JP2002029057A - インクジェットプリントヘッド - Google Patents

インクジェットプリントヘッド

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JP2002029057A
JP2002029057A JP2000217758A JP2000217758A JP2002029057A JP 2002029057 A JP2002029057 A JP 2002029057A JP 2000217758 A JP2000217758 A JP 2000217758A JP 2000217758 A JP2000217758 A JP 2000217758A JP 2002029057 A JP2002029057 A JP 2002029057A
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print head
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Minoru Kumagai
稔 熊谷
Osamu Nakamura
修 中村
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板の割れが防止されて製造歩留りの向上に有
利なインクジェットプリントヘッドを提供する。 【解決手段】インク溝28の中央部にインク溝凸部28
−1を形成し、このインク溝凸部28−1内にインク供
給孔29との連通口30が形成されるような位置にイン
ク供給孔29を穿設する。これにより、連通口30の中
心位置すなわちインク供給孔29の中心軸位置がインク
溝28の幅中心線に対して所定距離だけ位置ずれして配
置され、インク供給孔29近傍のインク溝28の構造
が、従来のインク溝の幅中心線とインク供給孔の軸中心
位置が一致した構造よりも強度が向上し、したがって、
サンドブラスト加工時や天板貼り付け加工時の機械的ス
トレスの集中が緩和されてインク溝28の長手方向の基
板割れを防止することができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板の割れが防止
されて製造歩留りの向上に有利なインクジェットプリン
トヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクを用紙面に吐出して印
字を行うインクジェット方式のプリンタがある。このイ
ンクジェット方式によるプリンタには、インクを加熱し
気泡を発生させてその圧力でインク滴を飛ばすサーマル
ジェット方式や、ピエゾ抵抗素子(圧電素子)の変形に
よってインク滴を飛ばすピエゾジェット方式等がある。
これらは、記録材たるインクをインク滴にして印字ヘッ
ドのノズルから噴射させて、そのインク滴を紙、布など
の被記録材に吸収させて文字や画像等の記録(印字、印
刷)を行なうものであり、騒音の発生が少なく、特別な
定着処理を要することもなく、インクの無駄の発生が少
ない印字方法である。
【0003】また、上記のサーマルジェット方式には、
インク滴の吐出方向により、二通りの構成があり、一つ
は発熱部の発熱面に平行な方向へインクを吐出する構成
のものであり、他の一つは発熱部の発熱面に垂直な方向
にインクを吐出する構成のものである。中でも発熱部の
発熱面に垂直な方向にインク滴を吐出する構成のもの
は、ルーフシュータ型インクジェットプリントヘッドと
呼称されており、発熱部の発熱面に平行な方向へインク
を吐出するサイドシュータ型の構成のものに比較して、
消費電力が極めて小さくて済むことが知られている。
【0004】このルーフシュータ型のサーマル式インク
ジェットプリントヘッドの製法としては、例えば6×2
5.4mm以上の直径の一枚のシリコンウエハ上に例え
ば90個以上に区画された10mm×15mm程度の大
きさの多数のチップ基板の上に、シリコンLSI形成技
術と薄膜形成技術を利用して、多数の発熱部とこれらを
個々に駆動する電極配線、駆動回路、インク流路、吐出
ノズル等を一括してモノリシックに形成する方法があ
る。また、近年では、シリコンウエハではなく、ガラス
基板に形成する方法も実用化されている。
【0005】図8(a),(b),(c) は、そのような従来のイ
ンクジェットプリントヘッド(以下、単に印字ヘッドと
いう)の製造方法を工程順に示す図であり、それぞれ一
連の工程において大きなガラス基板上の個々のチップ基
板に形成されていく印字ヘッドの状態の概略の平面図
と、そのA−A′断面矢視図を模式的に示している。
尚、これらの図には、説明の便宜上、1個のインク溝を
有するモノクロ用印字ヘッドを示しているが、現在で
は、特には図示しないがフルカラー用印字ヘッドの方が
多く実用化されつつある。
【0006】この印字ヘッドの製造方法は、先ず、工程
1として、ガラス基板上を多数のチップ基板区画に細分
化し、各チップ基板区画内にそれぞれLSI形成処理技
術により駆動回路を積層形成し、次に、工程2として、
薄膜形成技術を用いて、タンタル(Ta)−シリコン
(Si)−酸素(O)又はTa−Si−O−N(窒素)
系の発熱抵抗体膜と、Ti−W等の密着膜と、良導体の
例えばAuなどの電極膜を、スパッタあるいは真空蒸着
等の真空成膜装置で連続して順次成膜して積層する。
【0007】そして、電極膜と発熱抵抗体膜をフォトリ
ソグラフィー技術によって夫々パターニングし、発熱抵
抗体膜の発熱部とする領域を露出させその両側の発熱抵
抗体膜に重ねて配線電極を形成して発熱部と両側の配線
電極とからなる発熱素子を形成すると共に、給電端子及
び駆動回路端子を形成する。尚、この工程で発熱部の位
置が決められる。
【0008】図8(a) は、上記の工程1及び工程2が終
了した直後の状態を示している。すなわち同図(a) に示
すように、各チップ基板区画内の基板1には、その短手
方向のほぼ中央より左端部間に駆動回路2が基板1の長
手方向に延設され、その基板1の長手方向の一端(図で
は下端)に複数の駆動回路端子3が形成されている。
【0009】そして、上記の駆動回路2に接続する個別
配線電極(図では駆動回路2と一体になって図示されて
いるため定かには見えない)と、これらの個別配線電極
にそれぞれ一端を接続されている発熱部4と、この発熱
部4の他端に接続された共通電極5が形成されている。
共通電極5には、上記の駆動回路端子3と並んで給電端
子5−1が形成されている。また、共通電極5には中央
部が長手方向に切り欠かれた形状の開口部6が形成され
ている。
【0010】尚、同図(a),(b) には1列の発熱部列7に
18個の発熱部4を示しているが、実際には、設計上の
方針によっても異なるが64個、128個、256個
等、多数の発熱部5が1列の発熱部列7に形成されるも
のである。続いて、工程3として、個々の発熱部4に対
応するインク加圧室及びこれらのインク加圧室にインク
を供給するインク流路を形成すべく感光性ポリイミドな
どの有機材料からなる隔壁部材をコーティングで形成
し、これをフォトリソグラフィー技術によりパターン化
した後に、300℃〜400℃の熱を30分〜60分加
えるキュア(乾燥硬化、焼成)を行い、高さが1/2程
度に収縮した上記感光性ポリイミドによる隔壁を基板上
に形成・固着させる。
【0011】更に続いて、工程4として、ウェットエッ
チング装置またはサンドブラスト装置などにより上記基
板の面に細長のインク溝を形成し、更にこのインク溝に
連通し基板下面に開口するインク供給孔を形成する。こ
の工程4では、発熱部、配線電極、隔壁などが形成され
ている表面側のインク溝と、裏面側のインク供給孔で
は、形状が異なるため、表裏から別々に加工を行う。例
えば表面側にインク溝を基板の厚さのおよそ1/2程度
まで穿設し、裏面側からインク供給孔を穿設して表裏に
貫通させる。
【0012】図8(b) は、上述の工程3及び工程4が終
了した直後の状態を示している。すなわち、駆動回路2
と個別配線電極の上及び共通電極の上下と右端部分の
上、並びに各発熱部4の間に延び出した隔壁8(シール
隔壁8−1、区画隔壁8−2)が形成されている。上記
の隔壁8は、駆動回路2と個別配線電極上のシール隔壁
8−1を櫛の胴とすれば、各発熱部4と発熱部4との間
に延び出す区画隔壁8−2は櫛の歯に相当する形状をな
している。これにより、この櫛の歯状の区画隔壁8−2
を仕切り壁として、その歯と歯の間に発熱部4が位置す
る微細な区画部が、発熱部4の数だけ形成される。
【0013】また、基板1の表面には、共通電極5の開
口部6内に、細長いインク溝9が形成され、このインク
溝9に連通し、この連通するインク溝9の底面と基板1
の裏面間に貫通してインク供給孔11が形成されてい
る。図9(a) は、上記インク供給孔11及びその近傍の
インク溝9部分を拡大して示す平面図であり、同図(b)
は同図(a) のB−B′断面矢視図である。同図(a),(b)
に示すように、基板1の厚さは600μm、インク溝9
の中心深さは300μm、基板表面における開口幅は2
10μm、このインク溝9とインク供給孔11との連通
口10の幅は120μm、この連通孔から基板表面まで
の距離は110μm、そしてインク供給孔11の基板下
面における開口幅は390μmである。
【0014】この後、工程5として、ポリイミドのフィ
ルムからなる天板を、上記積層構造の最上層つまり隔壁
8の上に貼設する。この天板の貼設に際しては、予め貼
設面一面に接着材として熱可塑性ポリイミドを極薄にコ
ーテングした天板を隔壁の上に載置する又は隔壁の接着
面に熱可塑性ポリイミドを塗布した上に接着材のコーテ
ィングされていない天板を載置した後、真空中で50〜
200℃で加熱しながら、9.8×10-4Paの数倍の
圧力で加圧し、これを数10分続けて、天板を隔壁上に
固着させる。
【0015】更に、工程6として、真空装置又はスパッ
タ装置でTi、Ni、Cu又はAlなどの金属膜を天板
表面に蒸着し、この金属膜をパターン化してエッチング
用マスクを形成し、ヘリコン波等によるドライエッチン
グ等により上記の金属膜マスクに従ってポリイミドを選
択的にエッチングして多数の吐出ノズルを天板に一括形
成する。
【0016】図8(c) は、上述した工程5と工程6が終
了した直後の状態を示している。すなわち、天板12が
共通電極給電端子5−1及び駆動回路端子3の部分を除
く全領域を覆っており、区画隔壁8−2によって形成さ
れている区画部も上を覆われて隔壁8の厚さに対応する
高さの微細な加圧室13を形成して、その開口をインク
溝9の方向に向けている。そして、これら加圧室13の
開口とインク溝9とを連通させるインク流路14が形成
されている。
【0017】そして、天板12には加圧室13の発熱部
4に対向する位置に吐出ノズル15が形成されている。
これにより、例えば256個等の多数の吐出ノズル15
からなるノズル列16を備えた印字ヘッド17が、ガラ
ス基板上に多数完成する。図10は、上記と同様の従来
の印字ヘッドをシリコンウエハ(シリコン基板)上に作
成する際の形態を模式的に示す図である。同図に示すよ
うにシリコンウエハ18には、オリエンテーションフラ
ット19と呼ばれる目印があり、シリコンウエハ18を
加工する諸装置は、オリエンテーションフラット19を
基準として各作業処理を行っている。したがって、印字
ヘッドの長手方向に沿って形成されるインク溝9の長手
方向を、図のようにオリエンテーションフラット19に
平行する方向(或は直交する方向の場合もある)に揃え
て、印字ヘッドがシリコンウエハ18上に形成されるこ
とが多い。
【0018】ガラス基板あるいはシリコン基板のいずれ
にしても、最後に、工程7として、ダイシングソーなど
を用いて基板をスクライブラインに沿ってカッテングし
て、チップ基板毎に個別に分割し、このチップ基板を実
装基板にダイボンデングし、端子接続し、その接続部分
を樹脂等で封止処理して、実用単位の印字ヘッドモジュ
ールが完成する。
【0019】尚、この印字ヘッド17は、モノクロ用印
字ヘッドの構成であるが、フルカラー用印字ヘッドも上
述した工程を用いて容易に製造可能である。通常フルカ
ラー印字においては、減法混色の三原色であるイエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色に、文字
や画像の黒部分に専用されるブラック(Bk)を加えて
合計4色のインクを必要とするから、大きめのチップ基
板区画に上述した印字ヘッド17を1ヘッド素子とし
て、これを4個並設して構成すればよい。各ヘッド素子
のノズル列の位置関係も今日の半導体の製造技術により
正確に配置することができる。
【0020】このような印字ヘッド17を備えた印字ヘ
ッドモジュールは、プリンタ本体に配設され、プリンタ
本体の制御装置からの制御により、駆動回路2を介して
発熱部4が印字情報に応じて選択的に発熱駆動される。
インクはインク供給孔11を介して外部から供給され、
インク溝9及びインク流路14を流動して加圧室13に
補給される。
【0021】加圧室13内のインクは、上記発熱部4の
発熱により発熱部4とインクとの界面に瞬時に発生した
膜気泡の成長圧力により、吐出ノズル15から押し出さ
れ、インク滴となって不図示の用紙に向けて噴射され
て、用紙面に印字ドットを形成する。
【0022】ところで、上記の製造工程4におけるイン
ク溝9及びインク供給孔11の穿設工程では、ウェット
エッチング装置またはサンドブラスト装置などを用いて
いるが、現状では、サンドブラストによる加工の方が、
加工レートの点で優れており、孔の穿設加工方法として
は、このサンドブラスト加工が最も適しているといえ
る。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところが、サンドブラ
スト加工は、圧縮空気等のキャリアガスによって加速し
た数μmから数十μmの微細砥粒をノズルから噴射さ
せ、この微細砥粒をガラス基板やシリコンウエハ等の硬
脆性材料に高速かつ高密度で衝突させることにより微細
加工を行うものであり、微細砥粒の投射量と噴射圧力を
大きくしていくと加工レートは上がるが、それに伴い硬
脆性材料つまり基板1に与える機械的ストレスが大きく
なる。
【0024】また、上記の工程4におけるインク溝9と
インク供給孔11の形成後に、工程6では基板1の最上
層に天板12を貼り付けているが、この天板6の貼り付
け加工では、隔壁8の上に、接着材がコーティングされ
たポリイミドを加熱しながらプレスして貼り付ける。そ
のため、基板1にはプレスによる機械的ストレスが加わ
る。このように、基板1に再々大きな機械的ストレスが
加わると基板が割れ易く、製造歩留りが低下するという
問題が発生する。
【0025】すなわち、図8(b) に示した工程4と同図
(c) に示した工程6において、図9(a),(b) に示したイ
ンク溝9とインク供給孔11の構造部分で亀裂が発生し
易い。図9(a),(b) に示したように、インク溝9の幅中
心線Cと、インク供給孔11の中心軸位置Dとは重なっ
ており、このように基板1を上下に貫通する構造の溝と
孔の中心位置が一致しているために、これらが連通する
連通口10の近傍に応力が集中する傾向があるために強
度が一番弱く、サンドブラスト加工時や天板貼り付け加
工時の機械的ストレスにより、この部分から基板1が割
れるという不具合が発生する。
【0026】また、特にシリコンウエハの場合は、詳し
くは後述する劈開面を備えていることもあって、上記の
ような基板割れの傾向が顕著に現れるという問題を有し
ていた。本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、基板
の割れが防止されて製造歩留りの向上に有利なインクジ
ェットプリントヘッドを提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】以下に、本発明に係わる
インクジェットプリントヘッドの構成を述べる。先ず、
請求項1記載の発明のインクジェットプリントヘッド
は、インクに圧力を作用させ該インクを吐出ノズルから
所定方向に噴射させて記録を行うインクジェットプリン
トヘッドであって、基板の表面に上記吐出ノズルに対応
させて設けられた圧力エネルギー発生素子と、上記基板
表面に溝状に形成され、上記圧力エネルギー発生素子の
配設領域に供給するインクを一時貯留するインク溝と、
上記基板の裏面と上記インク溝の底面間に貫通形成され
たインク供給孔と、を有し、上記インク溝の幅中心線位
置に対し上記インク供給孔の中心軸位置が所定量ずれて
いるように構成される。
【0028】上記基板は、例えば請求項2記載のガラス
基板である場合、或いは請求項3記載のシリコン基板で
ある場合に、顕著な割れ防止効果が得られる。また、上
記インク供給孔は、例えば請求項4記載のように、上記
インク溝に対し複数個設けられていてもよく、この場
合、例えば請求項5記載のように、インク供給孔の中心
軸位置と隣接のインク供給孔の中心軸位置とを結ぶ線が
上記インク溝の幅中心線と平行しないように形成されて
いることが好ましい。また、例えば請求項6記載のよう
に、上記インク供給孔の各中心軸位置の上記インク溝の
幅中心線位置からのずれ量が、該インク溝の幅中心線位
置に対し同じ側において、各インク供給孔毎に異なって
いるようにすることが好ましい。
【0029】また、上記基板が例えば請求項7記載のよ
うにシリコン基板であるときは、上記インク溝はその幅
中心線方向が上記シリコン基板の劈開面方向と斜めに交
差するように配置されていることが好ましく、この場
合、例えば請求項8記載のように、上記シリコン基板が
単結晶板であるときは、上記インク溝はその幅中心線方
向が上記シリコン基板の(110)面方向に平行になる
ように配置されていることが好ましい。
【0030】次に、請求項9記載の発明のインクジェッ
トプリントヘッドは、インクに圧力を作用させ該インク
を吐出ノズルから所定方向に噴射させて記録を行うイン
クジェットプリントヘッドであって、単結晶シリコンウ
エハからなる基板と、上記基板の表面に上記吐出ノズル
に対応させて設けられた圧力エネルギー発生素子と、上
記基板の表面に溝状に形成され、上記圧力エネルギー発
生素子に供給するインクを一時的に貯留するインク溝
と、を有し、上記インク溝は、その幅中心線方向が上記
単結晶シリコンウエハの劈開面方向に対し斜めに交差す
るように配置されて構成される。
【0031】上記インク溝は、例えば請求項10記載の
ように、その幅中心線方向が上記基板の(110)面方
向に平行になるように配置されていることが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1(a),(b),(c) は、本発明
の第1の実施形態としてのインクジェットプリントヘッ
ドの構成を製造工程順に模式的に示す平面図とそのE−
E′断面矢視図である。同図(a),(b),(c) に示す印字ヘ
ッド20において、製造工程の工程1及び工程2で形成
される同図(a) に示す基板21、駆動回路22、駆動回
路端子23、発熱部24、共通電極25、給電端子25
−1、及び共通電極開口部26の構成は、図8(a) に示
した従来の印字ヘッド17の基板1、駆動回路2、駆動
回路端子3、発熱部4、共通電極5、給電端子5−1、
及び共通電極開口部6の構成と同一である。なお、本実
施形態の基板21はガラス基板である。
【0033】また、工程3において形成される図1(b)
に示す隔壁27(シール隔壁27−1、区画隔壁27−
2)の構成は、図8(b) に示した従来の印字ヘッド17
の隔壁8(シール隔壁8−1、区画隔壁8−2)の構成
と同一であるが、続く工程4においては、本例における
印字ヘッド20の場合は、インク溝及びインク供給孔の
構成が、図8及び図9に示した従来の印字ヘッド17の
場合と異なる。
【0034】尚、本例の印字ヘッド20において、上記
に続いて行う工程5において最上層に積層される天板3
1及びこれによって最終的に形成されるインク流路33
及び加圧室34、並びに工程6で天板31に穿設される
吐出ノズル32の構成も、図8(c) に示した従来の印字
ヘッド17の天板12、インク流路14、加圧室13及
び吐出ノズル15の構成と同一である。
【0035】そして、本例の印字ヘッド20において
は、図1(b) に示すように、工程4において共通電極開
口部26内に穿設されるインク溝28及びインク供給孔
29は本発明に特有な構造として、連通口30の中心位
置すなわちインク供給孔29の中心軸位置がインク溝2
8の幅中心線位置に対して所定量ずれて形成されてい
る。
【0036】図2(a) は、上記の位置ずれの関係を示す
ため、インク溝28とインク供給孔29のみを取り出し
て示す平面図であり、同図(b) は同図(a) のインク供給
孔29及びその近傍のインク溝28を拡大して示す図で
ある。本例においては、同図(b) に示すように、インク
溝28には、その中央部の幅方向外部に突出してインク
溝凸部28−1が形成されており、このインク溝凸部2
8−1にインク供給孔29との連通口30が形成されて
いる。
【0037】これにより、インク溝28の幅中心線Fに
対して、連通口30の中心位置すなわちインク供給孔2
9の中心軸位置Gは所定の距離αだけずれるようにな
る。尚、このとき、同図(a) に示すように、連通口30
を形成するためのインク溝凸部28−1は、例えばイン
ク溝28の長手方向に所望の大きさの連通口が得られる
長さhに形成する。但しこのインク溝凸部28−1の長
手方向の長さhは、インク溝の長さHに対して十分に短
く「h<H」となるようにする。例えば、インク溝28
の長さ10mmに対してインク溝凸部28−1の長さを
1mmというようにする。
【0038】また、同図(b) に示すように、連通口30
をインク溝28から離れた位置に形成するために、イン
ク溝28の幅Wに対し、インク溝凸部28−1の幅(短
手方向長さ)wの関係を、「W<w」となるようにす
る。このとき、上記の位置ずれ量αは「α=(W+w)
/2」となる。
【0039】このように、本例では、インク溝28とイ
ンク供給孔29との連通口30をインク溝28から幅方
向に突出形成されたインク溝凸部28−1内に形成する
ので、連通口30の中心位置すなわちインク供給孔29
の中心軸位置Gがインク溝28の幅中心線Fに対して距
離αだけ位置ずれして配置される。これにより、連通口
30近傍すなわちインク供給孔29近傍のインク溝28
の構造が、従来のインク溝の幅中心線とインク供給孔の
軸中心位置が一致した構造よりも強度が向上し、したが
って、従来ではサンドブラスト加工時や天板貼り付け加
工時の機械的ストレスによって発生し易かったインク溝
28の長手方向の基板割れを防止することができように
なる。
【0040】尚、上記第1の実施の形態のようにインク
溝28から幅方向に凸状に飛び出して形成されたインク
溝凸部28−1に連通口30を形成する構造は、従来構
造よりも加工面積が増えるためチップ基板のサイズがや
や大きくなる。図3(a) は、そのようなチップ基板の若
干の大サイズ化をも避けた構成の第2の実施形態として
の印字ヘッドのインク供給孔とその近傍のインク溝の拡
大平面図であり、同図(b) はそのJ−J′断面矢視図で
ある。
【0041】この場合はインク溝28′には幅方向の凸
部は無く、通常の細長のインク溝でよい。加工方法も従
来と同様であり特別の手数は要しない。また、インク供
給孔29は、穿設位置が図1及び図2の第1実施形態と
しての印字ヘッドの場合よりもインク溝側に移動したこ
とを除けば、図1及び図2の場合と全く同様の加工方法
でよく特別の手数は要しない。
【0042】図3(a),(b) に示すように、本例の印字ヘ
ッドは、インク供給孔29のインク溝28′との連通口
30′は、インク溝28′内に形成され、且つ連通口3
0′の中心位置つまりインク供給孔29の中心軸位置K
は、インク溝28′の幅中心線F′に対して距離βだけ
位置がずれている。
【0043】このように、本例の場合も、インク溝2
8′の幅中心線F′に対してインク供給孔29の中心軸
位置(連通口30′の中心位置)Kが距離βだけ位置ず
れて配置されるので、連通口30′近傍のインク溝2
8′の構造が、従来のインク溝の幅中心線とインク供給
孔の軸中心位置が一致した構造よりも強度が向上し、し
たがって、この場合も従来サンドブラスト加工時や天板
貼り付け加工時の機械的ストレスによって発生し易かっ
たインク溝28の長手方向の基板割れを防止することが
できようになる。
【0044】また本例の場合は、インク溝を従来のイン
ク溝の構造と同じ形状で加工できるので、チップ基板の
大きさが従来と変わらないという利点がある。尚、上述
した実施の形態における印字ヘッドは、いずれも小型の
印字ヘッドの構造、例えばシリアル印字方式のプリンタ
において印字主走査方向に印字ヘッドが往復移動する形
で用いられる印字ヘッドの構成を示しているが、上述の
位置ずれさせてインク溝とインク供給孔を形成する本発
明の構成は、シリアル印字方式のプリンタに用いられる
印字ヘッドに限るものではなく、ライン印字方式のプリ
ンタに用いられる長尺印字ヘッドにも適用可能である。
【0045】図4(a),(b) はそれぞれ図1及び図2に示
したインク溝凸部に連通口を形成する構成を長尺印字ヘ
ッドに適用した例を示す図である。尚、図4(a),(b) に
は、インク溝35と、このインク溝35の短手幅方向に
突出して形成されたインク溝凸部36又は36′と、こ
のインク溝凸部36又は36′内に形成されたインク供
給孔との連通口37(37a、37b、37c、37
d)のみを示し、その他の構成部分は図示を省略してい
る。
【0046】また、これらのインク溝35が形成されて
いる図示を省略した長尺印字ヘッドは、プリンタ本体側
に固定されて用いられる形式のものであり、搬送される
用紙の印字主走査方向の印字有効領域の全幅に亙って一
度に印字を行うことができ、インク溝35は、その長尺
印字ヘッドの長手方向に沿って形成された長尺の細長い
溝で形成されている。
【0047】図4(a) に示す例は、インク溝35の幅方
向両側に、複数のインク溝凸部36がインク溝35の長
手方向に沿って千鳥状に順次位置ずれして形成されてい
る。この場合も、インク溝35の幅中心線F″に対し
て、インク溝35の両側に形成される連通口37a,3
7bの中心位置すなわちインク供給孔の中心軸位置は距
離mだけ位置ずれして配置される。これにより、インク
溝35の構造が、従来構成のインク溝の構造よりも強度
が向上する。
【0048】また、図4(b) に示す例は、インク溝35
の両側のインク溝凸部36及び36′が、単に千鳥状に
位置ずれしているだけでなく、同じ側のインク溝凸部3
6及び36′もインク溝35の幅中心線F″に対して交
互に位置ずれしている例を示している。すなわち、イン
ク溝35の幅中心線F″に対して、連通口37cの中心
位置は上記同様に距離mだけ位置ずれし、連通口37d
の中心位置はそれよりも更に距離nだけ、つまりインク
溝35の幅中心線F″に対して距離m+nだけ位置ずれ
して配置されている。この場合も、インク溝35の構造
が、従来構成のインク溝の構造よりも強度が向上する。
【0049】また、図4(b) の構成を換言すれば、イン
ク供給孔(図示省略)は、その中心軸位置(例えば連通
口37cの中心位置P1)と隣接のインク供給孔(不図
示)の中心軸位置(連通口37dの中心位置P2)とを
結ぶ線P3がインク溝35の幅中心線F″と平行しない
ように形成されている、と言える。
【0050】図5(a),(b) はそれぞれ図3に示したイン
ク溝とインク供給孔を形成する構成を長尺印字ヘッドに
適用した例を示す図である。尚、図5(a),(b) には、こ
の場合も、インク溝38とこのインク溝38内に形成さ
れたインク供給孔との連通口39(39−1、39−
2、・・・、39−6)のみを示し、その他の構成部分
は図示を省略している。
【0051】また、インク溝38の幅中心線F″を挟ん
でその両側にそれぞれ形成されている複数の連通口39
の配置は、一方の側の配置を上下左右反転させると他方
の側の配置となるので、以下の説明では一方の側(図で
は上側)の複数の連通口39についてのみ述べる。
【0052】この図5(a) に示す例も、連通口39がイ
ンク溝38内に形成されている点が異なるだけで、イン
ク溝38の幅中心線F″に対する複数の連通口39の位
置関係は図4(b) の場合と同様である。すなわち、連通
口39−1とインク溝38の幅中心線F″からのずれ量
はm1、連通口39−2とインク溝38の幅中心線F″
からのずれ量はm2で且つm1≠m2であり、この場合
も、インク供給孔(図示省略)は、その中心軸位置(例
えば連通口39−1の中心位置)と隣接のインク供給孔
(不図示)の中心軸位置(連通口39−2の中心位置)
とを結ぶ線がインク溝38の幅中心線F″と平行しない
ように形成されている。
【0053】次に、図5(b) に示す例は、インク溝38
内に形成される複数の連通口39−3、39−4、39
−5及び39−6の中心位置と、インク溝38の幅中心
線F″位置からのずれ量m3、m4、m5及びm6の関
係がm3≠m4≠m5≠m6であるように形成されてい
る。
【0054】これを換言すれば、各インク供給孔(図示
省略)は、その中心軸位置(連通口39の中心位置)の
インク溝38の幅中心線F″位置からのずれ量m3、m
4、m5及びm6が、インク溝38の幅中心線F″位置
に対し同じ側において、各インク供給孔毎に互いに異な
っている、と言える。
【0055】尚、図5(c) は、図4(a) と図5(a) の構
成を混在させて形成した例を示しており、インク溝の幅
中心線に対して位置ずれしたインク供給孔の形成方法は
種々存在することの例として示したものである。即ち、
図5(c) は、連通口39−7がインク溝凸部38−1に
開口したインク供給孔と、連通口39−8がインク溝3
8内に開口したインク供給孔との2種類のインク供給孔
を混在させた実施形態を示している。
【0056】ところで、上述してきた例は、いずれもガ
ラス基板上に印字ヘッドを構成する例で説明してきた
が、勿論シリコンウエハ上に形成しても良いものであ
る。但しシリコンウエハには劈開面が在るために基板割
れの傾向が顕著であることは前述した。しかし、上述し
た本発明のインク溝の幅中心線に対してインク供給孔の
配設位置をずらす構成に加えてシリコンウエハの劈開面
をインク溝の長手軸方向に揃えない構成とすることによ
り、シリコンウエハの場合でも基板割れをより良く防止
することができる。以下、これについて説明する前に劈
開面に係わるシリコンウエハの切り出し面に係わる特性
について簡単に説明する。
【0057】図6は、シリコン単結晶インゴットから切
り出したブロックを示す図である。このようにブロック
に切り出されたシリコン単結晶から多枚数のシリコンウ
エハが切り出される。このようなシリコン単結晶ブロッ
ク41から切り出されるウエハでは、切り出し面の向き
によって特性が異なることが知られている。
【0058】例えば、シリコン単結晶ブロック41の中
心軸に対して一定の傾きを持った面に沿って切り出され
た微細小片は、圧電素子として用いられ、方向探知器や
ジャイロスコープなどに使用される。また、このときの
切り出し面の傾き角や小片の厚さに応じて圧電素子とし
ての性能が変化する。
【0059】また、シリコン単結晶ブロック41の中心
軸に対して直交する面に沿って切り出したシリコンウエ
ハの場合、図6に示すようにシリコン単結晶ブロック4
1内に立方体42を想定したとき、その立方体42のシ
リコン結晶軸に対する或る面の方向が、切り出されたシ
リコンウエハに対して割れを誘発しやすい面であること
が判明している。この面は(100)面と呼ばれてい
る。
【0060】いま、この(100)面を図6の立方体4
2の頂角a、b、c及びdを結んで形成される面である
とすると、頂角b、d、e及びfを結んで形成される面
に沿った方向も、(100)面である。そして、シリコ
ンウエハを加工する際に上記の劈開に関する特性等を充
分に認識した上で加工できるように、シリコン単結晶ブ
ロック41には、図の一点鎖線で示す部分から外側を切
り欠いて平坦面43を形成してある。この平坦面43が
図10に示したオリエンテーションフラット19と呼ば
れるものであり、このオリエンテーションフラット19
を(100)面に沿って形成すれば、シリコンウエハ1
8における割れを誘発しやすい劈開面の方向を示す目印
となる。
【0061】ところが従来は、シリコンウエハ18上の
各チップ基板区画毎に形成する印字ヘッドの配置方向に
対しては、加工装置の都合に任せるだけであってシリコ
ンウエハの劈開面に対して特には何等の考慮も払われて
おらず、図10に示すように、各印字ヘッド17におけ
るインク溝9の延在方向を(100)面に平行に揃える
ことが多かった。
【0062】ところで、上記の図6の(100)面に属
さない面のうち、立方体42の対角a、b、e及びfを
結んで形成される面は(110)面と呼ばれており、最
もシリコンウエハに対して割れを誘発し難い面であるこ
とが判明している。そこで、シリコンウエハによって印
字ヘッドを製造する場合に、本発明のインク溝の幅中心
線に対して位置ずれしたインク供給孔を形成する方法に
加えて、上記の(110)面に沿った方向にインク溝の
長手方向を揃えて配置するようにする。
【0063】図7は、シリコンウエハを用いて本発明の
構造の印字ヘッドを製造する場合の一実施形態を示す図
である。同図に示すように、本発明の印字ヘッドは、オ
リエンテーションフラット44を(100)面としたシ
リコンウエハ45を用い、各印字ヘッドチップエリア毎
に形成する各インク溝46の長手方向を、図のようにオ
リエンテーションフラット44に45度の傾きを有する
(110)面方向に揃えて形成される。
【0064】このように全てのインク溝46の長手方向
を(110)面の方向に揃えた構成を採用するだけで
も、シリコン基板の割れは顕著に防止されるが、更に、
前述したインク供給孔の中心軸をインク溝の幅中心線か
らずらせる構成をも併せて採用することにより、双方の
構成の効果が相乗され、シリコン基板の割れをより良く
防止することができる。
【0065】なお、インク溝の長手方向つまりその幅中
心線はシリコンウエハの劈開面に対して45度に交差さ
せるのが割れ防止に対し最も効果的であるが、その交差
角は45度に限るものではなく設計上の都合に応じて適
度に斜めに交差させるだけでもよい。
【0066】また、上述した各種実施の形態では、いず
れもモノクロ印刷用の印字ヘッドとしてインク溝を1本
だけ形成したものを示しているが、カラー印刷用の印字
ヘッドとしてインク溝を色数分だけ例えば4本又は6本
色並設した形状の場合でも、上記のインク溝とインク供
給孔の加工方法を適用できることは勿論である。
【0067】更に、本発明は、基板がガラス基板やシリ
コン基板の場合に限らず、アルミナ等のセラミックス基
板等、他の種々の基板を用いる場合に広く適用可能であ
る。加えて、本発明は、サーマルインクジェットプリン
トヘッドに限らず、圧電効果を利用したピエゾ式等種々
のインクジェットプリントヘッドに適用可能である。
【0068】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、基板にインク供給孔とこれに連通するインク溝と
を、インク供給孔の中心軸位置がインク溝の幅中心線位
置から幅方向に所定量ずれるように形成するので、サン
ドブラスト加工時や天板貼り付け加工時に加わる機械的
ストレスつまり応力の集中が緩和され、インク溝長手方
向に沿った基板の割れを防止することができ、製造歩留
りが向上する。
【0069】また、インクジェットプリントヘッドの基
板としてシリコン基板を用い、インク溝の幅中心線方向
をシリコン基板の劈開面方向に対して斜めに交差させる
から、製造工程中において加わる機械的ストレスによる
基板の割れを顕著に防止することができ、製造歩留まり
を格段に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c) はそれぞれ本発明の第1の実施形
態としてのインクジェットプリントヘッドの構成を製造
工程順に模式的に示す平面図とそのE−E′断面矢視図
である。
【図2】(a) は第1の実施形態のインク溝とインク供給
孔のみを取り出して示す平面図、(b) は(a) のインク供
給孔及びその近傍のインク溝を拡大して示す図である。
【図3】(a) は第2の実施形態のインク供給孔とその近
傍のインク溝の拡大平面図、(b) はそのJ−J′断面矢
視図である。
【図4】(a),(b) はそれぞれインク溝凸部に連通口を形
成する構成を長尺印字ヘッドに適用した例を示す図であ
る。
【図5】(a),(b) はそれぞれインク溝内にインク供給孔
を形成する構成を長尺印字ヘッドに適用した例を示す
図、(b) はインク溝とインク供給孔を形成方法が他に種
々存在することの例を示す図である。
【図6】シリコン単結晶インゴットから切り出したブロ
ックとその裁断面の向きによって特性が異なることを説
明する図である。
【図7】シリコンウエハを用いて本発明の印字ヘッドを
製造する場合の例を示す図である。
【図8】(a),(b),(c) は従来のインクジェットプリント
ヘッドの製造方法を工程順に模式的に示す概略の平面図
とそのA−A′断面矢視図である。
【図9】(a) はインク供給孔及びその近傍のインク溝部
分を拡大して示す平面図、(b)は(a) のB−B′断面矢
視図である。
【図10】従来の印字ヘッドをシリコンウエハ(シリコ
ン基板)上に作成する際の形態を模式的に示す図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 2 駆動回路 3 駆動回路端子 4 発熱部 5 共通電極 5−1 給電端子 6 開口部 7 発熱部列 8 隔壁 8−1 シール隔壁 8−2 区画隔壁 9 インク溝 10 連通口 11 インク供給孔 12 天板 13 加圧室 14 インク流路 15 吐出ノズル 16 ノズル列 17 印字ヘッド 18 シリコンウエハ 19 オリエンテーションフラット 20 印字ヘッド 21 基板 22 駆動回路 23 駆動回路端子 24 発熱部 25 共通電極 25−1 給電端子 26 共通電極開口部 27 隔壁 27−1 シール隔壁 27−2 区画隔壁 28、28′ インク溝 29 インク供給孔 30、30′ 連通口 31 天板 32 吐出ノズル 33 インク流路 34 加圧室 35 インク溝 36、36′ インク溝凸部 37(37a、37b、37c、37d) 連通口 38 インク溝 39(39−1、39−2、・・・、39−8) 連通
口 41 シリコン単結晶ブロック 42 立方体 43、44 オリエンテーションフラット 45 シリコンウエハ 46 インク溝

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクに圧力を作用させ該インクを吐出
    ノズルから所定方向に噴射させて記録を行うインクジェ
    ットプリントヘッドであって、 基板の表面に前記吐出ノズルに対応させて設けられた圧
    力エネルギー発生素子と、 前記基板表面に溝状に形成され、前記圧力エネルギー発
    生素子の配設領域に供給するインクを一時貯留するイン
    ク溝と、 前記基板の裏面と前記インク溝の底面間に貫通形成され
    たインク供給孔と、を有し、 前記インク溝の幅中心線位置に対し前記インク供給孔の
    中心軸位置が所定量ずれていることを特数とするインク
    ジェットプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 前記基板は、ガラス基板であることを特
    徴とする請求項1記載のインクジェットプリントヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記基板は、シリコン基板であることを
    特徴とする請求項1記載のインクジェットプリントヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 前記インク供給孔は、前記インク溝に対
    し複数個設けられていることを特徴とする請求項1乃至
    3記載のインクジェットプリントヘッド。
  5. 【請求項5】 前記インク供給孔は、その中心軸位置と
    隣接のインク供給孔の中心軸位置とを結ぶ線が前記イン
    ク溝の幅中心線と平行しないように形成されていること
    を特徴とする請求項4記載のインクジェットプリントヘ
    ッド。
  6. 【請求項6】 前記インク供給孔は、各中心軸位置の前
    記インク溝の幅中心線位置からのずれ量が、該インク溝
    の幅中心線位置に対し同じ側において、各インク供給孔
    毎に異なっていることを特徴とする請求項4記載のイン
    クジェットプリントヘッド。
  7. 【請求項7】 前記基板はシリコン基板であり、前記イ
    ンク溝はその幅中心線方向が前記シリコン基板の劈開面
    方向と斜めに交差するように配置されていることを特徴
    とする請求項1記載のインクジェットプリントヘッド。
  8. 【請求項8】 前記シリコン基板は単結晶板であり、前
    記インク溝はその幅中心線方向が前記シリコン基板の
    (110)面方向に平行になるように配置されているこ
    とを特徴とする請求項7記載のインクジェットプリント
    ヘッド。
  9. 【請求項9】 インクに圧力を作用させ該インクを吐出
    ノズルから所定方向に噴射させて記録を行うインクジェ
    ットプリントヘッドであって単結晶シリコンウエハから
    なる基板と、 前記基板の表面に前記吐出ノズルに対応させて設けられ
    た圧力エネルギー発生素子と、 前記基板の表面に溝状に形成され、前記圧力エネルギー
    発生素子に供給するインクを一時的に貯留するインク溝
    と、 を有し、 前記インク溝は、その幅中心線方向が前記単結晶シリコ
    ンウエハの劈開面方向に対し斜めに交差するように配置
    されていることを特徴とするインクジェットプリントへ
    ッド。
  10. 【請求項10】 前記インク溝は、その幅中心線方向が
    前記基板の(110)面方向に平行になるように配置さ
    れていることを特徴とする請求項9記載のインクジェッ
    トプリントヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006302940A (ja) * 2005-04-15 2006-11-02 Seiko Instruments Inc 半導体装置
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