JP2002019116A - インクジェットプリントヘッド - Google Patents

インクジェットプリントヘッド

Info

Publication number
JP2002019116A
JP2002019116A JP2000208262A JP2000208262A JP2002019116A JP 2002019116 A JP2002019116 A JP 2002019116A JP 2000208262 A JP2000208262 A JP 2000208262A JP 2000208262 A JP2000208262 A JP 2000208262A JP 2002019116 A JP2002019116 A JP 2002019116A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
groove
print head
top plate
support member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2000208262A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Kumagai
稔 熊谷
Hideki Kamata
英樹 鎌田
Yoshihiro Kawamura
義裕 河村
Satoshi Sakuraoka
聡 櫻岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP2000208262A priority Critical patent/JP2002019116A/ja
Publication of JP2002019116A publication Critical patent/JP2002019116A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】天板の落ち込みが無く加圧室へのインクリフィ
ル性に優れ高速印字に有利なインクジェットプリントヘ
ッドを提供する。 【解決手段】印字ヘッド20は基板21に駆動回路22
が積層され、駆動回路端子23、発熱部24、共通電極
25、給電端子25−1、共通電極開口部26、隔壁2
7(シール隔壁27−1、区画隔壁27−2)、及びイ
ンク供給孔29が形成され、更に共通電極開口部26内
には、インク供給孔29に連通するインク流入部31と
これから分岐し互いに平行に延在する2つの分岐溝32
a及び32b及びこれらに挟まれた条形領域33とから
なるインク溝域30が形成され、インク溝域30中の条
形領域33に天板の支柱である支持部材34が所定間隔
で立設されている。インク溝域30の分岐溝32a及び
32bからインク流路28を通って加圧室35に供給さ
れるインクは途中に遮るものなく加圧室35に円滑に流
入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天板の落ち込みが
無く加圧室へのインクのリフィル性(補給性)に優れ印
字速度向上に有利なインクジェットプリントヘッドに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクを用紙面に吐出して印
字を行うインクジェット方式のプリンタがある。このイ
ンクジェット方式によるプリンタには、インクを加熱し
気泡を発生させてその圧力でインク滴を飛ばすサーマル
ジェット方式や、ピエゾ抵抗素子(圧電素子)の変形に
よってインク滴を飛ばすピエゾジェット方式等がある。
これらは、記録材たるインクをインク滴にして印字ヘッ
ドのノズルから噴射させて、そのインク滴を紙、布など
の被記録材に吸収させて文字や画像等の記録(印字、印
刷)を行なうものであり、騒音の発生が少なく、特別な
定着処理を要することもなく、インクの無駄の無い印字
方法である。
【0003】また、上記のサーマルジェット方式には、
インク滴の吐出方向により、二通りの構成があり、一つ
は発熱部の発熱面に平行な方向へインクを吐出する構成
のものであり、他の一つは発熱部の発熱面に垂直な方向
にインクを吐出する構成のものである。中でも発熱部の
発熱面に垂直な方向にインク滴を吐出する構成のもの
は、ルーフシュータ型インクジェットプリントヘッドと
呼称されており、発熱部の発熱面に平行な方向へインク
を吐出するサイドシュータ型の構成のものに比較して、
消費電力が極めて小さくて済むことが知られている。
【0004】このルーフシュータ型のサーマル式インク
ジェットプリントヘッドの製法としては、例えば6×2
5.4mm以上の直径の一枚のシリコンウエハ上に例え
ば90個以上に区画された10mm×15mm程度の大
きさの多数のチップ基板の上に、シリコンLSI形成技
術と薄膜形成技術を利用して、設計上の方針にもよる
が、例えば64個、128個、又は256個等の多数の
発熱部と、これらを個々に駆動する電極配線、駆動回
路、インク流路、吐出ノズル等を一括してモノリシック
に形成する方法がある。また、近年では、シリコンウエ
ハではなく、ガラス基板に形成する方法も実用化されて
いる。
【0005】図11(a),(b),(c) 及び図12(a) は、そ
のような従来のインクジェットプリントヘッド(以下、
単に印字ヘッドという)の製造方法を工程順に示す図で
あり、それぞれ一連の工程において、大きなガラス基板
上の個々のチップ基板に形成されていく印字ヘッドの状
態の概略の平面図と、そのA−A′断面矢視図(図11
(c) には更にB−B′断面矢視図も付記している)を模
式的に示している。図12(b) は最終工程で発生する不
具合を示す断面拡大図である。
【0006】尚、これらの図には、説明の便宜上、1個
のインク溝を有するモノクロ用印字ヘッドを示している
が、現在では、後述するようにフルカラー用印字ヘッド
の方が多く実用化されつつある。また、図12(a) には
1列のノズル列14に20個の吐出ノズル13を示して
いるが、実際には、設計上の方針によっても異なるが6
4個、128個、256個等、多数の吐出ノズル13が
1列のノズル列14に形成されるものである。また、こ
の印字ヘッド15は、2列のノズル列14の吐出ノズル
13が1/2ピッチのずれを持って配置されている。そ
の理由は後述する。
【0007】この印字ヘッドの製造方法は、先ず、工程
1として、ガラス基板上を多数のチップ基板区画に細分
化し、各チップ基板区画内にそれぞれLSI形成処理技
術により駆動回路を積層形成し、次に、工程2として、
薄膜形成技術を用いて、タンタル(Ta)−シリコン
(Si)−酸素(O)又はTa−Si−O−N(窒素)
系の発熱抵抗体膜と、Ti−W等の密着膜と、良導体の
例えばAuなどの電極膜を、スパッタあるいは真空蒸着
等の真空成膜装置で連続して順次成膜し積層する。
【0008】そして、電極膜と発熱抵抗体膜をフォトリ
ソグラフィー技術によって夫々パターニングし、発熱抵
抗体膜の発熱部とする領域を露出させその両側の発熱抵
抗体膜に重ねて配線電極を形成して発熱部と両側の配線
電極とからなる発熱素子を形成すると共に、給電端子及
び駆動回路端子を形成する。尚、この工程で発熱部の位
置が決められる。
【0009】図11(a) は、上記の工程1及び工程2が
終了した直後の状態を示している。すなわち同図(a) に
示すように、各チップ基板区画内の基板1には、その短
手方向の両端近傍に沿って駆動回路2が基板1の長手方
向に延設され、その基板1の長手方向の一端(図では下
端)に複数の駆動回路端子3が形成されている。
【0010】そして、上記の駆動回路2に接続する個別
配線電極(図では駆動回路2と一体になって図示されて
いるため定かには見えない)と、これらの個別配線電極
にそれぞれ一端を接続されている発熱部4と、この発熱
部4の他端に接続された共通電極5が形成されている。
共通電極5には、上記の駆動回路端子3と並んで給電端
子5−1が形成されている。また、共通電極5には中央
部が長手方向に切り欠かれた形状の開口部6が形成され
ている。
【0011】続いて、工程3として、個々の発熱部4に
対応するインク加圧室及びこれらのインク加圧室にイン
クを供給するインク流路を形成すべく感光性ポリイミド
などの有機材料からなる隔壁部材をコーティングで形成
し、これをフォトリソグラフィー技術によりパターン化
した後に、300℃〜400℃の熱を30分〜60分加
えるキュア(乾燥硬化、焼成)を行い、高さ1/2程度
の上記感光性ポリイミドによる隔壁をチップ基板上に形
成・固着させる。
【0012】図11(b) は、上述の工程3が終了した直
後の状態を示している。すなわち、駆動回路2と個別配
線電極の上及び基板長手方向の両端部上と、各発熱部4
の間に延び出した隔壁7(シール隔壁7−1、区画隔壁
7−2)が形成されている。上記の隔壁7は、駆動回路
2と個別配線電極上のシール隔壁7−1を櫛の胴とすれ
ば、各発熱部4と発熱部4との間に延び出す区画隔壁7
−2は櫛の歯に相当する形状をなしている。これによ
り、この櫛の歯状の区画隔壁7−2を仕切り壁として、
その歯と歯の間に発熱部4が位置する微細な区画部が、
発熱部4の数だけ形成される。
【0013】続いて、工程4として、ウェットエッチン
グ装置またはサンドブラスト装置などにより上記チップ
基板の面に細長のインク供給溝を形成し、更にこのイン
ク供給溝に連通し基板下面に開口するインク供給孔を形
成する。この工程4では、発熱部、配線電極、隔壁など
が形成されている表面側のインク供給溝と、裏面側のイ
ンク供給孔では、形状が異なるため、表裏から別々に加
工を行う。例えば表面側にインク供給溝をチップ基板の
厚さ半分程度まで穿設し、裏面側からインク供給孔を穿
設して表裏に貫通させる。
【0014】図11(c) は、上述の工程4が終了した直
後の状態を示している。すなわち、基板1の表面には、
共通電極5の開口部6内に、細長いインク溝8が形成さ
れ、このインク溝8に連通し、基板1を貫通してその裏
面に開口するインク供給孔9が形成されている。
【0015】この後、工程5として、ポリイミドのフィ
ルムからなる天板を、上記積層構造の最上層つまり隔壁
7の上に貼設する。この天板の貼設に際しては、予め貼
設面一面に接着材として熱可塑性ポリイミドを極薄にコ
ーテングした天板を隔壁の上に載置する又は隔壁の接着
面に熱可塑性ポリイミドを塗布した上に接着材のコーテ
ィングされていない天板を載置した後、真空中で50〜
200℃で加熱しながら、9.8×10-4Paの数倍の
圧力で加圧し、これを数10分続けて、天板を隔壁上に
固着させる。
【0016】更に、工程6として、真空装置又はスパッ
タ装置でTi、Ni、Cu又はAlなどの金属膜を天板
表面に蒸着し、この金属膜をパターン化してエッチング
用マスクを形成し、ヘリコン波等によるドライエッチン
グ等により上記の金属膜マスクに従ってポリイミドを選
択的にエッチングして多数の吐出ノズルを天板に一括形
成する。
【0017】図11(a) は、上述した工程5と工程6が
終了した直後の状態を示している。すなわち、天板10
が共通電極給電端子5−1及び駆動回路端子3の部分を
除く全領域を覆っており、区画隔壁7−2によって形成
されている区画部も上を覆われて隔壁7の厚さに対応す
る高さの微細な加圧室11を形成して、その開口をイン
ク溝8の方向に向けている。そして、これら加圧室11
の開口とインク溝8とを連通させるインク流路12が形
成されている。
【0018】そして、天板10には、加圧室11の発熱
部4に対向する位置に吐出ノズル13が形成されてい
る。これにより、例えば256個等の多数の吐出ノズル
13からなるノズル列14を2列備えた印字ヘッド15
が、ガラス基板上に多数完成する。
【0019】そして、最後に、工程7として、ダイシン
グソーなどを用いてガラス基板をスクライブラインに沿
ってカッテングして、チップ基板毎に個別に分割し、こ
のチップ基板を実装基板にダイボンデングし、端子接続
し、その接続部分を樹脂等で封止処理して、実用単位の
印字ヘッドモジュールが完成する。
【0020】上記のように吐出ノズル13の配置が1/
2ピッチずれている2列のノズル列14を備えた印字ヘ
ッド15は、吐出ノズル13を技術の限界の密度に配設
した2列のノズル列によって、1列の吐出ノズル13の
配設ピッチの更に1/2の密度で、紙面に印字ドットを
形成できるものであり、超高精細な画像を印字(印刷)
するための最も理想的な構造を有している。
【0021】もっとも、超高精細な画像を印字するため
には吐出ノズル13から吐出するインク滴は、高精細化
に応じた小さいインク滴でなければならない。そして、
小さいインク滴を吐出するには、単に吐出ノズル13の
直径を小さくするだけでは達成できないのであり、吐出
ノズルが穿設される天板10を薄く形成しなければなら
ない。そうすると、後述する天板10がインク流路12
内に垂れ下がる不具合が発生し易くなる。
【0022】尚、この印字ヘッド15は、モノクロ用印
字ヘッドの構成であるが、フルカラー用印字ヘッドも上
述した工程を用いて容易に製造可能である。通常フルカ
ラー印字においては、減法混色の三原色であるイエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色に、文字
や画像の黒部分に専用されるブラック(Bk)を加えて
合計4色のインクを必要とするから、大きめのチップ基
板区画に上述した印字ヘッド15を1ヘッド素子とし
て、これを4個並設して構成すればよい。各ヘッド素子
のノズル列の位置関係も今日の半導体の製造技術により
正確に配置することができる。
【0023】このような印字ヘッド15を備えた印字ヘ
ッドモジュールは、プリンタ本体に配設され、プリンタ
本体の制御装置からの制御により、駆動回路2を介して
発熱部4が印字情報に応じて選択的に発熱駆動される。
インクはインク供給孔9を介して外部から供給され、イ
ンク溝8及びインク流路インク流路12を流動して加圧
室11に補給される。
【0024】加圧室11内のインクは、上記発熱部4の
発熱により発熱部4とインクとの界面に瞬時に発生した
膜気泡の成長圧力により、吐出ノズル13から押し出さ
れ、インク滴となって不図示の用紙に向けて吐出され
て、用紙面に印字ドットを形成する。
【0025】ところで、上記天板10の隔壁7への貼付
け工程では、基板1上にはすでにその前工程までに駆動
回路2、配線電極5、発熱部4、隔壁7が形成され、さ
らに基板1の裏側と表側を貫通するインク溝8及びイン
ク供給孔9が形成されており、天板10の貼付け工程で
天板10により上から蓋をされると、上述したように、
インク溝8の開口部上方には、加圧室11の開口とイン
ク溝8とを連通させる隔壁7によって囲まれたインク流
路12が形成される。
【0026】また天板10が貼り付けられる隔壁7は、
配線パターンと基板露出面との凹凸の形成された面上
に、発熱部4を囲む微細パターンを伴って形成されたも
のである。このような隔壁7の上に天板10を確実に貼
り付ける方法としては、熱溶融の際に熱可塑性ポリイミ
ド中に気泡が巻き込まれて接着性が低下することがない
ようにし、また、天板10をシリコンウェハ面へ向けて
押さえ付ける圧力が均一に掛かかるようにするために
は、所定の高い温度まで加熱が可能な真空プレス法が最
も適している。
【0027】この真空プレス法では、まず貼り合わせよ
うとする天板10を隔壁7の上に仮固定したヘッド組立
体を、真空プレス装置のチャンバ内のプレス台上に載置
し、チヤンバ内を一旦真空に排気した後、ヘッド組立体
の上下から圧力と温度を加えて天板10の隔壁7上への
貼り合わせを行う。その後圧力を解除し、チャンバ内を
大気圧に戻すという工程が不可欠である。
【0028】通常は、真空プレス装置のプレス圧を解除
した後、チャンバ内を徐々に大気圧に戻していくと、こ
の天板10を貼り付けた時点では未だ吐出ノズル13が
形成されていないため天板10によって上方を封止され
た内部空間つまりインク流路12には、基板1を表裏に
貫通するインク溝8及びインク供給孔9を介して大気が
流入する。したがってインク流路12を覆う天板10に
は内外から大気圧が加わるので何事も不都合の起きるこ
となく工程が終了する。
【0029】ところが、基板1の下にはプレス台との間
にクッションとなるテフロン(登録商標)シート等を敷
いて、上記の貼り付け作業を行っているため、そのテフ
ロンシートが基板1と密着してしまうと、チャンバ内を
大気圧に戻す際に基板1の裏側に開口しているインク供
給孔9に大気が流通せず、上記のように天板10によっ
て上方を封止されているインク流路12はインク溝8及
びインク供給孔9を介してのみ外部と導通しているので
あるから、インク供給孔9に大気が流通しないとインク
流路12内が作業前の真空状態に維持されたままとなっ
て天板10の内外(インク流路12側下面と外部上面)
に気圧差が生じる。そうすると、図12に示すように、
天板10のインク流路12上に位置する部分10−1が
内部に押し込まれてインク流路12内に落ち込むという
不具合が発生し易くなる。
【0030】このように天板10がインク流路12内に
落ち込んでしまうと、特に落ち込んだ天板10がインク
溝8の縁部と接触してしまうと、インク溝8からインク
流路12を介して加圧室11に供給されるインクの流通
が阻害され、発熱部4へのインク供給が円滑に行われな
くなり、インクの吐出に悪影響を及ぼして正常な画像を
印字できなくなるという問題が発生する。
【0031】このような不具合を解消するために、従来
は、天板10を内部から支える支柱をインク流路12内
に立設する構造が提案されている。図13は、そのよう
な従来のインク流路内に支柱を立設した印字ヘッドを模
式的に示す平面図とそのC−C′断面矢視図である。
尚、同図は内部の構造を分かり易く示すため、天板を平
面図では透視的に示し、断面図では二点鎖線の仮想線で
示している。また、同図には、図11及び図12に示し
た構成と同一の構成部分については図11及び図12と
同一の番号を付与して示している。
【0032】図13に示すように、この印字ヘッド16
は、共通電極5の開口6内に形成されているインク溝8
と上記の開口6の縁との間に露出する基板1の面に多数
の支柱17が立設されている。このように、インク溝8
周辺に多数の支柱17を立設することにより、インク溝
8の上方及びその近傍に形成されているインク流路12
内への天板10の落ち込みを最小限にとどめて、インク
流路12の空間を確保する、つまりインクの流動性を確
保するようにしている。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにインク流路12内においてインク溝8とその両側
に並ぶ加圧室11との間に支柱が立設される構造では、
すなわち、インク溝8からインク流路12を介して加圧
室11に供給されるインクの流通路中に支柱17が存在
するから、天板10がインク流路12内に落ち込んだ状
態と比較して、インクの流動性を阻害する点において、
さして変わるところが無く、これでは、加圧室へのイン
クリフィル性(インク補給機能)の改善にはならないと
いう問題を有している。
【0034】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
天板の落ち込みが無く加圧室へのインクリフィル性に優
れ印字速度向上に有利なインクジェットプリントヘッド
を提供することである。
【0035】
【課題を解決するための手段】以下に、本発明に係わる
インクジェットプリントヘッドの構成を述べる。本発明
のインクジェットプリントヘッドは、インクに圧力を作
用させ該インクを吐出ノズルから所定方向に吐出させる
インクジェットプリントヘッドであって、上記吐出ノズ
ルに対応させて配設され、インクに圧力を作用させる加
圧室と、外部から供給されたインクを一時的に貯溜する
インク溝と、上記インク溝と上記加圧室を連通させるイ
ンク流路と、上記インク溝内に配設され、該インク溝上
方の天板を支持する複数の支持部材と、を有して構成さ
れる。
【0036】上記支持部材は、例えば請求項2記載のよ
うに、予め上記天板に一体となって形成された支柱であ
ってもよい。また、複数の上記加圧室は、例えば請求項
3記載のように、上記インク溝の両側に所定間隔で配設
されていることが好ましい。そして、このインクジェッ
トプリントヘッドは、例えば請求項4記載のように、上
記インク溝は、インク流入部と該インク流入部から分岐
し互いに平行に延在する複数の分岐溝と該分岐溝に挟ま
れた条形領域とからなり、上記支持部材は、上記分岐溝
に挟まれた条形領域に所定間隔で配置・立設されるよう
に構成してもよく、また、例えば請求項5記載のよう
に、上記インク溝は、インク流入部と該インク流入部に
連通する溝部と該溝部内に所定間隔で設けられた複数の
島状領域とからなり、上記支持部材は、上記島状領域の
夫々に配置・立設されるように構成してもよい。また、
更に、例えば請求項6記載のように、上記インク溝は、
単一の溝部であり、上記支持部材は、上記単一の溝部内
に配置されるように構成してもよい。尚、支持部材を単
一溝部内に配置する場合は、その支持部材は例えば請求
項7記載のように、球形粒子が好ましい。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1(a) は、本発明の第1の
実施形態としてのインクジェットプリントヘッドを、そ
の内部構成が分かり易いように天板を取り除いて示す平
面図であり、同図(b) は、そのD−D′断面矢視図、同
図(c) は、そのE−E′断面矢視図、同図(d) は、その
F−F′断面矢視図である。
【0038】同図(a) 〜(d) に示すインクジェットプリ
ントヘッド(以下、単に印字ヘッドという)20におい
て、基板21、駆動回路22、駆動回路端子23、発熱
部24、共通電極25、給電端子25−1、共通電極開
口部26、隔壁27(シール隔壁27−1、区画隔壁2
7−2)、インク流路28及びインク供給孔29の構成
は、図11及び図12に示した従来の印字ヘッド15の
基板1、駆動回路2、駆動回路端子3、発熱部4、共通
電極5、給電端子5−1、共通電極開口部6、隔壁7
(シール隔壁7−1、区画隔壁7−2)、インク流路1
2及びインク供給孔9の構成と同一であるが、本例にお
ける印字ヘッド20の場合は、インク溝の構成及び天板
の状態が、図11及び図12に示した従来の印字ヘッド
15の場合と異なる。
【0039】本例の印字ヘッド20においては、図1
(a) 〜(d) に示すように、共通電極開口部26内に、本
発明のインク溝として、本例特有の構造のインク溝域3
0が形成されている。すなわち、インク溝域30は、イ
ンク供給孔29に連通するインク流入部31と、このイ
ンク流入部31から分岐し、互いに平行に延在する複数
(本例では2つ)の分岐溝32a及び32bと、これら
の分岐溝32a及び32bに挟まれてインク溝域30の
中央部に延在する条形領域33とで形成されている。そ
して、このインク溝域30の中央部に延在する条形領域
33に、天板の支柱である支持部材34が所定間隔で配
置・立設されている。
【0040】尚、上記の支持部材34は、製造工程3に
おいて隔壁27を形成する際に、隔壁と同一材料を用い
隔壁形成と同時に、共通電極開口部26内の条形領域3
3となる部分に形成する。この後、インク溝とインク供
給孔の穿設を行う製造工程4において、既に支持部材3
4による支柱が形成されている条形領域33となる部分
をサンドブラスト加工用レジストで被覆し、分岐溝32
a及び32bとなる部分のレジストを開口パターン化し
て、分岐溝32a及び32bをサンドブラスト加工によ
り穿設する。尚、インク供給孔29の加工は通常通りに
行えばよい。
【0041】このように、インク溝域30の中央部に支
持部材34が配置・立設されるので、インク溝域30か
らインク流路28を通って加圧室35(図1(c) 参照)
に供給されるインク、つまり分岐溝32a及び32bか
ら供給されるインクは、途中のインク流路28中に遮る
ものなく加圧室35に円滑に流入する。これによって、
加圧室35へのインクリフィル性が良好に確保される。
【0042】尚、本実施形態では、天板の支持手段とし
て設ける支持部材34の本数が、図13に示した従来の
印字ヘッド16の支柱17の本数に比べて、約半分に減
っているのにも拘わらず、天板を支持する効果は略同等
である上に、従来構造のようにインク溝から加圧室に至
るインク流路28中に支柱が存在しないため、インクリ
フィル性の点で格段に優れた効果が得られる。
【0043】図2は、上記インク溝域30及び支持部材
34の詳細な寸法構成を示す図である。尚、この寸法構
成は一例であって、これに限るものではない。本例にお
いては、同図に示すように、インク溝域30は、幅20
0μmであり、この幅200μm内に、それぞれ幅50
μmの分岐溝32a及び32bと、これらに挟まれた幅
100μmの条形領域33が形成されている。この条形
領域33に所定個数が配置される支持部材34の寸法は
20〜30μm角で良い。
【0044】また、分岐溝32a及び32bの分岐元と
なるインク流入部31は、幅はインク溝域30と同じ2
00μmで長手方向に1200μmの広さを有してい
る。このインク流入部31内にインク供給孔29の連通
口29−2が600μm×120μmの大きさで開口し
ている。尚、基板21の裏面におけるインク供給孔29
の開口部29−1は1000μm×400μmの大きさ
を有している。
【0045】図3(a) は、第2の実施の形態における印
字ヘッドを、その内部構成が分かり易いように天板を取
り除いて示す平面図であり、同図(b) は、そのG−G′
断面矢視図である。尚、同図(a),(b) において、図1の
場合と構成が異なる部分及び説明に必要な部分にのみ番
号を付与して示し、他の構成部分は図1の場合と同一で
あるので番号の付与は省略している。
【0046】本例の印字ヘッド36は、図3(a),(b) に
示すように、本発明のインク溝としてのインク溝域3
0′が、インク流入部31とこのインク流入部31に連
通する幅約200μmの溝部37とこの溝部37内に所
定間隔で設けられた広さ約100×100μmの複数の
島状領域38とで形成されている。そして、これらの島
状領域38の上に、支持部材34が夫々立設されてい
る。
【0047】上記島状領域38の形成も、図1の場合と
同様に、先ず、製造工程3において隔壁27を形成する
際に隔壁と同一材料を用い隔壁形成と同時に共通電極開
口部26内の中央部に支持部材34を形成する。この
後、製造工程4においては、既に形成されている支持部
材34及びその周囲の島状領域38となる部分をサンド
ブラスト加工用レジストで被覆する。支持部材34の寸
法が20〜30μm角であるとすれば、支持部材34を
覆うレジストは100μm角程度で良い。そして、溝部
37となる部分を開口パターン化してサンドブラスト加
工を行う。この場合も、インク供給孔29の加工は通常
通りに行えばよい。
【0048】これにより、島状領域38を取り囲むよう
に流域が形成された溝部37が形成される。本例の印字
ヘッド36の構成を換言すれば、島状領域38と島状領
域38との間に形成されている間隙溝37−1によっ
て、図1の分岐溝32aと32bが連通して1本の幅広
の溝部37を形成したものであるとも言える。したがっ
て、本例の印字ヘッド36の溝部37の形状は、図1の
印字ヘッド20の分岐溝32a及び32bの形状に比較
して、島状領域38と島状領域38との間に形成されて
いる間隙溝37−1の分だけ、インク容量が大きく、そ
の分だけインクリフィル性が図1の場合よりも向上して
いる。
【0049】図4(a) は、第3の実施の形態における印
字ヘッドを、その内部構成が分かり易いように天板を取
り除いて示す平面図であり、同図(b) は、そのH−H′
断面矢視図である。尚、同図(a),(b) においても、図1
の場合と構成が異なる部分及び説明に必要な部分にのみ
番号を付与して示し、他の構成部分は図1の場合と同一
であるので番号の付与は省略している。
【0050】本例の印字ヘッド40では、図4(a),(b)
に示すように、インク供給孔29の連通口29−2に連
通し基板21の長手方向に延在する幅約200μmの単
一の溝部41が形成されている。そして、この単一溝部
41の領域内で、上記インク供給孔29の連通口29−
2が開口する所定範囲のインク流入部41−1を除く部
分に、支持部材42が所定間隔で立設されている。支持
部材42は、共に同一材料の土台部42aと支持部42
bとからなる。
【0051】前述の図3の印字ヘッド36の場合は、支
持部材34の土台となる島状領域38は、周囲の切り込
みをサンドブラストによるエッチングで形成するので、
エッチングで残される島状領域38の形状や寸法にはあ
まり精密さを期待できない。したがって、余裕を見込ん
で大きめに形成している。
【0052】これに対して、本例の図4に示す印字ヘッ
ド40では、材料に感光性ポリイミドを用いフォトリソ
グラフィー技術によって個別に土台部42aを形成する
ので、精密加工が可能である。したがって余裕を見込む
必要がない。つまり土台部42aを必要以上に大きく形
成する必要がない。これによって、本例では、図3の印
字ヘッド36の島状領域38と島状領域38との間に形
成されている間隙溝37−1に比較して充分に深くて広
い間隙41−1を土台部42aと土台部42a間に形成
することができる。したがって、図3の印字ヘッド36
の場合よりも更にインク容量が大きく、その分だけイン
クリフィル性が一段と向上している。
【0053】図5(a) 〜(d) は、上記の単一溝部41の
領域内に支持部材42を形成する方法を工程順に示す図
である。先ず、同図(a) に示すように、基板21に単一
溝部41をサンドブラスト加工で穿設する。次に同図
(b) に示すように、単一溝部41のインク流入部41−
1となる部分を除く部分に、土台部42aを所定の間隔
で形成する。
【0054】この土台部42aの形成では、先ず単一溝
部41に、スピンコーティング又はロールコーティング
法で感光性ポリイミドを塗布する。このとき単一溝部4
1が感光性ポリイミドで完全に満たされるように塗布す
る。この後は通常のフォトリソグラフィーのプロセスに
沿って、露光と現像を行い土台部42aを形成する。土
台部42aは50〜100μm角程度で良い。
【0055】上記に続いて、同図(c) に示すように、隔
壁27を形成するが、このとき同一材料を用いて同時に
支持部42bも形成する。支持部42bの寸法は20〜
30μm角で良い。この後、同図(d) に示すように、基
板21の裏面からインク供給孔29を穿設して単一溝部
41のインク流入部41−1に貫通させる。
【0056】尚、上記第3実施形態の変形例として、土
台部と支持部を別々に形成するのではなく、土台部形成
時の高さを、その後形成する隔壁面と同じ高さに形成し
て、土台部そのものが支柱となる構造としても良い。と
ころで、上記の土台部42aを形成してからその上に支
持部42bを形成する場合に、その形成方法は、上記第
3実施形態の方法に限るものではない。予め天板に形成
した支持部材を用いるようにしてもよい。これを第4の
実施の形態として以下に説明する。
【0057】図6(a),(b) は、第4の実施の形態におけ
る印字ヘッド及びその製造方法を示す断面図である。
尚、同図(a),(b) の断面図に見えない他の部分の構成
は、図4(a) に示す印字ヘッド40の構成と同一であ
る。図6(a) に示すように、本例では、図5(b) までの
工程を終了した基板21に対して、予め裏面に支持部材
43を形成した天板44を用意する。
【0058】天板44の裏面に予め支持部材43を形成
する方法は、通常の天板よりも支持部材の長さ分だけ厚
い天板を用意し、その裏面となる面に適宜のエッチング
加工方法により支持部材の長さ分だけハーフエッチング
して支持部材43を形成する。又は、通常の厚さの天板
を用意し、その裏面となる面にフォトリソグラフィー技
術により支持部材43を立設するようにしてもよい。
【0059】そして、支持部材43の自由端又は土台部
42aの上面に、接者材となる熱可塑性ポリイミドをコ
ーティングした後、図6(a) に示すように、支持部材立
設面を下に向けて基板21に対向させ、同図(b) に示す
ように、支持部材43の自由端を土台部42aの上面に
載置して接着させる。
【0060】このように予め支持部材を天板側に設けた
場合の位置合わせは、吐出ノズルの位置ほどの精密さが
要求されないから、上記の作業は容易に行うことができ
る。また、この場合の仕上がり形状は、結果として図4
の印字ヘッド40の形状とほぼ同一になる。
【0061】図7(a),(b) は、上記第4の実施の形態に
おける印字ヘッドの変形例及びその製造方法を示す図で
ある。この変形例は、同図(a) に示すように、図3の印
字ヘッド36の支持部材34を形成せずに工程4を行っ
てインク溝域30′の溝部37に島状領域38を形成し
た状態の基板21と、予め支持部材45を裏面に立設し
た天板46とからなる。天板46に支持部材45を形成
する方法は図6の場合と同様である。
【0062】また、この変形例では、支持部材45は図
6の支持部材43又は図3の支持部材34よりも太く、
つまり支持部材45の自由端の面が土台部である島状領
域38の上面の広さと等しいかそれよりも広く形成され
ている。これは、支持部材45は(図6の支持部材43
もこのように太く形成してもよい)島状領域38に後か
らフォトリソグラフィー技術で形成するものではなく単
に接着するものであるから、土台よりも太く形成できる
からである。
【0063】このように、天板46に予め支持部材45
又は43を形成する方法は、支持部材を土台部の広さに
制約されずに土台部分よりも太く形成できるため、天板
の支持手段として、より強固な支持部材を形成すること
ができる利点がある。図8(a) は、第5の実施の形態に
おける印字ヘッドの構成を模式的に示す断面図であり、
同図(b) はインク溝と支持部材との関係を示す拡大平面
図、同図(c)は同図(b) のJ−J′断面矢視図である。
尚、同図(a),(b),(c) は、図1(a),(b) と同一構成部分
には図1(a),(b) と同一の番号を付与して示している。
【0064】図8(a),(b),(c) に示すように、この印字
ヘッド47は、発熱部24に対向する位置に吐出ノズル
52を形成された天板51が、隔壁27の上に貼設され
ている。そして、本実施形態におけるインク溝は単一の
溝部48であり、天板51の落ち込みを防止するために
複数の支持部材53が溝部48内に設置されている。本
実施形態の支持部材53は、ガラス又はインクに侵され
にくい樹脂などの素材からなり形状は球形である。これ
により、この支持部材53を溝部48に配置したときに
おいてもインクの円滑な流動性が確保されると共に、支
持部材53の向きを配慮することなく支持部材53を自
在に溝部48に配置することができるため製造工程が簡
略化される。
【0065】また、支持部材53は、溝部48に配置し
たときに天板51を確実に支持することができるだけの
直径を備えている。即ち、球形をなす支持部材53の溝
部48内に配置された状態での頂点位置が隔壁27の高
さと同じか又は隔壁27の高さよりも多少高くなる大き
さに、支持部材53を形成する。
【0066】更に、溝部48には、支持部材53を配置
すべき位置のインク溝長手方向軸に直交する方向の壁面
に沿って凹部49が形成されている。これにより、支持
部材53を配置するに際し凹部49に嵌めこむようにし
て溝部48に対し容易に位置決めすることができる。こ
のように、凹部49を設けて支持部材53を嵌め込み配
置する場合は、凹部49内に嵌め込まれた状態で支持部
材53の頂点位置が隔壁27の高さと同じか又は隔壁2
7の高さよりも多少高くなる大きさに、支持部材53を
形成する。
【0067】尚、支持部材53の配置間隔は、インクの
流動を阻害しない程度に、支持部材53の大きさに応じ
て設定することが望ましい。また、インク供給孔29の
近傍の吐出ノズル52とインク供給孔29から離れた場
所での吐出ノズル52とでインクのリフィル性に大きな
差が生じる虞のあるとき、支持部材53の配置をインク
供給孔29の近傍で密にし、インク供給孔29から離れ
るほど粗にすれば良く、これにより、インクのリフィル
性を均一にすることができる。
【0068】上述した第1〜第5の実施形態において
は、いずれも、発熱部24及び吐出ノズル52からなる
印字素子が、相互に1/2ピッチずれて、インク溝を挟
んでその両側に並ぶ構成の高精細印字用の印字ヘッドに
ついて説明したが、印字ヘッドは、これに限ることな
く、印字素子がインク溝の片側だけに並ぶ構成の印字ヘ
ッドの場合にも適用できる。これを第6の実施の形態と
して以下に説明する。
【0069】図9(a) は、第6実施形態の印字ヘッドの
構成を天板を透視して示す平面図であり、同図(b) はそ
のK−K′断面矢視図である。同図(a),(b) に示す印字
ヘッド55は、第1〜第5の実施形態に示した印字ヘッ
ドよりも、その短手方向の幅がやや小さく形成される。
また、本例の印字ヘッドはヘッド毎のチップ基板をシリ
コンウエハ上に区画形成して、駆動回路57をチップ基
板区画毎に拡散層として直接形成する例を示している。
【0070】その他の発熱部58、共通電極59、個別
配線電極61、隔壁62(シール隔壁62−1、区画隔
壁62−2)、インク供給孔63、吐出ノズル64、及
び内部に支持部材53を配置された溝部66の構成は、
第5の実施形態における印字ヘッド47の発熱部24、
共通電極25、図では定かに見えなかった個別配線電
極、隔壁27、インク供給孔29、吐出ノズル52、及
び内部に支持部材53を配置された溝部49の構成と同
様である。そして本例では発熱部58の配列及びこれら
の発熱部58に対向して天板67に配置される吐出ノズ
ル64の配列が一列のみである点が第5の実施形態にお
ける印字ヘッド47の場合と異なる。
【0071】そして、このようなノズル列が一列の印字
ヘッドの場合でも、天板の落ち込みが発生する虞がある
から、図9(a),(b) に示すように本発明のインク溝の構
造を適用すると良い結果が得られる。図10(a) は、第
7の実施の形態における印字ヘッドの構成を、天板を透
視した状態で要部のみ示す平面図であり、同図(b) は、
そのL−L′断面矢視図である。この印字ヘッドの構成
は、図9の印字ヘッド55の溝部66に配置される支持
部材の構成が異なるだけであるので、説明に必要な構成
部分にのみ番号を付与して示し、その他の構成部分には
番号を省略している。
【0072】図10(a),(b) に示すように、この印字ヘ
ッドには、溝部66内に、螺旋状の支持部材68が配置
される。この場合も支持部材68は、溝部66内に配置
したときに天板67を確実に支持することができるよう
に、その螺旋の直径を設定する。
【0073】尚、上述した第1〜第7の実施形態におい
ては、いずれもインク供給孔をインク溝に1箇所だけ形
成しているが、これに限ることなく、2箇所以上のとこ
ろに形成するようにしてもよい。また、インク溝を1印
字ヘッドに1本だけ形成したモノクロ用印字ヘッドを例
として説明したが、これに限ることなく、4色または6
色の色数分だけインク溝部を並設した構成のカラー用印
字ヘッドにも、本発明を適用できることは勿論である。
【0074】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、インク溝中にに天板を支える支持部材を形成する
ので、インク溝上方の天板の落ち込みを防止すると共
に、インク溝から加圧室に供給するインクのリフィル性
が損なわれることがなく、これにより、天板の落ち込み
が無く加圧室へのインクリフィル性に優れ高速印字に有
利なインクジェットプリントヘッドを提供することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は第1実施形態の印字ヘッドを天板を取り
除いて示す平面図、(b) はそのD−D′断面矢視図、
(c) はそのE−E′断面矢視図、(d) はそのF−F′断
面矢視図である。
【図2】第1実施形態の印字ヘッドのインク溝域及び支
持部材の詳細な寸法構成を示す図である。
【図3】(a) は第2実施形態の印字ヘッドを天板を取り
除いて示す平面図、(b) はそのG−G′断面矢視図であ
る。
【図4】(a) は第3実施形態の印字ヘッドを天板を取り
除いて示す平面図、(b) はそのH−H′断面矢視図であ
る。
【図5】(a) 〜(d) は第3実施形態の印字ヘッドの単一
溝部に支持部材を形成する方法を工程順に示す図であ
る。
【図6】(a),(b) は第4実施形態の印字ヘッド及びその
製造方法を示す断面図である。
【図7】(a),(b) は第4実施形態の印字ヘッドの変形例
及びその製造方法を示す図である。
【図8】(a) は第5実施形態の印字ヘッドの構成を模式
的に示す断面図、(b) はインク溝域と支持部材との関係
を示す拡大平面図、(c) は(b) のJ−J′断面矢視図で
ある。
【図9】(a) は第6実施形態の印字ヘッドの構成を天板
を透視的にして示す平面図、(b) はそのK−K′断面矢
視図である。
【図10】(a) は第7実施形態の印字ヘッドの構成を天
板を透視的にして要部のみ示す平面図、(b) はそのL−
L′断面矢視図である。
【図11】(a),(b) は従来の印字ヘッドの製造方法の工
程1〜3を示す概略の平面図とそのA−A′断面矢視
図、(c) は同じく工程4を示す概略の平面図とそのA−
A′断面矢視図及びB−B′断面矢視図である。
【図12】(a) は従来の印字ヘッドの製造方法の工程5
〜*を示す概略の平面図そのA−A′断面矢視図、(b)
は最終工程で発生する不具合を示す断面拡大図である。
【図13】従来のインク流路内に支柱を立設した印字ヘ
ッドを模式的に示す平面図とそのC−C′断面矢視図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 2 駆動回路 3 駆動回路端子 4 発熱部 5 共通電極 5−1 給電端子 6 開口部 7 隔壁 7−1 シール隔壁 7−2 区画隔壁 8 インク溝 9 インク供給孔 10 天板 11 加圧室 12 インク流路 13 吐出ノズル 14 ノズル列 15、16 印字ヘッド 17 支柱 20 印字ヘッド 21 基板 22 駆動回路 23 駆動回路端子 24 発熱部 25 共通電極 25−1 給電端子 26 共通電極開口部 27 隔壁 27−1 シール隔壁 27−2 区画隔壁 28 インク流路 29 インク供給孔 29−1 開口部 29−2 連通口 30、30′ インク溝域 31 インク流入部 32a、32b 分岐溝 33 条形領域 34 支持部材 35 加圧室 36 印字ヘッド 37 溝部 37−1 間隙 38 島状領域 40 印字ヘッド 41 単一溝部 42 支持部材 42a 土台部 42b 支持部 43、45 支持部材 44、46 天板 47 印字ヘッド 48 溝部 49 凹部 51 天板 52 吐出ノズル 53 支持部材 55 印字ヘッド 57 駆動回路 58 発熱部 59 共通電極 61 個別配線電極 62 隔壁 62−1 シール隔壁 62−2) 区画隔壁 63 インク供給孔 64 吐出ノズル 66 溝部 67 天板 68 螺旋状支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 義裕 東京都青梅市今井3丁目10番6号 カシオ 計算機株式会社青梅事業所内 (72)発明者 櫻岡 聡 東京都羽村市栄町3丁目2番1号 カシオ 計算機株式会社羽村技術センター内 Fターム(参考) 2C057 AF06 AG15 AG29 AG33 AG46 BA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクに圧力を作用させ該インクを吐出
    ノズルから所定方向に吐出させるインクジェットプリン
    トヘッドであって、 前記吐出ノズルに対応させて配設され、インクに圧力を
    作用させる加圧室と、 外部から供給されるインクを一時的に貯溜するインク溝
    と、 前記インク溝と前記加圧室を連通させるインク流路と、 前記インク溝内に配設され、該インク溝上方の天板を支
    持する複数の支持部材と、 を有することを特徴とするインクジェットプリントヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記支持部材は、予め前記天板に一体と
    なって形成された支柱であることを特徴とする請求項1
    記載のインクジェットプリントヘッド。
  3. 【請求項3】 複数の前記加圧室は、前記インク溝の両
    側に所定間隔で配設されていることを特徴とする請求項
    1記載のインクジェットプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 前記インク溝は、インク流入部と該イン
    ク流入部から分岐し互いに平行に延在する複数の分岐溝
    と該分岐溝に挟まれた条形領域とからなり、前記支持部
    材は、前記分岐溝に挟まれた条形領域に所定間隔で配置
    ・立設されることを特徴とする請求項1又は2記載のイ
    ンクジェットプリントヘッド。
  5. 【請求項5】 前記インク溝は、インク流入部と該イン
    ク流入部に連通する溝部と該溝部内に所定間隔で設けら
    れた複数の島状領域とからなり、前記支持部材は、前記
    島状領域の夫々に配置・立設されることを特徴とする請
    求項1又は2記載のインクジェットプリントヘッド。
  6. 【請求項6】 前記インク溝は、単一の溝部であり、前
    記支持部材は、前記単一の溝部内に配置されることを特
    徴とする請求項1又は2記載のインクジェットプリント
    ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記支持部材は、球形粒子であることを
    特徴とする請求項6記載のインクジェットプリントヘッ
    ド。
JP2000208262A 2000-07-10 2000-07-10 インクジェットプリントヘッド Abandoned JP2002019116A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000208262A JP2002019116A (ja) 2000-07-10 2000-07-10 インクジェットプリントヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000208262A JP2002019116A (ja) 2000-07-10 2000-07-10 インクジェットプリントヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002019116A true JP2002019116A (ja) 2002-01-23

Family

ID=18704880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000208262A Abandoned JP2002019116A (ja) 2000-07-10 2000-07-10 インクジェットプリントヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002019116A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100477707B1 (ko) * 2003-05-13 2005-03-18 삼성전자주식회사 모놀리틱 잉크젯 프린트헤드 제조방법
KR100484168B1 (ko) * 2002-10-11 2005-04-19 삼성전자주식회사 잉크젯 프린트헤드 및 그 제조방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100484168B1 (ko) * 2002-10-11 2005-04-19 삼성전자주식회사 잉크젯 프린트헤드 및 그 제조방법
KR100477707B1 (ko) * 2003-05-13 2005-03-18 삼성전자주식회사 모놀리틱 잉크젯 프린트헤드 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4226691B2 (ja) モノリシックサーマルインクジェットプリントヘッドの製造方法
JP4594755B2 (ja) インクジェットプリントヘッドを作製する方法
JPH03227251A (ja) 多色ルーフシューター型印字ヘッド
JPH04229276A (ja) サーマル式ドロップ・オン・デマンド・インクジェット・プリントヘッド
JP2017109476A (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP3906631B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP2000334951A (ja) マルチアレイ式インクジェット印字ヘッド
JP3554782B2 (ja) インクジェットプリンタヘッドの製造方法
JP2002067328A (ja) 記録ヘッド
JP2002019116A (ja) インクジェットプリントヘッド
JP3861532B2 (ja) インクジェットプリンタヘッドの製造方法
JP3799871B2 (ja) インクジェットプリンタヘッドの製造方法
JP2000318188A (ja) マルチアレイ式多色インク噴射印字ヘッド
US7249413B2 (en) Method for manufacturing inkjet printing head
JP3705007B2 (ja) インクジェットプリンタヘッド
JPH11334079A (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JP2002029057A (ja) インクジェットプリントヘッド
JP2000218803A (ja) マルチアレイ式多色ノズル列印字ヘッド
JP3649285B2 (ja) プリンタヘッド
JP2002001958A (ja) インクジェットプリンタヘッドの構造及び製造方法
JP2000127397A (ja) サーマルインクジェットヘッド
JP2001301177A (ja) インクジェットプリンタヘッドの製造方法
JP4656641B2 (ja) 記録ヘッドおよび記録装置
JP2001129998A (ja) インクジェットプリンタヘッド及びその製造方法
JP3820794B2 (ja) インクジェットプリントヘッド。

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050823

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20051007