いられるプラスチック材、布帛、アルミニウムや銅
等の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合
板等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポン
ジ等の三次元構造体等を対象とすることができる。
【0110】また、この記録装置として、各種の紙やO
HPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパ
クトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチ
ック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、
皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木
材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミック
ス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して
記録を行う記録装置、または布帛に記録を行う捺染装置
等をも含むものである。また、これらの液体吐出装置に
用いる吐出液としては、それぞれの被記録媒体や記録条
件に合わせた液体を用いればよい。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、気泡発生
手段によって気泡が発生した初期で気泡が略等方成長し
ている期間内に、直ちに液流路と液体供給口との連通状
態を可動部材によって遮断し、液流路内を吐出口を除い
て、実質的に密閉状態にする構成をとった事で、気泡発
生領域での気泡成長による圧力波を液体供給口側および
共通液体供給室側に伝播せずに、その大部分を吐出口側
に向けて、吐出パワーを飛躍的に向上させることが可能
になった。また、記録紙などに高速に定着させたり、黒
とカラーの境界での滲み(にじみ)を解消するために、
記録液に高粘度のものを使う場合でも、吐出パワーの飛
躍的向上により高粘度インクを良好に吐出することがで
きる。また、記録時の環境変化、特に低温・低湿環境下
では吐出口においてインク増粘領域が増え、使用開始時
に正常にインクが吐出されない場合があるが、本発明で
は一発目から良好に吐出できる。また、吐出パワーが飛
躍的に向上したので、気泡発生手段として用いる発熱体
のサイズを縮小したりして、吐出のために投入するエネ
ルギーを減らすこともできる。
【0112】また、気泡の収縮に伴い可動部材が気泡発
生手段側へ変位し、共通液体供給室から液体供給口を介
して液体が急速に大きな流れとなって液流路内へ流れ込
む。これにより、メニスカスMを液流路内へと急速に引
き込む流れが急に低下するため、液滴吐出後の吐出口に
おけるメニスカスの後退量が減少する。その結果、吐出
後、メニスカスが初期状態に復帰する時間が非常に早
い、すなわち、液流路への定量のインク補充(リフィ
ル)が完了する時間が早いので、高精度(定量)のイン
ク吐出を実施するにあたり吐出周波数(駆動周波数)を
も飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による液体吐出ヘッ
ドの1つの液流路方向に沿った断面図である
【図2】図1のX一X’線断面図である。
【図3】図1のY−Y’線断面図である。
【図4】「直線的連通状態」を説明する流路の断面図で
ある。
【図5】図1〜図3に示した構造の液体吐出ヘッドの吐
出動作を説明するために、液体吐出ヘッドを液流路方向
に沿った切断図で示すとともに、特徴的な現象を分けて
示したものである。
【図6】図5の続きの吐出動作を説明するために、液体
吐出ヘッドを液流路方向に沿った切断図で示したもので
ある。
【図7】図5(b)の気泡の等方的な成長状態を示す図
である。
【図8】図4に示したA領域とB領域での気泡成長の時
間変化と可動部材の挙動との相関関係を表したグラフで
ある。
【図9】図1に示した可動部材と発熱体の相対位置とは
異なる形態の液体吐出ヘッドにおける、気泡成長の時間
変化と可動部材の挙動との相関関係を表したグラフであ
る。
【図10】図1に示した可動部材と発熱体の相対位置と
は異なる形態の液体吐出ヘッドにおける、気泡成長の時
間変化と可動郡材の挙動との相関関係を表したグラフで
ある。
【図11】本発明の第1の実施の形態による液体吐出ヘ
ッドの製造方法を説明するための図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態による液体吐出ヘ
ッドの製造方法を説明するための図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態による液体吐出ヘ
ッドの製造方法を説明するための図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態による液体吐出ヘ
ッドの製造方法を説明するための図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態による液体吐出ヘ
ッドの製造方法を説明するための図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態による液体吐出ヘ
ッドの概略構成を示す断面図である。
【図17】本発明の液体吐出方法を適用したサイドシュ
ータタイプのヘッドの例を説明するための図である。
【図18】発熱体面積とインク吐出量との相対関係を示
すグラフである。
【図19】本発明の液体吐出ヘッドの縦断面図を示した
もので、(a)は保護膜があるもの、(b)は保護膜が
ないものである。
【図20】本発明に使用する発熱体を駆動する波形の図
である。
【図21】本発明の液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出
装置の概略構成を示す図である。
【図22】本発明の液体吐出方法および液体吐出ヘッド
において液体吐出記録を行うための装置全体のブロック
図である。
【図23】従来の液体吐出ヘッドにおける可動部材の様
子を示す断面図である。
【図24】本発明の第1の実施の形態による液体吐出ヘ
ッドの変形例を示したものである。
【図25】本発明の第1の実確の形態の変形形態による
液体吐出ヘッド及び比較形態による液体吐出ヘッドの吐
出動作を説明するために、液体吐出ヘッドを液流路方向
に沿った切断図で示すとともに、特徴的な現象を分けて
示したものである。
【符号の説明】
1 素子基板 2 天板 3 液流路 4 発熱体(気泡発生手段) 5 液体供給口 6 共通液体供給室 7 吐出口 8 可動部材 9 支持部材 10 流路側壁 11 気泡発生領域 21 気泡 22 吐出滴 25 Al膜パターン 26、29、37、38 SiN膜 27、28 Al膜 30、36 間隙形成部材 31 感光性エポキシ樹脂 35 SiO2膜 37a 可動部 37b 支持部 37c スリット 39 流路壁 102 耐キャビテーション層 103 保護膜 104 配線電極 105 抵抗層 106 チッ化シリコン膜 107 基体 201 シリコン基体 202 熱酸化膜 203 層間膜 204 抵抗層 205 配線 206 保護層 207 耐キャビテーション膜 208 熱作用部 300 ホストコンピュータ 301 入出力インターフェイス 302 CPU 303 ROM 304 RAM 305 モータドライバ 307 ヘッドドライバ 600 インクジェット記録装置 601 ヘッドカートリッジ 602 駆動モータ 603、604 駆動伝達ギア 605 リードスクリュー 606 螺旋溝 607 キャリッジ 607a レバー 608 ガイド 609 プラテン 610 紙押さえ板 611、612 フォトカプラ 613 支持部材 614 キャップ部材 615 インク吸引手段 617 クリーニングブレード 618 移動部材 619 本体支持体 620 レバー 621 カム α、β、γ 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹之内 雅典 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 池田 雅実 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 杉谷 博志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 斉藤 敬 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−235829(JP,A) 特開 平9−48122(JP,A) 特開 平10−202915(JP,A) 特開 平10−58702(JP,A) 特開 平2−113950(JP,A) 特表2002−500975(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出するための複数の吐出口と、 前記各吐出口に一端部が常に連通され、液体に気泡を発
    生させる気泡発生領域を有する複数の液流路と、 前記気泡を発生し成長させるためのエネルギーを発生す
    る気泡発生手段と、 前記複数の液流路にそれぞれ配設され、共通液体供給室
    と連通する複数の液体供給口と、 前記液体供給口の前記液流路側に対して微小な隙間を隔
    てて支持された、自由端を有する可動部材とを有し、 前記可動部材の少なくとも自由端部及びそれに連続する
    両側部で囲まれる領域が前記液体供給口の液流路に対す
    る開口領域よりも大きくなっており、 前記気泡発生手段に駆動電圧が印加されてから、前記気
    泡発生手段によって気泡の全体が略等方成長している期
    間が終了するまでの間に、前記可動部材が前記開口領域
    を密閉して実質的に遮断する期間を有し、 前記可動部材が前記開口領域を密閉して実質的に遮断す
    る期間の後、前記気泡発生手段によって発生した気泡の
    うちの前記吐出口側の部分が成長している間に、前記可
    動部材が前記液流路内の前記気泡発生手段側に変位を開
    始し、前記共通液体供給室から前記液流路への液体供給
    を可能とする液体吐出ヘッドであって、 前記吐出口から吐出する液滴の体積をVdとし、 前記吐出口から液体を吐出した際に、該吐出口から前記
    液流路内に最大に後退する液面までの引き込み体積をV
    mとした場合、 Vd>Vm の関係が成り立つことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記可動部材は、前記液流路を形成する
    液路壁との間にも隙間を有することを特徴とする請求項
    1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記可動部材と前記液体供給口との間の
    微小な隙間は、約10μm以下であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記吐出口と前記気泡発生手段とは、直
    線的連通状態となっていることを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記吐出口からの液体の吐出方向と前記
    気泡発生手段が設けられた面の法線方向が、はぼ直交し
    ていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項
    に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記吐出口が、前記気泡発生手段と対向
    していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1
    項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1項に記載の
    液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドから吐出された液
    体を受け取る被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段
    と、を備えた液体吐出装置。
  8. 【請求項8】 前記液体吐出ヘッドからインクを吐出
    し、前記被記録媒体に該インクを付着させることで記録
    を行うことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装
    置。
  9. 【請求項9】 液体を吐出するための複数の吐出口と、 前記各吐出口に一端部が常に連通され、液体に気泡を発
    生させる気泡発生領域を有する複数の液流路と、 前記気泡を発生し成長させるためのエネルギーを発生す
    る気泡発生手段と、 前記複数の液流路にそれぞれ配設され、共通液体供給室
    と連通する複数の液体供給口と、 前記液体供給口の前記液流路側に対して微小な隙間を隔
    てて支持された、自由端を有する可動部材とを有し、 前記可動部材の少なくとも自由端部及びそれに連続する
    両側部で囲まれる領域が前記液体供給口の液流路に対す
    る開口領域よりも大きくなっており、 前記気泡発生手段に駆動電圧が印加されてから、前記気
    泡発生手段によって気泡の全体が略等方成長している期
    間が終了するまでの間に、前記可動部材が前記開口領域
    を密閉して実質的に遮断する期間を有し、 前記可動部材が前記開口領域を密閉して実質的に遮断す
    る期間の後、前記気泡発生手段によって発生した気泡の
    うちの前記吐出口側の部分が成長している間に、前記可
    動部材が前記液流路内の前記気泡発生手段側に変位を開
    始し、前記共通液体供給室から前記液流路への液体供給
    を可能とする液体吐出ヘッドの液体吐出方法であって、 前記吐出口から吐出する液滴の体積をVdとし、 前記吐出口から液体を吐出した際に、該吐出口から前記
    液流路内に最大に後退する液面までの引き込み体積をV
    mとした場合、 Vd>Vm の関係が成り立つことを特徴とする液体吐出方法。
  10. 【請求項10】 前記可動部材は、前記液流路を形成す
    る液路壁との間にも隙間を有することを特徴とする請求
    項9に記載の液体吐出方法。
  11. 【請求項11】 前記可動部材と前記液体供給口との間
    の微小な隙間は、約10μm以下であることを特徴とす
    る請求項9又は10に記載の液体吐出方法。
  12. 【請求項12】 前記吐出口と前記気泡発生手段とは、
    直線的連通状態となっていることを特徴とする請求項9
    から11のいずれか1項に記載の液体吐出方法。
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