JP2001225474A - 回復方法および液体吐出装置 - Google Patents

回復方法および液体吐出装置

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JP2001225474A
JP2001225474A JP2000037150A JP2000037150A JP2001225474A JP 2001225474 A JP2001225474 A JP 2001225474A JP 2000037150 A JP2000037150 A JP 2000037150A JP 2000037150 A JP2000037150 A JP 2000037150A JP 2001225474 A JP2001225474 A JP 2001225474A
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Ryoji Inoue
良二 井上
Masahiko Kubota
雅彦 久保田
Kiyomitsu Kudo
清光 工藤
Masanori Takenouchi
雅典 竹之内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な液体吐出方法により残留気泡の排除を
可能にし、液体吐出装置に、通常の吐出動作において安
定的に液体を吐出させるための回復方法を確立する。 【解決手段】 共通液体供給室6と連通する複数の液体
供給口5と液流路3の間の弁であり、液体供給口5の液
流路3側に対して微小な隙間を隔てて片持ち支持された
可動部材8を有する液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出
装置において、画像記録以外のときに、発熱体4を加熱
して気泡を発生させ可動部材8を変位させ、可動部材8
が液体供給口5へ向かって変位中に気泡を発生させ、残
留気泡が下流側に移動したときに吐出口を通して液体を
吸引することで、残留気泡23を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーを液
体に作用させて気泡を発生させることによって液体を吐
出する液体吐出方法、回復方法、およびその回復方法を
用いた液体吐出装置に関する。
【0002】また、本発明は、紙、糸、繊維、布帛、皮
革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス
等の被記録媒体に対し記録を行うプリンタ、複写機、通
信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有する
ワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複
合的に組み合わせた産業用記録装置に適用できる発明で
ある。
【0003】なお、本発明における、「記録」とは、文
字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与
することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像
を付与することをも意味するものである。
【0004】
【従来の技術】従来、プリンター等の記録装置におい
て、流路中の液体インクに熱等のエネルギーを与えて気
泡を発生させ、それに伴う急峻な体積変化に基づく作用
力によって吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒
体上に付着させて画像形成を行なうインクジェット記録
方法、いわゆるバブルジェット記録方法が知られてい
る。このバブルジェット記録方法を用いる記録装置に
は、米国特許第4,723,129号等に開示されてい
るように、インクを吐出するための吐出口と、この吐出
口に連通する流路と、流路内に配されたインクを吐出す
るためのエネルギー発生手段としての電気熱変換体が一
般的に配されている。
【0005】この様な記録方法によれば、品位の高い画
像を高速、低騒音で記録することができると共に、この
記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐出
口を高密度に配置することができるため、小型の装置で
高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得る
ことができるという多くの優れた点を有している。この
ため、このバブルジェット記録方法は近年、プリンタ
ー、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利
用されており、さらに、捺染装置等の産業用システムに
まで利用されるようになってきている。
【0006】このようにバブルジェット技術が多方面の
製品に利用されるに従って様々な要求が高まっており、
例えば、高画質な画像を得るために、インクの吐出スピ
ードが速く、安定した気泡発生に基づく良好なインク吐
出を行える液体吐出方法等を与えるための駆動条件が提
案されたり、また、高速記録の観点から、吐出された液
体の液流路内への充填(リフィル)速度の速い液体吐出
ヘッドを得るために流路形状を改良したものも提案され
ている。
【0007】このうち、ノズル内において気泡を発生さ
せ、この気泡成長に伴い液体を吐出させるヘッドにおい
て、吐出口とは反対方向への気泡成長およびこれによる
液流が吐出エネルギー効率及びリフィル特性を低下させ
る要因として知られており、このような吐出エネルギー
効率及びリフィル特性を向上させる構造の発明がヨーロ
ッパ特許出願公開公報EP0436047A1に提案されてい
る。
【0008】この公報に記載の発明は、吐出口近傍域と
気泡発生部との間にこれらを遮断する第1弁と、気泡発
生部とインク供給部との間にこれらを完全に遮断する第
2弁とを交互に開閉させるものである(EP43604
7A1の第4〜9図)。例えば同公報第7図の例では、
図26に示すように、インク流路112の内壁を形成す
る基板125上のインク槽116とノズル115との間
のインク流路112のほぼ中央に発熱体110が設けら
れている。発熱体110は、インク流路112内部の、
周囲を全て閉じた区画120内に在る。インク流路11
2は、基板125と、基板125上に直接積層した薄膜
123,126と、閉止体としての舌状片113、13
0とで構成されている。開放された舌状片は図26では
破線で示されている。基板125と平行な平面内に延在
してストッパ124で終結する別の薄膜123はインク
流路112上を遮蔽する。インク中に気泡が発生する
と、ノズル領域内の舌状片130の、静止状態でストッ
パ126に密着してあるその自由端は、上に向かって変
位し、インク液は区画120からインク流路112中
へ、ついでノズル115を通じて射出される。このと
き、インク槽116の領域内に設けた舌状片113は静
止状態でストッパ124に密着しているため、区画12
0内のインク液はインク層116に向かうことはない。
インク中の気泡が消泡すると、舌状片130は下に向け
て変位し、ストッパ126に再び密着する。そして、舌
状片113はインク区画120内に倒れ落ち、これによ
りインク液が区画120中に流入する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、EP0436047
A1に記載の発明では、リフィルによって完全に消泡さ
れずに微小な気泡が残ることがある。また、発熱体11
0上にコゲなどの異物があるとそれを核として核沸騰を
起こす。この核沸騰は100℃程度の低温で起こり、そ
の気泡内圧力が1気圧であるために消泡されないことが
ある。これらはいずれも高周波数で駆動しており発熱体
が昇温したときに多く発生する。こうして発生した気泡
が舌状片113の下部等に滞留して残留気泡となること
があった。そして、この残留気泡が画像記録のためのイ
ンク吐出時の圧力波伝播をバッファのように吸収して、
液体吐出を不安定にさせる場合があった。また、残留気
泡を排除するためにノズル115からのインク吸引によ
る回復動作を行っても、舌状片113の下部の支点付近
にはインクの流れが起こりにくいため、残留気泡を排除
するのは困難であった。
【0010】本発明は、画像記録のための吐出動作を安
定的に行うため、残留気泡を排除することを可能にする
画期的な方法や液体吐出装置の構成を見い出すべく新た
な着想に基づく発明を提案するものである。
【0011】本発明者達は鋭意研究の結果、気泡の発生
を制御して逆止弁を振動させることにより残留気泡を移
動させることができ、そのときに吸引回復の動作を行う
と残留気泡を排除できることを見出した。
【0012】すなわち本発明の目的は、新規な液体吐出
方法により残留気泡の排除を可能にし、液体吐出装置
に、通常の吐出動作において安定的に液体を吐出させる
ための回復方法を確立することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の回復方法は、液
体を吐出するための複数の吐出口と、前記各吐出口に一
端部が常に連通され他端部が閉じられた、液体に気泡を
発生させる気泡発生領域を有する複数の液流路と、前記
気泡を発生し成長させるためのエネルギーを発生する気
泡発生手段と、前記複数の液流路にそれぞれ配設され、
大容積の共通液体供給室と同時に連通する複数の液体供
給口と、前記液体供給口の前記液流路側に対して微小な
隙間を隔てて片持ち支持された自由端を有する可動部材
とを有し、前記可動部材の少なくとも自由端部及びそれ
に連続する両側部で囲まれる領域が前記液体供給口の液
流路に対する開口領域よりも大きくなっている液体吐出
ヘッドの回復方法であって、前記吐出口から前記液流路
内の液体を吸引しながら、前記気泡発生手段を駆動して
気泡を発生させることを特徴とする。
【0014】次に、本発明の液体吐出装置は、液体を吐
出するための複数の吐出口と、前記各吐出口に一端部が
常に連通され他端部が閉じられた、液体に気泡を発生さ
せる気泡発生領域を有する複数の液流路と、前記複数の
液流路にそれぞれ配設され、大容積の共通液体供給室と
同時に連通する複数の液体供給口と、前記液体供給口の
前記液流路側に対して微小な隙間を隔てて片持ち支持さ
れた自由端を有する可動部材と、前記気泡を発生し成長
させるためのエネルギーを発生する気泡発生手段とを有
し、前記可動部材の少なくとも自由端部及びそれに連続
する両側部で囲まれる領域が前記液体供給口の液流路に
対する開口領域よりも大きくなっている液体吐出ヘッド
を着脱自在に保持する保持手段と、前記吐出口から前記
液流路内の液体を吸引しながら、前記気泡発生手段を駆
動して気泡を発生させる回復機構と、を有することを特
徴とする。
【0015】また、本発明の液体吐出装置は、前記液体
吐出ヘッドから液体を吸引する液体吸引手段をさらに有
してもよい。
【0016】本発明によると、可動部材の振動により発
生する大きな液体流によって残留気泡が壁面から離れや
すくなる。残留気泡が下流側に移動すると残留気泡を排
除しやすくなる。その状態で吐出口を通して液体を吸引
することで、残留気泡を排除することができる。残留気
泡を排除することによって、被記録媒体に画像記録を行
う場合の通常の吐出動作を安定させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0018】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態による液体吐出ヘッドの1つの液流路方向
に沿った断面図、図2は図1のX−X’線断面図、図3
は図1の吐出口中心からY1点で天板2側へシフトした
Y−Y’線断面図である。
【0019】図1〜図3に示す複数液路−共通液室形態
の液体吐出ヘッドでは、素子基板1と天板2とが液路側
壁10を介して積層状態で固着され、両板1,2の間に
は、一端が吐出口7と連通し他端が閉じられた液流路3
が形成されている。この液流路3は1個のヘッドに多数
設けられている。また、素子基板1には各々の液流路3
に対し、液流路3に補充された液体に気泡を発生させる
気泡発生手段としての電気熱変換素子等の発熱体4が配
されている。発熱体4と吐出液との接する面の近傍領域
には、発熱体4が急速に加熱されて吐出液に発泡が生じ
る気泡発生領域11が存在する。
【0020】多数の液流路3の各々に、供給部形成部材
5Aに形成された液体供給口5が配設され、各液体供給
口5に同時に連通する大容積の共通液体供給室6が設け
られている。つまり、単一の共通液体供給室6から多数
の液流路3に分岐した形状となっており、各液流路3と
連通する吐出口7から吐出された液体に見合う量の液体
をこの共通液体供給室6から受け取る。
【0021】液体供給口5と液流路3との間には、可動
部材8が液体供給口5の開口領域Sに対して微小な隙間
α(例えば10μm以下)を有して略平行に設けられて
いる。可動部材8の少なくとも自由端部及びそれに連続
する両側部で囲まれる領域が液体供給口5の開口領域S
よりも大きくなっており(図3参照)、かつ、可動部材
8の側部と両側の流路側壁10のそれぞれとの間は微小
な隙間βを有する(図26参照)。前述した供給部形成
部材5Aは、可動部材8に対して、図2に示すように隙
間γを介している。隙間β、γは、流路のピッチによっ
て異なるが、隙間γが大きければ可動部材8は開口領域
Sを遮断し易く、隙間βが大きければ可動部材8は隙間
αを介して位置する定常状態よりも消泡に伴って素子基
板1側へ移動し易くなる。本実施形態では、隙間αは3
μm、隙間βは3μm、隙間γは4μmとした。また、
可動部材8は、流路側壁10の間の幅方向で、上記開口
領域Sの幅W2よりも大きい幅W1を有しており、開口
領域Sを十分密閉できる幅を有している。可動部材8の
8Aは、複数の可動部材が複数液路に交差する方向に関
して連続している連続部の自由端側の端部延長線上で、
液体供給口5の開口領域Sの上流側端部を規定する(図
3参照)。本実施形態では、図2及び図3に示すように
液流路側壁10自体の厚みよりも、供給部形成部材5A
の可動部材8に沿っている部分の厚みが小さく設定して
おり、流路壁10に対して供給部形成部材5Aが積層さ
れている。なお、供給部形成部材5Aの可動部材の自由
端8Bよりも吐出口7側は、図3に示すように液流路壁
10自体の厚みに対して同じ厚さに設定されている。以
上により可動部材8は液流路3内で摩擦抵抗なく可動で
きる一方で、開口領域S側への変位は開口領域Sの周辺
部で規制できる。これにより、開口領域Sを実質的に塞
いで液流路3内部から共通液体供給室6への液流を防ぐ
ことが可能となる一方で、気泡の消泡に伴って、液流路
側へ実質密閉状態からリフィル可能状態へ移動可能とな
る。また本実施形態では、可動部材8は素子基板1に対
しても素子基板1に平行に位置する。そして可動部材8
の端部8Bは素子基板1の発熱体4側に位置する自由端
であり、その他端側は固定部材9に支持されている。ま
た、この固定部材9によって液流路3の吐出口7と反対
側端を閉じている。
【0022】なお、開口領域Sは、液体供給口5から液
流路3に向かって液体を供給する実質的な領域であり、
本実施形態においては図1及び図3に示すように液体供
給口5の3辺と固体部材9の端部9Aで囲まれた領域で
ある。
【0023】また、図4に示すように本実施形態におい
ては、電気熱変換体としての発熱体4と吐出口7との間
は弁のような障害物は無く、液流に対し直線的な流路構
造を保っている「直線的連通状態」となっている。これ
は、より好ましくは、気泡の発生時に生じる圧力波の伝
播方向とそれに伴う液体の流動方向と吐出方向とが直線
的に一致させることで、吐出滴の吐出方向や吐出速度等
の吐出状態をきわめて高いレベルで安定化させるという
理想状態を形成することが望ましい。本発明では、この
理想状態を達成、または近似させるための一つの定義と
して、吐出口7と発熱体4、特に気泡の吐出口側に影響
力を持つ発熱体の吐出口側(下流側)とが直接直線で結ば
れる構成とすればよく、これは、流路内の流体がない状
態であれば、吐出口の外側から見て発熱体、特に発熱体
の下流側が観察することが可能な状態である(図4参
照)。
【0024】次に、本実施形態の液体吐出ヘッドの、通
常の画像記録を行う場合の吐出動作について詳しく説明
する。図5〜図7は図1〜図3に示した構造の液体吐出
ヘッドの通常の画像記録を行う場合の吐出動作を説明す
るために、液体吐出ヘッドを液流路方向に沿った切断図
で示すとともに、特徴的な現象を図5〜図7の6工程に
分けて示したものである。また図5〜図7において符号
Mは吐出液が形成するメニスカスを表している。
【0025】図5(a)では、発熱体4に電気エネルギ
ー等のエネルギーが印加される前の状態であり、発熱体
が熱を発生する前の状態を示す。この状態では、液体供
給口5と液流路3との間に設けられた可動部材8と、液
体供給口5の形成面との間には微小な隙間(10μm以
下)が存在している。
【0026】図5(b)では、液流路3を満たす液体の
一部が発熱体4によって加熱され、発熱体4上に膜沸騰
が起こり気泡21が等方的に成長した状態を示す。ここ
で、「気泡成長が等方的」とは、気泡表面の所々におい
て気泡表面の垂線方向を向いた気泡成長速度がそれぞれ
ほぼ等しい大きさである状態をいう。
【0027】この気泡発生初期の、気泡21の等方的な
成長過程において、可動部材8が液体供給口5の周辺部
と密着して液体供給口5を塞ぎ、液流路3内が、吐出口
7を除いて実質的に密閉状態になる。この時、可動部材
8の自由端が、液体供給口5側に最大変位する量をh1
とする。
【0028】図6(a)は気泡21が成長し続けている
状態を示す。この状態では、上述のように液流路3内
が、吐出口7を除いて実質的に密閉状態になっているの
で、液体の流れが液体供給口5側には行かない。そのた
め、気泡は、吐出口7側へは大きく広がることができる
が、液体供給口5側へはあまり広がらない。そして、気
泡発生領域11の吐出口7側では気泡成長は続くが、逆
に、気泡発生領域11の液体供給口5側では気泡成長が
止まってしまう。つまり、この気泡成長停止状態が、気
泡発生領域11の液体供給口5側では、最大発泡状態に
なっている。この時の発泡体積をVrとする。
【0029】ここで、図5(a),(b)及び図6
(a)における気泡の成長過程を図8に基づき詳述す
る。図8(a)に示すように発熱体が加熱されると発熱
体上に初期沸騰が生じ、その後図8(b)に示すように
発熱体上を膜状の気泡が覆う膜沸騰に変化する。そして
膜沸騰状態の気泡は図8(b)〜図8(c)に示すよう
に等方的に成長し続ける(このように等方的に気泡成長
している状態は半ピュロー状態と呼ばれる。)。ところ
が図5(b)に示したように液流路3内が、吐出口7を
除いて実質的に密閉状態になると、上流側への液移動が
できなくなるため、半ピュロー状の気泡において上流側
(液体供給口側)の気泡の一部があまり成長できなくな
り、残りの下流側(吐出口側)の部分が大きく成長す
る。この状態を表したのが、図6(a)や図8(d)、
(e)である。
【0030】ここで説明の便宜上、発熱体4を加熱して
いるとき、発熱体4上において気泡が成長しない領域を
B領域とし、気泡が成長する吐出口7側の領域をA領域
とする。なお、図8(e)に示すB領域では、発泡体積
が最大となっており、このときの発泡体積をVrとし
た。
【0031】次に図6(b)は、A領域では気泡成長が
続いており、B領域では気泡収縮が始まっている状態を
示す。この状態では、A領域では吐出口側に向けて気泡
が大きく成長していく。そして、B領域における気泡の
体積は減少し始める。これにより、可動部材8の自由端
がその剛性による復元力やB領域における気泡の消泡力
で定常状態位置へと下方変位し始める。その結果、液体
供給口5が開き、共通液体供給室6と液流路3が連通状
態となる。
【0032】図7(a)は、気泡21がほぼ最大に成長
した状態を示す。この状態では、A領域において気泡が
最大に成長し、これに伴ってB領域における気泡はほと
んど無くなる。この時のA領域での最大気泡体積をVf
とする。また、吐出口7から吐出しつつある吐出滴22
は、長い尾引きの状態でメニスカスMと未だ繋がってい
る。
【0033】図7(b)は、気泡21の成長は止まり消
泡工程のみの段階であって、吐出滴22とメニスカスM
が分断された状態を示す。A領域で気泡成長から消泡に
変わった直後は、気泡21の収縮エネルギーは全体バラ
ンスとして吐出口7近傍の液体を上流方向へ移動させる
力として働く。したがって、メニスカスMはこの時点で
吐出口7から液流路3内に引き込まれ、吐出液滴22と
繋がっている液柱を強い力ですばやく切り離すことにな
る。その一方で、気泡の収縮に伴い、共通液体供給室6
から液体供給口5を介して液体が急速に大きな流れとな
って液流路3内へ流れ込む。これにより、メニスカスM
を液流路3内へと急速に引き込む流れが急に低下するた
め、メニスカスMは比較的低速で発泡前の位置へ戻り始
めるので、本発明に係る可動部材を備えていない液体吐
出方式に比べてメニスカスMの振動の収束性が非常に良
い。なお、この時の可動部材8の自由端が、気泡発生領
域11側に最大変位する量をh2とする。
【0034】最後に、気泡21が完全に消泡すると、可
動部材8も図5(a)に示した定常状態位置に復帰す
る。この状態へは、可動部材8はその弾性力により上方
変位する(図7(b)の実線の矢印方向)。また、この
状態では、メニスカスMはすでに吐出口7近傍で復帰し
ている。
【0035】次に、図5〜図7におけるA領域とB領域
での気泡体積の時間変化と可動部材の挙動との相関関係
を図9を参照して説明する。図9はその相関関係を表し
たグラフであり、曲線AはA領域における気泡体積の時
間変化を示し、曲線BはB領域における気泡体積の時間
変化を示す。
【0036】図9に示すように、A領域での気泡の成長
体積の時間変化は極大値をもつ放物線を描く。つまり、
発泡開始されてから消泡までにおいて気泡体積は時間経
過とともに増大しある時点で最大となり、その後減少す
る。一方、B領域については、A領域の場合と比べ、発
泡開始されてから消泡までに要する時間が短く、また気
泡の最大成長体積も小さく、最大成長体積に達する時間
も短い。つまり、A領域とB領域とでは、発泡開始され
てから消泡までに要する時間と気泡の成長体積変化とが
大きく異なっていて、B領域の方が小さい。
【0037】特に図9において、気泡の発生初期は同じ
時間変化で気泡体積が増大するため、曲線Aと曲線Bが
重なってる。つまり、気泡の発生初期は気泡が等方的に
成長している(半ピュロー状の)期間が生じている。そ
の後、曲線Aが極大点まで増大する曲線を描くものの、
ある時点で曲線Bは曲線Aから分岐し、気泡体積が減少
する曲線を描く。つまり、A領域では気泡の体積が増加
するものの、B領域では気泡体積が減少する期間(部分
成長部分収縮期間)が生じる。
【0038】そして、上記のような気泡成長の仕方に基
づき、図1に示したように発熱体の一部分を可動部材の
自由端が覆った形態では、可動部材は次のような挙動を
生じる。すなわち、図9のの期間では可動部材が液体
供給口に向かって上方変位している。同図の期間では
可動部材が液体供給口に密着し、液流路内が吐出口を除
いて実質的に密閉状態となる。この密閉状態の開始は気
泡が等方的に成長している期間で行われる。次に同図
の期間では、可動部材が定常状態位置に向かって下方変
位している。この可動部材による液体供給口の開放開始
は部分成長部分収縮期間開始から一定時間経過後に行わ
れる。次に同図の期間では、可動部材が定常状態から
さらに下方変位している。次に同図の期間では、可動
部材の下方変位がほぼ停止し、可動部材が開放位置で平
衡状態になっている。最後に同図の期間では、可動部
材が定常状態位置に向かって上方変位している。
【0039】このような気泡成長と可動部材の挙動との
相関関係は、可動部材と発熱体との相対位置に影響され
る。そこで、図10および図11を参照し、本形態と異
なる相対位置の可動部材と発熱体を備えた液体吐出ヘッ
ドにおける気泡成長と可動部材の挙動との相関関係を説
明する。
【0040】図10は、発熱体全体を可動部材の自由端
が覆った形態における気泡成長と可動部材の挙動との相
関関係を説明するための図で、(a)はその形態を、
(b)はその相関関係のグラフを示している。図10の
(a)で示す形態のように発熱体と可動部材が重なって
いる面積が大きいと、図10のの期間が図1の形態の
場合と比べて短時間となり、発熱体を加熱してから短時
間で密閉状態になるので、より好ましい。なお、図10
の〜の各期間の可動部材の挙動は図9に基づいて説
明した挙動と同じである。また図10の形態をとると、
可動部材が気泡の体積減少の影響を受けやすくなるた
め、同図の期間開始時点から判るように、可動部材に
よる液体供給口の開放開始は部分成長部分収縮期間開始
から即座に行われる。つまり、可動部材の開放タイミン
グが図1の形態の場合と比べて早い。同様の理由で、可
動部材8の振幅が大きくなる。
【0041】また図11は、発熱体と可動部材が離れて
いる形態における気泡成長と可動部材の挙動との相関関
係を説明するための図で、(a)はその形態を、(b)
はその相関関係のグラフを示している。図11の(a)
で示す形態のように発熱体と可動部材とが離れている
と、可動部材が気泡の体積減少の影響を受けにくいた
め、同図の期間開始時点から判るように、可動部材に
よる液体供給口の開放開始は部分成長部分収縮期間開始
からかなり遅れて行われる。つまり、可動部材の開放タ
イミングが図1の形態の場合と比べて遅い。同様の理由
で、可動部材の振幅が小さくなる。なお、図11の〜
の各期間の可動部材の挙動は図9に基づいて説明した
挙動と同じである。
【0042】なお、上記可動部材8と発熱体4との位置
関係は一般的な動作の説明をしたもので、可動部材の自
由端の位置、可動部材の剛性などによって各動作は異な
ってくるものである。
【0043】また、図9〜図11から判るように、気泡
発生領域11の吐出口7側で成長する気泡(A領域の気
泡)の最大時の体積をVfとし、気泡発生領域11の液
体供給口5側で成長する気泡(B領域の気泡)の最大時
の体積をVrとすると、Vf>Vrの関係が本発明のヘ
ッドでは常に成り立っている。さらに、気泡発生領域1
1の吐出口7側で成長する泡(A領域の泡)のライフタ
イム(泡の発生から消泡までの時間)をTfとし、気泡
発生領域11の液体供給口5側で成長する泡(B領域の
泡)のライフタイムをTrとすると、Tf>Trの関係
が本発明のヘッドでは常に成り立つ。そして、上記のよ
うな関係となるため、気泡の消泡点は、気泡発生領域1
1の中心付近より吐出口7側に位置することとなる。
【0044】さらに本ヘッド構成では、図5(b)及び
図7(b)からも判るように、気泡の発生初期に可動部
材8の自由端が液体供給口5側に最大変位する量h1よ
りも、気泡の消泡と共に可動部材8の自由端が気泡発生
手段4側に最大変位する量h2の方が大きいという関係
(h1<h2)にある。例えばh1は2μm、h2は1
0μmである。この関係が成り立つことにより、発泡初
期での発熱体後方(吐出口に対して反対方向)への泡の
成長を抑制し、発熱体前方(吐出口に向かう方向)への
泡の成長をより促進させることができる。この事によっ
て、発熱体で生じる発泡パワーを、液体が吐出口から飛
翔する液滴の運動エネルギーへ変換させる効率を向上さ
せることができる。
【0045】一般に、液体吐出ヘッドでは、気泡がリフ
ィルによって完全に消泡されずに微小な残留気泡が残る
ことがある。また、発熱体4上にコゲなどの異物がある
とそれを核として核沸騰を起こす。この核沸騰は100
℃程度の低温で起こり、その気泡内圧力は1気圧である
ために消泡されないことがある。これらはいずれも高周
波数で駆動しており発熱体4が昇温したときに多く発生
する。こうして発生した気泡が可動部材8の下部の底面
や側面に付着し残留気泡となることがあった。そして、
この残留気泡が画像記録のためのインク吐出時の圧力波
伝播をバッファのように吸収して、液体吐出を不安定に
させる場合があった。
【0046】インクジェット記録ヘッドでは、残留気泡
の排除、および吐出口7で増粘したインクの除去により
吐出特性を維持するために、吐出口7側から強制的にイ
ンクを吸引する吸引回復が一般的に行われる。
【0047】しかし、この構造では、単に吸引しても上
流側にはインクの流れはほとんど生じないため、残留気
泡の除去は困難である。
【0048】残留気泡が滞留した状態を図12に示す。
この状態の場合には、吐出口7を「通して強制的に液体
を吸引する通常の吸引回復動作を行っても、吸引によっ
て可動部材8が開放され、可動部材8に沿って液体供給
口5から自由端に向かって液体の流れが起こるが、可動
部材8の支点付近(特に側面や底面付近)には液体の流
れが起こりにくい。そのため、可動部材8の支点付近の
側面や底面に残留気泡が滞留すると、その残留気泡は、
通常の回復動作では除去するのが困難な場合があった。
【0049】そこで、通常の吐出動作とは別に吸引回復
のための吐出動作を行う。
【0050】本実施形態の液体吐出ヘッドの、吸引回復
動作について説明する。図13、図14は図1〜図3に
示した構造の液体吐出ヘッドの、吸引回復のための吐出
動作を説明するために、液体吐出ヘッドを液流路方向に
沿った切断図で示すとともに、特徴的な減少を図13、
図14の4工程に分けて示したものである。
【0051】図13(a)は、吐出口7を通した強制的
な吸引回復動作(図12)中に発熱体4を加熱し気泡を
発生させた状態である。このとき、吸引回復動作のため
に下方変位していた可動部材8が発熱体4上の液体の膜
沸騰による圧力波で上方変位を始める。
【0052】図13(b)は、可動部材8が定常状態付
近まで復帰した状態を示している。このとき、吐出口7
から吸引している状態のため下流方向に液体移動が起こ
りやすく、かつ、可動部材8が閉じようとしているため
液体供給口5からの液体移動の抵抗が大きくなってい
る。このため、気泡は急激に吐出口方向に成長する。
【0053】図14(a)は、可動部材8が液体供給口
5に完全に接触した状態である。このとき気泡は最大発
泡状態から消泡へ向かって収縮し、吐出口7からの吸引
圧力と気泡収縮に伴う圧力が競合するが、吸引回復は並
列されている他の液路(不図示)からも同時に吸引して
いるため、この液路の吸引抵抗が大きくなれば他の流路
から吸引するため、気泡の収縮圧力の方が勝り、気泡の
収縮開始と共に徐々に吸引が行われなくなり、気泡が消
泡に近づくにつれ再び吸引し始める。
【0054】この気泡収縮に伴う液体移動は、液体供給
口5から行われるが、通常の吐出動作とは、可動部材8
の動きと気泡の成長収縮のタイミングがずれている。つ
まり、気泡が収縮を始めようとしているときは、可動部
材8がまだ定常状態付近に位置し、液体供給口5からの
液体移動の抵抗が大きい。そのため、通常吐出動作中に
は液体の流れが発生しない、可動部材8の支点付近から
も液体が流れ始める。その結果、可動部材8の支点付近
に滞留していた残留気泡付近に液体の流れが生じ、残留
気泡が移動するようになる。
【0055】図14(b)に残留気泡が移動している図
を示す。
【0056】このようにして、吸引回復中に発熱体4を
加熱することにより、気泡の成長収縮と可動部材8の変
位のタイミングを通常の吐出動作と異ならせ、通常の吐
出動作、通常の回復方法では発生しない可動部材支点付
近の液体流れを発生させ、可動部材支点付近の残留気泡
を移動させやすくし、残留気泡を吸引回復によって排除
することが可能となる。こうすることによって、被記録
媒体に画像記録を行う場合の通常の吐出動作を安定させ
ることができる。
【0057】(第2の実施の形態)第1の実施の形態の
ヘッド構造においては図1及び図3に示したように、可
動部材8の、固定部材9に対して未接合となる(すなわ
ち、屈曲して立ち上がる)位置が固定部材9の端部9A
とは同じでない為、開口領域Sは、液体供給口5の3辺
と固体部材9の端部9Aで囲まれた領域となったが、図
15及び図16に示す形態のように、可動部材8の固定
部材9からの屈曲立ち上がり位置を固定部材9の端部9
Aとしてもよい。この形態の場合には、開口領域Sは図
15及び図16に示すように、液体供給口5の3辺と可
動部材8の支点部8Aとで囲まれた領域となる。
【0058】また、第1の実施の形態のヘッド構造にお
いて液体供給口5は図3に示したように4つの壁面で囲
まれた開口としたが、図17及び図18に示す形態のよ
うに、供給部形成部材5A(図1参照)のうち、吐出口
7側とは反対の液体供給室6側の壁面が開放されていて
もよい。この形態の場合には、第1の実施の形態と同
様、開口領域Sは図17及び図18に示すように、液体
供給口5の3辺と固定部材9の端部9Aとで囲まれた領
域となる。
【0059】この形態においても、上記した回復のため
の吐出動作を行うと可動部材の振動により発生する大き
な液体流によって残留気泡を下流側に移動させることが
でき、その後に吐出口7から吸引すると残留気泡を排除
することができる。
【0060】(第3の実施の形態)次に、第3の実施の
形態による液体吐出ヘッドを図19を参照して説明す
る。
【0061】図19に示す形態の液体吐出ヘッドでは、
素子基板1と天板2とが接合され、両板1,2の間に
は、一端が吐出口7と連通し他端が閉じられた液流路3
が形成されている。
【0062】液流路3に液体供給口5が配設され、液体
供給口5に連通する共通液体供給室6が設けられてい
る。
【0063】液体供給口5と液流路3との間には、可動
部材8が液体供給口5の開口領域に対して微小な隙間α
(例えば10μm以下)を有して略平行に設けられてい
る。可動部材8の少なくとも自由端部及びそれに連続す
る両側部で囲まれる領域が液体供給口5の液流路に対す
る開口領域Sよりも大きくなっており、かつ、可動部材
8の側部と液流路側壁10との間は微小な隙間βを有す
る。これにより可動部材8は液流路3内で摩擦抵抗なく
可動する一方で、開口領域側への変位は開口領域Sの周
辺部で規制され、液体供給口5を実質的に塞いで液流路
3から共通液体供給室6への液流を防ぐことが可能にな
る。また本実施形態では、可動部材8は素子基板1に対
向に位置する。そして可動部材8の一端は素子基板1の
発熱体4側に変位する自由端であり、その他端側は支持
部9Bに支持されている。
【0064】この形態においても、同様に残留気泡の除
去が可能である。
【0065】(その他の実施の形態)以下、本発明の液
体吐出原理を用いたヘッドに好適な様々な形態例を説明
する。
【0066】<サイドシュータタイプ>図20はいわゆ
るサイドシュータタイプの液体吐出ヘッドの断面図を示
したものである。この説明において、第1の実施の形態
と同一の構成要素には同一符号を用いる。この形態の液
体吐出ヘッドは、図20に示すように発熱体4と吐出口
7が平行平面上で対面し、液流路3が、吐出口7からの
液体の吐出方向に沿った軸方向と直角に連通している点
で、第1の実施の形態と異なっている。このような液体
吐出ヘッドにおいても第1の実施の形態と同様の吐出原
理に基づく効果を奏し、また第3及び第4の実施形態で
説明した製造方法を容易に適用できる。
【0067】<可動部材>上述の実施形態において、可
動部材を構成する材質としては吐出液に対して耐溶剤性
があり、可動部材として良好に動作するための弾性を有
しているものであればよい。
【0068】可動部材の材料としては、耐久性の高い、
銀、ニッケル、金、鉄、チタン、アルミニュウム、白
金、タンタル、ステンレス、りん青銅等の金属、および
その合金、または、アクリロニトリル、ブタジエン、ス
チレン等のニトリル基を有する樹脂、ポリアミド等のア
ミド基を有する樹脂、ポリカーボネイト等のカルボキシ
ル基を有する樹脂、ポリアセタール等のアルデヒド基を
持つ樹脂、ポリサルフォン等のスルホン基を持つ樹脂、
そのほか液晶ポリマー等の樹脂およびその化合物、耐イ
ンク性の高い、金、タングステン、タンタル、ニッケ
ル、ステンレス、チタン等の金属、これらの合金および
耐インク性に関してはこれらを表面にコーティングした
もの若しくは、ポリアミド等のアミド基を有する樹脂、
ポリアセタール等のアルデヒド基を持つ樹脂、ポリエー
テルエーテルケトン等のケトン基を有する樹脂、ポリイ
ミド等のイミド基を有する樹脂、フェノール樹脂等の水
酸基を有する樹脂、ポリエチレン等のエチル基を有する
樹脂、ポリプロピレン等のアルキル基を持つ樹脂、エポ
キシ樹脂等のエポキシ基を持つ樹脂、メラミン樹脂等の
アミノ基を持つ樹脂、キシレン樹脂等のメチロール基を
持つ樹脂およびその化合物、さらに二酸化珪素、チッ化
珪素等のセラミックおよびその化合物が望ましい。本発
明における可動部材としてはμmオーダーの厚さを対象
にしている。
【0069】次に、発熱体と可動部材の配置関係につい
て説明する。発熱体と可動部材の最適な配置によって、
発熱体による発泡時の液の流れを適正し制御して有効に
利用することが可能となる。
【0070】熱等のエネルギーをインクに与えること
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行うインクジェット記録方法、いわゆ
るバブルジェット記録方法の従来技術においては、図2
1の破線に示すように、発熱体面積とインク吐出量は比
例関係にあるが、インク吐出に寄与しない非発泡有効領
域Sが存在していることがわかる。また、発熱体上のコ
ゲの様子から、この非発泡有効領域Sが発熱体の周囲に
存在していることがわかる。これらの結果から、発熱体
周囲の約4μm幅は、発泡に関与されていないとされて
いる。これに対し、本発明の液体吐出ヘッドは、気泡発
生手段を含む液流路が吐出口を除いて実質的に遮蔽され
ていることで最大の吐出量が規制されるため、図21の
実線で示すように、発熱体面積や発泡パワーのばらつき
が大きくても吐出量が変化しない領域があり、この領域
を利用することにより大ドットの吐出量安定化が図れ
る。
【0071】<素子基板>以下に液体に熱を与えるため
の発熱体10が設けられた素子基板1の構成について説
明する。
【0072】図22は本発明の液体吐出装置の要部の側
断面図を示したもので、図22(a)は後述する保護膜
があるヘッド、図22(b)は保護膜がないものであ
る。
【0073】素子基板1上には天板2が配され、素子基
板1と天板2の間に液流路3が形成されている。
【0074】素子基板1は、シリコン等の基体107に
絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜またはチッ
化シリコン膜106を成膜し、その上に発熱体10を構
成するハフニュウムボライド(HfB2)、チッ化タン
タル(TaN)、タンタルアルミ(TaAl)等の電気
抵抗層105(0.01〜0.2μm厚)とアルミニュ
ウム等の配線電極104(0.2〜1.0μm厚)を図
22(a)のようにパターニングしている。この配線電
極104から抵抗層105に電圧を印加し、抵抗層10
5に電流を流し発熱させる。配線電極104間の抵抗層
105上には、酸化シリコンやチッ化シリコン等の保護
膜103を0.1〜2.0μm厚で形成し、さらにその
うえにタンタル等の耐キャビテーション層102(0.
1〜0.6μm厚)が成膜されており、インク等の各種
の液体から抵抗層105を保護している。
【0075】特に、気泡の発生、消泡の際に発生する圧
力や衝撃波は非常に強く、堅くてもろい酸化膜の耐久性
を著しく低下させるため、金属材料のタンタル(Ta)
等が耐キャビテーション層102として用いられる。
【0076】また、液体、流路構成、抵抗材料の組み合
わせにより、上述の抵抗層105に保護膜103を必要
としない構成でもよくその例を図22(b)に示す。こ
のような保護膜103を必要としない抵抗層105の材
料としてはイリジュウム−タンタル−アルミ合金等が挙
げられる。
【0077】このように、前述の各実施形態における発
熱体4の構成としては、前述の電極104間の抵抗層1
05(発熱部)だけででもよく、また抵抗層105を保
護する保護膜103を含むものでもよい。
【0078】各実施形態においては、発熱体4として電
気信号に応じて発熱する抵抗層105で構成された発熱
部を有するものを用いたが、これに限られることなく、
吐出液を吐出させるのに十分な気泡を発泡液に生じさせ
るものであればよい。例えば、レーザ等の光を受けるこ
とで発熱するような光熱変換体や高周波を受けることで
発熱するような発熱部を有する発熱体でもよい。
【0079】なお、前述の素子基板1には、前述の発熱
部を構成する抵抗層105とこの抵抗層105に電気信
号を供給するための配線電極104で構成される発熱体
10の他に、この発熱体4(電気熱変換素子)を選択的
に駆動するためのトランジスタ、ダイオード、ラッチ、
シフトレジスタ等の機能素子が一体的に半導体製造工程
によって作り込まれていてもよい。
【0080】また、前述のような素子基板1に設けられ
ている発熱体4の発熱部を駆動し、液体を吐出するため
には、前述の抵抗層105に配線電極104を介して図
23に示されるような矩形パルスを印加し、配線電極1
04間の抵抗層105を急峻に発熱させる。前述の各実
施形態のヘッドにおいては、それぞれ電圧24V、パル
ス幅7μsec、電流150mA、電気信号を6kHz
で加えることで発熱体を駆動させ、前述のような動作に
よって、吐出口7から液体であるインクを吐出させた。
しかしながら、駆動信号の条件はこれに限られることな
く、発泡液を適正に発泡させることができる駆動信号で
あればよい。
【0081】<吐出液体>このような液体のうち、記録
を行う上で用いる液体(記録液体)としては従来のバブ
ルジェット装置で用いられていた組成のインクを用いる
ことができる。
【0082】また、従来吐出が困難であった発泡性が低
い液体、熱によって変質、劣化しやすい液体や高粘度液
体などであっても利用できる。
【0083】ただし、吐出液の性質として吐出液自身、
吐出や発泡または可動部材の動作などを妨げないような
液体でないことが望まれる。
【0084】記録用の吐出液体としては、高粘度インク
等をも利用することができる。
【0085】本発明においては、さらに吐出液に用いる
ことができる記録液体として以下のような組成のインク
を用いて記録を行ったが、吐出力の向上によってインク
の吐出速度が高くなったため、液滴の着弾精度が向上し
非常に良好な記録画像を得ることができる。
【0086】
【表1】 <液体吐出装置>図24は、上述の各種の実施形態で説
明した構造の液体吐出ヘッドを装着して適用することの
できる液体吐出装置の一例であるインクジェット記録装
置の概略構成を示している。図24に示されるインクジ
ェット記録装置600に搭載されたヘッドカートリッジ
601は、上述した構造の液体吐出ヘッドと、その液体
吐出ヘッドに供給される液体を保持する液体容器とを有
するものである。ヘッドカートリッジ601は、図24
に示すように、駆動モータ602の正逆回転に連動して
駆動力伝達ギヤ603および604を介して回転するリ
ードスクリュー605の螺旋溝606に対して係合する
キャリッジ607上に搭載されている。駆動モータ60
2の動力によってヘッドカートリッジ601がキャリッ
ジ607ともとにガイド608に沿って矢印aおよびb
の方向に往復移動される。インクジェット記録装置60
0には、ヘッドカートリッジ601から吐出されたイン
クなどの液体を受ける被記録媒体としてのプリント用紙
Pを搬送する被記録媒体搬送手段(不図示)が備えられ
ている。その被記録媒体搬送手段によってプラテン60
9上を搬送されるプリント用紙Pの紙押さえ板610
は、キャリッジ607の移動方向にわたってプリント用
紙Pをプラテン609に対して押圧する。
【0087】リードスクリュー605の一端の近傍に
は、フォトカプラ611および612が配設されてい
る。フォトカプラ611および612は、キャリッジ6
07のレバー607aの、フォトカプラ611および6
12の領域での存在を確認して駆動モータ602の回転
方向の切り換えなどを行うためのホームポジション検知
手段である。プラテン609の一端の近傍には、ヘッド
カートリッジ601の吐出口のある前面を覆うキャップ
部材614を支持する支持部材613が備えられてい
る。また、ヘッドカートリッジ601から空吐出などさ
れてキャップ部材614の内部に溜まったインクを吸引
するインク吸引手段615が備えられている。このイン
ク吸引手段615によりキャップ部材614の開口部を
介してヘッドカートリッジ601の吸引回復が行われ
る。本発明の回復動作のための液体吐出によって残留気
泡が下流側に移動した後に行われる吸引は、インク吸引
手段615によって行われる。
【0088】インクジェット記録装置600には本体支
持体619が備えられている。この本体支持体619に
は移動部材618が、前後方向、すなわちキャリッジ6
07の移動方向に対して直角な方向に移動可能に支持さ
れている。移動部材618には、クリーニングブレード
617が取り付けられている。クリーニングブレード6
17はこの形態に限らず、他の形態の公知のクリーニン
グブレードであってもよい。さらに、インク吸引手段6
15による吸引回復操作にあたって吸引を開始するため
のレバー620が備えられており、レバー620は、キ
ャリッジ607と係合するカム621の移動に伴って移
動し、駆動モータ602からの駆動力がクラッチ切り換
えなどの公知の伝達手段で移動制御される。ヘッドカー
トリッジ601に設けられた発熱体に信号を付与した
り、前述した各機構の駆動制御を司ったりするインクジ
ェット記録制御部は記録装置本体側に設けられており、
図24では示されていない。
【0089】上述した構成を有するインクジェット記録
装置600では、前記の被記録媒体搬送手段によりプラ
テン609上を搬送されるプリント用紙Pに対して、ヘ
ッドカートリッジ601がプリント用紙Pの全幅にわた
って往復移動する。この移動時に不図示の駆動信号供給
手段からヘッドカートリッジ601に駆動信号が供給さ
れると、この信号に応じて液体吐出ヘッド部から被記録
媒体に対してインク(記録液体)が吐出され、記録が行
われる。
【0090】図25は、本発明の液体吐出装置によりイ
ンクジェット式記録を行なうための記録装置全体のブロ
ック図である。
【0091】記録装置は、ホストコンピュータ300よ
り印字情報を制御信号として受ける。印字情報は印字装
置内部の入力インターフェイス301に一時保存される
と同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、
ヘッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU(中央処理装
置)302に入力される。CPU302はROM(リー
ド・オンリー・メモリー)303に保存されている制御
プログラムに基づき、前記CPU302に入力されたデ
ータをRAM(ランダム・アクセス・メモリー)304
等の周辺ユニットを用いて処理し、印字するデータ(画
像データ)に変換する。
【0092】また、CPU302は前記画像データを記
録用紙上の適当な位置に記録するために、画像データに
同期して記録用紙およびヘッドカートリッジ601を搭
載したキャリッジ607を移動する駆動用モータ602
を駆動するための駆動データを作る。画像データおよび
モータ駆動データは、各々ヘッドドライバ307と、モ
ータドライバ305を介し、ヘッドカートリッジ601
および駆動用モータ602に伝達され、それぞれ制御さ
れたタイミングで駆動され画像を形成する。
【0093】このような記録装置に用いられ、インク等
の液体の付与が行われる被記録媒体150としては、各
種の紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等
に用いられるプラスチック材、布帛、アルミニウムや銅
等の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合
板等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポン
ジ等の三次元構造体等を対象とすることができる。
【0094】また、この記録装置として、各種の紙やO
HPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパ
クトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチ
ック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、
皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木
材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミック
ス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して
記録を行う記録装置、または布帛に記録を行う捺染装置
等をも含むものである。
【0095】また、これらの液体吐出装置に用いる吐出
液としては、それぞれの被記録媒体や記録条件に合わせ
た液体を用いればよい。
【0096】
【発明の効果】以上、説明した回復方法および液体吐出
装置によれば、可動部材の振動により発生する大きな液
体流によって残留気泡を下流側に移動させることができ
る。これにより残留気泡が下流側に移動してきた状態
で、吐出口を通して液体を吸引すると残留気泡を排除す
ることができる。回復動作で残留気泡を排除することに
よって、被記録媒体に画像記録を行う場合の、通常の吐
出動作を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による液体吐出ヘッ
ドの1つの液流路方向に沿った断面図である。
【図2】図1のX−X’線断面図である。
【図3】図1のY−Y’線断面図である。
【図4】「直線的連通状態」を説明する流路の断面図で
ある。
【図5】図1〜図3に示した構造の液体吐出ヘッドの通
常の画像記録を行う場合の吐出動作を説明するために、
液体吐出ヘッドを液流路方向に沿った切断図で示すとと
もに、特徴的な現象を分けて示したものである。
【図6】図5の続きの吐出動作を説明するために、液体
吐出ヘッドを液流路方向に沿った切断図で示したもので
ある。
【図7】図6の続きの吐出動作を説明するために、液体
吐出ヘッドを液流路方向に沿った切断図で示したもので
ある。
【図8】図5(b)の気泡の等方的な成長状態を示す図
である。
【図9】図5〜図7におけるA領域とB領域での気泡成
長の時間変化と可動部材の挙動との相関関係を表したグ
ラフである。
【図10】図1に示した可動部材と発熱体の相対位置と
は異なる形態の液体吐出ヘッドにおける、気泡成長の時
間変化と可動部材の挙動との相関関係を表したグラフで
ある。
【図11】図1に示した可動部材と発熱体の相対位置と
は異なる形態の液体吐出ヘッドにおける、気泡成長の時
間変化と可動部材の挙動との相関関係を表したグラフで
ある。
【図12】可動部材8の下部の底面や側面に残留気泡が
滞留した状態を説明するために、液体吐出ヘッドを液流
路方向に沿った切断図で示したものである。
【図13】図1〜図3に示した構造の液体吐出ヘッドの
吸引回復動作を説明するために、液体吐出ヘッドを液流
路方向に沿った切断図で示したものである。
【図14】図13の続きの回復動作を説明するために、
液体吐出ヘッドを液流路方向に沿った切断図で示したも
のである。
【図15】本発明の第2の実施の形態の第1変形例によ
る液体吐出ヘッドの1つの液流路方向に沿った断面図で
ある。
【図16】図15のY−Y’線断面図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態の第2変形例によ
る液体吐出ヘッドの1つの液流路方向に沿った断面図で
ある。
【図18】図17のY−Y’線断面図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態による液体吐出ヘ
ッドを示す図である。
【図20】本発明の液体吐出方法を適用したサイドシュ
ータタイプのヘッドの例を説明するための図である。
【図21】発熱体面積とインク吐出量との相対関係を示
すグラフである。
【図22】本発明の液体吐出ヘッドの縦断面図を示した
もので、(a)は保護膜があるもの、(b)は保護膜が
ないものである。
【図23】本発明に使用する発熱体を駆動する波形の図
である。
【図24】液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出装置の概
略構成を示す図である。
【図25】本発明の回復方法および液体吐出装置におい
て液体吐出記録を行なうための装置全体のブロック図で
ある。
【図26】従来の液体吐出ヘッドにおける可動部材の様
子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 素子基板 2 天板 3 液流路 4 発熱体(気泡発生手段) 5 液体供給口 6 共通液体供給室 7 吐出口 8 可動部材 9 支持部材 10 流路側壁 11 気泡発生領域 12 キャップ 21 気泡 22 吐出滴 23 残留気泡 102 耐キャビテーション層 103 保護膜 104 配線電極 105 抵抗層 106 チッ化シリコン膜 107 基体 300 ホストコンピュータ 301 入出力インターフェイス 302 CPU 303 ROM 304 RAM 305 モータドライバ 307 ヘッドドライバ 600 インクジェット記録装置 601 ヘッドカートリッジ 602 駆動モータ 603、604 駆動伝達ギア 605 リードスクリュー 606 螺旋溝 607 キャリッジ 607a レバー 608 ガイド 609 プラテン 610 紙押さえ板 611、612 フォトカプラ 613 支持部材 614 キャップ部材 615 インク吸引手段 617 クリーニングブレード 618 移動部材 619 本体支持体 620 レバー 621 カム α、β 隙間
フロントページの続き (72)発明者 工藤 清光 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 竹之内 雅典 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA15 FA03 HA05 JC20 KB03 KB09 KD02 2C057 AF78 AG46 AG76 BA03 BA04 BA13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出するための複数の吐出口と、 前記各吐出口に一端部が常に連通された、液体に気泡を
    発生させる気泡発生領域を有する複数の液流路と、 前記気泡を発生し成長させるためのエネルギーを発生す
    る気泡発生手段と、 前記複数の液流路にそれぞれ配設され、共通液体供給室
    と同時に連通する複数の液体供給口と、 前記液体供給口の前記液流路側に対して微小な隙間を隔
    てて支持された自由端を有する可動部材とを有し、 前記可動部材の少なくとも自由端部及びそれに連続する
    両側部で囲まれる領域が前記液体供給口の液流路に対す
    る開口領域よりも大きくなっている液体吐出ヘッドの回
    復方法であって、 前記吐出口から前記液体流路内の液体を吸引しながら、
    前記気泡発生手段を駆動して気泡を発生させることを特
    徴とする回復方法。
  2. 【請求項2】 前記液体を吐出するための複数の吐出口
    と、前記各吐出口に一端部が常に連通された、液体に気
    泡を発生させる気泡発生領域を有する複数の液流路と、
    前記複数の液流路にそれぞれ配設され、共通液体供給室
    と同時に連通する複数の液体供給口と、前記液体供給口
    の前記液流路側に対して微小な隙間を隔てて片持ち支持
    された自由端を有する可動部材と、前記気泡を発生し成
    長させるためのエネルギーを発生する気泡発生手段とを
    有し、前記可動部材の少なくとも自由端部及びそれに連
    続する両側部で囲まれる領域が前記液体供給口の液流路
    に対する開口領域よりも大きくなっている液体吐出ヘッ
    ドを着脱自在に保持する保持手段と、 前記吐出口から前記液流路内の液体を吸引しながら、前
    記気泡発生手段を駆動して気泡を発生させる回復機構
    と、を有することを特徴とする液体吐出装置。
  3. 【請求項3】 前記液体吐出ヘッドから液体を吸引する
    液体吸引手段をさらに有することを特徴とする請求項2
    記載の液体吐出装置。
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